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Q 9100

:2009

(1)

   

目  次

ページ

0

  序文

1

0.1

  一般

1

0.2

  プロセスアプローチ

2

1

  適用範囲

3

1.1

  一般

3

1.2

  適用

4

2

  引用規格

4

3

  用語及び定義

4

4

  品質マネジメントシステム

5

4.1

  一般要求事項

5

4.2

  文書化に関する要求事項

6

5

  経営者の責任

7

5.1

  経営者のコミットメント

7

5.2

  顧客重視

7

5.3

  品質方針

7

5.4

  計画

8

5.5

  責任,権限及びコミュニケーション

8

5.6

  マネジメントレビュー

8

6

  資源の運用管理

9

6.1

  資源の提供

9

6.2

  人的資源

9

6.3

  インフラストラクチャー

9

6.4

  作業環境

10

7

  製品実現

10

7.1

  製品実現の計画

10

7.2

  顧客関連のプロセス

11

7.3

  設計・開発

12

7.4

  購買

14

7.5

  製造及びサービス提供

15

7.6

  監視機器及び測定機器の管理

18

8

  測定,分析及び改善

19

8.1

  一般

19

8.2

  監視及び測定

19

8.3

  不適合製品の管理

21

8.4

  データの分析

22


Q 9100

:2009  目次

(2)

   

ページ

8.5

  改善

22

附属書(参考)参考文献

24


Q 9100

:2009

(3)

   

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本航空

宇宙工業会(SJAC)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS Q 9100:2004 は改

正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


Q 9100

:2009  目次

(4)

   

白      紙


   

日本工業規格

JIS

 Q

9100

:2009

品質マネジメントシステム−

航空,宇宙及び防衛分野の組織に対する要求事項

Quality management systems

Requirements for aviation, space and defense organizations

0

序文

この規格は,国際航空宇宙品質グループ(以下,IAQG という。

)によって作成された 9100 規格を基に,

技術的内容及び構成を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,IAQG によって作成された 9100 規格にはない事項で

ある。

顧客満足を保証するため,航空,宇宙及び防衛分野の組織は,顧客及び適用される法令・規制の要求事

項を満たす,又はそれを上回る安全性及び信頼性のある製品を生産し,継続的に改善していかなければな

らない。しかし,産業の国際化,並びにそれに伴う地域・国々の要求事項及び期待の多様化がこの目的達

成を複雑なものにしている。組織は,世界中にわたる,サプライチェーン内のあらゆるレベルの供給者か

ら製品を購入するという課題に取り組んでいる。供給者は,品質に対する異なる要求事項及び期待をもつ

多様な顧客に製品を引き渡すという課題に取り組んでいる。

産業界では,生産活動を通じて品質の著しい改善及びコスト削減を達成するという目的のために,アメ

リカ,アジア・パシフィック及びヨーロッパの企業の代表者で構成する IAQG を設立した。この規格は

IAQG

によって作成された 9100 規格を基に作成された。

この規格は,品質マネジメントシステムの要求事項を可能な限り広範囲に標準化するとともに,世界中

の組織によるサプライチェーンすべてのレベルで使用することができる。この規格の使用は,組織独特の

要求事項の縮小又は排除,及び最適な慣行の適用範囲の拡大によって,品質,スケジュール及びコストに

関する成果を含む実施状況の改善をもたらす。この規格は,主に航空,宇宙及び防衛産業向けに作成され

ているが,JIS Q 9001 のシステムに要求事項を追加した品質マネジメントシステムを必要とする他の産業

界においても使用することができる。

0.1

一般

品質マネジメントシステムの採用は,組織の戦略上の決定によることが望ましい。組織における品質マ

ネジメントシステムの設計及び実施は,次の事項によって影響を受ける。

a)

組織環境,組織環境の変化,及び組織環境に関連するリスク

b)

多様なニーズ

c)

固有の目標

d)

提供する製品

e)

用いるプロセス

f)

規模及び組織構造


2

Q 9100

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この規格は,品質マネジメントシステムの構造の画一化又は文書化の画一化を意図していない。

この規格で規定する品質マネジメントシステムについての要求事項は,製品に対する要求事項を補完す

るものである。

この規格は,製品に適用される顧客要求事項及び法令・規制要求事項並びに組織固有の要求事項を満た

す組織の能力を,組織自身が内部で評価するためにも,認証機関を含む外部機関が評価するためにも使用

することができる。

この規格は,JIS Q 9000 及び JIS Q 9004 に記載されている品質マネジメントの原則を考慮に入れて作成

した。

“注記”と記載されている情報は,関連する要求事項の内容を理解するための,又は明確にするための

手引である。

0.2

プロセスアプローチ

この規格は,顧客要求事項を満たすことによって顧客満足を向上させるために,品質マネジメントシス

テムを構築し,実施し,その品質マネジメントシステムの有効性を改善する際に,プロセスアプローチを

採用することを奨励している。

組織が効果的に機能するためには,数多くの関連し合う活動を明確にし,運営管理する必要がある。イ

ンプットをアウトプットに変換することを可能にするために資源を使って運営管理される一つの活動又は

一連の活動は,プロセスとみなすことができる。一つのプロセスのアウトプットは,多くの場合,次のプ

ロセスへの直接のインプットとなる。

組織内において,望まれる成果を生み出すために,プロセスを明確にし,その相互関係を把握し,運営

管理することと併せて,

一連のプロセスをシステムとして適用することを,

“プロセスアプローチ”

と呼ぶ。

プロセスアプローチの利点の一つは,プロセスの組合せ及びそれらの相互関係とともに,システムにお

ける個別のプロセス間のつながりについても,システムとして運用している間に管理できることである。

品質マネジメントシステムで,このアプローチを使用すると,次の事項の重要性が強調される。

a)

要求事項を理解し,満たす。

b)

付加価値の点でプロセスを考慮する必要性

c)

プロセスの実施状況及び有効性の成果を得る。

d)

客観的な測定結果に基づくプロセスの継続的改善

図 に示すプロセスを基礎とした品質マネジメントシステムのモデルは,箇条 4に記述したプロセス

のつながりを表したものである。この図は,インプットとしての要求事項を決定するうえで顧客が重要な

役割を担っていることを示している。顧客満足の監視においては,組織が顧客要求事項を満たしているか

否かに関する顧客の受けとめ方についての情報を評価することが必要となる。

図 に示すモデルは,この

規格のすべての要求事項を網羅しているが,詳細なレベルでのプロセスを示すものではない。

注記  “Plan-Do-Check-Act(PDCA)として知られる方法論は,あらゆるプロセスに適用できる。PDCA

を簡潔に説明すると,次のようになる。

Plan

:  顧客要求事項及び組織の方針に沿った結果を出すために,必要な目標及びプロセスを

設定する。

Do

それらのプロセスを実行する。

Check

:  方針,目標及び製品要求事項に照らしてプロセス及び製品を監視及び測定し,その結

果を報告する。

Act

プロセスの成果を含む実施状況を継続的に改善するための処置をとる。


3

Q 9100

:2009

   

図 1−プロセスを基礎とした品質マネジメントシステムのモデル

1

適用範囲

1.1

一般

この規格は,

JIS Q 9001:2008

の品質マネジメントシステムの要求事項をそのまま取り入れ,航空,宇宙

及び防衛産業の要求事項,定義及び注記について追加して規定する。これら追加事項は,斜体かつ太字で

表記する。

この規格で規定する要求事項は,契約内容及び適用される法令・規制要求事項を(代替するものではな

く)補足するものであることに留意する。この規格の要求事項と適用される法令又は規制要求事項との間

に矛盾がある場合,後者を優先しなければならない。

この規格は,次の二つの事項に該当する組織に対して,品質マネジメントシステムに関する要求事項に

ついて規定する。

a)

顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たした製品を一貫して提供する能力をもつこと

を実証する必要がある場合

b)

品質マネジメントシステムの継続的改善のプロセスを含むシステムの効果的な適用,並びに顧客要求

事項及び適用される法令・規制要求事項への適合の保証を通して,顧客満足の向上を目指す場合

注記 1  この規格の“製品”という用語は,次の製品に限定して用いられる。

a)

顧客向けに意図された製品,又は顧客に要求された製品

b)

製品実現プロセスの結果として生じる,意図したアウトプットすべて

注記 2  法令・規制要求事項は,法的要求事項と表現することもある。


4

Q 9100

:2009

   

1.2

適用

この規格の要求事項は,はん(汎)用性があり,業種及び形態,規模,並びに提供する製品を問わず,

あらゆる組織に適用できることを意図している。

組織及びその製品の性質によって,この規格の要求事項のいずれかが適用不可能な場合には,その要求

事項の除外を考慮することができる。

このような除外を行う場合には,除外できる要求事項は箇条 に規定する要求事項に限定される。除外

を行うことが,顧客要求事項及び適用される法令・規制要求事項を満たす製品を提供するという組織の能

力又は責任に何らかの影響を及ぼすものであるならば,この規格への適合の宣言は受け入れられない。

この規格は,航空,宇宙及び防衛分野の製品を,設計・開発及び/又は製造する組織が使用することを

意図している。また,組織自身の製品に対する整備,補用品又は材料の提供を含む引渡し後のサポートを

行う組織が使用することを意図している。

商用及び防衛用の航空分野の製品に対して,整備,修理及びオーバーホールを提供することが主要業務

である組織,及び製造/生産業務からは独立した業務として又は実質的に別の業務として,整備,修理及

びオーバーホール業務を実施する製造元業者は,

IAQG

が作成した

9110

規格を基に発行される

AS/EN 9110

規格(参考文献を参照)を使用することが望ましい。

製品を調達し,小口販売する組織を含め,部品,材料及び組立品を調達し,これらの製品を航空,宇宙

及び防衛産業の顧客に販売する組織は,

IAQG

が作成した

9120

規格を基に発行される

AS/EN 9120

規格(参

考文献を参照)を使用することが望ましい。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

)は適用しない。

JIS Q 9000:2006

  品質マネジメントシステム−基本及び用語

注記  対応国際規格:ISO 9000:2005,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary(IDT)

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Q 9000 による。

この規格で,

“製品”という用語は,

“サービス”も併せて意味する。

また,次の用語及び定義を追加する

3.1

リスク(

risk

発生確率と起こり得る好ましくない結果との組合せをもつ望ましくない状態又は状況。

3.2

特別要求事項(

special requirements

顧客によって識別された,又は組織によって明確化された要求事項であり,その達成には高いリスクを

伴うためリスクマネジメントプロセスの対象としなければならない要求事項。特別要求事項の明確化に用

いられる要素は,製品又はプロセスの複雑さ,過去の経験,及び製品又はプロセスの成熟度を含む。特別

要求事項の例には,顧客によって課せられた産業界の能力の限界にある性能要求事項,又は組織が自らの

技術若しくはプロセス能力の限界にあると判定した要求事項が含まれる。


5

Q 9100

:2009

   

3.3

クリティカルアイテム(

critical items

安全性,性能,形状,取付け,機能,製造性,耐用年数などを含めた製品実現及び製品の使用に重大な

影響を与えるアイテムであり,適切な管理を確実にするため特定の処置が必要なアイテム(例えば,機能,

部品,ソフトウェア,特性,プロセス)。クリティカルアイテムの例には,安全クリティカルアイテム,破

壊クリティカルアイテム,ミッションクリティカルアイテム,キー特性などが含まれる。

3.4

キー特性(

key characteristic

そのばらつきが,製品の取付け,形状,機能,性能,耐用年数又は製造性に重大な影響を与え,ばらつ

きを管理するために特定の処置が必要な属性又は特性。

注記

 

特別要求事項及びクリティカルアイテムは,新しい用語であり,キー特性を含め互いに関係し

ている。特別要求事項は,製品に関する要求事項が明確化され,レビューされるとき識別され

る(

7.2.1

及び

7.2.2

参照)。特別要求事項は,クリティカルアイテムの識別を要求できる。設計

からのアウトプット(

7.3.3

参照)には,適切に管理されていることを確実にするために特定の

処置が要求されるクリティカルアイテムの識別を含めることができる。クリティカルアイテム

の中には,ばらつきを管理する必要があるため更にキー特性として識別されるものもある。

4

品質マネジメントシステム

4.1

一般要求事項

組織は,この規格の要求事項に従って,品質マネジメントシステムを確立し,文書化し,実施し,維持

しなければならない。

また,

その品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善しなければならない。

組織の品質マネジメントシステムは,顧客及び適用される法令・規制上の品質マネジメントシステム要

求事項も取り扱わなければならない。

組織は,次の事項を実施しなければならない。

a)

品質マネジメントシステムに必要なプロセス及びそれらの組織への適用を明確にする(1.2 参照)

b)

これらのプロセスの順序及び相互関係を明確にする。

c)

これらのプロセスの運用及び管理のいずれもが効果的であることを確実にするために必要な判断基準

及び方法を明確にする。

d)

これらのプロセスの運用及び監視を支援するために必要な資源及び情報を利用できることを確実にす

る。

e)

これらのプロセスを監視し,適用可能な場合には測定し,分析する。

f)

これらのプロセスについて,計画どおりの結果を得るため,かつ,継続的改善を達成するために必要

な処置をとる。

組織は,これらのプロセスを,この規格の要求事項に従って運営管理しなければならない。

要求事項に対する製品の適合性に影響を与えるプロセスをアウトソースすることを組織が決めた場合に

は,組織はアウトソースしたプロセスに関して管理を確実にしなければならない。これらのアウトソース

したプロセスに適用される管理の方式及び程度は,組織の品質マネジメントシステムの中で定めなければ

ならない。

注記 1  品質マネジメントシステムに必要となるプロセスには,運営管理活動,資源の提供,製品実

現,測定,分析及び改善にかかわるプロセスが含まれる。


6

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注記 2  “アウトソースしたプロセス”とは,組織の品質マネジメントシステムにとって必要であり,

その組織が外部に実施させることにしたプロセスである。

注記 3  アウトソースしたプロセスに対する管理を確実にしたとしても,すべての顧客要求事項及び

法令・規制要求事項への適合に対する組織の責任が免除されるものではない。アウトソース

したプロセスに適用される管理の方式及び程度は,次のような要因によって影響され得る。

a)

要求事項に適合する製品を提供するために必要な組織の能力に対する,アウトソースし

たプロセスの影響の可能性

b)

そのプロセスの管理への関与の度合い

c)

7.4

の適用において必要な管理を遂行する能力

4.2

文書化に関する要求事項

4.2.1

一般

品質マネジメントシステムの文書には,次の事項を含めなければならない。

a)

文書化した,品質方針及び品質目標の表明

b)

品質マニュアル

c)

この規格が要求する“文書化された手順”及び記録

d)

組織内のプロセスの効果的な計画,運用及び管理を確実に実施するために,組織が必要と決定した記

録を含む文書

組織は,関連する品質マネジメントシステムの文書及びその変更を要員が容易に利用でき,認識してい

ることを確実にしなければならない。

注記 1  この規格で“文書化された手順”という用語を使う場合には,その手順が確立され,文書化

され,実施され,維持されていることを意味する。一つの文書で,一つ又はそれ以上の手順

に対する要求事項を取り扱ってもよい。

“文書化された手順”の要求事項は,複数の文書で対

応してもよい。

注記 2  品質マネジメントシステムの文書化の程度は,次の理由から組織によって異なることがある。

a)

組織の規模及び活動の種類

b)

プロセス及びそれらの相互関係の複雑さ

c)

要員の力量

注記 3  文書の様式及び媒体の種類は,どのようなものでもよい。

4.2.2

品質マニュアル

組織は,次の事項を含む品質マニュアルを作成し,維持しなければならない。

a)

品質マネジメントシステムの適用範囲。除外がある場合には,除外の詳細,及び除外を正当とする理

由(1.2 参照)

b)

品質マネジメントシステムについて確立された“文書化された手順”又はそれらを参照できる情報

c)

品質マネジメントシステムのプロセス間の相互関係に関する記述

4.2.3

文書管理

品質マネジメントシステムで必要とされる文書は,管理しなければならない。ただし,記録は文書の一

種ではあるが,4.2.4 に規定する要求事項に従って管理しなければならない。

次の活動に必要な管理を規定するために,

“文書化された手順”を確立しなければならない。

a)

発行前に,適切かどうかの観点から文書を承認する。

b)

文書をレビューする。また,必要に応じて更新し,再承認する。


7

Q 9100

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c)

文書の変更の識別及び現在有効な版の識別を確実にする。

d)

該当する文書の適切な版が,

必要なときに,

必要なところで使用可能な状態にあることを確実にする。

e)

文書は,読みやすくかつ容易に識別可能な状態であることを確実にする。

f)

品質マネジメントシステムの計画及び運用のために組織が必要と決定した外部からの文書を明確に

し,その配付が管理されていることを確実にする。

g)

廃止文書が誤って使用されないようにする。また,これらを何らかの目的で保持する場合には,適切

な識別をする。

4.2.4

記録の管理

要求事項への適合及び品質マネジメントシステムの効果的運用の証拠を示すために作成された記録を,

管理しなければならない。

組織は,記録の識別,保管,保護,検索,保管期間及び廃棄に関して必要な管理を規定するために,

“文

書化された手順”を確立しなければならない。

文書化された手順には,供給者によって作成及び/又は保管される記録の管理方法を規定しなければな

らない。

記録は,読みやすく,容易に識別可能かつ検索可能でなければならない。

5

経営者の責任

5.1

経営者のコミットメント

トップマネジメントは,品質マネジメントシステムの構築及び実施,並びにその有効性を継続的に改善

することに対するコミットメントの証拠を,次の事項によって示さなければならない。

a)

法令・規制要求事項を満たすことは当然のこととして,顧客要求事項を満たすことの重要性を組織内

に周知する。

b)

品質方針を設定する。

c)

品質目標が設定されることを確実にする。

d)

マネジメントレビューを実施する。

e)

資源が使用できることを確実にする。

5.2

顧客重視

顧客満足の向上を目指して,トップマネジメントは,顧客要求事項が決定され,満たされていることを

確実にしなければならない(7.2.1 及び 8.2.1 参照)

トップマネジメントは,製品の適合性及び納期どおりの引渡しに関する成果を含む実施状況が測定され

ていることを確実にするとともに,計画どおりの結果が達成できない,又は達成できる見込みがない場合

には,適切な処置がとられることを確実にしなければならない。

5.3

品質方針

トップマネジメントは,品質方針について,次の事項を確実にしなければならない。

a)

組織の目的に対して適切である。

b)

要求事項への適合及び品質マネジメントシステムの有効性の継続的な改善に対するコミットメントを

含む。

c)

品質目標の設定及びレビューのための枠組みを与える。

d)

組織全体に伝達され,理解される。

e)

適切性の持続のためにレビューされる。


8

Q 9100

:2009

   

5.4

計画

5.4.1

品質目標

トップマネジメントは,組織内のしかるべき部門及び階層で,製品要求事項を満たすために必要なもの

を含む品質目標[7.1 a)  参照]が設定されていることを確実にしなければならない。品質目標は,その達

成度が判定可能で,品質方針との整合がとれていなければならない。

5.4.2

品質マネジメントシステムの計画

トップマネジメントは,次の事項を確実にしなければならない。

a)

品質目標に加えて 4.1 に規定する要求事項を満たすために,品質マネジメントシステムの計画を策定

する。

b)

品質マネジメントシステムの変更を計画し,実施する場合には,品質マネジメントシステムを“完全

に整っている状態”(integrity)  に維持する。

5.5

責任,権限及びコミュニケーション

5.5.1

責任及び権限

トップマネジメントは,責任及び権限が定められ,組織全体に周知されていることを確実にしなければ

ならない。

5.5.2

管理責任者

トップマネジメントは,組織の管理層の中から管理責任者を任命しなければならない。管理責任者は,

与えられている他の責任とかかわりなく,次に示す責任及び権限をもたなければならない。

a)

品質マネジメントシステムに必要なプロセスの確立,実施及び維持を確実にする。

b)

品質マネジメントシステムの成果を含む実施状況及び改善の必要性の有無について,トップマネジメ

ントに報告する。

c)

組織全体にわたって,顧客要求事項に対する認識を高めることを確実にする。

d

品質マネジメントの問題を解決するために,組織上の自由をもち,かつ,トップマネジメントへ制約

なく接触できる。

注記 1  管理責任者の責任には,品質マネジメントシステムに関する事項について外部と連絡をとる

ことも含めることができる。

注記 2  管理責任者は,上記の責任及び権限をもつ限り,一人である必要はない。

5.5.3

内部コミュニケーション

トップマネジメントは,組織内にコミュニケーションのための適切なプロセスが確立されることを確実

にしなければならない。また,品質マネジメントシステムの有効性に関しての情報交換が行われることを

確実にしなければならない。

5.6

マネジメントレビュー

5.6.1

一般

トップマネジメントは,組織の品質マネジメントシステムが,引き続き,適切,妥当かつ有効であるこ

とを確実にするために,あらかじめ定められた間隔で品質マネジメントシステムをレビューしなければな

らない。このレビューでは,品質マネジメントシステムの改善の機会の評価,並びに品質方針及び品質目

標を含む品質マネジメントシステムの変更の必要性の評価も行わなければならない。

マネジメントレビューの結果の記録は,維持しなければならない(4.2.4 参照)

5.6.2

マネジメントレビューへのインプット

マネジメントレビューへのインプットには,次の情報を含めなければならない。


9

Q 9100

:2009

   

a)

監査の結果

b)

顧客からのフィードバック

c)

プロセスの成果を含む実施状況及び製品の適合性

d)

予防処置及び是正処置の状況

e)

前回までのマネジメントレビューの結果に対するフォローアップ

f)

品質マネジメントシステムに影響を及ぼす可能性のある変更

g)

改善のための提案

5.6.3

マネジメントレビューからのアウトプット

マネジメントレビューからのアウトプットには,次の事項に関する決定及び処置すべてを含めなければ

ならない。

a)

品質マネジメントシステム及びそのプロセスの有効性の改善

b)

顧客要求事項にかかわる,製品の改善

c)

資源の必要性

6

資源の運用管理

6.1

資源の提供

組織は,次の事項に必要な資源を明確にし,提供しなければならない。

a)

品質マネジメントシステムを実施し,維持する。また,その有効性を継続的に改善する。

b)

顧客満足を,顧客要求事項を満たすことによって向上する。

6.2

人的資源

6.2.1

一般

製品要求事項への適合に影響がある仕事に従事する要員は,適切な教育,訓練,技能及び経験を判断の

根拠として力量がなければならない。

注記  製品要求事項への適合は,品質マネジメントシステム内の作業に従事する要員によって,直接

的に又は間接的に影響を受ける可能性がある。

6.2.2

力量,教育・訓練及び認識

組織は,次の事項を実施しなければならない。

a)

製品要求事項への適合に影響がある仕事に従事する要員に必要な力量を明確にする。

b)

該当する場合には(必要な力量が不足している場合には)

,その必要な力量に到達することができるよ

うに教育・訓練を行うか,又は他の処置をとる。

c)

教育・訓練又は他の処置の有効性を評価する。

d)

組織の要員が,自らの活動のもつ意味及び重要性を認識し,品質目標の達成に向けて自らがどのよう

に貢献できるかを認識することを確実にする。

e)

教育,訓練,技能及び経験について該当する記録を維持する(4.2.4 参照)

6.3

インフラストラクチャー

組織は,製品要求事項への適合を達成するうえで必要とされるインフラストラクチャーを明確にし,提

供し,維持しなければならない。インフラストラクチャーとしては,次のようなものが該当する場合があ

る。

a)

建物,作業場所及び関連するユーティリティー(例えば,電気,ガス又は水)

b)

設備(ハードウェア及びソフトウェア)


10

Q 9100

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c)

支援体制(例えば,輸送,通信又は情報システム)

6.4

作業環境

組織は,製品要求事項への適合を達成するために必要な作業環境を明確にし,運営管理しなければなら

ない。

注記  “作業環境”という用語は,物理的,環境的及びその他の要因を含む(例えば,騒音,気温,

湿度,照明又は天候)

,作業が行われる状態と関連している。

7

製品実現

7.1

製品実現の計画

組織は,製品実現のために必要なプロセスを計画し,構築しなければならない。製品実現の計画は,品

質マネジメントシステムのその他のプロセスの要求事項と整合がとれていなければならない(4.1 参照)

組織は,製品実現の計画に当たって,次の各事項について適切に明確化しなければならない。

a)

製品に対する品質目標及び要求事項

注記

 

製品に対する品質目標及び要求事項は,次のような事項を考慮に入れる。

 

製品及び人の安全性

 

信頼性,アベイラビリティ及び保全性(整備性)

 

製造性及び検査性

 

製品に使用される部品及び材料の適切性

 

製品に組み込まれるソフトウェアの選定及び開発

 

使用されなくなった際の製品のリサイクル又は最終廃棄

b)

製品に特有な,プロセス及び文書の確立の必要性,並びに資源の提供の必要性

c)

その製品のための検証,妥当性確認,監視,測定,検査及び試験活動,並びに製品合否判定基準

d)

製品実現のプロセス及びその結果としての製品が,要求事項を満たしていることを実証するために必

要な記録(4.2.4 参照)

e

製品に適切な形態管理(コンフィギュレーションマネジメント)

f

製品の使用及び保守(整備)を支援するための資源

この計画のアウトプットは,組織の運営方法に適した形式でなければならない。

注記 1  特定の製品,プロジェクト又は契約に適用される品質マネジメントシステムのプロセス(製

品実現のプロセスを含む。

)及び資源を規定する文書を,品質計画書と呼ぶことがある。

注記 2  組織は,製品実現のプロセスの構築に当たって,7.3 に規定する要求事項を適用してもよい。

7.1.1

プロジェクトマネジメント

組織は,組織及び製品に適するように,資源及びスケジュールの制約内で,要求事項を受容可能なリス

クの下で満たすために,体系化され,管理された方法で製品実現を計画し,管理しなければならない。

7.1.2

リスクマネジメント

組織は,適用される要求事項の達成に向けたリスクを管理するため,組織及び製品に適切な,次の事項

を含むプロセスを確立し,実施し,維持しなければならない。

a

リスクマネジメントのための責任の割当て

b

リスク基準の定義(例えば,発生確率,影響の程度,リスクの受容)

c

製品実現を通してリスクの特定,アセスメント及びコミュニケーション

d

定義したリスク受容基準を超えるリスクを軽減する処置の特定,実施及び管理


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Q 9100

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e

軽減処置を実施した後の残留リスクの受容

7.1.3

形態管理(コンフィギュレーションマネジメント)

組織は,製品に適切な,次の事項を含む形態管理のプロセスを確立し,実施し,維持しなければならな

い。

a

形態管理の計画

b

形態の識別

c

変更管理

d

形態状況の報告

e

形態監査

注記

 

形態管理の手引は,

ISO 10007

を参照。

7.1.4 

作業移管の管理

組織は,一時的又は恒久的な作業移管(例えば,組織のある施設から他の施設へ,組織から供給者へ,

ある供給者から他の供給者へ)を計画し,管理し,かつ,要求事項に対する作業の適合性を検証するため

のプロセスを確立し,実施し,維持しなければならない。

7.2

顧客関連のプロセス

7.2.1

製品に関連する要求事項の明確化

組織は,次の事項を明確にしなければならない。

a)

顧客が規定した要求事項。これには引渡し及び引渡し後の活動に関する要求事項を含む。

b)

顧客が明示してはいないが,指定された用途又は意図された用途が既知である場合,それらの用途に

応じた要求事項

c)

製品に適用される法令・規制要求事項

d)

組織が必要と判断する追加要求事項すべて

注記

 

製品に関連する要求事項には,特別要求事項を含むことができる。

注記  引渡し後の活動には,例えば,保証に関する取決め,メンテナンスサービスのような契約義

務,及びリサイクル又は最終廃棄のような補助的サービスのもとでの活動を含む。

7.2.2

製品に関連する要求事項のレビュー

組織は,製品に関連する要求事項をレビューしなければならない。このレビューは,組織が顧客に製品

を提供することに対するコミットメント(

例  提案書の提出,契約又は注文の受諾,契約又は注文への変

更の受諾)をする前に実施しなければならない。レビューでは,次の事項を確実にしなければならない。

a)

製品要求事項が定められている。

b)

契約又は注文の要求事項が以前に提示されたものと異なる場合には,それについて解決されている。

c)

組織が,定められた要求事項を満たす能力をもっている。

d

製品にかかわる特別要求事項が明確化されている。

e

リスク(例えば,新技術,短納期)が特定されている(

7.1.2

参照)。

このレビューの結果の記録,及びそのレビューを受けてとられた処置の記録を維持しなければならない

4.2.4 参照)

顧客がその要求事項を書面で示さない場合には,組織は顧客要求事項を受諾する前に確認しなければな

らない。

製品要求事項が変更された場合には,組織は,関連する文書を修正しなければならない。また,変更後

の要求事項が,関連する要員に理解されていることを確実にしなければならない。


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Q 9100

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注記  インターネット販売などでは,個別の注文に対する正式なレビューの実施は非現実的である。

このような場合のレビューでは,カタログ又は宣伝広告資料のような関連する製品情報をその

対象とすることもできる。

7.2.3

顧客とのコミュニケーション

組織は,次の事項に関して顧客とのコミュニケーションを図るための効果的な方法を明確にし,実施し

なければならない。

a)

製品情報

b)

引合い,契約若しくは注文,又はそれらの変更

c)

苦情を含む顧客からのフィードバック

7.3

設計・開発

7.3.1

設計・開発の計画

組織は,製品の設計・開発の計画を策定し,管理しなければならない。

設計・開発の計画において,組織は,次の事項を明確にしなければならない。

a)

設計・開発の段階

b)

設計・開発の各段階に適したレビュー,検証及び妥当性確認

c)

設計・開発に関する責任及び権限

必要な場合には,設計・開発の活動を個別の活動に分割し,各活動について,作業項目,必要な資源,

責任,設計の内容,インプット及びアウトプットのデータ並びに計画の制約事項を定めなければならない。

個々の設計・開発の作業は,顧客及び法令・規制要求事項に従い,製品の安全性及び機能目標に基づい

て行わなければならない。

設計・開発の計画においては,製品を製造し,検査し,試験し,保守(整備)する能力を考慮しなけれ

ばならない。

組織は,効果的なコミュニケーション及び責任の明確な割当てを確実にするために,設計・開発に関与

するグループ間のインタフェースを運営管理しなければならない。

設計・開発の進行に応じて,策定した計画を適切に更新しなければならない。

注記  設計・開発のレビュー,検証及び妥当性確認は,異なった目的をもっている。それらは,製品

及び組織に適するように,個々に又はどのような組合せでも,実施し,記録することができる。

7.3.2

設計・開発へのインプット

製品要求事項に関連するインプットを明確にし,記録を維持しなければならない(4.2.4 参照)

。インプ

ットには,次の事項を含めなければならない。

a)

機能及び性能に関する要求事項

b)

適用される法令・規制要求事項

c)

適用可能な場合には,以前の類似した設計から得られた情報

d)

設計・開発に不可欠なその他の要求事項

製品要求事項に関連するインプットについては,その適切性をレビューしなければならない。要求事項

は,漏れがなく,あいまい(曖昧)でなく,相反することがあってはならない。

7.3.3

設計・開発からのアウトプット

設計・開発からのアウトプットは,設計・開発へのインプットと対比した検証を行うのに適した形式で

なければならない。また,リリースの前に,承認を受けなければならない。

設計・開発からのアウトプットは,次の状態でなければならない。


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a)

設計・開発へのインプットで与えられた要求事項を満たす。

b)

購買,製造及びサービス提供に対して適切な情報を提供する。

c)

製品の合否判定基準を含むか,又はそれを参照している。

d)

安全な使用及び適正な使用に不可欠な製品の特性を明確にする。

e

該当する場合,キー特性を含むクリティカルアイテム,及びそれらのアイテムに対してとられるべき

特定の処置を明確にする。

組織は,製品の識別,製造,検査,使用及び保守(整備)を行うために必要なデータを明確にしなけれ

ばならない。例えば,

 

製品の形態及び設計特性を定めるために必要な図面,部品リスト及び仕様書

 

製品の適合性を確実にするために必要な材料,工程,製造及び組立のデータ

注記  製造及びサービス提供に対する情報には,製品の保存に関する詳細を含めることができる。

7.3.4

設計・開発のレビュー

設計・開発の適切な段階において,次の事項を目的として,計画されたとおりに(7.3.1 参照)体系的な

レビューを行わなければならない。

a)

設計・開発の結果が,要求事項を満たせるかどうかを評価する。

b)

問題を明確にし,必要な処置を提案する。

c

次の段階への移行を承認する。

レビューへの参加者には,レビューの対象となっている設計・開発段階に関連する部門を代表する者が

含まれていなければならない。このレビューの結果の記録,及び必要な処置があればその記録を維持しな

ければならない(4.2.4 参照)

7.3.5

設計・開発の検証

設計・開発からのアウトプットが,設計・開発へのインプットで与えられている要求事項を満たしてい

ることを確実にするために,計画されたとおりに(7.3.1 参照)検証を実施しなければならない。この検証

の結果の記録,及び必要な処置があればその記録を維持しなければならない(4.2.4 参照)

7.3.6

設計・開発の妥当性確認

結果として得られる製品が,指定された用途又は意図された用途に応じた要求事項を満たし得ることを

確実にするために,計画した方法(7.3.1 参照)に従って,設計・開発の妥当性確認を実施しなければなら

ない。実行可能な場合にはいつでも,製品の引渡し又は提供の前に,妥当性確認を完了しなければならな

い。妥当性確認の結果の記録,及び必要な処置があればその記録を維持しなければならない(4.2.4 参照)

7.3.6.1 

設計・開発の検証及び妥当性確認の試験

検証及び妥当性確認に試験が必要な場合には,これらの試験は,次の事項を確実にし,立証するために

計画し,管理し,レビューし,文書化しなければならない。

a

試験計画書又は仕様書には,試験される製品及び使用される資源を規定し,また,試験の目的及び条

件,記録するパラメータ並びに関連する合否判定基準を明確にする。

b

試験手順には,実施の方法,試験の実施及び結果の記録を記述する。

c

正しい形態で,製品を試験に供する。

d

試験計画及び試験手順の要求事項を,遵守する。

e

合否判定基準を満たす。

7.3.6.2 

設計・開発の検証及び妥当性確認の文書化

設計及び/又は開発の完了時に,組織は,製品がすべての特定された運用条件下で仕様書要求事項を満


14

Q 9100

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たすことを,報告書,計算結果,試験結果などによって,実証していることを確実にしなければならない。

7.3.7

設計・開発の変更管理

設計・開発の変更を明確にし,記録を維持しなければならない。変更に対して,レビュー,検証及び妥

当性確認を適切に行い,その変更を実施する前に承認しなければならない。設計・開発の変更のレビュー

には,その変更が,製品を構成する要素及び既に引き渡されている製品に及ぼす影響の評価を含めなけれ

ばならない。変更のレビューの結果の記録,及び必要な処置があればその記録を維持しなければならない

4.2.4 参照)

設計・開発の変更は,形態管理のプロセスに従って管理しなければならない(

7.1.3

参照)。

注記  “変更のレビュー”とは,変更に対して適切に行われたレビュー,検証及び妥当性確認のこと

である。

7.4

購買

7.4.1

購買プロセス

組織は,規定された購買要求事項に,購買製品が適合することを確実にしなければならない。供給者及

び購買した製品に対する管理の方式及び程度は,購買製品が,その後の製品実現のプロセス又は最終製品

に及ぼす影響に応じて定めなければならない。

組織は,顧客指定の供給者からの製品を含め,供給者から購入したすべての製品の適合性に責任を負わ

なければならない。

組織は,供給者が組織の要求事項に従って製品を供給する能力を判断の根拠として,供給者を評価し,

選定しなければならない。選定,評価及び再評価の基準を定めなければならない。評価の結果の記録,及

び評価によって必要とされた処置があればその記録を維持しなければならない(4.2.4 参照)

注記

 

供給者の選定及び評価の一つとして,客観的かつ信頼できる外部情報源からの供給者の品質デ

ータを,組織による評価として使用することができる(例えば,認定された品質マネジメント

システム又はプロセスの認証機関からの情報,政府当局からの組織認定)。このようなデータの

使用は,組織の供給者管理プロセスの一つの要素に過ぎず,組織は,規定された購買要求事項

を購買製品が満たすことを検証する責任を負う。

組織は,次の事項を行わなければならない。

a)

承認状態(すなわち,承認,条件付承認,否認)及び承認範囲(例えば,製品の種類,プロセスの分

類)を含む供給者の登録を維持する。

b

定期的に供給者の能力をレビューする。このレビュー結果は,組織が行う供給者の管理水準を設定す

る基礎として使用する。

c

要求事項を満たさない供給者に対してとるべき必要な処置を定める。

d

要求がある場合には,組織及びすべての供給者が,共に,顧客の承認した特殊工程供給者を使用する

ことを確実にする。

e

承認状態の決定,承認状態の変更,及び供給者の承認状態に基づき供給者の使用制限を行うための条

件について,プロセス,責任及び権限を定義する。

f

供給者の選定及び使用において,リスクを明確にし,管理する(

7.1.2

参照)。

7.4.2

購買情報

購買情報では購買製品に関する情報を明確にし,

次の事項のうち該当するものを含めなければならない。

a)

製品,手順,プロセス及び設備の承認に関する要求事項

b)

要員の適格性確認に関する要求事項


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c)

品質マネジメントシステムに関する要求事項

d

仕様書,図面,工程要求書,検査/検証指示書,その他の関連技術データの識別及び有効な版

e

設計,試験,検査,検証(製造工程の検証を含む。),製品受入時の統計的手法の使用に対する要求事

項,及び組織が受け入れるための関連する指示事項,並びに該当する場合,キー特性を含むクリティ

カルアイテム

f

設計の承認,検査/検証,調査又は監査のための試験供試体に対する要求事項(例えば,製造方法,

数量,保管条件)

g

供給者に対して必要とする次に関する要求事項

 

組織に不適合製品を通知する。

 

不適合製品の処置に対し組織の承認を得る。

 

製品及び/又はプロセスの変更,供給者の変更,又は製造施設の場所の変更を組織に通知し,要求

される場合,組織の承認を得る。

 

顧客要求事項を含む該当する要求事項を供給者のサプライチェーンまで展開する。

h

記録の保管にかかわる要求事項

i

組織,その顧客及び監督官庁が,その発注に関連するサプライチェーンのあらゆるレベルにおいて,

すべての施設の該当区域への立入り及び関連するすべての該当記録の閲覧を行う権利

組織は,

供給者に伝達する前に,

規定した購買要求事項が妥当であることを確実にしなければならない。

7.4.3

購買製品の検証

組織は,購買製品が,規定した購買要求事項を満たしていることを確実にするために,必要な検査又は

その他の活動を定めて,実施しなければならない。

注記

1 

サプライチェーンのいかなるレベルで実施された顧客による検証活動も,組織又は供給者は,

効果的な品質の管理を行っている証拠として用いないほうがよく,また,受入れ可能な製品

を提供し,すべての要求事項に適合するという組織の責任を免除するものではない。

注記

2 

検証活動には,次の事項を含めることができる。

 

供給者からの製品の適合性に関する客観的証拠の入手(例えば,添付文書,適合証明書,

試験記録,統計記録,工程管理記録)

 

供給者先における検査及び監査

 

要求文書の内容確認

 

受領時の製品検査

 

供給者に対する検証の委譲,又は供給者認証

購買製品が,すべての要求される検証活動の完了前に製造に使用するためリリースされる場合,後にそ

の製品が要求事項を満たしていないと判明したときに回収及び交換ができるように識別し,記録しなけれ

ばならない。

供給者に検証活動を委譲する場合には,組織は,委譲についての要求事項を定め,委譲事項の登録を維

持しなければならない。

組織又はその顧客が,供給者先で検証を実施することにした場合には,組織は,その検証の要領及び購

買製品のリリースの方法を購買情報の中で明確にしなければならない。

7.5

製造及びサービス提供

7.5.1

製造及びサービス提供の管理

組織は,製造及びサービス提供を計画し,管理された状態で実行しなければならない。管理された状態


16

Q 9100

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には,次の事項のうち該当するものを含めなければならない。

a)

製品の特性を述べた情報が利用できる。

注記

 

この情報は,図面,部品リスト,材料及び工程仕様書を含むことができる。

b)

必要に応じて,作業手順が利用できる。

注記

 

作業手順は,製造工程表,製造文書(例えば,製造計画書,トラベラー,ルーター,作業指

示書,工程カード)及び検査文書を含むことができる。

c)

適切な設備を使用している。

注記

 

適切な設備は,製品の専用治工具(例えば,ジグ,固定具,型)及びソフトウェアプログラ

ムを含むことができる。

d)

監視機器及び測定機器が利用でき,使用している。

e)

監視及び測定が実施されている。

f)

製品のリリース,顧客への引渡し及び引渡し後の活動が実施されている。

g

製造中におけるすべての製品に関する状態の把握(例えば,部品の数量,分割指示,不適合製品)

h

すべての製造及び検査/検証作業が,計画のとおり又は文書化され,承認された他の方法のとおりに

実施された証拠

i

異物の混入防止,検出及び除去の規定

j

製品要求事項への適合に影響する範囲で,一般資源及び供給物(例えば,水,圧縮空気,電気,化学

製品)の監視及び管理

k

できるだけ明確で実際的な方法によって規定された作業のできばえの基準(例えば,規格書,標準見

本,図解)

計画においては,次の事項を適切に考慮しなければならない。

 

クリティカルアイテムを管理するための適切なプロセスを確立し,実施し,維持する。そのプロセス

は,キー特性が識別されている場合の工程管理を含む。

 

ばらつきの値が測定できるような治工具の設計,製作及び使用

 

製品実現化の後工程では適合性について十分な検証ができない場合には,工程内での検査/検証ポイ

ントを明確にする。

 

特殊工程(

7.5.2

参照)

7.5.1.1 

製造工程の検証

組織は,その製造工程,製造文書及び治工具によって,要求事項を満たす部品及び組立品を製造できる

ことを検証するため,新規の部品又は組立品の初回製造からの代表品を使用しなければならない。このプ

ロセスは,初回の結果を無効にする変更(例えば,設計の変更,製造工程の変更,治工具の変更)が生じ

たとき,繰り返されなければならない。

注記

 

この活動は,しばしば初回製品検査と呼ばれる。

7.5.1.2 

製造工程の変更管理

製造工程の変更を承認する権限をもつ者は,識別されていなければならない。

組織は,工程,製造設備,治工具又はソフトウェアプログラムに影響を与える変更を管理し,文書化し

なければならない。

製造工程の変更結果は,その意図する効果が製品の適合性に悪影響を与えずに達成されたことを確認す

るため,評価されなければならない。

7.5.1.3 

製造設備,治工具及びソフトウェアプログラムの管理


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Q 9100

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製品実現工程を自動化するため,及び管理/監視するために使用される製造設備,治工具及びソフトウ

ェアプログラムは,製造に用いる前に妥当性確認を行い,維持しなければならない。

保管中の製造設備又は治工具に対して,定期的な保存処置及び状態の点検を含む保管要求事項を定めな

ければならない。

7.5.1.4 

引渡し後の支援

引渡し後の支援には,該当する場合,次の事項を含めなければならない。

a

運用データの収集及び分析

b

調査及び報告を含む,引渡し後に問題が検出された場合にとるべき処置

c

技術文書の管理及び更新

d

修理方法の承認,管理及び使用

e

組織の施設以外の場所での作業に対する必要な管理(例えば,顧客の施設で行う組織の作業)

7.5.2

製造及びサービス提供に関するプロセスの妥当性確認

製造及びサービス提供の過程で結果として生じるアウトプットが,それ以降の監視又は測定で検証する

ことが不可能で,その結果,製品が使用され,又はサービスが提供された後でしか不具合が顕在化しない

場合には,

組織は,

その製造及びサービス提供の該当するプロセスの妥当性確認を行わなければならない。

注記

 

このようなプロセスは,しばしば特殊工程と呼ばれる。

妥当性確認によって,これらのプロセスが計画どおりの結果を出せることを実証しなければならない。

組織は,これらのプロセスについて,次の事項のうち該当するものを含んだ手続きを確立しなければな

らない。

a)

プロセスのレビュー及び承認のための明確な基準

b)

設備の承認及び要員の適格性確認

c)

所定の方法及び手順の適用

d)

記録に関する要求事項(4.2.4 参照)

e)

妥当性の再確認

7.5.3

識別及びトレーサビリティ

必要な場合には,組織は,製品実現の全過程において適切な手段で製品を識別しなければならない。

組織は,実際の形態と合意した形態との違いが確認できるように,製品形態の識別を維持しなければな

らない。

組織は,製品実現の全過程において,監視及び測定の要求事項に関連して,製品の状態を識別しなけれ

ばならない。

合格表示媒体(例えば,スタンプ,電子署名,パスワード)を使用する場合,組織は,その表示媒体の

適切な管理を確立しなければならない。

トレーサビリティが要求事項となっている場合には,組織は,製品について一意の識別を管理し,記録

を維持しなければならない(4.2.4 参照)

注記

 

トレーサビリティの要求事項は,次を含むことができる。

 

製品耐用期間を通じて維持できる識別

 

同じ材料ロット又は同じ製造ロットから製造されたすべての製品を,その行先(例えば,

引渡し,廃棄)まで追跡する能力

 

組立品については,その構成部品及びその次段階の組立品を追跡する能力

 

製品について,検索可能な一連の製造記録(製造,組立及び検査/検証)


18

Q 9100

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注記  ある産業分野では,構成管理(configuration management)

1)

が識別及びトレーサビリティを維持す

る手段である

7.1.3

参照)

1)

 

この規格では,形態管理(コンフィギュレーションマネジメント)という。

7.5.4

顧客の所有物

組織は,顧客の所有物について,それが組織の管理下にある間,又は組織がそれを使用している間は,

注意を払わなければならない。組織は,使用するため又は製品に組み込むために提供された顧客の所有物

の識別,検証及び保護・防護を実施しなければならない。顧客の所有物を紛失若しくは損傷した場合又は

使用には適さないとわかった場合には,組織は,顧客に報告し,記録を維持しなければならない(4.2.4 

照)

注記  顧客の所有物には,知的財産及び個人情報を含めることができる。

7.5.5

製品の保存

組織は,内部処理から指定納入先への引渡しまでの間,要求事項への適合を維持するように製品を保存

しなければならない。この保存には,該当する場合,識別,取扱い,包装,保管及び保護を含めなければ

ならない。保存は,製品を構成する要素にも適用しなければならない。

注記  内部処理とは,組織が運営管理している製品実現のプロセスにおける活動をいう。

製品の保存には,該当する場合,製品仕様書及び適用される法令・規制要求事項に従って,次の事項も

含めなければならない。

a)

洗浄

b)

異物の混入防止,検出及び除去

c)

取扱注意を要する製品に対する特別な取扱い

d)

安全警告を含む注意書及びラベルのちょう(貼)付

e)

有効保管寿命の管理及び在庫品の回転

f)

危険性のある材料の特別な取扱い

7.6

監視機器及び測定機器の管理

定められた要求事項に対する製品の適合性を実証するために,組織は,実施すべき監視及び測定を明確

にしなければならない。また,そのために必要な監視機器及び測定機器を明確にしなければならない。

組織は,これらの監視機器及び測定機器の登録を維持しなければならない。機器の種類,固有の識別標

識,配置場所,点検頻度,点検方法及び判定基準の詳細を含めて,これらの機器の校正/検証に用いるプ

ロセスを定めなければならない。

注記

 

監視機器及び測定機器には,検査データを作成するために用いる試験用ハードウェア,試験用

ソフトウェア,自動試験機器(

ATE

及びプロッタを含む(ただし,これらに限定しない。)。

さらに,製品の適合性の根拠を与えるために用いる個人所有及び顧客支給の機器も含む。

組織は,監視及び測定の要求事項との整合性を確保できる方法で監視及び測定が実施できることを確実

にするプロセスを確立しなければならない。

組織は,校正,検査,測定及び試験の実施には,環境条件が適切であることを確実にしなければならな

い。

測定値の正当性が保証されなければならない場合には,測定機器に関し,次の事項を満たさなければな

らない。

a)

定められた間隔又は使用前に,国際又は国家計量標準にトレーサブルな計量標準に照らして校正若し

くは検証,又はその両方を行う。そのような標準が存在しない場合には,校正又は検証に用いた基準


19

Q 9100

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を記録する(4.2.4 参照)

b)

機器の調整をする,又は必要に応じて再調整する。

c)

校正の状態を明確にするために識別を行う。

d)

測定した結果が無効になるような操作ができないようにする。

e)

取扱い,保守及び保管において,損傷及び劣化しないように保護する。

組織は,校正又は検証を必要とする監視機器及び測定機器の回収に対するプロセスを確立し,実施し,

維持しなければならない。

さらに,測定機器が要求事項に適合していないことが判明した場合には,組織は,その測定機器でそれ

までに測定した結果の妥当性を評価し,記録しなければならない。組織は,その機器,及び影響を受けた

製品すべてに対して,適切な処置をとらなければならない。

校正及び検証の結果の記録を維持しなければならない(4.2.4 参照)

規定要求事項にかかわる監視及び測定にコンピュータソフトウェアを使う場合には,そのコンピュータ

ソフトウェアによって意図した監視及び測定ができることを確認しなければならない。この確認は,最初

に使用するのに先立って実施しなければならない。また,必要に応じて再確認しなければならない。

注記  意図した用途を満たすコンピュータソフトウェアの能力の確認には,通常,その使用の適切性

を維持するための検証及び構成管理も含まれる。

8

測定,分析及び改善

8.1

一般

組織は,次の事項のために必要となる監視,測定,分析及び改善のプロセスを計画し,実施しなければ

ならない。

a)

製品要求事項への適合を実証する。

b)

品質マネジメントシステムの適合性を確実にする。

c)

品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善する。

これには,統計的手法を含め,適用可能な方法,及びその使用の程度を決定することを含めなければな

らない。

注記

 

製品の特性及び規定要求事項に応じて,次の事項の補助として,統計的手法を用いることがで

きる。

 

設計検証[例えば,信頼性,保全性(整備性),安全性]

 

工程管理:

 

キー特性の選定及び検査

 

工程能力の測定

 

統計的な工程管理

 

実験計画

 

検査

 

故障モード,影響/致命度解析(

FMECA

8.2

監視及び測定

8.2.1

顧客満足

組織は,品質マネジメントシステムの成果を含む実施状況の測定の一つとして,顧客要求事項を満たし

ているかどうかに関して顧客がどのように受けとめているかについての情報を監視しなければならない。


20

Q 9100

:2009

   

この情報の入手及び使用の方法を定めなければならない。

顧客満足を評価するために,監視し,使用する情報には,製品の適合性,納期どおりの引渡しに関する

成果を含む実施状況,顧客からの苦情及び是正処置要求を含めなければならない(ただし,これらに限定

しない。)。組織は,これらの評価によって特定された課題に対して,顧客満足の改善計画を作成し,実施

しなければならない。また,組織は,その結果の有効性を評価しなければならない。

注記  顧客がどのように受けとめているかの監視には,顧客満足度調査,提供された製品の品質に関

する顧客からのデータ,ユーザ意見調査,失注分析,顧客からの賛辞,補償請求及びディーラ

報告のような情報源から得たインプットを含めることができる。

8.2.2

内部監査

組織は,品質マネジメントシステムの次の事項が満たされているか否かを明確にするために,あらかじ

め定められた間隔で内部監査を実施しなければならない。

a)

品質マネジメントシステムが,個別製品の実現の計画(7.1 参照)に適合しているか,この規格の要求

事項に適合しているか,及び組織が決めた品質マネジメントシステム要求事項に適合しているか。

注記

 

個別製品の実現の計画には,顧客の契約要求事項を含む。

b)

品質マネジメントシステムが効果的に実施され,維持されているか。

組織は,監査の対象となるプロセス及び領域の状態及び重要性,

並びにこれまでの監査結果を考慮して,

監査プログラムを策定しなければならない。監査の基準,範囲,頻度及び方法を規定しなければならない。

監査員の選定及び監査の実施においては,監査プロセスの客観性及び公平性を確保しなければならない。

監査員は,自らの仕事を監査してはならない。

監査の計画及び実施,記録の作成及び結果の報告に関する責任,並びに要求事項を規定するために,

“文

書化された手順”を確立しなければならない。

監査及びその結果の記録は,維持しなければならない(4.2.4 参照)

監査された領域に責任をもつ管理者は,検出された不適合及びその原因を除去するために遅滞なく,必

要な修正及び是正処置すべてがとられることを確実にしなければならない。フォローアップには,とられ

た処置の検証及び検証結果の報告を含めなければならない(8.5.2 参照)

注記  JIS Q 19011 を参照。

8.2.3

プロセスの監視及び測定

組織は,品質マネジメントシステムのプロセスの監視,及び適用可能な場合に行う測定には,適切な方

法を適用しなければならない。これらの方法は,プロセスが計画どおりの結果を達成する能力があること

を実証するものでなければならない。計画どおりの結果が達成できない場合には,適切に,修正及び是正

処置をとらなければならない。

注記  適切な方法を決定するとき,組織は,製品要求事項への適合及び品質マネジメントシステムの

有効性への影響に応じて,個々のプロセスに対する適切な監視又は測定の方式及び程度を考慮

することを推奨する。

プロセスの不適合の場合,組織は,次の事項を行わなければならない。

a

不適合なプロセスを修正するための適切な処置をとる。

b)

プロセスの不適合が,製品の不適合をもたらしたかどうかの評価を行う。

c)

プロセスの不適合が,特定の状況に限定されているか,又はその不適合がその他のプロセス若しくは

製品に影響を与えた可能性があるかどうかを判定する。

d)

不適合製品の識別及び管理を行う(

8.3

参照)。


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:2009

   

8.2.4

製品の監視及び測定

組織は,製品要求事項が満たされていることを検証するために,製品の特性を監視し,測定しなければ

ならない。監視及び測定は,個別製品の実現の計画(7.1 参照)に従って,製品実現の適切な段階で実施し

なければならない。合否判定基準への適合の証拠を維持しなければならない。

製品の合否判定のための測定要求事項は,文書化され,次の事項を含めなければならない。

a

合格及び/又は不合格の基準

b

測定及び試験作業を実施するべき工程順序

c

要求される測定結果の記録(最低限,合格又は不合格の表示)

d

要求される特定の測定器材,及びそれらの使用に関連する指示書

キー特性を含むクリティカルアイテムが識別された場合,組織は,それらが決められたプロセスに従っ

て管理され,監視されていることを確実にしなければならない。

組織が製品の合否判定の手段として抜取検査を使用する場合,抜取計画は認知された統計理論に基づき

正当化されたものであり,使用に適するものでなければならない(“使用に適する”とは,抜取計画が製品

の重要性及び工程能力に適していることである。)。

製品が,すべての要求される監視及び測定活動の完了前に製造に使用するためリリースされる場合,後

にその製品が要求事項を満たしていないと判明したときに回収及び交換ができるように識別し,記録しな

ければならない。

顧客への引渡しのための製品のリリースを正式に許可した人を,記録しておかなければならない(4.2.4

参照)

製品認定の実証が要求された場合,組織は,記録によって製品が規定された要求事項を満たしている証

拠を提供することを確実にしなければならない。

個別製品の実現の計画(7.1 参照)で決めたことが問題なく完了するまでは,顧客への製品のリリース及

びサービスの提供は行ってはならない。ただし,当該の権限をもつ者が承認したとき,及び該当する場合

に顧客が承認したときは,この限りではない。

組織は,製品に添付することを要求されたすべての文書が出荷時に存在することを確実にしなければな

らない。

8.3

不適合製品の管理

組織は,製品要求事項に適合しない製品が誤って使用されたり,又は引き渡されることを防ぐために,

それらを識別し,管理することを確実にしなければならない。不適合製品の処理に関する管理及びそれに

関連する責任及び権限を規定するために,

“文書化された手順”を確立しなければならない。

注記

 

“不適合製品”には,顧客から返却された不適合製品を含む。

組織の文書化された手順には,不適合製品の内容確認及び処置判定に対する責任及び権限,並びにこれ

らの決定を行う要員の承認手順を規定しなければならない。

該当する場合には,組織は,次の一つ又はそれ以上の方法で,不適合製品を処理しなければならない。

a)

検出された不適合を除去するための処置をとる。

b)

当該の権限をもつ者,及び該当する場合に顧客が,特別採用によって,その使用,リリース,又は合

格と判定することを正式に許可する。

c)

本来の意図された使用又は適用ができないような処置をとる。

注記  “本来の意図された使用又は適用ができないような処置をとる”とは“廃棄すること”を含

む。


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d)

引渡し後又は使用開始後に不適合製品が検出された場合には,その不適合による影響又は起こり得る

影響に対して適切な処置をとる。

 

組織の不適合製品の管理プロセスは,引き渡された不適合製品の適時な報告について規定しなけれ

ばならない。

注記

 

不適合製品の通知を要する関係者には,供給者,内部の組織,顧客,販売業者及び監督官庁

を含むことができる。

e)

他のプロセス又は製品に及ぼす不適合の影響を封じ込めるために必要な処置をとる。

そのまま使用又は修理の処置は,設計に責任のある組織の権限をもつ代表者による承認後に行われなけ

ればならない。

注記

 

権限をもつ代表者には,設計組織から権限を委譲された要員を含む。

組織は,不適合が契約要求事項からの逸脱を引き起こす場合,特に顧客の承認がない限りそのまま使用

又は修理の処置をとってはならない。

廃棄と判定された製品は,物理的に使用できなくなるまで,分かりやすく,かつ,永久的な印を付ける

か,又は確実に管理しなければならない。

不適合製品に修正を施した場合には,要求事項への適合を実証するための再検証を行わなければならな

い。

不適合の性質の記録,及び不適合に対してとられた特別採用を含む処置の記録を維持しなければならな

い(4.2.4 参照)

8.4

データの分析

組織は,品質マネジメントシステムの適切性及び有効性を実証するため,また,品質マネジメントシス

テムの有効性の継続的な改善の可能性を評価するために適切なデータを明確にし,それらのデータを収集

し,分析しなければならない。この中には,監視及び測定の結果から得られたデータ並びにそれ以外の該

当する情報源からのデータを含めなければならない。

データの分析によって,次の事項に関連する情報を提供しなければならない。

a)

顧客満足(8.2.1 参照)

b)

製品要求事項への適合(8.2.4 参照)

c)

予防処置の機会を得ることを含む,プロセス及び製品の,特性及び傾向(8.2.3 及び 8.2.4 参照)

d)

供給者(7.4 参照)

8.5

改善

8.5.1

継続的改善

組織は,品質方針,品質目標,監査結果,データの分析,是正処置,予防処置及びマネジメントレビュ

ーを通じて,品質マネジメントシステムの有効性を継続的に改善しなければならない。

組織は,改善活動の実施状況を監視し,その結果の有効性を評価しなければならない。

注記

 

継続的改善の機会は,教訓(

lessons learned

,問題解決事例,及び最善の慣行(ベストプラク

ティス)のベンチマーキングから得ることができる。

8.5.2

是正処置

組織は,再発防止のため,不適合の原因を除去する処置をとらなければならない。是正処置は,検出さ

れた不適合のもつ影響に応じたものでなければならない。

次の事項に関する要求事項を規定するために,

“文書化された手順”を確立しなければならない。

a)

不適合(顧客からの苦情を含む。

)の内容確認


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b)

不適合の原因の特定

c)

不適合の再発防止を確実にするための処置の必要性の評価

d)

必要な処置の決定及び実施

e)

とった処置の結果の記録(4.2.4 参照)

f)

とった是正処置の有効性のレビュー

g

供給者に不適合の責任があると判断される場合の供給者への是正処置要求の展開

h

適時及び/又は効果的な是正処置がとられていない場合の特別な処置

i

不適合原因に基づき,他の不適合製品が存在するかどうかの判定,及び必要な場合,追加処置の実施

注記  f)  における“とった是正処置”とは,a)∼e)

及び

g)

i)  のことである。

8.5.3

予防処置

組織は,起こり得る不適合が発生することを防止するために,その原因を除去する処置を決めなければ

ならない。予防処置は,起こり得る問題の影響に応じたものでなければならない。

次の事項に関する要求事項を規定するために,

“文書化された手順”を確立しなければならない。

a)

起こり得る不適合及びその原因の特定

b)

不適合の発生を予防するための処置の必要性の評価

c)

必要な処置の決定及び実施

d)

とった処置の結果の記録(4.2.4 参照)

e)

とった予防処置の有効性のレビュー

注記  e)  における“とった予防処置”とは,a)∼d)  のことである。

注記

 

予防処置の機会の例には,リスクマネジメント,エラープルーフ,故障モード影響解析

FMEA

及び外部情報源から報告される製品問題に関する情報が含まれる。


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Q 9100

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附属書

参考)

参考文献

JIS Q 9004

  品質マネジメントシステム−パフォーマンス改善の指針

JIS Q 19011

  品質及び/又は環境マネジメントシステム監査のための指針

ISO 10007

  Quality management systems−Guidelines for configuration management

AS/EN 9110

  Quality Management Systems−Requirements for Aviation Maintenance Organizations

AS/EN 9120

  Quality Management Systems−Requirements for Aviation, Space and Defense Distributors