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Q 9023

:2003

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日

本工業規格である。

JIS Q 9023

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(参考)方針によるマネジメントの自己評価

附属書 2(参考)方針によるマネジメントのための様式例

附属書 3(参考)方針によるマネジメントを支える活動

附属書 4(参考)方針の戦略面,財務面を強化するための概念及び技法

附属書 5(参考)方針によるマネジメントを補完する活動


Q 9023

:2003

目  次

ページ

0.

  序文

1

1.

  適用範囲

2

2.

  引用規格

2

3.

  定義

2

4.

  基本概念

3

4.1

  方針によるマネジメントの原則

3

4.2

  トップマネジメントの役割

4

4.3

  方針によるマネジメントのプロセス

4

5.

  中長期経営計画の策定

7

6.

  方針の策定

8

6.1

  一般

8

6.2

  重点課題の決定

8

6.3

  目標の設定

9

6.4

  方策の立案

9

7.

  方針の展開,並びに実施計画の策定及び管理項目の設定

10

7.1

  方針の展開

10

7.2

  実施計画の策定

11

7.3

  管理項目の設定

12

8.

  方針の実施,実施状況の確認及び処置

12

8.1

  実施計画に基づく実施

12

8.2

  実施状況の確認

12

8.3

  確認結果に対する処置

13

8.4

  トップマネジメントによる診断

13

9.

  方針の実施状況のレビュー及び次期への反映

14

9.1

  実施状況の把握

14

9.2

  目標と実績との差異分析

15

9.3

  分析結果に基づく処置

15

9.4

  トップマネジメントによる期末のレビュー

15

附属書 1(参考)方針によるマネジメントの自己評価

16

附属書 2(参考)方針によるマネジメントのための様式例

24

附属書 3(参考)方針によるマネジメントを支える活動

29

附属書 4(参考)方針の戦略面,財務面を強化するための概念及び技法

31

附属書 5(参考)方針によるマネジメントを補完する活動

33


日本工業規格

JIS

 Q

9023

:2003

マネジメントシステムのパフォーマンス改善−

方針によるマネジメントの指針

Performance improvement of management systems

Guidelines for management by policy

0.

序文

0.1

一般  組織がその使命を果たし,競争優位を維持して持続可能な成長を実現するためには,組織

の提供する製品の価値に対して顧客及びその他の利害関係者の満足を得ることによって,存在意義を高め

ることが不可欠である。そのために,組織は,環境の変化に俊敏に適応し,効果的,かつ,効率的に組織

の総合的なパフォーマンスを改善し,顧客及びその他の利害関係者のニーズ及び期待に応えて,高い顧客

価値を創造していくことが必要である。この規格は,組織のマネジメントシステムのパフォーマンスを効

果的,かつ,効率的に改善していくための支援技法として,方針によるマネジメントに関する指針を定め

た規格であり,組織の使命,理念及びビジョンに基づく中長期経営計画及び方針の策定に始まり,組織内

の関連する部門及び階層への展開,実施,実施状況の確認,処置をするサイクルを継続的に回し,マネジ

メントシステムのスパイラルアップを図る手引を提供している。

この規格の適用によって組織が得る便益の例は,次の事項である。

−  重点志向に基づく,組織の使命,理念及びビジョンの達成

−  環境変化に合わせた方策の変更,プロセスの変更,目標修正など,組織的で俊敏な対応

−  クォリティマネジメントを軸とするパフォーマンス改善,及び製品提供プロセスの質の向上

−  組織内の各部門及び階層におけるマネジメント能力の向上,並びに活力のある人々の育成

−  トップマネジメントの方針の組織全体への浸透,すなわち組織の人々に対する経営への自らの役割認

識,及び“己が何をなすべきか”という自覚の促進

参考  組織の人々には,従業員,派遣員,パートタイマー,パートナーなどを含む。

方針によるマネジメントは,組織における品質,コスト,納期,量,安全,環境を含む運営管理での重

要な要素について,その目的達成のための活動と整合するとよい。また,方針によるマネジメントは部門

の役割に応じて,いかなるときでも日常的に行わなければならない活動と整合するとよい。

参考1.  品質,コスト,納期などの経営の要素ごとの部門間連携で行われる運営管理は,機能別管理

と呼ぶことがある。

2.

いかなるときでも日常的に行われる運営管理は,日常管理と呼ぶことがある。

3.

附属書 参照。

0.2

他の規格との一貫性  この規格は,JIS Q 9024(マネジメントシステムのパフォーマンス改善−継続

的改善の手順及び技法の指針)及び JIS Q 9025(マネジメントシステムのパフォーマンス改善−品質機能

展開の指針)と独立して使用することを意図して作成されているが,整合性のある規格として相互に補完

して使用することもできる。また,この規格は,TR Q 0005(クォリティマネジメントシステム−持続可


2

Q 9023

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能な成長の指針)及び TR Q 0006(クォリティマネジメントシステム−自己評価の指針)に記述された事

項に関する支援技法としても使用されることを考慮して作成されている。

0.3

JIS Q 9000

ファミリーとの関係  この規格は,組織が JIS Q 9001(品質マネジメントシステム−要

求事項)及び JIS Q 9004(品質マネジメントシステム−パフォーマンス改善の指針)に基づくマネジメン

トシステムを効果的,

かつ,

効率的に運営管理するための支援技法として使用されることを考慮している。

0.4

他のマネジメントシステムとの両立性  この規格は,環境マネジメント,労働安全衛生マネジメン

ト,財務マネジメント,リスクマネジメントなどのマネジメントシステムに関する固有な支援技法として

開発されてはいないが,関連するマネジメントシステムのパフォーマンス改善を支援する技法として組織

が使用することも可能である。また,JIS Q 14001(環境マネジメントシステム−仕様及び利用の手引)の

環境方針を策定し,実施するための支援技法として組織が使用することも可能である。

1.

適用範囲  この規格は,組織のマネジメントシステムのパフォーマンスを効果的かつ効率的に改善し

ていくための支援技法として,方針によるマネジメントに関する指針を定めた規格であり,マネジメント

システムのスパイラルアップを図る手引を提供している。

この規格は,次のような事項を必要とする組織が利用することを意図している。

−  組織の使命,理念及びビジョンの達成に向けて,中長期経営計画に基づく方針の策定,及び組織を挙

げての実施

−  組織が掲げる方針の進ちょく(捗)の確実な確認及び処置

−  業務プロセスの成果及び反省項目の明確化

−  新たに策定する方針への学習した結果の確実な反映

この規格は,業種,形態及び規模,並びに提供する製品を問わず,あらゆる組織に適用することを意図

している。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。この引用規格は,記載の年の版だけがこの規格を構成するものであって,その後の改正版・追補には

適用しない。

JIS Q 9000:2000

  品質マネジメントシステム−基本及び用語

3.

定義  この規格には,JIS Q 9000 に規定されている定義及び用語,並びに次の定義及び用語を適用す

る。定義又は参考の中で用いた用語で,この規格の 3.に定義されている用語は太字で示した。JIS Q 9000

に定義されている用語は太字で示し,

その後の丸括弧内に JIS Q 9000 と示した。

この太字で示した用語は,

その用語の定義の全文と置き換えることができる。

この規格の全体にわたって,

“製品”という用語が使われた場合には,

“サービス”のこともあわせて意

味する。

3.1

中長期経営計画(middle or long-term business plan)  トップマネジメント(JIS Q 9000)によって

正式に策定された,戦略を実施する計画。

参考  通常,中期は 3∼5 年,長期は 5∼10 年を意図している。

3.2

方針(policy)  トップマネジメント(JIS Q 9000)によって正式に表明された,組織(JIS Q 9000

の使命,理念及びビジョン,又は

中長期経営計画の達成に関する,組織(JIS Q 9000)の全体的な意図及

び方向付け。


3

Q 9023

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参考1.  方針は,重点課題,目標及び方策を設定する枠組みを提供する。

2.

組織(JIS Q 9000)によっては,方針に次の事項を含める場合がある。

a)

重点課題

b)

目標及び方策

c)

重点課題,目標及び方策

3.

トップマネジメント(JIS Q 9000)の方針を受けて,組織内の責任者が表明した方向付けを

方針と呼ぶことがある。

事業部長方針,支店長方針,所長方針

4.

特定のマネジメント領域の方針であることを示すために,修飾語を用いることがある。

品質方針,環境方針

5.

方針によるマネジメントを総称して“方針管理”と呼ぶことがある。

3.3

方針の策定(policy creation)  方針,又はそれを具体化した重点課題,目標及び方策の策定。

3.4

方針の展開(policy deployment)  方針に基づく,上位の重点課題,目標及び方策の,下位の重点課

題,目標及び方策への展開。

3.5

方針のすり合わせ(policy coordination)  方針に基づいて,組織(JIS Q 9000)の関係者が調整し,

上位の

重点課題,目標及び方策と下位の重点課題,目標及び方策が一貫性を持ったものにする活動。

3.6

重点課題(critical issue)  組織(JIS Q 9000)として重点的に取り組み達成すべき事項。

参考  重点課題は,重要課題,重点実施事項,重要実施事項,挑戦課題などと呼ばれることがある。

3.7

目標(objectives)  方針又は重点課題の達成に向けた取組みにおいて,追求し,目指す到達点。

参考  目標は,測定可能な形で示されることが多い。

3.8

方策(means)  目標を達成するために,選ばれる手段。

3.9

実施計画(management program)  方策を実施して目標を達成するために必要な資源及びその運用

プロセスを規定することに焦点を合わせた計画。

3.10

管理項目(monitoring item)  目標の達成を管理するために評価尺度として選定した項目。

参考1.  方策の達成度を管理するために,評価尺度として選定した項目は,点検項目又は要因系管理

項目と呼ばれることがある。

2.

管理項目は,部門又は個人の担当する業務について,目標又は計画どおりに実施されている

かを判断し,必要な処置をとるために定められることもある。

3.11

部門横断チーム(cross-functional team)  部門単独では解決が困難な課題に対処するために,異な

った部門から,活用できるすべての関連知識及び技能を結集し編成されたチーム。

参考  部門横断チームには,組織の設計,製造,技術,品質,生産,及び他の該当する要員を含む。

また,

顧客(JIS Q 9000),又はパートナーを含めてもよい。

4.

基本概念

4.1

方針によるマネジメントの原則  組織の総合的なパフォーマンスを改善するためには,組織にとっ

ての最重要な課題を摘出し,組織の方向を合わせて確実に課題を解決していくように運営管理しなければ

ならない。このためには,組織は,トップマネジメントのリーダーシップに基づき,次の事項に留意した

活動を行うことが重要である。

−  重点を絞った合理的で明確な中長期経営計画及び方針の策定,並びに必要とする経営資源の明確化

−  関係する部門・階層への方針の的確な伝達及び理解,並びに進むべき方向の統合及び士気高揚


4

Q 9023

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−  方針達成のための目標及び具体的な方策の立案,並びに達成期限及び責任権限の明確化

−  方針によるマネジメントの遂行を確実にする経営資源の投入及び管理

−  あらかじめ定められた時点において,方策の実施過程における進ちょく(捗)確認並びに実施プロセ

スの見直し及び変更

−  期末などにおける方針の未達成原因の調査,分析及び次期への反映事項の明確化

方針によるマネジメントは,次の原則を重視している。

a)

リーダーシップ  トップマネジメント及び組織内の責任者は,組織の目的及び方向を一致させる。ト

ップマネジメント及び組織内の責任者は,人々が組織の目標を達成することに十分に参画できる内部

環境をつくりだし,維持すべきである。

b)  PDCA

サイクル  方針の策定(Plan),実施(Do),確認(Check)及び処置(Act)のプロセスを一つ

のシステムとして,明確にし,目標を達成するように,重点志向のもとで運営管理することによって,

マネジメントシステムのパフォーマンスを改善する。

c)

プロセス重視  目標の達成状況だけではなく,結果に至ったプロセスを分析して,プロセスを改善す

ることによってマネジメントシステムのパフォーマンスを改善する。

d)

事実に基づくアプローチ  方針の策定及び実施状況の評価に当たり,事実に基づく分析によって,定

量的な目標を設定し,結果を分析して方針及びマネジメントシステムのパフォーマンスを改善する。

また,方針の実施に当たっては,事実に基づいて目標の未達成原因を追究し,マネジメントシステム

のパフォーマンスを改善する。

4.2

トップマネジメントの役割  トップマネジメントは,方針によるマネジメントを効果的かつ効率的

に実施するために,

深く関与することの意志を,

次の事項を確実にすることによって示すことが望ましい。

a)

組織の使命,理念,ビジョン,経営環境などに基づく中長期経営計画を策定する。

b)

中長期経営計画に基づく方針を策定する。

c)

方針を組織全体に展開する。

d)

方針の展開時に方策が確定できない場合,又は部門単独では課題の解決が困難な場合は,部門横断チ

ームを結成し,目標の達成にかかわる情報の分析,方策の立案及び実施を行わせる。

e)

方針の達成度,及びそのプロセスを評価する。

f)

実施のための組織化を行う。組織の機能又は部門の数が多い場合は,各部門への方針の展開,実施に

関する仕組みを構築し,進ちょく(捗)をトップマネジメントに報告する総括者を設置又は任命する。

g)

実施に必要な予算,人々,インフラストラクチャーなどの資源を確保する。

参考  トップマネジメント,部門横断チーム及び部門の活動などに関しては,附属書 を参照。

4.3

方針によるマネジメントのプロセス  方針によるマネジメントの概要を図 に示す。また,時間的

な流れを

表 に示す。


5

Q 9023

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  1  方針によるマネジメントの概要

 
 
 
 

組織の使命,理念,ビジョン

中長期経営計画の策定(5.)

経営環境の分析

組織の方針,重点課題・目

標・方策の策定

(6.1)[6.2 a)](6.3) (6.4)

方針の展開(7.1)

部門の重点課題・目標・方策

の策定[6.2 b)](6.3) (6.4)

実施計画の策定(7.2)及び

管理項目の設定(7.3)

部門の中長期

計画の策定

期末の反省を通した問題点の

明確化(9.1) (9.2) (9.3)(9.4)

実施計画に基づく

実施(8.1)

方針,重点課題・目標・方策及

び実施計画の見直し(8.3)(8.4)

管理項目による結果の

評価(8.2) (8.3)


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Q 9023

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  1  方針によるマネジメントの時間的な流れ

前期:n−1 期

当期:

次期:n+1 期

期中の 
実施 
事項

n

−1 期の実施計画に基づく実施

/管理項目による結果の評価/
方針及び実施計画の見直し

n

期の実施計画に基づく実施/

管理項目による結果の評価/方
針及び実施計画の見直し

n

+1 期の実施計画に基づく実

施/管理項目による結果の評
価/方針及び実施計画の見直

期末の

実施 
事項

期末の反省

n

期 方 針 の 策

定・展開/実施

計画の策定

期末の反省

n

+1 期方針の

策定・展開/実

施計画の策定

期末の反省

n

+2 期方針の

策定・展開/

実施計画の策

参考1.  期の単位は,組織の運営方法によって,1 年,半年,3 か月などがある。

2.

期末の実施事項は,期を 1 年とした場合,期の終わる約 3 か月前から開始する場合が多い。 

4.3.1

中長期経営計画及び方針の策定  トップマネジメントは,中長期経営計画及び方針を策定するに当

たって,次の事項を考慮することが望ましい。

−  期末の反省及び経営環境の分析を通した,組織における問題点及び重点課題の明確化

−  具体的で明確である目標,従来の延長線ではない現状打破のための目標,及び客観的に評価できる定

量的な目標の設定

−  具体的な方策の立案

4.3.2

方針の展開及び実施計画の策定  組織は,組織の方針を各々の部門又は部門横断チームへ展開する

場合に,次の事項を考慮することが望ましい。

−  上位の重点課題・目標が,下位の重点課題・目標の達成によって確実に達成されるようにする。

このために,方針を展開する責任者及び方針を展開された各々の部門の責任者,並びに展開された

方針に関連する部門は,方針の達成を確実にするためのすり合わせを行う。これは,更に下位の方策

へ展開する場合にも適用できる。

−  部門横断チームを含め部門間の連携を考慮する。

−  資源の配分を考慮し,予算と方策とを整合させる。

組織は,方針の展開の結果,最終的に導かれた個々の方策について実施計画を作成し,方策が確実に実

施されるようにすることが望ましい。

4.3.3

方針の実施状況の確認及び処置  組織は,目標を達成するために,あらかじめ定められた時点で,

方針の実施状況の確認をすることが望ましい。期末に目標の達成が困難と判断される場合は,資源投入な

どの応急的な処置をとると同時に,その原因を追究し,目標又は方策の変更を行うとよい。

組織は,目標が達成されない,又は方策が計画どおり実施されないような現象を早期に発見できる仕組

みを作っておくことが望ましい。

トップマネジメントは,期中の適切な時点で各々の部門及び部門横断チームにおける方針の実施状況を

診断することが望ましい。

参考  診断は,組織の現場において,組織の人々とのコミュニケーションを通して,活動の実態を把

握し,適切な対策をとるために行われる。

4.3.4

方針の実施状況のレビュー及び次期への反映  期末には,その期における方針の実施状況を総合的

にレビューするとよい。レビューに当たっては,次の事項を考慮するとよい。


7

Q 9023

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−  方針によるマネジメントの進め方を改善する。

−  トップマネジメントは,実施状況を総合的にレビューし,組織の中長期経営計画,経営環境などを考

慮した上で,次期方針に反映する。

参考  レビューは,方針の実施状況に関する検討対象の適切性,妥当性,有効性,効率などを評価す

るために行われる。

5.

中長期経営計画の策定  トップマネジメントは,組織の使命,理念及びビジョンに基づいて,外部環

境及び組織内部の現状を分析し,

組織の方向付けを明確に示す中長期経営計画を策定することが望ましい。

中長期経営計画には,次の事項を含めるとよい。

−  提供する製品

−  対象とする顧客

−  製品を提供する方法及びタイミング

−  競合する他の組織をりょうが(凌駕)する方策

−  人々,インフラストラクチャー,作業環境,情報,供給者とパートナー,天然資源,財務資源などの

必要資源

−  技術開発,生産,物流,販売などの機能別の方向付け

参考  活動の結果が数年後に出るような部門(例えば,設計部門,生産技術部門など)は,中長期計

画を明確にすることが重要である。

中長期経営計画の策定に当たっては,次の手順に沿って進めるとよい。

a)

組織の使命,理念及びビジョンを確認する。

b)

市場,顧客,社会動向など組織を取り巻く外部環境の変化を分析する。

c)

組織の経営資源などの実態,特に前期までの状況の反省点を明らかにし,競合する他の組織と比較し

て優劣を判定する。

d)

環境が変化する中で,不確実性の高い要因がある場合には,複数の起こり得るシナリオを描く。

e)

複数のシナリオに対し,競合分析及びリスク分析などを行い,どのシナリオが起こってもリスクを回

避できる方向を検討する。

f)

資源配分を考慮して,ビジョンを達成する計画を決定する。

参考  トップマネジメントは,あらかじめ定められた時点で中長期経営計画の見直しを行うことが望

ましい。見直しの時期は,計画開始年度から完了年度まで計画を固定して完了年度に次の期間

の計画を定する方式,及び期ごとに見直す方式があり得る。

中長期経営計画策定を効果的かつ効率的に実施するためには,次の技法を活用するとよい。

−  シナリオプランニング

−  業界構造分析

−  ベンチマーキング

−  市場分析

− SWOT 分析

−  プロダクトポートフォリオ分析

−  バランストスコアカード

参考1.  組織の規模,経営環境などによっては,中長期経営計画の策定プロセスを省略することがあ

る。


8

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2.

中長期経営計画の策定に関する自己評価は,

附属書 の 2.を参照。

3.

方針の戦略面,財務面を強化するための概念及び技法については

附属書 を参照。

6.

方針の策定

6.1

一般  トップマネジメントは,組織の使命,理念及びビジョン,並びに中長期経営計画に基づいて

組織の進むべき方向を明確に示した方針を策定することが望ましい。組織は,方針を定めるに当たって,

その内容をより具体的なものにするために,次の事項を実施することが望ましい。

−  重点課題の決定(6.2 参照)

−  目標の設定(6.3 参照)

−  方策の立案(6.4 参照)

6.2

重点課題の決定  トップマネジメントは,中長期経営計画,又は方針に基づき重点課題を決定する

ことが望ましい。

重点課題は,次の手順で決定するとよい。

a)

組織における重点課題の決定  組織がおかれている内外の状況を分類整理して項目を選び出し,重要

な課題を決定する。

1)

次の三つの側面から重点課題となる項目を選択する。

組織の方針  中長期経営計画から,当期に実施すべき項目を選択する。

経営環境の分析から出てきた課題  組織がおかれている経営環境を分析し,業績に関する機会

やリスクを明らかにする。また,組織の能力の分析,又は競合する他の組織の能力と比較分析

し,組織の強みと弱みとを明らかにして,重要な項目を選択する。

現状の反省から出てきた課題  課題の中で,実績が目標未達で現在に持越してしまった課題,

又は過去数年間の実績による傾向,特徴を分析して,重要な項目を選択する。また,部門ごと

に,改善すべき課題を明確にし,事業プロセスの改善を組織的に展開する上で,重要な項目を

選択する。

2)

三つの側面から選択した項目から当期の重点課題を絞り込む。

−  選択した項目の中から,類似したもの又は因果関係にあるものをグルーピングしてまとめる。

−  重要性及び緊急性で重点課題を絞り込む。

b)

部門における重点課題の決定  組織の方針に基づいて,部門がおかれている内外の状況を分類整理し

て項目を抽出し,重要な課題を決定する。

1)

次の四つの側面から重点課題となる候補の項目を選択する。

組織の方針  提示されている組織の重点課題,目標及び方策を確認し,それと自己の使命及び

活動領域を照らし合わせて,関係する項目を選択する。

部門の中長期計画  部門の中長期計画を策定している場合は,この中から当期に実施すべき項

目を選択する。

環境の分析から出てきた課題  外部環境を分析し,機会やリスクを明らかにする。また,自部

門の能力の分析,又は競合者の能力と比較分析し,自部門の強みと弱みとを明らかにして,課

題を選択する。

現状の反省から出てきた課題  課題の中で,実績が目標未達で現在に持越してしまった課題,

又はトップマネジメントによるレビューで指摘された項目を選択する。また,

下位からの提案,

他部門から依頼された事項から重要な項目を選択する。


9

Q 9023

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2)

四つの側面から選んだ項目から課題を絞り込む。

部門が担当する業務範囲によっては,取り上げたい課題が多くなることがあるが,課題を確実に

達成するためには,重要なものを絞り込み,資源を集中して課題の達成に取り組む。当期に対応す

る課題は,次の手順で 3∼5 項目を目安として絞り込むとよい。

−  選択した項目の中から,類似したもの又は因果関係にあるものをグルーピングしてまとめる。

−  重要性と緊急性で重点課題を絞り込む。

3)

トップマネジメントの方針との整合を取り,重点課題を決定する。

トップマネジメントへ部門の重点課題を提案し,他部門との関連を含めたトップマネジメントの

意向を踏まえて重点課題を決定する。

参考  重点課題決定プロセスの様式例は,附属書 の 1.を参照。

6.3

目標の設定

6.3.1

一般  組織は,重点課題ごとに目標を設定するに当たり,次の事項を考慮することが望ましい。

−  達成すべき状態,達成期日を明確にする。

−  達成期限を設け,達成度を評価する項目を設定する。

−  中長期経営計画及び期ごとの方針を勘案し,両者が両立するように設定する。

−  事前に現状までの実績を調査しておく。

−  組織と部門又は部門横断チームとの間,及び関係部門とのすり合わせを行い,必要な場合は当初に設

定した目標を見直す。

6.3.2

目標値の設定  目標値の設定は,次の手順で行うとよい。

−  過去数年間の推移,競合者の水準,製品の種類別などの視点から傾向を調査する。

−  現状の実績値に基づくとともに,重点課題の到達すべき状態に見合う水準を検討する。

−  上位目標から必要とされる水準を,確実に達成できるように下位目標値を設定する。

−  中長期目標から必要とされる水準を,確実に達成できるように当期目標値を設定する。

6.4

方策の立案  組織は,設定された目標を達成するための方策を立案するに当たって,期内に実施す

べき活動を検討し,実施のために必要な作業を明らかにすることが望ましい。具体的な方策立案のために

は,次の事項を実施するとよい。

a)

要因の明確化  調査及び分析によって現状を把握又は将来の結果を予想し,重点課題に関する業務プ

ロセスに着目して,目標達成のための重要な要因を見極める。

−  現場で現物を見ながら現実的に考えることを基本とする(以下ではこの基本的な考え方を現場,

現物及び現実ということがある)観察を行い,目標の設定時に収集した現状の調査情報を手がか

りに検討する。

−  現在,目標レベルまで達していない要因又は将来達成しないことが予想される要因について,関

係する組織の人々,インフラストラクチャー,実施方法,使用する材料などの側面から検討する。

“なぜなぜ”を繰り返すことで検討が深まる。

b)

方策の確定  重要な要因を望ましい状態にする手段を検討し,重点を絞り込んだ方策を確定する。

−  関係者を集めて,目標を達成するための手段についてアイデアを出し合う。

−  一つの重要な要因に対して,考え出された手段を,更にそのためにどのようにするかを繰り返し,

実施可能な複数の具体的な方策にブレークダウンする。

−  方策は,事業又は業務のプロセスの改善に焦点を当て検討する。

−  方策の効果,及び実施に当たって生じると思われる障害を評価する。


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:2003

−  方策を実施する際に投入が必要な人々,インフラストラクチャー,財務資源の割出し,費用対効

果を事前に評価する。

−  インフラストラクチャー投資予算を計画に計上し,必要とする時期に入手できるよう手続きをと

る(

附属書 参照)。

参考1.  方針の策定に関する自己評価は,附属書 の 3.を参照。

2.

重点課題・目標・方策を示すための様式例は,

附属書 の 2.を参照。

7.

方針の展開,並びに実施計画の策定及び管理項目の設定

7.1

方針の展開

7.1.1

一般  トップマネジメント及び組織内の責任者は,方針を展開するに当たり,次の事項を考慮する

ことが望ましい。

−  上位者と下位者との間で,重点課題,目標及び方策が密接につながり,下位にいくに従って,より具

体的になっていく(

図 参照)。

−  組織の人々が,方針に対する理解を深め,連携して取り組む。

−  必要に応じて他部門又は関係する他の組織の協力を要請し,要請した部門又は関係する他の組織と連

携して活動を計画する。

方針の展開を,効果的かつ効率的に実施するために,次の技法を活用するとよい。

−  系統図

−  マトリクス図

  2  方針の展開

参考  方策のすべてが展開されるわけではなく,上位者が自ら実施する方策もある。

7.1.2

方針の組織内への展開  方針を組織内に展開するに当たっては,次の事項を考慮するとよい。

a)

部門への展開

−  トップマネジメントは,各部門の責任者に方針を展開し,各部門の責任者は部門内の下位者に順

次展開する。

−  各階層が,方針についての責任者となり目標達成の活動を実施する。

重点課題・

目標

方策1

方策2

方策3

方策1−1

方策1−2

重点課題・

目標1

上位者

下位者


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Q 9023

:2003

b)

部門横断チームへの展開

−  部門単独では解決が困難な重点課題,又は方策が明確でない場合は,関係する部門で構成する部

門横断チームを結成する。

−  部門横断チームは,目標達成に関する様々な情報を分析し,方策を立案し,実施する。

部門又は部門横断チームへの展開に当たっては,方針に最も寄与の大きい部門が,他部門の協力を得て

重点的に活動に取り組むとよい。

参考  方針の展開においては,目標を分配する場合と,目標を達成するための方策を分担する場合が

ある。各々の部門が取り上げる項目数は,3∼5 項目程度に留め,総花的にならないように重点

化するとよい。

7.1.3

方針のすり合わせ  組織は,重点課題,目標及び方策を担当する部門又は部門横断チームを定めた

後,階層の上下間,組織内部門の左右間の両面にわたり,重点課題,目標及び方策の一貫性及び整合性を

とり,漏れのないものにすることが望ましい。

方針のすり合わせでは,特に次の事項を考慮するとよい。

a)

下位者は,展開された方針を達成するための,より具体化した方策を決定する。

b)

すり合わせの場は,上位者は方針の設定の意図を説明し,下位者は現場の実状,意見を提案する双方

向の議論の場とする。

c)

上位者は,方針を展開した各々の部門又は部門横断チームの重点課題,目標及び方策が連携のとれた

形になるよう,リーダーシップを発揮する。

d)

上位者は部門又は部門横断チームの重点課題,目標及び方策が達成された場合に方針が達成されるか,

どの部門又は部門横断チームの重点課題,目標及び方策の寄与度が大きいかを,検討する。上位者は

展開した目標の積み上げで,最終的に組織全体の目標を達成できるかを検証する。

e)

上位者は部門間連携の必要性について検討し,協力内容と連絡者を決定する。

f)

上位者及び下位者は,方策を実施するために必要な資源及び,利用可能な資源を対比し,目標を達成

する上での障害を検討する。

g)

上位者及び下位者は,すり合わせの中で,明らかとなった課題に対する具体的な方策を決める。

参考  方針が末端まで整合して展開され,連携しているかを確認する具体的方法としては,下位のす

り合わせの結果をトップマネジメントがヒアリングすることがある。

7.1.4

資源の準備  トップマネジメントは,部門又は部門横断チームに展開した方針が適切に進ちょく

(捗)するように,必要な資源について,予算を含む資源を適切な時期までに準備することが望ましい(

属書 参照)。

参考  資源には,人々,インフラストラクチャー,作業環境,情報,供給者とパートナー,天然資源,

財務資源などを含む。

組織は,方針を確実に達成するために,その人々に対して方針のねら(狙)い及び内容を説明するとと

もに,方針の実施に必要な問題解決の手順及び技法について教育・訓練を行うことが望ましい。

参考  方針の展開に関する自己評価は,附属書 の 4.を参照。

7.2

実施計画の策定  部門又は部門横断チームの責任者は,方針を展開して最終的に到達した方策が確

実に実施されるように,抜け落ちなく実施計画を策定することが望ましい。具体的な活動を行うに当たっ

ては,事前に実施計画の内容を部門内外の関係者に説明し,理解を深めておくとよい。

実施計画には,次の事項を含めるとよい。

−  関連する方針,実施事項,担当者及びその責任・権限,実施日程


12

Q 9023

:2003

−  最終的な目標値,途中段階での目標値,異常の判断基準となる処置限界,確認の時期及び頻度

−  月単位などの,あらかじめ定められた期間に実施する項目

−  計画どおりに進まなかった場合に,必要な処置をとる責任者

−  自部門の活動がもたらす他部門への影響及び協力内容に基づく,必要な支援体制

組織は,実施計画に関係する人々の実施計画に対する合意を確実にし,一人ひとりの業務計画に反映さ

せることが望ましい。組織は,人々の実施計画達成に対する関与及び結果によって,組織に対する人々の

貢献度を評価することが望ましい。

参考1.  方針に基づいて導かれた方策をそれ以上下位に展開しない場合には,その実施計画を策定す

る。

2.

実施計画に関する自己評価は,

附属書 の 5.を参照。

3.

実施計画を示すための様式例は,

附属書 の 3.を参照。

7.3

管理項目の設定  組織は,期の途中及び期末における方針の実施状況を評価するために,管理項目

を設定することが望ましい。管理項目を設定するに当たり,次の事項を考慮するとよい。

−  管理項目は,組織,部門及び部門横断チームの重点課題,目標及び方策ごとに定める。また,管理項

目については,一般に,目標値及び処置限界を定める。

−  実施計画で定めた方策については,その進ちょく(捗)を確認するための管理項目を定める。

−  結果で確認していたのでは処置が遅くなる場合には,結果を導く要因を総合的に評価する尺度を代替

的な管理項目として用いる。

重点課題について数値化された目標を設定している場合には,それがそのまま重点課題の管理項目にな

る場合が多い。また,方策については,その実施段階での重要な節目を設け,節目までに実施しなければ

ならない活動に対する進ちょく(捗)率を管理項目とするのがよい。

管理項目は,次の要件を満たすように設定するとよい。

−  管理項目の定義が明確であり,効率的に測定できる。

−  目標及び方策に関する達成状況及び傾向が把握できる。

−  組織の目標と密接に関連する。

管理項目を用いて目標の達成度の確認,及び目標を達成していない場合の処置を実施するに当たって,

次の事項を考慮するとよい。

−  途中段階での目標値

−  異常の判断基準となる処置限界

−  管理項目の推移を確認する時期又は頻度

−  管理項目の推移を確認する担当部門又は責任者

−  変動の大きさ及び迅速な処置が必要な程度

参考  管理項目に関する自己評価は,附属書 の 6.を参照。

8.

方針の実施,実施状況の確認及び処置

8.1

実施計画に基づく実施  組織は,実施計画で定めた実施事項に関して,実施計画の担当者,責任者,

上位者及び関係者と連携し,月単位などの設定した期間で PDCA サイクルを回して方針達成のための活動

を進めることが望ましい。

8.2

実施状況の確認  組織は,実施計画の進ちょく(捗)を定められた頻度で確認し,期末の最終目標

を達成するうえで異常はないかどうかを判断し,必要に応じて処置をとることが望ましい。


13

Q 9023

:2003

確認のために次の事項を考慮するとよい。

a)

管理項目,確認の時期及び責任者を,一覧表などによって全体が把握できるようにする。

b)

目標を期末までに達成するために,途中の時点で完了させる方策及び期限を明確にする。

参考  新製品開発の場合,市場調査,他社製品調査,製品企画,製品開発,詳細設計,試作,評価,

量産計画など,開発完了までの方策が含まれる。

c)

管理項目が計量値で表現されている場合は,期末での目標値に対して,途中で達成しなければならな

い目標線,処置限界線を記入した推移グラフを用いて達成状況を管理する。

参考  目標線及び処置限界線を記入した推移グラフは,“管理グラフ”と呼ばれることがある。

d)

下位者は,上位者へ,確認の結果を定期的に報告する。

e)

上位者は,確認の結果の報告を受け,部門及び部門横断チーム全体の関係者が連携し,協力して目標

を達成するように全体の進ちょく(捗)を管理する。

8.3

確認結果に対する処置  組織は,確認結果に対して,次の手順で処置をとることが望ましい。

a)

確認した時点で完了すべき方策が完了しているかという評価,又はその時点での実績を推移グラフ又

は管理グラフの目標値や処置限界と比較することによる達成度の評価を行う。

b)

計画した方策が確認した時点で完了していない,又は処置限界から外れて進ちょく(捗)が遅れてい

る場合は,その原因を究明してその時点までの未達成分をばん(挽)回するための処置をとる。また,

必要に応じて,上位者,又は関係者に必要資源の投入などの支援を要請する。

c)

計画した方策が確認した時点で完了していない,又は処置限界から外れて進ちょく(捗)が遅れてい

る場合は,それに至った運営管理の側面での原因を究明して,再発防止処置を行う。

d)

次のような場合,方策の変更を考慮する。

−  当初の方策では目標の達成が困難であることが判明し,新たな方策が必要な場合。

−  期の途中で新たな質の面での問題や固有技術的な課題が発生し,それに対する解決が必要な場合。

−  環境の変化に対応して,当初の方針を変更する必要が生じた場合。

参考  管理項目を用いた実施状況確認のための様式例は,附属書 の 4.を参照。

8.4

トップマネジメントによる診断  トップマネジメントは,組織の人々に方針を浸透させ,参画意識

を持たせるために診断を実施することが望ましい。また,トップマネジメントは,現場,現物及び現実に

よる診断を通じて,方針の達成度及び方針達成のためのプロセスを把握することによって,方針によるマ

ネジメントをより確実なものとすることが望ましい。

トップマネジメントによる診断は,次の手順で実施するとよい。

a)

期の途中で各部門又は部門横断チームに対して診断を実施するよう計画する。

参考  トップマネジメントによる診断に要する時間は,半日から 1 日を単位として,効率的に実施で

きるよう計画する。

b)

診断者は,対象部門又は部門横断チームの診断に必要な組織のトップマネジメント数名で構成する。

被診断者は,対象部門及び部門横断チームの責任者,及びその部門又は部門横断チームの管理者,監

督者で構成する。

c)

被診断者である部門又は部門横断チームの責任者は,トップマネジメントに対して,組織の方針に沿

った部門又は部門横断チームにおける,方針の展開及びその実施状況を説明する。その後,トップマ

ネジメントは,実施状況を現場,現物及び現実で確認する。

d)

トップマネジメントは,実施状況の説明と現場,現物及び現実による診断結果から,組織の方針の浸

透度合いを把握するとともに,部門又は部門横断チームの管理能力及び問題解決能力を評価する。ト


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Q 9023

:2003

ップマネジメントは,部門又は部門横断チームの問題点を把握し,トップマネジメントの立場からマ

ネジメントシステムのパフォーマンスを改善していくための案を提案する。

参考  方針の実施状況の確認及び処置に関する自己評価は,附属書 の 7.を参照。

9.

方針の実施状況のレビュー及び次期への反映

9.1

実施状況の把握  部門又は部門横断チームの責任者は,方針の実施状況を分析して,次期方針の策

定に反映させることが望ましい。

目標の達成度だけではなく,目標達成のための方策が確実に実施できたかという視点で分析し,実施状

況を把握するとよい。

表 に分析の視点を示す。

  2  方針の実施状況に関する分析の視点

方策

目標

達成

未達成

実施できた

ケース 1

ケース 3

実施できなかった

ケース 2

ケース 4

それぞれのケースについて,次の事項を考慮するとよい。

a)

ケース 1  理想的ケースであるが,目標を達成するために取り上げた方策の寄与の度合いを正確に評

価する。

“結果よければすべてよし”であってはならない。

b)

ケース 2  策定した方策以外の要因で目標が達成できたケースであるから,その要因及び寄与の度合

いを把握する。また,なぜ方策が実施できなかったのかを明らかにする。

参考  策定した方策以外の要因は,為替変動のような外的要因,組織の人々による努力,低い目標の

設定などである。

c)

ケース 3  方策が不適切であったことが想定され,方策が見当違いであったのか,又は寄与の度合い

が小さかったのかを検討する。ケース 2 とは逆に目標設定が厳しすぎたことも考えられ,今後の目標

設定と方策展開のしかたに反映する。また,外部環境の要因も考えられるが,それを言い訳にして真

の原因追究を怠ってはならない。

実施状況の把握では,未達成の理由を他責要因に帰するのではなく,自責要因の部分を明確にして

方策を考えることが重要である。

参考  外部環境による要因又は他部門の責任に起因する要因を他責要因といい,自部門の責任に起因

する要因を自責要因という。

d)

ケース 4  部門又は部門横断チームの責任者は,方策を実施できなかった原因及び目標を達成できな

かった原因を明確にし,次期の方針によるマネジメントを改善する。

方針の未達成原因を明確にし,方針によるマネジメントを改善するために,次の事項を考慮すると

よい。

−  目標を達成するための方策が適切であったか。

−  目標の達成状況を正しく評価できる管理項目を定め,自部門の能力を十分に考慮して目標を設定

したか。

−  方策の実施に当たって,完了予定日,役割分担などを明確にし,途中の確認及び処置を着実に行

っていたか。

−  関連する部門との連携はよかったか。


15

Q 9023

:2003

9.2

目標と実績との差異分析  組織は,“方針によるマネジメントの原則”(4.1 参照)に基づいて,次期

方針に反映するために,次の視点から目標と実績との差異分析を行い,原因を固有技術及び運営管理の観

点から追究することが望ましい。

−  実績を定量的に表現して,ばらつき及び平均値に着目して分析する。

−  実績と推移グラフ又は管理グラフの目標値及び処置限界とを時系列で比較して,異常の有無を検討す

る。

−  実績と方策の実施状況との相関関係を分析して,方策の寄与の度合いを明確にする。

−  目標と実績の差異との内容を層別して,方策の展開及び実施状況の観点から,層別された内容の特徴

及び寄与の度合いを検討する。

−  目標と実績との差異を,パレート分析して,差異を生じさせた重要な原因を見極める。

−  実施計画に掲げてありながら実施できなかったことについて,実施できなかった理由を“なぜなぜ”

で追究して,プロセスにおける原因を明確にする。

−  実績を,競合者の実績と比較する。

方針によるマネジメントを総括する部門を設置している組織においては,当該部門は,各部門及び部門

横断チームの結果を集約し,部門別,部門横断チーム別又は機能別に問題点を分析し,組織全体として目

標と実績との差異分析を行うことが望ましい。

参考  差異分析のための手順及び技法については,JIS Q 9024(マネジメントシステムのパフォーマ

ンス改善−継続的改善の手順及び技法の指針)の 6.及び 7.を参照するとよい。

9.3

分析結果に基づく処置  組織は,期末における目標と実績との差異分析の結果に基づいて,次の処

置をとることが望ましい。

a)

個別の問題点について,以後の進め方に関する固有技術の側面から再発防止処置をとる。

b)

品質保証,原価管理,納期管理,安全管理,人事管理などのマネジメントシステム上の改善すべき事

項について処置をとる。

c)

次期以降の方針及び中長期経営計画に,差異分析の結果で必要な事項を反映する。

−  引き続き取り組む必要のある方針は,次期方針の重点課題とする。

−  中長期経営計画に基づく方針については,期ごとの目標と実績とを差異分析し,その結果を次期

以降の中長期経営計画に反映する。

参考1.  中長期経営計画は,期ごとに見直しをする場合,又は計画開始年度から完了年度まで計画を

継続する場合のいずれの方式でも,必要に応じて随時,見直しして更新する。

2.

期末反省のための様式例は,

附属書 の 5.を参照。

9.4

トップマネジメントによる期末のレビュー  トップマネジメントは,当期末に,方針の実施状況を

レビューし,次期方針に反映させることが望ましい。トップマネジメントによるレビューへのインプット

には,マネジメントシステムの継続的改善が組織におけるパフォーマンス改善のための推進力であること

を確実にするために,次の項目を含めるとよい。

−  顧客の満足

−  その他の利害関係者の満足

−  財務結果と方針の実施状況との関係

−  成功要因,失敗要因の分析及び成功・失敗から学習した改善案

参考  方針の実施状況のレビュー及び次期への反映に関する自己評価は,附属書 の 8.を参照。


16

Q 9023

:2003

附属書 1(参考)方針によるマネジメントの自己評価

この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1.

一般  “方針によるマネジメント”を組織的に推進するためには,定期的にその実施状況を評価し,

その結果に基づいてどのような側面を重点化すべきかを判断することが必要である。2.8.は,このような

評価に役立つ一つの枠組みを提供している。

附属書 は,この規格本体が推奨する活動のステップに応じた評価項目を示しており,この各々につい

て“第 1 段階(悪い)

”から“第 5 段階(良い)

”のどのレベルにあるのかを確認することによって,どの

ような点が遅れているのか進んでいるのかが客観的に評価できるようになっている。

評価の実施に当たっては,複数人による確認を行い,その平均値やメジアンを用いるなどの工夫をする

とよい。また,各々の評価項目に重みをつけて点数化し,ステップごとの平均値を求めてレーダーチャー

トに表すことでどこに問題があるかを把握できる。さらに,部門間の点数の差異を比較することで実態を

より詳細に把握できる。

なお,2.8.は,あくまでも“方針によるマネジメント”の活動面に焦点を合わせている。方針が達成さ

れているかどうか,方針とした項目について大幅な改善が達成されているか,他組織をりょうが(凌駕)

するレベルを達成しているか,方策が計画どおり実施されているかなどの結果系についても併せて評価を

行い,活動面のレベルアップに応じてねら(狙)いとする成果が得られているかどうかについても確認す

ることが必要である。


17

Q 9023

:2003

2.

中長期経営計画の策定  中長期経営計画の策定の実施状況に関する評価の枠組みの例を,次に示す。

附属書   1  中長期経営計画の策定の実施状況に関する評価の枠組み

レベル

評価項目

2.-1

中長期経営計画は,将来の

方向付けを明確に示すもの

になっているか?

2.-2

中長期経営計画は,理念,

ビ ジ ョ ン に 基 づ い て い る

か?

2.-3

市場環境,組織の現状を分

析し,中長期経営計画に反

映しているか?

2.-4

中長期経営計画の項目は,

互いに密接な関連を持って

いるか?

1

組織の中長期経営計画を定

めていない。

組織経営の精神的な支柱と

なるべき理念,ビジョンを

定めていない。

市場動向,社会動向などの

組織を取り巻く環境,及び

自己の経営資源の実態に関

す る 情 報 を 収 集 し て い な

い。

部門別,目的別(品質など)

の中長期経営計画を定めて

いない。

2

組織の中長期経営計画を定

めているが,抽象的で具体

性に乏しい。

理念,ビジョンを定めてい

るが,組織の中長期経営計

画の内容は,これと全く関

連のないものになっている

(組織の中長期経営計画を

定めていない場合を含む。

市場動向,社会動向などの

組織を取り巻く環境,及び

自己の経営資源の実態に関

す る 情 報 を 収 集 し て い る

が,収集データの量が不足

している。

部門別,目的別の中長期経

営計画を必要に応じて定め

ているが,これらの内容は

組織の中長期経営計画と全

く関連のないものになって

いる(組織の中長期経営計

画を定めていない場合を含

む。

3

具体性のある組織の中長期

経営計画を定めているが,

内容は過去の実績の延長に

すぎない。

理念,ビジョンを定めてお

り,組織の中長期経営計画

にはこれに関連する用語な

どが含まれているが,両者

の内容的な関連はそれほど

強くない。

市場動向,社会動向などの

組織を取り巻く環境,及び

自己の経営資源の実態に関

する情報を十分に収集して

いるが,時代とともに新た

に浮かび上がってくる課題

を明確にできないなど分析

が弱く,精度のよい予測が

できない。

部門別,目的別の中長期経

営計画を必要に応じて定め

ているが,これらと組織の

中長期経営計画との内容的

な 関 連 は そ れ ほ ど 強 く な

く,組織の中長期経営計画

と矛盾する又は無関係な内

容のものが多い。

4

具体性があり,挑戦的な組

織の中長期経営計画を定め

ているが,重点化されてい

ない網羅的な内容となって

いる。

理念,ビジョンを定めてお

り,組織の中長期経営計画

の内容は,これと関連する

ものになっている。

市場動向,社会動向などの

組織を取り巻く環境,及び

自己の経営資源の実態に関

する情報を十分に収集して

おり,その分析も適切に行

っている。しかし,分析結

果を中長期経営計画に十分

反映できていない。

部門別,目的別の中長期経

営計画を必要に応じて定め

ており,その内容は組織の

中長期経営計画と密接に関

連している。しかし,部門

別,目的別の中長期経営計

画は,互いに不整合が見ら

れる。

5

具体性があり,挑戦的かつ

重点化された組織の中長期

経営計画を定めている。

理念,ビジョンを定めてお

り,組織の中長期経営計画

の内容は,これと密接に関

連するものになっている。

市場動向,社会動向などの

組織を取り巻く環境,及び

自己の経営資源の実態に関

する情報を十分に収集して

おり,その分析も適切に行

っている。また,分析結果

を中長期経営計画に十分反

映している。

部門別,目的別の中長期経

営計画を必要に応じて定め

ており,その内容は組織の

中長期経営計画と密接に関

連している。また,部門別,

目 的 別 の 中 長 期 経 営 計 画

は,互いに整合している。


18

Q 9023

:2003

3.

方針の策定  方針策定の実施状況に関する評価の枠組みの例を,次に示す。

附属書   2  方針策定の実施状況に関する評価の枠組み

レベル

評価項目

3.-1

方針は,中長期経営計画に

基づいているか?

3.-2

方針は,具体的で重点化さ

れているか?

3.-3

方針は目的別(

1

)になって

いるか?

3.-4

方針から導かれた目標にお

いて,競合者をりょうが(凌

駕)する水準を設定してい

るか?

1

方針を定めていない。

方針を定めていない。

方針を定めていない。

競合者をりょうが(凌駕)

する水準を設定しているの

は,20%未満である。

2

方針を定めているが,その

内容は,中長期経営計画と

全く関連がない。

方針を定めているが,その

内容は,抽象的で具体性に

乏しい。

方針を設計,製造,販売な

ど組織構造に対応する形で

定めている。

競合者をりょうが(凌駕)

する水準を設定しているの

は,20%以上 40%未満であ

る。

3

方針を定めているが,その

内容は,中長期経営計画と

関連が強くない。結果とし

て,方針が期ごとに大きく

変わる,一貫性のないもの

になっている。

具体性のある方針を定めて

いるが,その内容は,過去

の実績の延長にすぎない。

方針を設計,製造,販売な

ど組織構造に対応する形で

定めているが,一部,品質,

コスト,納期など特定の目

的に対応するものも含まれ

ている。

競合者をりょうが(凌駕)

する水準を設定しているの

は,40%以上 60%未満であ

る。

4

方針を定めており,その内

容は,中長期経営計画と関

連している。

具体性があり挑戦的な方針

を定めているが,その内容

は,重点化されていない。

方針を品質,コスト,納期

など目的に対応する形で定

めているが,一部,設計,

製造,販売など特定の部門

に対応するものも含まれて

いる。

競合者をりょうが(凌駕)

する水準を設定しているの

は,60%以上 80%未満であ

る。

5

方針を定めており,その内

容は,中長期経営計画と密

接に関連している。

具体性があり挑戦的かつ重

点化された方針を定めてい

る。

方針を品質,コスト,納期

など目的に対応する形で定

めている。

競合者をりょうが(凌駕)

する水準を設定しているの

は,80%以上である。

注(

1

)

目的別とは,事業別,及び品質・コスト・納期・量・安全・環境を含む組織における運営管理での重要な要
素別という意味である。 


19

Q 9023

:2003

4.

方針の展開  方針の展開の実施状況に関する評価の枠組みの例を,次に示す。

附属書   3  方針の展開の実施状況に関する評価の枠組み

レベル

評価項目

4.-1 
部門の重点課題,
目 標 及 び 方 策 と
方針との関連は,
明確か?

4.-2 
重点課題,目標及
び方策は,下位に
なるに従って,よ
り 具 体 的 に な っ
ているか?

4.-3 
各 々 の 部 門 の 重
点課題,目標及び
方策は,重点化さ
れているか?

4.-4 
重点課題,目標及
び 方 策 の 展 開 に
おいて,上下,左
右 の す り 合 わ せ
を 行 っ て い る
か?

4.-5 
部門の重点課題,
目 標 及 び 方 策 に
よ っ て 方 針 が 効
率 的 に 達 成 で き
る か を 検 討 し て
いるか?

4.-6 
部門の重点課題,
目 標 及 び 方 策 が
他の方針,他部門
の 活 動 に 及 ぼ す
影 響 に つ い て 検
討しているか?

1

部 門 ご と に 重 点
課題,目標及び方
策 を 定 め て い な
い。

部 門 ご と に 重 点
課題,目標及び方
策 を 定 め て い な
い。

部 門 ご と に 重 点
課題,目標及び方
策 を 定 め て い な
い。

上下,左右のすり
合 わ せ の 場 を 設
けていない。

方 針 と 部 門 の 重
点課題,目標及び
方 策 の 関 連 を 議
論していない。

部門の重点課題,
目 標 及 び 方 策 が
他 に 与 え る 影 響
に つ い て 考 慮 し
ていない。

2

部 門 ご と に 重 点
課題,目標及び方
策を定めている。 
しかし,部門の重
点課題,目標及び
方策は,方針との
関連が弱い。

部 門 ご と に 重 点
課題,目標及び方
策を定めている。 
しかし,部門の重
点課題,目標及び
方策の内容は,方
針 と ほ と ん ど 変
わりない。

部 門 ご と に 重 点
課題,目標及び方
策を定めている。
しかし,抽象的で
具 体 性 に 乏 し い
ものが多い。

上下,左右のすり
合 わ せ の 場 を 設
けているが,議論
が 十 分 に 行 わ れ
ず,上位者が方針
を 押 し 付 け る 形
となっている。

方 針 と 部 門 の 重
点課題,目標及び
方 策 の 関 連 を 議
論しているが,部
門の重点課題,目
標 及 び 方 策 が 達
成 さ れ た 場 合 に
方 針 が 達 成 さ れ
る か ど う か 検 討
していない。

部門の重点課題,
目 標 及 び 方 策 が
他の方針,他部門
の 活 動 に 与 え る
影 響 に つ い て 議
論しているが,ど
の よ う な 影 響 が
あ り 得 る か 十 分
に 検 討 で き て い
ない。

3

部門の重点課題,
目標及び方策は,
方 針 を 受 け る 形
となっている。 
しかし,関連が明
確 に な っ て お ら
ず,方針と関連の
な い 部 門 の 重 点
課題,目標及び方
策 が 含 ま れ て い
る。

部門の重点課題,
目標及び方策は,
方 針 に 含 ま れ る
目 標 値 を 分 解 し
た も の に な っ て
いる。 
しかし,最下位の
方 策 を 見 て も 具
体 的 な 実 現 手 段
が 示 さ れ て い な
い。

具 体 性 の あ る 重
点課題,目標,方
策を部・課などの
部 門 ご と に 定 め
ているが,内容は
過 去 の 実 績 の 延
長 に す ぎ な い も
のが多い。

上下,左右のすり
合 わ せ の 場 を 設
けている。上位者
は 方 針 を 説 明 し
て 下 位 者 の 理 解
と 納 得 を 得 よ う
としているが,下
位 者 の 参 画 意 識
が低く,現場の実
状・意見を十分に
反 映 で き て い な
い。

部門の重点課題,
目 標 及 び 方 策 が
達 成 さ れ た 場 合
に 方 針 が 達 成 さ
れ る か ど う か 検
討しているが,部
門の重点課題,目
標 及 び 方 策 が 効
果 的 で 効 率 的 な
も の に な っ て い
る か ど う か 検 討
していない。

部門の重点課題,
目 標 及 び 方 策 が
他の方針,他部門
の 活 動 に 与 え る
影 響 の 有 無 を 検
討 し て い る が ,
各 々 の 影 響 の 大
き さ を 正 し く 評
価 す る た め の 工
夫をしていない。

4

系統図などを用い
て,方針と部門の
重点課題,目標及
び方策との関連を
明確にしている。 
しかし,部門の重
点課題,目標及び
方 策 の 方 針 に 対
す る 寄 与 の 大 き
さはあいまい(曖
昧 ) に な っ て お
り,有効性の少な
い 部 門 の 重 点 課
題,目標及び方策
が含まれている。

部門の重点課題,
目標及び方策は,
方 針 を よ り 具 体
化 し た も の と な
っており,最下位
の 方 策 を 見 る と
具 体 的 な 実 現 手
段 が 示 さ れ て い
る。 
しかし,すべての
方 針 が 一 律 に 最
下 位 の 方 策 ま で
展開されている。

具体性があり,挑
戦的な重点課題,
目標,方策を部・
課 な ど の 部 門 ご
と に 定 め て い る
が,重点化されて
い な い 網 羅 的 な
内 容 と な っ て い
るものが多い。

上下,左右のすり
合 わ せ の 場 を 設
けている。上位者
は方針を説明し,
下 位 者 は 現 場 の
実状・意見を提案
す る 双 方 向 の 議
論 の 場 に な っ て
いる。しかし,上
位 者 が リ ー ダ ー
シ ッ プ を 発 揮 し
て,場をまとめる
こ と が で き て い
ない。

部門の重点課題,
目 標 及 び 方 策 が
達 成 さ れ た 場 合
に 方 針 が 達 成 さ
れるかどうか,部
門の重点課題,目
標 及 び 方 策 が 効
果 的 で 効 率 的 な
も の に な っ て い
る か 検 討 し て い
る。しかし,複数
の 部 門 に お け る
連 携 の 必 要 性 に
つ い て は 十 分 に
検討していない。

部門の重点課題,
目 標 及 び 方 策 が
他の方針,他部門
の 活 動 に 与 え る
影響の有無・大き
さ に つ い て 検 討
し て い る 。 し か
し,明らかとなっ
た 問 題 に 対 す る
具 体 的 な 対 応 策
を決めていない。

5

系 統 図 な ど を 用
いて,方針と部門
の重点課題,目標
及 び 方 策 と の 関
連,その寄与度を
明確にしている。 
部門の重点課題,
目 標 及 び 方 策 は
す べ て 方 針 の 達
成 に 有 効 な も の
になっている。

部門の重点課題,
目 標 及 び 方 策 は
方 針 を よ り 具 体
化 し た も の と な
っており,最下位
の 方 策 を 見 る と
具 体 的 な 実 現 手
段 が 示 さ れ て い
る。また,必要に
応 じ て 上 位 に お
け る プ ロ ジ ェ ク
ト 活 動 な ど が 計
画されている。

具体性があり,挑
戦 的 か つ 重 点 化
された重点課題,
目標,方策を部・
課 な ど の 部 門 ご
とに定めている。

上下,左右のすり
合 わ せ の 場 を 設
けている。上位者
は方針を説明し,
下 位 者 は 現 場 の
実状・意見を提案
す る 双 方 向 の 議
論 の 場 に な っ て
いる。また,上位
者 が リ ー ダ ー シ
ップを発揮して,
場をまとめ,部門
の重点課題,目標
及 び 方 策 を 連 携
の と れ た 形 に 決
定できている。

部門の重点課題,
目 標 及 び 方 策 が
達 成 さ れ た 場 合
に 方 針 が 達 成 さ
れるかどうか,ど
の 部 門 の 重 点 課
題,目標及び方策
の 寄 与 度 が 大 き
い か 検 討 し て い
る。また,複数の
部 門 に お け る 連
携 の 必 要 性 に つ
い て も 十 分 に 検
討している。

部門の重点課題,
目 標 及 び 方 策 が
他の方針,他部門
の 活 動 に 与 え る
影響の有無・大き
さ に つ い て 検 討
している。また,
明 ら か と な っ た
問 題 に 対 す る 具
体 的 な 対 応 策 を
決めている。


20

Q 9023

:2003

5.

実施計画  実施計画の実施状況に関する評価の枠組みの例を,次に示す。

附属書   4  実施計画の実施状況に関する評価の枠組み

レベル

評価項目

5.-1

最下位の方策について,具

体的な活動項目・日程など

を明確にした実施計画書が

作成されているか?

5.-2

各々の実施計画について,

責 任 ・ 権 限 を 定 め て い る

か?

5.-3

実施計画を実施するために

必要な人・費用・時間など

を検討しているか?

5.-4

実施計画の実施において,

必要に応じて他部門の協力

を得ているか?

1

最下位の方策について実施

計画書を作成していない。

各々の実施計画について,

責任・権限を定めていない。

実施計画を実施するために

必要な人・費用・時間につ

いて議論していない。

必要に応じて他部門の協力

を要請していない。

2

最下位の方策の一部につい

て実施計画書を作成してい

るが,様式などについては

担当者にまかされており,

内容のばらつきが大きい。

各々の実施計画について,

関連する部門を明らかにし

ているが,責任・権限は,

あいまい(曖昧)となって

いる部分が多い。

各々の実施計画を達成する

た め に ど の 程 度 の 人 ・ 費

用・時間が必要なのか十分

検討していない。

必要に応じて他部門の協力

を要請しているが,説得の

資料・データが不十分なた

め要請された部門の協力を

得ることができない。

3

最下位の方策について抜け

落ちなく実施計画書を作成

しているが,各々の計画書

の内容は,活動項目,日程

などが十分具体化されてい

ない。

各々の実施計画について,

関連する部門,その責任・

権限を定めている。しかし,

下位に展開している事項に

ついては,責任・権限があ

いまい(曖昧)となってい

る。

各々の実施計画を達成する

た め に ど の 程 度 の 人 ・ 費

用・時間が必要か検討して

いるが,利用可能な人・費

用・時間と対比し,問題を

顕在化させていない。

必要に応じて他部門の協力

を要請しており,要請され

た部門の納得も得られてい

る。しかし,要請された部

門では対応する活動がほと

んど実施されていない。

4

最下位の方策について抜け

落ちなく実施計画書を作成

しており,各々の計画書に

おいて活動項目,日程など

が具体化されている。しか

し,分析などによって対策

案を検討することが必要な

ものも一律に扱っている。

各々の実施計画について,

関連する部門,その責任・

権限を定めている。しかし,

計画どおりに進まなかった

場合などに必要な処置をと

る責任者は,あいまい(曖

昧)となっている。

各々の実施計画を達成する

た め に ど の 程 度 の 人 ・ 費

用・時間が必要か,利用可

能な人・費用・時間を対比

させ問題がないか検討して

いる。しかし,明らかとな

った問題に対する具体的な

対応策を決めていない。

必要に応じて他部門の協力

を要請しており,要請され

た部門では対応する活動が

実施されている。しかし,

人・費用・時間の制約があ

り,思うように進んでいな

い。

5

最下位の方策について抜け

落ちなく実施計画書を作成

しており,各々の計画書に

おいて活動項目,日程など

が具体化されている。また,

分析などによって対策案を

検討することが必要なもの

については,他と区別して

いる。

各々の実施計画について,

関連する部門,その責任・

権限を定めている。また,

計画どおりに進まなかった

場合などに必要な処置をと

る責任は,明確になってい

る。

各々の実施計画を達成する

た め に ど の 程 度 の 人 ・ 費

用・時間が必要か,利用可

能な人・費用・時間を対比

させ問題がないか検討して

いる。また,明らかとなっ

た問題に対する具体的な対

応策を決めている。

必要に応じて他部門の協力

を要請しており,要請され

た部門では対応する活動が

実施されている。また,必

要に応じて部門間にわたる

プロジェクト・チームを編

成するなど人・費用・時間

の 柔 軟 な 運 用 を 行 っ て い

る。


21

Q 9023

:2003

6.

管理項目  管理項目の設定状況に関する評価の枠組みを,次に示す。

附属書   5  管理項目の設定状況に関する評価の枠組み

レベル

評価項目

6.-1

各々の重点課題,目標,方策について,

管理項目を抜け落ち,重複なく設定し

ているか?

6.-2

各々の管理項目は,目標値,処置限界,

確認頻度を定めているか?

6.-3

結果系の管理項目と要因系の管理項

目とを,区別しているか?

1

各々の重点課題,目標,方策について,

管理項目を設定していない。

各々の管理項目について,目標値,処

置限界,確認頻度を定めていない。

結果系の管理項目と要因系の管理項

目とを区別していない。

2

一部の重点課題,目標,方策について,

管理項目を設定しているが,全体的に

は管理項目を設定していない方針が

多い。

各々の管理項目について,最終的な目

標値を定めているが,途中段階の目標

値は定めていない

結果系の管理項目と要因系の管理項

目とを区別しているが,片方の管理項

目しかない部門が多い。

3

一部の重点課題,目標,方策について,

管理項目を設定していない。

各々の管理項目について,最終的な目

標値及び途中段階の目標値を定めて

いるが,よすぎる場合を含めた処置限

界や確認頻度があいまい(曖昧)とな

っている。

結果系の管理項目と要因系の管理項

目とを区別しているが,片方の管理項

目しかない部門が一部ある。

4

各々の重点課題,目標,方策について,

抜け落ちなく管理項目を設定してい

る。しかし,方針と部門の重点課題,

目標及び方策との管理項目が重複し

ている場合がある。

各々の管理項目について,最終的な目

標値,途中段階の目標値,処置限界,

確認頻度を定めているが,これらと実

施 計 画 書 に 書 か れ て い る 方 策 の 内

容・実施時期とが対応していない。

結果系の管理項目と要因系の管理項

目とを区別しており,両方の管理項目

が設定されているが,両者のバランス

が悪く一方にかたよっている。

5

各々の重点課題,目標,方策について,

抜け落ちなく管理項目を設定してい

る。また,方針と部門の重点課題,目

標及び方策との管理項目の重複はな

い。

各々の管理項目について最終的な目

標値,途中段階での目標値,処置限界,

確認の頻度を決めている。また,実施

計 画 書 に 書 か れ て い な い 方 策 の 内

容・実施時期を考慮している。

結果系の管理項目と要因系の管理項

目とを区別しており,両方がバランス

よく設定されている。


22

Q 9023

:2003

7.

方針の実施状況の確認及び処置  方針の実施状況の確認及び処置に関する評価の枠組みの例を,次に

示す。

附属書   6  方針の実施状況の確認及び処置に関する評価の枠組み

レベル

評価項目

7.-1

どのように方針の実施状況

を確認し,必要な応急処置

を取っているか?

7.-2

実施段階で明らかとなった

問題を解決するために方針

の見直し・改定を行ってい

るか?

7.-3

トップマネジメントによる

診断において,どのように

必要な項目を確認している

か?

7.-4

トップマネジメントによる

診 断 を , ど の よ う に 効 果

的 ・ 効 率 的 に 行 っ て い る

か?

1

各々の方針の実施状況を確

認していない。

各々の方針の実施状況を確

認していない。

トップマネジメントによる

診断を行っていない。

トップマネジメントによる

診断を行っていない。

2

各々の方針の実施状況を確

認しているが,計画どおり

進んでおらず処置が必要な

ものを明確にしていない。

各々の方針の実施状況を確

認しているが,計画どおり

進んでいないものを方針の

悪さという点から分析して

いない。

方針の展開・実施状況,現

場の実態・課題,管理者の

能力など必要な項目を確認

する場となっておらず,単

なる報告会となっている。

診断員の選定,テーマの設

定,計画・日程の決定,資

料の準備などについて,よ

り多くの有効な指摘ができ

る よ う な 工 夫 を し て い な

い。

3

各々の方針の実施状況を確

認しており,計画どおり進

んでおらず処置が必要なも

のを明確にしている。しか

し,これらのフォローが十

分でなく,放置されている

ものが多い。

各々の方針の実施状況を確

認しており,計画どおり進

んでいないものを方針の悪

さという点から分析してい

るが,必要な方針の改定を

行っていない。

方針の展開・実施状況を確

認 し て い る が , 現 場 の 実

態・課題や管理者の能力に

ついては見ていない。

診断員の選定,テーマの設

定,計画・日程の決定,資

料の準備などについて,よ

り多くの有効な指摘ができ

る よ う な 工 夫 を し て い る

が,一部不十分な点がある。

4

各々の方針の実施状況を確

認しており,計画どおり進

んでおらず処置が必要なも

のを明確にしている。しか

し,これらのフォローが十

分でなく,放置されている

ものが一部ある。

各々の方針の実施状況を確

認しており,計画どおり進

んでいないものを方針の悪

さという点から分析し,必

要な改定を行っている。し

かし,関連する方針や他部

門の重点課題,目標及び方

策の,改定の必要性につい

ては考慮していない。

方針の展開・実施状況,現

場の実態・課題を確認して

いるが,管理者の能力につ

いては見ていない。

診断員の選定,テーマの設

定,計画・日程の決定,資

料の準備などについて,よ

り多くの有効な指摘ができ

るような工夫をしている。

しかし,診断において指摘

された事項のフォローが不

十分である。

5

各々の方針の実施状況を確

認しており,計画どおり進

んでいないものについて必

要 な 応 急 対 策 を 取 っ て い

る。

各々の方針の実施状況を確

認しており,計画どおり進

んでいないものを方針の悪

さという点から分析し,必

要な改定を行っている。ま

た,関連する方針や他部門

の重点課題,目標及び方策

の,改定の必要性について

も考慮している。

方針の展開・実施状況,現

場の実態・課題,管理者の

能力など必要な項目を確認

している。

診断員の選定,テーマの設

定,計画・日程の決定,資

料の準備などについて,よ

り多くの有効な指摘ができ

るような工夫をしている。

また,診断において指摘さ

れた事項のフォローも確実

に行っている。


23

Q 9023

:2003

8.

方針の実施状況のレビュー及び次期への反映  方針の実施状況のレビュー及び次期への反映に関する

評価の枠組みの例を,次に示す。

附属書   7  方針の実施状況のレビュー及び次期への反映に関する評価の枠組み

レベル

評価項目

8.-1

部門ごとの期末の反

省書において,目標の

達成状況,方策の実施

状況が明確となって

いるか?

8.-2

期末の反省において,

未達成・未実施の原因

が 追 究 さ れ て い る

か?

8.-3

複数の方針の実施状

況を総合的に分析・検

討しているか?

8.-4

方針の策定に当たり,

期末の反省の内容を

分析し,次期の計画に

反映しているか?

8.-5

期末の反省において,

方針によるマネジメン

トの仕組みの良さ・悪

さを分析・検討してい

るか?

1

部門ごとの期末の反

省書を作成していな

い。

未達成・未実施の方針

を明らかにしていな

い。

関連する複数の方針

の実施状況を総合的

に確認していない。

現在の反省の内容を

見直していない。

未達成・未実施の方針

を明らかにしていな

い。

2

部門ごとの期末の反

省書を作成している

が,到達した状況を数

値的・客観的に明らか

にしていないものが

多い。

未達成・未実施の方針

を明らかにしている

が,各々の原因につい

て分析していない。

会議などを設けて関

連する複数の方針の

実施状況を同時に確

認する場を設けてい

るが,単なる報告会と

なっている。

現在の反省の内容を

見直し,課題の取りま

とめを行っているが,

重要度付けが行われ

ておらず,単なる課題

の列挙にとどまって

いる。

未達成・未実施の方針

を明らかにしている

が,方針の策定,展開,

確認・アクションなど

の活動の悪さという

点から分析していな

い。

3

部門ごとの期末の反

省書を作成し,到達し

た状況を数値的・客観

的に明らかにしてい

るが,これらと期当初

の目標値・計画とを対

比し,問題を顕在化さ

せていない。

未達成・未実施の方針

を明らかにしており,

各々について考えら

れる原因を列挙して

いるが,データに基づ

く議論を行っていな

い。

会議などを設けて関

連する複数の方針の

実施状況を同時に確

認する場を設けてい

るが,個別の問題と対

策の議論に終始し,総

合的な視点からの分

析・判断を行えていな

い。

現在の反省の内容を

見直し,課題の列挙及

び重要度付けを行っ

ている。しかし,組織

としての反省に基づ

いて行われており,下

位の部門における反

省の内容を集約・活用

していない。

未達成・未実施の方針

を,方針の策定,展開,

確認・アクションなど

の活動の悪さという

点から分析している

が,分析手法の工夫が

不足しており,仕組み

を改善できていない。

4

部門ごとの期末の反省

書を作成し,到達した

状況を数値的・客観的

に明らかにしている。

また,これらと期当初

の目標値・計画とを対

比し,問題を顕在化さ

せている。しかし,競

合他社との比較など,

目標値や計画そのもの

の妥当性については評

価していない。

未達成・未実施の方針

を明らかにしており,

各々についての原因

を,データを用いて議

論している。しかし,

原因の掘下げや原因

の絞込みが弱い。

会議などを設けて関

連する複数の方針の

実施状況を同時に確

認する場を設けてお

り,総合的な視点から

の分析・判断を行って

いる。しかし,明らか

となった共通問題に

対する必要な対応策

を検討・実施できてい

ない。

現在における組織と

しての反省,各々の部

門における反省の内

容を整理・集約し,課

題の列挙及び重要度

付けを行っている。し

かし,絞り込んだ課題

についての対応策の

検討が不十分で,方針

の策定に反映させる

ことができていない。

未達成・未実施の方針

を,方針の策定,展開,

確認・アクションなど

の活動の悪さという

点から分析し,仕組み

の改善につなげてい

る。しかし,中長期経

営計画の策定や方針

の策定については分

析を行っていない。

5

部門ごとの期末の反

省書を作成し,到達し

た状況を数値的・客観

的に明らかにしてい

る。また,これらと期

当初の目標値・計画と

を対比し,問題を顕在

化させている。さら

に,競合他社との比較

など,目標値や計画そ

のものの妥当性につ

いても評価している。

未達成・未実施の方針

を明らかにしており,

各々についての原因

を,データを用いて議

論している。また,原

因の掘下げや原因の

絞込みも適切に行っ

ている。

会議などを設けて関

連する複数の方針の

実施状況を同時に確

認する場を設けてお

り,総合的な視点から

の分析・判断を行って

いる。また,明らかと

なった共通問題に対

する必要な対応策を

検討・実施している。

現在における組織と

しての反省,各々の部

門における反省の内

容を整理・集約し,課

題の列挙及び重要度

付けを行っている。ま

た,絞込んだ課題につ

いての対応策を検討

し,方針の策定に反映

している。

未達成・未実施の方針

を,方針の策定,展開,

確認・アクションなど

の活動の悪さという

点から分析し,仕組み

の改善につなげてい

る。また,中長期経営

計画の策定及び方針

の策定についても分

析している。


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:2003

 ○○期  ○○ 重点課題決定プロセス表

作成日    月   日

氏名

環境の分析による課題

当期の重点課題

中長期計画の当期実施事項

トップマネジメントによる期
末のレビュー

役職名

現状の反省による課題

方 針

期末反省による課題

附属書 2(参考)方針によるマネジメントのための様式例

この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

方針によるマネジメントを効果的かつ効率的に実施することを支援する様式の例を,次に示す。

1.

重点課題決定プロセス表  重点課題決定プロセス表の様式の例を,次に示す。

附属書   1  重点課題決定プロセス表の様式

次の見出し番号は,上の図中の番号に対応しており,その欄に関する記述例を示す。

①  様式名称,適用する期を明確にする。

②  適用する部門の責任者の役職名,氏名を明確にする。

③  作成日を明確にする。

④  トップマネジメントによる期末のレビューで指摘のあった事項を記述する。

⑤  自部門の課題の中で実績が目標未達で現在に持越してしまった課題を記述する。

⑥  方針の中で,自部門に関する項目を記述する。

⑦  中長期計画の中から当期に実施すべき事項を記述する。

⑧  外部環境を分析した機会及びリスク,又は自部門の能力分析及び競合者の能力との比較分析から自

部門の弱みによる課題を記述する。

⑨  ④項,⑤項の課題又は下位からの提案,他部門から依頼された事項の中で,重要な項目を記述する。

⑩  ⑥項,⑦項,⑧項及び⑨項の中から,類似したもの又は因果関係にあるものをグルーピングしてま

とめ,その中から重要な項目を当期の重点課題として選択し記述する。3∼5 項目に絞り込むとよい。


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Q 9023

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2.

重点課題・目標・方策書  重点課題・目標・方策書の様式の例を,次に示す。

附属書   2  重点課題・目標・方策書の様式

次の見出し番号は,上の図中の番号に対応しており,その欄に関する記述例を示す。

①  様式名称,適用する期を明確にする。

②  適用する部門の責任者の氏名,承認日を,明確にする。

③  作成者の役職,氏名を明確にする。

④  作成日を明確にする。

⑤  修正日を明確にする。

⑥  総ページ数を記述する。

⑦  課題番号

⑧  当期の重点課題を記述する。方針,部門の中長期計画,現在の課題,環境の変化によって新たに発

生した問題,下位からの提案,他部門から依頼された事項の中のどれに対応するか付記しておくと

よい。重点課題の文章は,

AA

対象)を BB(作用)する”と表現するとよい。

  重点課題に対する管理項目を設定し,その名称を記述する。管理項目の定義,計算式を付記してお

くとよい。

⑩  重点課題に対する到達点である目標を記述する。最終目標値を記述するほか,期の途中目標を設定

した場合は,途中段階での目標数値も記述するとよい。

⑪  方策番号

⑫  目標を達成するための方策を記述する。方策は,一つに限らず複数設けるとよい。方策の文章は,

XX

手段)によって,AA(対象)を BB(作用)する”と表現するとよい。

⑬  方策を実施する担当者名を記述する。

参考1.  組織によっては,重点課題・目標・方策書を方針書と呼ぶことがある。

2.

管理項目には,途中段階で重点課題の達成状況を見るためのものと方策の実施状況を見るた

めのものとがある。管理項目は,記述せず,管理項目一覧表として別にまとめてもよい。

ページ

重点課題

目 標

管理項目  目標値

方  策

担当

No.


No.

○○期  

  重点課題・目標・方策書  

  承認

氏名

月  日 印

作成日 1版   月   日

修正日

作成者役職

 版   月   日


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3.

実施計画書  実施計画書の様式の例を,次に示す。

附属書   3  実施計画書の様式

次の見出し番号は,上の図中の番号に対応しており,その欄に関する記述例を示す。

①  様式名称,適用する期,適用する部門を明確にする。

②  適用する部門の責任者の氏名,承認日を明確にする。

③  作成者の役職,氏名を明確にする。

④  作成日を明確にする。

⑤  修正日を明確にする。

⑥  総ページ数を記述する。

⑦  方策番号

⑧  上位者の重点課題・目標・方策書に示された方策を転記する。

⑨  上位者の重点課題・目標・方策書に示された管理項目を転記する。

⑩  上位者の重点課題・目標・方策書に示された管理項目の目標値と処置限界を,途中段階で達成状況

を見るために時間を追って設定する。

⑪  管理項目の実績を期の途中段階で確認する時期,周期を記述する。

⑫  実施事項の具体的活動の進ちょく(捗)

,管理項目の実績を期の途中段階で確認し,計画どおり進ま

なかった場合に必要な処置をとる責任者の氏名を記述する。

⑬  上位者の方策を,目標達成期限までの期間にどのような手順で進めるか,月単位などに区切り具体

的な活動項目を記述する。

⑭  実施事項の具体的活動を行う担当者名を記述する。

⑮  月単位などに実施事項の具体的活動項目ごとに,活動期間のスケジュールを記述する。活動する期

間の位置に棒線を引く。

⑯  実施事項の担当者の支援者を記述する。また,実施事項の具体的活動の進ちょく(捗)

,管理項目の

実績を記録し,確認するための表,グラフ等の資料の名称を記述する。

承認

氏名

月  日 印

作成日 1版   月  日

ページ

修正日

方 策

実施事項

管理項目

 チェック
 頻度

担当


No.

   ○○期    

     ○○部門 実施計画書

 版   月  日

実施日程(月)

責任者

支援体制

管理資料

目標値・
処置限界

作成者役職

7 8

5 6


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4.

実施状況確認表  実施状況確認表の様式の例を,次に示す。

附属書   4  実施状況確認表の様式

次の見出し番号は,上の図中の番号に対応しており,その欄に関する記述例を示す。

①  様式名称,適用する期,適用する部門を明確にする。

②  方策番号

③  責任者を明確にする

④  担当者を明確にする。

⑤  管理項目の実績を,時間をおって見るための管理グラフを記述する。目標値と処置限界は,あらか

じめ月単位などの途中段階ごとに設定する。

⑥  実施計画書に示した実施事項の月単位などの具体的活動項目を記述する。

  なお,実施の途中において,前月の反省と対策,上司コメントによって翌月以降の計画を修正す

る場合は追記する。

⑦  当月に実施した内容を記述する。

⑧  当月目標の達成状況(実績が処置限界内に入っているか)と実施状況(計画どおり実施されている

か)との関係について評価し記述する。実績が処置限界からの外れ,又は実施の遅れがある場合は,

その原因を究明し記述する。

⑨  ⑧項の原因に対する対策を検討し記述する。

⑩  上位者に当月の⑦項から⑨項について報告し評価を受け,今後の進め方の修正の有無など記述して

もらう。

参考  実施状況確認の時期は,実施計画書に記述されたチェック頻度に基づいて行う。

○○期  ○○部門 実施状況確認表

方策No.

責任者

担当

管理グラフ

目標:-○- 実績: -●-
処置限界:−・−

ステップ    

4月

5月

6月

7月

8月

9月

計  画

実施内容

解析・反省

対 策

上司コメント

(月)

4 5 6 7 8 9

      


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5.

期末反省書  期末反省書の様式の例を,次に示す。

附属書   5  期末反省書の様式

次の見出し番号は,上の図中の番号に対応しており,その欄に関する記述例を示す。

①  様式名称,適用する期,適用する部門を明確にする。

②  適用する部門の責任者の氏名,承認日を明確にする。

③  作成者の役職,氏名を明確にする。

④  作成日を明確にする。

⑤  課題番号

⑥  重点課題・目標・方策書の対応する重点課題を転記する。

⑦  重点課題・目標・方策書の対応する目標を転記する。

⑧  当期の重点課題に対する目標達成状況を評価し記述する。

⑨  当期の主な実施内容と具体的成果を記述する。目標達成状況と方策の実施状況との関係について差

異分析し,成功要因,失敗要因を見極めて記述する。また,具体的成果については,当期の活動を

通して改善又は新たに開発した業務の仕組み,固有技術などを記述する。

⑩  ⑨項の問題点を整理して記述する。

⑪  ⑩項の問題点の中で,次期への課題として取り上げるべき事項を記述する。

  承認

氏名

月 日 印

作成日

   月   日

ページ

  ○○期    

     ○○部門 期末反省書

課題No.

 重点課題

反省と残された問題点

次期への課題

主な実施内容と具体的成果(問題点の解析)

重点課題に対する目標値
実績推移(達成評価)

作成者役職

目標


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附属書 3(参考)方針によるマネジメントを支える活動

この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

1.

一般  組織において改善及び改革の対象となる課題には様々なものがある。例えば,売上高倍増,新

製品開発の成功,生産コスト 30%低減などが課題となる。しかし,これらは各々の部門及びプロジェクト

だけで解決できる場合は少ない。様々な部門及びプロジェクト・階層における活動が相互に密接に関連し

た形で推進できてはじめて大きな成果が得られる。したがって,トップマネジメントが組織の目標を明示

し,

その達成に向けて各部門及びプロジェクト・各階層の活動を有機的に結びつける仕組みが必要となる。

その仕組みを示すことがこの附属書の目的である。

2.

トップマネジメントの活動  トップマネジメントは,次の役割をもつ。

−  組織全体の活動を見直し,ブレークスルーすべき課題を見つけて,必要な人々及び体制を整える。

−  組織全体の視点で改善及び管理が適切に推進されているかどうかを見直し,管理者に必要な指示を出

す。

トップマネジメントは,役割を果たすために,次の事項を実施することが望ましい。

−  組織の最上位レベルによる議論の場を設定し,方針を検討する。

参考  この議論の場は,“役員研修”,“トップフォーラム”などと呼ばれることがある。

−  組織内の各職場に入り,仕事の実態を把握して意見を交わす。

参考  この活動は,トップマネジメントによる診断と呼ばれる。この診断は,トップマネジメントが

自らの組織の実態を把握し,適切な対策をとることができるだけでなく,診断を受ける部門及

び部門横断チームの責任者にとっては広い視野でものを見る管理能力の向上が図れる。また,

トップマネジメントと組織の人々とのコミュニケーションがよくなる効果も得られる。

3.

部門横断チームの活動  課題の中には,部門単独では達成できないものも少なくない。このような場

合には,既存の組織の部門及び階層にとらわれることなく,取り組む課題の内容に適した関連知識及び技

能をもつ人々を結集した,部門横断チームを編成して,組織的に取り組む必要がある。部門横断チームは,

必要な権限を与えられた責任者のリーダーシップのもとに,課題の達成に取り組むことが必要である。

そのような課題としては,次の例がある。

−  売上高を倍増する。

−  市場クレームを現行の 1/3 にする。

−  新製品開発を成功させる。

−  サプライチェーンマネジメント(SCM)を変革する。

−  製造原価を 30%低減する。

−  新規ラインを従来の半分の期間で立ち上げる。


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4.

部門の活動  方針を受けて,具体的に活動することは,部門の役割である。従来,日常的に行ってき

た活動の単なる延長では乗り越えられない短期的又は中長期的な課題については,部門は,組織的に取り

組む計画を立案し,現存するプロセスの変更又は改善を行うことが望ましい。そのために,組織内の現存

するプロセスの中で,人々によって行われる,たゆまぬ改善活動を指揮するとよい。

5.

小集団の活動  組織によっては,職制に基づく改善活動とは別に,小集団による活動が展開されてい

る。

参考  この小集団は,QC サークルと呼ばれることがある。

この小集団は,

“第一線の職場で働く人々による,製品又はプロセスの継続的改善を行う小グループ”で

あり,その活動の基本理念は,次の事項である。

a)

人間の能力を発揮し,無限の可能性を引き出す。

b)

人間性を尊重して,生きがいのある明るい職場を作る。

c)

企業の体質改善・発展に寄与する。

小集団の特徴は,次のような事項がある。

a)

活動を支える具体的な支援技法をもっている。

b)

小集団の編成及び運営に関する独自の方法がある。

c)

品質管理の考え方・手法の勉強を通して合理的なものの見方,科学的な手法・問題解決法を身につけ

る。

d)

実務について知識・経験をもった仲間が,十分な話合いを通してチームワークを醸成する。

e)

職場にある問題の解決を通して組織に貢献する。

f)

活動の場を通じて個人の成長を促す。


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附属書 4(参考)方針の戦略面,財務面を強化するための概念及び技法

この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

方針の戦略面,財務面を強化するための概念及び技法の例として,次の事項がある。

1.

シナリオプランニング(本体の 5.参照)  シナリオプランニングは,軍事,経営の分野で発展してき

た手法で,不確実性のある環境において,意思決定するための技法であり,その作成プロセス及び戦略立

案への応用を通して,変化に俊敏に対応できる組織を作る。すなわち,組織の意思決定の質を向上させ,

思考力を組織全体に拡げ,環境変化に俊敏に対応できるようにする。組織は,学習,すなわち環境変化又

は失敗から学ぶプロセスをもち,そのプロセスを経て,戦略が改善されていくという考え方を中心に,戦

略立案に役立てていく。

シナリオは,環境を構成する要素を,確定要素と不確定要素とに識別し,幾通りかの一貫したストーリ

ーとして作成する。組織がシナリオに描かれた変化に適応するためには,既成概念にとらわれない柔軟な

考え方が必要である。一方,組織としてのまとまりを保つために,ビジョンが共有化されている必要があ

る。また,シナリオには,

“分かりきったこと”と“ざん(斬)新なこと”とのバランスをとって織り込み,

“ざん(斬)新なこと”によって,組織の既成概念を打破する。

戦略立案に当たっては,組織自らの製品創造及び顧客への提供方法の特徴である“ビジネスモデル”を

シナリオに照らし合わせてみて,有効であれば,それを更にい(活)かすための戦略,有効性がはっきり

しない場合は,組織能力を見直す戦略を考慮することになる。

2.

SWOT

分析(本体の 5.参照)  SWOT 分析は,強み(Strength)

・弱み(Weakness)

・機会(Opportunity)・

脅威(Threat)に関して,組織,並びにその製品及びサービス,及びそのプロセスを,その組織の内部的

及び外部的環境の面から理解するための体系的な技法である。

SWOT

分析は,通常は中長期経営計画のような戦略策定プロセスの一部として,部門横断チームによっ

て実施される。このチームは,議論の主題に関連する組織上の強み及び弱みのすべてを網羅する。例えば,

改善が主題である場合,ベンチマーキングの段階で決定する顧客要求事項,競合者,又はベストプラクテ

ィスに関するプロセスの強み及び弱みのすべてを列挙する。次に,プロセスの達成に対するすべての脅威

の発見に努める。最後に,脅威を克服し,プロセスの強みを最大化し,プロセスの弱みを最小化すること

によって達成できる卓越性のすべての機会を発見するよう努める。

3.

バランストスコアカード(本体の 5.参照)  組織の中で働く人々の行動は,業績評価基準によって方

向付けられるので,方針として表明された戦略の実施に結びつくような業績評価基準が必要となる。

バランストスコアカードは,戦略を前提として,戦略の実施に必要な業績評価基準の集合を導くための

方法論(枠組み)である。バランストスコアカードは,

“組織の学習及び成長”

“業務プロセス”

“顧客”

“財務”の四つの視点から戦略の実施に必要な課題を考え,視点は異なるが互いに因果関係をもつ一群の

業績評価基準を導く仕組みをもつことが第一の特徴である。これらの四つの視点は,一つが組織の最終目

標(例えば,営利組織ならば財務的成果)であり,他の三つはそれを達成するために必要な手段として,


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互いに因果関係をもつものと考えられている。

また,四つの視点ごとに,戦略から出発して,戦略課題,成果指標,先行指標,施策という順序で業績

評価基準を具体化する仕組みをもつことが,第二の特徴である。それぞれの成果指標又は先行指標と施策

とを,PDCA サイクルを用いて管理することによって,戦略の実施プロセスが管理できると考えられてい

る。

このように,バランストスコアカードは,戦略を多面的に分析するとともに,抽象的な戦略課題から具

体的な業績評価基準(成果指標と先行指標)へと展開することによって,戦略を確実に実施するための管

理システムを構築する枠組みである。

4.

予算管理(本体の 6.4 参照)  設定された目標を達成し,重点課題を克服するためには,それに必要

な資源が適切に配分されねばならない。予算管理は,部門予算の編成過程で,部門間の調整を行いながら

資源配分の計画を立案するとともに,予算と実績との差異を分析することによって,資源が計画どおりに

使われたかどうかを検証する機能をもつ。

予算損益計算書を作成し,予算損益を検討することによって,計画された資源配分が効果的であったか,

財務上の問題を内包していないかを確かめることができる。最終的には,組織全体の損益が確保されるこ

とが重要であるが,組織全体の予算損益の検討だけでは包括的になりすぎるので,可能な限り細分化した

単位で事業部損益予算や部門損益予算を作成するとよい。

5.

活動基準原価計算(本体の 7.1.4 参照)  方針の展開によって設定された目標を達成するためにあまり

多額のコストをかけたのでは,組織が手にする財務的成果は小さなものにとどまる。目標の達成プロセス

とそれにかかるコストとを適切に管理し,財務的成果を確保することも大切である。

活動基準原価計算(又は活動基準原価管理とも呼ばれる。

)は,業務プロセスを“活動”という単位に細

分化し,その活動量と投入コストの関係を分析する手法である。活動とは,業務のアウトプットの量を一

つの物量尺度(又はその代理変数)で測定できる業務単位である。

“活動”という単位に費用を集計する会

計システムを構築することによって,活動のアウトプット量と投入コストを対比し,費用効率を管理する

ことが可能になる。

“活動”の費用効率の管理は,次の三つの形で行われる。

−  活動のアウトプットを評価し,アウトプットを引き下げても目標の達成や部門の業務の遂行に影響を

与えない活動は,アウトプット量を可能な限りゼロに近づけることによって費用を節約する。

−  必要なアウトプット量が与件として明確になっている活動については,そのアウトプット量を最小の

費用で供給するように努力する。

−  活動のアウトプット量が目標の達成度に密接な関係をもっている場合には,現在の費用水準(又は費

用対アウトプット率)を維持しながら,アウトプットの供給量を増加させるように努力する。


   

附属書 5(参考)方針によるマネジメントを補完する活動

この附属書(参考)は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

方針によるマネジメントを補完する活動の例として,次の事項がある。

1.

機能別管理(本体の 0.1 参照)  機能別管理は,組織を運営管理する上で基本となる要素(例えば,

品質,コスト,量・納期,安全,人材育成,環境など)について,各々の要素ごとに部門横断的なマネジ

メントシステムを構築し,当該要素に責任をもつ委員会などを設けることによって総合的に運営管理し,

組織全体で目的を達成していくことである。

品質,コスト,量・納期,安全,人材育成,環境などの要素ごとに組織としての目標を設定し,各部門

の業務に展開し,部門横断的な連携及び協力のもとで各部門の日常管理の中で目標達成のための活動を実

施する。

機能別管理の運営には多くの部門がかかわってくる。組織全体の活動の改善をその一構成部門が行うの

は一般に困難であり,部門を越えた委員会によって行うのがよい。これは本来トップマネジメントの職務

であるが,機能別委員会はこれを代行するものといえる。委員会の委員長は,その委員会が取り扱う問題

を直接担当していない経営者,場合によってはトップマネジメント自身が担当するのがよい。また,委員

会活動に必要な調査・原案作成を行うための事務局をおく。事務局は当該の問題に一番深くかかわってい

る部門が担当する場合が多い。規模の大きな組織では,要素ごとに委員会を設けている場合もあるが,小

規模の組織では,一つの委員会内で内容を分けて運営していることもある。当該要素に関する組織のマネ

ジメントシステムを最も効果的,かつ,効率的に運営管理するためのシステムづくりが重要である。

2.

日常管理(本体の 0.1 参照)  日常管理(又は部門別管理)は,方針によるマネジメントでカバーで

きない通常の業務について,各々の部門が各々の役割を確実に果たすことができるようにするための活動

である。

マネジメントシステムの運営管理は従来から実施していることの継続が大部分であり,日常管理の基本

は,各々の部門が標準類を遵守して現状を維持していくことである。方針によるマネジメントのような明

確な形での部門間調整は不要であり,各々の部門がその職務を明確にした上でそのパフォーマンスを測る

ための管理項目及び管理水準を設定し,検出した異常について確実な原因追究及び対策を実施することが

基本的な進め方である。

日常管理の実施に当たっては,他部門にどのようなもの,サービス,又は情報を提供しているかという

視点から職務分掌を見直すこと,各々の部門の職務・実力に応じた管理項目・管理水準を定めること,異

常が発見された場合の原因追究・処置の手続き及び役割分担を決めておくことが重要である。

管理項目や管理水準については管理項目一覧表として整理し,

組織内部で公のものとしておくのがよい。

また,異常の原因は複数の部門にまたがる場合が多いので,発生した異常を一件一葉の異常報告書にまと

め,関連すると思われる部門に送付するなど,他部門の協力を得るための工夫が必要である。さらに,1

件 1 件の異常報告書については,応急対策,原因追究,再発防止対策,効果確認などのステップに分けて

その進ちょく(捗)をフォローするのが望ましい。異常の件数が多い場合には,その影響の大きさによっ


てランク分けを行い,それぞれのランクに応じた取扱いをするのがよい。

附属書   1  管理項目一覧表の様式の例

管理項目

職務

特性

単位

担当者

管理頻度

管理水準

管理資料

附属書   2  異常報告書の様式の例

製品名

工程名

管理項目

発見日時

年  月  日

現象

発見者

いつ

年  月  日

1

誰が

いつ

年  月  日

原因調査

2

誰が

いつ

年  月  日

応急対策

誰が

いつ

年  月  日

再発防止

対策

誰が

いつ

年  月  日

効果確認

誰が