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Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

(1)

目  次

ページ

序文

1

0.1

  一般

1

0.2

  品質マネジメントの原則

1

1

  適用範囲

2

2

  品質マネジメントシステムの基本

2

2.1

  品質マネジメントシステムの論理的根拠

2

2.2

  品質マネジメントシステムに関する要求事項及び製品に関する要求事項

3

2.3

  品質マネジメントシステムのアプローチ

3

2.4

  プロセスアプローチ

3

2.5

  品質方針及び品質目標

4

2.6

  品質マネジメントシステムにおけるトップマネジメントの役割

4

2.7

  文書化

5

2.8

  品質マネジメントシステムの評価

5

2.9

  継続的改善

6

2.10

  統計的手法の役割

6

2.11

  品質マネジメントシステム及び他のマネジメントシステムの焦点

7

2.12

  品質マネジメントシステムと組織の卓越モデルとの関係

7

3

  用語及び定義

7

3.1

  品質に関する用語

8

3.2

  マネジメントに関する用語

9

3.3

  組織に関する用語

11

3.4

  プロセス及び製品に関する用語

12

3.5

  特性に関する用語

14

3.6

  適合性に関する用語

14

3.7

  文書に関する用語

16

3.8

  評価に関する用語

17

3.9

  監査に関する用語

18

3.10

  測定プロセスの品質保証に関する用語

20

附属書 A(参考)用語の開発に用いた方法論

22

附属書 B(参考)引用規格及び参考文献

31


Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本

工業規格である。

これによって,JIS Q 9000:2000 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任をもたない。


  

日本工業規格

JIS

 Q

9000

:2006

(ISO 9000

:2005

)

品質マネジメントシステム−基本及び用語

Quality management systems

−Fundamentals and vocabulary

序文

0.1

一般

この規格は,2005 年に第 2 版として発行された ISO 9000 を基に,技術的内容及び対応国際規格の構成

を変更することなく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

次に示す JIS Q 9000 ファミリー規格は,あらゆる業種,形態及び規模の組織が効果的な品質マネジメン

トシステムを実施し,運用することを支援するために開発された。

−  JIS Q 9000(品質マネジメントシステム−基本及び用語)は,品質マネジメントシステムの基本を説

明し,また,品質マネジメントシステムの用語を規定している。

−  JIS Q 9001(品質マネジメントシステム−要求事項)は,組織が顧客要求事項及び適用される規制要

求事項を満たした製品を提供する能力をもつことを実証することが必要な場合,並びに顧客満足の向

上を目指す場合の,品質マネジメントシステムに関する要求事項を規定している。

−  JIS Q 9004(品質マネジメントシステム−パフォーマンス改善の指針)は,品質マネジメントシステ

ムの有効性及び効率の双方を考慮した指針を提供している。この規格の目的は,組織のパフォーマン

スの改善,並びに顧客及びその他の利害関係者の満足である。

−  JIS Q 19011(品質及び/又は環境マネジメントシステム監査のための指針)は,品質マネジメントシ

ステム及び/又は環境マネジメントシステムの監査の手引を提供している。

これらの規格は,国内及び国際取引における相互理解を容易にする,整合性のある品質マネジメントシ

ステムの規格を構成している。

0.2

品質マネジメントの原則

組織をうまく導き,運営するには,体系的で透明性のある方法によって指揮及び管理することが必要で

ある。すべての利害関係者のニーズに取り組むとともに,パフォーマンスを継続的に改善するように設計

されたマネジメントシステムを実行し,維持することで成功を納めることができる。組織を運営管理する

ということは,様々なマネジメント規範の中でも,とりわけ品質マネジメントを取り込むことである。

組織のパフォーマンス改善に向けて導くために,トップマネジメントが用いることのできる,八つの品

質マネジメントの原則が明確にされている。

a)

顧客重視  組織は,その顧客に依存しており,そのために,現在及び将来の顧客ニーズを理解し,顧

客要求事項を満たし,顧客の期待を超えるように努力すべきである。

b)

リーダーシップ  リーダーは,組織の目的及び方向を一致させる。リーダーは,人々が組織の目標を

達成することに十分に参画できる内部環境を創りだし,維持すべきである。


2

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

c)

人々の参画  すべての階層の人々は,組織にとって根本的要素であり,その全面的な参画によって,

組織の便益のためにその能力を活用することが可能となる。

d)

プロセスアプローチ  活動及び関連する資源が一つのプロセスとして運営管理されるとき,望まれる

結果がより効率よく達成される。

e)

マネジメントへのシステムアプローチ  相互の関連するプロセスを一つのシステムとして明確にし,

理解し,運営管理することが組織の目標を効果的で効率よく達成することに寄与する。

f)

継続的改善  組織の総合的パフォーマンスの継続的改善を組織の永遠の目標とすべきである。

g)

意思決定への事実に基づくアプローチ  効果的な意思決定は,データ及び情報の分析に基づいている。

h)

供給者との互恵関係  組織及びその供給者は相互に依存しており,両者の互恵関係は両者の価値創造

能力を高める。

これらの八つの品質マネジメントの原則は,JIS Q 9000 ファミリーにおける品質マネジメントシステム

規格の基礎となる。

1

適用範囲

この規格は,JIS Q 9000 ファミリーの主題である品質マネジメントシステムの基本を説明し,関連する

用語を定義する。

この規格は,次の組織及び人に適用できる。

a)

品質マネジメントシステムの実施によって,優位を求める組織

b)

製品要求事項が満足されるという信頼感を,供給者から得ようとする組織

c)

製品の利用者

d)

品質マネジメントで用いられる用語の相互理解に関心のある人(

例  供給者,顧客,規制当局)

e)

品質マネジメントシステムの評価又は JIS Q 9001 の要求事項への適合性を監査する組織の内部又は外

部の人(

例  監査員,規制当局,認証・審査登録機関)

f)

組織の内部又は外部の人で,その組織に適切な品質マネジメントシステムに関して,助言又は教育・

訓練を行う者

g)

関連する規格の作成者

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 9000:2005

,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary (IDT)

なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,一致していることを示す。

2

品質マネジメントシステムの基本

2.1

品質マネジメントシステムの論理的根拠

品質マネジメントシステムは,顧客満足を高めるために組織を支援することができる。

顧客は,ニーズ及び期待を満たす特性をもつ製品を要求する。そのニーズ及び期待は製品仕様書に表さ

れ,顧客要求事項と総称される。顧客要求事項は,顧客との契約によって規定されることもあり,組織自

体がこれを決定することもある。いずれの場合も,顧客が最終的にその製品が受入れ可能かどうかを決定

する。顧客のニーズ及び期待は変化し,かつ,競争と技術の進歩があるので,組織には製品及びプロセス

を継続的に改善することが求められる。

品質マネジメントシステムのアプローチでは,組織が,顧客要求事項を分析し,顧客に受け入れられる

製品を作り出すのに大きく影響するプロセスを明らかにし,これらのプロセスを管理し続けることを奨励


3

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

する。品質マネジメントシステムは,顧客及びその他の利害関係者の満足を向上させる可能性を高めるた

めの,継続的改善の枠組みを提供することができる。このことが,組織が要求事項を満たす製品を一貫し

て供給することができるという信頼感を,組織及びその顧客に与える。

2.2

品質マネジメントシステムに関する要求事項及び製品に関する要求事項

JIS Q 9000

ファミリーでは,品質マネジメントシステムに関する要求事項と製品に関する要求事項とを

区別している。

品質マネジメントシステムに関する要求事項は,JIS Q 9001 に規定されている。品質マネジメントシス

テムに関する要求事項は,はん(汎)用性があり,提供製品の種類によらず,どのような産業又は経済分

野の組織にも適用することができる。JIS Q 9001 自体は,製品に関する要求事項は規定していない。

製品に関する要求事項は,顧客又は顧客要求事項を想定した組織,又は法令によって規定され得る。製

品に関する要求事項及び場合によっては関連するプロセスに対する要求事項は,例えば,技術仕様書,製

品規格,プロセス規格,契約書及び規制要求事項に含まれる。

2.3

品質マネジメントシステムのアプローチ

品質マネジメントシステムを構築し,実施するアプローチは,次の事項を含む幾つかのステップからな

る。

a)

顧客及びその他の利害関係者のニーズ,並びに期待を明確にする。

b)

組織の品質方針及び品質目標を設定する。

c)

品質目標の達成に必要なプロセス及び責任を明確にする。

d)

品質目標の達成に必要な資源を明確にし,提供する。

e)

各プロセスの有効性及び効率を測定する方法を設定する。

f)

各プロセスの有効性及び効率を判定するための指標を適用する。

g)

不適合を予防し,その原因を除去するための手段を決定する。

h)

品質マネジメントシステムの継続的改善のためのプロセスを確立し,適用する。

既存の品質マネジメントシステムの維持及び改善にもこのアプローチを適用することができる。

上記のアプローチを採用する組織は,その組織のプロセスの能力及びその製品の品質に対する信頼感を

生み出し,継続的改善に対する基礎を提供できる。これは,顧客及びその他の利害関係者の満足度を高め

ること,並びに組織の成功をもたらすことにつながる。

2.4

プロセスアプローチ

インプットをアウトプットに変換するために資源を使用する一つの活動又は一連の活動は,プロセスと

みなすことができる。

組織が効果的に機能するためには,数多くの相互に関連し,作用し合うプロセスを明確にし,運営管理

しなくてはならない。一つのプロセスのアウトプットは,多くの場合,次のプロセスへの直接のインプッ

トになる。組織内で用いられるプロセス,及び特にそのプロセス間の相互作用を体系的に明確にし,運営

管理することを“プロセスアプローチ”と呼ぶ。

この規格の意図は,組織運営のためにプロセスアプローチを採用することを奨励することである。

図 は,JIS Q 9000 ファミリー規格に記述されている,プロセスに基づく品質マネジメントシステムを

示している。この図は,組織にインプットする際に,利害関係者が重要な役割を担っていることを示して

いる。利害関係者の満足の監視においては,ニーズ及び期待をどの程度満たしているかに関する利害関係

者の受けとめ方についての情報が必要となる。

図 に示したこのモデルは,詳細なレベルでのプロセスを

示すものではない。


4

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

図 1−プロセスを基礎とした品質マネジメントシステムのモデル

2.5

品質方針及び品質目標

品質方針及び品質目標は,組織の方向付けをするための焦点を与えるために設定される。両者とも望ま

しい成果を決定し,組織がこれらの成果を達成するためにその資源を適用することを支援する。品質方針

は,品質目標を設定し,そのレビューを行うための枠組みを提供する。品質目標は,品質方針及び継続的

改善についてのコミットメントと整合性がとれている必要があり,

また,

品質目標が達成されたか否かを,

判定できることが必要である。品質目標の達成は,製品品質,運用の有効性及び財務実績に良い影響を与

え,その結果として,利害関係者の満足及び信頼感にも良い影響を与えることができる。

2.6

品質マネジメントシステムにおけるトップマネジメントの役割

トップマネジメントは,そのリーダーシップ及び行動によって,人々を十分に参画させるような,また,

品質マネジメントシステムを効果的に運営することが可能な環境を作り出すことができる。

品質マネジメントの原則(0.2 参照)は,トップマネジメントがその役割の基礎として使用することができ

る。その役割とは,次の事項である。

a)

組織の品質方針及び品質目標を設定し,維持する。

b)

認識,動機付け及び参画を高めるために,品質方針及び品質目標を組織全体に浸透させる。

c)

組織全体が顧客要求事項に焦点を合わせることを確実にする。

d)

顧客及びその他の利害関係者の要求事項を満たし,品質目標を達成するために,適切なプロセスが実

施されることを確実にする。


5

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

e)

品質目標を達成するために,効果的で効率のよい品質マネジメントシステムが確立され,実施され,

維持されることを確実にする。

f)

必要な資源が利用できることを確実にする。

g)

品質マネジメントシステムを定期的にレビューする。

h)

品質方針及び品質目標に関する活動を決定する。

i)

品質マネジメントシステムの改善のための処置を決定する。

2.7

文書化

2.7.1

文書化の価値

文書化によって,意図を伝達し,行動に一貫性をもたせることが可能になる。その利用は次の事項に役

立つ。

a)

顧客要求事項への適合の達成及び品質改善

b)

適切な教育・訓練の実施

c)

再現性及びトレーサビリティ

d)

客観的証拠の提供

e)

品質マネジメントシステムの有効性及び適切性が継続していることの評価

文書の作成は,それ自体が目的ではなく,価値を付加する活動であることが望ましい。

2.7.2

品質マネジメントシステムで用いられる文書の種類

次に示す種類の文書が,品質マネジメントシステムで用いられる。

a)

組織の品質マネジメントシステムに関する一貫性のある情報を,組織の内外に提供する文書。このよ

うな文書を品質マニュアルという。

b)

品質マネジメントシステムが特定の製品,プロジェクト又は契約に,どのように適用されるかを記述

した文書。このような文書を品質計画書という。

c)

要求事項を記述した文書。このような文書を仕様書という。

d)

推奨又は提言を記述した文書。このような文書を指針という。

e)

活動及びプロセスを首尾一貫して実行する方法に関する情報を提供する文書。このような文書には,

文書化された手順,作業指示書,及び図面が含まれる。

f)

実行された活動又は達成された結果の客観的証拠を提供する文書。このような文書を記録という。

各組織は,要求される文書化の程度及び用いる媒体を決定する。これには,組織の業種,形態及び規模,

プロセスの複雑さ及び相互作用,製品の複雑さ,顧客要求事項,適用される規制要求事項,要員の実証さ

れた能力,並びに品質マネジメントシステム要求事項を満たしていることを実証することがどの程度必要

とされているかなどの要因に依存する。

2.8

品質マネジメントシステムの評価

2.8.1

品質マネジメントシステム内のプロセスの評価

品質マネジメントシステムを評価する際,評価の対象となるすべてのプロセスに対して,次の四つの基

本的な質問をして確認を行うことが望ましい。

a)

プロセスは明確にされ,適切に定義されているか。

b)

責任は割り当てられているか。

c)

手順は実施され,維持されているか。

d)

プロセスは要求された結果を達成するのに効果的か。

上記の質問に対する回答をまとめることで,評価結果を決定することができる。品質マネジメントシス


6

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

テムの評価の適用範囲は多岐にわたり,また,その活動範囲は品質マネジメントシステムの監査及びレビ

ュー,自己評価などを包含し得る。

2.8.2

品質マネジメントシステムの監査

監査は,品質マネジメントシステムに関する要求事項がどの程度満たされているかを判定するために行

われる。監査所見は,品質マネジメントシステムの有効性を評価し,改善の機会を明らかにするために用

いられる。

第一者監査は,内部目的のために,その組織自体又は代理人によって行われ,その組織の適合性を自己

宣言するための基礎とすることができる。

第二者監査は,その組織の顧客又は顧客の代理人によって行われる。

第三者監査は,外部の独立した組織によって行われる。このような組織は,通常認定されており,JIS Q 

9001

などの要求事項への適合に対する認証又は登録を行う。

JIS Q 19011

は,監査実施の手引を提供している。

2.8.3

品質マネジメントシステムのレビュー

トップマネジメントの役割の一つに,品質方針及び品質目標に関して,品質マネジメントシステムの適

切性,妥当性,有効性及び効率に対する定期的な体系的評価を実施することがある。このレビューには,

利害関係者の変化するニーズ及び期待に応じて,品質方針及び品質目標を修正することの必要性を考慮す

ることを含めることがある。このレビューには,処置の必要性の決定が含まれる。

情報源の中でもとりわけ監査報告書が,品質マネジメントシステムのレビューのために利用される。

2.8.4

自己評価

組織の自己評価とは,基準となる品質マネジメントシステム又は卓越モデルを対照とする,

組織の活動,

並びに結果の包括的及び体系的なレビューである。

自己評価を行うことによって,組織のパフォーマンス及び品質マネジメントシステムの成熟度を全体的

にみることができる。これは,また,その組織の中で改善を必要とする領域を明確にし,その優先順位を

決定するのにも役立てることができる。

2.9

継続的改善

品質マネジメントシステムを継続的に改善する目的は,顧客及びその他の利害関係者の満足を向上させ

る可能性を高めることである。改善のための活動には,次のものがある。

a)

改善の領域を明らかにするために,現状を分析し,評価する。

b)

改善の目標を設定する。

c)

その目標を達成するために可能な解決策を探す。

d)

これらの解決策を評価し,選定する。

e)

選定した解決策を実施する。

f)

目標が満たされたかどうかを判定するために,実施結果を測定し,検証し,分析し,評価する。

g)

変更を正式なものとする。

必要であれば,より一層の改善の機会を明らかにするために,改善の結果をレビューする。このように

改善は継続的な活動である。顧客及びその他の利害関係者からのフィードバック,並びに品質マネジメン

トシステムの監査及びレビューも,改善の機会を明確にするために利用できる。

2.10

統計的手法の役割

統計的手法の利用は,変動を理解することによって,組織が問題を解決し,有効性及び効率を改善する

のに役立てることができる。これらの手法によって,意思決定を助けるために利用可能なデータをより使


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Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

いやすくすることができる。

明らかに安定している状態でも,多くの活動の内容及び結果の中に,変動を観察することができる。こ

のような変動は,製品及びプロセスの測定可能な特性として観察することができ,市場調査から顧客サー

ビス及び最終処分まで,

製品のライフサイクルにおける各段階においてその存在が認められることがある。

たとえ比較的限定された量のデータであっても,統計的手法は,このような変動の測定,記述,分析,

解釈及びモデル化に役立てることができる。このようなデータの統計解析は,変動の性質,程度及び原因

をよりよく理解するのに役立てることができ,したがって,このような変動に起因する問題の解決,問題

発生の防止及び継続的改善の促進に役立てることができる。

品質マネジメントシステムにおける統計的手法の手引は,ISO/TR 10017 に記載されている。

2.11

品質マネジメントシステム及び他のマネジメントシステムの焦点

品質マネジメントシステムは,該当する利害関係者のニーズ,期待及び要求事項を満たすために,品質

目標に関する結果を得ることに焦点を合わせた組織のマネジメントシステムの一部である。品質目標は,

組織の他の目標,例えば,組織の発展,資金,収益性,環境及び労働安全衛生に関するものを補完する。

組織のマネジメントシステムの様々な部分は,品質マネジメントシステムとともに,共通の要素を用いて

一つのマネジメントシステムに統合されることがある。これによって計画,資源の割当て,補完し合う目

標の明確化,及び組織の全体的な有効性の評価を容易にすることができる。その組織のマネジメントシス

テム要求事項に照らして組織のマネジメントシステムを評価することができる。また,JIS Q 9001JIS Q

14001

などの規格の要求事項に照らしてマネジメントシステムを監査することもできる。これらのマネジ

メントシステムの監査は,個別に又は組み合わせて行うことができる。

2.12

品質マネジメントシステムと組織の卓越モデルとの関係

JIS Q 9000

ファミリー規格に記述されている品質マネジメントシステムのアプローチ及び組織の卓越モ

デルに示されるアプローチは,共通の原則に基づいている。

両アプローチの共通の原則とは,次の事項である。

a)

組織がその強み及び弱みを明確にすることができる。

b)

一般的モデルに照らした評価に対応している。

c)

継続的改善に関する基礎を提供する。

d)

外部の認知に対応している。

JIS Q 9000

ファミリーの品質マネジメントシステムのアプローチと卓越モデルのアプローチとの違いは,

その適用範囲にある。JIS Q 9000 ファミリー規格は,品質マネジメントシステムに関する要求事項及びパ

フォーマンス改善に関する手引を提供している。品質マネジメントシステムの評価では,これらの要求事

項が満たされているかどうかを判定する。卓越モデルは,組織のパフォーマンスの比較評価を可能にする

基準を含んでおり,この評価は組織のすべての活動及びすべての利害関係者に適用できる。卓越モデルの

評価基準は,組織がパフォーマンスを他の組織と比較するための基礎となる。

3

用語及び定義

定義又は注記の中で用いた用語で,この規格の箇条 に定義されている用語は太字で示し,その後の丸

括弧内にその用語の項目番号を示した。この太字で示した用語は,その用語の定義の全文と置き換えるこ

とができる。

例えば,

製品(3.4.2)は,“プロセス(3.4.1)の結果”と定義されている。

プロセスは,

“インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動”


8

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

と定義されている。

“プロセス”をその定義に置き換えると,次のようになる。

製品は,

“インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動の結

果”である。

ある特定の文脈において特別の意味に限定されている概念は,その定義の前の<>内に主題の分野を明

示した。

例  監査において,技術専門家の記載は,次のようになる。

3.9.11

技術専門家

  <監査>監査チーム(3.9.10)に特定の知識又は専門的技術を提供する人。

3.1

品質に関する用語

3.1.1

品質(quality

本来備わっている

特性(3.5.1)の集まりが,要求事項(3.1.2)を満たす程度。

注記 1  用語“品質”は悪い,良い,優れたなどの形容詞とともに使われることがある。

注記 2  “本来備わっている”とは,“付与された”とは異なり,そのものが存在している限り,もっ

ている特性を意味する。

3.1.2

要求事項(requirement

明示されている,通常,暗黙のうちに了解されている若しくは義務として要求されている,ニーズ又は

期待。

注記 1  “通常,暗黙のうちに了解されている”とは,対象となる期待が暗黙のうちに了解されてい

ることが,

組織(3.3.1),その顧客(3.3.5)及びその他の利害関係者(3.3.7)にとって慣習又

は慣行であることを意味する。

注記 2  特定の種類の要求事項であることを示すために,修飾語を用いることがある。

例  製品要求事項,品質マネジメント要求事項,顧客要求事項

注記 3  規定要求事項とは,例えば文書(3.7.2)で,明示されている要求事項である。

注記 4  要求事項は,異なる利害関係者(3.3.7)から出されることがある。

注記 5  この定義は,ISO/IEC 専門業務用指針第 2 部(2004 年)の 3.12.1 に規定されている定義とは

異なる。

3.1.3

等級(grade

同一の用途をもつ

製品(3.4.2),プロセス(3.4.1)又はシステム(3.2.1)の,異なる品質要求事項に対し

て与えられる区分若しくはランク。

例  航空券のクラス及びホテルガイドに示されるホテルの区分

注記  品質要求事項を設定する場合,通常,その等級を規定する。

3.1.4

顧客満足(customer satisfaction

顧客の

要求事項(3.1.2)が満たされている程度に関する顧客の受けとめ方。

注記 1  顧客の苦情は,顧客満足が低いことの一般的な指標であるが,顧客の苦情がないことが必ず


9

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

しも顧客満足度が高いことを意味するわけではない。

注記 2  顧客要求事項が顧客と合意され,満たされている場合でも,それが必ずしも顧客満足が高い

ことを保証するものではない。

3.1.5

実現能力(capability

要求事項(3.1.2)を満たす製品(3.4.2)を実現する組織(3.3.1),システム(3.2.1)又はプロセス(3.4.1

の能力。

注記  統計の分野における工程能力の用語は,JIS Z 8101-2 に定義されている。

3.1.6

力量(competence

知識及び技能を適用するための実証された能力。

注記  この規格では,力量の概念を一般的な意味で定義している。他の規格では,この用語の使い方

がより固有なものとなり得る。

3.2

マネジメントに関する用語

3.2.1

システム(system

相互に関連する又は相互に作用する要素の集まり。

3.2.2

マネジメントシステム(management system

方針及び目標を定め,その目標を達成するための

システム(3.2.1)。

注記  組織(3.3.1)のマネジメントシステムには,複数の異なるマネジメントシステムを含むことが

ある。例えば,

品質マネジメントシステム(3.2.3),財務マネジメントシステム又は環境マネジ

メントシステム。

3.2.3

品質マネジメントシステム(quality management system

品質(3.1.1)に関して組織(3.3.1)を指揮し,管理するためのマネジメントシステム(3.2.2)。

3.2.4

品質方針(quality policy

トップマネジメント(3.2.7)によって正式に表明された,品質(3.1.1)に関する組織(3.3.1)の全体的

な意図及び方向付け。

注記 1  一般に品質方針は,組織の総合的な方針と整合しており,品質目標(3.2.5)を設定するため

の枠組みを提供する。

注記 2  この規格に示された品質マネジメントの原則は,品質方針を設定するための基礎となり得る

0.2 参照)

3.2.5

品質目標(quality objective

品質(3.1.1)に関して,追求し,目指すもの。

注記 1  品質目標は,通常,組織の品質方針(3.2.4)に基づいている。

注記 2  品質目標は,通常,組織(3.3.1)内の関係する部門及び階層で規定される。


10

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

3.2.6

マネジメント,運営管理,運用管理(management

組織(3.3.1)を指揮し,管理するための調整された活動。

注記  用語“マネジメント”が人を指すことがある。すなわち,組織の指揮及び管理を行うための権

限及び責任をもつ個人又はグループを意味することがある。

“マネジメント”がこの意味で用い

られる場合には,この項で定義された概念“マネジメント”との混乱を避けるために,常に何

らかの修飾語を付けて用いるのがよい。例えば,

“マネジメントは……すること。

”は使っては

ならないが,

トップマネジメント(3.2.7)は……すること。”を使うことは許される。

3.2.7

トップマネジメント(top management

最高位で

組織(3.3.1)を指揮し,管理する個人又はグループ。

3.2.8

品質マネジメント(quality management

品質(3.1.1)に関して組織(3.3.1)を指揮し,管理するための調整された活動。

注記  品質に関する指揮及び管理には,通常,品質方針(3.2.4)及び品質目標(3.2.5)の設定,品質

計画(3.2.9),品質管理(3.2.10),品質保証(3.2.11)及び品質改善(3.2.12)が含まれる。

3.2.9

品質計画(quality planning

品質目標(3.2.5)を設定すること,並びにその品質目標を達成するために必要な運用プロセス(3.4.1

及び関連する資源を規定することに焦点を合わせた

品質マネジメント(3.2.8)の一部。

注記  品質計画書(3.7.5)の作成が,品質計画の一部となる場合がある。

3.2.10

品質管理(quality control

品質要求事項を満たすことに焦点を合わせた

品質マネジメント(3.2.8)の一部。

3.2.11

品質保証(quality assurance

品質要求事項が満たされるという確信を与えることに焦点を合わせた

品質マネジメント(3.2.8)の一部。

3.2.12

品質改善(quality improvement

品質要求事項を満たす能力を高めることに焦点を合わせた

品質マネジメント(3.2.8)の一部。

注記  要求事項は,有効性(3.2.14),効率(3.2.15),トレーサビリティ(3.5.4)などの側面に関連し

得る。

3.2.13

継続的改善(continual improvement

要求事項(3.1.2)を満たす能力を高めるために繰り返し行われる活動。

注記  改善のための目標を設定し,改善の機会を見出すプロセス(3.4.1)は,監査所見(3.9.5)及び

監査結論(3.9.6)の利用,データの分析,マネジメントレビュー(3.8.7)又は他の方法を活用

した継続的なプロセスであり,一般に

是正処置(3.6.5)又は予防処置(3.6.4)につながる。

3.2.14

有効性(effectiveness


11

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

計画した活動が実行され,計画した結果が達成された程度。

3.2.15

効率(efficiency

達成された結果と使用された資源との関係。

3.3

組織に関する用語

3.3.1

組織(organization

責任,権限及び相互関係が取り決められている人々及び施設の集まり。

例  会社,法人,事業所,企業,団体,慈善団体,個人業者(sole trader),協会,  若しくはこれらの

一部又は組合せ

注記 1  この取決めは,一般に秩序だっている。

注記 2  組織は,公的又は私的のいずれでもあり得る。

注記 3  この定義は,品質マネジメントシステム(3.2.3)規格の目的に対して有効なものである。

ISO/IEC Guide 2

での用語“組織”の定義はこれとは異なる。

3.3.2

組織構造(organizational structure

人々の責任,権限及び相互関係の配置。

注記 1  この配置は,一般に秩序だっている。

注記 2  組織構造の正式な記述は,品質マニュアル(3.7.4)又はプロジェクト(3.4.3)に対する品質

計画書(3.7.5)の中で示されることが多い。

注記 3  組織構造の範囲には,関連する外部組織(3.3.1)とのインタフェースを含めることがある。

3.3.3

インフラストラクチャー(infrastructure

<組織>

組織(3.3.1)の運営のために必要な施設,設備及びサービスに関するシステム(3.2.1)。

3.3.4

作業環境(work environment

作業が行われる場の条件の集まり。

注記  条件には,物理的,社会的,心理的及び環境的要因を含む(例えば,温度,表彰制度,人間工

学的側面及び大気成分)

3.3.5

顧客(customer

製品(3.4.2)を受け取る組織(3.3.1)又は人。

例  消費者,依頼人,エンドユーザ,小売り業者,受益者及び購入者

注記  顧客は,組織の内部又は外部のいずれでもあり得る。

3.3.6

供給者(supplier

製品(3.4.2)を提供する組織(3.3.1)又は人。

例  製品の生産者,卸売業者,小売り業者,納入業者,サービス提供者又は情報提供者

注記 1  供給者は,組織の内部又は外部のいずれでもあり得る。

注記 2  契約関係においては,供給者は“契約者”と呼ばれる。


12

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

3.3.7

利害関係者(interested party

組織(3.3.1)のパフォーマンス及び成功に利害関係をもつ人又はグループ。

例  顧客(3.3.5),所有者,組織内の人々,供給者(3.3.6),銀行家,組合,パートナ又は社会

注記  グループは,一つの組織,その一部又は複数の組織のこともある。

3.3.8

契約(contract

拘束力のある取り決め。

注記  この規格では,契約の概念を一般的な意味で定義している。他の規格では,この用語の使い方

がより固有なものとなり得る。

3.4

プロセス及び製品に関する用語

3.4.1

プロセス(process

インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。

注記 1  プロセスのインプットは,通常,他のプロセスからのアウトプットである。

注記 2  組織(3.3.1)内のプロセスは,価値を付加するために,通常,管理された条件のもとで計画

され,実行される。

注記 3  結果として得られる製品(3.4.2)の適合(3.6.1)が,容易に又は経済的に検証できないプロ

セスは,

“特殊工程”

(special process)と呼ばれることが多い。

3.4.2

製品(product

プロセス(3.4.1)の結果。

注記 1  次に示す四つの一般的な製品分類がある。

−  サービス(

例  輸送)

−  ソフトウェア(

例  コンピュータプログラム,辞書)

−  ハードウェア(

例  エンジン機械部品)

−  素材製品(

例  潤滑剤)

多くの製品は,異なる一般的な製品分類に属する要素からなる。製品をサービス,ソフト

ウェア,ハードウェア又は素材製品のいずれで呼ぶかは,その製品の支配的な要素で決まる。

例えば,提供製品である“自動車”は,ハードウェア(

例  タイヤ),素材製品(例  燃料,

冷却液)

,ソフトウェア(

例  エンジンコントロール・ソフトウェア,運転者用マニュアル)

及びサービス(

例  セールスマンの操作説明)から成り立っている。

注記 2  サービスは,供給者(3.3.6)及び顧客(3.3.5)との間のインタフェースで実行される,少な

くとも一つの活動の結果であり,一般に無形である。サービスの提供には,例えば,次のも

のがある。

−  顧客支給の有形の製品(

例  修理されるべき自動車)に対して行う活動。

−  顧客支給の無形の製品(

例  納税申告に必要な収支情報)に対して行う活動。

−  無形の製品の提供(

例  知識伝達という意味での情報提供)。

−  顧客のための雰囲気造り(

例  ホテル及びレストラン内)。

ソフトウェアは,情報で構成され,一般に無形であり,アプローチ,処理又は

手順(3.4.5


13

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

の形を取り得る。ハードウェアは,一般に有形で,その量は数えることができる

特性(3.5.1

である。素材製品は,一般に有形で,その量は連続的な特性である。ハードウェア及び素材

製品は,品物と呼ばれることが多い。

注記 3  品質保証(3.2.11)は,主に意図した製品に焦点を合わせる。

注記 4  ハードウェアとは,物理的実体があり,数えることができるものであり,個々のものが識別

できる。素材製品とは,物理的実体があり,連続体又はこれに近いものである。数えること

ができないか,非常に困難なもので,個々の識別が不可能であるか,経済的に行うのが困難

なものである。また,素材製品とは,何らかの処理を施された素材であり,物理的実体があ

るものである。

これらの四分類に当てはまらないものであっても,製品に含まれるものがある。

3.4.3

プロジェクト(project

開始日及び終了日をもち,調整され,管理された一連の活動からなり,時間,コスト及び資源の制約を

含む特定の

要求事項(3.1.2)に適合する目標を達成するために実施される特有のプロセス(3.4.1)。

注記 1  個別プロジェクトは,より規模の大きいプロジェクトの一部を構成することがある。

注記 2  一部のプロジェクトにおいては,プロジェクトの進行に伴い段階的に,目標が精確にされ,

製品

特性(3.5.1)が明確にされていく。

注記 3  プロジェクトの成果は,1個の製品(3.4.2)の場合もあれば,複数の製品の場合もある。

注記 4  この定義は,JIS Q 10006(品質マネジメントシステム−プロジェクトにおける品質マネジメ

ントの指針)から採用した。

3.4.4

設計・開発(design and development

要求事項(3.1.2)を,製品(3.4.2),プロセス(3.4.1)又はシステム(3.2.1)の,規定された特性(3.5.1

又は

仕様書(3.7.3)に変換する一連のプロセス(3.4.1)。

注記 1  “設計”及び“開発”は,あるときは同じ意味で使われ,あるときには設計・開発の全体プ

ロセスの異なる段階を定義するために使われる。

注記 2  設計・開発されるものの性格を示すために,修飾語が用いられることがある(例  製品の設

計・開発,プロセスの設計・開発)

注記 3  “製品の設計・開発”とは,ある特定の製品に対する要求事項を満たすような,その製品を

実現する仕様を確定する一連の活動を指す。仕様を確定する活動の中には,製品を試作する

などして現実に製品を実現することが含まれることもある。

なお,製品の特徴によっては,製品を実現する仕様の中に,製造仕様又はサービス提供の

方法の仕様が含まれることもある。

3.4.5

手順(procedure

活動又は

プロセス(3.4.1)を実行するために規定された方法。

注記 1  手順は文書にすることもあり,しないこともある。

注記 2  手順が文書にされた場合は,“書かれた手順”又は“文書化された手順”という用語がよく用

いられる。手順を含んだ

文書(3.7.2)を,“手順書”と呼ぶことがある。


14

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

3.5

特性に関する用語

3.5.1

特性(characteristic

そのものを識別するための性質。

注記 1  特性は,本来備わったもの又は付与されたもののいずれでもあり得る。

注記 2  特性は,定性的又は定量的のいずれでもあり得る。

注記 3  特性には,次に示すように様々な種類がある。

−  物質的

例:機械的,電気的,化学的,生物学的

−  感覚的

例:きゅう(嗅)覚,触覚,味覚,視覚,聴覚

−  行動的

例:礼儀正しさ,正直,誠実

−  時間的

例:時間の正確さ,信頼性,アベイラビリティ

−  人間工学的

例:生理学上の特性,又は人の安全に関するもの

−  機能的

例:飛行機の最高速度

3.5.2

品質特性(quality characteristic

要求事項(3.1.2)に関連する,製品(3.4.2),プロセス(3.4.1)又はシステム(3.2.1)に本来備わってい

特性(3.5.1)。

注記 1  “本来備わっている”とは,そのものが存在している限り,もっている特性を意味する。

注記 2  製品,プロセス又はシステムに付与された特性(例  製品の価格,製品の所有者)は,その

製品,プロセス又はシステムの品質特性ではない。

3.5.3

ディペンダビリティ(dependability

アベイラビリティ及びその影響要因,すなわち信頼性,保全性及び保全支援の能力を記述するために用

いる用語の総称。

注記  ディペンダビリティは,非定量的な表現での一般的な記述に対してだけ用いられる。

3.5.4

トレーサビリティ(traceability

考慮の対象となっているものの履歴,適用又は所在を追跡できること。

注記 1  製品(3.4.2)に関しては,トレーサビリティは,次のようなものに関連することがある。

−  材料及び部品の源

−  処理の履歴

−  出荷後の製品の配送及び所在

注記 2  計量の分野においては,VIM:1993,6.10 に規定する定義が受け入れられている。

3.6

適合性に関する用語

3.6.1

適合(conformity

要求事項(3.1.2)を満たしていること。

注記  用語“conformance”は同義語であるが,使ってはならない。

3.6.2

不適合(nonconformity


15

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

要求事項(3.1.2)を満たしていないこと。

3.6.3

欠陥(defect

意図された用途又は規定された用途に関連する

要求事項(3.1.2)を満たしていないこと。

注記 1  欠陥と不適合(3.6.2)という概念の区別は,特に製品の製造物責任問題に関連している場合

には,法的意味をもつので重要である。したがって,

“欠陥”という用語は特段の注意を払っ

て使用することが望ましい。

注記 2  顧客(3.3.5)によって意図される用途は,供給者(3.3.6)から提供される情報の性質によっ

て影響を受けることがある。これらの情報には,例えば,取扱説明書,メンテナンス説明書

などがある。

3.6.4

予防処置(preventive action

起こり得る

不適合(3.6.2)又はその他の望ましくない起こり得る状況の原因を除去するための処置。

注記 1  起こり得る不適合の原因は,一つ以上のことがあり得る。

注記 2  是正処置(3.6.5)は再発を防止するためにとるのに対し,予防処置は発生を未然に防止する

ためにとる。

3.6.5

是正処置(corrective action

検出された

不適合(3.6.2)又はその他の検出された望ましくない状況の原因を除去するための処置。

注記 1  不適合の原因は,一つ以上のことがあり得る。

注記 2  予防処置(3.6.4)は発生を未然に防止するためにとるのに対し,是正処置は再発を防止する

ためにとる。

注記 3  修正(3.6.6)と是正処置とは異なる。

3.6.6

修正(correction

検出された

不適合(3.6.2)を除去するための処置。

注記 1  是正処置(3.6.5)と併せて,修正が行われることもある。

注記 2  修正として,例えば,手直し(3.6.7)又は再格付け(3.6.8)がある。

3.6.7

手直し(rework

要求事項(3.1.2)に適合させるための,不適合製品(3.4.2)にとる処置。

注記  手直しと異なり,修理(3.6.9)は,不適合製品の部分に影響を及ぼす,又は部分を変更するこ

とがある。

3.6.8

再格付け(regrade

当初の要求とは異なる

要求事項(3.1.2)に適合するように,不適合製品(3.4.2)の等級(3.1.3)を変更

すること。

3.6.9

修理(repair

意図された用途に対して受入れ可能とするための,不適合

製品(3.4.2)にとる処置。


16

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

注記 1  修理には,以前は適合していた製品を使用できるように元に戻す,例えば,保守の一環とし

て,修復するためにとる処置を含む。

注記 2  手直し(3.6.7)と異なり,修理は不適合製品の部分に影響を及ぼす,又は部分を変更するこ

とがある。

3.6.10

スクラップ(scrap

当初の意図していた使用を不可能にするための,不適合

製品(3.4.2)にとる処置。

例  再資源化,破壊

注記  サービスにおけるスクラップとは,当該サービスが不適合の場合に,そのサービスを中止する

ことによって,その利用を不可能にすることである。

3.6.11

特別採用(concession

規定

要求事項(3.1.2)に適合していない製品(3.4.2)の使用又はリリースを認めること。

注記  通常,特別採用は,特定の範囲内で不適合となった特性(3.5.1)をもつ製品を,合意された期

間又は製品の数量内で引き渡す場合に限定される。

3.6.12

逸脱許可(deviation permit

製品(3.4.2)の当初の規定要求事項(3.1.2)からの逸脱を製品実現に先立ち認めること。

注記  逸脱許可は,一般に製品の数量又は期間を限定し,また,特定の用途に対して与えられる。

3.6.13

リリース(release)

プロセス(3.4.1)の次の段階に進めることを認めること。

注記  コンピュータソフトウェアの分野では,“リリース”をソフトウェア自体の版を指すために使う

ことが多い。

3.7

文書に関する用語

3.7.1

情報(information

意味のあるデータ。

3.7.2

文書(document

情報(3.7.1)及びそれを保持する媒体。

例  記録(3.7.6),仕様書(3.7.3),手順書,図面,報告書,規格

注記 1  媒体としては,紙,磁気,電子式若しくは光学式コンピュータディスク,写真若しくはマス

ターサンプル,又はこれらの組合せがあり得る。

注記 2  文書の一式,例えば,仕様書及び記録は“文書類”と呼ばれることが多い。

注記 3  ある要求事項(3.1.2)(例えば,読むことができるという要求事項)はすべての種類の文書に

関係するが,仕様書(例えば,改訂管理を行うという要求事項)及び記録(例えば,検索で

きるという要求事項)に対しては別の要求事項があることがある。

3.7.3

仕様書(specification


17

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

要求事項(3.1.2)を記述した文書(3.7.2)。

注記  仕様書には,活動に関するもの(例  手順書,プロセス仕様書及び試験仕様書)又は製品(3.4.2

に関するもの(

例  製品仕様書,性能仕様書及び図面)があり得る。

3.7.4

品質マニュアル(quality manual

組織(3.3.1)の品質マネジメントシステム(3.2.3)を規定する文書(3.7.2)。

注記  個々の組織の規模及び複雑さに応じて,品質マニュアルの詳細及び書式は変わり得る。

3.7.5

品質計画書(quality plan

個別の

プロジェクト(3.4.3),製品(3.4.2),プロセス(3.4.1)又は契約に対して,どの手順(3.4.5)及

びどの関連する資源が,誰によって,いつ適用されるかを規定する

文書(3.7.2)。

注記 1  通常,これらの手順には,品質マネジメントのプロセス及び製品実現のプロセスに関連する

ものが含まれる。

注記 2  品質計画書は,品質マニュアル(3.7.4)又は手順書を引用することが多い。

注記 3  品質計画書は,通常,品質計画(3.2.9)の結果の一つである。

3.7.6

記録(record

達成した結果を記述した,又は実施した活動の証拠を提供する

文書(3.7.2)。

注記 1  記録は,例えば,次のために使用されることがある。

トレーサビリティ(3.5.4)を文書にする。

検証(3.8.4),予防処置(3.6.4)及び是正処置(3.6.5)の証拠を提供する。

注記 2  通常,記録の改訂管理を行う必要はない。

3.8

評価に関する用語

3.8.1

客観的証拠(objective evidence

あるものの存在又は真実を裏付けるデータ。

注記  客観的証拠は,観察,測定,試験(3.8.3),又はその他の手段によって得られることがある。

3.8.2

検査(inspection

必要に応じて測定,試験又はゲージ合せを伴う,観察及び判定による適合性評価。

ISO/IEC Guide 2

3.8.3

試験(test

手順(3.4.5)に従って特性(3.5.1)を明確にすること。

3.8.4

検証(verification

客観的証拠(3.8.1)を提示することによって,規定要求事項(3.1.2)が満たされていることを確認する

こと。

注記 1  “検証済み”という用語は,検証が済んでいる状態を示すために用いられる。

注記 2  確認には,次のような活動があり得る。

−  別法によって計算を実施する。


18

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

−  新しい設計仕様書を類似の証明済みの設計

仕様書(3.7.3)と比較する。

試験(3.8.3)及び実証を行う。

−  発行前に文書をレビューする。

3.8.5

妥当性確認(validation

客観的証拠(3.8.1)を提示することによって,特定の意図された用途又は適用に関する要求事項(3.1.2

が満たされていることを確認すること。

注記 1  “妥当性確認済み”という用語は,妥当性確認が済んでいる状態を示すために用いられる。

注記 2  妥当性確認のための使用条件は,実環境でも模擬でもよい。

3.8.6

適格性確認プロセス(qualification process

規定

要求事項(3.1.2)を満たす能力を実証するプロセス(3.4.1)。

注記 1  “適格性がある”という用語は,適格性確認が済んでいる状態を示すために用いられる。

注記 2  適格性確認は,人,製品(3.4.2),プロセス又はシステム(3.2.1)に関連することがある。

例  監査員の適格性確認プロセス,材料の適格性確認プロセス

注記 3  人に適用する場合には“資格確認”,製品に適用する場合には“承認”としてもよい。

3.8.7

レビュー(review

設定された目標を達成するための検討対象の適切性,妥当性,及び

有効性(3.2.14)を判定するために行

われる活動。

注記  レビューには,効率(3.2.15)の判定を含むこともある。

例  マネジメントレビュー,設計・開発のレビュー,顧客要求事項のレビュー及び不適合のレビュー

3.9

監査に関する用語

3.9.1

監査(audit

監査基準(3.9.3)が満たされている程度を判定するために,監査証拠(3.9.4)を収集し,それを客観的

に評価するための体系的で,独立し,文書化された

プロセス(3.4.1)。

注記 1  内部監査は,第一者監査と呼ばれることもあり,マネジメントレビュー及びその他の内部目

的のために,その

組織(3.3.1)自体又は代理人によって行われ,その組織の適合(3.6.1)を

宣言するための基礎としてもよい。多くの場合,特に中小規模の組織の場合は,独立性は,

監査の対象となる活動に関する責任を負っていないことで実証することができる。

注記 2  外部監査には,一般的に第二者監査及び第三者監査と呼ばれるものが含まれる。第二者監査

は,

顧客(3.3.5)など,その組織の利害関係者又はその代理人によって行われる。第三者監

査は,JIS Q 9001 又は JIS Q 14001 への適合を審査登録又は認証する機関のような,  外部の

独立した監査機関によって行われる。

注記 3  二つ以上のマネジメントシステム(3.2.2)を一緒に監査する場合,これを複合監査という。

注記 4  一つの被監査者(3.9.8)を複数の監査する組織が協力して監査する場合,これを合同監査と

いう。

3.9.2

監査プログラム(audit programme


19

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

特定の目的に向けた,決められた期間内で実行するように計画された一連の

監査(3.9.1)。

注記  監査プログラムは,監査を計画し,手配し,実施するのに必要な活動のすべてを含む。

3.9.3

監査基準(audit criteria

一連の方針,

手順(3.4.5)又は要求事項(3.1.2)。

注記  監査基準は,監査証拠(3.9.4)と比較する基準として用いる。

3.9.4

監査証拠(audit evidence

監査基準(3.9.3)に関連し,かつ,検証できる,記録(3.7.6),事実の記述又はその他の情報(3.7.1)。

注記  監査証拠は定性的又は定量的なものがあり得る。

3.9.5

監査所見(audit findings

収集された

監査証拠(3.9.4)を,監査基準(3.9.3)に対して評価した結果。

注記  監査所見には,監査基準に対する適合(3.6.1)も不適合(3.6.2)も示すことができる。また,

改善の機会も示し得る。

3.9.6

監査結論(audit conclusion

監査(3.9.1)目的とすべての監査所見(3.9.5)を考慮したうえで,監査チーム(3.9.10)が出した監査(3.9.1

の結論。

3.9.7

監査依頼者(audit client

監査(3.9.1)を要請する組織(3.3.1)又は人。

注記  監査依頼人は,被監査者(3.9.8)であってもよく,又は規制上若しくは契約上監査を要請する

権利をもつ他の

組織(3.3.1)であってもよい。

3.9.8

被監査者(auditee

監査される

組織(3.3.1)。

3.9.9

監査員(auditor

監査(3.9.1)を行うための,実証された個人的特質及び力量(3.1.6 及び 3.9.14)をもった人。

注記  監査員の関連する個人的特質は,JIS Q 19011 に記述されている。

3.9.10

監査チーム(audit team

監査(3.9.1)を行う一人以上の監査員(3.9.9)。必要な場合は,技術専門家(3.9.11)による支援を受け

る。

注記 1  監査チームの中の一人の監査員は,監査チームリーダーに指名される。

注記 2  監査チームには,訓練中の監査員を含めてもよい。

3.9.11

技術専門家(technical expert

<監査>

監査チーム(3.9.10)に特定の知識又は専門的技術を提供する人。


20

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

注記 1  特定の知識又は専門的技術とは,監査の対象となる組織(3.3.1),プロセス(3.4.1)若しくは

活動に関係するもの,又は言語若しくは文化に関係するものである。

注記 2  技術専門家は,監査チームの監査員(3.9.9)としての行動はしない。

3.9.12

監査計画(audit plan

監査(3.9.1)のための活動及び手配事項を示すもの。

3.9.13

監査範囲(audit scope)

監査(3.9.1)の及ぶ領域及び境界。

注記  監査範囲は,一般に,場所,組織単位,活動,プロセス(3.4.1)及び監査の対象となる期間を

示すものを含む。

3.9.14

力量(competence

<監査>実証された個人的特質,並びに知識及び技能を適用するための実証された能力。

3.10

測定プロセスの品質保証に関する用語

3.10.1

計測マネジメントシステム(measurement management system

計量確認(3.10.3)及び測定プロセス(3.10.2)の継続的な管理を達成するために必要な,相互に関連す

る及び相互に作用する一連の要素。

3.10.2

測定プロセス(measurement process

ある量の値を決定する一連の操作。

3.10.3

計量確認(metrological confirmation

測定機器(3.10.4)が意図された用途に関する要求事項(3.1.2)に適合していることを確実にするために

要求される一連の操作。

注記 1  計量確認は,通常,校正又は検証(3.8.4),必要な調整若しくは修理(3.6.9)及びその後の再

校正,装置の意図された用途に関する計量要求事項との比較,更に要求される封印及びラベ

ル表示を含む。

注記 2  意図された用途に対して測定機器が適していることが実証され,文書化されるまでは,また,

これらのことが実施されない限り,計量確認は達成されない。

注記 3  意図された用途に関する要求事項には,測定範囲,分解能,最大許容誤差などの考慮事項を

含む。

注記 4  計量要求事項は,通常,製品要求事項とは別のものであり,また,その中には規定されない。

3.10.4

測定機器(measuring equipment

測定プロセス(3.10.2)の実現に必要な,計器,ソフトウェア,測定標準,標準物質又は補助装置若しく

はそれらの組合せ。

3.10.5

計量特性(metrological characteristic


21

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

測定結果に影響を与え得るもので,そのものを識別するための性質。

注記 1  通常,測定機器(3.10.4)は,幾つかの計量特性をもっている。

注記 2  計量特性は,校正の対象となることがある。

3.10.6

計量機能(metrological function

計測マネジメントシステム(3.10.1)の定義及び実施に関する管理並びに技術的責任をもつ機能。

注記  “定義”という語句は,“規定する”という意味をもつ。“概念を定義する”という術語学的な

意味では使用していない[言語によっては,文脈だけからではこの区別が明りょう(瞭)でな

いものがある。


22

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

附属書 A

参考)

用語の開発に用いた方法論

A.1

序文

JIS Q 9000

ファミリー規格を普遍的に適用するためには,次のものを用いることが要求される。

−  専門用語を使用しない専門的な記述

−  品質マネジメントシステムの規格を使用する可能性のあるすべての利用者にとって,わかりやすく,

相互に矛盾のない,調和のとれた用語

概念というものは互いに独立したものではなく,品質マネジメントシステムの分野で用いられる概念の

相互関係を分析し,概念の体系として整理することは,相互に矛盾のない用語を作成するうえで不可欠で

ある。このような分析が,この文書で規定する用語の開発に用いられた。その開発プロセスの中で用いら

れた概念体系図は,参考情報として役立つことがあるので A.4 に示す。

A.2

見出し語の内容及び置換えルール

概念は,言語間の変換の単位となる(一つの言語の中での変形を含む。

例  米語及び英語)。各言語ごと

に,その言語における概念を普遍的にわかりやすくするための最適な用語の選択,すなわち翻訳に対する

文学的ではない方法が選択される。

ある定義は,概念を明確にするために本質的な特性だけを記述することによって行われる。重要ではあ

るが,その説明に本質的ではない概念に関する情報は,その定義の参考に記述される。

用語をその定義で置き換えるとき,小さな構文上の変更は行うにしても,文章の意味が変わることは望

ましくない。このような置き換えは,定義の正確さをチェックする簡単な方法である。しかし,定義が多

くの用語を含み,意味が複雑な場合には,置き換えは一度に一つ又は多くとも二つにとどめないとうまく

いかない。用語の全文を置き換えることは,構文的に実現が難しくなり,また,意味を伝える助けになら

ないであろう。

A.3

概念の相互関係及び図示

A.3.1

一般

概念間の相互関係は種の特性の階層構造に基づくので,用語の定義作業において,概念の最も容易な記

述は,その種に名前を付けること,及びその親の概念又は兄弟の概念とを区別する特性を記述することに

よって行える。

この附属書に示された概念間の相互関係には,三つの基本形がある。それは

一般的関係(A.3.2),部分

的関係(A.3.3)及び連関的関係(A.3.4)である。

A.3.2

一般的関係

階層内の下位概念は,上位概念のすべての特性を受け継ぎ,また,上位(親)の概念及び同位(兄弟)

の概念と区別する特性についての記述を含む。例えば,春夏秋冬と季節の関係である。

一般的関係は,矢印なしの扇形図又は樹形図で示される(

図 A.1 参照)。


23

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

季   節

図 A.1−一般的関係の図示

A.3.3

部分的関係

階層内の下位概念が,上位概念の構成部分を形成する。例えば,春夏秋冬は,年という概念の部分とし

て定義してもよい。これに対し,晴天(夏の一つの特性)を年の部分として定義するのは不適切である。

部分的関係は矢印なしのレーキの記号で示される(

図 A.2 参照)。単数の部分は一本の直線で,複数の部

分は二重線で示される。

  春

   夏

図 A.2−部分的関係の図示

A.3.4

連関的関係

連関的関係は,

一般的関係及び部分的関係で示したように簡単には記述できないが,

概念の体系の中で,

一つの概念及び他の概念の関係の性質を明確にするために役立つ。例えば,原因と結果,活動と位置,活

動と結果,道具と機能,材料,製品などである。

連関的関係は,両端に矢印のある直線で示される(

図 A.3 参照)。

      晴天

   夏

図 A.3−連関的関係の図示

A.4

概念体系図

図 A.4∼図 A.13 に,本体の箇条 の主題によるグループ分けの元となる概念体系図を示す。

用語の定義は再掲したが,関連する参考は再掲していないので,そのような参考を調べるために本体の

箇条 を参照することを薦める。

図 A.4∼図 A.13 の括弧内の項目番号は,本体の箇条 に対応している。

 
 
 
 
 
 


24

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

要求事項(3.1.2 

明示されている,通常暗黙
のうちに了解されている若
しくは義務として要求され

ている,ニーズ又は期待

品質(3.1.1

本来備わっている特性の集ま
りが,要求事項を満たす程度

等級(3.1.3

同一の用途をもつ製品,プロセス又は
システムの,異なる品質要求事項に対

して与えられる区分若しくはランク

顧客満足(3.1.4

顧客の要求事項が満たされている

程度に関する顧客の受けとめ方

実現能力(3.1.5

要求事項を満たす製品を実現する組織,システ

ム又はプロセスの能力

力量(3.1.6

知識及び技能を適用するため

の実証された能力

図 A.4−品質(3.1)に関する概念


25

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

シス テ ム(3.2.1 

相互に関連する又は相
互に作用する要素の集

まり

品質マネジ メ ン ト シス テ ム

3.2.3

品質に関して組織を指揮

し,管理するためのマネジ

メントシステム

マネジメ ン ト シ ス テ ム

3.2.2 

方針及び目標を定め,
その目標を達成するた

めのシステム

マ ネジ メ ン ト , 運営

管理, 運用管理

3.2.6

組織を指揮し,管理

するための調整され

た活動

品質マネジ メ ン ト (3.2.8

品質に関して組織を指揮し,管

理するための調整された活動

品質保証(3.2.11

品質要求事項が満たさ
れるという確信を与え
ることに焦点を合わせ
た品質マネジメントの

一部

品質管理(3.2.10

品質要求事項を満たすこ
とに焦点を合わせた品質

マネジメントの一部

品質計画(3.2.9 

品質目標を設定するこ

と,並びにその品質目
標を達成するために必
要な運用プロセス及び
関連する資源を規定す
ることに焦点を合わせ
た品質マネジメントの

一部

品質改善(3.2.12

品質要求事項を満たす能
力を高めることに焦点を
合わせた品質マネジメン

トの一部

品質方針(3.2.4

トップマネジメントによ

って正式に表明された,
品質に関する組織の全体

的な意図及び方向付け

品質目標(3.2.5

品質に関して,追求し,目

指すもの

継続的改善(3.2.13

要求事項を満たす能力を高めるた

めに繰り返し行われる活動

ト ッ プ マ ネジメ ン ト

3.2.7

最高位で組織を指揮し,管

理する個人又はグループ

有効性(3.2.14

計画した活動が実行され,計
画した結果が達成された程度

効率(3.2.15

達成された結果と使用された

資源との関係

図 A.5−マネジメント(3.2)に関する概念


26

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

組織構造(3.3.2

人々の責任,権限及び相互

関係の配置

組織(3.3.1

責任,権限及び相互関係が取り決められて

いる人々及び施設の集まり

供給者(3.3.6

製品を提供する組織

又は人

 利害関係者(3.3.7

組織のパフォーマンス及び成

功に利害関係をもつ人又はグ

ループ

顧客(3.3.5

製品を受け取る組織

又は人

作業環境(3.3.4

作業が行われる場の条件の

集まり

イ ン フ ラ スト ラ ク チ ャ ー

3.3.3

<組織>組織の運営のため
に必要な施設,設備及びサ

ービスに関するシステム

契約(3.3.8

拘束力のある取り決め

図 A.6−組織(3.3)に関する概念

製品(3.4.2

プロセスの結果

プ ロ ジェ ク ト (3.4.3

開始日及び終了日をもち,調整され,管理された

一連の活動からなり,時間,コスト及び資源の制約
を含む特定の要求事項に適合する目標を達成するた

めに実施される特有のプロセス

プ ロ セス (3.4.1

インプットをアウトプットに
変換する,相互に関連する又
は相互に作用する一連の活動

設計・ 開発(3.4.4

要求事項を,製品,プロセス又はシ
ステムの,規定された特性又は仕様

書に変換する一連のプロセス

手順(3.4.5 

活動又はプロセスを実行す

るために規定された方法

図 A.7−プロセス及び製品(3.4)に関する概念

特性(3.5.1

そのものを識別するための

性質

品質特性(3.5.2

要求事項に関連する,製品,プロ
セス又はシステムに本来備わって

いる特性

ディ ペン ダビ リ テ ィ (3.5.3

アベイラビリティ及びその影響要
因,すなわち信頼性,保全性及び
保全支援の能力を記述するために

用いる用語の総称

ト レ ーサビ リ テ ィ

3.5.4

考慮の対象となっている
ものの履歴,適用又は所

在を追跡できること

図 A.8−特性(3.5)に関する概念


27

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

予防処置(3.6.4

起こり得る不適合又
はその他の望ましく
ない起こり得る状況
の原因を除去するた

めの処置

ス ク ラ ッ プ

3.6.10 

当初の意図していた
使用を不可能にする
ための,不適合製品

にとる処置

手直し (3.6.7

要求事項に適合させ

るための,不適合製

品にとる処置

再格付け(3.6.8

当初の要求とは異な

る要求事項に適合す
るように,不適合製
品の等級を変更する

こと

修理(3.6.9

意図された用途に対
して受入れ可能とす
るための,不適合製

品にとる処置

特別採用

3.6.11

規定要求事項に適

合していない製品
の使用又はリリー

スを認めること

逸脱許可(3.6.12

製品の当初の規定要
求事項からの逸脱を
製品実現に先立ち認

めること

是正処置(3.6.5

検出された不適合又
はその他の検出され
た望ましくない状況
の原因を除去するた

めの処置

適合(3.6.1

要求事項を満たしていること

欠陥(3.6.3

意図された用途又は規定
された用途に関連する要
求事項を満たしていない

こと

不適合(3.6.2

要求事項を満たしていな

いこと

要求事項(3.1.2 

明示されている,通常暗黙のうちに了解
されている若しくは義務として要求され

ている,ニーズ又は期待

リ リ ース (3.6.13

プロセスの次の段階に進

めることを認めること

修正(3.6.6

検出された不適合を除去

するための処置

図 A.9−適合性(3.6)に関する概念


28

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

仕様書(3.7.3

要求事項を記述した文書

記録(3.7.6

達成した結果を記述
した,又は実施した
活動の証拠を提供す

る文書

文書(3.7.2

情報及びそれを保持

する媒体

品質マニュ アル(3.7.4

組織の品質マネジメント
システムを規定する文書

品質計画書(3.7.5

個別のプロジェクト,
製品,プロセス又は契
約に対して,どの手順
及びどの関連する資源
が,誰によって、いつ
適用されるかを規定す

る文書

情報(3.7.1

意味のあるデータ

手順書 

[未定義]

手順(3.4.5)の注記を参照

図 A.10−文書(3.7)に関する概念

レ ビ ュ ー(3.8.7

設定された目標を達成す
るための検討対象の適切
性,妥当性,及び有効性
を判定するために行われ

る活動

検証(3.8.4

客観的証拠を提示するこ
とによって,規定要求事
項が満たされていること

を確認すること

検査(3.8.2

必要に応じて測定,試
験又はゲージ合せを伴
う,観察及び判定によ

る適合性評価

試験(3.8.3

手順に従って特性を明確に

すること

妥当性確認(3.8.5

客観的証拠を提示する
ことによって,特定の
意図された用途又は適
用に関する要求事項が
満たされていることを

確認すること

決定

[未定義]

客観的証拠(3.8.1

あるものの存在又は真実を

裏付けるデータ

図 A.11−評価(3.8)に関する概念


29

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

監査証拠(3.9.4

監査基準に関連し,かつ,検証
できる,記録,事実の記述又は

その他の情報

監査基準(3.9.3

一連の方針,手順又は

要求事項

監査(3.9.1 

監査基準が満たされている程度
を判定するために,監査証拠を
収集し,それを客観的に評価す
るための体系的で,独立し,文

書化されたプロセス

監査員(3.9.9

監査を行うための,実証
された個人的特質及び力

量をもった人

監査チーム(3.9.10

監査を行う一人以上の監査
員。必要な場合は,技術専
門家による支援を受ける。

被監査者(3.9.8

監査される組織

監査依頼者(3.9.7

監査を要請する組織

又は人

監査結論(3.9.6

監査目的とすべての監査所見
を考慮したうえで,監査チー

ムが出した監査の結論

監査プ ロ グラ ム(3.9.2

特定の目的に向けた,決めら
れた期間内で実行するように

計画された一連の監査

技術専門家(3.9.11

<監査>監査チームに特
定の知識又は専門的技術

を提供する人

監査所見(3.9.5

収集された監査証拠を,
監査基準に対して評価し

た結果

監査範囲(3.9.13 

監査の及ぶ領域

及び境界

力量(3.9.14 

<監査>実証された個人的特

質,並びに知識及び技能を適用

するための実証された能力

監査計画(3.9.12

監査のための活動及び

手配事項を示すもの

図 A.12−監査(3.9)に関する概念


30

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

測定プ ロ セス (3.10.2

ある量の値を決定する一連の操作

計測マ ネジメ ン ト シ ステ ム

3.10.1 

計量確認及び測定プロセスの継
続的な管理を達成するために必
要な,相互に関連する及び相互

に作用する一連の要素

計量確認(3.10.3

測定機器が意図された用途に関する要求事
項に適合していることを確実にするために

要求される一連の操作

測定機器 (3.10.4

測定プロセスの実現に必要な,計器,
ソフトウェア,測定標準,標準物質又

は補助装置若しくはそれらの組合せ

計量特性(3.10.5

測定結果に影響を与え得るもので,
そのものを識別するための性質

計量機能(3.10.6

計測マネジメントシステムの定義
及び実施に関する管理並びに技術

的責任をもつ機能

図 A.13−測定プロセスの品質保証(3.10)に関する概念


31

Q 9000

:2006 (ISO 9000:2005)

附属書 B

参考)

引用規格及び参考文献

[1] ISO 704

  Terminology work−Principles and methods

[2] ISO 1087-1

  Terminology work−Vocabulary−Part 1: Theory and application

[3] JIS Z 8101-2

  統計−用語と記号−第 2 部:統計的品質管理用語

[4] JIS Q 9001:2000

  品質マネジメントシステム−要求事項

[5] JIS Q 9004:2000

  品質マネジメントシステム−パフォーマンス改善の指針

[6] ISO 10012

  Measurement management systems−Requirements for measurement processes and measuring

equipment

[7] ISO/TR 10013

  Guidelines for quality management system documentation

[8] ISO/TR 10017

  Guidance on statistical techniques for ISO 9001:2000

[9] JIS Q 10019

  品質マネジメントシステムコンサルタントの選定及びそのサービスの利用のための指針

[10] ISO 10241

  International terminology standards

Preparation and layout

[11]  ISO/TR 13425

  Guidelines for the selection of statistical methods in standardization and specification

[12] JIS Q 17000

  適合性評価−用語及び一般原則

[13] JIS Q 19011

    品質及び/又は環境マネジメントシステム監査のための指針

[14] ISO/IEC Guide 2

  Standardization and related activities−General vocabulary

[15] JIS Z 8115:2000

  ディペンダビリティ(信頼性)用語

[16] IEC 60050-191/A2:2002

  International Electrotechnical Vocabulary−chapter 191: Dependability and quality

of service: Amendment 2

[17] VIM:1993

  International vocabulary of basic and general terms in metrology

BIPM/IEC/IFCC/ISO/OIML/IUPAC/IUPAP

[18] Quality Management Principles Brochure

1)

[19] ISO 9000 + ISO 14000 News

(隔月発行誌。世界中の様々な組織における実施状況を含めた ISO マネジ

メントシステム規格に関する国際的な作成状況についての情報を提供している。

2)

[20] ISO/IEC

専門業務用指針,第 1 部,第 2 部,

(2004 年)及び補足指針

1)

 ISO

のウェブサイト(http://www.iso.org)から入手可能

2)

 ISO

から入手可能