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Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 2 

2 引用規格 2 

3 用語及び定義 2 

4 組織の状況 3 

4.1 組織及びその状況の理解  3 

4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解  3 

4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定  5 

4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス  6 

5 リーダーシップ 8 

5.1 リーダーシップ及びコミットメント  8 

5.2 方針  9 

5.3 組織の役割,責任及び権限  10 

6 計画 11 

6.1 リスク及び機会への取組み  11 

6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定  13 

6.3 変更の計画  14 

7 支援 15 

7.1 資源  15 

7.2 力量  19 

7.3 認識  20 

7.4 コミュニケーション  20 

7.5 文書化した情報  21 

8 運用 23 

8.1 運用の計画及び管理  23 

8.2 製品及びサービスに関する要求事項  23 

8.3 製品及びサービスの設計・開発  25 

8.4 外部から提供されるプロセス,製品及びサービスの管理  30 

8.5 製造及びサービス提供  32 

8.6 製品及びサービスのリリース  36 

8.7 不適合なアウトプットの管理  36 

9 パフォーマンス評価 38 

9.1 監視,測定,分析及び評価  38 

9.2 内部監査  39 

9.3 マネジメントレビュー  41 


 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

(2) 

ページ 

10 改善  43 

10.1 一般  43 

10.2 不適合及び是正処置  43 

10.3 継続的改善  44 

参考文献  46 

 

 


 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

(3) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工

業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済

産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

  

日本工業規格          JIS 

 

Q 9002:2018 

 

(ISO/TS 9002:2016) 

品質マネジメントシステム− 

JIS Q 9001の適用に関する指針 

Quality management systems- 

Guidelines for the application of JIS Q 9001 

 

序文 

この規格は,2016年に第1版として発行されたISO/TS 9002を基に,技術的な内容及び構成を変更する

ことなく作成した日本工業規格であり,JIS Q 9001:2015の品質マネジメントシステムの要求事項の適用に

関して利用者を支援するために作成した。 

この規格は,JIS Q 9001:2015についての手引を,箇条4〜箇条10に箇条ごとに関連付けながら提示して

いる。ただし,JIS Q 9001:2015の附属書A及び附属書Bについての手引は示していない。JIS Q 9001:2015

の各箇条において列挙した項目(箇条書きした項目)と提示した手引との間に直接的な関連が存在する場

合は,この規格の箇条の中で示す。 

この規格では,組織が実施可能なことの例を挙げているが,JIS Q 9001に新たな要求事項を追加するわ

けではない。この規格に挙げた例は確定的なものではなく,単に可能性を示すものであり,必ずしも全て

の例がどの組織にも適するとは限らない。 

JIS Q 9001は,客観的に監査又は評価できる要求事項を含んでいる。この規格は,品質マネジメントシ

ステムの実施,及び品質マネジメントシステムと組織の全体的なマネジメントシステムとの関係の強化と

の両面で参考になる例,説明及び選択肢を含んでいる。この規格の指針は,JIS Q 9001の品質マネジメン

トシステムのモデルに沿っているが,JIS Q 9001の要求事項の解釈を与えること,又は監査若しくは評価

の目的のために使用されることを意図していない。 

この規格は,JIS Q 9001の要求事項が一般的なものであるのと同様,あらゆる業種・形態,規模,成熟

度の組織,あらゆるセクターに属する組織,及びあらゆる地理的場所にある組織が使用できる。しかし,

組織がこの手引をどのように適用するかは,組織の規模又は複雑さ,組織が適用するマネジメントモデル,

組織の活動の範囲,組織が遭遇するリスク及び機会の性質などの要因によって異なることがあり得る。 

リスクとは,品質マネジメントシステムに内在する不確かさのレベルである。リスクはあらゆるシステ

ム,プロセス及び機能に存在する。リスクに基づく考え方は,品質マネジメントシステムの設計及び使用

全体を通じて,これらのリスクが決定され,考慮され,管理されることを確実にする。 

JIS Q 9001の2008年版では,提供しようとする製品の影響に基づいて外部提供者に対する管理の方式及

び程度を決定する要求事項,明確化された不適合の潜在的影響に基づいて是正処置をとる要求事項などに,

リスクに基づく考え方が含まれていた。 

また,JIS Q 9001の2008年版には予防処置に関する箇条が含まれていた。リスクに基づく考え方を用い

ることで,リスクの検討がより完全となる。リスクの早期の特定及び処置を通じて望ましくない影響を防

止又は低減するという点で,後手に回るのではなく先手を打つことになる。リスクに基づくことで,マネ


Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

ジメントシステムは予防処置が組み込まれたものになる。 

組織の品質目標の達成能力という点で,品質マネジメントシステムの全てのプロセスが同じレベルのリ

スクを示すわけではない。中には他のプロセスより慎重で厳密な計画及び管理を要するプロセスもある。 

JIS Q 9001には,リスク及び機会の決定及び取組みに厳密なリスクマネジメントを用いるという要求事

項はない。組織は,そのニーズに合った方法を選択することができる。JIS Q 31010には,組織の状況に応

じて考慮することができるリスク評価ツール及び技法の一覧が掲載されている。 

場合によっては,顧客要求事項又は法令・規制要求事項が要求する厳密なリスクマネジメントプロセス

を組織が実施していることもあり得る。このような場合,組織は,リスク及び機会に関するJIS Q 9001の

要求事項の意図を満たすように,厳密なリスクマネジメントプロセスを適応させることができる。 

ISOは,JIS Q 9001:2015の附属書Bに記載したISO規格の他にも,次の文献を含め,利用者を支援し,

追加的な実施方法に関する情報を提供し得る品質マネジメント規格及び参考情報源を多数発行している。 

− ISOハンドブック:ISO 9001:2015 for Small Enterprises−What to do ?(中小企業のためのISO 9001:2015

−何をなすべきか ISO/TC 176からの助言) 

− ISO 9001監査実務グループ(APG)文書:https://www.iso.org/tc176/ISO9001AuditingPracticesGroup 

− ISO/TC 176/SC2ウェブサイト上の公開情報:https://committee.iso.org/tc176sc2 

− ISOハンドブック:The Integrated Use of Management System Standards(ISOがすすめるマネジメント

システム規格の統合的な利用)。 

その他の規格及び文書は,参考文献に列挙している。 

 

適用範囲 

この規格は,要求事項を満たすために組織がとることのできる手段の例を示すことで,JIS Q 9001:2015

の要求事項の意図についての手引を提供する。この規格は,これらの要求事項の追加,削除又はいかなる

形の変更をも行うものではない。 

この規格は,実施のための必須アプローチを規定するものでも,望ましい解釈方法を示すものでもない。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO/TS 9002:2016,Quality management systems−Guidelines for the application of ISO 9001:2015

(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)は適用しない。 

JIS Q 9000:2015 品質マネジメントシステム−基本及び用語 

注記 対応国際規格:ISO 9000:2015,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary 

JIS Q 9001:2015 品質マネジメントシステム−要求事項 

注記 対応国際規格:ISO 9001:2015,Quality management systems−Requirements 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Q 9000:2015による。 


Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

ISO及びIECは,次のURLにおいて,標準化に用いる用語データベースを維持する。 

− ISOオンライン・ブラウジング・プラットフォーム:http://www.iso.org/obp 

− IEC Electropedia:http://www.electropedia.org/ 

 

組織の状況 

4.1 

組織及びその状況の理解 

この細分箇条の意図は,組織の目的及び戦略的方向性に関係し,品質マネジメントシステムの意図した

結果を達成する組織の能力に対して好ましい影響又は好ましくない影響を及ぼし得る外部及び内部の課題

を理解することである。組織は,外部及び内部の課題が変化し得ること,このためこれらの課題を監視し,

レビューすべきことを認識することが望ましい。組織は,計画的な間隔で,マネジメントレビューなどの

活動を通じて,組織の状況のレビューを行ってもよいかもしれない。 

外部及び内部の課題に関する情報は,内部の文書化した情報及び会議,国内及び海外の報道,ウェブサ

イト,国家統計局及びその他の政府省庁の発行物,専門的及び技術的な出版物,関係する機関との会議及

び会合,顧客及び密接に関連する利害関係者との会議,職能団体など,多くの情報源で見つけることがで

きる。 

組織の状況に関連する外部及び内部の課題の例には,次の事項が含まれ得る。ただし,これらに限定さ

れるものではない。 

a) 次の事項に関する外部の課題 

1) 為替レート,経済情勢,インフレ予測,借入能力(credit availability)などの経済的な要因 

2) 現地の失業率,安全に対する受止め方,教育水準,国民の祝日及び就業日などの社会的な要因 

3) 政治的安定,公共投資,現地のインフラストラクチャ,国際貿易協定などの政治的な要因 

4) 新しい分野の技術,素材及び機器,特許期限切れ,職業倫理規範などの技術的な要因 

5) 組織の市場シェアを含む競争,類似の製品又はサービス,マーケットリーダーの動向,顧客の成長

動向,市場の安定性,サプライチェーンとの関係性などの市場要因 

6) 労働組合規則,業界に関係する規則などの,作業環境(JIS Q 9001:2015の7.1.4参照)に影響を及

ぼす法令及び規制上の要因 

b) 次の事項に関する内部の課題 

1) 組織の全体的なパフォーマンス 

2) インフラストラクチャ(JIS Q 9001:2015の7.1.3参照),プロセスの運用に関する環境(JIS Q 

9001:2015の7.1.4参照),組織の知識(JIS Q 9001:2015の7.1.6参照)などの資源に関わる要因 

3) 人々の力量,組織の行動及び文化,組合との関係などの人的側面 

4) 工程能力,又は製造及びサービス提供能力,品質マネジメントシステムのパフォーマンス,監視し

ている顧客満足などの業務運用上の要因 

5) 意思決定に関する規則及び手順,組織構造など組織のガバナンスに関する要因 

戦略的なレベルでは,強み・弱み・機会・脅威分析(SWOT),政治動向・経済動向・社会動向・技術動

向・規制動向・環境動向分析(PESTLE)などのツールを用いることができる。組織の規模及び業務の複

雑さによっては,ブレインストーミング,“〜したらどうなるか”の問いかけなどの単純なアプローチが組

織にとって有益ということもあり得る。 

4.2 

利害関係者のニーズ及び期待の理解 

この細分箇条の意図は,組織が,直接的な顧客だけにとどまらず,密接に関連する利害関係者の,関連


Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

する要求事項を考慮することを確実にすることである。意図するところは,要求事項を満たす製品及びサ

ービスを提供する組織の能力に影響を及ぼし得る,密接に関連する利害関係者だけに焦点を当てることで

ある。JIS Q 9001に直接的に記載されているわけではないが,組織は,密接に関連する利害関係者を明確

にする前に,また明確にすることを支援するために,外部及び内部の課題(JIS Q 9001:2015の4.1参照)

を考慮することもできる。 

密接に関連する利害関係者のリストは,その組織に固有のものであり得る。組織は,密接に関連する利

害関係者がもつ次の条件を考慮することで,密接に関連する利害関係者を明確にするための基準を開発す

ることができる。 

a) 組織のパフォーマンス又は決定に対して与え得る影響 

b) リスク及び機会を創出する能力 

c) 市場に与え得る影響 

d) 決定又は活動を通じて組織に影響を与える能力 

例1 密接に関連すると組織がみなすことができる,利害関係者の例には,次の者が含まれるが,

これらの者に限定されるものではない。 

− 顧客 

− エンドユーザ又は受益者 

− 合弁事業のパートナ 

− フランチャイザー 

− 知的財産の所有者 

− 親組織及び子組織 

− 所有者,株主 

− 銀行 

− 組合 

− 外部提供者 

− 従業員,及び組織のために労働するその他の者 

− 法的機関及び規制機関(地方,地域,国又は国際) 

− 事業者団体及び職能団体 

− 地域団体 

− 非政府組織 

− 近隣住民組織 

− 競合組織 

密接に関連する利害関係者のニーズ及び期待を理解するために,幾つかの活動及び方法を行うことがで

きる。それらには,当該プロセスに責任をもつ人々と一緒に仕事を行うこと,又は当該情報を収集できる

方法を活用することが含まれる。これらの方法には次の事項が含まれるが,これらに限定されるものでは

ない。 

− 受け取った注文のレビュー 

− コンプライアンス部門又は法務部も加わった法令・規制要求事項のレビュー 

− ロビー活動及び人脈を作る活動 

− 関連する協会への参加 

− ベンチマーキング 


Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

− 市場調査 

− サプライチェーンとの関係性のレビュー 

− 顧客又はユーザサーベイの実施 

− 顧客のニーズ,期待及び満足度の監視 

例2 密接に関連する利害関係者の要求事項の例には次の事項が含まれるが,これらに限定されるも

のではない。 

− 適合,価格,利用可能性又は納期に関する顧客要求事項 

− 顧客又は外部提供者との間で交わされた契約 

− 業界の規約及び標準 

− 地域団体又は非政府組織との合意 

− 提供する製品又はサービスに関する法令・規制要求事項,及び組織がその製品又はサービ

スを提供する能力に対して影響を与える法令・規制要求事項 

− 覚書 

− 認可,免許又はその他の形態の許可 

− 規制機関が発する命令 

− 条約,協定及び議定書 

− 公的機関及び顧客との合意 

− 任意の原則又は規範(codes of practice) 

− 任意のラベリング又は環境コミットメント 

− 組織との契約上の取決めに基づいて生じた義務 

− 従業員に関する方針 

品質マネジメントシステムの計画(JIS Q 9001:2015の箇条6参照)において,これらの活動によって得

られた情報を考慮することが望ましい。 

組織は,密接に関連する利害関係者及びその関連する要求事項が提供する製品及びサービスによって異

なり得ること,並びに予期せぬ状況又は市場への意図的反応によって変化し得ることを認識するのが望ま

しい。 

組織は,利害関係者の関連する要求事項の監視及びレビューを行うための頑健なシステムをもつことが

望ましい。監視及びレビューは,顧客要求事項,製品及びサービスの設計・開発に関係する組織のプロセ

スを用いて,並びに(より戦略的なレベルでは)マネジメントレビューにおいて,実施することができる。 

4.3 

品質マネジメントシステムの適用範囲の決定 

この細分箇条の意図は,組織が要求事項を満たし,品質マネジメントシステムが意図した結果を達成す

るのに役立つ形で定められるように,システムの境界を決定することである。 

JIS Q 9001:2015の4.3のa)〜c)に関しては,次の事項に基づいて適用範囲を定めることが望ましい。 

a) JIS Q 9001:2015の4.1の要求事項に基づいて明確にした外部及び内部の課題 

b) JIS Q 9001:2015の4.2の要求事項に沿って明確にした,密接に関連する利害関係者(規制当局,顧客

など)の関連する要求事項 

c) 組織が提供する製品及びサービス 

組織は,適用範囲を決定するときに,次の事項を考慮することで,品質マネジメントシステムの境界も

同時に確立することが望ましい。 

− 組織のインフラストラクチャ 


Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

− 組織の様々な事業所及び活動 

− 事業の方針及び戦略 

− 自前の,又は外部から提供される機能,活動,プロセス,製品及びサービス 

JIS Q 9001の全ての要求事項は,要求事項を満たす製品若しくはサービスを提供する組織の能力,又は

顧客満足の向上に影響を及ぼさないということでない限り,適用可能と考える。 

組織は,JIS Q 9001の要求事項の適用を決定するに当たって,ある箇条全体が適用不可能であることを

単に決定するだけでなく,個々の要求事項を考慮することが望ましい。ある箇条の要求事項の一部が適用

可能である場合,又はある箇条の要求事項が全て適用可能若しくは適用不可能である場合もある。 

品質マネジメントシステムの適用範囲は,文書化した情報として維持することが望ましい。適用範囲に

は,対象とする製品及びサービスの詳細を含めることが望ましい。また,適用不可能と決定した要求事項

についてはその正当性を含めることが望ましい。この文書化した情報は,マニュアル,ウェブサイトなど,

組織がそのニーズを満たすように決めたどのような方法でも維持することができる。 

4.4 

品質マネジメントシステム及びそのプロセス 

4.4.1 

この細分箇条の意図は,組織がJIS Q 9001に基づいて品質マネジメントシステムに必要なプロセ

スを決定することを確実にすることである。これには,生産及びサービス提供のプロセスだけでなく,内

部監査,マネジメントレビューなど,システムの効果的な実施のために必要なプロセスも含まれる(外部

提供者が実行するプロセスを含む。)。例えば,組織が監視及び測定のための資源に関するプロセスの必要

性を決定した場合,そのプロセスはJIS Q 9001:2015の7.1.5の要求事項に適合する必要がある。プロセス

をどの程度まで決定し,詳細化する必要があるかは,組織の状況,及びリスクに基づく考え方の適用によ

って異なり得る(プロセスが,意図した結果を達成する組織の能力にどの程度影響を与えるか,そのプロ

セスで問題が発生する可能性及びそれらの問題の考えられる結果を考慮する。)。 

プロセスとは,インプットを使用して意図した結果を生み出す,相互に関連する又は相互に作用する一

連の活動である。JIS Q 9001:2015の4.4.1のa)〜h)に関しては,次のとおりである。 

a) 組織は,プロセスに必要なインプット及びプロセスから期待されるアウトプットを明確にすることが

望ましい。プロセスに必要なインプットは,計画どおりにプロセスを実施するために何が必要かとい

う観点から検討することが望ましい。期待されるアウトプットは,顧客又は以降のプロセスのいずれ

かから何が期待されているかという観点で検討することが望ましい。インプット及びアウトプットは,

有形の場合(材料,部品,設備など)と無形の場合(データ,情報,知識など)とがあり得る。 

b) これらのプロセスの順序及び相互作用を明確にするときには,前後のプロセスのインプット及びアウ

トプットとのつながりを考慮することが望ましい。プロセスの順序及び相互作用の詳細を定める方法

は,組織の性質によって異なる。文書化した情報(例えば,プロセスマップ,フローチャート)の保

持又は維持,プロセスの順序及び相互作用についての口頭での説明のような単純な方法など,様々な

方法を用いることができる。 

c) 組織は,プロセスが有効である(すなわち,計画した結果を実現する)ことを確実にするために,プ

ロセス管理の基準及び方法を決定し,適用することが望ましい。監視及び測定の基準には,プロセス

パラメータ,又は製品及びサービスの仕様書があり得る。パフォーマンス指標は,監視及び測定と関

連付けることが望ましいが,組織の品質目標(基準)と関連付けることもできる。パフォーマンス指

標のためのその他の方法には,報告書,図表又はその他の監査結果が含まれるが,これらに限定され

るものではない。 

d) 組織は,人々,インフラストラクチャ,プロセスの運用に必要な環境,組織の知識,監視及び測定の


Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

ための資源など,プロセスに必要な資源を明確にすることが望ましい(JIS Q 9001:2015の7.1参照)。

資源の利用可能性の検討には,既存の内部資源,並びに外部提供者から入手可能な資源の実現能力及

び制約を含めることが望ましい。 

e) 組織は,まずプロセスの活動を決定し,次に活動を実行する者を決定することで,プロセスの責任及

び権限を割り当てることが望ましい。責任及び権限は,組織図,手順書,業務方針,職務記述書など

の文書化した情報において,又は口頭での指示という単純な方法を用いて確立することができる。 

f) 

組織は,プロセスに付随するリスク及び機会への取組みのために必要なあらゆる処置が実施されるこ

とを確実にするのが望ましい(JIS Q 9001:2015の6.1参照)。 

g) 組織は,監視及び測定のために確立された基準のレビューを通じて入手したパフォーマンスデータを

考慮し,このデータを分析・評価し,これらのプロセスが意図した結果を一貫して達成することを確

実にするために必要な変更を実施することが望ましい。 

h) 組織は,分析及び評価の結果を用いて改善のための必要な処置を決定することができる。改善は,(例

えば,活動を実行する方法のばらつきを減らすことによって)プロセスレベルで行うこと,又は(例

えば,システムに関連する事務作業を減らし,担当者がプロセスのマネジメントに集中できるように

することによって)品質マネジメントシステムレベルで行うことができる。 

4.4.2 

この細分箇条の意図は,組織が,どの程度文書化した情報が必要かを決定することを確実にするこ

とである。 

文書化した情報とは,組織が管理・維持しなければならない情報,及びその情報が含まれる媒体である。 

プロセスが意図したアウトプットを一貫して実現するためにどの情報を使用するかを,適切な人々(例

えば,プロセスのオーナー,プロセスアウトプットのオーナー,プロセス管理者)がレビューすることが

望ましい。使用する情報[例えば,手順書,作業指示書,視覚資料,情報及び通信システム,図,仕様書,

メトリクス,報告書,主要パフォーマンス指標(KPI),会議の議事録,代表サンプル,口頭での会話]に

関して,プロセスを支援するための価値を分析・レビューする必要がある。その結果が,どの情報を文書

化した情報として扱うかに関する決定となる。例えば,トップマネジメントが戦略的計画を立案する場合

には,政府機関及びその他の関連団体が作成した,組織が属する産業分野の現状及び将来的な状況に関す

る報告書などの関連する情報をインターネット上で調べ,レビューすることができる。この情報は,一般

に入手できるものであるから文書化した情報とみなさないほうがよい。これに対し,関連する要素(例え

ば,組織の使命,ビジョン,価値観,プロセスマップ)の中で特に品質目標,リスク及び機会,戦略を含

む事業計画は,文書化した情報とみなす必要がある。 

組織のプロセスの運用及び組織の品質マネジメントシステムを助けるために必要な,各種の文書化した

情報を規定することは,組織の判断に委ねられる。組織は,必要な文書化した情報の種類及び程度を決定

するに当たって,組織自体のニーズを評価し,リスクに基づく考え方を適用することが望ましい。また,

潜在的な不適合の結果同様,組織の規模,活動,製品又はサービスの種類,プロセスの複雑さ,資源など

も考慮することが望ましい。 

JIS Q 9001は,多数の要求事項において文書化した情報の使用を規定しているが,組織が,プロセスの

運用を管理するために,追加的な文書化した情報(例えば,文書化した手順,ウェブサイト,作業指示書,

マニュアル,規則,基準,様式,ガイド,コンピュータソフトウェア,電話“アプリ”など)をもつ必要

があることはあり得る。 

組織の文書化した情報の中には,最新の状態を維持するために定期的にレビューを行い,改訂する必要

があるものもある。JIS Q 9001は,この種の文書化した情報に言及するとき,“文書化した情報を維持する”


Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

という表現を用いている。 

他の文書化した情報は,適合性を実証し,プロセスが計画どおり実行されていると確信するために,又

は要求事項が満たされているか否かを実証するために,(修正が承認された場合を除き)変更せずに保持す

る必要がある(この種の文書化した情報は,しばしば“記録”と呼ばれる。)。JIS Q 9001は,この種の文

書化した情報に言及する際,“文書化した情報を保持する”という表現を用いている。この種の文書化した

情報は,文書化した情報の保持に関して,顧客要求事項,法令・規制要求事項又は組織自体の要求事項に

しばしば関連している。 

 

リーダーシップ 

5.1 

リーダーシップ及びコミットメント 

5.1.1 

一般 

この細分箇条の意図は,トップマネジメントが,品質マネジメントシステムへの積極的参加,品質マネ

ジメントシステムの促進,並びに品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性の確保,伝達及

び監視において能動的な役割を果たすことで,リーダーシップ及びコミットメントを実証することを確実

にすることである。リーダーシップ及びコミットメントを実証する方法は,組織の規模及び複雑さ,マネ

ジメントのスタイル,組織の文化などの様々な要因に基づく。 

組織の“トップマネジメント”には,例えば,最高経営責任者,取締役社長,総支配人,会長,取締役

会,執行役員,業務執行社員,単独オーナー,パートナ,上級経営幹部及び上級管理者を含めてもよい。

トップマネジメントは,組織内で,権限を委譲し,資源を提供する力をもっている。マネジメントシステ

ムの適用範囲が組織の一部だけの場合,トップマネジメントとは,組織内のその一部を指揮し,管理する

人をいう。 

各組織は,それぞれ異なるニーズ,及びトップマネジメントが決定する独自の解決策をもつ。トップマ

ネジメントにとっては,組織の品質マネジメントシステムのプロセスと業務のプロセスとの統合を確実に

することが重要である。 

JIS Q 9001:2015の5.1.1のa)〜j)に関しては,トップマネジメントが次の事項を行うことが含まれる。 

a) 品質マネジメントシステムに関する活動の責任を負い,達成された結果について説明できるようにす

ることで,品質マネジメントシステムの有効性を理解し,品質マネジメントシステムの有効性に対し

て説明責任を負うことを明確にする。一部の権限及び責任(JIS Q 9001:2015の5.3参照)は委譲でき

るが,それでもなお説明責任(accountability)はトップマネジメントにある。 

b) 組織の戦略的方向性及び状況を考慮しながら,品質方針(JIS Q 9001:2015の5.2参照)及び品質目標

(JIS Q 9001:2015の6.2参照)の確立を確実にする。戦略的計画の立案又はマネジメントレビューを

目的とする場合など,トップマネジメントの日常の会議中に品質方針及び品質目標の確立又はレビュ

ーを行ってもよいかもしれない。 

c) 組織の品質マネジメントシステムのプロセスを“付け足しの”又は対立する活動として取り扱うので

はなく,全体的な事業プロセスの中で統合し,マネジメントすることを確実にする。 

d) 例えば,インプット及びアウトプットの有効な流れ,並びにリスク及び機会への取組みにおける協力

を達成するために設計した体系的アプローチをもって,プロセス間の有効な相互関係を確実にするこ

とで,プロセスアプローチ及びリスクに基づく考え方を促進する。 

e) 十分な品質マネジメントシステム資源(例えば,人々,道具,設備など)が,必要な時に必要な場所

で提供されることを確実にするために,現在及び予想される作業負荷及び日程表を監視する。 


Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

f) 

内部の会議,電子メール,個人的な話し合い,組織のイントラネットなどを介して,品質マネジメン

トシステム及びその要求事項の遵守の価値及び便益を伝達する。 

g) 組織のアウトプットの監視によって,品質マネジメントシステムが意図した結果を達成することを確

実にする。ときには,システム又はシステムを構成するプロセスの是正又は改善のための処置が必要

となる可能性がある。トップマネジメントは,必要とされる処置を適正に割り当て,資源を確保する

ことを確実にすることが望ましい。 

h) 組織内の人々とコミュニケーションをとることで,それらの人々が品質マネジメントシステムの有効

性に寄与するように積極的に参加させ,指揮し,支援する(JIS Q 9001:2015の7.4参照)。これには,

改善が必要な場合に,トップマネジメントがプロジェクトの推進者となり,従業員及びその他の者が

改善チームのメンバーとして参加するように奨励することも含まれ得る。 

i) 

監査,その他の評価及びマネジメントレビュー(JIS Q 9001:2015の9.3参照)からの情報及び勧告が

責任者に伝達されることを確実にするとともに,改善を促進する(これは,改善の価値及び便益の実

証にも役立ち得る。)。 

j) 

他の関連する管理職に就いている人々が,それぞれ影響力をもつ独自の分野でリーダーシップを実証

できるように,支援及び手引を提供する。これには,組織が要求事項によりしっかりと適合するよう

に,又は必要に応じて改善を推進できるように後押しする明確な決定をこれらの人々が下す上での指

導及び支援を与えることも含まれ得る。 

効果的なリーダーシップ及びコミットメントは,品質マネジメントシステムへの貢献のあり方を,組織

内の人々により深く理解させることにつながる。それは,組織が意図した結果を一貫して達成するために

役立ち得る。 

5.1.2 

顧客重視 

この細分箇条の意図は,トップマネジメントが,組織が顧客要求事項の充足及び顧客満足の向上を重視

し続けることに関してリーダーシップ及びコミットメントを,目に見える形で実証することを確実にする

ことである。 

顧客は,一般に,組織の製品及びサービスを購買する人々又は組織だが,組織の製品及びサービスの受

け手である市民,顧客,患者,学生などの個人又は組織を意味することもあり得る。 

トップマネジメントは,組織の製品及びサービスに関係する顧客要求事項及び法令・規制要求事項を明

確にするための有効なプロセスが整えられること,並びにこれらの要求事項が理解されることを確実にす

る必要がある。多くの場合,納期遵守のパフォーマンス及び顧客の苦情に重点を置くことで,顧客満足を

達成又は改善するために必要と思われる処置についての情報が得られる可能性がある。 

トップマネジメントは,期待した結果が一貫して達成されるように,リスク及び機会に取り組むための

適切な処置がとられることを確実にする必要がある。期待した結果が達成されない場合は,顧客のニーズ

及び期待が達成されるまで,更なる改善を実施するための責任が割り当てられることを確実にするため,

Plan-Do-Check-Act(PDCA)アプローチに従うことが望ましい。 

トップマネジメントは,顧客満足データの分析及び評価の結果を用いることで,顧客満足の向上に集中

することができる(JIS Q 9001:2015の9.1.2参照)。この分析の結果として,トップマネジメントは,顧客

に関連するプロセス及び資源の割り振りを含む組織の業務の変更を指示してもよいかもしれない。 

5.2 

方針 

5.2.1 

品質方針の確立 

この細分箇条の意図は,品質が組織及び顧客にとって何を意味するのかについての全体的な理解を含め,


10 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

組織の戦略的方向性に沿った品質方針が確立されることを確実にすることである。品質方針には,トップ

マネジメントが正式に表明する形で,組織の意図及び方向性を記載する。 

JIS Q 9001:2015の5.2.1のa)〜d)に関し,確立された品質方針は,次の条件を満たすことが望ましい。 

a) 組織に適したもので,組織の戦略的方向性を支援する。 

b) 目標を設定するための枠組みを与える(これは,品質方針における主張が全て測定可能であることが

望ましいことを意味する。)。 

c) 組織が,顧客要求事項,法令・規制要求事項など,適用される要求事項を満たすことへのコミットメ

ントを示す。 

d) 品質マネジメントシステムの継続的改善に対するコミットメントを示す。 

品質方針を確立するために,次の事項のようなインプットを考慮することができる。 

− 品質マネジメントシステムの現在のパフォーマンス,並びに密接に関連する利害関係者のニーズ及び

期待を含めた,組織の状況の明確な理解 

− 使命,ビジョン,基本理念及びコアとなる価値に基づく,組織の戦略的な方向性 

− 組織が成功するために必要な今後の改善のレベル及び種類 

− 期待される顧客満足の水準 

− 意図した結果を実現するために必要な資源 

− 密接に関連する利害関係者の潜在的貢献 

5.2.2 

品質方針の伝達 

この細分箇条の意図は,組織の人々が品質マネジメントシステムの有効性に貢献できるように,組織の

人々によって品質方針が伝達され,理解され,適用されること,及び密接に関連する利害関係者が品質方

針を利用できるようにすることを確実にすることである。 

組織は,品質方針を直ちに利用できるようにし,文書化した情報として維持することを確実にすること

が望ましい。組織は,品質方針を維持するために定期的にレビューし,現時点でなお組織の目的にかなっ

ているかどうかを明確にすることが望ましい。これは,例えばマネジメントレビューのプロセス(JIS Q 

9001:2015の9.3参照)の一環として行うことができる。 

組織は,組織全体で品質方針が明確に理解されることを確実にする必要がある。これは,組織内の様々

な階層の人々が,認識(JIS Q 9001:2015の7.3参照)及びコミュニケーション(JIS Q 9001:2015の7.4参

照)に関する要求事項を考慮に入れることで達成できる。品質方針は,掲示板,スクリーンセーバー,組

織のウェブサイト,定期会議など,様々な方法で伝達することができる。 

組織は,必要に応じて,外部提供者,パートナ,顧客,規制機関などの密接に関連する利害関係者が品

質方針を利用できるようにすることが望ましい。これは,要求に応じて,又はウェブサイト上で品質方針

を公表することによって行うことができる。 

5.3 

組織の役割,責任及び権限 

この細分箇条の意図は,トップマネジメントが,意図した結果の有効性及び達成を確実にするために,

品質マネジメントシステムに関連する役割を割り当てることである。トップマネジメントは,それらの役

割に対する明確な責任及び権限を確立し,有効なコミュニケーション活動を通じて組織の人々がそれぞれ

の職務を理解し,認識することを確実にする必要がある。 

責任及び権限は,一人又は複数の人々に与えることができる。これらの人々は,割り当てられた領域及

び/又はプロセスに関して決定を下し,変更を行えることが望ましい。権限は委譲できるが,品質マネジ

メントシステムに関する全体的な責任及び説明責任(accountability)は変わらずトップマネジメントにあ


11 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

るという点を強調することが大切である。 

JIS Q 9001:2015の5.3のa)〜e)に関しては,次の事項についての責任及び権限を割り当てることが望ま

しい。 

a) 品質マネジメントシステムが,内部監査員などの特定の役割,又はマネジメントレビューについての

JIS Q 9001の要求事項に適合することを確実にする。 

b) プロセスが意図したアウトプットを生み出すことを確実にする。この処置は,品質目標の監視,プロ

セスが意図した結果を達成しているかどうかの明確化,内部監査の実施など,それぞれ異なる責任を

もつ複数の人に割り当てることができる。 

c) 品質マネジメントシステムのパフォーマンスを報告する。この報告は一般に,マネジメントレビュー

プロセスの一環として行われる(JIS Q 9001:2015の9.3参照)。複数の人が品質マネジメントシステム

の特定のプロセスに関する報告に責任を負った上で,それらの報告を調整する責任を別の一人に与え

てもよいかもしれない。 

d) 顧客重視を推進する(JIS Q 9001:2015の5.1.2参照)。この責任は,一般に,顧客とのコミュニケーシ

ョン,及びあらゆる問題の解決を確実にすることに責任をもつ人に与えられる。この人は,顧客サー

ビス部門又は品質部門の一員である場合が多い。 

e) 新規の企業資源計画(ERP)システムの導入,設計・開発プロセスの外部委託の決定,新しい市場機

会による成長,組織の再編,合併,買収などの変更が行われた場合に,品質マネジメントシステムを

“完全に整っている状態”(integrity)に維持する。この責任は,一般に,品質マネジメントシステム

全体の維持を確実にする責任をもち,かつ,潜在的影響を検討せずに変更が計画されないことを確実

にする能力をもつ人(人々)に与えられる。 

組織によっては,要求された職務を遂行するために必要な力量をもつ人々の数が限られている可能性が

ある。そのような場合は,役割及び責任の分担を計画することが有益となり得る。こうした計画は,管理

者が施設を離れる休日中,又は事故若しくは病気の場合に役立つ。 

トップマネジメントは,品質マネジメントシステムに関連する役割,責任及び権限を伝達する方法を決

定することが望ましい。これは,例えば,職務記述書,作業指示書,任務命令書,組織図,マニュアル,

手順書などの関連する文書化した情報の使用を通じて行うことができる。 

 

計画 

6.1 

リスク及び機会への取組み 

6.1.1 

この細分箇条の意図は,組織が,品質マネジメントシステムのプロセスを計画するときに,そのリ

スク及び機会を決定し,それらへの取組みを計画することを確実にすることである。その目的は,不適合

なアウトプットを含めて不適合を防止すること,及び顧客満足を高める可能性のある機会を決定すること,

又は組織の品質目標を達成することである。 

品質マネジメントシステムに関するリスク及び機会を決定するに当たっては,外部及び内部の課題(JIS 

Q 9001:2015の4.1参照),並びに密接に関連する利害関係者の要求事項(JIS Q 9001:2015の4.2参照)を

考慮することが望ましい。品質マネジメントシステムの目標達成を阻むリスクの例には,プロセス,製品

及びサービスが要求事項を満たせないこと,又は組織が顧客満足を達成できないことが含まれる。機会の

例には,新しい顧客を特定できる可能性,新しい製品若しくはサービスの必要性を明確にし,それらを市

場に投入できる可能性,又はプロセスの効率化を図るために,新技術の導入によって,プロセスを改訂す

る若しくは置き換える必要性を明確にできる可能性が含まれる。 


12 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

組織は,機会を調べるとき,第一に,機会に伴う,品質マネジメントシステムへの潜在的リスクを決定

し,評価することが望ましい。また,機会を活用するか否かを決定するときにその結果を用いることが望

ましい。 

JIS Q 9001:2015の6.1.1のa)〜d)に関し,組織は,リスク及び機会を決定するに当たって,次の事項に

焦点を当てることが望ましい。 

a) 品質マネジメントシステムが,その意図した結果を達成できるという確信を与える。 

b) (活動効率の改善,新技術の開発又は適用などによって)望ましい影響を増大させ,新しい可能性を

創出する。 

c) (リスク低減又は予防処置を通じて)望ましくない影響を防止又は低減させる。 

d) 製品及びサービスの適合を確実なものにする改善を達成し,顧客満足を向上させる。 

これがリスクに基づく考え方のアプローチの採用である。組織は,品質マネジメントシステムに必要な

プロセスにこのアプローチを適用することを検討することが望ましい。 

JIS Q 9001には,リスク及び機会の決定並びにリスク及び機会への取組みに厳密なリスクマネジメント

(JIS Q 31000に基づく)を用いるという要求事項はない。組織は,ニーズに合った方法を選択することが

できる。JIS Q 31010には,組織の状況によっては考慮することができるリスクアセスメントの手段及び技

法の一覧が記載されている。 

組織は,リスク及び機会の決定において,SWOT,PESTLEなどの技法のアウトプットの使用を検討す

ることができる。その他のアプローチには,故障モード影響解析(FMEA),故障モード影響致命度解析

(FMECA),危害要因分析重要管理点(HACCP)などの技法がある。どの方法又はツールを用いることが

望ましいかの決定は,組織に委ねられる。単純なアプローチには,ブレインストーミング,構造化what if

技法(SWIFT),結果/発生確率マトリックスなどの技法が含まれる。 

リスクに基づく考え方の適用は,組織が,物事をより円滑に実行し,全般的な業務の進め方を改善する

ことに重点を置く,積極的で予防的な文化を形成する上でも役立ち得る。 

リスク及び機会の検討が望ましいような状況は,例えば,戦略会議,マネジメントレビュー,内部監査,

品質に関する多種の会議,品質目標設定のための会議,新しい製品及びサービスの設計・開発の計画段階,

生産プロセスの計画段階など様々である。 

6.1.2 

この細分箇条の意図は,組織が,決定したリスク及び機会(JIS Q 9001:2015の6.1.1参照)への取

組みを計画し,その取組みを実施し,その取組みの有効性を分析・評価することを確実にすることである。

これらの取組みは,製品及びサービスの適合,又は顧客満足への潜在的影響に基づくことが望ましい。ま

た,必要に応じて,品質マネジメントシステムとそのプロセスの両方に組み込む必要がある。例えば,組

織は,重要な原材料の提供者が1か所である場合に,新たな提供者の開拓への投資を検討することが望ま

しい。 

リスクに取り組むために組織がとることができる取組みは,リスクの性質によって異なる。例えば,次

のようなものがある。 

a) リスクが生じ得るプロセスを実行しないようにすることによって,リスクを避ける。 

b) 例えば,組織の中で経験が浅い人々を支援するために文書化した手順を用いることによって,リスク

を解消する。 

c) 投資に対する収益が未知の製品ラインを開始するために新しい資本設備に投資するなど,機会を求め

るためにリスクを負う。 

例 機会への取組みの例には,新技術の導入,並びに新しい顧客若しくは市場の模索が含まれる。 


13 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

d) 例えば,生産レベルが不明の場合に,原材料の事前購買を促進するために顧客と協力することによっ

て,リスクを共有する。 

e) 組織が,潜在的影響又は必要な取組みにかかるコストに基づきリスク自体を受け入れている場合は,

一切の取組みを行わない。 

組織は,品質マネジメントシステムとそのプロセスの両方のために,リスク及び機会に関する文書化し

た情報の必要性を検討してもよい(JIS Q 9001:2015の4.4.1参照)。 

6.2 

品質目標及びそれを達成するための計画策定 

6.2.1 

この細分箇条の意図は,組織が品質目標を確立し,それらの目標を達成するために適切な活動を計

画することを確実にすることである。 

組織の戦略的方向性及び組織の品質方針の効果的な展開を確実にするため,必要に応じて,関連する機

能,階層及びプロセスにおいて品質目標を確立することが望ましい。例えば,調達機能又は設計プロセス

のために,品質目標を運用レベルで設定してもよいかもしれない。 

JIS Q 9001:2015の6.2.1のa)〜g)に関し,品質目標は次の条件を満たすことが望ましい。 

a) 品質方針と整合している。すなわち,組織が品質目標を確立する際には,品質方針をインプットとし

て用いる必要がある。例えば,組織の品質方針に顧客の期待を上回るという文言がある場合は,納期

厳守又は顧客の苦情に関する品質目標の設定が可能になるかもしれない。 

b) 測定可能である。例えば,達成の必要がある期間又は所定の量を規定する方法がある。品質目標は,

定量的な方法だけでなく,定性的な方法(例えば,サービスのパフォーマンスレベル)を併用するこ

とで測定可能なものにすることができる。 

c) 適用される要求事項に取り組んでいる。 

d) 製品及びサービスの適合,並びに顧客満足の向上に関連している。例えば,“全数納期遵守”(OTIF)

などの製品に関する機能性若しくはパフォーマンスニーズを規定する,又はサービスレベル合意書を

定める。 

e) 品質目標の達成における進捗状況を監視及び/又はレビューする。これは,進捗報告書,顧客のフィ

ードバック,マネジメントレビューなどを含む適切な手段で行うことができる。 

f) 

必要に応じて伝達する(JIS Q 9001:2015の7.4参照)。組織は,組織全体に,及び必要に応じて利害関

係者にも品質目標を伝達することが望ましい。例えば,関連する人々に彼らの活動に関係する品質目

標を伝えるための会議を通じて,期待するスクラップの削減を製造担当者に通知することによって,

外部委託したサービス提供者に対してサービスの納期厳守に関する品質目標を書面で指定することに

よって,などである。 

g) 必要に応じて更新する。新しい課題又は要求事項に取り組むことを確実にするため,品質目標の達成

能力に影響を及ぼし得る,将来的な変化,又は実際の変化を考慮し,必要に応じて処置をとる必要が

ある。 

品質目標は,SMART[すなわち,具体的(Specific),測定可能(Measurable),達成可能で(Achievable),

関連性のある(Relevant),及び期間が限定されている(Time-bound)品質目標の設定],バランススコアカ

ード,ダッシュボードなどの適切な技法を用いて設定及び測定することが望ましい。また,品質目標は,

実施された変更を反映させるため,必要に応じて更新又は追加することが望ましい。 

品質目標を設定するときには,組織は,現在の実現能力及び制約,顧客のフィードバック,その他の市

場における課題などの要因も考慮することが望ましい。 

例 サービス提供・顧客インターフェース,又は製造ラインでは,品質目標は非常に単純で直接的な


14 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

ものにできる。 

− 例えば,バスを運行する輸送機関は,設定時間内で,計画された時刻表どおり運行されるバスの割合

で目標を設定してもよいかもしれない。 

− 生産現場では,不合格品の最大許容レベルを設け,目標とする1時間当たりのアウトプットを設定す

ることができる。 

− 美容院では,就労可能なスタッフ全員の手が空いていない場合,一人を新しい顧客の挨拶係に指名す

ることができる。ここでの目標は,“来店した顧客に1分以内に出迎えの挨拶をし,その顧客の要求事

項を明確にすること”でよいかもしれない。 

組織は,品質目標に関する文書化した情報を維持する必要がある。組織が文書化した情報を維持すると

ころとして選択できる例としては,事業計画,バランススコアカード,ダッシュボード,イントラネット

及び掲示板が含まれるが,これらに限定されるものではない。 

6.2.2 

この細分箇条の意図は,組織がその品質目標を達成するための処置を計画することである。 

JIS Q 9001:2015の6.2.2のa)〜e)に関して,組織は,次の事項を行うことが望ましい。 

a) 品質目標を達成するために実施する必要がある処置を決定する。 

b) 十分な資源が利用可能であることを確実にする(JIS Q 9001:2015の箇条7参照)。 

c) 特定の品質目標を達成する責任を誰が負うのかを明確にする(責任者は個人でなく,チーム又は部門

にすることもできる。)。 

d) 処置をいつ完了するのかを決定する。 

e) 結果の評価方法を決定する。 

所定の品質目標の達成に関する結果の評価(JIS Q 9001:2015の9.1.3参照)は,マネジメントレビュー

又はパフォーマンス評価の一部にすることができる。また,提案された完了日を伴ったプロジェクトマネ

ジメント,KPI,又は継続的レビュー,フィードバック会議などの他の手段を介して行うことも可能であ

る。 

6.3 

変更の計画 

この細分箇条の意図は,事業環境の変化に適応するために,組織の品質マネジメントシステムの変更の

必要性を決定すること,並びに提案された変更の計画,導入及び実施が統制のとれた形で行われることを

確実にすることである。 

変更の適正な計画は,手直し,サービスの取消し又は延期などの悪影響の回避に役立ち得る。また,不

適合なアウトプットの減少,ヒューマンエラーによるインシデントの減少などの良い影響をもたらすこと

もできる。変更を計画的に行う目的は,品質マネジメントシステムを“完全に整っている状態”(integrity)

に維持すること,並びに変更中に適合する製品及びサービスを引き続き提供する組織の能力を維持するこ

とである。組織は,全面的実施の前に,変更をまず試験的に実施する,変更が円滑に実施できなかった場

合にとるべき処置を決定するなど,変更の悪影響の可能性を抑えることができる処置を検討することが望

ましい。 

リスクに基づく考え方の適用は,品質マネジメントシステムの変更を計画するときに必要な処置を決定

する上で役立ち得る。組織は,あらゆる変更に関して,資源の利用可能性,及び必要な責任の割振り又は

再割当てを考慮することが望ましい。これは,変更を管理するために人をチームに割り当てること,又は

十分な資源が利用可能になるまで変更を延期することによって行える。 

品質マネジメントシステムの変更の必要性は,多くの異なる形で,例えば,マネジメントレビューの一

環として明確になることもあれば,監査結果,不適合のレビュー,苦情分析,プロセスパフォーマンスの


15 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

分析,状況の変化,又は顧客及びその他の密接に関連する利害関係者のニーズの変化から明確になること

もある。 

変更の必要性は,例えば,製造ラインをある場所から別の場所に移す,不適合なアウトプットが生じる

傾向を改善するためのプロセスの方法を変更する,サービス又はプロセスのために新しい情報通信技術

(ICT)を使用する,重要なプロセスを外部委託する,重要な役割に就いていた人々が(退職又は健康上

の問題で)離職する,オンライン発注処理に移行するなどに起因して生じ得る。 

組織は,こうした変更が品質マネジメントシステムに与える影響を評価し,望ましくない影響を防ぐた

めの処置をとることが望ましい。これには,プロジェクトマネジメント方式の適用から,実施前に新しい

プロセス及びシステムのパフォーマンス及び妥当性確認試験を試験的に確立することまで,様々な処置が

あり得る。必要な計画及び処置のレベルは,起こり得る変更の影響によって異なる。 

変更の計画を後押しするために組織がとることのできる処置の例には,次の事項が含まれる。 

a) 組織は,注文処理のための新しいソフトウェアの導入に伴い,パフォーマンス試験及び妥当性確認を

計画し,限られた期間に旧システムと新システムの両方を同時に実行して,新システムを全面的に採

用する前にそれが意図したとおり機能することを確実にしてもよいかもしれない。 

b) 組織は,新しい地理的領域でサービスを提供するための新しいオフィスの設立の決定を下すに当たっ

て,正式なプロジェクトマネジメント技法の適用を選択してもよいかもしれない。 

 

支援 

7.1 

資源 

7.1.1 

一般 

この細分箇条の意図は,組織が品質マネジメントシステムの確立,実施,維持及び継続的改善,並びに

その有効な運用に必要な支援及び資源を提供することを確実にすることである。 

組織は,提供する必要がある資源を明確にするに当たり,内部の資源の現在の実現能力(例えば,人々,

設備能力,組織の知識),並びに制約(例えば,予算,資源の数,スケジュール)を考慮することが望まし

い。 

組織は,資源の明確化において,リスクに基づく考え方を用いて,これらの資源を提供するためのコス

トと便益との比較分析を考慮することができる。次に,外部で調達するものも含め,必要な資源について,

及び必要な資源が提供されることを確実にするために必要な処置について,決定を下すことが望ましい。

これはJIS Q 9001:2015の7.1.1〜7.1.6に当てはまる。 

7.1.2 

人々 

この細分箇条の意図は,組織が,品質マネジメントシステムのプロセスの運用及び管理,並びに品質マ

ネジメントシステムの有効な実施に必要となる適正な人材をもつことを確実にすることである。品質マネ

ジメントシステム(例えば,業務活動,監査,検査,試験,苦情調査)における機能及び役割を遂行する

関係者の現在の作業負荷及び力量を考慮することが望ましい。 

組織は,必要な人々を明確にするに当たって,リスクに基づく考え方を用いること,並びに特定のプロ

セスのために指定された責任及び権限を考慮することが望ましい。 

組織は,追加の人員を募集すること,又は外部提供者を使用することを決定してもよいかもしれない。

その場合,組織は,必要なパフォーマンスの達成を確実にするための追加的な教育訓練の必要性,サービ

スレベル合意書の確立,サービス提供者に対する監査などの要因を考慮することが望ましい。力量に関す

る要求事項(JIS Q 9001:2015の7.2参照)を十分に考慮することが望ましい。 


16 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

7.1.3 

インフラストラクチャ 

この細分箇条の意図は,組織が,適合する製品及びサービスを顧客に一貫して提供するために必要な施

設,設備及びサービスをもつことを確実にすることである。 

“明確にし”,“提供し”及び“維持し”に関する処置は,組織の異なるプロセス又は機能によって実行

される可能性のある三つの異なる活動に関係する。例えば,特定のプロセスを担当する者が,特定のイン

フラストラクチャの要求事項を明確にするかもしれない。そのインフラストラクチャは,購買プロセスに

よって取得及び提供される。また,それを維持するための活動(設備保守,清掃・整備,情報技術の更新,

情報及び通信システムの定期試験,施設及び設備の定期検査など)を確立することが必要になる。 

インフラストラクチャは,製品及びサービスの適合の達成に重大な影響を及ぼし得る。組織は,次の事

項を行う必要がある。 

a) 組織のプロセスの有効な運用のために必要な,意図した結果を達成するためのインフラストラクチャ

を明確にする。 

b) 必要なインフラストラクチャを提供し,維持する。 

組織は,必要なインフラストラクチャを明確にするに当たって,適合する製品及びサービスを提供する

にはどの施設,設備,コンピュータソフトウェア,サービス,輸送などが必要かを検討することが望まし

い。インフラストラクチャの必要性は,組織が提供する製品及びサービスの種類によって異なり得る。典

型的な製造及び組立プロセスでは,製造,こん(梱)包,流通,輸送及びICTシステムに関する施設がイ

ンフラストラクチャに含まれることがあり得る。 

サービス組織においては,ITシステム又は作業場がインフラストラクチャに含まれ得る。例えば,ヘル

スサービス又はコンサルタントサービスの提供においては,オンライン購買若しくはバンキングのための

インターネットシステム,又は本社が挙げられる。 

インフラストラクチャのその他の例には,次が含まれる。 

− ボトリング会社において汚染を防止するための防護設備 

− 病院での適切な空調及び清潔な室内環境 

− 顧客のクレジットカード取引を処理するためのICT 

− 工場で操作員が工程を監視するために必要な工程の音を聞けるように騒音レベルを管理する資源 

7.1.4 

プロセスの運用に関する環境 

この細分箇条の意図は,組織が,プロセスの運用に必要な環境を明確にし,提供し,適合する製品及び

サービスの提供を円滑化することを確実にすることである。 

プロセスの運用に必要な環境を明確にするときには,必要に応じて利害関係者からのインプットを考慮

することが望ましい。例えば,規制当局が,汚染防止のために,作業環境の清潔さに関する特定の要求事

項を定めていることがあり得る。 

プロセス環境に関する要求事項は,提供する製品及びサービスの種類によって大きく異なり得る。場合

によっては,プロセス環境は温度,照明,衛生状態,気流,騒音などの物理的な課題に取り組むだけでよ

い場合もある。その他の場合には,清浄などの物理的課題が重要な要因になり得る。例えば,クリーンル

ーム環境を必要とするコンピュータチップの製造の場合が挙げられる。 

プロセスにおいて人的要因が不可欠な場合もあり得る。したがって,プロセスの運用のための環境を明

確にするときには,例えば,(起こり得るミス,燃え尽き症候群又はいじめを防止するために)従業員の高

い作業負荷及びストレスを避けること,並びに(例えば,サービスエリアの待ち時間の)情報を顧客に提

供することによって,人的要因を考慮することが望ましい。 


17 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

社会的,心理的課題など,他の要因も考慮を要することがあり得る。例えば,就学前児童の学習環境を

奨励する。対立を避けるために,適切な環境で仲介サービスを行う。パイロットの飛行時間を制限する,

又は輸送サービス及び流通サービスに従事する者の運転時間を制限するといった方法で,事故を防止する

ために十分な休憩時間をとる,などの人的要因。 

この細分箇条は,適切な場合を除き,JIS Q 9001:2015の7.1.4の要求事項に適合するために,厳密な環

境マネジメントシステム又は労働安全衛生マネジメントシステムを実施するのが望ましいということを意

図しているわけではない。 

プロセスの運用に関する環境が明確になった段階で,これを適切に維持し,必要に応じて管理すること

が望ましい。 

7.1.5 

監視及び測定のための資源 

7.1.5.1 

一般 

この細分箇条の意図は,組織が,組織の製品及びサービスの適合を評価するときに,監視及び測定の結

果が妥当で信頼できるものであることを確実にするために,適切な資源を明確にし,提供することを確実

にすることである。 

監視及び測定に必要な資源は,組織が提供する製品及びサービスの種類,並びに品質マネジメントシス

テムのために確立されたプロセスによって大きく異なる。 

状態を明確にするには,単純な確認又は監視で十分な場合もある。その他の場合は測定が必要であり,

そのためには,検証若しくは校正又はそれらの両方を要する測定機器が必要となることがあり得る。 

監視とは,活動,プロセス,製品又はサービスの量的な状態又は質的な状態(又はそれらの両方)を明

確にするために重要な観察,監督及び確認を意味する。正しい数量があること若しくはその注文が完了し

ていることを確実にするための単純な確認,何かが正しいことを示す基準,顧客とコールセンターとの会

話を聞くこと(“品質向上を目的としてこの通話を録音させていただくことがあります”),又はサービス提

供中の質問(提供された食事及びサービスに満足したかどうかをウエイターが顧客に尋ねることなど)も

監視になり得る。 

測定では,適切な測定用資源を使用し,数量,大きさ又は寸法の確定を考える。これには,各国の又は

国際的な測定基準に照らしてトレーサブルな,校正又は検証済み機器の使用が含まれ得る。サービスの場

合は,例えば,ソーシャルサービスモデルなど,サービスフィードバックのための既知の有効なモデルの

使用が含まれ得る。 

組織は,製品及びサービスの適合を明確にする上で,監視及び測定がどれだけ重要かを検討する必要が

ある。 

組織は,結果が妥当であることを確実にするための監視及び測定の重要性を明らかにするに当たって,

プロセス,製品及びサービスに関して何を監視及び/又は測定する必要があるのかを明確にすることが望

ましい。次に,組織は,この監視及び測定に必要な資源を明確にし,必要とされていることに対して適切

であることを確実にするのが望ましい。 

選択した監視及び測定に関する資源が目的と合致していることを実証するために,文書化した情報を利

用できるようにすることが望ましい。これには,妥当な結果を確実にするために,どのような頻度の確認

が必要かをまとめたスケジュール,又は国家標準若しくはそれに代わって使用する代替的基準へのトレー

サビリティを実証する情報が含まれ得る。 

場合によっては,製品及びサービスが正しく提供されているかどうかを評価するために,専門家が必要

となることもあり得る。例えば,レストランのシェフ,児童養護制度の提供を評価するためのソーシャル


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Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

ワーカー,ヘルスケアサービスのための医療専門家などである。場合によっては,試験の等級付けに使用

する評価指標,採点方式など,要求事項への適合を確認するために使用するツールを開発する必要がある。 

7.1.5.2 

測定のトレーサビリティ 

この細分箇条の意図は,トレーサビリティが要求事項である場合,又は組織が測定結果の妥当性に信頼

を与えることが必要と決定した場合に,組織が測定のトレーサビリティを提供することを確実にすること

である。 

組織は,要求事項への適合を検証し,測定結果の妥当性に信頼を与えるために測定機器を使用する場合,

測定機器をどのように検証及び/又は校正,管理,保管,使用並びに維持するかを検討することが望まし

い。 

校正・検証の状況(例えば,測定機器が校正・検証されているか否か,及び校正・検証されている場合

には,どの程度の範囲で,いつまで使用可能か)を識別することが望ましい。この識別は,測定機器自体

に付けてもよいかもしれないし,測定機器の容器に付けてもよいかもしれないし,又は,データベースで

照合できる固有の識別手段の,機器への使用など,その他の管理手段によってもよいかもしれない。校正

のための調整可能な機能をもつ測定機器は,校正状態の不注意による変更を防止するために保護すること

が望ましい。保護は,指又は道具によって台無しにするのを防止するため,調整部を封止又は被覆するこ

とで行うことができる。 

振動又は衝撃によって,校正状態が影響を受ける可能性がある場合には,特注のケース,こん(梱)包

などの方法で機器を保護することが望ましい。 

測定システムには,ソフトウェア,及び燃料ポンプ又はプロセスパラメータを管理するためのシグナル

といったその他の装置の組合せも含まれ得る。これらの場合,組織は,測定システム全体の目的への合致

を考慮することが望ましい。 

測定機器の校正スケジュール及び保守点検の確立は,製品及びサービスの適合を明確にする上での測定

のリスク及び重要度に基づいて考慮することが望ましい。 

測定機器が意図した目的に適していないと判明した場合,測定に関する要求事項への適合性への潜在的

影響をレビューし,必要な処置をとることが望ましい。処置には,合否判定基準を満たすか否かを明確化

するために,影響を受けた製品のサンプルを確認することが含まれ得る。 

こうしたレビューの結果は,一切の処置が不要であることを示すこともあり得るし,サービスの再実施

が必要であること,在庫製品の調査が必要であること,又は関係する顧客に連絡しなければならないこと,

さらには製品リコールが必要であることを示すこともあり得る。必要となる処置のレベルは,製品及びサ

ービスの適合性による。 

7.1.6 

組織の知識 

この細分箇条の意図は,組織がプロセスの運用に必要なものとして明確にした知識を維持し,製品及び

サービスの適合を達成すると同時に,ニーズ及び傾向の変化に基づく必要な知識の獲得を促すことである。 

組織の知識とは,組織の集団的な経験,又は組織の人々のそれぞれの経験からもたらされた組織の固有

の知識である。この知識は,組織の品質目標又は意図した結果の達成に使用されるか,又は使用すること

ができる。 

組織は,現在及び将来のニーズを満たすために必要な組織の知識を明確にし,マネジメントする方法を

検討することが望ましい。組織の人々及びその経験は組織の知識の基礎である。これらの経験及び知識の

把握及び共有は,相乗効果を生み,新しい,又は最新の組織の知識の創出につながり得る。 

複雑な組織は,正式な知識マネジメントシステムの実施を選択することができる。一方,あまり複雑で


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Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

ない組織は,設計の決定に関する業務記録,又は開発し,試験した化学化合物の特性及びパフォーマンス

に関する業務記録を維持するなどのより単純な方法を選択してもよいかもしれない。 

組織の知識を明確にし,維持し,利用できるようにするに当たって,組織は,次の事項を考慮すること

ができる。 

a) 失敗,ニアミス状況及び成功から学ぶ。 

b) 顧客,外部提供者及びパートナから知識を収集する。 

c) 例えば,指導,伝承の計画を通じて,組織内に存在する知識を把握する。 

d) ベンチマークを行う。 

e) イントラネット,図書室,気付きのためのセッション,ニュースレターなど。 

7.2 

力量 

この細分箇条の意図は,製品及びサービスの適合又は顧客満足に影響を及ぼし得る,組織内の職務又は

活動に必要な力量を明確にすること,並びにこれらの職務に就く人又はこれらの活動を遂行する人々(例

えば,管理職,現職従業員,臨時従業員,下請負業者,外部委託された人々)がそれらを実行する力量を

備えることを確実にすることである。 

人々の力量は,それらの人の教育,訓練及び経験に基づいて得られる。力量を実証できる者は,有資格

者と呼ばれる場合がある。 

組織は,活動又は役職・役割のいずれかによって,力量に関する要求事項を決定することが望ましい。

一部の業務は,適正に又は安全に実行するために特定の力量レベルを必要とすることがあり得る(例えば,

内部品質監査,溶接,非破壊試験)。幾つかの業務(例えば,フォークリフト又はトラックの運転,調査)

では,人員が有資格者である必要があるかもしれない。力量に関する要求事項は,職務記述書に定める,

職務を分析するときに職務評価活動を実施するなど,様々な方法で決定することができる。 

ある人の力量は,その人が十分な教育,訓練又は経験をもつか否かをレビューすることによって確認す

ることが望ましい。これは,就職面接,履歴書のレビュー,観察,訓練に関する文書化した情報,又は卒

業証書によって行ってもよいかもしれない。 

組織の中のある人が力量に関する要求事項に適合しない場合,又は適合しなくなった場合には,処置を

とることが望ましい。こうした処置には,従業員を指導者が指導する,教育訓練を提供する,その人が問

題なく行えるようにプロセスを簡素化する,その従業員を別の職場に異動させるなどの方法が含まれ得る

が,これらに限定されるものではない。 

また,組織は,とった処置の有効性を評価することが望ましい。例えば,組織は,教育訓練を受けた人々

に,職務を実行するために必要な力量を自分が身に付けたと思うかどうかを尋ねてもよいかもしれない。

有効性は,本人のパフォーマンスの直接的観察,又は任務及びプロジェクトの結果の検証を含む別の手段

によって評価することもできる。 

組織の管理下で業務を行う人が外部提供者から派遣されている場合は,外部から提供されたプロセスの

監査,製品及びサービスの検査,力量に関する要求事項を規定する契約及びサービスレベル合意書の確立

などの追加の管理及び監視が必要となり得る。組織は,とるべき処置を決定する責任を負う。こうした処

置は,要求事項への適合を確実にする上で力量がどれだけ重要かによって異なる。 

組織は,従業員の力量の証拠になる適切な文書化した情報,例えば,卒業証書,免許,履歴書,教育訓

練の修了証,パフォーマンスレビュー記録などを保持することが望ましい。 

従業員が正式な認定教育(例えば,大学の学位)を受けている場合,その従業員が,必ずしもその知識

を生かすことができるというわけではないが,業務を遂行するために必要な知識の一部又は全てを習得し


20 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

ていることを実証するためにその証書を用いることができる。その他の形態のより実務的な訓練(例えば,

看護,機械工としての実習)は,知識及び技能を生かす能力も扱っている。 

7.3 

認識 

この細分箇条の意図は,組織の管理下で働く関連する人々が,品質方針,関連する品質目標,品質マネ

ジメントシステムの有効性に対する自らの貢献,及び品質マネジメントシステムの要求事項に適合しない

ことの意味に関して認識をもつことを確実にすることである。 

人々が,各自の責任及び権限,並びに自らの行動が組織の品質目標の達成にどのように貢献するかを理

解したとき,認識は確固なものになる。多くの組織は,コミュニケーションを通じて認識を形成する(JIS 

Q 9001:2015の7.4参照)。 

組織の管理下で働く人々は,受入れ可能なものと受入れできないものとを区別すること,並びにプロセ

ス,製品及びサービスが合意した仕様書を満たさない場合に適切な処置をとることによって,日常活動に

おいて自らの認識を実証することができる。これらの人々は,品質マネジメントシステムに不適合があっ

た場合に,どのような影響(例えば,手直し,スクラップ,顧客の不満足,法律的な影響)が生じるかを

理解することが望ましい。その人が実行する業務の性質によって,認識を形成するための処置は異なり得

る。 

組織は,組織の人々が,適合するアウトプットが達成されるような作業プロセスを実行し,結果として

顧客満足を後押しすることで,自らが品質マネジメントシステムの有効性にどのように貢献しているのか

を理解することを確実にすることが望ましい。 

組織は,例えば次のような様々な方法で認識を形成することができる。 

a) 何が期待されているのかを明らかにする(例えば,合格及び不合格の製品及びサービスの写真などの

視覚的手段)。 

b) 製品及びサービスに関して明確な要求事項を伝達する。 

c) 不適合なアウトプットを明確に隔離するようにプロセスを設計する。 

d) 苦情をどのように扱うか,不適合なアウトプットがあった場合の内部での上申手順を明確に伝達する。 

認識をもつことを確実にするためには,あらゆる種類のコミュニケーションが重要である。こうしたコ

ミュニケーションには,定期的なレビュー会議,顧客及び外部提供者との会議,フィードバックの収集,

並びにこのフィードバックを関係者に確実に周知することが含まれ得る。 

7.4 

コミュニケーション 

この細分箇条の意図は,組織が,必要とし,品質マネジメントシステムに関連した,内部及び外部のコ

ミュニケーションを確立することを確実にすることである。 

組織は,何を伝達する必要があるかを明確にすることが望ましい。コミュニケーションの内容は,内部

及び外部の関係者によって異なってもよいかもしれない。例えば,組織は,組織の人々とは品質マネジメ

ントシステムの状況について情報交換をする一方,外部提供者とは発注書の新しい条件について情報交換

をすることもある。 

組織は,品質マネジメントシステムの有効な運用を確実にするため,コミュニケーションを必要とする,

密接に関連する内部及び外部の関係者を明確にすることが望ましい。対象者には,組織内の全階層の関連

する人々,及び密接に関連する利害関係者(例えば,顧客,製品及びサービスの調達に使用する外部提供

者,規制機関)が含まれ得る。 

異なる状況に対しては,異なるコミュニケーションの方法がしばしば必要となる。外部の密接に関連す

る利害関係者には,報告書,仕様書,請求書,サービスレベル合意書などの,より正式なコミュニケーシ


21 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

ョンが必要かもしれない。内部のコミュニケーションでは,日々の連絡,定期的な部門会議,ブリーフィ

ングセッション,電子メール,イントラネットなどの方法を用いてもよい。情報の性質及び伝達を要する

事項の重要度によっては,内部のコミュニケーションでも報告書,職務仕様書などのより正式な方法が必

要となり得る。 

また,組織は,誰がコミュニケーションをとるのかを決定することが望ましい。これは,コミュニケー

ションの性質及び組織がコミュニケーションをとる相手による。例えば,外部提供者には,購買プロセス

の責任者がコミュニケーションをとってもよいかもしれないし,組織の人々に対してはトップマネジメン

トがコミュニケーションをとってもよいかもしれない。 

組織のコミュニケーションプロセスは,コミュニケーションを有効なものにするために,プロセス及び

関係者に次の能力を与えることが望ましい。 

− 情報を速やかに発信・受信し,その情報に対処する。 

− 互いの信頼を築く。 

− 顧客満足,プロセス,パフォーマンスなどの重要性を伝える。 

− 改善の機会を特定する。 

7.5 

文書化した情報 

7.5.1 

一般 

この細分箇条の意図は,組織が,JIS Q 9001への適合のために必要な文書化した情報,及び品質マネジ

メントシステムの有効性のために必要と決定した文書化した情報を管理することを確実にすることである

(JIS Q 9001:2015の4.4.2参照)。 

JIS Q 9001で,“文書化した情報の維持”というとき,これは情報を最新の状態に保つことを確実にする

ことを意味する。例えば,文書化した手順,マニュアル,書式及びチェックリストに含まれる情報,クラ

ウドに保存し,スマートフォン又はその他の電子機器にダウンロードできる情報,並びにその他の文書化

した情報(品質方針,品質目標など)である。 

JIS Q 9001で“文書化した情報の保持”というとき,これは,要求事項が満たされたか否かに関する証

拠の提供に使用する情報が,劣化又は無許可の変更(合意した修正を行う場合を除き,これは起きないこ

とが望ましい。)から保護することを確実にすることを意味する。 

一般に,JIS Q 9001は,必要とする文書化した情報の程度を指示していない。文書化した情報の程度は,

運用及びプロセスの規模及び複雑さ,顧客要求事項及び法令・規制要求事項,並びに関与する人々の力量

によって,それぞれの組織で異なる。例えば,小さなパン屋が必要とする文書化した情報は,外部からの

文書化した情報を含む,システムに組み込まれる非常に特殊な顧客要求事項(又は法令・規制要求事項)

をもつ自動車部品製造業者が必要とする文書化した情報よりも,単純で,範囲が狭いであろう。 

7.5.2 

作成及び更新 

この細分箇条の意図は,組織が,文書化した情報を作成及び更新するに当たって,適切な識別,形式及

び媒体が使用されること,並びにレビュー及び承認がなされることを確実にすることである。 

文書化した情報には,識別及び説明を含めることが望ましい。そのための方法は多数ある。組織は,タ

イトル,日付,作成者,参照番号(又はこれらの方法の二つ以上の組合せ)などを,情報及び情報の状態

を明確にするために使用できる。 

組織は,文書化した情報の形式を確立することが望ましい。組織は,文書化した情報を提供するために,

ハードコピー若しくは電子的媒体又はそれらの両方を用いることができる。全てのユーザが必ずしも同じ

ソフトウェアのバージョンにアクセスするとは限らないため,どのバージョンを使用するかも考慮するこ


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Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

とが望ましい。組織の文化に基づき,複数の言語で文書化した情報を提供することを考慮する必要がある

組織もあるかもしれない。 

組織は,例えば,文書化した情報を承認する権限をもつ者を特定するなどの方法で,文書化した情報の

レビュー及び承認の方法を確立していることが望ましい。 

7.5.3 

文書化した情報の管理 

7.5.3.1 

この細分箇条の意図は,文書化した情報が,必要なときに適切な媒体で入手可能であること,及

び十分に保護されることを確実にすることである。 

品質マネジメントシステムに必要な,文書化した情報を決定した後,組織は,全ての関連する範囲,部

門,プロセス所有者がその情報を入手できることを確実にすることが望ましい。製品及びサービスを外部

で調達している場合は,関連する文書化した情報を,密接に関連する外部の利害関係者に提供することも

考慮するのが望ましい。また,文書化した情報は,意図した用途に適した形式であることが望ましい。例

えば,外部のサービス提供者に対するサービスレベル合意書,又はプロセスインターフェースでダウンロ

ードできる電子形式のプロセスパラメータ情報が考えられる。 

組織は,文書化した情報を保存する媒体を考慮に入れた上で,文書化した情報の適切な管理を確実にす

るために,必要な管理のレベルを検討することが望ましい。管理には,利用可能性,配付,並びに,例え

ばデータの喪失,秘密保持,不適切な使用,及び意図しない変更からの保護が含まれる。組織は,文書化

した情報及びコミュニケーションのためのシステムの一環として必要な管理が実施されること,並びにそ

のような喪失,不適切な使用又は意図しない変更から文書化した情報を保護することを確実にするのが望

ましい。これは,読取り専用アクセス,及び様々なレベルにアクセスするための所定の許可,パスワード

保護又は識別情報(ID)入力による電子的システムを含め,様々な方法で実行することができる。管理の

レベルは,例えば,外部者に対してはアクセス制限を強化するなど,文書化した情報をどこで入手できる

ようにするかによって異なる場合がある。情報セキュリティの問題及びデータバックアップも考慮に入れ

ることが望ましい。 

7.5.3.2 

この細分箇条の意図は,文書化した情報の管理は,配付,アクセス,検索及び利用,保管及び保

存,変更の管理,保持,並びに廃棄に取り組むことを確実にすることである。組織が品質マネジメントシ

ステムの計画及び運用のために必要と決定した場合には,これを外部からの文書化した情報にも適用する。

文書化した情報の配付は,様々な方法で管理できる。 

組織は,配付の管理及び文書化した情報へのアクセスのためのシステムを確立した後,文書化した情報

の保管,維持,及び時間の経過に伴って必要となる廃棄の方法を検討することが望ましい。 

文書化した情報は,組織がプロセス及び品質マネジメントシステムを改善する過程で変化し,拡大する

ことがあり得る。 

また,過去の文書化した情報を後日使用するために,必要に応じて維持,保管及び検索する方法を検討

する必要もある。 

組織が文書化した情報の最新版と旧版を識別する何らかの手段を決定し,最新の文書化した情報だけの

使用を確実にするための管理を確立するような,バージョン管理を考えることが望ましい。 

旧版の文書化した情報の保管が重要となる可能性がある。文書化した情報は,保存及び読みやすさを確

実にするために適切な媒体で維持することが望ましい。例えば,製造後何年も経過した後の苦情の調査に

過去の製造データが必要になる場合,組織の知識管理を目的とする場合などがある。文書化した情報の保

持期間は,法令・規制要求事項又は契約上の要求事項であることもあり得る。また,(製品及びサービスの

寿命に応じて)組織が保持期間を決定することもできる。組織は,旧版の不要になった文書化した情報の


23 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

廃棄に関して,廃棄プロセスの過程で,機密性の高いデータ(例えば,個人情報,極秘情報)の管理を考

慮することが望ましい。 

組織が,外部からの文書化した情報を,品質マネジメントシステムの計画及び運用に必要と決定した場

合には,その情報を適切に識別し,他の文書化した情報と同じように管理することが望ましい。これには,

図面,所定の試験方式,サンプリング計画,標準,校正報告書などの,顧客又は外部提供者からの文書化

した情報が含まれ得る。機密性の高いデータの管理には,特に注意を払うことが望ましい。 

適合の証拠として文書化した情報を保持する場合には,意図しない改変から保護することが望ましい。

組織は,それらの情報への管理されたアクセスだけを許可することが望ましい。例えば,組織を代表して

業務を行う関係者にアクセスを許可する,又は必要に応じて“読取り専用”のように電子的アクセスを制

限する。 

 

運用 

8.1 

運用の計画及び管理 

この細分箇条の意図は,組織が,外部から提供されるプロセス(JIS Q 9001:2015の8.4参照)を含め,

製造及びサービス提供に必要なプロセスを計画し,実施し,管理することを確実にすることである。 

起こり得る変更を含め,計画の過程で決定したリスク及び機会,並びに品質目標(JIS Q 9001:2015の箇

条6参照)は,運用の計画及び管理を検討するとき,さらにプロセスに対する基準,並びに製品及びサー

ビスの合否判定基準の確立を検討するときの重要なインプットである。 

組織は,製造及びサービス提供のプロセスの性質及び複雑さに基づき,どのような資源が必要なのか,

現在の資源は十分なのかを明確にする必要がある。 

次の事項を行うための有効な管理が必要である。 

a) 基準を満たしていることを確認する。 

b) 意図したアウトプットが提供されていることを確実にする。 

c) どこを改善する必要があるかを明確にする。 

基準,及びこれらの基準を支援する文書化した情報は,この計画のアウトプットである。 

この計画のアウトプットは,組織内の運用へのインプットとして使用する必要がある。また,顧客又は

外部提供者がこの計画のアウトプットを使用する必要も生じるかもしれない。アウトプットは,これを使

用する必要がある者にとって,適切な形式及び媒体で保持することが望ましい。 

組織は,運用及び管理の基準を計画するとき,計画的な変更と起こり得る意図しない変更との両方,並

びにこれらの変更がその運用に与え得る影響を考慮することが望ましい。 

製品及びサービスを提供するためのプロセスを計画するとき,外部委託したプロセスが組織の品質マネ

ジメントシステムに密接に関連する場合には,それらのプロセスを組織の管理下に置く必要がある。外部

から提供されるプロセス,製品及びサービスの管理に関する要求事項を適用することで,管理を確実にし

なければならない(JIS Q 9001:2015の8.4参照)。 

8.2 

製品及びサービスに関する要求事項 

8.2.1 

顧客とのコミュニケーション 

この細分箇条の意図は,提供する製品及びサービスに関する要求事項を明確にするとき,組織とその顧

客との間の明確なコミュニケーションがあることを確実にすることである。 

JIS Q 9001:2015の8.2.1のa)〜e)に関して,組織は,次の事項を行うことが望ましい。 

a) 何が提供されるのかを顧客が理解できるように,提供する製品又はサービスの詳細を伝達する。この


24 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

情報は,会議,小冊子,ウェブサイト,電話又はその他の適切な手段で伝達することができる。 

b) 次の事項を明確にする。 

− 顧客が質問するとき,又は製品若しくはサービスの発注を行うときに,組織に連絡をとる方法 

− 組織が,関連する変更を顧客に知らせる方法 

c) 質問,関心,苦情,好ましいフィードバック及び好ましくないフィードバックに関する情報を顧客か

ら取得するための適切な方法を確立する。この方法には次のものを含むが,これらに限定されるもの

ではない。 

直接の電子メール又は電話,オンライン調査,顧客サポートチャンネル,対面の会議 

d) 必要に応じて,組織が顧客の所有物をどのように取り扱い,管理するかを顧客に知らせることを確実

にする。 

e) 顧客要求事項を満たすことを妨げる影響を避けるために,必要が生じた場合にとることができる不測

の事態への対応について顧客とコミュニケーションを取ることに対して積極的であることを確実にす

る。これには,自然災害,天候,労使紛争,原材料又はバックアップのための外部提供者の不足など

の状況が含まれ得る。 

このコミュニケーションによって,顧客は,組織が何を提供できるのか,又は提供しようとしているの

かを理解できる。また,組織は,顧客のニーズ及び期待を理解又は確認することができる。 

8.2.2 

製品及びサービスに関する要求事項の明確化 

この細分箇条の意図は,組織がその製品及びサービスに関する要求事項を明確にすることを確実にする

ことである。これらの要求事項は,次の事項を考慮することで明確にできる。 

a) その製品又はサービスの目的 

b) 顧客のニーズ及び期待 

c) 関連する法令・規制要求事項 

d) 組織が必要とみなす要求事項(例えば,組織内部でのトレーサビリティを目的とした,部品の番号付

け,ファイルの命名) 

組織は,組織が提供する製品及びサービスに関する主張を満たすことを確実にする必要がある。主張と

は,組織の製品及びサービス,並びに顧客に提供することができる機能及び特性に関する,組織による表

明である。例えば,インターネットサービスプロバイダー(ISP)は,ウェブサイトでダウンロード速度に

ついて主張することが考えられる。ラップトップコンピュータの製造業者は,パンフレットでバッテリー

寿命についての主張を行うことが考えられる。自動車メーカーは,広告で燃費に関する主張を行う。また,

保険会社は,24時間請求できるサービスを提供していると言う。 

組織は,次のような要因を考慮することが望ましい。 

− 利用可能な資源 

− 実現能力 

− 生産・提供能力 

− 納期 

JIS Q 10001は,主張の作成に関する行動規範について助言を与えている。 

8.2.3 

製品及びサービスに関する要求事項のレビュー 

8.2.3.1 

この細分箇条の意図は,組織が,顧客に対して与えたコミットメントをレビューし,これらのコ

ミットメントを満たす能力をもつことを確実にすることである。組織は,このレビューによって運用中及

び引渡し後に問題が発生するリスクを低減することができる。 


25 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

組織は,JIS Q 9001:2015の8.2.3.1のa)〜e)に関して,次の事項をレビューすることが望ましい。 

a) 輸送,利用者への訓練,現場での据付け,補償,修理,カスタマーサポートなどの引渡し及び引渡し

後の活動の必要性 

b) 暗黙のうちに了解されている要求事項を満たすことができるかどうか。すなわち,製品又はサービス

は,顧客の期待を満たせることが望ましい(例えば,ホテルの客室は清潔であり,基本的な施設を提

供することが期待される。また,スタッフは,礼儀正しく,進んで手伝うことが期待される。ボトル

入り飲料水は,飲んでも安全でなければならない。)。 

c) 組織が,顧客の期待を上回るため,顧客満足を向上するため,又は内部の方針に適合するために,満

たすことを選択した追加的要求事項 

d) 適用される法令・規制要求事項を考慮し,これらに取り組んだか。 

e) 契約又は注文に変更が加えられているか。 

以前に規定した要求事項と,契約又は注文に記載される要求事項が異なる場合,組織は顧客と連絡をと

り,これらの差異を解決する必要がある。 

顧客が要求事項を記載した書面を提出しない場合,例えば,電話による発注,又は口頭での指示のとき

には,製品又はサービスを提供する前に,顧客に要求事項を確認する必要がある(例えば,レストランで

は,顧客に対して料理の注文を繰り返して確認することができる。)。 

8.2.3.2 

この細分箇条の意図は,あらゆる修正又は変更を含めた顧客との最終合意を実証し,要求事項を

満たせることを示すために,文書化した情報を保持することを確実にすることである。 

JIS Q 9001:2015の8.2.3.2のa)及びb)に関して,次のことがいえる。 

a) レビューの結果は,あらゆる適切な媒体で保持できる。例えば,レストランでは,顧客が何を食べた

いかを詳述した書面又は電子形式の注文を保管することができる。会社は,顧客との特定の電子メー

ルによる連絡を保持することを選べる。また,複雑な建設プロジェクトでは,実行可能性分析に関す

る詳細な報告書を保管することができる。 

b) レビューにおいて,追加的な要求事項又は変更された要求事項が確認された場合には,新たな要求事

項を加味することを確実にするため,文書化した情報の更新又は追加を行うことが望ましい(例えば,

注文を変更する,又は誤解を解決する,電子メールによるやり取りを保持することが望ましい。)。 

この文書化した情報は,新規又は既存の顧客との間で将来的に結ばれる,これに類する合意の根拠を提

供し得る。 

8.2.4 

製品及びサービスに関する要求事項の変更 

この細分箇条の意図は,関連する人々(組織の内部と外部の両方)が製品及びサービスの要求事項のあ

らゆる変更を認識することを確実にすることである。組織は,適切なコミュニケーションの方法を選択し,

連絡の電子メール,会議の議事録,修正された注文などの,適切な文書化した情報を保持することが望ま

しい。 

8.3 

製品及びサービスの設計・開発 

8.3.1 

一般 

この細分箇条の意図は,組織が,その製品及びサービスが要求事項を満たすことを確実にするために,

製品及びサービスの特性を定める設計・開発プロセスを確立し,実施し,維持することを確実にすること

である。組織は,品質マネジメントシステムの適用範囲を決定する(JIS Q 9001:2015の4.3参照)に当た

って,密接に関連する利害関係者を含め,組織の状況を考慮することが望ましい。それは,この範囲によ

って,JIS Q 9001:2015の8.3の要求事項の適用が決定されるからである。 


26 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

組織によっては,設計・開発に関する要求事項の全てを考慮する必要があることもあり得る。これに対

して,他の組織は,設計・開発に関する変更,顧客との連絡に関するものなど,一部の要求事項を考慮す

るだけでよいかもしれない。 

例えば,独自の製品構成で自転車を製造する組織は,新製品又は改良製品のために設計・開発に関する

要求事項を考慮する必要がある。顧客の設計に厳密に準拠した製品を製造する組織は,顧客がその設計に

改良を加えた場合,又は製品変更に関する連絡があった場合に限り,設計・開発に関する要求事項を考慮

する必要がある。 

同様に,フランチャイズの下で経営しているコーヒー店は,製品,装飾及びマーケティングに関して独

自の決定を下す独立のコーヒー店と比べ,より少ない設計・開発に関する要求事項に適合することが必要

となることもある。 

ときには,組織が,品質マネジメントシステムの適用範囲,顧客要求事項,法令・規制要求事項,又は

業界の成功事例のいずれかに基づいて,業務プロセスに設計・開発に関する要求事項を適用することを決

定することもあり得る。 

例 設計・開発が必要となる事例には,次のような場合が含まれる。 

− 仕立て会社が顧客から以前作ったドレス又はスーツに布地を一枚足すようにという依頼を受

ける場合 

− 小さな工作所が空気圧クラッチの設計仕様書をもっており,顧客からクラッチのカスタマイ

ズが必要となるか(噛)み合いの変更を求められる場合 

− 財務コンサルティング組織が,クライアントの株式ポートフォリオ管理に関し,クライアン

トに提供するサービスを設計・開発する場合 

− 教育組織がカリキュラムを設計・開発する場合 

8.3.2 

設計・開発の計画 

この細分箇条の意図は,組織が,必要な設計・開発活動及び職務を明確にするために,設計・開発の計

画を立案することを確実にすることである。この計画立案には,役割及び責任の明確な定義に関する考慮

だけでなく,計画した活動のパフォーマンスに影響を及ぼし得るもので,(JIS Q 9001:2015の箇条6及び

8.1において)必要であることが明確になった処置についての考慮,及び資源の必要性についての考慮を

含めることが望ましい。 

この細分箇条の要求事項は,設計・開発の計画において考慮すべき一連の重要な要素を示している。JIS 

Q 9001:2015の8.3.2のa)〜j)に関して,これらの要素には次のものが含まれる。 

a) 製品及びサービスの複雑さ(例えば,類似の設計,新規の設計,製品及びサービスの目的,サービス

の意図する期間及び範囲などの物理的特性),並びに引渡しに関する要求事項などの要因 

b) 必要な段階。これには適用される設計・開発レビュー(例えば,基本設計,詳細設計),並びに検証(例

えば,全ての寸法が図面上で過不足なく指定されているか)及び妥当性確認(例えば,製造試作又は

サービスの予行による確認)が含まれる。 

c) アウトプットがインプットの要求事項を満たすことを確実にするために必要な検証活動,並びに結果

として得られる製品及びサービスが指定された用途又は意図された用途に関する要求事項を満たすこ

とを確実にするために必要な妥当性確認活動 

d) 誰が実行するのか。すなわち,設計・開発プロセスに関する,必要な責任及び権限の決定。 

e) 必要な内部資源及び外部資源(例えば,組織の知識,設備,技術,力量,顧客又は外部提供者からの

支援,臨時労働者,技術情報を定めた規定又は標準) 


27 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

f) 

関与する人の人数,及び会議,遠隔通信,議事録などの最も有効な情報共有の方法を考慮した,設計・

開発プロセスに関与する人々のコミュニケーション 

g) 顧客及び利用者が設計・開発活動に参画する可能性(例えば,顧客による現地監査,顧客試験,顧客

調査,消費者体験) 

h) 組織の人々が製品又はサービスを提供するために何が必要か(例えば,図面,管理,原材料,合否判

定基準)。 

i) 

顧客又はその他の利害関係者によって明確にされた,プロセスに対する期待される管理レベル(例え

ば,医療機器,航空機などの安全確認)。顧客又はエンドユーザが明示的な管理を定めていない場合,

組織は,製品及びサービスの性質を考慮した上で,どのような管理が必要かを決定することが望まし

い。 

j) 

プロジェクト計画書,会議の議事録,実施事項の完了,試験報告書,図面,作業指示書,プロセスフ

ロー図など,設計・開発に関する要求事項が満たされたこと,並びにレビュー,検証及び妥当性確認

の段階でプロセスが適切に実行されたことを実証するために必要な文書化した情報 

8.3.3 

設計・開発へのインプット 

この細分箇条の意図は,組織が,設計・開発の計画における活動の一つとして,設計・開発プロジェク

トへのインプットを明確にすることを確実にすることである。これらのインプットは,曖昧でなく,漏れ

がなく,製品又はサービスの特性を定めた要求事項と整合している必要がある。組織は,JIS Q 9001:2015

の8.3.3のa)〜e)に関して次の事項を考慮することが望ましい。 

a) 顧客,市場ニーズ又は組織が決定した,機能及びパフォーマンスに関する要求事項。例えば,ある機

器に求められるライフサイクル,照明器具が提供する必要がある明るさの量,サービスが提供される

べき期間,機械を安全に操作できる方法,道路上の交通の流れ。 

b) プロジェクトファイル,図面,仕様書,得られた教訓など,以前の類似の設計・開発活動からの情報。

これによって,有効性を高め,組織が良い実践を積み重ね,誤りを防ぐことができる。 

c) 製品若しくはサービスに直接関係する法令・規制要求事項(例えば,安全規則,食品衛生に関する法

律),又は当該製品若しくはサービスの提供に直接関係する法令・規制要求事項(例えば,最終製品の

一部である化学薬品の取扱い,輸送又はその他の引渡しの仕組み,保健サービスを提供するときの手

袋着用,レストランの衛生要求事項) 

d) 組織が実施することをコミットメントしている標準又は規範(codes of practice)(例えば,業界の規範,

安全衛生基準) 

e) 製品及びサービスの性質に起因する失敗によって起こり得る結果。こうした不具合は,致命的になり

得るもの(例えば,ある催しにおける道路交通安全の計画が劣悪で,事故につながり得る場合)から,

顧客満足を失うことにつながる問題(例えば,織物のインクが不安定で,色落ち又は色移りが生じる

場合)まで,多岐にわたり得る。 

設計・開発に適用されるインプットは,文書化した情報として保持することが望ましい。これらのイン

プットは,プロジェクト計画において記載した特定の規定又は仕様書の参照であることもあり得る。 

インプットの要求事項が相反する場合,又は取組み若しくは達成が困難である場合,組織はこれらの課

題を解決するための活動を実施することが望ましい。 

8.3.4 

設計・開発の管理 

この細分箇条の意図は,プロセスが有効であることを確実にするために,インプットを明確にした段階

で,計画に従って設計・開発活動及び管理を実施することを確実にすることである。 


28 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

レビュー,検証及び妥当性確認活動は,設計・開発プロセスの管理に欠かせないものであり,有効に実

施する必要がある。レビュー,検証及び妥当性確認は,一つのプロセスとして完了することも,別個の活

動として完了することも可能である。組織は,JIS Q 9001:2015の8.3.4のa)〜f)に関して,次の事項を確

実にすることが望ましい。 

a) 設計・開発活動に関与する全ての人々が,顧客又はエンドユーザの要求事項及び意図した最終的アウ

トプットを認識し,完全に理解する。これらの要求事項からの逸脱は,例えば,製品のパフォーマン

スを高めるための計画において,コスト,使いやすさなどの要素に照らして検討する必要がある。 

b) 設計・開発計画の諸段階,及び段階のアウトプットについて,インプットに関する要求事項に合致し

ていることを確認し,問題点を明確にし,解決策を立案するために,レビューする。製品の製造又は

サービスの提供に関与する人々,並びに適切な場合は顧客,エンドユーザ及び外部提供者を含め,設

計・開発プロセスの特定の段階に関与していない人々も,そのレビューに関与できる。複雑さのレベ

ルが異なる場合は,次のようにしてもよい。 

− 複雑な設計については,正式な会議でレビューし,そのような会議の議事録を記録とする。 

− 単純な設計のレビューについては,それほど正式なものにせず,計画書にレビューが完了したこと

を注記し,署名し,日付を記入する。 

c) 設計・開発プロセスの開始時に特定した全ての要求事項を満たすことを確実にするために検証を行う。

大規模なプロジェクトでは,このプロセスを主要な段階に分割し,各段階の終了時に必要な検証を実

施することができる。検証活動には,次のものが含まれ得る。 

− 別方法で計算を行う。 

− 新しい設計を,類似する実証済みの設計と比較する。 

− 試験及びデモンストレーションを行う。 

− 次に進む前に設計段階の文書化した情報を確認する。 

d) 最終的な製品又はサービスが,特定の用途又は意図された用途に関する顧客又はエンドユーザのニー

ズを満たすことを確実にするため,妥当性確認を実施する。妥当性確認活動の例には,次のものが含

まれ得る。 

− 試験的マーケティング 

− 運用試験 

− 意図した利用者条件の下でのシミュレーション及び試験 

− 部分的なシミュレーション又は試験(例えば,建物の耐震能力をシミュレーションするため) 

− フィードバックを得るための,顧客又はエンドユーザによるテスト 

e) レビュー,検証及び妥当性確認活動で問題が明らかになった場合には,これらを解決するための処置

を決定する。これらの処置の有効性の評価を,次回レビューの一部にすることが望ましい。 

f) 

設計・開発活動を計画に従って実施したことの証拠として,レビュー,検証及び妥当性確認活動の文

書化した情報を保持する。それらの情報の例には,会議の議事録,検査及び試験報告書,並びに顧客

の承諾書が含まれ得る。 

8.3.5 

設計・開発からのアウトプット 

この細分箇条の意図は,設計・開発からのアウトプットが,意図した製品及びサービスを提供するため

に必要な全てのプロセス(購買,製造及び引渡し後の活動を含む。)に関して必要な情報を与えることを確

実にすることである。また,設計・開発からのアウトプットは,必要な処置及びその順序を関係者が理解

することを確実にするために,十分明確であることが望ましい。 


29 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

設計・開発からのアウトプットは,設計・開発プロセスの性質,並びに製品及びサービスに関する要求

事項によって異なる。設計・開発からのアウトプットは,製造及びサービスの提供プロセスの重要なイン

プットとなる(JIS Q 9001:2015の8.5参照)。 

これらのアウトプットは,JIS Q 9001:2015の8.3.5のa)〜d)に関して,次の条件を満たすことが望まし

い。 

a) JIS Q 9001:2015の8.3.3に従って定められた,インプットの要求事項に合致している。 

b) アウトプットを誰がどのような状況で使用するのかを考慮に入れて,製品及びサービスを提供するた

めに必要な以降の全てのプロセスが実行できることを確実にするだけの十分さがある。 

c) プロセスの合否判定基準,外部で提供される製品及びサービス,並びに製品及びサービスのリリース

の詳細を含め,監視及び測定に関して何が必要かについての明確な情報を提供する。 

d) 安全で適切な方法による製品の生産又はサービスの提供を確実にするため,製品及びサービスの特性

に関する重要な情報を提供し,製品又はサービスの使用方法を詳述している(例えば,医薬品の説明

書,食品の保存に関する説明書,製品の掃除方法に関する説明書)。 

ときには,設計からのアウトプットが組織の実際の製品であることもあり得る。例えば,建築士,設計

技術者又はグラフィックアーティストの仕事においては,このようなことが起こり得る。 

設計からのアウトプットは,文書化した情報として保持することが望ましい。文書化した情報には次の

情報が含まれるが,これらに限定されるものではない。 

− 図面,製品仕様書(保存の詳細を含む。),材料仕様書,試験に関する要求事項,品質計画書,コント

ロールプラン(QC工程表など) 

− プロセス仕様書,必要な製造設備の詳細 

− 施工計画書及び技術計算書(例えば,強度,耐震性) 

− メニュー,レシピ,調理法,サービスマニュアル 

− スケッチで定めた衣服のファッションデザイン,使用する材料に関する仕様書 

− 出版物で使用する特定のレイアウトの形式を示すグラフィックアートデザイン 

− マーケティングキャンペーンの計画書の形をとった,広告代理店による設計書 

8.3.6 

設計・開発の変更 

この細分箇条の意図は,組織が,設計・開発プロセスの間,又はそれ以降に行われた変更を明確にし,

レビューし,管理することである。組織は,設計・開発プロセスの一環として,他のプロセス又は利害関

係者(例えば,顧客,外部提供者)との相互作用がどのように図られるのかを検討することが望ましい。

また,設計・開発の変更を明確にするときに,これらを考慮することが望ましい。 

変更は,品質マネジメントシステムのどの活動からも,どの段階でも生じ得る。変更が起こり得る段階

には次の段階が含まれるが,これらに限定されるものではない。 

a) 設計・開発プロセスの実施中 

b) 設計・開発からのアウトプットのリリース及び承認の後 

c) 顧客満足及び外部提供者のパフォーマンスを監視した結果として。 

設計・開発の変更に関して保持すべき文書化した情報には,悪影響を防止するために,変更が構成要素,

又は既に引き渡した製品若しくはサービスに与える影響を評価した結果が含まれ得る。レビュー,検証及

び妥当性確認のプロセスの結果として,設計・開発の変更を詳述した,文書化した情報がしばしば作成さ

れ得る。文書化した情報には,影響を受けた,以降のプロセス(例えば,購買,製造,製品又はサービス

の提供)についてとった処置,及びこれらの伝達方法についても詳述し得る。 


30 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

文書化した情報には,誰が変更を許可したのかを記載することが望ましい。ときには,顧客又は規制機

関からこうした許可が要求される。文書化した情報には,承認済み変更指示書又は電子的な変更承認が含

まれ得る。 

8.4 

外部から提供されるプロセス,製品及びサービスの管理 

8.4.1 

一般 

この細分箇条の意図は,外部提供者から提供されるプロセス,製品及びサービスを管理することである。

外部提供者には,組織の本社,関連会社,供給者,又は組織がプロセスを外部委託した相手が含まれ得る。 

組織には,(例えば,納入品の検査,外部委託したサービス提供者の監視を通じて)外部から提供される

プロセス,製品及びサービスが要求事項に適合することを確実にする責任がある。 

組織は,次の事項を明確にすることが望ましい。 

a) 外部から提供されるプロセスと相互に関係する内部プロセス,及びこの提供が業務のパフォーマンス

に与える影響 

b) 最終的な製品若しくはサービスの一部を成す,又は製品若しくはサービスの提供に不可欠な,外部か

ら提供される材料,部品若しくはサービス 

c) 組織の業務及びパフォーマンスに与え得る影響に応じて,外部からの提供に対して適用される要求事

項及び特定の管理 

例えば,組織は次の事項を要求してもよいかもしれない。 

− 原材料が技術仕様書に適合すること,及びそれが検査又は試験で検証されること。 

− パートナ会社によって提供される保守活動が,特定の安全設備を使用し,定められた力量を備えた人々

によって遂行されること。 

− 関連会社(組立で用いる構成部品を提供する姉妹工場など)が検証を行うこと。 

組織は,評価,選択,パフォーマンスの監視及び外部提供者の再評価のための基準を決定し,適用する

必要がある。このようなプロセスの実施によって,組織は,外部提供者の現在の能力を明確に理解し,必

要なものの中で何が欠けているか,及びこれらの課題を解決するための解決策を明確にできる。 

親会社又は顧客が,特定の外部提供者の利用を義務付けているような状況下では,これが確立された基

準になり得るが,この種の外部提供者についてもパフォーマンスの監視は必要である。 

8.4.2 

管理の方式及び程度 

この細分箇条の意図は,組織が,提供する製品及びサービスが要求事項を満たしているという確信をも

てるように,外部提供者の管理を確立することである。 

管理の方式及び程度は,外部から提供されるプロセス,製品又はサービスが,要求事項に適合する製品

及びサービスを一貫して提供する組織の能力に与え得る潜在的影響がどのようなものかに基づく。 

例 印刷会社では,紙の品質は非常に重要である可能性があるが,旅行代理店では通常の市販の文房

具を使用し,品質に関係する購買管理は不要かもしれない。印刷会社は,印刷した製品の品質が

期待する水準を維持していることを確実にするため,用紙の供給者のパフォーマンスを非常に注

意深く監視する必要がある。 

組織は,外部提供者によって又は外部提供者に対して実施される管理を決定することが望ましい。これ

らの管理の意図は,製品又はサービスの提供が計画した取決めに従って遂行されること,及び製品又はサ

ービスが要求事項に適合することを確実にすることである。 

組織は,外部提供者が提供し,組織の品質マネジメントシステムの管理下にあるプロセスが,JIS Q 9001

の適用可能な要求事項に適合することを確実にする必要がある。 


31 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

管理の例には次のものが含まれるが,これらに限定されるものではない。 

a) 外部委託したコールセンターにおいて,電話を受け,シフト開始時に情報・通信システムのセットア

ップを担当する人々の資格認定 

b) 提供される製品に関して,資格をもつ検査員が行う受入検査,又は組織の試験室でサンプルを使用し

て行われる試験 

c) ホテルの浴室又はオフィスの化粧室の清掃サービスに関し,計画された清掃が全て実行されたことを

検証するときに使用するチェックリスト 

考慮し得る検証活動には次のものが含まれるが,これらに限定されるものではない。 

− 受入検査(例えば,オフィス供給品の検査は,発注した数量が納品されたことの単なる検証でよいか

もしれない。その場合,従業員が署名した納品明細書に必要な全ての文書化した情報が含まれるかも

しれない。) 

− 分析証明書のレビュー 

− 第二者監査 

− 試験(例えば,組織は,要求事項への適合を検証するために,サンプルロットの検査を選択しても,

何らかの形の試験を行うことを選択してもよい。それらの代わりに,外部提供者から提出された分析

証明書又は試験結果のレビューを行うことは同じように有効であり,より効率的かもしれない。) 

− 統計データの評価 

− パフォーマンス指標の評価 

8.4.3 

外部提供者に対する情報 

この細分箇条の意図は,組織が,組織の業務又は顧客満足への悪影響を防ぐために,外部から提供され

るプロセス,サービス又は製品に関して組織が必要とする要求事項及び管理を外部提供者に明確に伝達す

ることを確実にすることである。 

組織は,要求事項が,漏れがなく,明確で,起こり得る曖昧さ又は混乱の原因の全てに対処したもので

あることを確実にすることが望ましい。双方が必要な事項について合意することが望ましい。発注の時点

で,関連する全ての詳細事項を明記することが不可欠である。例えば,これらの詳細には,図面,カタロ

グ又は型式番号,応答時間,並びに必要な納入日及び納入場所が含まれ得る。 

外部提供者に提出する情報(例えば,発注書)を発行前にチェックすることが望ましい。小規模な組織

では,妥当性の確認を行う人が購入を行う人と同一人物であることがあり得る。このような場合には,単

に電話で注文を読み上げ,確認することができる。 

購買情報では,例えば,特定の溶接技術,特定の校正した機器の使用,従業員のユニフォームなどの,

使用することが望ましいあらゆる方法,プロセス及び機器に関する詳細を示すことが望ましい。この他に

明記する必要がある要因としては,例えば,こん(梱)包,ラベル表示,分析証明書又は試験結果に関係

する事項を挙げることができる。何が必要かを全て記載することは不可欠だが,不必要な詳細は,誤解及

び誤った提供を引き起こし得る。 

この情報では,溶接技術認定者,有資格の弁護士など,外部提供者から派遣される人々に必要な力量に

関する要求事項を明示することが望ましい。 

進捗状況をレビューするための一連の会議を計画すること,又は組織内の誰が主たる連絡窓口になるか

を明確にすることなど,外部提供者が組織と連絡を取る方法に関する要求事項を含めることが望ましい。 

外部提供者のパフォーマンスを監視する必要がある。組織が使用する監視の種類及び頻度を外部提供者

に対する情報に含めることが望ましい。これにより,外部提供者が満たさなければならないパフォーマン


32 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

スのレベルを指定すること,又は組織のパフォーマンス評価の結果がどのように伝達されるかに関する情

報を提供することができる。 

ときには,組織又は組織の顧客が,外部提供者の施設で検証又は妥当性確認を実行する必要が生じるこ

ともあり得る。これは,製品の大きさ,サービスの性質,又は納入の時間的制約に起因して起こり得る。 

例 インテリア業者が,注文したカーテン地を見るために製造業者を訪問する必要が生じることがあ

り得る。また,教育訓練施設で教育訓練を受けている従業員を監視する必要が生じることもあり

得る。 

これらの場合,組織は,検証及び妥当性確認の時期,並びに外部提供者が要求するその他の条件(例え

ば,オフィススペース,事務サポート,試験施設など)など,それらの取決めに関する情報を提供するこ

とが望ましい。 

8.5 

製造及びサービス提供 

8.5.1 

製造及びサービス提供の管理 

この細分箇条の意図は,組織が,不適合なアウトプットが生じる可能性を小さくすることによって,意

図した結果を達成することを確実にする,製品及びサービスの提供に関する管理を確立することである。 

組織は,JIS Q 9001:2015の8.1で定められた基準が満たされることを確実にするために,製品及びサー

ビス提供を管理するための条件を設定することが望ましい。 

組織は,何を管理する必要があるかを決定するとき,(据付け,補償,苦情処理などの)引渡し後の活動

に関する要求事項を含め,製造及びサービス提供のサイクル全体を考慮することが望ましい。JIS Q 

9001:2015の8.5.1のa)〜h)に関しては,次の事項の該当する側面を全て考慮することが望ましい。 

a) 製造する製品,提供するサービス,又は実施する活動の特性を定めた文書化した情報の利用可能性。

組織は,仕様書,作業指示書など,活動又はプロセスに関与する者が理解することができ,製品及び

サービスが規定された要求事項に適合することを確実にするために役立つ文書化した情報を提供する

ことが望ましい(JIS Q 9001は,組織に,力量を備えた操作員が知っておくべき詳細を全て含む文書

化した情報を作成することを要求してはいない。)。 

例1 教育訓練を受けたフォークリフトの運転手に対して,フォークリフトの操作方法を説明する

ことは一般に不要だが,積み重ね方,取扱いの制限事項及び日常の保守を詳述するための作

業指示書は必要かもしれない。 

b) 必要とする監視及び測定のための資源。資源としては,特定の測定を行うために校正し,識別した測

定機器,又はサービス提供において使用する所定の方法があり得る。 

c) 所定の段階における製品の検査,顧客からのサービスコールの監視など,アウトプットが製品又はサ

ービスの要求事項を満たすことを確実にするために必要な監視活動及び測定活動 

d) インフラストラクチャ(JIS Q 9001:2015の7.1.3参照),又はプロセス環境(JIS Q 9001:2015の7.1.4

参照)に関して必要となる基準 

e) 非破壊検査官,医師免許などの必要な資格の考慮を含め,作業を行う人々の力量(JIS Q 9001:2015の

7.2参照)を確実にする必要性 

f) 

以降の監視又は測定によってアウトプットの検証ができない場合に,プロセスの妥当性確認を行うこ

とを確実にすること(妥当性確認は,客観的証拠を提示することによって,特定の意図した用途又は

適用に関する要求事項が満たされていることを確認することである。)。以降の検査を通じて,結果と

して生じたアウトプットを検証できないプロセスの例には,特定の種類の表面処理,緊急時対応,水

上での不時着などの不測時の処置が含まれ得る。 


33 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

g) 組織は,ヒューマンエラーを防止するために次のような処置をとることが望ましい。 

過度な労働時間を制限する。適切な労働環境を促進するための十分な対策を実施する。十分な教育

訓練及び指示を与える。プロセスを自動化する。重要な情報は,二重の電子的入力を義務付ける。不

正確な機械加工を防止するための装置を利用できるようにする。人々の注意が散漫にならないように

する(個人用携帯電子機器など)。ジョブローテーション。提出の前に情報が全てそろっていることの

確認を義務付ける。 

h) リリース,顧客への引渡し,及び引渡し後の活動に対する管理の実施。これは組織によって異なるが,

一般に,最終検査,保守又は保証などの処置を含む。 

例2 スポット溶接機は,電極の状態を定期的に保守しない限り,良好な溶接部の形成を継続でき

ない。 

8.5.2 

識別及びトレーサビリティ 

この細分箇条の意図は,組織が,製造及びサービス提供のプロセス全体にわたって,起こり得る不適合

なアウトプットに影響され得るプロセス,製品又はサービスを明確にできるように,識別及びトレーサビ

リティを活用することを確実にすることである。組織は,製品又はサービスの性質に応じて,アウトプッ

トの識別のための様々な方法を用いることが望ましい。識別の方法の選択に当たって,組織は次の事項を

考慮することが望ましい。 

a) (例えば,航空宇宙産業又は食品産業における)法令・規制要求事項など,アウトプットの識別がな

ぜ必要なのか。 

b) プロセスのどの段階で識別がなされるのか。どのようになされるのか。 

識別及びトレーサビリティを導入する理由は様々である。 

例1 衣料品産業においては,色の不一致の問題を防ぐため,一般に染めロットが同じ素材を1バッ

チとして加工する。宅配サービスでは,配達の約束事及びスケジュールを守るために,集荷し

て配達した荷物の経過を追うことが必要である。製造においては,全ての原材料が無鉛である

こと,又は構成部品を出所まで遡れることを確実にする必要が生じることがあり得る。 

一部の産業では,識別及びトレーサビリティが,規制又は契約によって指定要求事項になっている。 

例2 圧力容器製造においては,全製造段階を通じて,所与の材料の識別を記録・追跡することが一

般的である。これは,最終構成要素を原材料まで遡ることができるようにするためである。 

識別方法は,例えば,次のように,アウトプットの性質によって異なる。 

− 契約又は発注書の識別には,コード,タイトル又はこれらの組合せを使用することができる。 

− 製品の物理的部分に表示する部品番号,又は消えないマーク若しくは外れないラベル 

− ホテルでのクリーニングなど,サービス提供を示す,目に見える物理的な表示 

− 電子的な文書化した情報のファイル命名システム 

アウトプットの追跡を可能にするための要求事項が存在する場合,組織は,識別したプロセスのアウト

プットに関する,関連する文書化した情報を保持し,利用可能であることを確実にすることが望ましい。

例えば,製品リコールの場合,測定機器の校正結果が許容範囲を逸脱している場合(JIS Q 9001:2015の

7.1.5.2参照),プロセス,製品及びサービスの不適合を調査する場合,又は法令若しくは規制によって要

求される場合(例えば,病院において特定の規制医薬品を誰が投与したかなど)には,これが必要となる

かもしれない。 

ISO 10007は,コンフィギュレーション管理に関して更に詳しい助言を与えている。 


34 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

8.5.3 

顧客又は外部提供者の所有物 

この細分箇条の意図は,組織の所有物ではないが組織の管理下にある所有物の保護を確実にすることで

ある。 

顧客の所有物は,製品の製造又はサービスの提供において組み込まれる,又は使用される所有物である。

外部提供者の所有物は,ある目的で使用するために組織に提供される所有物[例えば,こん(梱)包に使

用される設備又は個人データ]である。 

所有物は,有形の場合と無形の場合とがある(例えば,材料,道具,顧客の施設,知的財産又は個人デ

ータ)。 

例1 顧客が,製品の製造又はサービスの提供に使用する材料,設備,知識又はデータを提供し得る

事例には,次のものが含まれる。 

− 測定を目的として提供される機器 

− サービス又は修理のために置いている車両 

− プリント基板に配置するための構成部品 

− 最終製品のための特殊な包装 

− 修理のために預かっている家電機器(例えば,洗濯機) 

− クレジットカード会社に提出された,又はインターネットでの買い物のために提出された

財務データ及び個人データ 

これを保護するために組織がとることが望ましい処置は,所有物の種類によって異なる。 

所有物の所有者を明確に識別し,必要に応じて組織内に周知させることが望ましい。これは,製品上の

識別によって,又は顧客の所有物を分離された場所に保管すること,若しくは知的財産へのアクセスを制

限することによって行うことができる。 

例2 顧客の知的財産又は個人データを保護するために組織が採用してもよいかもしれない手段の例

には,次のものが含まれる。 

− 製品図面,特許情報,パフォーマンス及び売上の数字を含む顧客の知的データを保存する

ための特定の場所又はファイル 

− コンピュータファイルのパスワード保護 

− プロジェクト終了時に顧客の仕様書及びデータを削除することを義務付ける手順 

− 情報へのアクセスを,教育訓練を受けた特定の者に限定すること 

組織が所有物を管理するときには,所有物の検証が重要である(例えば,状態又は物理的状況,個人デ

ータの正確性)。この検証は,顧客又は外部提供者の要求事項によって異なる。 

この細分箇条において,文書化した情報を要求する意図は,所有物が紛失した,損傷した,又はその他

の形で使用に適さないか若しくは使用できない状態であることが判明した場合に,顧客又は外部提供者へ

の正確な情報提供を行うことを確実にするために,関連する情報が使用可能であることを確実にすること

である。 

8.5.4 

保存 

この細分箇条の意図は,アウトプット,並びに製品及びサービスを,製造及びサービス提供中の全段階

において保存することを確実にすることである。 

組織は,劣化又は低下し,製品又はサービスの適合に影響を及ぼし得るアウトプットを明確にし,適切

な方法で保存することが望ましい。 

例えば, 


35 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

a) サービス産業においては,次のような保存の必要性があり得る。 

− レストランでは,提供できる準備が整うまで,食事を適切な温度に保つ。 

− 情報通信技術会社が,定期的なバックアップ及びウィルス保護によって,データの完全性を保つこ

とを確実にする。 

− ワクチンの有効期間及び保存状態を守る。 

− 学業試験の問題用紙が漏れないことを確実にする。 

− 病院の手術室を“クリーニング”する。 

b) 製造部門では,最終製品の倉庫において,温度,使用期限,静電放電,粉じん(塵),包装などの事柄

を管理することで,保管,取扱い,輸送などの,特定の段階又はプロセスのためのアウトプットの完

全性,識別又はセキュリティを確実にするために,保存方法を使用することができる。 

業務の性質によっては,(例えば,製造又は組立のために)最終製品に組み込む部品若しくは構成要素の

ための保存方法,又は(例えば,家庭用パソコンを顧客に引き渡した後の技術サポートのために必要なデ

ータなど)サービスの提供に不可欠な設備若しくは情報のための保存方法を決定することが必要になるこ

とがあり得る。 

取扱いの問題が製品又はサービスの品質に影響を及ぼし得る分野は多数存在する。 

例1 次の分野で幾つかの例が挙げられる。 

− 多くの銅系金属[例えば,銅,真ちゅう(鍮),青銅]は,指跡によって腐食しやすい。 

− 液体を運ぶタンカーは,異なる液体を充塡する前に清掃又は浄化する必要がある。 

− 医学標本は,感染を防ぐため,特殊な機器を使って取り扱う必要がある。 

保管に関する要求事項は,業界によって異なる。 

例2 保管条件の例には,食品の冷蔵又は磁気メディア(例えば,ビデオテープ,音声テープ,コン

ピュータディスク)の非磁気環境での保管が含まれる。 

8.5.5 

引渡し後の活動 

この細分箇条の意図は,組織が,引渡しによって組織の責任が必ずしも終了するわけではないことを認

識し,製品又はサービスを引き渡した後も,関連する要求事項を満たすことを確実にすることである。組

織が引渡し後の活動を決定するときには,既知の要求事項(例えば,法令・規制要求事項,顧客要求事項)

を考慮するとともに,製品又はサービスが期待したとおりに機能せず,更なる処置が必要になる可能性を

考慮することが望ましい。組織が,起こり得る,明確に示した引渡し後の活動を考慮しなければ,顧客の

不満又は潜在的機会の喪失に関するリスクが増す。 

引渡し後の活動の例には,次のものが含まれ得る。 

a) 顧客が製品又はサービスに満足しているかどうかを明らかにするための,顧客との積極的な関わり 

b) 現場での設備の据付け及び顧客の古い設備の処分 

c) 補償,技術サポートなどの,契約上の取決め 

d) 例えば,航空便の状況,よくある質問(FAQ)などの,製品又はサービスの引渡しに関するオンライ

ン情報への,顧客によるアクセス 

e) 製品の認証 

f) 

電話で技術サポートサービスを提供するコンピュータ小売業者 

8.5.6 

変更の管理 

この細分箇条の意図は,組織が,品質マネジメントシステムの計画中に決定した規定に沿って,製造及

びサービス提供の過程で発生した変更のレビュー及び管理を行うことを確実にすることである(JIS Q 


36 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

9001:2015の6.3参照)。これらの変更に取り組むために決定した処置は,アウトプット,製品及びサービ

スが,適用する要求事項に引き続き適合することを確実にすることに焦点を合わせることが望ましい。 

この細分箇条は,製造及びサービス提供中に発生し,要求事項への適合に影響を及ぼす変更を取り扱っ

ている。組織は,これらの変更を管理し,とった処置,及びJIS Q 9001:2015の8.5.1に従って実施される

管理への影響をレビューすることで,製造及びサービス提供の完全性を保持することを確実にすることが

望ましい。 

提案された変更は,運用の全段階で導入する前に検証することが望ましい。 

変更の理由は,多様であり得る。例えば,変更の必要性は,外部提供者(例えば,引渡しの遅延,品質

の問題),内部の課題(例えば,重要な設備の故障,再発する不適合なアウトプット),又は外部の課題(例

えば,新たな若しくは変更された顧客要求事項若しくは法令・規制要求事項)がきっかけで生じ得る。 

ときには,変更実施の結果が,設計・開発活動へのインプットになることもあり得る(JIS Q 9001:2015

の8.3.1及び8.3.6を参照。)。 

組織は,保持すべき文書化した情報,及び保持の形式を決定することが望ましい。例としては,次のも

のが含まれる。 

a) レビュー活動の記録 

b) 検証及び妥当性確認の結果 

c) 変更の記述 

d) 変更を許可した人(人々)(必要に応じて顧客を考慮)の詳細 

8.6 

製品及びサービスのリリース 

この細分箇条の意図は,顧客に引き渡す前に,製品及びサービスが,適用する全ての要求事項に適合す

ることを確実にすることである(JIS Q 9001:2015の8.1参照)。 

計画した取決めが守られていない場合,組織は,関係する権限者の承認を得ることが望ましい。ときに

は,顧客がこの権限者になり得る。組織は,顧客の承認を要するような状況に関して,基準を確立するこ

とを考慮することが望ましい。このような場合は,不適合なアウトプットに関する要求事項を適用するこ

とができる(JIS Q 9001:2015の8.7参照)。 

製品又はサービスの最終的なリリースを許可する人(人々)は,例えば職務記述書又は権限レベルによ

って適切に定めていることが望ましい。また,後から追跡できることが望ましい。これは,例えば次に示

すような,文書化した情報の保持を通じて達成し得る。 

a) 許可した人が署名する。 

b) 特定の基準が満たされた時点での,製品の自動的なリリースに関する包括的許可を詳述する(例えば,

オンライン販売における自動電子支払いの許可)。 

8.7 

不適合なアウトプットの管理 

8.7.1 

この細分箇条の意図は,(製造及びサービス提供の全段階で)意図しない引渡し,又は不適合なア

ウトプットの使用を防止することである。 

不適合なアウトプットが明確になった場合,組織は,製品及びサービスの適合への影響に基づいて適切

な処置をとることが望ましい。処置は,不適合なアウトプットの性質によって異なる。例えば,安全性又

は機能性に関する問題が明確になった場合には顧客に通知するが,製造中に明確になった軽微な問題は引

渡しの前に修正することができる。 

不適合なアウトプットを処理する方法は,次のように様々なものがある。組織は,JIS Q 9001:2015の8.7.1

のa)〜d)に関して,次の方法のうち二つ以上を適用するアプローチを使用してもよいかもしれない。 


37 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

a) 修理若しくは手直しによって,又は例えば,レストランの場合は,間違った料理を調理したことを明

確にし,提供する前に正しい料理を作り直すことによって,不適合を修正する。 

b) 製品及びサービスの分離,散逸防止,返却又は提供停止。組織は,不適合なアウトプットを不注意で

顧客に提供することを防止するため,当該の製品及びサービスを明確に識別することを確実にするの

が望ましい。これには,ある種の物理的なラベル又は場所が含まれ得る。 

c) 不適合なアウトプットの重大度又は顧客の要求事項に基づいて顧客に通知する。これによって,不適

合なアウトプットを既に引き渡している場合に顧客が処置をとることができ,又は必要な処置につい

て組織に指示を与えることができる。顧客に対する処置の例には,次のものが含まれる。 

− リコール(例えば,医薬品の誤った配合などの安全性の問題を理由として) 

− (例えば,品質保持期限に関する誤った食品表示,カタログの誤った価格表示,又は表示どおりの

サービスを提供できないことを理由とする)影響を受けた製品又はサービスの一時停止又は取消し 

− 再加工 

− 不適合の解消,又は合意した,許容可能なレベルへの低減 

− 不適合をプロセスから完全に除去する。 

d) ときには,特別採用の下で正式な許可を得ることが必要となることがあり得る(こうした特別採用は,

エンジニア,監督などの組織内の権限者又は顧客が認めることができる。)。このような管理が不可能

であり,不適合の性質に依存する場合は,顧客との間で合意の上,不適合な製品又はサービスの使用

を許可することもあり得る[このような状況では,適切な人(人々),又は適切な場合は顧客が許可を

与えることが望ましい。]。 

不適合なアウトプットを検出後に修正した場合は,検証することが望ましい。修正後の製品の検査,又

はサービス提供プロセスに修正を加えた後のパフォーマンスの検証がこれに含まれ得る。 

顧客に直接関係するサービス提供プロセスの場合,サービス提供中又はサービス提供直後だけにおいて

不適合なアウトプットが検出されることもある。例えば,サービスを再度提供する,意図しない結果を修

正する,又は顧客に補償するなどによって,適切な処置をとるという要求事項の意図は,この場合にも当

てはまる。事例としては,航空機が遅延した結果として,出発できるまで,又は乗客が別の便を予約し直

すまで支援し,食事及び/又は宿泊施設を提供する航空会社が挙げられるだろう。 

更なる処置(例えば,苦情に回答する,再発を防止する。)が必要な場合には,是正処置に関する要求事

項を適用することが望ましい(JIS Q 9001:2015の10.2参照)。 

8.7.2 

この細分箇条の意図は,組織が次の事項に関する文書化した情報を保持することを確実にすること

である。 

a) 製造及びサービス提供の全段階における不適合なアウトプット 

b) 不適合を修正するための処置 

c) 不適合の製品又はサービスのリリースを承認した責任を負う人々 

文書化した情報の保持は,プロセスの改善及び最適化,将来の使用を目的とした,修正した作業指示書・

プロセス・手順の詳細化,並びに組織の内部及び外部の両方の関係者への情報伝達を確実にするために役

立ち得る(JIS Q 9001:2015の8.2.1参照)。この文書化した情報は,不適合の傾向を分析するための基礎と

しても使用できる。 

組織は,保持する文書化した情報に,不適合の詳細,不適合の修正,緩和又は伝達のためにとった処置,

取得した特別採用(例えば,不適合でも製品又はサービスを使用できる旨の顧客との合意),及び処置の実

施を許可した人を含めることを確実にすることが望ましい。 


38 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

文書化した情報の例には,次のものが含まれ得る。 

− 不適合なアウトプットに関する情報を含むデータベース 

− 製品とともに保持する記入済みフォーム 

− 製品及びサービスの提供に関する情報を保管する製造システム 

− モバイルアプリケーション 

 

パフォーマンス評価 

9.1 

監視,測定,分析及び評価 

9.1.1 

一般 

この細分箇条の意図は,組織が,意図した結果が達成されたかどうかを明確にできるようにするために,

監視,測定,分析及び評価を行うことを確実にすることである。 

JIS Q 9001は,組織に,品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性を分析及び評価するた

めに,監視及び測定が必要な対象,並びに用いる方法を決定することを要求している。品質マネジメント

システムのパフォーマンス及び有効性を検討するときに,“パフォーマンス”は組織の測定可能な結果であ

り,“有効性”は計画した活動を実行し,計画した結果を達成した程度である。 

組織は,監視及び/又は測定が必要な対象を決定するとき,品質マネジメントシステム及びそのプロセ

スの確立(JIS Q 9001:2015の4.4参照),品質目標(JIS Q 9001:2015の6.2.1参照),運用の計画及び管理

(JIS Q 9001:2015の8.1参照),顧客満足(JIS Q 9001:2015の9.1.2参照),分析及び評価(JIS Q 9001:2015

の9.1.3参照),内部監査(JIS Q 9001:2015の9.2参照),マネジメントレビュー(JIS Q 9001:2015の9.3

参照)などの,他の箇条で要求される処置を考慮することが望ましい。その上で,組織は,監視,測定,

分析及び評価の実施方法,並びに必要な資源(JIS Q 9001:2015の7.1.5参照)を決定することが望ましい。 

組織は,監視,測定,分析及び評価の結果の証拠として,どの文書化した情報を保持する必要があるの

かについても決定することが望ましい。この文書化した情報は,マネジメントレビューに関する文書化し

た情報など,他のJIS Q 9001の箇条で要求する文書化した情報と同じである。 

9.1.2 

顧客満足 

この細分箇条の意図は,顧客からのフィードバックの監視に集中し,顧客満足を評価し,改善の機会を

明確にすることである。この細分箇条は,組織の製品及びサービスを顧客がどのように受け止めているの

か,並びにニーズ及び期待が満たされているのかを理解するためのアプローチを与えている。 

組織は,顧客の種類に基づいて,様々な情報入手法を考慮することが望ましい(例えば,調査,組織対

組織,組織対顧客,公共サービス,政府,電子商取引)。組織は,業務の性質によって使用したい方法を決

定する必要がある。これらの方法には次のものが含まれ得るが,これらに限定されるものではない。 

a) 意見調査 

b) 顧客とのコミュニケーション(JIS Q 9001:2015の8.2.1参照) 

c) 引き渡した製品又はサービスの品質に関する,顧客から得られたデータ 

d) 市場シェアの分析 

e) 賛辞 

f) 

苦情 

g) 補償請求 

h) ディーラ報告 

i) 

ウェブサイト,掲示板などのソーシャルメディア 


39 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

j) 

請求書照会 

k) 新聞,雑誌などの公表情報 

組織は,顧客満足に関するフィードバックを求めたい顧客及び情報の監視方法を決定することが望まし

い。組織は,取引完了時に全ての顧客にフィードバックを要求するか,又は目標販売数,繰り返し注文す

る顧客,若しくは新規顧客に基づく代表サンプルを使用するかを選択することができる。これは,継続的

に行うことも,組織が定める特定の頻度で行うことも可能である。 

組織は,結果の分析及び評価を行った上で顧客満足度を確定し,この情報に基づいて処置をとることが

できるのが望ましい。この情報をマネジメントレビューへのインプットとし,顧客満足を改善するための

処置が必要かどうかを決定するために使用することが望ましい。 

9.1.3 

分析及び評価 

この細分箇条の意図は,組織が,プロセス,製品及びサービスが要求事項を満たしているかどうかを明

確にし,必要な処置及び改善の機会を決定するために,監視及び測定の結果から得られたデータ及び情報

を分析し,評価することである。 

組織は,レビューすべき適切なデータを決定することが望ましい。データの選択は,品質マネジメント

システムのパフォーマンス及び有効性を評価し,改善の必要性を明確にするための分析及び評価の結果を

確立できることを確実にするものであることが望ましい。 

データ入手先の例には次のものが含まれ得るが,これらに限定されるものではない。 

a) 製品:歩留まり,特定の要求事項への適合(例えば,顧客要求事項,法令・規制要求事項),不適合率

[例えば,百万分率(PPM)],スクラップ及び手直し,納期遵守,注文の履行 

b) サービスのパフォーマンス:待ち時間,顧客の課題の解決に関する指標,アクセスのしやすさ,清潔

さ,維持管理,親切さ 

c) 顧客の受止め方の監視から得られた結果 

d) 計画(例えば,予算,時期)に対するプロジェクトの進捗 

e) リスク及び機会に関する取組み項目のレビュー(例えば,会議の議事録) 

f) 

外部提供者の納期遵守及び品質(例えば,不合格品) 

g) 品質目標の状況 

組織は,改善すべき領域の明確化に役立つデータの分析及び評価をどのくらいの頻度で行うかを検討す

ることが望ましい。これは,組織が情報を電子的に検索できるか,データを手作業で準備するかによって

異なり得る。組織は,方法及びデータの品質(例えば,母集団を代表している,偏りがない,漏れがない,

正確である,有用である)が経営上の決定に役立つ有益な情報を提供することを確実にすることが望まし

い。統計的手法は,分析及び評価のプロセスで有益な道具になり得る。 

分析及び評価からのアウトプットは,しばしば,傾向分析又は報告書,バランススコアカード,ダッシ

ュボードなどの文書化した情報の形をとり,マネジメントレビュー又はアウトプットを検討する会議への

インプットになる。このような理由から,アウトプットは,品質マネジメントシステムを改善するための

処置が必要か否かの決定を下せるような形式にすることが望ましい。分析及び評価は,しばしばマネジメ

ントレビューに関連付けられるが,組織は情報の評価及び分析に適した頻度を決定することが望ましい。

また,組織によっては,毎日の会議などを通じて,より高い頻度でこの分析を行うことを選択し得る。 

9.2 

内部監査 

9.2.1 

この細分箇条の意図は,計画した取決めを遂行していること,及び品質マネジメントシステムを有

効に実施し,維持することを確実にするために,内部監査を通じて,公平な見地から,品質マネジメント


40 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

システムのパフォーマンス及び有効性に関する情報を入手することである。 

内部監査は,品質マネジメントシステムがJIS Q 9001の要求事項及び組織の要求事項に適合するか否か

を明確にするために用いることができる。監査方法には,プロセスを直接観察する,関係者を面談する,

及び文書化した情報(内部手順,図面,仕様書,標準,顧客要求事項,法令・規制要求事項,企業マネジ

メントシステムなど)を検証することを含めるのが望ましい。組織は,品質マネジメントシステムが,JIS 

Q 9001の適用する全ての要求事項に適合することを確実にするよう常に努めることが望ましいが,毎回の

監査でJIS Q 9001の全ての箇条,又は品質マネジメントシステムの全てのプロセスを評価することは要求

されていない。 

9.2.2 

この細分箇条の意図は,組織が,監査プログラムを確立し,実施し,維持することを確実にするこ

とである。組織が複数の事業所をもつような場合には,それぞれの特定の事業所に対する監査プログラム

を確立することができる。監査プログラムは,1回又は2回以上の監査を,特定の期間について計画する

ための取決めを定めたものであり,品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性を確実にする

ことを目指すことが望ましい。 

監査プログラムでは,組織が監査を実施する頻度を示すことが望ましい(例えば,毎月,四半期ごと,

毎年,又は年間を通じて地域若しくはプロセスによって異なるスケジュールに従って)。組織が頻度を決定

するときには,リスクに基づく考え方を取り入れ,プロセスを実行する頻度,そのプロセスの成熟度又は

複雑さ,プロセスの変更,及び監査プログラムの目標を考慮することが望ましい。例えば,成熟度の高い

プロセスには,あまり頻繁な内部監査は必要なさそうであるが,より複雑なプロセスには,より頻繁な内

部監査が必要となり得る。監査を計画するときに考慮すべきインプットのリストには,次の事項が含まれ

るが,これらに限定されるものではない。 

a) プロセスの重要性 

b) 経営上の優先順位 

c) プロセスのパフォーマンス 

d) 組織に影響を及ぼす変更 

e) 過去の監査の結果(例えば,問題の履歴) 

f) 

顧客からの苦情の傾向 

g) 法令・規制に関する課題 

組織の内部監査プログラムでは,監査で使用する方式も定めることが望ましい。これらの方式には,面

談,観察,サンプリング及び情報レビューを含めることができる。組織は,ベストプラクティスとして,

JIS Q 9001の特定の箇条ごとではなく,組織の品質マネジメントシステムの要求事項に従って,プロジェ

クト又はプロセスごとに監査を計画し,実行することが望ましい。 

組織は,監査を実施する人員を割り当てるときに,監査プロセスの客観性及び公平性を確実にすること

が望ましい。ときには,特に小規模な組織,又は特別な職務知識が必要な組織の領域においては,監査員

が自分の業務を監査する必要が生じることがあり得る。このような場合,組織は,結果の公平性を確実に

するため,内部監査員に同僚と組んで業務を行わせるか,又は結果を同僚若しくは上司にレビューさせて

もよいかもしれない。また,組織は大学,外部監査員,又は別の組織などの外部提供者から資源を入手す

ることを考慮することもできる。 

例 配管工及び電気技師は互いに監査を行うこと,又は互いに助け合うことができる。また,清掃会

社は,その特定の作業に直接関与していない管理スタッフに清掃プロセスの監査を求めることが

できる。 


41 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

組織は,この計画活動の一環として,内部監査の基準及び適用範囲を決定することが望ましい。監査基

準は,特定の標準又は要求事項によって定めることができる。また,監査範囲には,特定の部署,製品ラ

イン,プロセス又は施設を含めることができる。組織が,類似する要求事項をもつ複数のマネジメントシ

ステム規格に対応するマネジメントシステムを実施している場合には,余分な作業を減らすために,(例え

ば,マネジメントシステムを統合又は合体して)複合監査を実施することが有益となり得る。この情報は,

一般に監査計画(すなわち,特定の監査を実施するための詳細な計画)において示される。 

内部監査が終了した後で,関連する管理者に結果を報告することが望ましい。これらの結果に基づき,

適切な修正及び是正処置が必要となり得る。組織は,不適合の重大度などの要因に基づいて,是正処置が

必要な時期についての基準を定めることを選択できる。一般に,組織は,是正処置を遅滞なく効果的に実

施することを確実にするために,不適合に対応し,これらを修正し,是正処置をとる期限を定める。 

内部監査において,価値を高めるために,要求事項を満たしているが,品質マネジメントシステムにお

いては潜在的な弱点になるかもしれない状態を観察することができる。一方,他の内部監査で得た経験,

及び他のプロセス又は場所で観察した実践に基づいて,改善の機会が明らかになることもある。このよう

な場合,組織が監査報告書にこの情報を含めれば,改善のための処置を開始することが妥当か否かを決定

するための情報を管理者に提供することができる。 

組織は,監査プログラムを実施した証拠及び監査結果を提供するために,文書化した情報を保持するこ

とが求められる。監査結果の例には,監査報告書,実行した修正又は是正処置(例えば,教育訓練,文書

化した情報の更新)の証拠が含まれ得る。内部監査の結果は,マネジメントレビューへのインプットとし

て必要である。 

9.3 

マネジメントレビュー 

9.3.1 

一般 

この細分箇条の意図は,トップマネジメントがマネジメントレビューを実施することを確実にすること

である。マネジメントレビューは,トップマネジメントが組織の戦略的方向性に沿って実施することが望

ましい活動である。その目的は,品質マネジメントシステムが次の条件を満たすかどうかを明確にするた

めに,品質マネジメントシステムのパフォーマンスに関する情報をレビューすることである。 

a) 適切である − マネジメントシステムは,現在もその目的に合致しているか。 

b) 妥当である − マネジメントシステムは,現在も十分か。 

c) 有効である − マネジメントシステムは,現在も意図した結果を達成しているか。 

マネジメントレビューは,計画した間隔で行うことが望ましい。間隔は,毎日,毎週,毎月,四半期ご

と,半年ごと,又は毎年にすることができる。一部のマネジメントレビュー活動を,トップマネジメント

に結果を開示することを前提に,組織の様々な階層で実施してもよい。マネジメントレビューへの全ての

インプットに一度に取り組むことは求められておらず,代わりに順序立てられた複数回のマネジメントレ

ビューを通して取り組んでもよい。組織は,JIS Q 9001のマネジメントレビューに関する要求事項を全て

満たすことを確実にする方法に取り組むことが望ましい。組織は,マネジメントレビューを独立の活動と

して実施しても,関連する活動(例えば,会議,報告)の組合せの中で実施してもよい。 

価値を高め,冗長な幾つもの会議を避けるために,マネジメントレビューの時期は,他の事業活動(例

えば,戦略的計画,事業計画,年次会議,運営会議,その他のマネジメントシステム規格レビュー)に合

わせて計画することができる。 

例 ある旅行代理店は,予算編成に必要なインプットを全て取得し,品質目標を代理店の戦略的方向

性に沿わせることを確実にするために,半年ごとの戦略会議の前日にマネジメントレビューを行


42 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

うことを決定した。 

9.3.2 

マネジメントレビューへのインプット 

この細分箇条の意図は,組織が品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性を評価するとき

に考慮する必要があるインプットを確立することである。 

マネジメントレビューへのインプットは,JIS Q 9001の他の箇条の要求事項に直接関係している。これ

には,データの分析及び評価(JIS Q 9001:2015の9.1.3参照)が含まれる。品質マネジメントシステムに

関する決定を下し,処置をとるために,これらのインプットを使用して傾向を明確にすることが望ましい。

JIS Q 9001:2015の9.3.2のa)〜f)に関しては,次のようなマネジメントレビューへのインプットを考慮す

ることが望ましい。 

a) 前回までのマネジメントレビューの結果,とった処置の状況 

b) 外部及び内部の課題の変化(JIS Q 9001:2015の4.1参照) 

c) 品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有効性に関する情報 

1) 顧客満足(JIS Q 9001:2015の9.1.2参照),及びその他の密接に関連する利害関係者からのフィード

バック(JIS Q 9001:2015の4.2参照) 

2) 品質目標を満たしている程度(JIS Q 9001:2015の6.2参照) 

3) プロセスのパフォーマンス,並びに製品及びサービスの適合(JIS Q 9001:2015の4.4及び8.6参照) 

4) 不適合及び是正処置(JIS Q 9001:2015の10.2参照) 

5) 監視及び測定の結果(JIS Q 9001:2015の9.1.1参照) 

6) 必要に応じて,内部監査(JIS Q 9001:2015の9.2参照),顧客による監査,又は規制機関若しくは認

証機関の監査の結果を含む監査結果 

7) 外部提供者のパフォーマンス(JIS Q 9001:2015の8.4参照) 

d) 資源の妥当性(JIS Q 9001:2015の7.1参照) 

e) リスク及び機会への取組みの有効性(JIS Q 9001:2015の6.1参照) 

f) 

改善の機会(JIS Q 9001:2015の9.1.3参照) 

組織は,組織が意図した結果を現在達成しているかどうか,また将来も引き続き達成できるかどうかを

明確にするために,(新製品導入,財務業績,新規事業の機会,又は製品を使用する,若しくはサービスを

提供する現場若しくは市場からの,問題若しくは機会に関する関連情報などの)追加的な項目をマネジメ

ントレビューに含めることができる。情報の監視及びレビューに関するJIS Q 9001の他の要求事項(JIS Q 

9001:2015の4.1,4.2など)を含むようにマネジメントレビューを拡大することもできる。 

9.3.3 

マネジメントレビューからのアウトプット 

この細分箇条の意図は,マネジメントレビューが,品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び有

効性に関するアウトプット及び情報,並びに必要な決定及び処置に関するアウトプット及び情報を提供す

ることを確実にすることである。 

マネジメントレビューからのアウトプットには,改善の機会(JIS Q 9001:2015の10.1参照),品質マネ

ジメントシステムに必要な変更(JIS Q 9001:2015の6.3参照),及び資源の必要性(JIS Q 9001:2015の7.1

参照)に関わる決定及び処置を含めることが望ましい。マネジメントレビューにおいて特定した処置の状

況を,次回のマネジメントレビュー活動へのインプットとして含めることが望ましい。監視は,処置が遅

滞なくとられることを確実するために役立ち得る。 

組織は,マネジメントレビューの結果の証拠として,文書化した情報を保持することが望ましい。文書

化した情報の例には,説明資料,会議の議事録及び報告書が含まれる。 


43 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

10 改善 

10.1 一般 

この細分箇条の意図は,組織が,意図した結果を達成し,顧客満足を向上するために,改善の機会を明

確にし,処置を計画し,かつ,実際に実行することを確実にすることである。改善は,組織が製品及びサ

ービスを改善し,望ましくない影響を修正又は防止し,品質マネジメントシステムのパフォーマンス及び

有効性を改善することによって,顧客の要求事項及び期待を常に満たし続ける上で役立ち得る。 

改善の実施には,次のように様々な方法がある。 

a) 不適合の再発を防止するための処置の実施 

b) 既存のプロセス,製品又はサービスに対して継続して行う小さな改善活動 

c) 既存のプロセスの大幅な変更,新規のプロセス,製品若しくはサービスの開発・実施,又は既存概念

を打ち砕く新技術若しくは革新の導入につながり得るプロジェクト 

是正処置に関する要求事項(JIS Q 9001:2015の10.2参照)は,不適合の再発を防止するため,その原因

を明確にし,除去するために役立つ。 

継続的改善(JIS Q 9001:2015の10.3参照)は,パフォーマンスを高め,好ましい便益の達成を意図した,

合意された解決策を実施するために,行うことが望ましい。 

改善のための処置は,品質マネジメントシステムだけでなく,プロセス,製品及びサービスにおいても

実施できる。 

10.2 不適合及び是正処置 

10.2.1 この細分箇条の意図は,組織が不適合を管理し,是正処置を適切に実施することを確実にすること

である。 

組織は,不適合が発生した場合[苦情に起因する不適合,特定された不適合なアウトプット(JIS Q 

9001:2015の8.7参照)に起因するもの,外部提供者若しくはその他の密接に関連する利害関係者から起こ

った問題,監査結果,又は意図しない変更の影響を含む。],何が悪かったのかを調査し,可能であればそ

れを是正し,将来的に似たような問題が再発しないような処置をとることが望ましい。組織は,次の事項

に悪影響を及ぼし得る問題の原因及び問題が結果として引き起こす影響を永久的に除去することを目指す

のが望ましい。 

a) 組織の業績 

b) 組織の製品,サービス,プロセス又は品質マネジメントシステム 

c) 顧客の満足 

不適合が起こり得る発生源及び不適合の種類には,次のものが含まれるが,これらに限定されるもので

はない。 

− 内部監査又は外部監査の所見(JIS Q 9001:2015の9.2参照) 

− 監視及び測定の結果(例えば,検査,製品又はサービスの欠陥) 

− 不適合なアウトプット(JIS Q 9001:2015の8.7参照) 

− 顧客の苦情 

− 法令・規制要求事項への不適合 

− 外部提供者の問題(例えば,納期遵守,受入検査) 

− 従業員が発見した問題(例えば,投書箱を通じて) 

− 上司若しくは責任者,又はプロセス巡視者による観察 

− 補償請求 


44 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

組織は,不適合を管理又は修正するための処置をとることが望ましい。これは,調査を継続する一方で,

問題の拡大を防止することによって達成できる。例えば,組織は,顧客又は外部提供者に不適合を知らせ,

引き渡した製品又は提供したサービスへの潜在的影響又は実際の影響に関する情報を提供するために,連

絡する必要があるかもしれない。 

組織は,不適合に関して必要な処置を評価するとき,不適合の原因が除去できない場合があるかもしれ

ないと考えることができる。そのため,組織は,その不適合が再発した場合にはそれを検出し,影響を最

小限に抑えることができる処置の実施を検討することが望ましい。 

組織は,不適合の原因,及び不適合が他の場所に存在するか否か,再発の可能性が高いか否か,又は別

のプロセス及び/若しくは組織の一部で発生する可能性があるか否かを明確にするために,不適合をレビ

ューし,分析することが望ましい。組織は,不適合の引き起こし得る影響に基づいて,とる必要がある処

置の程度を決定することが望ましい。組織は,このレビューに基づいて必要な全ての処置を実施すること

が望ましい。これは,根本原因の分析,8ステップの問題解決法(8Ds),5-why法,FMEA,原因・結果分

析図などの様々な方法を用いることで達成できるが,これらに限定されるものではない。 

組織は,処置を実施し,又は修正を行い,結果として不適合が再発生しなかったことを(証拠によって)

確認することで,是正処置の有効性をレビューすることが望ましい。これは,プロセスのパフォーマンス

の観察,又は文書化した情報のレビューによって達成してもよいかもしれない。組織は,有効な実施の検

証を確実にするために,実行した処置をレビューする前に,十分な時間の経過を見込むことが望ましい。

これは,不適合を解決するために必要な処置の複雑さ,及び資源の必要性(例えば,資本設備の購買)に

よって異なる。 

組織は,ある領域でとった是正処置の影響が,組織の別の領域において悪影響を生じる可能性があるか

どうかを明確にし,実施の前に,必要な緩和処置を計画することが望ましい。 

組織は,是正処置のレビューの後で,過去に明確にしていないリスク若しくは機会があったか否か,又

は計画(JIS Q 9001:2015の6.1参照)の段階でリスク及び機会に関する取組みを有効に行ったか否かを検

討することが望ましい。必要に応じて,この計画段階の取組みを更新することが望ましい。 

組織は,不適合の原因に取り組むための処置をとるときに,品質マネジメントシステムのプロセスに変

更を加える必要性についても考慮することが望ましい。 

10.2.2 この細分箇条の意図は,組織が,必要な修正又は是正処置を完了したことの証拠になるように,文

書化した情報を保持することを確実にすることである。 

組織は,不適合に関する詳細(例えば,不適合の記述,不適合の重大度,根本原因の分析,計画的な修

正,是正処置)を含め,どのような修正又は是正処置をとったのかを示す,適切な文書化した情報を保持

することが望ましい。例としては,是正処置の記入フォーム,是正処置のデータベースなどが挙げられる。 

組織は,とった是正処置の結果に関する文書化した情報も保持することが望ましい。これには,データ

収集,試験,報告などの処置,文書化した情報に加えられた変更,品質マネジメントシステムのパフォー

マンス及び有効性を実証する証拠が含まれ得る。 

10.3 継続的改善 

この細分箇条の意図は,組織が品質マネジメントシステムの適切性,妥当性及び有効性を継続的に改善

することを確実にすることである。 

継続的改善には,適合するアウトプットのレベルを高め,プロセスの実現能力を改善し,プロセスのば

らつきを低減することを目的とした,アウトプット,製品及びサービスの一貫性を高めるための処置が含

まれ得る。これは,組織のパフォーマンスを高め,顧客及び密接に関連する利害関係者の役に立たせるた


45 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

めに行う。 

組織は,継続的改善のための処置が必要かどうかを明確にするために,分析及び評価(JIS Q 9001:2015

の9.1.3参照),並びにマネジメントレビュー(JIS Q 9001:2015の9.3参照)の結果を検討することが望ま

しい。組織は,品質マネジメントシステムの適切性,妥当性及び有効性を改善するために必要な,継続的

改善のための処置を検討することが望ましい。 

組織が継続的改善活動(カイゼン)を実施するために考慮し得る方法及び手段は幾つかある。例として

は次の事項が含まれ得るが,これらに限定されるものではない。 

シックスシグマの方法論,リーン活動,ベンチマーキング,自己評価モデルの使用 

 


46 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

  

参考文献 

 

[1] JIS Q 9004 組織の持続的成功のための運営管理−品質マネジメントアプローチ 

注記 対応国際規格:ISO 9004,Managing for the sustained success of an organization−A quality 

management approach 

[2] JIS Q 10001 品質マネジメント−顧客満足−組織における行動規範のための指針 

注記 対応国際規格:ISO 10001,Quality management−Customer satisfaction−Guidelines for codes of 

conduct for organizations 

[3] JIS Q 10002 品質マネジメント−顧客満足−組織における苦情対応のための指針 

注記 対応国際規格:ISO 10002,Quality management−Customer satisfaction−Guidelines for complaints 

handling in organizations 

[4] JIS Q 10003 品質マネジメント−顧客満足−組織の外部における紛争解決のための指針 

注記 対応国際規格:ISO 10003,Quality management−Customer satisfaction−Guidelines for dispute 

resolution external to organizations 

[5] ISO 10004,Quality management−Customer satisfaction−Guidelines for monitoring and measuring 

[6] ISO 10005,Quality management systems−Guidelines for quality plans 

[7] JIS Q 10006 品質マネジメントシステム−プロジェクトにおける品質マネジメントの指針 

注記 対応国際規格:ISO 10006,Quality management systems−Guidelines for quality management in 

projects 

[8] ISO 10007,Quality management−Guidelines for configuration management 

[9] ISO 10008,Quality management−Customer satisfaction−Guidelines for business-to-consumer electronic 

commerce transactions 

[10] JIS Q 10012 計測マネジメントシステム−測定プロセス及び測定機器に関する要求事項 

注記 対応国際規格:ISO 10012,Measurement management systems−Requirements for measurement 

processes and measuring equipment 

[11] ISO/TR 10013,Guidelines for quality management system documentation 

[12] ISO 10014,Quality management−Guidelines for realizing financial and economic benefits 

[13] ISO 10015,Quality management−Guidelines for training 

[14] ISO/TR 10017,Guidance on statistical techniques for ISO 9001:2000 

[15] ISO 10018,Quality management−Guidelines on people involvement and competence 

[16] JIS Q 10019 品質マネジメントシステムコンサルタントの選定及びそのサービスの利用のための指

針 

注記 対応国際規格:ISO 10019,Guidelines for the selection of quality management system consultants 

and use of their services 

[17] JIS Q 14001 環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引 

注記 対応国際規格:ISO 14001,Environmental management systems−Requirements with guidance for 

use 

[18] JIS Q 19011 マネジメントシステム監査のための指針 

注記 対応国際規格:ISO 19011,Guidelines for auditing management systems 


47 

Q 9002:2018 (ISO/TS 9002:2016) 

 

[19] JIS Q 31000 リスクマネジメント−原則及び指針 

注記 対応国際規格:ISO 31000,Risk management−Principles and guidelines 

[20] ISO 37500,Guidance on outsourcing 

[21] ISO/IEC 90003,Software engineering−Guidelines for the application of ISO 9001:2008 to computer software 

[22] ISO/IEC/TR 90006,Information technology−Guidelines for the application of ISO 9001:2008 to IT service 

management and its integration with ISO/IEC 20000-1:2011 

[23] JIS Q 31010 リスクマネジメント−リスクアセスメント技法 

注記 対応国際規格:IEC 31010,Risk management−Risk assessment techniques 

[24] IEC 60300-1,Dependability management−Part 1: Guidance for management and application 

[25] IEC 61160,Design review 

[26] Quality management principles, ISO 1) 

[27] Selection and use of the ISO 9000 family of standards, ISO 1) 

[28] ISO 9001:2015 for Small Enterprises−What to do? Advice from ISO/TC 176, ISO 1) 

[29] Integrated Use of Management System Standards, ISO 1) 

[30] https://committee.iso.org/tc176sc2 

[31] https://www.iso.org/tc176/ISO9001AuditingPracticesGroup 

注1) ISOのウェブサイト(http://www.iso.org)から入手可能。