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R 1637 : 1998

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は,出願公開後の実用新案

登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 R

1637

: 1998

ファインセラミックス薄膜の抵抗率試験方法

−4 探針法による測定方法

Test method for resistivity of conductive fine ceramic thin films

with a four-point probe array

1.

適用範囲  この規格は,ファインセラミックス薄膜の抵抗率を 4 探針法によって試験する方法につい

て規定する。

適用できる抵抗率の範囲は,1×10

-5

∼2×10

2

Ω・cm とし,膜厚は 500µm 以下とする。

備考  この規格は,ファインセラミックス薄膜が絶縁材料に塗布又は積層されている場合,ファイン

セラミックスの膜厚が測定できるか,膜厚の公称値が分かっているときには適用できるが,フ

ァインセラミックスの膜厚が分からない場合は適用できない。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS B 0651

  触針式表面粗さ測定器

JIS R 1600

  ファインセラミックス関連用語

JIS R 1636

  ファインセラミックス薄膜の膜厚試験方法−触針式表面粗さ計による測定方法

JIS Z 8401

  数値の丸め方

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS R 1600 によるほかは,次による。

a)

補正係数  4 探針法によって測定された抵抗を補正する係数で,試料の形状・寸法,探針の位置によ

って決まる無次元の数値。

4.

試験環境  試験は,原則として,温度 23±2℃及び相対湿度 (50±5) %において,電磁的に十分に遮へ

い(蔽)され,機械振動のない環境の下で行う。試料を試験環境に 30 分以上放置し,定温に達してから試

験する。

5.

試験装置・器具

5.1

試験装置  試験装置は,図 に示すように定電流源,電位差計,探針及び切替スイッチによって構

成する。


2

R 1637 : 1998

図 1  探針法の測定原理・回路

a)

定電流源  試料の抵抗によって付表 に示される電流 I

0

を流すことのできる電流源で,電流 I

0

の決め

方は,次のとおりとする。

電流 を探針 A から探針 D に向かって流したとき,探針 B と探針 C との間に生じる電位差を 

すると,抵抗は V/となる。この抵抗に対応する電流を

付表 から選び,これを電流 I

0

とする。測定

中の電流 I

0

の変動は±0.05%とする。

b)

電位差計  電位差計は,ディジタル電位差計を使用する。試料の抵抗率と膜厚の全範囲を測定するた

めに,0.1mV∼2V の範囲の電位差が測定可能であり,最大測定値の 0.05%の変動が検出できるものと

する。入力抵抗は,10

11

Ω以上であることが望ましい。

c)

探針  探針は,原則としてタングステンと同等又はこれ以下の抵抗率の材料からなる棒で,その先端

を球面状に加工したものとする。先端半径は 0.40mm 以下とする。4 本の探針は,一直線上に等間隔

に配列し,その先端間隔は,原則として 5mm±1.0%とする。隣り合う探針間の絶縁抵抗は,10

10

Ω以

上とする。球面状に加工した一端を試験片に接触させ,測定中,各探針には適切な力,例えば,1∼2N

を加える。

5.2

膜厚測定装置  膜厚を測定するためのもので,JIS B 0651 に規定する最小読取値 0.5nm の触針式表

面粗さ計又はこれと同等以上の精度のものとする。

6.

試料

6.1

試料の形状及び寸法  試料は,一辺 50±1∼200±1mm の正方形の板状絶縁材料上に塗布又は積層さ

れた膜状のものとする。試料表面は,探針が均一に接触するように十分に清浄であることが望ましい。

6.2

試料の作製  試料は,関連規格又は受渡当事者間の協定する条件に従って,塗布法,スパッタ,真

空蒸着,CVD などの成膜方法によって作製する。

6.3

試料数  試料数は 3 個以上とする。

7.

操作

7.1

試料の膜厚測定  試料の膜厚を JIS R 1636 に従って測定する。


3

R 1637 : 1998

7.2

測定方法  抵抗率の測定方法は,図 に示す測定回路を用いて,電流 I

0

を探針 A から探針 D に向か

って流し,探針 B と探針 C との間に生じる電位差 V

1

を測定する。このときの探針 B,C 間の抵抗 R

1

は,

V

1

/I

0

となる。次に切替スイッチによって電流 I

0

を逆方向(探針 D から探針 A)に流し,探針 B と探針 C

との間に生じる電位差 V

2

を測定する。このときの抵抗 R

2

は,|V

2

/I

0

|となる。探針 B と探針 C との間の

抵抗 は,R

1

と R

2

の平均値とする。この抵抗 は,抵抗率を算出するときに用いる。

7.3

測定位置  測定位置は,試料中央部の一点とする。

8.

計算

8.1

抵抗率  抵抗率は,次の式(1)によって算出する。

ρ

Ft (1)

ここに,

ρ

 

抵抗率  (

Ω・cm)

補正係数

試験片の膜厚 (cm)

抵抗  (

Ω)

8.2

補正係数  補正係数は,付表 から求める。

9.

試験結果のまとめ方

9.1

抵抗率  抵抗率は,得られた抵抗率を平均し,JIS Z 8401 によって有効数字 3 けたに丸める。

9.2

標準偏差及び変動係数  標準偏差及び変動係数を必要とするときは,次の式(2)及び式(3)によって算

出する。

s

1

)

(

2

n

ρ

ρ

 (2)

CV

ρ

s

×100  (3)

ここに,

標準偏差

CV 

変動係数 (%)

ρ

 

個々の測定値

ρ

測定値の平均値

測定値の数

10.

報告  報告には,必要に応じて,次の事項を記録する。

a)

試験した材料の種類及び製造業者

b)

試料の構造及び作製方法

c)

試験室の温度及び湿度

d)

試料の寸法及び試験した試料の数

e)

試験結果(抵抗率,標準偏差及び変動係数)

f)

試験年月日

g)

その他特記すべき事項


4

R 1637 : 1998

付表 1  試料の抵抗値及び測定電流

抵抗値

測定電流  A

      2×10

-1

以下

1

×10

-1

2

×10

-1

∼2×10

2

1

×10

-2

2

×10

2

∼2×10

3

1

×10

-3

2

×10

3

∼2×10

4

1

×10

-4

2

×10

4

∼2×10

5

1

×10

-5

2

×10

5

∼2×10

6

1

×10

-6

2

×10

6

∼2×10

7

1

×10

-7

付表 2  補正係数

一辺の長さ mm

補正係数

 50

4.221

 75

4.388

100 4.452

200 4.512


5

R 1637 : 1998

JIS R 1637

(ファインセラミックス薄膜の抵抗率試験方法−4 探針法による測定方法)

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

長  友  隆  男

芝浦工業大学

一ノ瀬      昇

早稲田大学

合  田  拓  司

日本板硝子テクノリサーチ株式会社

和  田  明  生

日本分光株式会社

樋  口  勝  敏

株式会社東芝

柴  田  憲一郎

住友電気工業株式会社

安  田  榮  一

東京工業大学

大  司  達  樹

工業技術院名古屋工業技術研究所

水  野  峰  男

財団法人ファインセラミックスセンター

中  筋  善  淳

日本ガイシ株式会社

塩  貝  達  也

日本セメント株式会社

横  井  正  顕

東伸工業株式会社

梶      正  己

京セラ株式会社

西  川  友  三

京都工芸繊維大学(名誉教授)

坂井田  喜  久

財団法人ファインセラミックスセンター

宮  原      薫

石川島播磨重工業株式会社

浦  島  和  浩

日本特殊陶業株式会社

中  村  雅  彦

京都工芸繊維大学

香  取  茂  美

旭硝子株式会社

菅  原  義  弘

財団法人ファインセラミックスセンター

上  原      剛

積水化学工業株式会社

青  柳  貞  夫

日本電子株式会社

後  藤  真知夫

日立計測エンジニアリング株式会社

高  橋      実

名古屋工業大学

田  中  謙  次

株式会社村田製作所

堀  田      禎

財団法人ファインセラミックスセンター

松  尾  康  史

日本特殊陶業株式会社

村  岡  孝  敏

株式会社島津製作所

白仁田      昭

品川白煉瓦株式会社

伊  藤      敏

通商産業省生活産業局

大  嶋  清  治

工業技術院標準部

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

菅  野  隆  志

ファインセラミックス国際標準化推進協議会

岡  田      宏

社団法人日本ファインセラミックス協会

(事務局)

杉  本  克  晶

社団法人日本ファインセラミックス協会

備考  ○印は小委員会委員を兼ねる。

文責  原案作成小委員会