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Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

(1) 

目 次 

ページ 

0 序文······························································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 3 

2 引用規格························································································································· 4 

3 用語及び定義 ··················································································································· 4 

4 組織の状況 ····················································································································· 10 

5 リーダーシップ ··············································································································· 11 

6 計画······························································································································ 12 

7 支援······························································································································ 15 

8 運用······························································································································ 16 

9 パフォーマンス評価 ········································································································· 17 

10 改善 ···························································································································· 19 

附属書A(参考)この規格の利用の手引 ·················································································· 20 

附属書B(参考)JIS Q 50001:2011とJIS Q 50001:2019との対応 ·················································· 28 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

(2) 

まえがき 

この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人

エネルギー総合工学研究所(IAE)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日

本産業規格を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日

本産業規格である。これによって,JIS Q 50001:2011は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

注記 工業標準化法に基づき行われた申出,日本工業標準調査会の審議等の手続は,不正競争防止法

等の一部を改正する法律附則第9条により,産業標準化法第12条第1項の申出,日本産業標準

調査会の審議等の手続を経たものとみなされる。 

  

日本産業規格          JIS 

Q 50001:2019 

(ISO 50001:2018) 

エネルギーマネジメントシステム− 

要求事項及び利用の手引 

Energy management systems-Requirements with guidance for use 

序文 

この規格は,2018年に第2版として発行されたISO 50001を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本産業規格である。 

0.1 

一般 

この規格の狙いは,組織が,エネルギー効率,エネルギーの使用及びエネルギーの使用量を含む,エネ

ルギーパフォーマンスを継続的に改善するために必要なシステム及びプロセスの確立を可能にすることで

ある。この規格は,組織のエネルギーマネジメントシステム(EnMS)の要求事項を規定している。EnMS

を成功裏に実施することは,エネルギーパフォーマンスの改善の文化を支援する。その改善は,組織の全

ての階層,特にトップマネジメントからのコミットメントにかかっている。多くの場合,このことは組織

文化の変革を伴う。 

この規格は,組織の管理下にある活動に適用される。この規格は,システムの複雑さ,文書化した情報

の程度,利用可能な資源を含む,組織特有の要件に合わせて適用することができる。この規格は,EnMS

の適用範囲及び境界の外にあるエンドユーザーによる製品使用には適用されず,また施設,設備,システ

ム,又はエネルギー使用プロセスの範囲外の製品の設計にも適用されない。この規格は,EnMSの適用範

囲及び境界内の施設,設備,システム又はエネルギー使用プロセスの設計及び調達に適用される。 

EnMSの開発及び実施には,適用可能な法的要求事項及びその他の要求事項を満たしながら,エネルギ

ー効率,エネルギーの使用,エネルギー使用量に関連するエネルギー方針,目的,エネルギー目標,及び

行動計画が含まれる。EnMSは,組織が目的及びエネルギー目標を設定して達成し,エネルギーパフォー

マンスを改善するために必要に応じて処置をとり,この規格の要求事項に対するシステムの適合を実証す

ることができるようになっている。 

0.2 

エネルギーパフォーマンスのアプローチ 

この規格は,エネルギーパフォーマンスを継続的に改善させることに焦点を当てた,体系的でデータ駆

動型かつ事実に基づくプロセスの要求事項を示している。エネルギーパフォーマンスは,時間の経過とと

もに効果的かつ測定可能な結果を確実にするために,この規格で導入された概念に統合された重要な要素

である。エネルギーパフォーマンスは,エネルギー効率,エネルギー使用及びエネルギー使用量に関連す

る概念である。エネルギーパフォーマンス指標(EnPIs)及びエネルギーベースライン(EnBs)は,組織

がエネルギーパフォーマンスの改善を実証できるように,この規格が扱っている二つの相互に関連した要

素である。 

0.3 

Plan-Do-Check-Act(PDCA)サイクル 

この規格に記載されているEnMSは,Plan-Do-Check-Act(PDCA)の継続的改善の枠組みに基づいてお

background image

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

  

り,図1に示すように,既存の組織の慣行にエネルギーマネジメントを組み込んでいる。 

エネルギーマネジメントの文脈の中では,PDCAアプローチは,次のように概略される。 

− Plan:組織の状況を理解し,エネルギー方針及びエネルギーマネジメントチームを確立し,リスク及

び機会に取り組む行動を考慮し,エネルギーレビューを実施し,著しいエネルギーの使用(SEUs)を

特定し,エネルギーパフォーマンス指標(EnPIs),エネルギーベースライン(EnBs),目的及びエネ

ルギー目標,組織のエネルギー方針に従ってエネルギーパフォーマンスを改善させる結果をもたらす

ために必要な行動計画を確立する。 

− Do:行動計画,運用及び維持管理,コミュニケーションを実施し,力量を確保し,設計及び調達にお

けるエネルギーパフォーマンスを考慮する。 

− Check:監視,測定,分析,評価,監査,並びにエネルギーパフォーマンス及びEnMSのマネジメン

トレビューを行う。 

− Act:不適合に対処し,エネルギーパフォーマンス及びEnMSを継続的に改善するための処置をとる。 

P

D

C

A

エネルギーマネジメントシステムの適用範囲

組織の状況

利害関係者の
ニーズ及び期待

内部及び外部の課題

計画

支援及び運用

パフォーマン

ス評価

改善

エネルギーマネジ
メントシステムの意
図する結果

リーダーシップ

図1−Plan-Do-Check-Actサイクル 

0.4 

他のマネジメントシステム規格との両立性 

この規格は,上位構造,共通の中核となるテキスト,共通用語及び定義を含む,マネジメントシステム

規格に対する国際標準化機構(ISO)及びJISの要求事項に適合しており,他のマネジメントシステム規

格との高いレベルでの両立性を確保している。この規格は単独で使用することができる。 ただし,組織は,

EnMSを他のマネジメントシステムと組み合わせることも,他の事業,つまり環境又は社会的目標の達成

に際してEnMSを統合することもできる。二つの組織が類似した運用を行っていて,エネルギーパフォー

マンスに差異がある場合でも,共にJIS Q 50001の要求事項に適合し得る。この規格は,適合を評価する

ために用いる要求事項を含む。 

この規格との適合の実証を望む組織は,次のいずれかの方法を実施することで,それを実証することが

できる。 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

− 評価し,自己宣言する。 

− 適合又は自己宣言について,顧客などの利害関係者による確認を求める。 

− 外部機関によるEnMSの認証・登録を求める。 

この規格では,次のような表現形式が使用される。 

− “〜しなければならない”(shall)は要求事項を示し, 

− “〜することが望ましい”(should)は推奨を示し, 

− “〜することができる”,“〜できる”,“〜し得る”など(can)は可能性又は実現能力を示し, 

− “〜してもよい”(may)”は許容を示す。 

“注記”に記載されている情報は,規格の理解又は使用を支援することを意図している。箇条3で使用

される“注記”は,用語データを補足する追加情報を提供するほか,用語の使用に関連する要求事項を含

み得る。 

0.5 

この規格の便益 

この規格を効果的に実施することで,組織がエネルギーを管理する方法を変えることができるエネルギ

ーパフォーマンスの改善への体系的なアプローチを得ることができる。エネルギーマネジメントを事業慣

行に統合することによって,組織はエネルギーパフォーマンスの継続的改善のためのプロセスを確立する

ことができる。エネルギーパフォーマンスを改善し,それに関連するエネルギーコストを削減することで,

組織は競争力を高めることができる。さらに,エネルギーマネジメントの実施によって,組織は,エネル

ギー関連の温室効果ガス排出量を削減することによって,全体的な気候変動緩和の目標を達成することが

できるようになる。 

適用範囲 

この規格は,エネルギーマネジメントシステム(EnMS)を確立し,実施し,維持し,改善するための

要求事項について規定する。その意図する成果は,組織が,エネルギーパフォーマンス及びEnMSの継続

的改善を達成するための体系的取組みを可能にすることである。  

この規格は, 

a) 組織の種類,規模,複雑さ,地理的位置,組織文化,又は提供される製品及びサービスに関係なく,

どのような組織にも適用できる。 

b) 組織によって運営され,管理されている,エネルギーパフォーマンスに影響を及ぼす活動に適用でき

る。 

c) 使用されるエネルギーの量,使用,又は種類にかかわらず適用できる。 

d) 継続的なエネルギーパフォーマンスの改善を実証することを要求しているが,達成されるエネルギー

パフォーマンスの改善レベルを定義していない。 

e) 独立して利用することも,他のマネジメントシステムと連携又は統合させることもできる。 

附属書Aは,この規格に参考となる手引を示す。 

附属書Bは,この版と旧版との比較を示す。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 50001:2018,Energy management systems−Requirements with guidance for use(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

  

引用規格 

この規格には,引用規格はない。 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

ISO及びIECは,標準化に使用する用語データベースを次のアドレスに維持している。 

− ISO Online Browsing Platform:https://www.iso.org/obp 

− IEC Electropedia:http://www.electropedia.org/ 

3.1 

組織に関連する用語 

3.1.1 

組織(organization) 

自らの目的(3.4.13)を達成するため,責任,権限及び相互関係を伴う独自の機能をもつ,個人又は人々

の集まり。 

注記 組織という概念には,法人か否か,公的か私的かを問わず,自営業者,会社,法人,事務所,

企業,当局,共同経営会社,非営利団体若しくは協会,又はこれらの一部若しくは組合せが含

まれる。ただし,これらに限定されるものではない。 

3.1.2 

トップマネジメント(top management) 

最高位で組織(3.1.1)を指揮し,管理する個人又は人々の集まり。 

注記1 トップマネジメントは,組織内で,権限を委譲し,資源を提供する力をもっている。 

注記2 マネジメントシステム(3.2.1)の適用範囲が組織の一部だけの場合,トップマネジメントと

は,組織内のその一部を指揮し,管理する人をいう。 

注記3 トップマネジメントはEnMSの適用範囲(3.1.4)及びエネルギーマネジメントシステム(3.2.2)

の境界(3.1.3)内で定義されているとおり組織を管理する。 

3.1.3 

境界(boundary) 

物理的又は組織的な範囲。 

例 一つの組織(3.1.1)が管理するプロセス(3.3.6),プロセスの集合,敷地,組織全体。 

注記 組織は,EnMSの境界を定義する。 

3.1.4 

エネルギーマネジメントシステムの適用範囲,EnMSの適用範囲(energy management system scope,EnMS 

scope) 

組織(3.1.1)がエネルギーマネジメントシステム(3.2.2)を介して取り組む一連の活動。 

注記 EnMSの適用範囲は幾つかの境界(3.1.3),及び輸送業務を含むことができる。 

3.1.5 

利害関係者(interested party) 

ある決定事項若しくは活動に影響を与え得るか,その影響を受け得るか,又はその影響を受けると認識

している,個人又は組織(3.1.1)。 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

3.2 

マネジメントシステムに関連する用語 

3.2.1 

マネジメントシステム(management system) 

方針(3.2.3),目的(3.4.13)及びその目的を達成するためのプロセス(3.3.6)を確立するための,相互

に関連する又は相互に作用する,組織(3.1.1)の一連の要素。 

注記1 一つのマネジメントシステムは,単一又は複数の分野を取り扱うことができる。 

注記2 システムの要素には,組織の構造,役割及び責任,計画及び運用が含まれる。 

注記3 マネジメントシステムの中には,マネジメントシステムの適用範囲として,組織全体,組織

内の固有で特定された機能,組織内の固有で特定された部門,複数の組織の集まりを横断す

る一つ又は複数の機能,などがあり得る。EnMSの適用範囲(3.1.4)には,境界(3.1.3)内

にある全てのエネルギーの種類が含まれる。 

3.2.2 

エネルギーマネジメントシステム,EnMS(energy management system) 

エネルギー方針(3.2.4),目的(3.4.13),エネルギー目標(3.4.15),行動計画並びにそれらの目的及び

エネルギー目標を達成するためのプロセス(3.3.6)を確立する,マネジメントシステム(3.2.1)。 

3.2.3 

方針(policy) 

トップマネジメント(3.1.2)によって正式に表明された組織(3.1.1)の意図及び方向付け。 

3.2.4 

エネルギー方針(energy policy) 

トップマネジメント(3.1.2)によって正式に表明された,エネルギーパフォーマンス(3.4.3)に関する

組織(3.1.1)の全体的な意図,方向付け及びコミットメントに関する組織の声明。 

3.2.5 

エネルギーマネジメントチーム(energy management team) 

エネルギーマネジメントシステム(3.2.2)の効果的な実施及びエネルギーパフォーマンスの改善(3.4.6)

の推進に責任及び権限をもつ人(人々)。 

注記 エネルギーマネジメントチームの規模を決定する際には,組織(3.1.1)の規模及び性質,並び

に利用可能な資源が考慮される。一人の人間がチームの役割を果たすこともできる。 

3.3 

要求事項に関連する用語 

3.3.1 

要求事項(requirement) 

明示されている,通常暗黙のうちに了解されている又は義務として要求されている,ニーズ又は期待。 

注記1 “通常暗黙のうちに了解されている”とは,対象となるニーズ又は期待が暗黙のうちに了解

されていることが,組織(3.1.1)及び利害関係者(3.1.5)にとって,慣習又は慣行であるこ

とを意味する。 

注記2 規定要求事項とは,例えば,文書化した情報(3.3.5)の中で明示されている要求事項をいう。 

3.3.2 

適合(conformity) 

要求事項(3.3.1)を満たしていること。 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

  

3.3.3 

不適合(nonconformity) 

要求事項(3.3.1)を満たしていないこと。 

3.3.4 

是正処置(corrective action) 

不適合(3.3.3)の原因を除去し,再発を防止するための処置。 

3.3.5 

文書化した情報(documented information) 

組織(3.1.1)が管理し,維持するよう要求されている情報,及びそれが含まれている媒体。 

注記1 文書化した情報は,あらゆる形式及び媒体の形をとることができ,あらゆる情報源から得る

ことができる。 

注記2 文書化した情報には,次に示すものがあり得る。 

− 関連するプロセス(3.3.6)を含むマネジメントシステム(3.2.1) 

− 組織の運用のために作成された情報(文書類) 

− 達成された結果の証拠(記録) 

3.3.6 

プロセス(process) 

インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。 

注記 組織(3.1.1)の活動に関連するプロセスには,次のようなものがある。 

− 物理的(例 燃焼などのエネルギー使用プロセス) 

− ビジネス又はサービス(例 命令の履行) 

3.3.7 

監視(monitoring) 

システム,プロセス(3.3.6)又は活動の状況を明確にすること。 

注記1 状況を明確にするために,点検,監督又は注意深い観察が必要な場合もある。 

注記2 エネルギーマネジメントシステム(3.2.2)では,監視とはエネルギーデータのレビューであ

り得る。 

3.3.8 

監査(audit) 

監査基準が満たされている程度を判定するために,監査証拠を収集し,それを客観的に評価するための,

体系的で,独立し,文書化したプロセス(3.3.6)。 

注記1 監査は,内部監査(第一者)又は外部監査(第二者・第三者)のいずれでも,又は複合監査

(複数の分野の組合せ)でもあり得る。 

注記2 内部監査は,その組織(3.1.1)自体が行うか,又は組織の代理で外部関係者が行う。 

注記3 “監査証拠”及び“監査基準”は,JIS Q 19011に定義されている。 

注記4 ここで定義し,この規格で用いられる“監査”という用語は,エネルギーマネジメントシス

テム(3.2.2)の内部監査を意味する。これは“エネルギー診断(energy audit)”とは異なる。

この定義において,“監査証拠”とはエネルギーマネジメントシステムの内部監査からの証拠

を意味しており,エネルギー診断からの証拠を意味しない。 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

3.3.9 

外部委託する(outsource)(動詞) 

ある組織(3.1.1)の機能又はプロセス(3.3.6)の一部を外部の組織が実施するという取決めを行う。 

注記 外部の組織はマネジメントシステム(3.2.1)の適用範囲の外にあるが,外部委託した機能又は

プロセスはマネジメントシステムの適用範囲内にある。 

3.4 

パフォーマンスに関連する用語 

3.4.1 

測定(measurement) 

値を決定するプロセス(3.3.6)。 

注記 測定に関連する概念の追加情報については,ISO/IEC Guide 99を参照。 

3.4.2 

パフォーマンス(performance) 

測定可能な結果。 

注記1 パフォーマンスは,定量的又は定性的な所見のいずれにも関連し得る。 

注記2 パフォーマンスは,活動,プロセス(3.3.6),製品(サービスを含む),システム又は組織(3.1.1)

の運営管理に関連し得る。 

3.4.3 

エネルギーパフォーマンス(energy performance) 

エネルギー効率(3.5.3),エネルギーの使用(3.5.4)及びエネルギー使用量(3.5.2)に関する測定可能

な結果。 

注記1 エネルギーパフォーマンスは,組織(3.1.1)の目的(3.4.13),エネルギー目標(3.4.15)及び

その他のエネルギーパフォーマンスの要求事項に対して測定が可能である。 

注記2 エネルギーパフォーマンスは,エネルギーマネジメントシステム(3.2.2)のパフォーマンス

(3.4.2)の一部である。 

3.4.4 

エネルギーパフォーマンス指標,EnPI(energy performance indicator) 

組織(3.1.1)によって定められたエネルギーパフォーマンス(3.4.3)の尺度又は単位。 

注記1 EnPI(s)は,測定される活動の性質によって,単純な数値,比,又はモデルを使用して表すこ

とができる。 

注記2 EnPI(s)の追加情報は,ISO 50006を参照。 

3.4.5 

エネルギーパフォーマンス指標値,EnPIの値(energy performance indicator value,EnPI value) 

特定の期間内又はそれを超える期間内におけるEnPI(3.4.4)の定量化。 

3.4.6 

エネルギーパフォーマンスの改善(energy performance improvement) 

エネルギーベースライン(3.4.7)と比較した上での,エネルギー効率(3.5.3)又はエネルギーの使用(3.5.4)

に関連するエネルギー使用量(3.5.2)の測定可能な結果の改善。 

3.4.7 

エネルギーベースライン,EnB(energy baseline) 

エネルギーパフォーマンス(3.4.3)の比較のために設けられた定量的な基準(複数の場合もある)。 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

  

注記1 エネルギーベースラインは,組織(3.1.1)に定められた特定の期間及び/又は条件からのデ

ータに基づいている。 

注記2 一つ又は複数のエネルギーベースラインが,エネルギーパフォーマンスの改善活動の導入の

前後,又はその実施の有無の基準として,エネルギーパフォーマンスの改善(3.4.6)の決定

に際して使用される。 

注記3 エネルギーパフォーマンスの測定及び検証の追加情報は,ISO 50015を参照。 

注記4 EnPIs及びEnBsの追加情報は,ISO 50006を参照。 

3.4.8 

静的要因(static factor) 

エネルギーパフォーマンス(3.4.3)に著しい影響を及ぼし,かつ,日常的には変化しない,特定された

要因。 

注記 著しさの基準は,組織(3.1.1)によって決定される。 

例 施設規模,設置された設備の設計,毎週のシフト数,製品の範囲。 

 (ISO 50015:2014の3.22を修正。注記及び例1を修正し,例2を削除した。) 

3.4.9 

関連変数(relevant variable) 

エネルギーパフォーマンス(3.4.3)に著しい影響を及ぼし,かつ,日常的に変化する定量化可能な要因。 

注記 著しさの基準は,組織(3.1.1)によって決定される。 

例 天候,運転条件(室内温度,照明レベル),勤務時間,生産量など。 

 (ISO 50015:2014の3.18を修正。注記を追加し,例の表現を修正した。) 

3.4.10 

正規化(normalization) 

同等の条件下でエネルギーパフォーマンス(3.4.3)の比較を可能にするための変化を考慮したデータの

修正。 

3.4.11 

リスク(risk) 

不確かさの影響。 

注記1 影響とは,期待されている状態から,好ましい方向又は好ましくない方向にかい(乖)離す

ることをいう。 

注記2 不確かさとは,事象,その結果又はその起こりやすさに関する,情報,理解又は知識に,た

とえ部分的にでも不備がある状態をいう。 

注記3 リスクは,起こり得る“事象”(JIS Q 0073の定義を参照)及び“結果”(JIS Q 0073の定義

を参照),又はこれらの組合せについて述べることによって,その特徴を示すことが多い。 

注記4 リスクは,ある事象(その周辺状況の変化を含む。)の結果とその発生の“起こりやすさ”(JIS 

Q 0073の定義を参照)との組合せとして表現されることが多い。 

3.4.12 

力量(competence) 

意図した結果を達成するために,知識及び技能を適用する能力。 

3.4.13 

目的(objective) 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

達成する結果。 

注記1 目的は,戦略的,戦術的又は運用的であり得る。 

注記2 目的は,様々な領域[例えば,財務,安全衛生,環境の到達点(goal)]に関連し得るもので

あり,様々な階層[例えば,戦略的レベル,組織全体,プロジェクト単位,製品ごと,プロ

セス(3.3.6)ごと]に適用できる。 

注記3 目的は,例えば,意図する成果,目的(purpose),運用基準など,別の形で表現することも

できる。また,エネルギー目的という表現の仕方もある。又は,同じような意味をもつ別の

言葉[例 狙い(aim),到達点(goal)]で表すこともできる。 

注記4 エネルギーマネジメントシステム(3.2.2)の場合,組織(3.1.1)は,特定の結果を達成する

ため,エネルギー方針(3.2.4)と整合のとれた目的を設定する。 

3.4.14 

有効性(effectiveness) 

計画した活動を実行し,計画した結果を達成した程度。 

3.4.15 

エネルギー目標(energy target) 

エネルギーパフォーマンスの改善(3.4.6)の定量化が可能な目的(3.4.13)。 

注記 エネルギー目標は,目的の中に含まれ得る。 

3.4.16 

継続的改善(continual improvement) 

パフォーマンス(3.4.2)を向上するために繰り返し行われる活動。 

注記 この概念は,エネルギーパフォーマンス(3.4.3)及びエネルギーマネジメントシステム(3.2.2)

の改善に関連している。 

3.5 

エネルギーに関連する用語 

3.5.1 

エネルギー(energy) 

電力,燃料,蒸気,熱,圧縮空気及びその他類似の媒体。 

注記 この規格の目的に応じて,エネルギーは,再生可能エネルギーを含む種々の形態を指し,購入

され,貯蔵され,取り扱われ,設備若しくはプロセスにおいて使用され,又は回収され得る。 

3.5.2 

エネルギー使用量(energy consumption) 

利用されたエネルギー(3.5.1)の量。 

3.5.3 

エネルギー効率(energy efficiency) 

パフォーマンス(3.4.2),サービス,物品,商品,又はエネルギー(3.5.1)のアウトプットとエネルギ

ーのインプットとの比又はその他の定量的な関係。 

例 変換効率,必要とされるエネルギー又は使用されたエネルギー。 

注記 インプット及びアウトプットの両方の量及び質が明確に特定され,かつ,測定可能である必要

がある。 

3.5.4 

エネルギーの使用(energy use) 

10 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

  

エネルギー(3.5.1)の用途。 

例 空調,照明,加熱,冷却,輸送,データ記憶(装置),製造プロセス。 

注記 エネルギーの使用は“エネルギーの最終使用”と呼ばれることもある。 

3.5.5 

エネルギーレビュー(energy review) 

データ及びその他の情報に基づいて,SEUs(3.5.6)の特定及びエネルギーパフォーマンスの改善(3.4.6)

の機会を導くための,エネルギー効率(3.5.3),エネルギーの使用(3.5.4)及びエネルギー使用量(3.5.2)

の分析。 

3.5.6 

著しいエネルギーの使用,SEU(significant energy use) 

多量のエネルギー使用量(3.5.2)とみなせる及び/又はエネルギーパフォーマンスの改善(3.4.6)のた

めに,高い可能性をもつエネルギーの使用(3.5.4)。 

注記1 著しさの基準は,組織(3.1.1)によって決定される。 

注記2 SEUsは,施設,システム,プロセス,又は設備の場合がある。 

組織の状況 

4.1 

組織及びその状況の理解 

組織は,組織の目的に関連し,かつ,そのEnMSの意図した成果を達成しエネルギーパフォーマンスを

改善する組織の能力に影響を与える,外部及び内部の課題を決定しなければならない。 

4.2 

利害関係者のニーズ及び期待の理解 

組織は,次の事項を決定しなければならない。 

a) エネルギーパフォーマンス及びEnMSに関連する利害関係者 

b) それらの利害関係者の,関連する要求事項 

c) 特定されたニーズ及び期待のうち,組織がEnMSを通じて取り組むもの 

組織は,次の事項を実施しなければならない。 

− エネルギー効率,エネルギーの使用及びエネルギー使用量に関して適用される,法的要求事項及びそ

の他の要求事項を参照することを確実にする。 

− これらの要求事項がエネルギー効率,エネルギーの使用及びエネルギー使用量にどのように適用する

かを決定する。 

− これらの要求事項を考慮に入れることを確実にする。 

− 定められた間隔で法的要求事項及びその他の要求事項をレビューする。 

注記 コンプライアンスマネジメントの詳細については,ISO 19600を参照。 

4.3 

エネルギーマネジメントシステムの適用範囲の決定 

組織は,EnMSの適用範囲を定めるために,その境界及び適用可能性を決定しなければならない。 

EnMSの適用範囲を決定するとき,組織は,次の事項を考慮しなければならない。 

a) 4.1に規定する外部及び内部の課題 

b) 4.2に規定する要求事項 

組織は,その適用範囲及び境界内にあるエネルギー効率,エネルギーの使用及びエネルギー使用量を管

理する権限をもつことを確実にしなければならない。組織は,適用範囲及び境界内にあるエネルギーの種

類を除外してはならない。 

11 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

EnMSの適用範囲及び境界は,文書化した情報として維持しなければならない(7.5参照)。 

4.4 

エネルギーマネジメントシステム 

組織は,この規格の要求事項に従って,必要なプロセス及びそれらの相互作用を含む,EnMSを確立し,

実施し,維持し,かつ,継続的にエネルギーパフォーマンスを改善しなければならない。 

注記 必要なプロセスは,次のような理由によって,組織ごとに異なる場合があり得る。 

− 組織の規模並びに,活動,プロセス,製品及びサービスの種類 

− プロセス及びその相互作用の複雑さ 

− 要員の力量 

リーダーシップ 

5.1 

リーダーシップ及びコミットメント 

トップマネジメントは,次に示す事項によって,エネルギーパフォーマンスの継続的改善及びEnMSの

有効性に関するリーダーシップ及びコミットメントを実証しなければならない。 

a) EnMSの適用範囲及び境界が確立されていることを確実にする。 

b) エネルギー方針(5.2参照),目的及びエネルギー目標(6.2参照)を確立し,それらが組織の戦略的な

方向性と両立することを確実にする。 

c) 組織の事業プロセスへのEnMS要求事項の統合を確実にする。 

注記 この規格で“事業”という場合,それは,組織の存在の目的の中核となる活動という広義の

意味で解釈され得る。 

d) 行動計画が承認され,実施されることを確実にする。 

e) EnMSに必要な資源が利用可能であることを確実にする。 

f) 

有効なエネルギーマネジメント及びEnMS要求事項への適合の重要性を伝達する。 

g) EnMSがその意図した成果を達成することを確実にする。 

h) エネルギーパフォーマンス及びEnMSの継続的改善を促進する。 

i) 

エネルギーマネジメントチームの設置を確実にする。 

j) 

EnMSの有効性及びエネルギーパフォーマンスの改善に寄与するよう人々を指揮し,支援する。 

k) その他の関連する管理層がその責任の領域においてリーダーシップを実証するよう,管理層の役割を

支援する。 

l) 

EnPI(s)が適切にエネルギーパフォーマンスを表すことを確実にする。 

m) EnMSの適用範囲内及び境界内で,EnMS及びエネルギーパフォーマンスに影響を与える変更を特定

して取り組むプロセスが確立され,実施されることを確実にする。 

5.2 

エネルギー方針 

トップマネジメントは,次の事項を満たすエネルギー方針を確立しなければならない。 

a) 組織の目的に対して適切である。 

b) 目的及びエネルギー目標(6.2参照)の設定及びレビューのための枠組みを示す。 

c) 目的及びエネルギー目標を達成するための情報及び必要な資源を利用できることを確実にすることへ

のコミットメントを含む。 

d) エネルギー効率,エネルギーの使用及びエネルギー使用量に関して適用される,法的要求事項及びそ

の他の要求事項(4.2参照)を満たすことへのコミットメントを含む。 

e) エネルギーパフォーマンス及びEnMSの継続的改善(10.2参照)へのコミットメントを含む。 

12 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

  

f) 

エネルギーパフォーマンスに影響を与えるエネルギー効率の優れた製品及びサービスの調達(8.3参

照)を支援する。 

g) エネルギーパフォーマンスの改善を考慮した設計(8.2参照)活動を支援する。 

エネルギー方針は,次に示す事項を満たさなければならない。 

− 文書化した情報(7.5参照)として利用可能である。 

− 組織内に伝達する。 

− 必要に応じて,利害関係者が入手可能である。 

− 定期的に見直し,必要に応じて更新する。 

5.3 

組織の役割,責任及び権限 

トップマネジメントは,関連する役割に対して,責任及び権限が割り当てられ,組織内に伝達されるこ

とを確実にしなければならない。 

トップマネジメントは,次の事項に対して,エネルギーマネジメントチームに責任及び権限を割り当て

なければならない。 

a) EnMSが確立され,実施され,維持され,継続的に改善されることを確実にする。 

b) EnMSが,この規格の要求事項に適合することを確実にする。 

c) 継続的にエネルギーパフォーマンスを改善するための行動計画(6.2参照)を実施する。 

d) EnMSのパフォーマンス及びエネルギーパフォーマンスの改善を,定められた間隔でトップマネジメ

ントに報告する。 

e) EnMSの運用及び管理が有効であることを確実にするために,必要な判断基準及び方法を確立する。 

計画 

6.1 

リスク及び機会への取組み 

6.1.1 

EnMSの計画を策定するとき,組織は,4.1に規定する課題及び4.2に規定する要求事項を考慮し,

エネルギーパフォーマンスに影響を与える可能性のある,組織の活動及びプロセスをレビューしなければ

ならない。計画は,エネルギー方針に整合するものであり,エネルギーパフォーマンスの継続的改善をも

たらす行動を導くものでなければならない。組織は,次の事項のために取り組む必要があるリスク及び機

会を決定しなければならない。 

− EnMSが,エネルギーパフォーマンスの改善を含む,その意図した成果を達成できるという確信を与

える。 

− 望ましくない影響を防止又は低減する。 

− EnMS及びエネルギーパフォーマンスの継続的改善を達成する。 

注記 エネルギー計画のプロセスを示す概念図を図A.2に示す。 

6.1.2 

組織は次の事項を計画しなければならない。 

a) 決定したリスク及び機会への取組み 

b) 次の事項を行う方法 

1) その取組みの,EnMS及びエネルギーパフォーマンスのプロセスへの統合及び実施 

2) その取組みの有効性の評価 

6.2 

目的,エネルギー目標及びそれを達成するための計画策定 

6.2.1 

組織は,関連する機能及び階層において,目的を確立しなければならない。組織は,エネルギー目

標を確立しなければならない。 

13 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

6.2.2 

目的及びエネルギー目標は,次の事項を満たさなければならない。 

a) エネルギー方針と整合している(5.2参照)。 

b) (実行可能な場合)測定可能である。 

c) 適用される要求事項を考慮に入れる。 

d) SEUsを考慮する(6.3参照)。 

e) エネルギーパフォーマンスを改善するための機会を考慮に入れる(6.3参照)。 

f) 

監視する。 

g) 伝達する。 

h) 必要に応じて,更新する。 

組織は,目的及びエネルギー目標に関する文書化した情報(7.5参照)を保持しなければならない。 

6.2.3 

組織は,目的及びエネルギー目標をどのように達成するかについて計画するとき,次の事項を含む

行動計画を策定し,維持しなければならない。 

− 実施事項 

− 必要な資源 

− 責任者 

− 達成期限 

− 結果の評価方法。これにはエネルギーパフォーマンスの改善を検証するために使用される方法(9.1

参照)を含む。 

組織は,その目的及びエネルギー目標を達成するための取組みを,組織の事業プロセスにどのように統

合するかについて,考慮しなければならない。組織は,行動計画に関する文書化した情報を保持しなけれ

ばならない(7.5参照)。 

6.3 

エネルギーレビュー 

組織は,エネルギーレビューを構築し実施しなければならない。 

エネルギーレビューの構築においては,組織は,次の事項を行わなければならない。 

a) 次の事項によって,エネルギーの使用及びエネルギー使用量を,測定及びその他のデータに基づき,

分析する,すなわち, 

1) 現時点のエネルギーの種類を特定する(3.5.1参照)。 

2) 過去及び現在のエネルギーの使用及びエネルギー使用量を評価する。 

b) その分析結果に基づき,SEUsを特定する(3.5.6参照)。 

c) それぞれのSEUに関しては,次の事項による。 

1) 関連変数を決定する。 

2) 現在のエネルギーパフォーマンスを決定する。 

3) SEUsに,間接的に又は直接的に影響を及ぼす業務をその管理下で行う人(又は人々)を特定する。 

d) エネルギーパフォーマンスを改善するための機会を決定し,優先度を決める。 

e) 将来のエネルギーの使用及びエネルギー使用量を予測する。 

エネルギーレビューは,定められた間隔で更新するとともに,施設,設備,システム又はエネルギー使

用プロセスの主要な変更の際にも更新しなければならない。 

組織は,エネルギーレビューの構築に使用された方法及び判断基準を,文書化した情報(7.5参照)とし

て維持し,その結果の文書化した情報を保持しなければならない。 

14 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

  

6.4 

エネルギーパフォーマンス指標 

組織は,次の事項を満たすEnPIsを決定しなければならない。 

a) そのエネルギーパフォーマンスを測定及び監視するために,適切である。 

b) 組織がエネルギーパフォーマンスの改善を実証できるようにする。 

EnPI(s)を決定して更新する方法は,文書化した情報として維持されなければならない(7.5参照)。組織

は,関連変数がエネルギーパフォーマンスに著しい影響を及ぼすことを示すデータがある場合,適切な

EnPI(s)を確立するために,そのようなデータを考慮しなければならない。 

EnPIの値は,必要に応じてレビューし,それぞれのEnBsと比較しなければならない。組織は,EnPIの

値の文書化した情報(7.5参照)を保持しなければならない。 

6.5 

エネルギーベースライン 

組織は,適切な期間を考慮に入れ,エネルギーレビュー(6.3参照)からの情報を用いてEnB(s)を設定

しなければならない。 

関連変数がエネルギーパフォーマンスに著しい影響を与えることを示すデータがある場合,組織はEnPI

の値及びそれに対応するEnB(s)の正規化を実施しなければならない。 

注記 活動の性質に応じて,正規化は簡単な調整,又はより複雑な手順になり得る。 

EnB(s)は,次のいずれか一つ又は複数の場合に改訂しなければならない。 

a) EnPI(s)がもはや組織のエネルギーパフォーマンスを反映しなくなった場合 

b) 静的要因に大きな変化があった場合 

c) あらかじめ定められた方法による場合 

組織は,EnB(s)の情報,関連変数のデータ及びEnB(s)の変更を,文書化した情報(7.5参照)として保持

しなければならない。 

6.6 

エネルギーデータ収集計画 

組織は,エネルギーパフォーマンスに影響を及ぼす,運用の重要な特性を,あらかじめ定められた間隔

で,特定し,測定し,監視し,分析することを確実にしなければならない(9.1参照)。組織は,規模,複

雑さ,資源,並びにその測定及び監視装置に適した,エネルギーデータ収集計画を定め,実施しなければ

ならない。その計画は,重要な特性を監視するために必要なデータを規定しなければならず,データの収

集及び保持の方法並びに頻度を明記しなければならない。 

収集される(又は適切な測定によって取得される)データ及び保持された文書化した情報(7.5参照)は,

次を含まなければならない。 

a) SEUsの関連変数 

b) SEUs及び組織に関連するエネルギー使用量 

c) SEUsに関連する運用基準 

d) 該当する場合,静的要因 

e) 行動計画で特定されたデータ 

エネルギーデータ収集計画は,定められた間隔でレビューされ,必要に応じて更新されなければならな

い。 

組織は,重要な特性の測定に使用される設備が,正確かつ再現性のあるデータを提供することを確実に

しなければならない。組織は,測定,監視,並びに正確性及び再現性を確保するためにとられるその他の

方法に関する,文書化した情報(7.5参照)を保持しなければならない。 

15 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

支援 

7.1 

資源 

組織は,エネルギーパフォーマンス及びEnMSの確立,実施,維持及び継続的改善に必要な資源を決定

し,提供しなければならない。 

7.2 

力量 

組織は,次の事項を行わなければならない。 

a) 組織のエネルギーパフォーマンス及びEnMSに影響を与える業務をその管理下で行う人(又は人々)

に必要な力量を決定する。 

b) 適切な教育,訓練,技能又は経験に基づいて,それらの人々が力量を備えていることを確実にする。 

c) 該当する場合には,必ず,必要な力量を身に付けるための処置をとり,とった処置の有効性を評価す

る。 

d) 力量の証拠として,適切な文書化した情報(7.5参照)を保持する。 

注記 適用される処置には,例えば,現在雇用している人々に対する,教育訓練の提供,指導の実施,

配置転換の実施などがあり,また,力量を備えた人々の雇用,そうした人々との契約締結など

もあり得る。 

7.3 

認識 

組織の管理下で働く人々は,次の事項に関して認識をもたなければならない。 

a) エネルギー方針(5.2参照) 

b) 目的及びエネルギー目標(6.2参照)の達成及びエネルギーパフォーマンスの向上によって得られる便

益を含む,EnMSの有効性に対する自らの貢献 

c) エネルギーパフォーマンスに対しての自分の活動又は行為の影響 

d) EnMS要求事項に適合しないことの意味 

7.4 

コミュニケーション 

組織は,次の事項を含む,EnMSに関連する内部及び外部のコミュニケーションを決定しなければなら

ない。 

a) コミュニケーションの内容 

b) コミュニケーションの実施時期 

c) コミュニケーションの対象者 

d) コミュニケーションの方法 

e) コミュニケーションの担当者 

コミュニケーションのプロセスを確立する際,組織は,伝達される情報がEnMS内で生成される情報と

整合し,信頼性があることを確実にしなければならない。 

組織は,組織の管理下で働く人(又は人々)がEnMS及びエネルギーパフォーマンスに対してコメント

又は改善提案することができるプロセスを確立し,実施しなければならない。組織は,改善提案の文書化

した情報(7.5参照)の保持を考慮しなければならない。 

7.5 

文書化した情報 

7.5.1 

一般 

組織のEnMSは,次の事項を含まなければならない。 

a) この規格が要求する文書化した情報 

b) EnMSの有効性及びエネルギーパフォーマンス改善の実証のために必要であると組織が決定した,文

16 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

  

書化した情報 

注記 EnMSのための文書化した情報の程度は,次のような理由によって,それぞれの組織で異なる

場合がある。 

− 組織の規模,並びに活動,プロセス,製品及びサービスの種類 

− プロセス及びその相互作用の複雑さ 

− 人々の力量 

7.5.2 

作成及び更新 

文書化した情報を作成及び更新する際,組織は,次の事項を確実にしなければならない。 

a) 適切な識別及び記述(例えば,タイトル,日付,作成者,参照番号) 

b) 適切な形式(例えば,言語,ソフトウェアの版,図表)及び媒体(例えば,紙,電子媒体) 

c) 適切性及び妥当性に関する,レビュー及び承認 

7.5.3 

文書化した情報の管理 

EnMS及びこの規格で要求されている文書化した情報は,次の事項を確実にするために,管理しなけれ

ばならない。 

a) 文書化した情報が,必要なときに,必要なところで,入手可能かつ利用に適した状態である。 

b) 文書化した情報が十分に保護されている(例えば,機密性の喪失,不適切な使用及び完全性の喪失か

らの保護)。 

文書化した情報の管理に当たって,組織は,該当する場合には,必ず,次の行動に取り組まなければな

らない。 

− 配付,アクセス,検索及び利用 

− 読みやすさが保たれることを含む,保管及び保存 

− 変更の管理(例えば,版の管理) 

− 保持及び廃棄 

EnMSの計画及び運用のために組織が必要と決定した外部からの文書化した情報は,必要に応じて識別

し,管理しなければならない。 

注記 アクセスとは,文書化した情報の閲覧だけの許可に関する決定,又は文書化した情報の閲覧及

び変更の許可及び権限に関する決定を意味し得る。 

運用 

8.1 

運用の計画及び管理 

組織は,次に示す事項の実施によって,要求事項を満たすため,及び6.2で決定した取組みを実施する

ために必要なSEUs(6.3参照)に関連するプロセスを計画し,実施し,かつ,管理しなければならない。 

a) それらが欠如すると,意図したエネルギーパフォーマンスからの著しい逸脱を招き得る施設,設備,

システム及びエネルギー使用プロセスの効果的な運用及び維持を含む,プロセスに関する基準の設定 

注記 著しい逸脱の基準は,組織によって決定される。 

b) 組織の管理下で働く関連する人(又は人々)に対する,その基準の伝達(7.4参照) 

c) 確立した基準に従った施設,設備,システム,及びエネルギー使用プロセスの運用及び維持を含む,

基準に従った,プロセスの管理の実施 

d) プロセスが計画どおりに実施されたという確信をもつために必要な程度の,文書化した情報(7.5参照)

の保持 

17 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

組織は,計画した変更を管理し,意図しない変更によって生じた結果をレビューし,必要に応じて,有

害な影響を軽減する処置をとらなければならない。 

組織は,外部委託したSEUs又はSEUs(6.3参照)に関連するプロセスが管理されていることを確実に

しなければならない(8.3参照)。 

8.2 

設計 

組織は,計画された又は期待される運用期間にわたって,エネルギーパフォーマンスに著しい影響を与

える可能性がある施設,設備,システム及びエネルギー使用プロセスの新設,改造及び改修の設計を行う

場合には,エネルギーパフォーマンスの改善の機会及び運用管理を考慮しなければならない。 

エネルギーパフォーマンスの評価の結果は,該当する場合には,仕様書,設計及び調達活動に組み込ま

なければならない。 

組織は,エネルギーパフォーマンスに関連する設計活動の文書化した情報を保持しなければならない

(7.5参照)。 

8.3 

調達 

組織は,組織のエネルギーパフォーマンスに著しい影響を及ぼすことが予想される,エネルギー使用製

品,設備及びサービスを調達するときの,計画された又は想定された運用期間にわたるエネルギーパフォ

ーマンスを評価する基準を設定し,実施しなければならない。 

SEUsに影響を及ぼす又はその可能性のある,エネルギーを使用する製品,設備及びサービスを調達す

る場合,組織は,エネルギーパフォーマンスが調達における評価基準の一つであることを供給者に伝えな

ければならない。 

組織は,該当する場合には,次の事項を行うための仕様を定義し,伝達しなければならない。 

a) 調達した設備及びサービスのエネルギーパフォーマンスを確実にする。 

b) エネルギーを購入する。 

パフォーマンス評価 

9.1 

エネルギーパフォーマンス及びEnMSの監視,測定,分析及び評価 

9.1.1 

一般 

組織は,エネルギーパフォーマンス及びEnMSのために次の事項を決定しなければならない。 

a) 次の重要な特性を最低限含む,監視及び測定が必要な対象 

1) 目的及びエネルギー目標の達成における行動計画の有効性 

2) EnPI(s) 

3) SEUsの運用 

4) 期待されるエネルギー使用量に対する実際のエネルギー使用量 

b) 該当する場合には,必ず,妥当な結果を確実にするための,監視,測定,分析及び評価の方法 

c) 監視及び測定の実施時期 

d) 監視及び測定の結果の,分析及び評価の時期 

組織は,エネルギーパフォーマンス及びEnMSの有効性を評価しなければならない(6.6参照)。 

エネルギーパフォーマンスの改善は,対応するEnB(s)(6.5参照)に対しEnPI(s)の値(6.4参照)を比較

することによって評価しなければならない。 

組織は,エネルギーパフォーマンスの著しい逸脱を調査し対応しなければならない。組織は,調査及び

対応の結果についての文書化した情報を保持しなければならない(7.5参照)。 

18 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

  

組織は,監視及び測定の結果に関する適切な文書化した情報を保持しなければならない(7.5参照)。 

9.1.2 

法的要求事項及びその他の要求事項に対する順守評価 

あらかじめ定められた間隔で,組織は,エネルギー効率,エネルギーの使用,エネルギー使用量及びEnMS

に関連する法的要求事項及びその他の要求事項(4.2参照)に対する順守評価を行わなければならない。組

織は,順守評価及びとったあらゆる処置の評価の結果についての文書化した情報(7.5参照)を保持しなけ

ればならない。 

9.2 

内部監査 

9.2.1 

組織は,EnMSが次の状況にあるか否かに関する情報を提供するために,あらかじめ定めた間隔で

EnMSの内部監査を実施しなければならない。 

a) エネルギーパフォーマンスを改善している。 

b) 次の事項に適合している。 

− EnMSに関して,組織自体が規定した要求事項 

− 組織によって確立されたエネルギー方針(5.2参照),目的,エネルギー目標(6.2参照) 

− この規格の要求事項 

c) 有効に実施され,維持されている。 

9.2.2 

組織は,次に示す事項を行わなければならない。 

a) 頻度,方法,責任,計画要求事項及び報告を含む,監査プログラムの計画,確立,実施及び維持。監

査プログラムは,関連するプロセスの重要性及び前回までの監査の結果を考慮に入れなければならな

い。 

b) 各監査について,監査基準及び監査範囲を明確にする。 

c) 監査プロセスの客観性及び公平性を確保するために,監査員を選定し,監査を実施する。 

d) 監査の結果を関連する管理層に報告することを確実にする。 

e) 10.1及び10.2に従った適切な処置をとる。 

f) 

監査プログラムの実施及び監査結果の証拠として,文書化した情報(7.5参照)を保持する。 

9.3 

マネジメントレビュー 

9.3.1 

トップマネジメントは,組織のEnMSが,引き続き,適切,妥当,有効かつ組織の戦略的な方向性

に沿うことを確実にするために,あらかじめ定めた間隔で,EnMSをレビューしなければならない。 

9.3.2 

マネジメントレビューは,次の事項を考慮しなければならない。 

a) 前回までのマネジメントレビューの結果とった処置の状況 

b) EnMSに関連する外部及び内部の課題並びに関連するリスク及び機会の変化 

c) 次に示す傾向を含めた,EnMSのパフォーマンスに関する情報 

1) 不適合及び是正処置 

2) 監視及び測定の結果 

3) 監査結果 

4) 法的要求事項及びその他の要求事項に対する順守評価の結果 

d) 力量のためを含む,継続的改善の機会 

e) エネルギー方針 

9.3.3 

マネジメントレビューへのエネルギーパフォーマンスのインプットには,次に示す事項を含めなけ

ればならない。 

− 目的及びエネルギー目標が達成されている程度 

19 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

− EnPI(s)を含む監視及び測定結果に基づくエネルギーパフォーマンス及びエネルギーパフォーマンス

の改善 

− 行動計画の状態 

9.3.4 

マネジメントレビューからのアウトプットには,次の事項を含む,継続的改善の機会,及びEnMS

のあらゆる変更の必要性に関する決定を含めなければならない。 

a) エネルギーパフォーマンスの改善の機会 

b) エネルギー方針 

c) EnPI(s) 又は EnB(s) 

d) 目的,エネルギー目標,行動計画,又は他のEnMSの要素,及びそれらが達成されなかった場合にと

るべき処置 

e) 事業プロセスとの統合を改善するための機会 

f) 

資源の配分 

g) 力量,認識及びコミュニケーションの改善 

組織は,マネジメントレビューの結果の証拠として,文書化した情報を保持しなければならない。 

10 

改善 

10.1 

不適合及び是正処置 

不適合が発生した場合,組織は,次の事項を行わなければならない。 

a) 不適合に対処し,該当する場合には,必ず,次の事項を行う。 

1) 不適合を管理し,修正するための処置をとる。 

2) 不適合によって起こった結果に対処する。 

b) 不適合が再発又は他のところで発生しないようにするため,次の事項によって,その不適合の原因を

除去するための処置をとる必要性を評価する。 

1) 不適合をレビューする。 

2) 不適合の原因を明確にする。 

3) 類似の不適合の有無,又はそれが発生する可能性を明確にする。 

c) 必要な処置を実施する。 

d) とった全ての是正処置の有効性をレビューする。 

e) 必要な場合には,EnMSの変更を行う。 

是正処置は,検出された不適合のもつ影響に応じたものでなければならない。 

組織は,次の文書化した情報を保持しなればならない。 

− 不適合の性質及びそれに対してとった処置 

− 是正処置の結果 

10.2 

継続的改善 

組織は,EnMSの適切性,妥当性及び有効性を継続的に改善しなければならない。 

組織は,継続的なエネルギーパフォーマンスの改善を実証しなければならない。 

background image

20 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

  

附属書A 

(参考) 

この規格の利用の手引 

A.1 一般 

この附属書に示される追加的な情報は参考であり,この規格の要求事項の誤った解釈を防ぐことを意図

している。この情報は,要求事項と対応し,整合しているが,その要求事項に対して追加,削除,又は何

らの変更を行うことも意図していない。 

A.2 エネルギーパフォーマンス及びEnMSの関係 

この規格は,エネルギーパフォーマンスの改善及びエネルギーを管理するためのマネジメントシステム

の取組みの両方を取り扱っている。EnMSは,エネルギーの使用に関するエネルギー効率又はエネルギー

使用量の測定可能な改善を実証する手法として,エネルギーパフォーマンス指標(EnPIs)及びエネルギー

ベースライン(EnBs)のような相互に関連する要素を利用している(図A.1参照)。 

図A.1−エネルギーパフォーマンスとEnMSとの関係 

EnMSの状況 

・エネルギーマネジメントシステムの継続的改善 

・エネルギーパフォーマンスの継続的改善 
・意図する成果の達成 

エネルギーマネジメントシス
テム(3.2.2) 
 
次のような組織の相互に関連
する又は互いに作用する一連
の要素 
・ 方針 
・ 目的 
・ エネルギー目標 
・ エネルギーベースライン 
・ エネルギーパフォーマンス

指標 

・ 内部監査 
・ 不適合への取組み 
・ 調達プロセス 
・ 設計 

エネルギーパフォーマンスの改善(3.4.6) 
次の事項についての測定可能な改善結果: 
− エネルギー効率,又は 
− エネルギーベースラインと比較した,

エネルギーの使用に関連するエネルギ
ー使用量 

その他の意図する結果の達成: 
例: 
− エネルギーコスト削減 
− 総括的な気候変動目標の達成 
− 信頼性の改善 
− 再生可能エネルギーの使用増加 

次の項目についてのEnMSの継続的改善: 
− 適切性 
− 妥当性 
− 有効性 
− 戦略的な方向性との整合 

促進,支援, 
及び維持 

21 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

この規格は,エネルギーパフォーマンスの改善の実証を要求するが,エネルギーパフォーマンス及びエ

ネルギー目標,並びにエネルギーパフォーマンスの改善の実証方法を定めるのは組織である。 

A.3 用語の明確化 

この規格の箇条の構造及び一部の用語は,他のマネジメントシステム規格との整合性を向上させるため

に,旧版から変更している。ただし,この規格には,組織のEnMSの文書類に,この規格の箇条の構造又

は用語を適用することは要求していない。組織が用いる用語をこの規格で用いている用語に置き換えるこ

とも要求していない。組織は,そのビジネス及びニーズに合った用語を用いること,又はこの規格に示さ

れる用語を用いることを選択できる。 

− この規格では,“あらゆる又はどのような(any)”は,選定又は選択を意味する。 

− “適切な(appropriate)”及び“適用可能な(applicable)”には,互換性がない。“適切な”は,ある程

度の自由度を意味し,“適用可能な”は,“関連する”又は“適用が可能である”ことを表し,実行可

能な場合には実行する必要があることを意味する。 

− “考慮する(consider)”は,話題について考える必要があるが,除外できることを意味し,“考慮に入

れる(take into account)”は話題について考える必要があるが除外できないことを意味する。 

− “確実にする(ensure)”は,責任を委任できるが,説明責任は委任できないことを意味する。 

− この規格では“利害関係者(interested party)”を使用する。“ステークホルダー(stakeholder)”は同じ

概念を表す同義語である。 

この版は幾つかの新しい用語を使用する。次のとおり概説する。 

他のマネジメントシステム規格との整合の一環として,文書化した情報に関する共通の箇条は大きな変

更又は追加なしに採用されている(7.5参照)。その結果,“文書化された手順(documented procedure)”及

び“記録(record)”は,いずれもテキスト全体を通じて“文書化した情報(documented information)”に置

き換えられている。 

− この規格の旧版で使用されていた“文書化(documentation)”,“文書(documents)”及び“記録(records)”

は“文書化した情報(documented information)”に置き換えられている。一般用語の“文書化した情報”

の意図を区別するために,この規格では記録を意味するために“文書化した情報を保持する(retain 

documented information)”を使用し,記録以外の最新に保つ文書を意味するために“文書化した情報を

維持する(maintain documented information)”を使用する。 

− “意図する成果(intended outcome)”は,EnMSの実施及び改善されたエネルギーパフォーマンスに向

けた業務によって,組織が達成しようと意図するものである。 

− “その管理下で働く人(又は人々)[person(s) doing work under its control]”は,組織で働く人々及び組

織が責任を負い組織に代わって働く人々(例えば,契約者,サービス提供者)を含む。それは,旧版

で使用されていた“組織で働く又は組織のために働く全ての人々(persons working for it or on its behalf

及びpersons working for or on behalf of the organization)”を置き換える。この新しい表現の意図は,旧

版の意図と変わらない。 

A.4 組織の状況 

組織の状況を分析することによって,組織のエネルギーパフォーマンス及びEnMSに対して好ましい又

は好ましくない影響を与える可能性のある外部及び内部の課題について,高いレベルでの概念的な理解を

得ることができる。 

22 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

  

外部の課題の例は,次の事項を含む。 

− 既存の国家又はセクターの目的,要求事項又は規格などの利害関係者に関連する課題 

− エネルギーの供給,セキュリティ及び信頼性に関する制限又は限定 

− エネルギーコスト又は利用できるエネルギーの種類 

− 天候の影響 

− 気候変動の影響 

− 温室効果ガス(GHG)排出の影響 

内部の課題の例は,次の事項を含む。 

− 中核となる事業目的及び戦略 

− 資産管理計画 

− 組織に影響を与える財源(労働,財務など) 

− エネルギーマネジメントの成熟度及び文化 

− 持続可能性の考慮 

− エネルギー供給の中断に対する緊急時計画  

− 既存技術の成熟度 

− 運用のリスク及び責任の考慮 

EnMSの適用範囲及び境界内での継続的なエネルギーパフォーマンスの改善を実証することが,全ての

EnPI値の改善を意味するものではない。一部のEnPI値は改善されるものがあり,改善されないものもあ

る。しかし,EnMSの適用範囲において,組織はエネルギーパフォーマンスの改善を実証する。 

A.5 リーダーシップ 

A.5.1 リーダーシップ及びコミットメント 

トップマネジメントは,この規格の要求事項を満たすための全責任を負う。たとえ,一部の責任を委譲

しても,全ての説明責任は依然としてトップマネジメントにとどまる。 

組織内の人々とコミュニケーションをとるとき,トップマネジメントは,従業員が関与する活動(例え

ば,権限の付与,動機付け,褒賞,教育訓練,報酬及び参加)を通じて,エネルギーマネジメントの重要

性を強調することができる。 

A.5.2 エネルギー方針 

エネルギー方針は,計画,実施,運用,パフォーマンス評価及び改善の全ての段階を通じて組織のEnMS

を開発するための基盤である。エネルギー方針は,組織のメンバーが容易に理解し,彼らの作業活動に適

用できるように簡潔な声明とすることもできる。 

A.5.3 組織の役割,責任及び権限 

追加の手引はない。 

A.6 計画 

A.6.1 リスク及び機会への取組み 

リスク及び機会の考慮は,組織における高いレベルでの戦略的意思決定の一部である。EnMSを計画す

る際に,リスク及び機会を特定することによって,望ましくない影響が発生する前に対処できるように,

組織は潜在的なシナリオ及び結果を予測することができる。同様に,潜在的な利点又は有益な成果を提供

できる,前向きな考慮又は有利な状況を,特定し追求することができる。 

background image

23 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

図A.2は,エネルギー計画のプロセスの理解を深めることを目的とした概念図である。図A.2は,特定

の組織の詳細を表すものではない。図A.2の情報は例示的なものであり,網羅的なものではなく,組織又

は特別な状況に特化したその他の詳細情報が存在し得る。 

図A.2−エネルギー計画のプロセス 

A.6.2 目的,エネルギー目標,及びそれを達成するための計画策定 

目的は,EnMSの全体的な改善及び特定の測定可能なエネルギーパフォーマンスの改善目標の両方を含

み得る。幾つかの目的は定量化可能であり,エネルギーパフォーマンスの改善目標(例えば,今年末まで

に電力消費量を3 %削減,第4四半期までに2 %のプラント効率改善)をもつことができるが,定性的な

目的(例えば,エネルギー行動,文化的変化に関連するもの)もあり得る。アンケート又はその他の類似

の仕組みを通じて,定性的な目的に幾つかの定量値を提供することは,しばしば可能である。 

A.6.3 エネルギーレビュー 

エネルギーの種類の特定並びにエネルギーの使用及びエネルギー使用量の評価のプロセスは,組織が著

しいエネルギーの使用の領域を定め,エネルギーパフォーマンスの改善の機会の特定を導く。そのSEUs

を決定する際,組織は,相当なエネルギー使用量がある,及び/又はエネルギーパフォーマンスの改善に

対して相当な可能性があることについての判断基準を決定する。SEUsは,組織のニーズに応じて,施設

計画のインプット 

(4.1,4.2,6.1参照) 

・ 内部及び外部の課

題(状況に応じ) 

・ 利害関係者のニー

ズ及び期待 

 
・ 現在のエネルギーの

種類 

・ 過去及び現在のエネ

ルギーの使用 

・ 過去及び現在のエネ

ルギー使用量 

計画のアウトプット 

(6.1.1参照) 

リスク及び機会への 
取組み 

 
・ エネルギー使用及び

エネルギー使用量の
傾向 

・ 将来のエネルギーの

使用及び使用量 

・ エネルギーパフォー

マンスの改善のため
の機会 

・ SEUs 
・ EnPIs 
・ EnBs 
・ エネルギー目的,エネ

ルギー目標及び行動
計画 

・ エネルギーデータ収

集計画 

計画 

戦略的 

(6.1 リスク及び機会への取組み)

リスク及び機会の特定 

戦略的 

(6.3 エネルギーレビュー) 

エネルギーレビュー 

エネルギー使用量及び/又は
エネルギーパフォーマンス改
善のための特定された機会に
基づき,SEUsを決定する 
 
 
SEUsのため,次の事項を決定
する: 
・ 関連変数,及び 
・ 現在のエネルギーパフォー

マンス 

・ 要員 
 
 

エネルギーパフォーマンスの
改善のための機会を決定して

優先順位付けを行う 

24 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

  

(例えば,倉庫,工場,事務所)ごと,プロセス若しくはシステム(例えば,照明,蒸気,輸送,電気分

解,電動駆動)ごと,又は装置(例えば,モーター,ボイラー)ごとのように定めることができる。一旦

決定されると,SEUsのマネジメント及び制御はEnMSの不可欠な部分となる。 

組織の管理下で働く人(又は人々)には,サービス請負業者,パートタイマー及び臨時スタッフが含ま

れ得る。 

エネルギーレビューの更新は,エネルギーの使用及びエネルギー使用量の分析,SEUsの決定及びエネ

ルギーパフォーマンスの改善の機会の特定に関するデータ及び情報の更新を含む。エネルギーレビューの

全ての部分を同時に更新する必要はない。公式なエネルギー診断は,詳細なエネルギーパフォーマンスの

改善の機会の特定の支援に利用できる。 

エネルギー診断は,エネルギーレビューの一つ又は複数の部分に関する情報を提供することができる。

エネルギー診断の範囲は,組織,SEU(単数又は複数),システム,エネルギー使用プロセス及び/又は設

備のエネルギーパフォーマンスの詳細なレビューを含めることができる。これは,一般的に,定義された

エネルギー診断の範囲における実際のエネルギーパフォーマンスの適切な測定及び観察に基づいている。

エネルギー診断のアウトプットは,一般的に,現在のエネルギー使用量及びエネルギーパフォーマンスに

関する情報を含み,特定のサイトデータ及び運用条件の分析に基づいて,エネルギーパフォーマンスの改

善又は投資による財務収益によって順位付けされた一連の具体的な推奨事項を加えることができる。 

エネルギーパフォーマンスの改善の機会を求める場合,組織はエネルギーが特定のプロセスに必要とさ

れる程度,又は回収可能であるかどうかを考慮する必要がある。科学的な法則に基づくエネルギーの要求

事項のために改善の機会が制限されている化学反応のようなプロセスの場合でさえ,補助装置は著しいエ

ネルギーパフォーマンスの改善の可能性を提供することができ,プロセス制御又は装置スケジューリング

を改善することもまた同様である。また,機会は,時間の経過とともに,運転負荷及びパラメータの変化,

設備の劣化並びに利用可能な技術及び手法の改善によって,出現する可能性がある。また,機会は,設備

及びシステムの運用方法及び維持方法の中にも特定することができる。 

組織が定義したEnMSの適用範囲及び境界内に再生可能エネルギー型のものを導入することは,エネル

ギーパフォーマンスの改善を表すものではない。境界の外から供給されるエネルギー使用量は減少する可

能性があるが,その変化の結果として,エネルギーの使用に関連するエネルギー効率又はエネルギー使用

量に測定可能な改善はない。再生可能エネルギーの消費は,好ましい環境面及びその他の利点があり,組

織は再生可能エネルギーの導入を増やす目的をもつことができる。そのような場合,組織は再生可能エネ

ルギーの生産を別々に評価する必要がある。 

必要に応じて,エネルギーレビューは,エネルギー供給のセキュリティ及び利用可能性を考慮すること

もできる。 

A.6.4 エネルギーパフォーマンス指標 

EnPIとは,行動計画及びその他の取組みの実施前(EnPIの基準値)及び実施後(EnPIの合成値又は現

在値)で,エネルギーパフォーマンスを比較するために使用される“ものさし”である(図A.3参照)。基

準値と合成値との違いは,エネルギーパフォーマンスの変化の尺度である。 

事業活動又はEnBsが変更される場合,組織は関連するそのEnPI(s)を更新することができる。 

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25 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

図A.3−EnPI及びEnPIの値 

A.6.5 エネルギーベースライン 

適切な期間とは,データ期間がパフォーマンスの全範囲を十分に実証できるように,エネルギー使用量

及びエネルギー効率に影響を与える運用サイクル,規制要求事項又は変数に対する組織の報告すべき期間

を指す。組織が所有するデータは,生成したデータ(例えば,測定によって)又はアクセスできるデータ

(例えば,パブリックドメインの気象データ)があり得る。 

正規化の目的は,信頼できる比較を可能にすることである。関連変数の変化を考慮するEnPI値の正規化

は,エネルギーパフォーマンスのより正確な判断材料を提供する。 

EnMSの適用範囲及び境界内で,著しい量のエネルギーを使用するエネルギーの使用が撤去された場合

又は導入された場合は,それに応じてEnBは変更されることが望ましい。 

A.6.6 エネルギーデータ収集の計画 

データは,エネルギーパフォーマンスを監視し,継続的に改善する上で,極めて重要である。収集する

データ,収集方法及び頻度に関する計画は,エネルギーレビュー及び監視,測定,分析及び評価プロセス

を維持するために必要なデータの利用可能性を確保するために役立つ。 

データは,単純な数字の数え上げから,データを統合して自動分析を行うことができるソフトウェアア

プリケーションに接続された完全な監視及び測定システムに至るまでの範囲に及び得る。 

A.7 支援 

A.7.1 資源 

資源は,人的資源,専門技能,技術,データ収集基盤,及び財務資源を含む。 

A.7.2 力量 

力量の要求事項は,働く人々(トップマネジメントを含む)の機能,レベル及び役割に適していること

が望ましく,それらはエネルギーパフォーマンス及びEnMSに影響を及ぼす。力量の要求事項は組織によ

って決定される。 

教育訓練は,力量を達成するための数多くある方法の一つである。EnMSチームメンバーは,その知識,

技能及び専門性を継続的に開発し,維持し,向上するよう奨励されることが望ましい。関連する場合には,

国又は地域の資格制度(又は同等のもの)の利用が可能であり,認証を考慮することができる。 

26 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

  

A.7.3 認識 

追加の手引はない。 

A.7.4 コミュニケーション 

追加の手引はない。 

A.7.5 文書化した情報 

この規格は,維持又は保持が要求される文書化した情報の詳細を提供する。組織は,エネルギーパフォ

ーマンスを効果的に実証し,かつ,EnMSを支援するために必要と思われる追加の文書化した情報を開発

することを選択できる。外部からの文書化した情報には,法律,規制,規格,設備マニュアル,気象デー

タ,及び静的要因及び関連変数を支援するデータを含めることができる。 

A.8 運用 

A.8.1 運用の計画及び管理 

追加の手引はない。 

A.8.2 設計 

運用寿命にわたるエネルギーパフォーマンスを考慮するに当たり,ライフサイクル分析又はライフサイ

クルマネジメントが要求されているのではない。この規格は,EnMSの適用範囲及び境界内の施設,設備,

システム又はエネルギー使用プロセスの設計に適用される。 

新しい施設,改善された技術及び技能については,再生可能エネルギー又は汚染の少ないタイプのエネ

ルギー選択などの代替エネルギーを考慮することが望ましい。 

A.8.3 調達 

調達は,より効率の良いエネルギー使用製品及びサービスを利用することを通してエネルギーパフォー

マンスを改善する機会である。調達は,サプライチェーンに働きかけて,かつ,そのエネルギー関連行動

に影響を及ぼす機会でもある。 

エネルギー購買仕様の適用性は,市場ごとに異なり得る。エネルギーの購買仕様は,エネルギーの品質,

量,信頼性,利用可能性,費用構成,環境影響及び代替エネルギーの種類を含むことができる。組織は,

必要に応じて,エネルギー供給元によって提案される仕様を利用することができる。 

EnMSの適用範囲外である再生可能エネルギーの調達への変更又は増加は,エネルギー使用量に影響を

及ぼさず,エネルギーパフォーマンスを改善しないが,環境へのプラスの影響をもたらすことがある。組

織は,エネルギー調達基準又は仕様の一つとして,再生可能エネルギーの調達を含める選択をすることが

できる。 

A.9 パフォーマンス評価 

A.9.1 エネルギーパフォーマンス及びEnMSの監視,測定,分析及び評価 

この箇条は,データ収集計画の実施(6.6参照),並びにエネルギーパフォーマンスの改善及びEnMSの

有効性の両方の評価を含む。EnMSの有効性は,エネルギーパフォーマンスの改善及びその他の意図した

成果によって実証できる。エネルギーパフォーマンスの改善は,対応するEnBと比較して,EnPI値が時

間の経過とともに改善されることで実証できる。SEU又は重要な特性に関連しない活動からエネルギーパ

フォーマンスの改善が達成されることがある。それらの事例では,エネルギーパフォーマンスの改善を実

証するためEnPI及びEnBを確立することができる。 

分析を行う際には,最終的な結論に到達する前に,データの限界(正確度,精度,測定の不確かさ)及

27 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

びエネルギー会計の一貫性を考慮に入れる必要がある。 

A.9.2 内部監査 

EnMSの内部監査は,組織の従業員によって,又は組織によって選ばれ組織のために働く外部の人々に

よって実施することができる。監査員の独立性は,監査員が監査の対象となる活動に関する責任を負って

いないことで実証することができる。 

エネルギー診断又はエネルギー評価は,EnMSの内部監査と同じ概念ではない。 

A.9.3 マネジメントレビュー 

マネジメントレビューは,EnMSの適用範囲の全てを網羅する。しかし,EnMSの全ての構成要素を一

度にレビューする必要はない。レビュープロセスは,一定の期間にわたって実施することができる。 

A.10 改善 

“継続的(continual)”とは一定期間にわたって続くことを意味するが,途中に中断が入ってもよい[中

断なしで発生することを示す“連続的な(continuous)”とは異なる]。継続的改善の状況の中では,時間の

経過とともに定期的に改善が行われることが期待される。継続的改善を支援する取組みの頻度,範囲及び

タイムスケールは,組織の状況,経済的要因及びその他の事情に応じて,組織によって決定される。 

エネルギーパフォーマンスの改善は,次のような幾つかの方法で実証することができる。 

a) EnMSの適用範囲及び境界に関する正規化されたエネルギー使用量の削減 

b) エネルギー目標及びSEUsのマネジメントに向けた進展 

改善は組織の優先事項に基づいて達成されていると認識されている。 

継続的なエネルギーパフォーマンスの改善の例は,次の事項を含むが,これに限定されるわけではない。 

− 総エネルギー使用量は,同様の条件の下で時間の経過とともに減少する。例えば,温度が大幅には変

化しない地域の商業ビルが挙げられる。 

− 総エネルギー使用量は増加するが,組織が定義したエネルギーパフォーマンスの指標は改善される。

この場合,一つの関連変数及びベースロードがない場合の単純な比である。 

− 設備は時の経過とともにエネルギーパフォーマンスの予測された低下をもたらす。適切な運用及び保

守管理によるパフォーマンス低下曲線の遅延又は減少は,組織のEnPIsによって定義されるエネルギ

ーパフォーマンスの改善を実証することができる。 

− 例えば深度と生産量とが共に変化する鉱業施設など,資源が枯渇するにつれてエネルギーパフォーマ

ンスが低下する傾向のある資源採掘産業では,EnBに比して減少率を低下させることがパフォーマン

スの改善と考えられる。 

− ほとんどの場合,組織には正規化を必要とする複数の関連変数がある。例えば,三つの異なる製品(牛

乳,チーズ,ヨーグルト)を生産し天候の影響を受ける酪農場が挙げられる。 

background image

28 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

  

附属書B 

(参考) 

JIS Q 50001:2011とJIS Q 50001:2019との対応 

表B.1−JIS Q 50001:2011とJIS Q 50001:2019との対応 

JIS Q 50001:2011 

JIS Q 50001:2019 

序文 

序文 

1 適用範囲 

1 適用範囲 

2 引用規格 

2 引用規格 

3 用語及び定義 

3 用語及び定義 

4 組織の状況 

4.1 組織及びその状況の理解 

4 エネルギーマネジメントシステム要求事項 

4.1 一般要求事項 

4.3 エネルギーマネジメントシステムの適用範囲の決定 
4.4 エネルギーマネジメントシステム 

4.2 経営層の責任 

5.1 リーダーシップ及びコミットメント 

4.2.1 トップマネジメント 

4.3 エネルギーマネジメントシステムの適用範囲の決定 
5.1 リーダーシップ及びコミットメント 
7.1 資源 

4.2.2 管理責任者 

5.1 リーダーシップ及びコミットメント 
5.3 組織の役割,責任及び権限 

4.3 エネルギー方針 

5.2 エネルギー方針 

4.4 エネルギー計画 

6 計画 

4.4.1 一般 

6.1 リスク及び機会への取組み 

4.4.2 法的要求事項及びその他の要求事項 

4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解 

4.4.3 エネルギーレビュー 

6.3 エネルギーレビュー 

6.1 リスク及び機会への取組み 

4.4.4 エネルギーベースライン 

6.5 エネルギーベースライン 

4.4.5 エネルギーパフォーマンス指標 

6.4 エネルギーパフォーマンス指標 

4.4.6 エネルギー目的,エネルギー目標及びエネルギ
ーマネジメント行動計画 

6.2 目的,エネルギー目標及びそれを達成するための計画
策定 

4.5 実施及び運用 

7 支援 
8 運用 

4.5.1 一般 

4.5.2 力量,教育訓練及び自覚 

7.2 力量 
7.3 認識 

4.5.3 コミュニケーション 

7.4 コミュニケーション 

4.5.4 文書化 

7.5 文書化した情報 

7.5.1 一般 

7.5.2 作成及び更新 

7.5.3 文書化した情報の管理 

4.5.5 運用管理 

8.1 運用の計画及び管理 

4.5.6 設計 

8.2 設計 

4.5.7 エネルギーサービス,製品,設備及びエネルギ
ーの調達 

8.3 調達 

4.6 点検 

9 パフォーマンス評価 

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29 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

表B.1−JIS Q 50001:2011とJIS Q 50001:2019との対応(続き) 

JIS Q 50001:2011 

JIS Q 50001:2019 

4.6.1 監視,測定及び分析 

9.1 エネルギーパフォーマンス及びEnMSの監視,測定,
分析及び評価 
6.6 エネルギーデータ収集計画 

4.6.2 法的要求事項及びその他の要求事項に対する
順守評価 

9.1.2 法的要求事項及びその他の要求事項に対する順守評
価 

4.6.3 EnMSの内部監査 

9.2 内部監査 

4.6.4 不適合に対する修正,是正処置及び予防処置 

10.1 不適合及び是正措置 

4.6.5 記録の管理 

7.5 文書化した情報 
(上記の文書化の項目を参照) 

4.7 マネジメントレビュー 

9.3 マネジメントレビュー 

10.2 継続的改善 

附属書A(参考) 
この規格の利用の手引 

附属書A(参考) 
この規格の利用の手引 

附属書B(参考) 
JIS Q 50001:2011,JIS Q 9001:2008,JIS Q 14001:2004 
及びISO 22000:2005間の対応 

附属書B(参考) 
JIS Q 50001:2011とJIS Q 50001:2019との対応 

参考文献 

参考文献 

参考文献  

[1] JIS Q 19011 マネジメントシステム監査のための指針 

[2] ISO 19600,Compliance management systems−Guidelines 

[3] ISO 50002,Energy audits−Requirements with guidance for use 

[4] JIS Q 50003 エネルギーマネジメントシステム−エネルギーマネジメントシステムの審査及び認証

を行う機関に対する要求事項 

[5] ISO 50004,Energy management systems−Guidance for the implementation, maintenance and improvement of 

an energy management system 

[6] ISO 50006,Energy management systems−Measuring energy performance using energy baselines (EnB) and 

energy performance indicators (EnPI)−General principles and guidance 

[7] ISO 50015,Energy management systems−Measurement and verification of energy performance of 

organizations−General principles and guidance 

[8] ISO 50047,Energy savings−Determination of energy savings in organizations 

[9] JIS Q 0073 リスクマネジメント−用語 

[10] ISO/IEC Guide 99,International vocabulary of metrology−Basic and general concepts and associated terms 

(VIM) 

[11] https://www.iso.org/iso/home/standards/benefitsofstandards/benefits̲repository.htm?type=EBS-CS 

[12] https: //www.iso.org/iso/mss-list, ISO Management System Standards list 

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30 

Q 50001:2019 (ISO 50001:2018) 

  

用語のアルファベット順リスト 

3.3.8 

audit 

監査 

3.1.3 

boundary 

境界 

3.4.12 

competence 

力量 

3.3.2 

conformity 

適合 

3.4.16 

continual improvement 

継続的改善 

3.3.4 

corrective action 

是正処置 

3.3.5 

documented information 

文書化した情報 

3.4.14 

effectiveness 

有効性 

3.5.1 

energy 

エネルギー 

3.4.7 

energy baseline, EnB 

エネルギーベースライン 

3.5.2 

energy consumption 

エネルギー使用量 

3.5.3 

energy efficiency 

エネルギー効率 

3.2.2 

energy management system, EnMS 

エネルギーマネジメントシステム 

3.1.4 

energy management system scope, 
EnMS scope 

エネルギーマネジメントシステム
の適用範囲 

3.2.5 

energy management team 

エネルギーマネジメントチーム 

3.4.3 

energy performance 

エネルギーパフォーマンス 

3.4.6 

energy performance improvement 

エネルギーパフォーマンスの改善 

3.4.4 

energy performance indicator, EnPI 

エネルギーパフォーマンス指標 

3.4.5 

energy performance indicator value, 
EnPI value 

エネルギーパフォーマンス指標値 

3.2.4 

energy policy 

エネルギー方針 

3.5.5 

energy review 

エネルギーレビュー 

3.4.15 

energy target 

エネルギー目標 

3.5.4 

energy use 

エネルギーの使用 

3.1.5 

interested party 

利害関係者 

3.2.1 

management system 

マネジメントシステム 

3.4.1 

measurement 

測定 

3.3.7 

monitoring 

監視 

3.3.3 

nonconformity 

不適合 

3.4.10 

normalization 

正規化 

3.4.13 

objective 

目的 

3.1.1 

organization 

組織 

3.3.9 

outsource 

外部委託する(動詞) 

3.4.2 

performance 

パフォーマンス 

3.2.3 

policy 

方針 

3.3.6 

process 

プロセス 

3.4.9 

relevant variable 

関連変数 

3.3.1 

requirement 

要求事項 

3.4.11 

risk 

リスク 

3.5.6 

significant energy use, SEU 

著しいエネルギーの使用 

3.4.8 

static factor 

静的要因 

3.1.2 

top management 

トップマネジメント