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Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

2

2

  引用規格

3

3

  用語及び定義

3

4

  エネルギーマネジメントシステム要求事項

7

4.1

  一般要求事項

7

4.2

  経営層の責任

7

4.3

  エネルギー方針

8

4.4

  エネルギー計画

8

4.5

  実施及び運用

10

4.6

  点検

12

4.7

  マネジメントレビュー

13

附属書 A(参考)この規格の利用の手引

15

附属書 B(参考)JIS Q 50001:2011JIS Q 9001:2008JIS Q 14001:2004 及び ISO 22000:2005 間の対応·

21

参考文献

24


Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


  

日本工業規格

JIS

 Q

50001

:2011

(ISO 50001

:2011

)

エネルギーマネジメントシステム−

要求事項及び利用の手引

Energy management systems-Requirements with guidance for use

序文

この規格は,2011 年に第 1 版として発行された ISO 50001 を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。

この規格の目的は,組織が,エネルギーの効率,使用及び使用量を含むエネルギーパフォーマンスを改

善するために必要なシステム及びプロセスの確立を可能にすることである。この規格の実施は,エネルギ

ーの体系的な運用管理によって,温室効果ガスの排出量,その他の関連する環境影響及びエネルギーコス

トの低減につながることを意図している。この規格は,地理的,文化的及び社会的な条件にかかわらず,

全ての種類及び規模の組織に適用可能である。その実施の成否は,組織の全ての階層及び部門,特にトッ

プマネジメントからのコミットメントにかかっている。

この規格は,法的要求事項及び著しいエネルギーの使用に付随する情報を考慮した,エネルギー方針の

策定及び実施,並びに目的,目標及び行動計画を組織が策定することを可能にする,組織のエネルギーマ

ネジメントシステム(EnMS)の要求事項を規定する。EnMS は,組織が方針のコミットメントを達成し,

エネルギーパフォーマンスを改善するのに必要な行動をとり,かつ,この規格の要求事項への適合を実証

することができるようになっている。この規格は,組織の管理下にある活動に適用するものであり,シス

テムの複雑さ,文書化の程度及び資源を含む組織独自の要求事項に合わせて適用することができる。

この規格は,

図 に示すように,

“Plan-Do-Check-Act (PDCA)”の継続的改善の枠組みを基礎としており,

日常の組織活動にエネルギーマネジメントを組み入れる。

注記 1  エネルギーマネジメントの文脈の中では,PDCA アプローチの概略は,次のように記載され

る。

− Plan:エネルギーレビューを実施し,組織のエネルギー方針に沿ってエネルギーパフォー

マンスの改善につながる結果を出すために,必要なベースライン,エネルギーパフォーマ

ンス指標(EnPIs)

,目的,目標及び行動計画を設定する。

− Do:エネルギーマネジメント行動計画を実施する。

− Check:エネルギー方針及び目的に照らしてエネルギーパフォーマンスを決定するプロセ

ス及び運用の鍵となる特性を監視し,測定し,その結果を報告する。

− Act:エネルギーパフォーマンス及び EnMS を継続的に改善するための処置をとる。


2

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

  

図 1−この規格のためのエネルギーマネジメントシステムモデル

この規格の適用は,利用可能なエネルギー源のより効率的な利用,競争力の強化,並びに,温室効果ガ

スの排出及びその他の関連する環境影響の低減に貢献する。  この規格は,利用されるエネルギーの種類に

関係なく,適用可能である。

この規格は,組織の EnMS の認証,登録及び自己宣言に使用できる。この規格は,組織のエネルギー方

針に掲げるコミットメント,並びに適用される法的要求事項及びその他の要求事項の順守義務以上のエネ

ルギーパフォーマンスに対する絶対的な要求事項を規定するものではない。したがって,二つの組織が,

類似の運用を行っていて,エネルギーパフォーマンスに差異がある場合でも,共にその要求事項に適合す

ることがある。

この規格は,全ての ISO のマネジメントシステム規格の中で見られる共通要素を基礎としており,特に

JIS Q 9001

及び JIS Q 14001 と高いレベルでの両立性を確保している。

注記 2  附属書 は,JIS Q 9001:2008,JIS Q 14001:2004 及び ISO 22000:2005 との関連を示している。

組織は,この規格について品質,環境,労働安全衛生を含むその他のマネジメントシステムとの統合を

選択できる。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。

1

適用範囲

この規格は,組織が,エネルギー効率,エネルギーの使用及び使用量を含むエネルギーパフォーマンス

の継続的改善を達成するための体系的取組みを可能にすることを目的として,EnMS を確立し,実施し,

維持し,改善するための要求事項について規定する。

点検

実施及び運用

エネルギー計画

エネルギー方針

マネジメント

レビュー

監視,測定

及び分析

EnMS

内部監査

不適合に対する修正, 
是正処置及び予防処置

継続的

改善


3

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

この規格は,エネルギーパフォーマンスに寄与する設備,システム,プロセスの設計及び調達業務並び

に要員について,エネルギーの使用及び使用量に適用可能な測定,文書化及び報告を含む要求事項を規定

する。

この規格は,組織が監視し,作用し得る,エネルギーパフォーマンスに対して影響を与える全ての変数

に適用される。この規格自体は,エネルギーに関する特定のパフォーマンス基準は規定しない。

この規格は,独立して使用できるように意図されているが,その他のマネジメントシステムと合わせた

り,統合したりすることもできる。

この規格は,組織が表明したエネルギー方針に適合することを確実にし,そのような適合を他者に実証

することを望むどのような組織にでも適用できる。このことは,自己評価及び適合の自己宣言によって,

又は,外部の組織によるエネルギーマネジメントシステムの認証によって裏付けられる。

なお,この規格は,

附属書 に,参考となる利用の手引を備えている。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 50001:2011

,Energy management systems−Requirements with guidance for use(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

2

引用規格

この規格には,引用規格はない。この箇条は,他のマネジメントシステム規格と箇条番号を一致させて

おくためにある。

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

境界(boundaries)

組織によって定められた物理的又は敷地の範囲,及び/又は組織的な範囲。

例  一つの組織が管理するプロセス,プロセスの集合,敷地,組織全体,複数の敷地。

3.2

継続的改善(continual improvement)

エネルギーパフォーマンス及びエネルギーマネジメントシステムを向上させる繰り返しのプロセス。

注記 1  目標を確立し,改善の機会を見いだすプロセスは,継続的なプロセスである。

注記 2  継続的改善によって,組織は,エネルギー方針に整合して,全般的なエネルギーパフォーマ

ンスの改善を達成することができる。

3.3

修正(correction)

検出された不適合(3.21)を除去するための処置。

注記  JIS Q 9000:2006,定義 3.6.6 を適用。

3.4

是正処置(corrective action)

検出された不適合(3.21)の原因を除去するための処置。

注記 1  不適合の原因は,一つ以上のことがあり得る。


4

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

  

注記 2  予防処置は発生を未然に防止するためにとるのに対して,是正処置は再発を防止するために

とる。

注記 3  JIS Q 9000:2006,定義 3.6.5 を適用。

3.5

エネルギー(energy)

電気,燃料,蒸気,熱,圧縮空気及びその他類似の媒体。

注記 1  この規格の目的に応じて,エネルギーは,再生可能エネルギーを含む種々の形態を指し,購

入され,貯蔵され,取り扱われ,設備若しくはプロセスにおいて使用され,又は回収され得

る。

注記 2  エネルギーは,システムが外部への活動又は仕事を行う能力とも定義できる。

3.6

エネルギーベースライン(energy baseline)

エネルギーパフォーマンスの比較のために設けられた定量的な基準(複数の場合もある)

注記 1  エネルギーベースラインは,特定の期間が反映される。

注記 2  エネルギーベースラインは,生産高,デグリデー(度日)などエネルギーの使用及び/又は

エネルギー使用量に影響する変数を用いて正規化することができる。

注記 3  エネルギーベースラインは,省エネルギーの計算において,エネルギーパフォーマンスの改

善活動の導入の前後の基準としても使用される。

3.7

エネルギー使用量(energy consumption)

利用されたエネルギーの量。

3.8

エネルギー効率(energy efficiency)

パフォーマンス,サービス,物品,又はエネルギーのアウトプットとエネルギーのインプットとの比又

はその他の定量的な関係。

例  変換効率,必要エネルギー/使用エネルギー,アウトプット/インプット,又は理論的操業エネ

ルギー/実際の操業エネルギー。

注記  インプット及びアウトプットの両方,量及び質は明確に特定され,かつ,測定可能である必要

がある。

3.9

エネルギーマネジメントシステム(energy management system, EnMS)

エネルギー方針及びエネルギー目的を確立する,相互に関連した,又は相互に作用する要素の集合,並

びにそれらの目的を達成するためのプロセス及び手順。

3.10

エネルギーマネジメントチーム(energy management team)

エネルギーマネジメントシステム活動の効果的な実施及びエネルギーパフォーマンスの改善の推進に責

任をもつ人(人々)

注記  組織の規模,性質及び利用可能な資源によって,チームの規模は決定される。チームは,管理

責任者一人の場合もあり得る。


5

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

3.11

エネルギー目的(energy objective)

組織のエネルギー方針に合わせて設定された,エネルギーパフォーマンスの改善に関する特定の成果又

は到達点。

3.12

エネルギーパフォーマンス(energy performance)

エネルギー効率(3.8

,エネルギーの使用(3.18)及びエネルギー使用量(3.7)に関する測定可能な結

果。

注記 1  エネルギーマネジメントシステムにおいては,結果は,組織のエネルギー方針,目的,目標

及びその他のエネルギーパフォーマンスの要求事項に対して測定が可能である。

注記 2  エネルギーパフォーマンスは,エネルギーマネジメントシステムのパフォーマンスの一部で

ある。

3.13

エネルギーパフォーマンス指標(energy performance indicator, EnPI)

組織によって定められたエネルギーパフォーマンスの定量的な値又は尺度。

注記 EnPIs は,単純な数値,比,又はより複雑なモデルとして表すことができる。

3.14

エネルギー方針(energy policy)

トップマネジメントによって正式に表明された,エネルギーパフォーマンスに関する組織の全体的な意

図及び方向付けに関する組織の声明。

注記  エネルギー方針は,行動のための枠組み,並びにエネルギー目的及び目標を設定するための枠

組みを提供する。

3.15

エネルギーレビュー(energy review)

データ及びその他の情報に基づいて,組織のエネルギーパフォーマンスを決定し,改善の機会の特定を

導くもの。

3.16

エネルギーサービス(energy services)

エネルギーの提供及び/又は使用に関する活動及び結果。

3.17

エネルギー目標(energy target)

エネルギー目的から導かれ,その目的を達成するために目的に合わせて設定される詳細,かつ,定量的

なエネルギーパフォーマンス要求事項で,組織又はその一部に適用されるもの。

3.18

エネルギーの使用(energy use)

エネルギーの利用の方法又は種類。

例  空調,照明,加熱,冷却,輸送,プロセス,製造ライン。

3.19

利害関係者(interested parties)

組織のエネルギーパフォーマンスに関心をもつか又はその影響を受ける人又はグループ。


6

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

  

3.20

内部監査(internal audit)

要求事項が満たされる程度を判定するために,証拠を収集し,客観的に評価するための,体系的で,独

立し,文書化されたプロセス。

注記  追加情報は,附属書 を参照。

3.21

不適合(nonconformity)

要求事項を満たしていないこと。

注記  JIS Q 9000:2006,定義 3.6.2 を適用。

3.22

組織(organization)

法人か否か,公的か私的かを問わず,独立した機能及び管理体制,並びにエネルギーの使用及び使用量

を管理する権限をもつ,企業,会社,事業所,官公庁若しくは協会,又はその一部若しくは結合体。

注記  組織は,一人の人又は人々のグループもあり得る。

3.23

予防処置(preventive action)

起こり得る不適合(3.21)の原因を除去するための処置。

注記 1  起こり得る不適合の原因は,一つ以上のことがあり得る。

注記 2  是正処置は再発を防止するためにとるのに対し,予防処置は,発生を未然に防止するために

とる。

注記 3  JIS Q 9000:2006,定義 3.6.4 を適用。

3.24

手順(procedure)

活動又はプロセスを実行するために規定された方法。

注記 1  手順は文書にすることもあり,しないこともある。

注記 2  手順が文書にされた場合は,“書かれた手順”又は“文書化された手順”という用語がよく用

いられる。

注記 3  JIS Q 9000:2006,定義 3.4.5 を適用。

3.25

記録(record)

達成した結果を記述した,又は実施した活動の証拠を提供する文書。

注記 1  記録は,例えば,次のために使用されることがある。

−  トレーサビリティを文書にする。

−  検証,予防処置及び是正処置の証拠を提供する。

注記 2  JIS Q 9000:2006,定義 3.7.6 を適用。

3.26

適用範囲(scope)

組織が EnMS を通して取り組む活動,施設及び決定の範囲であり,幾つかの境界を含むことができる。

注記  適用範囲は,輸送に関係するエネルギーを含むことができる。


7

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

3.27

著しいエネルギーの使用(significant energy use)

多量のエネルギーの使用量とみなせる及び/又はエネルギーパフォーマンスの改善のために,高い可能

性をもつエネルギーの使用。

注記  著しさ(多量又は高い可能性)の基準は,組織によって決定される。

3.28

トップマネジメント(top management)

最高位で組織を指揮し,管理する個人又はグループ。

注記 1  トップマネジメントは,エネルギーマネジメントシステムの適用範囲及び境界内において定

められる組織を管理する。

注記 2  JIS Q 9000:2006,定義 3.2.7 を適用。

4

エネルギーマネジメントシステム要求事項

4.1

一般要求事項

組織は,次の事項を行わなければならない。

a)

この規格の要求事項に従って,EnMS を確立し,文書化し,実施し,維持し,改善する。

b) EnMS

の適用範囲及び境界を決定し,文書化する。

c)

エネルギーパフォーマンス及び EnMS の継続的改善を達成するために,この規格の要求事項をどのよ

うに満たすかを決定する。

4.2

経営層の責任

4.2.1

トップマネジメント

トップマネジメントは,次の事項を行うことによって,EnMS を支援すること及びその有効性に対して

継続的に改善することのコミットメントを実証しなければならない。

a)

エネルギー方針を定め,確立し,実施し,維持する。

b)

管理責任者を任命するとともに,エネルギーマネジメントチームの設置を承認する。

c) EnMS

及びその結果として生じるエネルギーパフォーマンスを確立し,実施し,維持し,改善するた

めに必要な資源を用意する。

注記  資源には,人的資源,専門的な技能,技術及び資金が含まれる。

d) EnMS

において取り組む適用範囲及び境界を特定する。

e)

エネルギーマネジメントの重要性を組織内の人(人々)に周知する。

f)

エネルギー目的及び目標が設定されることを確実にする。

g) EnPIs

が組織にとって適切であることを確実にする。

h)

長期(事業)計画は,エネルギーパフォーマンスを考慮に入れる。

i)

定められた間隔で結果が測定され,報告されることを確実にする。

j)

マネジメントレビューを実施する。

4.2.2

管理責任者

トップマネジメントは,その他の責任にかかわりなく,適切な技能及び力量を備えた管理責任者(複数

も可)を任命しなければならない。トップマネジメントは,管理責任者に対して,次の事項を行うための

責任及び権限を委譲しなければならない。

a)

この規格に従って EnMS が確立され,実施され,維持され,継続的に改善されることを確実にする。


8

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

  

b)

エネルギーマネジメント活動を支援するうえで,管理責任者と共に働くために,適切なレベルの管理

者によって承認された人(人々)を指名する。

c)

トップマネジメントにエネルギーパフォーマンスを報告する。

d)

トップマネジメントに EnMS のパフォーマンスを報告する。

e)

組織のエネルギー方針に沿って,エネルギーマネジメント活動の計画が策定されることを確実にする。

f)

効果的なエネルギーマネジメントを促進するために,責任及び権限を定め,周知する。

g) EnMS

の運用及び管理が共に有効であることを確実にするために必要な基準及び方法を決定する。

h)

組織の全ての階層において,エネルギー方針及び目的の自覚を促す。

4.3

エネルギー方針

エネルギー方針は,エネルギーパフォーマンスの改善を達成するための組織のコミットメントの表明で

なければならない。トップマネジメントは,エネルギー方針を定め,それが次の事項を満たすことを確実

にしなければならない。

a)

組織のエネルギーの使用及び使用量の性質及び規模に対して適切である。

b)

エネルギーパフォーマンスの継続的改善へのコミットメントを含む。

c)

目的及び目標を達成するための情報並びに必要な資源を利用できることを確実にすることへのコミッ

トメントを含む。

d)

組織のエネルギーの使用,使用量及び効率に関係して,適用される法的要求事項及び組織が同意する

その他の要求事項を順守するコミットメントを含む。

e)

エネルギー目的及び目標の設定及びレビューのための枠組みを与える。

f)

エネルギー効率の優れた製品及びサービスの購入並びにエネルギーパフォーマンス改善のための設計

を支援する。

g)

文書化され,組織内の全ての階層で周知される。

h)

定期的にレビューし,必要に応じて更新する。

4.4

エネルギー計画

4.4.1

一般

組織は,エネルギー計画のプロセスを実施し,文書化しなければならない。エネルギー計画は,エネル

ギー方針に整合するものであり,かつ,エネルギーパフォーマンスの継続的改善を導くものでなければな

らない。

エネルギー計画は,エネルギーパフォーマンスに影響を及ぼす組織活動のレビューを含まなければなら

ない。

注記  エネルギー計画を説明する概念図を,図 A.2 に示す。

4.4.2

法的要求事項及びその他の要求事項

組織は,エネルギーの使用,使用量及び効率に関係して適用される法的要求事項及び組織が同意するそ

の他の要求事項を特定し,実施し,参照しなければならない。

組織は,これら要求事項をそのエネルギーの使用,使用量及び効率にどのように適用するかを決定しな

ければならない。組織がその EnMS を確立し,実施し,維持するうえで,これらの適用される法的要求事

項及び組織が同意するその他の要求事項を確実に考慮に入れなければならない。

法的要求事項及びその他の要求事項は,定められた間隔でレビューしなければならない。

4.4.3

エネルギーレビュー


9

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

組織は,エネルギーレビューを構築し,記録し,維持しなければならない。エネルギーレビューを構築

するための方法論及び基準は,文書化しなければならない。エネルギーレビューの構築においては,組織

は,次の事項を行わなければならない。

a)

次によって,エネルギーの使用及び使用量を,測定及びその他のデータに基づき,分析する。

−  現時点のエネルギー源を特定する。

−  過去及び現在のエネルギーの使用及び使用量を評価する。

b)

次によって,エネルギーの使用及び使用量の分析に基づき,著しいエネルギーの使用の領域を特定す

る。

−  エネルギーの使用及び使用量に著しく影響を及ぼす,施設,設備,システム,プロセス,及び組織

で働く又は組織のために働く要員を特定する。

−  著しいエネルギーの使用に影響を及ぼすその他の関連変数を特定する。

−  特定された著しいエネルギーの使用に関係する施設,設備,システム及びプロセスの現在のエネル

ギーパフォーマンスを決定する。

−  将来のエネルギーの使用及び使用量を予測する。

c)

エネルギーパフォーマンスを改善するための機会を特定し,優先度を決め,記録する。

注記  機会には,潜在的なエネルギー源,再生可能エネルギーの利用又は廃棄エネルギーのような

その他の代替エネルギー源の使用に関係するものもある。

エネルギーレビューは,定められた間隔で更新するとともに,施設,設備,システム又はプロセスの主

要な変更の際にも更新しなければならない。

4.4.4

エネルギーベースライン

組織は,組織のエネルギーの使用及び使用量に対して適切なデータ期間を考慮し,初回のエネルギーレ

ビューの情報を用いてエネルギーベースラインを設定しなければならない。エネルギーパフォーマンスの

変化は,エネルギーベースラインに対して測定しなければならない。

ベースラインの調整は,次のいずれかの場合に行われなければならない。

− EnPIs がもはや組織のエネルギーの使用及び使用量を反映しなくなった場合。

−  プロセス,運用パターン又はエネルギーシステムに大きな変更があった場合。

−  あらかじめ定められた方法による場合

エネルギーベースラインは,維持し,記録しなければならない。

4.4.5

エネルギーパフォーマンス指標

組織は,エネルギーパフォーマンスを監視し,測定するために,適切な EnPIs を特定しなければならな

い。EnPIs を決定し,更新する方法を記録し,定期的にレビューしなければならない。

EnPIs

は,適切にレビューし,エネルギーベースラインと比較しなければならない。

4.4.6

エネルギー目的,エネルギー目標及びエネルギーマネジメント行動計画

組織は,組織内の関連する部門,階層,プロセス又は施設で,文書化されたエネルギー目的及び目標を

確立し,実施し,維持しなければならない。目的及び目標の達成のために,期限を設定しなければならな

い。

目的及び目標は,エネルギー方針と整合しなければならない。目標は,目的と整合しなければならない。


10

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

  

目的及び目標を設定し,レビューするに当たって,組織は,法的要求事項及びその他の要求事項,著し

いエネルギーの使用,並びにエネルギーレビューで特定されるエネルギーパフォーマンス改善の機会を考

慮に入れなければならない。また,組織は,財務上,運用上及び事業上の状況,技術上の選択肢,並びに

利害関係者の見解も考慮しなければならない。

組織は,目的及び目標を達成するための行動計画を策定し,実施し,維持しなければならない。行動計

画は,次の事項を含まなければならない。

−  責任の明示

−  個別の目標達成のための手段及び日程

−  エネルギーパフォーマンスの改善を確実に検証するための方法の記述

−  結果を検証するための方法の記述

行動計画は,文書化し,定められた間隔で更新しなければならない。

4.5

実施及び運用

4.5.1

一般

組織は,計画プロセスの結果である行動計画及びその他のアウトプットを,実施及び運用のために使用

しなければならない。

4.5.2

力量,教育訓練及び自覚

組織は,著しいエネルギーの使用に関連する組織で働く又は組織のために働く全ての人(人々)が,適

切な教育,教育訓練,技能又は経験に基づく力量をもつことを確実にしなければならない。組織は,著し

いエネルギーの使用の管理及び EnMS の運用に関連する教育訓練のニーズを明確にしなければならない。

組織は,そのようなニーズを満たすために,教育訓練を提供するか,又はその他の処置をとらなければな

らない。

適切な記録を維持しなければならない。

組織は,組織で働く又は組織のために働く全ての人(人々)が,次の事項を自覚していることを確実に

しなければならない。

a)

エネルギー方針,手順及び EnMS の要求事項に適合することの重要性

b) EnMS

の要求事項を達成するための役割,責任及び権限

c)

改善されたエネルギーパフォーマンスから得られる利点

d)

自分の活動に伴うエネルギーの使用及び使用量に関係する顕在又は潜在の影響,自分の活動及び行為

がいかにエネルギー目的及び目標の達成に影響を及ぼすか,並びに,規定された手順から逸脱した際

に予想される結果

4.5.3

コミュニケーション

組織は,組織の規模に応じ,エネルギーパフォーマンス及び EnMS に関する内部コミュニケーションを

行わなければならない。

組織は,組織で働く又は組織のために働く全ての人が EnMS に関してコメント又は改善提案することが

できるプロセスを確立し,実施しなければならない。

組織は,エネルギー方針,EnMS 及びエネルギーパフォーマンスに関する外部コミュニケーションを行

うかどうかを決定し,その決定を文書化しなければならない。外部コミュニケーションを行うと決定した

場合は,組織は,外部コミュニケーションの方法を策定し,実施しなければならない。


11

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

4.5.4

文書化

4.5.4.1

文書化要求事項

組織は,EnMS の核となる要素及びそれらの相互関係を紙,電子又はその他のメディアに記述した情報

を作成し,実施し,維持しなければならない。

EnMS

文書には,次の事項を含めなければならない。

a) EnMS

の適用範囲及び境界

b)

エネルギー方針

c)

エネルギー目的,目標及び行動計画

d)

この規格が要求する,記録を含む文書

e)

組織が必要と定めたその他の文書

注記  文書化の程度は,次の理由から,組織によって異なることがある。

−  組織の規模及び活動の種類

−  プロセスの複雑さ及びその相互関係

−  要員の力量

4.5.4.2

文書管理

この規格及び EnMS が要求する文書は,管理しなければならない。これらの文書は,該当する場合には

技術文書も含む。

組織は,次の事項に関わる手順を確立し,実施し,維持しなければならない。

a)

発行前に適切かどうかの観点から文書を承認する。

b)

定期的にレビューし,必要に応じて更新する。

c)

文書の変更の識別及び現在の改訂版の識別を確実にする。

d)

該当する文書の適切な版が,必要なときに,

必要なところで使用可能な状態にあることを確実にする。

e)

文書は,読みやすく,容易に識別可能な状態であることを確実にする。

f) EnMS

の計画及び運用のために組織が必要であると決定した外部からの文書を明確にし,それらの配

布が管理されていることを確実にする。

g)

廃止文書が誤って使用されないようにする。また,これらを何らかの目的で保存する場合には,適切

な識別をする。

4.5.5

運用管理

組織は,次に示すことによって,個々の条件の下で確実に運用が行われるように,エネルギー方針,目

的,目標及び行動計画に整合して特定された著しいエネルギーの使用に関係する運用及び保守活動を明確

にし,計画しなければならない。

a)

著しいエネルギーの使用の効果的な運用及び保守のための基準がなければ効果的なエネルギーパフォ

ーマンスから著しい逸脱が生じるような場合,基準を確立し,設定する。

b)

運用基準に従って,施設,プロセス,システム及び設備を運用し,保守する。

c)

組織で働く又は組織のために働く全ての要員に,運用管理について適切に伝達する。

注記  不測の事態,緊急事態,又は予想される災害に対する計画立案時には,これらの事態にどのよ

うに対応するかを決定するに当たって,設備調達時と同様に,エネルギーパフォーマンスを評

価するとよい。


12

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

  

4.5.6

設計

組織は,エネルギーパフォーマンスに著しい影響を与えるような,施設,設備,システム及びプロセス

の新設,改造及び改修の設計を行う場合には,エネルギーパフォーマンス改善の機会及び運用管理を考慮

しなければならない。

エネルギーパフォーマンスの評価の結果は,該当する場合には,関連するプロジェクトの仕様書,設計

及び調達活動に組み込まなければならない。

設計活動の結果は,記録しなければならない。

4.5.7

エネルギーサービス,製品,設備及びエネルギーの調達

著しいエネルギーの使用に影響を及ぼす場合,又はその可能性のあるエネルギーサービス,製品及び設

備を調達する場合,組織は,調達における評価の一部がエネルギーパフォーマンスに基づいていることを

供給者に伝えなければならない。

組織は,

組織のエネルギーパフォーマンスに著しい影響を及ぼすことが予想されるエネルギー使用製品,

設備及びサービスを調達するときの,計画された又は想定された運用期間にわたるエネルギーの使用,使

用量及び効率を評価する基準を設定し,その評価を実施しなければならない。

組織は,効果的なエネルギーの使用のために,該当する場合,エネルギー購買仕様を規定し,文書化し

なければならない。

注記  追加情報は,附属書 を参照。

4.6

点検

4.6.1

監視,測定及び分析

組織は,エネルギーパフォーマンスを決定する運用の鍵となる特性を,あらかじめ定められた間隔で監

視し,測定し,分析することを確実にしなければならない。鍵となる特性は,少なくとも次の事項を含め

なければならない。

a)

著しいエネルギーの使用及びエネルギーレビューのその他のアウトプット

b)

著しいエネルギーの使用に関係する変数

c) EnPIs

d)

目的及び目標を達成する行動計画の有効性

e)

予想に対する実際のエネルギー使用量の評価

鍵となる特性の監視及び測定の結果は,記録しなければならない。

組織の規模及び複雑さ並びに監視及び測定機器に対して適切なエネルギー測定計画を定め,実施しなけ

ればならない。

注記  測定は,小規模組織向けの供給メータだけのものから,データを統合して,自動分析を加える

ことができるソフトウェアアプリケーションに接続している完全な監視及び測定システムにま

でわたることができる。測定の手段及び方法は,組織によって決定される。

組織は,測定のニーズを定め,定期的にレビューしなければならない。組織は,鍵となる特性の監視及

び測定に使用される機器が,正確かつ再現性のあるデータを提供することを確実にしなければならない。

校正並びに正確性及び再現性を確保するためにとられるその他の方法の記録は,

維持しなければならない。

組織は,エネルギーパフォーマンスの著しい逸脱を調査し,対応しなければならない。

これらの活動の結果は,維持しなければならない。


13

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

4.6.2

法的要求事項及びその他の要求事項に対する順守評価

組織は,あらかじめ定められた間隔で,エネルギーの使用及び使用量に関連する法的要求事項及び組織

が同意するその他の要求事項に対する順守を評価しなければならない。

順守評価の結果の記録は,維持しなければならない。

4.6.3

EnMS

の内部監査

組織は,EnMS が次の事項を確実にするために,あらかじめ定められた間隔で,内部監査を実施しなけ

ればならない。

−  この規格の要求事項を含めて,エネルギーマネジメントのために計画された取決め事項に適合してい

る。

−  設定されたエネルギー目的及び目標に適合している。

−  効果的に実施,維持され,エネルギーパフォーマンスを改善している。

監査の計画及びスケジュールは,前回までの監査の結果だけでなく,監査対象のプロセス及び監査範囲

の状態及び重要性を考慮に入れて策定しなければならない。

監査員の選定及び監査の実施においては,

監査プロセスの客観性及び公平性を確保しなければならない。

監査結果の記録は,維持し,トップマネジメントに報告しなければならない。

4.6.4

不適合に対する修正,是正処置及び予防処置

組織は,顕在及び潜在の不適合に対して,修正を行い,次の事項を含む是正処置及び予防処置をとるこ

とによって対応しなければならない。

a)

不適合又は潜在的不適合をレビューする。

b)

不適合又は潜在的不適合の原因を特定する。

c)

不適合が発生しない,又は再発しないことを確実にするための処置の必要性を評価する。

d)

必要とされる適切な処置を決定し,実施する。

e)

是正処置及び予防処置の記録を維持する。

f)

とられた是正処置及び予防処置の有効性をレビューする。

是正処置及び予防処置は,顕在又は潜在の問題の大きさ及び生じたエネルギーパフォーマンスの結果に

見合ったものでなければならない。

組織は,必要な変更の全てを EnMS に確実に反映しなければならない。

4.6.5

記録の管理

組織は,組織の EnMS 及びこの規格の要求事項への適合並びに達成したエネルギーパフォーマンスの結

果を実証するのに必要な記録を作成し,維持しなければならない。

組織は,記録の識別,検索及び保管のための管理を定め,実施しなければならない。

記録は,読みやすく,識別可能で,かつ,関連する活動について追跡可能な状態を保たなければならな

い。

4.7

マネジメントレビュー

4.7.1

一般

トップマネジメントは,組織の EnMS が,引き続き適切で,妥当で,かつ,有効であることを確実にす

るために,あらかじめ定められた間隔で,EnMS をレビューしなければならない。

マネジメントレビューの記録は,維持しなければならない。


14

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

  

4.7.2

マネジメントレビューへのインプット

マネジメントレビューへのインプットは,次の事項を含まなければならない。

a)

前回までのマネジメントレビューの結果に対するフォローアップ活動

b)

エネルギー方針のレビュー

c)

エネルギーパフォーマンス及び関連する EnPIs のレビュー

d)

法的要求事項の順守評価,並びに法的要求事項及び組織が同意するその他の要求事項の変更

e)

エネルギー目的及び目標が達成されている程度

f) EnMS

監査の結果

g)

是正処置及び予防処置の状況

h)

次期に向けて計画されたエネルギーパフォーマンス

i)

改善のための提案

4.7.3

マネジメントレビューからのアウトプット

マネジメントレビューからのアウトプットは,次の事項に関するあらゆる決定又は処置を含めなければ

ならない。

a)

組織のエネルギーパフォーマンスの変更

b)

エネルギー方針の変更

c) EnPIs

の変更

d)

継続的改善への組織のコミットメントと整合した,目的,目標又はその他の EnMS の要素の変更

e)

資源の配分の変更


15

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

附属書 A

参考)

この規格の利用の手引

A.1

一般要求事項

この附属書に示される追加的な情報は参考であり,箇条 に含まれる要求事項の誤った解釈を防ぐこと

を意図している。この情報は,箇条 の要求事項と対応し,整合しているが,その要求事項に対して追加

したり,削除したり,何らの変更を行うことは意図していない。

この規格で規定されるエネルギーマネジメントシステムの実施は,エネルギーパフォーマンスの改善を

もたらすことを意図している。したがって,この規格は,組織が改善の機会及び実施を確認するために,

そのエネルギーマネジメントシステムを定期的にレビューし,評価するという前提に基づいている。組織

は,EnMS を実行する方法について,柔軟性をもっている。例えば,継続的な改善プロセスの度合い,範

囲及びタイムスケールは,組織が決定する。

継続的な改善プロセスの度合い,範囲及びタイムスケールを決定するとき,組織は,経済性及びその他

の事項を考慮に入れることができる。

適用範囲及び境界の概念は,組織が EnMS に何を含めるかについて柔軟であることを許容している。

エネルギーパフォーマンスの概念には,エネルギーの使用,エネルギー効率及びエネルギー使用量が含

まれる。このように,組織は,広範囲にわたるエネルギーパフォーマンス活動から選択することができる。

例えば,組織は,需要のピークを減らしたり,余剰又は廃棄エネルギーを活用したり,そのシステム,プ

ロセス又は設備の運用を改善することもできる。

図 A.1 は,エネルギーパフォーマンスの概念図である。

エネルギー

パフォーマンス

エネルギー

効率

エネルギー

原単位

エネルギー

の使用

その他

エネルギー

使用量

図 A.1−エネルギーパフォーマンスの概念図


16

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

  

A.2

経営層の責任

A.2.1

トップマネジメント

組織内の人々に周知する際に,トップマネジメント又は管理責任者は,従業員に関係する活動(例えば,

権限委譲,動機付け,認知,教育訓練,報酬,参画)を通して,エネルギーマネジメントの重要性を強調

することができる。

長期計画の策定を行う組織は,エネルギー源,エネルギーパフォーマンス,エネルギーパフォーマンス

改善などのエネルギーマネジメントに対する考慮を,計画策定の活動に含めることができる。

A.2.2

管理責任者

管理責任者は,現職の,新任の,又は契約された社員であってもよい。管理責任者の責任は,業務機能

の全部又は一部でもよい。技量及び力量は,組織の規模,文化及び複雑さ,又は法的要求事項若しくはそ

の他の要求事項によって決定し得る。

エネルギーマネジメントチームは,エネルギーパフォーマンス改善を産み出すことを確実にする。チー

ムの規模は,組織の複雑さによって,次のように決定される。

−  小さな組織では,エネルギーマネジメントチームは管理責任者一人の場合もあり得る。

−  より大きな組織では,部門横断的なチームが,EnMS の計画及び実施において組織の異なる部署をつ

なげるうえでの効果的な仕組みを提供する。

A.3

エネルギー方針

エネルギー方針は,組織の適用範囲及び境界内における EnMS 及びエネルギーパフォーマンスの実施及

び改善の推進力となる。方針は,組織のメンバーが容易に理解し,彼らの業務活動に適用できるように簡

潔な声明であってもよい。エネルギー方針の普及は,組織的な行動を管理する推進力として利用すること

ができる。

輸送手段が組織によって調達されるか,又は使われる場合には,輸送におけるエネルギーの使用及び使

用量は,EnMS の適用範囲及び境界に含むことができる。

A.4

エネルギー計画

A.4.1

一般

図 A.2 は,エネルギー計画のプロセスの理解を改善することを目的とした概念図である。この図は,特

定の組織の詳細を表すことを意図したものではない。エネルギー計画図の中の情報は,網羅的なものでは

なく,組織又は特別な状況に特化したその他の詳細情報があってもよい。


17

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

エネルギー計画プロセス

計画のインプット

過去及び現在の

エネルギーの使用

・著しいエネルギー

の使用に影響を及

ぼす関連変数

・パフォーマンス

この図は,エネル
ギー計画の基本
的な概念を示す
ものである。

計画のアウトプット

エネルギーレビュー

A.エネルギーの使用

及び使用量の分析

B.著しいエネル

ギーの使用及び使

用量の領域の特定

C.エネルギーパフォー

マンスを改善するため

の機会の特定

・エネルギーベース

ライン

・EnPI(s)

・目的

・目標
・行動計画

図 A.2−エネルギー計画プロセス概念図

この箇条(A.4.1)は,組織のエネルギーパフォーマンス,及び,エネルギーパフォーマンスを維持し,

継続的に改善するためのツールに焦点を当てている。

ベンチマーキングは,事業体間又は事業体の中で,パフォーマンスを評価し,比較する目的で,相当す

る活動のエネルギーパフォーマンスデータを集め,分析し,関連させるプロセスである。ベンチマーキン

グには,組織内で比較する内部ベンチマーキングから,同じ分野又はセクター内で比較する外部ベンチマ

ーキングまで,様々なタイプのベンチマーキングが存在する。ベンチマークプロセスは,これらの要素の

いずれか又は全てに適用することが可能である。関連する正確なデータが利用できるならば,ベンチマー

キングは,客観的なエネルギーレビュー(4.4.3 参照)並びにその結果によるエネルギー目的及び目標(4.4.6

参照)の設定への有用なインプットとなる。

A.4.2

法的要求事項及びその他の要求事項

エネルギーマネジメントシステムの適用範囲に適用されるエネルギーに関連する法的要求事項には,例

えば,国際,国家,地域及び地方自治体の法的要求事項があり得る。法的要求事項の例としては,国の省

エネルギーに関する規制及び法律が含まれる。その他の要求事項の例としては,顧客との合意,自発的な

原則又は行動規範,自発的なプログラム及びその他のものが含まれてもよい。

A.4.3

エネルギーレビュー

エネルギーの使用の特定及び評価のプロセスは,組織が著しいエネルギーの使用の領域を定め,エネル

ギーパフォーマンス改善の機会の特定を導くことが望ましい。


18

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

  

組織のために働く要員の例には,サービス請負業者,パートタイマー及び臨時スタッフが含まれる。

潜在的なエネルギー源には,以前は組織によって利用されていなかった従来形の資源が含まれ得る。代

替エネルギー源には,化石燃料又は非化石燃料が含まれ得る。

エネルギーレビューの更新とは,分析,著しさの決定及びエネルギーパフォーマンス改善の機会の決定

に関する情報の更新を意味する。

エネルギー診断は,組織,プロセス,又はその両方のエネルギーパフォーマンスの詳細なレビューから

成る。エネルギー診断は,一般的に,実際のエネルギーパフォーマンスの適切な測定及び観察に基づいて

いる。エネルギー診断のアウトプットは,一般的に,現在の使用量及びパフォーマンスに関する情報を含

み,

エネルギーパフォーマンスに関する改善のための順位付けした一連の推奨事項を加えることができる。

エネルギー診断は,エネルギーパフォーマンス改善の機会の特定及び優先度決定の一部として,計画し,

実施する。

A.4.4

エネルギーベースライン

適切なデータ期間とは,規制要求事項,又はエネルギーの使用及び使用量に影響する変数に関する,組

織の報告すべき期間を意味する。変数には,天候,季節,事業活動のサイクル及びその他の状況が含まれ

得る。

エネルギーベースラインは,組織が記録の維持期間を決定する手段として,維持し,記録する。ベース

ラインの調整は,メンテナンスとも考えられる。調整に関する要求事項は,この規格(4.4.4)で定められ

る。

A.4.5

エネルギーパフォーマンス指標

EnPIs

は,単純なパラメータ,単純な比又は複雑なモデルがあり得る。EnPIs の例には,時間当たりのエ

ネルギー使用量,単位生産量当たりのエネルギー使用量及び複数変数のモデルが含まれ得る。組織は,そ

の運用におけるエネルギーパフォーマンスの情報を与える EnPIs を選択することが可能であり,

ある EnPIs

に影響を及ぼす事業活動又はベースラインに変更があれば,該当する場合には EnPIs を更新することがで

きる。

A.4.6

エネルギー目的,エネルギー目標及びエネルギーマネジメント行動計画

特定のエネルギーパフォーマンス改善の達成に重点を置いた行動計画に加えて,全体的なエネルギーマ

ネジメントの改善又は EnMS 自体のプロセスの改善の達成に重点を置いた行動計画があってもよい。この

タイプの改善のための行動計画も,組織がどのように行動計画によって達成される結果を検証するかにつ

いて表明することができる。例えば,組織には,従業員及び契約社員のエネルギーマネジメント行動への

自覚の醸成を達成するように設計された行動計画があるかもしれない。行動計画によって達成された自覚

の醸成及びその他の結果の程度は,組織が決定し,行動計画において文書化された方法によって検証する

ことが望ましい。

A.5

実施及び運用

A.5.1

一般

必要な追加説明はない。

A.5.2

力量,教育訓練及び自覚

組織は,その組織のニーズに応じて要求される力量,教育訓練及び自覚を明確にする。力量は,関連す

る教育,教育訓練,技量及び経験の組合せに基づく。

A.5.3

コミュニケーション


19

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

必要な追加説明はない。

A.5.4

文書化

文書化されなければならない手順は,文書化された手順として規定されているものだけである。

組織は,エネルギーパフォーマンス及び EnMS を効果的に実証するために必要であると組織がみなす,

いかなる文書も作成することができる。

A.5.5

運用管理

組織は,特定された著しいエネルギーの使用に関係する運用を評価し,それらが組織のエネルギー方針

の要求事項を満たし,目的及び目標を達成するために,それらに関連した悪影響を制御又は低減する方法

で実行されることを確実にすることが望ましい。これは,保守活動を含むその運用の全ての部分を含むこ

とが望ましい。

A.5.6

設計

必要な追加説明はない。

A.5.7

エネルギーサービス,製品,設備及びエネルギーの調達

調達は,より効率の良い製品及びサービスを利用することを通じてエネルギーパフォーマンスを改善す

る機会である。調達は,サプライチェーンに働きかけて,かつ,そのエネルギー関連行動に影響を及ぼす

機会でもある。

エネルギーの購買仕様の適用性は,市場によって変化する。エネルギーの購買仕様は,その要素として,

エネルギーの品質,利用可能性,費用構成,環境影響及び再生可能な資源を含むことができる。

組織は,エネルギー供給元によって提案される仕様を適宜使ってもよい。

A.6

点検

A.6.1

監視,測定及び分析

必要な追加説明はない。

A.6.2

法的要求事項及びその他の要求事項に対する順守評価

必要な追加説明はない。

A.6.3

EnMS

の内部監査

エネルギーマネジメントシステムの内部監査は,組織内部からの要員によって,又は,組織のために働

くように外部から選ばれた人によって実施することができる。いずれの場合にも,監査を実施する人は,

力量があり,公平かつ客観的に行う立場にあることが望ましい。中小規模の組織では,監査員の独立性は,

監査員が監査の対象となる活動に関する責任を負っていないことで実証することができる。

組織がエネルギーマネジメントシステムの監査をその他の内部監査と組み合わせて行うことを希望する

場合は,それぞれの意図及び適用範囲を明確に定めることが望ましい。

エネルギー診断は,EnMS の内部監査又は EnMS のエネルギーパフォーマンスの内部監査と同じ概念で

はない(A.4.3 参照)

A.6.4

不適合に対する修正,是正処置及び予防処置

必要な追加説明はない。

A.6.5

記録の管理

必要な追加説明はない。


20

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

  

A.7

マネジメントレビュー

A.7.1

一般

マネジメントレビューは,エネルギーマネジメントシステムの適用範囲を網羅することが望ましい。し

かし,エネルギーマネジメントシステムの全ての構成要素をまとめてレビューする必要はなく,またレビ

ュープロセスは,ある期間にわたり実施してもよい。

A.7.2

マネジメントレビューへのインプット

必要な追加説明はない。

A.7.3

マネジメントレビューからのアウトプット

必要な追加説明はない。


21

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

附属書 B

参考)

JIS Q 50001:2011

,JIS Q 9001:2008,

JIS Q 14001:2004

及び ISO 22000:2005 間の対応

JIS Q 50001:2011

JIS Q 9001:2008

JIS Q 14001:2004

ISO 22000:2005

箇条

基準

箇条

基準

箇条

基準

箇条

基準

まえがき

まえがき

まえがき

まえがき

序文

序文

序文

序文

1

適用範囲

1

適用範囲

1

適用範囲

1

適用範囲

2

引用規格

2

引用規格

2

引用規格

2

引用規格

3

用語及び定義

3

用語及び定義

3

用語及び定義

3

用語及び定義

4

エネルギーマネジ
メ ン ト シ ス テ ム 要
求事項

4

品質マネジメントシ
ステム

4

環境マネジメントシ
ステム要求事項

4

食品安全マネジメン
トシステム

4.1

一般要求事項

4.1    一般要求事項

4.1

一般要求事項

4.1    一般要求事項

4.2

経営層の責任

5

経営者の責任

5

経営者の責任

4.2.1    トップマネジメント

5.1

経営者のコミットメ
ント

4.4.1

資 源 , 役 割 , 責 任
及び権限

5.1    経営者のコミットメン

4.2.2

管理責任者

5.5.1

5.5.2

責任及び権限 
 
管理責任者

4.4.1

資 源 , 役 割 , 責 任
及び権限

5.4

5.5

責任及び権限 
 
食 品 安 全 チ ー ム リ
ーダー

4.3

エネルギー方針

5.3

品質方針

4.2

環境方針

5.2

食品安全方針

4.4

エネルギー計画

5.4

計画

4.3

計画

5.3

7

食品安全マネジメン
トシステムの計画 
安全な製品の計画
及び実現

4.4.1

一般

5.4.1

7.2.1

品質目標 
 
製品に関連する要
求事項の明確化

4.3

計画

5.3

 
 

7.1

食品安全マネジメン
トシステムの計画 
 
 
一般

4.4.2

法 的 要 求 事 項 及
び そ の 他 の 要 求
事項

7.2.1

 

7.3.2

製品に関連する要
求事項の明確化 
 
設計・開発へのイン
プット

4.3.2

法的及びその他の
要求事項

7.2.2 
7.3.3

(タイトルなし) 
製品の特性

4.4.3

エネルギーレビュ

5.4.1

7.2.1

品質目標 
 
製品に関連する要
求事項の明確化

4.3.1

環境側面

7

安全な製品の計画
及び実現

4.4.4

エネルギーベース
ライン

7.4

ハザード分析


22

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

  

JIS Q 50001:2011

JIS Q 9001:2008

JIS Q 14001:2004

ISO 22000:2005

箇条

基準

箇条

基準

箇条

基準

箇条

基準

4.4.5

エネルギーパフォ
ーマンス指標

7.4.2

ハ ザ ー ド の 明 確 化
及び許容水準の決

4.4.6

エネルギー目的,
エ ネ ル ギ ー 目 標
及びエネルギーマ
ネジメント行動計

5.4.1

7.1

品質目標 
 
製品実現の計画

4.3.3

目的,目標及び実
施計画

7.2

前提条件プログラム
(PRP)

4.5

実施及び運用

7

製品実現

4.4

実施及び運用

7

安全な製品の計画
及び実現

4.5.1

一般

7.5.1

製造及びサービス
提供の管理

4.4.6

運用管理

7.2.2

(タイトルなし)

4.5.2

力量,教育訓練及
び自覚

6.2.2

力量,教育・訓練及
び認識

4.4.2

力量,教育訓練及
び自覚

6.2.2

力 量 , 認 識 及 び 教
育・訓練

4.5.3

コミュニケーション

5.5.3

内部コミュニケーシ
ョン

4.4.3

コミュニケーション

5.6.2

内部コミュニケーシ
ョン

4.5.4

文書化

4.2

文書化に関する要
求事項

4.2

文 書 化 に関 す る 要
求事項

4.5.4.1  文書化要求事項

4.2.1

一般

4.4.4

文書類

4.2.1

一般

4.5.4.2  文書管理

4.2.3

文書管理

4.4.5

文書管理

4.2.2

文書管理

4.5.5

運用管理

7.5.1

製造及びサービス
提供の管理

4.4.6

運用管理

7.6.1

HACCP  プラン

4.5.6

設計

7.3

設計・開発

7.3

ハ ザ ー ド 分 析 を 可
能 に す る た め の 準
備段階

4.5.7

エネルギーサービ
ス,製品,設備及
び エ ネ ル ギ ー の
調達

7.4

購買

4.6

点検

8

測定,分析及び改

4.5

点検

8

食品安全マネジメン
トシステムの妥当性
確 認 , 検 証 及 び 改

4.6.1

監視,測定及び分

8.2.3

 

8.2.4

 

8.4

プロセスの監視及
び測定 
 
製品の監視及び測
定 
 
データの分析

4.5.1

監視及び測定

7.6.4

重要管理 点のモ ニ
タリングのためのシ
ステム

4.6.2

法 的 要 求 事 項 及
び そ の 他 の 要 求
事 項 に 対 す る 順
守評価

7.3.4

設計・開発のレビュ
ー 

4.5.2

順守評価

4.6.3

EnMS の内部監査

8.2.2

内部監査

4.5.5

内部監査

8.4.1

内部監査

4.6.4

不 適 合 に 対 す る
修正,是正処置及
び予防処置

8.3

8.5.2 
8.5.3

不適合製品の管理
是正処置 
予防処置

4.5.3

不適合並びに是正
処置及び予防処置

7.10

不適合の管理


23

Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

JIS Q 50001:2011

JIS Q 9001:2008

JIS Q 14001:2004

ISO 22000:2005

箇条

基準

箇条

基準

箇条

基準

箇条

基準

4.6.5

記録の管理

4.2.4

記録の管理

4.5.4

記録の管理

4.2.3

記録の管理

4.7

マネジメントレビュ

5.6

マネジメントレビュ

4.6

マネジメントレビュ

5.8

マネジメントレビュー

4.7.1

一般

5.6.1

一般

4.6

マネジメントレビュ

5.8.1

一般

4.7.2

マネジメントレビュ
ーへのインプット

5.6.2

マネジメントレビュ
ーへのインプット

4.6

マネジメントレビュ

5.8.2

レビューへのインプ
ット

4.7.3

マネジメントレビュ
ーからのアウトプ
ット

5.6.3

マネジメントレビュ
ーからのアウトプッ

4.6

マネジメントレビュ

5.8.3

レビューからのアウ
トプット


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Q 50001

:2011 (ISO 50001:2011)

  

参考文献

[1]  JIS Q 9000:2006

  品質マネジメントシステム−基本及び用語

[2]  JIS Q 9001:2008

  品質マネジメントシステム−要求事項

[3]  JIS Q 14001:2004

  環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引

[4]  ISO 22000:2005

  Food safety management systems−Requirements for any organization in the food chain