>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

R 1646 : 2002

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は,出願公開後の実用新案

登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 R

1646

: 2002

ファインセラミックスの

キャビテーションエロージョン試験方法

Testing method for cavitation erosion of fine ceramics

1.

適用範囲  この規格は,高温・高圧の水,水蒸気中などで使用されるファインセラミックスの適正を

評価するためのキャビテーションエロージョン試験方法について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 0601

  製品の幾何特性仕様 (GPS) −表面性状:輪郭曲線方式−用語,定義及び表面性状パラメ

ータ

JIS B 7502

  マイクロメータ

JIS B 7507

  ノギス

JIS C 2141

  電気絶縁用セラミック材料試験方法

JIS R 1600

  ファインセラミックス関連用語

JIS R 2205

  耐火れんがの見掛気孔率・吸水率・比重の測定方法

JIS Z 8401

  数値の丸め方

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R 1600 によるほか,次による。

a)

キャビテーション  高圧水などの液体を取り扱う流体機器類では,流路断面の縮小,拡大などによる

流速の変化に伴い,液体中に一時的に圧力が低下する部分が生じる。圧力が液体のその温度の飽和蒸

気圧まで低下すると,圧力低下域では液体中に気泡が生じ,その下流の圧力回復域で気泡が崩壊する

現象。

b)

キャビテーションエロージョン  気泡の崩壊によるキャビテーション衝撃波などによって,液体に接

する構造部材が受ける損傷。

4.

試験装置及び器具  試験装置及び器具は,次による。

4.1

試験装置  試験装置は,磁わい(歪)振動試験装置を使用し,図 及び図 に例示する直接形磁わ

い振動試験装置又は対向形磁わい振動試験装置を用いる。

4.2

測定器具

a)

ノギス  JIS B 7507 に規定する最小読取り長さ 0.05mm 又はこれと同等以上の精度をもつものを用い

る。

b)

マイクロメータ  JIS B 7502 に規定するマイクロメータ又はこれと同等以上の精度をもつものを用い


2

R 1646 : 2002

る。

c)

乾燥器  温度を 105∼120℃に保つことができる電気恒温槽を用いる。

d)

化学天びん  最大ひょう量 100∼200g で,感度 0.1mg 又はこれと同等以上の精度をもつものを用いる。

図 1  直接形磁わい振動試験装置の一例

図 2  対向形磁わい振動試験装置の一例

5.

試験片  試験片は,次による。

5.1

試験片の形状及び寸法  試験片は,製品から切り出すか,又は別に作成する。別に作成する場合に

は,試験片は製品を代表できるようなもので,製品と同一条件で製造したものでなければならない。

試験片の形状及び寸法は,

図 に示す円板形とし,上面又は下面を評価面とする。

なお,試験片のりょう(稜)は,丸めるか,又は面取り (0.1∼0.3mm)  する。


3

R 1646 : 2002

図 3  試験片の一例

5.2

試験片の表面粗さ  試験片の表面粗さは,JIS B 0601 に規定する 0.20

µmRa 以下とする。

5.3

試験片の数  試験片の数は,2 個以上とする。

6.

試験方法  試験方法は,次による。

6.1

試験条件  試験条件は,表 によって設定する。

表 1  試験条件

条件

項目

直接形磁わい振動法

対向形磁わい振動法

振動子

磁わい式

振動数 20±0.2kHz

振幅(全振幅) 0.05mm

0.03mm

振動子先端と試験片のすきま

− 0.4mm

試験液

純水(脱イオン水)

試験槽容量 600cm

3

以上

液深 40mm 以上

試験片浸せき深さ

3

∼10mm

試験液温度 20±1℃

雰囲気圧力

大気圧

試験時間 5h

20h

6.2

試験片の寸法の測定  試験片の寸法は,あらかじめマイクロメータ又はノギスを用いて測定する。

6.3

試験片の質量の測定  試験の前後において JIS C 2141 の方法によって,次の順序に従って試験片の

質量を測定する。

a)

試験片をアセトンなどで脱脂洗浄する。

b)

試験の前後に 105∼120℃に調整した恒温槽中で試験片を 1 時間乾燥し,デシケータに入れて室温に達

するまで放冷した後,天びんを使用して試験片の乾燥質量を測定する。

6.4

試験片のかさ密度の測定  試験片のかさ密度は,試験片の体積と質量を使用して求めるか,又は JIS 

R 2205

によって次の順序に従って決定する。

a)

飽水試験片の水中質量及び飽水試験片の質量を測定する。

b)

次の式から,かさ密度を求める。

w

s

M

M

M

ρ

ρ

×

2

3

1

ここに,

ρ

s

かさ密度

 (g/cm

3

)

M

1

乾燥質量

 (g)

M

2

飽水試験片の水中質量

 (g)

M

3

飽水試験片の質量

 (g)

ρ

w

水の密度

 (g/cm

3

)

備考

飽水試験片とは,乾燥質量をひょう量した後,煮沸槽の水面下に沈め,

3

時間以上煮沸し,室

温まで冷却した試験片。


4

R 1646 : 2002

6.5

試験片の取付け方法

  試験片は,接着剤などを用いて,試験片ホルダに取り付けて,試験中に脱落

しないようにする。

7.

計算

  損傷質量及び損傷体積は,次の式によって算出し,

JIS Z 8401

によって有効数字

3

けたに丸め

る。

7.1

試験片の損傷質量の計算

M

d

M

o

*

M

t

*

ここに,

M

d

試験片の損傷質量

 (mg)

M

o

*

試験体の試験前の質量

 (mg)

M

t

*

試験体の試験後の質量

 (mg)

7.2

試験片の損傷体積の計算

s

d

d

M

ρ

υ =

ここに,

υ

d

試験片の損傷体積

 (mm

2

)

M

d

試験片の損傷質量

 (mg)

ρ

s

試験片のかさ密度

 (g/cm

3

)

8.

報告

  キャビテーションエロージョン試験結果は,

a)

f)

の項目について報告する。

なお,必要に応じて,

g)

j)

も報告する。

a)

試験装置

b)

試験条件  試験条件が

表 1

と相違する項目があるときは,その理由も示す。

c)

試験片の材質,形状,寸法,表面粗さ及びかさ密度

d)

試験片の数

e)

損傷質量

f)

損傷体積

g)

損傷面の損傷形態

h)

損傷面の表面粗さ

i)

損傷面の電子顕微鏡写真

j)

試験片素材の製法


5

R 1646 : 2002

JIS R 1646

(ファインセラミックスのキャビテーションエロージョン試験方法)

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

渋  谷  寿  一

東京工業大学

岩  田  宇  一

財団法人電力中央研究所

本  田      整

岡野バルブ製造株式会社

春  木  仁  朗

関西電力株式会社

山  本      力

日本ガイシ株式会社

岡  部  永  年

愛媛大学

黒  崎  晏  夫

電気通信大学

佐久間  俊  雄

財団法人電力中央研究所

小  川  光  恵

財団法人ファインセラミックスセンター

梶      正  己

京セラ株式会社

松  山  豊  和

東芝セラミックス株式会社

小  林  禧  夫

埼玉大学

西  田  俊  彦

京都工芸繊維大学

東  田      豊

財団法人ファインセラミックスセンター

中  山      明

京セラ株式会社

平  井  隆  己

日本ガイシ株式会社

大  林  和  重

日本特殊陶業株式会社

加賀田  博  司

松下電器産業株式会社

高  木      斉

株式会社村田製作所

安  田  栄  一

東京工業大学

宮  原      薫

石川島播磨重工業株式会社

石  川  敏  弘

宇部興産株式会社

大  石      学

株式会社東レリサーチセンター

野  尻  邦  夫

三菱重工業株式会社

太  田  健  一

大阪大学

宇佐見  初  彦

名城大学

阪  口  修  司

名古屋工業技術研究所

福  原  幹  夫

東芝タンガロイ株式会社

鈴  木      孝

株式会社レスカ

石  川  隆  司

航空宇宙技術研究所

武  田  展  雄

東京大学

八  田  博  志

宇宙科学研究所

守  屋  勝  義

石川島播磨重工業株式会社

渋  谷  昌  樹

宇部興産株式会社

亀  田  常  治

株式会社東芝

梅  澤  正  信

日本カーボン株式会社

戸  井  朗  人

通商産業省生活産業局

八  田      勲

通商産業省工業技術院

橋  本      進

財団法人日本規格協会

菅  野  隆  志

ファインセラミックス国際標準化推進協議会

渡  辺  一  志

社団法人日本ファインセラミックス協会

(事務局)

高  橋      孝

社団法人日本ファインセラミックス協会

備考

○印は小委員会委員を兼ねる。

(文責  原案作成小委員会)