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Q 24511

:2012

(1)

目  次

ページ

序文 

1

0.1

  一般

1

0.2

  水に関する課題[世界的コンテクスト(背景)及び政策の枠組み]

1

0.3

  水事業の一般的な目的 

2

0.4

  規格の目的,内容及び実施 

2

0.5

  下水サービス 

4

1

  適用範囲

5

2

  用語及び定義 

6

3

  下水システムの構成要素 

13

3.1

  一般

13

3.2

  下水システムの種類

13

3.3

  集中型及び分散型システム 

13

3.4

  オンサイトシステム

14

3.5

  発生残留物の処分及び再利用

14

4

  下水事業の目的 

15

4.1

  一般

15

4.2

  公衆衛生の保護

16

4.3

  ユーザのニーズ及び期待への対応 

16

4.4

  通常及び緊急の状況下でのサービスの提供

16

4.5

  下水事業の持続可能性 

16

4.6

  コミュニティの持続可能な開発の促進 

16

4.7

  環境保護 

17

5

  下水事業のマネジメント要素

17

5.1

  一般

17

5.2

  活動及びプロセスマネジメント

18

5.3

  資源マネジメント

18

5.4

  アセットマネジメント 

18

5.5

  登録ユーザ関係のマネジメント

18

5.6

  情報マネジメント

18

5.7

  環境マネジメント

19

5.8

  リスクマネジメント

19

6

  下水事業者のマネジメントのための指針 

19

6.1

  一般

19

6.2

  組織

19

6.3

  計画及び建設 

21


Q 24511

:2012  目次

(2)

ページ

6.4

  運営及びメンテナンス 

21

7

  サービスの評価 

24

7.1

  一般

24

7.2

  評価の方針 

24

7.3

  評価の目標及び範囲

25

7.4

  評価に関与する団体

25

7.5

  評価の方法 

25

7.6

  サービス評価基準

26

7.7

  評価に必要な資源

26

7.8

  アウトプットの成果物及びその利用のための推奨事項

26

8

  業務指標

26

8.1

  一般

26

8.2

  業務指標のシステム

26

8.3

  情報の品質 

28

8.4

  業務指標の例 

28

附属書 A(参考)英語,フランス語,スペイン語の対訳表 

30

附属書 B(参考)下水システムの概要

32

附属書 C(参考)下水事業の目的を達成するために考えられる処置 

33

附属書 D(参考)下水事業のマネジメントに関連して考えられる処置 

36

附属書 E(参考)下水事業におけるサービス評価基準の例 

38

参考文献

43

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表 

45


Q 24511

:2012

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本下水道協会(JSWA)及び財団

法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本

工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Q

24511

:2012

飲料水及び下水事業に関する活動−

下水事業のマネジメントに関する指針

Activities relating to drinking water and wastewater services-

Guidelines for the management of wastewater utilities and

for the assessment of wastewater services

序文 

0.1 

一般 

この規格は,2007 年に第 1 版として発行された ISO 24511 を基とし,国内事情を考慮するため技術的内

容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。変更の一

覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

0.2 

水に関する課題[世界的コンテクスト(背景)及び政策の枠組み] 

21

世紀においては,利用可能な水資源をマネジメントすることと,世界の人々が安全な飲料水及び下水

サービス(以下,サービスという。

)が受けられるようにすることが,世界としての挑戦すべき課題である。

2000

年,国際連合(UN)は,水の利用が基本的人権であるとし,各国政府との連携の下,特に開発途

上国において,発生残留物の安全な処理及び再利用を含めた,サービスへのアクセスを拡大するために,

意欲的な目標として“ミレニアム開発目標”を設定した。持続可能な開発及び水に関する国際会議(2002

年 9 月にヨハネスブルグで開催された持続可能な開発に関する世界首脳会議,2003 年 3 月京都で開催され

た第 3 回世界水フォーラム,2006 年 3 月メキシコシティで開催された第 4 回世界水フォーラム)では,こ

の問題が強調され,国連機関(WHO 及び UNESCO を含む。

)は,取組み体制を確立するための勧告及び

プログラムを策定してきた。

国連の持続可能な開発委員会(CSD13)は,全ての利害関係者を積極的に関与させ,あらゆるレベルで

改善されたマネジメント,適切な環境の整備及び規制の枠組みを通じて,安全な飲料水及び基本的衛生施

設へのよりよいアクセスを推進することが,各国政府(以下,関係当局という。

)の第一の役割であること

を強調した。このプロセスにおいては,水事業をより生産的にし,水資源のマネジメントを更に持続可能

にするための制度的な解決策が盛り込まれていることが望ましい。この観点から,第 3 回及び第 4 回世界

水フォーラムの閣僚宣言では,特に適切なサービスの提供に関して,関係当局は議会及び地方公共団体の

役割の強化に努めることを推奨しており,この関係者間の有効な協力は,水に関する挑戦又は目標を達成

する上で不可欠な要素であるとされた。

効率的な飲料水及び衛生サービス政策の枠組みに関する主要な課題の例としては,次の事項がある。

−  様々な利害関係者の役割についての明確な定義

−  法令順守を評価する衛生規則及び組織の定義


2

Q 24511

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−  都市開発と水事業インフラストラクチャとの間の,政策の整合を確保するためのプロセス

−  取水及び下水放流規制

−  ユーザ及びコミュニティへの情報

0.3 

水事業の一般的な目的 

公衆衛生の保護に加え,飲料水及び下水サービス事業(以下,水事業という。

)の健全なマネジメントは,

総合的水資源マネジメントの不可欠な要素である。水事業において健全なマネジメントが実施されれば,

質及び量の両面で持続可能な開発に貢献し得る。また,サービスの品質及び効率性は,あらゆる社会活動

に事実上影響を及ぼすものであり,健全な事業のマネジメントは,サービスを受けるコミュニティの社会

的なつながりを結束させ,その経済発展に貢献することになる。

水は,

“社会財”と考えられており,サービスに関する諸活動は,持続可能な開発を三つの側面(経済面,

社会面及び環境面)で支えている。水事業のマネジメントは,地域のコンテクスト(背景)に応じて,関

係するあらゆる利害関係者に透明であり,かつ,利害関係者全員が参加することが合理的である。

サービスに関係する諸活動においては,ある役割を果たす幅広いタイプの利害関係者がいる。

その利害関係者の例を,次に示す。

−  法的権限又は立法権をもち活動している政府又は公共水事業者(国際,国内,地域又は地方)

−  水事業者の協会[国際的,地域的(多国間)

,国内的な上下水道協会など]

−  監督的な役割を果たそうとする自主的な団体(例えば,非政府組織のような関係機関)

−  ユーザ及びユーザの団体

利害関係者と水事業者との関係は,世界中で様々である。多くの国々では,事業が公営か民営か,関係

当局によって統制されるか,又は技術的な自己統制のシステムで運営しているかなどにかかわらず,サー

ビスに関連した諸活動を監督する責任をもつ団体がある。規格化又は技術的な自己統制は,あらゆる利害

関係者の参加を確実にし,補完性の原則を満たすために取り得る方法である。

水事業の目的は,ユーザ及び水事業者にとって受け入れ可能な経済的・社会的条件の下,責任をもつ対

象地域のあらゆる人々にサービスを提供すること,並びにユーザに対して飲料水を継続的に供給し,下水

の収集・処理を行うことである。水事業者は,長期的なサービスの持続可能性を確保しながら,他の利害

関係者と協力し,関係当局の要求事項及び責任団体によって特定された期待を満たすよう求められる。ま

た,財源も含む資源が不足する状況においても,施設設備に対する投資が適切であること,適切なメンテ

ナンス及び効率的な運用について必要な注意が払われることが望ましい。一般的に,水料金は,サービス

へのアクセスを許容できる範囲に維持する努力を続ける一方で,費用−回収の原則を満たすこと,また,

資源の効率的な利用を促進させることをその目的とすることが推奨される。

利害関係者は,サービスの目的を設定し,かつ,サービスの適正又は効率性を評価する活動に参加する

ことが望ましい。

0.4 

規格の目的,内容及び実施 

この規格の目的は,関係当局,国際政府間組織などの機関によって設定された,包括的な目標と整合性

を保ちつつ,ユーザに対するサービスのあり方を評価及び改善するための指針,並びに水事業をマネジメ

ントするための手引の両方を,関係する利害関係者に提供することである。この規格は,利害関係者の対

話を促進し,水事業の範囲の機能及び職務について相互理解を深めることを目的としている。

サービスに関する規格群は,この規格,JIS Q 24510 及び JIS Q 24512 である(以下,JIS Q 24510 シリ

ーズという。


3

Q 24511

:2012

JIS Q 24510

では,次の事項について規定している。

−  サービスの主要素及び特性の定義

−  ユーザのニーズ及び期待に関する事業の目的

−  ユーザのニーズ及び期待を満たすための指針

−  サービスの評価基準

−  業務指標の導入

−  業務指標の例

この規格及び JIS Q 24512 では,次の事項について規定している。

−  水事業における物理的並びにインフラストラクチャ要素及び経営的・制度的な要素についての概要説

−  国際市場性に関係すると考えられる水事業の重要な目的

−  水事業のマネジメントに関する指針

−  評価基準によってサービスを評価するための指針

ユーザの敷地内の設備は,この規格の適用範囲から除外されている。しかし,供給された水(又は排出

された下水)の水質は,給水区分点と使用点との間(下水の場合は,収集区分点と排水点との間)の設備

を通過している間に悪化するおそれがある。この点に関しては,一部の利害関係者,例えば関係当局,所

有者及び受託業者,そしてユーザにも果たすべき役割があると考えられる。

水事業者は,各国特有の法律上・制度上の枠組みの中で事業を実施しているため,この規格では,様々

な利害関係者の役割を規定することはしない。また,サービスの提供に関わる市町村,都道府県及び国レ

ベルで必要とされる組織を規定していない。特に,この規格は,一般的機構及び事業のマネジメントにつ

いて,責任団体の自由な選択を妨げることを意図しない。この規格は,公営事業及び民営事業に対して同

様に適用可能であり,特定の所有権及び運営モデルを推奨するものではない。

JIS Q 24510

シリーズに示された指針は,世界の様々な国及び地域の文化的,社会経済的,風土的,健康

及び制度上の差異を尊重しつつ,JIS Q 24510 シリーズが広く使用できるよう,手段を強要することなく,

ユーザのニーズ,期待及びサービスそのものを中心に扱っている。したがって,短期的に見ると,ユーザ

の期待を常に満たすとは限らないということを理解することが望ましい。これは,気候条件,資源の利用

可能性,サービスの経済的継続性の問題,特に資金調達及び改良に対するユーザの支払能力に関する問題

が起こり得るからである。こうした条件によって,開発途上国において,この規格で掲げた推奨事項が一

部の目的の達成ができなかったり,又は実施が制限されるようなことがあり得る。しかし,この規格は,

そのような制約条件も念頭に起草されている。例えば,レベルの異なる既存のネットワーク又は現場での

代替の必要性を考慮している。エンジニアリング又はハードウェアに関しては,柔軟に対応する必要があ

るが,協議メカニズムのような推奨事項は,普遍的に適用することを意図している。

ユーザに対するサービスを評価及び改善し,改良点の適切な監視を確実に実施するため,適切な数の業

務指標(PIs)

,又は要求事項の順守をチェックするための他の方法を確立してもよい。業務指標は,継続

的改善に対するサポートツールの一つに過ぎない。利害関係者は,JIS Q 24510 シリーズで記述されている

方法論を考慮した上で,業務指標を選択することもできる。業務指標は,論理的には目的に関連し,評価

基準によって定義されており,パフォーマンスを測定するために使用される。要求値又は目標値の設定に

も使用することができる。この規格で,特定の指標,最小値及びパフォーマンスの範囲を課すことはない。


4

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この規格は,地域での実施を促進しながらも,地域の状況への適応性という原則を尊重する。

いかなる場合においても,業務指標を水政策の実施,プロジェクト又はプログラムの資金調達に対する

必須条件若しくは融資条件とみなすことは意図していない。しかし,政策目標又は資金調達計画の目的に

向けた進捗を評価するのに役立つ。

JIS Q 24510

シリーズの目的は,規格に適合しているか否かの判断を助けることではなく,継続的な改善

及びサービスの評価のための指針を提供することにある。

なお,この規格は,任意での使用とする。

JIS Q 24510

シリーズは,

“PDCA”

(plan-do-check-act)のアプローチの原則と整合が図られている。JIS Q 

24510

シリーズは,構成要素の確認及び事業目的の定義に始まり,PIs を確定し,更にパフォーマンスを評

価した後,目的及びマネジメントにフィードバックするという,段階的なプロセスを提案している。

図 1

は,この規格の内容及び適用方法を要約して示したものである。この規格の実施は,JIS Q 9000 ファミリ

ー規格及び/又は JIS Q 14000 ファミリー規格の採用に左右されるものではないが,JIS Q 24510 シリーズ

は,両マネジメントシステム規格と整合性がある。JIS Q 9001 及び/又は JIS Q 14001 のマネジメントシ

ステムを包括的に実施することによって,JIS Q 24510 シリーズに盛り込まれた指針の実施を促進すること

ができる。逆に,JIS Q 9001 及び JIS Q 14001 を実施しようとする組織にとって,この指針は,これらの

JIS

に規定された条件を達成するための助けとなり得る。

図 1−規格の内容及び適用方法

0.5 

下水サービス 

下水システムは,主に公衆衛生及び環境を保護するために建設,運転される。下水システムの種類は,

人口密度,気候条件,処理を行う上での環境条件,並びにそれを実施,操作及び維持する責任団体の技術

的,社会経済的能力によって選択し,適用する必要がある。下水システムの種類は,規定の目的を曲げる

1

物理的管理要素の特定

(箇条 及び箇条 5

附属書 及び D

2

サービスの目的に関する定義

(箇条 4

附属書 C

3

水事業の管理用指針を適用する事業の管理及び運営

(箇条 6

附属書 C

4

評価基準の定義

(箇条 7

附属書 E

5

業務指標の定義

(箇条 8

6

目的に対するパフォーマンスの評価

(箇条 7


5

Q 24511

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ことなく,財政上の制約を克服するための段階的な進展を容認することに加えて,費用効率を高め,持続

可能である必要がある。

事業運営上の大きな目的は,関連する能力要件を満たしながら,下水収集サービスを継続的に,又は(選

択したサービスによっては)少なくとも断続的に提供することである。下水処理,処分の方法は,選択し

た収集システムに対応したものとする必要がある。

適正に処理された下水は,

最終的には環境に戻り,

水資源の量及び質に大きな影響を与えることがある。

最終廃棄又は再利用を含め,下水処理から生じる発生残留物の効果的かつ安全な管理は,環境保護及び

資源保護の両面への関心によって,ますます重要となってきている。

下水のインフラストラクチャは,多くの場合,何世代にもわたって使われ続けるため,世代間の負担公

平性が明らかとされる必要がある。それゆえ,下水事業は,その所有関係にかかわらず,本来公的なもの

であり,公的な監視及び政策の下で行われることになる。他の基準,例えば費用,料金の受容性及びサー

ビスの持続性は,この規格の適切な箇条で扱われる。

適用範囲 

この規格は,下水事業のマネジメントに関する指針を示す。

この規格は,公的及び私的に所有され,運営されている下水事業に適用可能であるが,特定の所有又は

運営のモデルを推奨するものではない。

この規格は,我が国における下水道に相当する事業を基に構成しているが,下水道法の適用外の下水事

業にも適用可能である。

この規格の適用範囲には,次の事項が含まれる。

−  様々な利害関係者に共通する用語の定義

−  下水システムの構成要素の定義

−  下水事業の目的

−  下水事業のマネジメント要素の定義

−  下水事業のマネジメントに関する指針

−  サービスの評価基準

−  業務指標の導入

−  業務指標の例

次の事項は,この規格の適用範囲に含まれない。

−  下水システムの設計及び建設

−  マネジメント体制の規制

−  下水サービスに関するマネジメントの方法論

−  契約及び下請け契約内容の規制

−  排水点から収集区分点までの設備

注記 1  この規格は,JIS Q 24510 及び JIS Q 24512 とシリーズになっており,相互に補完して使用す

ることが望ましい。

注記 2  箇条 の定義は,JIS Q 24510 及び JIS Q 24512 と共通である。

注記 3  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。


6

Q 24511

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ISO 24511:2007

,Activities relating to drinking water and wastewater services−Guidelines for the

management of wastewater utilities and for the assessment of wastewater services

(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

2.1

精確さ(accuracy)

測定値と参照値との一致の度合い。

注記  “精確さ”とは,一連の測定に用いる場合,不規則変動成分,系統誤差,又は偏りを含んだも

の。

JIS Z 8402-1:1999 の 3.6 一部を採用]

2.2

料金の受容性(affordability)

ユーザが経済的に耐えられる能力。

注記  低所得者への助成金又は支払支援プログラムの実施を考慮した上で,有意な経済的悪化又は社

会的影響を受けないユーザが,サービスに対してどの程度料金を支払うかによって,料金の受

容性は評価される。

2.3

評価(assessment)

特定された項目を,関連情報と比較するプロセス又はプロセスの結果。

2.4

資産(asset)

サービス提供のために使用される資本形成財。

注記 1  資産は,有形でも無形でもよい。

例 1  有形(土地,建物,管路,井戸,タンク,処理施設,機器,ハードウェアなど)

例 2  無形(ソフトウェア,データベースなど)例

注記 2  消耗品とは異なり,資産は,会計制度において減価償却できる。

例  建物,処理施設など

2.5

アセットマネジメント(asset management)

その資産のライフサイクルにおいて,特定のパフォーマンスに必要な費用を含む,インフラストラクチ

ャ,資産の新設,メンテナンス,廃棄処分などを,水事業者が指導,管理,及び最適化できるようにする

プロセス。

2.6

利用可能範囲(availability)

特定のパフォーマンスについて,水事業者,インフラストラクチャ,資産,資源,及び従業員によって,

ユーザに対して効果的なサービスを提供することができる範囲。

2.7


7

Q 24511

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コミュニティ(community)

サービスが提供される地域に利害関係をもつ,一人以上の個人,法人,法令若しくは慣例による共同体,

組織又はグループ。

2.8

接続(connection)

給水区分点と地先の水道管と,又は下水の収集区分点と下水道本管とをつなぐ,一連の物理的な構成要

素。

注記 1  飲料水システムにおいて,“給水管”という用語がよく使用されるが,“接続”は,それ以外

にバルブ又はメーターといった器具も含まれている。

注記 2  下水システムにおいて,“排水管”という用語も使用されるが“接続”には,更に附属品を含

む場合がある。

2.9

普及率(coverage)

一定の責任地域内のユーザに対して,水事業者の資産によってサービスの提供が可能な割合。

2.10

飲料水(drinking water)

人の飲用のための水。

注記  一般的に,飲料水の水質に対する要求事項は,国の関係当局が定める。世界保健機関(WHO)

が,飲料水水質ガイドラインを作成している。

2.11

飲料水システム(drinking water system)

飲料水の取水,浄水処理,送配水及び給水に必要な有形資産。

2.12

有効性(effectiveness)

計画した活動が実行され,計画した結果が達成された程度。

JIS Q 9000:2006 の 3.2.14

2.13

効率(efficiency)

達成された結果と使用された資源との関係。

JIS Q 9000:2006 の 3.2.15

2.14

環境(environment)

大気,水,土地,天然資源,植物,動物,人及びそれらの相互関係を含む,組織の活動をとりまくもの。

注記 1  ここでいうとりまくものとは,組織内から地球規模のシステムにまで及ぶ。

JIS Q 14001:2004 の 3.5

注記 2  規格の適用に関し,環境も利害関係者とする。環境の利害関係者は,関係当局,コミュニテ

ィ又は非政府機関(NGO)のようなグループが代表してもよい。

2.15

指標(indicator)

パラメータ,又はパラメータによって導き出される値。これは,パラメータの値に直接寄与する重要な


8

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項目に関して,情報を提供するものである。

注記 1  “環境影響評価の主要な指標”に関する OECD の文書(参考文献 10)を採用。

注記 2  指標は,コンテクスト(背景),状態,施策,活動,又はパフォーマンスに言及してもよい。

2.16

インフラストラクチャ(infrastructure)

水事業の運営に必要な有形資産。

注記  緊急時等には,トラック,ボトルといった運搬手段の使用が必要となる場合がある。

2.17

断水又はサービスの中断(interruption)

サービスが利用できない状態。

注記  断水又はサービスの中断には,計画的な場合又は突発的な場合がある。

2.18

メンテナンス(maintenance)

資産のライフサイクルの期間に,要求された機能を実行できる状態に保持,又は回復することを目的と

した,技術的,管理上及び経営上のあらゆる活動の組合せ。

2.19

マネジメント(management)

組織を指揮し,管理するための調整された活動。

注記 1  用語“マネジメント”が人を指すことがある。すなわち,組織の指揮及び管理を行うための

権限及び責任をもつ個人又はグループを意味することがある。

“マネジメント”がこの意味で

用いられる場合には,この項で定義された概念“マネジメント”との混乱を避けるために,

常に何らかの修飾語を付けて用いるのがよい。例えば,

“マネジメントは,…すること。

”は

使ってはならないが,

“トップマネジメントは…すること。

”を使うことは許される。

JIS Q 9000:2006 の 3.2.6

注記 2  “マネジメント”という用語は,特定の分野によく使われる。例えば,公衆衛生マネジメン

ト,環境マネジメント,リスクマネジメントなど。

2.20

マネジメントシステム(management system)

方針及び目的を定め,その目的を達成するためのシステム。

JIS Q 9000:2006 の 3.2.2

注記  水事業者のマネジメントシステムは,複数の異なったマネジメントを含むことがある。例えば,

品質マネジメントシステム,財務マネジメントシステム,環境マネジメントシステムなど。

2.21

オンサイトシステム(on-site system)

水事業者の設備と接続されていない,飲料水の供給並びに下水の収集及び処理に必要な物理的な資産。

2.22

オペレータ(operator)

サービスを提供するために必要な,日常業務を実行する人又は組織。

注記 1  水事業者がサービスを提供するに当たっては,単独又は複数のオペレータがいることになる。

例えば,設備を操作するオペレータ,料金請求,復旧サービスに関するオペレータなどであ


9

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る。その職務は,責任団体が定める。責任団体が許可すれば,オペレータは,他の契約者と

その作業の一部を下請け契約してもよい。

注記 2  オペレータは,法的に,責任団体と異なっていてもよいし,同じでもよい。また,公的機関

でも民間機関でもよい。責任団体及びオペレータが法的に同じである場合の例としては,地

方公共団体の技術部門などがあり,法的に異なる場合の例としては,公的組織,民間企業,

小規模な請負業者,NGO,組合などがある。

注記 3  この規格のコンテクスト(背景)となる情報においては,オペレータは,設備又はプロセス

の一部を操作する組織に雇用されている人のことではない。

2.23

パフォーマンス(performance)

活動,プロセス又は組織に関する業績。

2.24

収集区分点(point-of-collection)

下水のサービス又はインフラストラクチャに関する下水事業者の法的責任の境界となる物理的な点。

例  私的財産と公的財産との境界点

注記 1  収集区分点は,一般的に,サービス契約で決定する。

注記 2  一般的に,下水事業者の職員及び/又は従業員は,収集区分点より上流にある設備に直接立

ち入る法的権限はない。

2.25

給水区分点(point-of-delivery)

飲料水のサービス又はインフラストラクチャに関する,飲料水事業者の法的責任の境界となる物理的な

点。

例  分水栓など,公的財産と私的財産との境界点

注記  給水区分点は,一般的に,条例で定める。

2.26

排水点(point-of-discharge)

下水を収集及び処理するために,通常,ユーザが下水を排水する物理的な点。

例  流し台,トイレなど

2.27

使用点(point-of-use)

飲料水を使用するために,通常,ユーザが飲料水を受ける物理的な点。

例  蛇口,公共の水飲み場など

注記  使用点は,私的財産も公共財産の場合もあり得る。

2.28

料金(price)

製品又はサービスの提供に対して,金銭又は同等のもので支払われるもの。

例 1

m

3

当たりの飲料水料金又は下水道使用料,敷地 1 m

2

当たりの下水道受益者負担金など

注記  適切であれば,料金は,製品又はサービスの単位に応じて表記される。

2.29

手順(procedure)


10

Q 24511

:2012

活動又はプロセスを実行するために規定された方法。

注記  手順は文書にすることもあり,しないこともある。

JIS Q 9000:2006 の 3.4.5

2.30

プロセス(process)

インプットをアウトプットに変換する,相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。

JIS Q 9000:2006 の 3.4.1 の一部を採用]

2.31

品質(quality)

本来備わっている特性の集まりが,要求事項を満たす程度。

JIS Q 9000:2006 の 3.1.1

注記  製品(飲料水又は下水処理水)の品質とサービスの品質は,全く異なるものである。この規格

は,製品の品質を定義していない。

2.32

利益率(rate of return)

プロジェクト収入をプロジェクト投資で除したもので示されるプロジェクトの収益率を百分率で表した

もの。

注記  会計期間は,年間又は投資期間である。

2.33

登録ユーザ(registered user)

関連情報が責任団体又はオペレータによって記録されているユーザ。

2.34

改築又は更新(rehabilitation)

一定のレベル又はそれ以上のレベルまでパフォーマンスを回復するためのインフラストラクチャの整備。

2.35

関係当局(relevant authority)

管轄権を有する地域に含まれる全ての水事業者に関して,一般的な政策,計画若しくは要求事項を作成

し,又は規則順守をチェックする権利がある公的団体。

例  国,都道府県又は市町村,公的機関,監査機関など

注記  一つの水事業者に対して,管轄分野の異なる複数の機関が関与することもある。

2.36

信頼性(情報における)(reliability)

関連項目を代表する,又は適切に表すための情報における信頼の度合い。

注記  情報は,データ,指標又は評価でもよい。

2.37

修理(repair)

意図された用途で使用できるようにするための,不適合製品,設備又は施設にとる処置。

なお,製品,機器又は装置の基のパラメータを変更するものではない。

JIS Q 9000:2006 の 3.6.9 の一部を採用]

注記 1  修理には,以前適合していた製品を元の状態に修復する,例えば,メンテナンスの一環とし


11

Q 24511

:2012

て修復する処置を含む。

注記 2  不適合製品の部品を修復,又は取り替えることが,修理である。

注記 3  修理には,計画的な場合(予防メンテナンス),及び突発的な場合(例えば,破損時)がある。

2.38

要求事項(requirement)

明示されている,通常,暗黙のうちに了解されている若しくは義務として要求されている,ニーズ又は

期待。

JIS Q 9000:2006 の 3.1.2

注記  “通常,暗黙のうちに了解されている”とは,対象のニーズ又は期待が暗黙のうちに了解され

ていることが,水事業者,ユーザ,その他の利害関係者にとって慣習又は慣行であることを意

味する。

2.39

発生残留物(residues)

飲料水又は下水に適用される様々なプロセスにおいて発生した発生物及び/又は残留物。

例  汚泥,腐敗槽汚泥,砂又は小石,油脂類,きょう雑物など

注記  発生残留物は,液体,固体,ガス,混合物などであり得る。

2.40

責任団体(responsible body)

その地域に対し,飲料水又は下水のサービスの提供に全ての法的責任をもつ地方公共団体(都道府県又

は市町村)

,民間企業などの団体。

注記 1  責任団体とは,公的機関も,民間機関もあり得る。

注記 2  責任団体は,法の範ちゅう,及び関係当局の管理内で行動する。関係当局は,一般的にその

地域の特性に適した計画又は特定の政策,さらに,関連する水事業者の組織を設定する。

注記 3  責任団体は,水事業者を内部のオペレータによって直接マネジメントする場合も,単独又は

複数のオペレータに委託する場合もある(外部委託又は管理契約)

2.41

サービスの制限(restriction)

サービス契約で明示された条件を満たさない状態。

注記  制限には,計画的な場合及び突発的な場合がある。

2.42

サービス(service)

ユーザのニーズ及び期待を満たすために行われる水事業に関する活動の効果。

サービスの提供には,例えば,次の事項がある。

−  下水などユーザから排出される物質に対して行う活動

−  新しい接続要求の処理などユーザから要求される事項に対して行う活動

−  情報の提供

−  受付窓口などユーザのための環境形成

2.43

サービス契約(service agreement)

ユーザと水事業者との間で締結された,サービスの条件に関する合意。


12

Q 24511

:2012

例  契約

注記  合意は,口頭でも書類でもよい。

2.44

サービス地域(service area)

法的又は契約上,サービスを提供する責任がある地域。

2.45

利害関係者(stakeholder)

組織のパフォーマンス及び成功に利害関係をもつ人,グループ又は組織。

JIS Q 9000:2006 の 3.3.7 の一部を採用]

例  ユーザ,ビル所有者,関係当局,責任団体,オペレータ,オペレータの従業員,他のサービスの

外部製品のサプライヤー及びプロバイダー,受託業者,コミュニティ,消費者,環境団体,金融

機関,科学及び技術団体,研究所など

注記  規格の適用に関し,環境も利害関係者とする(2.14 の注記 参照)。

2.46

持続可能な開発(sustainable development)

将来世代のニーズを満たすための能力を損なうことなく,現代の世代のニーズを満たすような開発。

2.47

料金体系(tariff)

製品又はサービスに支払われる料金の算定が公的に認められ体系化されたもの。

例  飲料水 1 m

3

当たり一定額の水道・下水道料金表,累進又は逓減料金表

2.48

ユーザ(user)

飲料水の供給及び関連するサービス,又は下水のサービスの便益を受ける人,グループ又は組織。

注記 1  ユーザは,利害関係者の範囲内である。

注記 2  ユーザとは,一般家庭,商業,工業,第 3 次産業,農業などの,様々な経済分野に属する人々

のことを指す。

2.49

下水(wastewater)

生活又は事業(耕作の事業を除く)に起因し,これに付随する排水又は雨水。

これらは環境又は排水施設に排除される。

注記 1  この規格における下水の定義は,希釈されない状態のし尿も含む。

注記 2  下水の排水施設には,分流式システム及び合流式システムがある。


13

Q 24511

:2012

2.50

下水システム(wastewater system)

下水の収集,処理及び処分,並びに下水及び下水の発生残留物の再利用に必要な有形資産。

2.51 

水事業者(water utility)

飲料水の取水,浄水処理,送配水,給水又は下水の収集,下水処理,処分及び関連するサービスの提供

に必要な組織,プロセス,活動,施策並びに資源。

注記 1  水事業者の主要な特性を,次に挙げる。

−  職務としては,飲料水サービス,下水サービス又は双方の提供がある。

−  責任をもつ地域(給水区域又は処理区域)及び地域内の人口

−  責任団体

−  責任団体,又は法的に区別された機関が実施するオペレータの機能をもつ一般組織

−  (集中化の度合いは様々であるが)サービスの提供に必要な種々の物理的システムの種類

注記 2  飲料水事業者は,飲料水だけを取り扱い,下水事業者は,下水だけを扱う。

注記 3  責任団体とオペレータとの区別が必要ない場合,又は区別が難しい場合,“水事業者”という

用語は,双方を包含して使用する。

下水システムの構成要素 

3.1 

一般 

下水システムは,一般的に,次の構成要素からなる。

−  下水及び下水から除去された発生残留物の収集及び輸送

−  下水及び下水から除去された発生残留物の処理

−  発生残留物の処分及び再利用

B.1

を参照。

3.2 

下水システムの種類 

下水システムには,集中型システム,小システム(サブシステム)分散型システム,又はオンサイトシ

ステムがある。

下水システムとその様々な構成要素との関連を示す概要図を,B.2 に示す。

地域ごとの下水サービスの整備の程度によって,上記の構成要素のうち一種類又は数種類のものが使用

してもよい(例えば,収集,処分だけなど)

3.3 

集中型及び分散型システム 

3.3.1 

収集及び輸送 

下水の収集及び輸送システムは,様々な下水発生源とつながった管きょのネットワークからなる。ネッ

トワークは,収集及び輸送機能を満たすために必要な設備[例えば,ゲート,せき(堰)

,ポンプなど]を

備えている。集中型システムは,近隣の集中型システムから(処理済又は未処理の)下水又は分離された

発生残留物を受け入れ処理することがある。

下水の収集及び輸送の集中型システムの構成要素には,次が含まれる。

−  排水溝

−  次を含む,汚水管きょ,雨水管きょ,合流下水管きょ及びこれらの附属施設

−  自然流下式下水管きょ


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Q 24511

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−  圧力式下水管及び真空式下水管

−  遮集管きょ及び幹線管きょ

−  貯留池及び滞水池

−  ポンプ施設及び貯留施設

−  越流構造物

−  大型の液体運搬車

−  モニタリング施設,サンプリング施設,測定施設及び遠隔制御施設

3.3.2 

処理 

汚水又は都市下水及び分離された発生残留物の処理は,下水の発生源及び処分環境の状況(例えば,再

利用されない排水が放流される受水域の状況)

,再利用されない発生残留物の処分方法によって,幾つかの

段階から構成される。処理段階には,浮遊物(SS)の沈殿,除去だけでなくごみ又は砂のようなより大き

なきょう雑物を除去する物理学的処理,溶解性有機汚染物質の除去,窒素,りんのような栄養塩類の除去

のための生物学的処理,細菌若しくはウイルスのような病原微生物を除去又は不活化するための放流水の

消毒がある。一般的に,処理水は,受水域に直接放流されるか,土地に浸透されるか,又は再利用される。

下水処理には集中型システムだけでなく,分散型システムのためのものが含まれてもよい。

3.4 

オンサイトシステム 

3.4.1 

収集及び輸送 

オンサイトシステムは,サイト内の下水収集ネットワークを含んでも含まなくてもよい。

し尿又は下水を収集するためのオンサイト設備は,次の事項を含めてもよい。

a)

汲み取り便所

b)

個別浄化槽

オンサイト型システムからの汚泥,下水又は下水の発生残留物の輸送は,通常,運搬車によって行われ

る。

3.5 

発生残留物の処分及び再利用 

発生残留物は,脱水のような減量処理を行ったあと,焼却してもよい。又は,埋立てのために運搬車で

埋立処分場に輸送し,永久的な貯留又は埋立てを行ってもよい。

下水の発生残留物は,土壌の改良又は肥料の目的で再利用してもよい。また,焼却の熱回収によってエ

ネルギー源として利用してもよい。

発生残留物の処理及び処分システムは,次の事項を含めてもよい。

−  発生残留物の処理及び調整施設として

−  安定化タンク

−  調整施設

−  脱水及び乾燥施設

−  コンポスト施設

−  発生残留物の再利用及び処分施設として

−  熱破壊

−  発生場所での埋立処分

−  埋立処分場

−  有効利用現場


15

Q 24511

:2012

下水事業の目的 

4.1 

一般 

4.1.1

責任団体は,関連がある場合,オペレータと連携して,下水事業のために,次の事項を明確にする

ことが望ましい。

−  目的

−  全ての関連要求事項(義務的又は自発的)

−  サービス評価方針(業務指標のような,関連するサービス評価基準及び評価測定を考慮したもの)

4.1.2

上記の事項に関連して,次の事項を考慮することが望ましい。

−  法的要求事項

−  関係当局によって確立された土地・都市計画及び居住政策

−  ユーザ及び他の利害関係者の期待

−  下水事業を行うための施設及び管理

−  利用できる財源

−  ユーザから見たサービスに対する料金の受容性

4.1.3

図 は,目的を確立するための利害関係者の考えられる関係の例を示す。また,目的,サービス評

価基準及び業務指標の関係も示している。

制 定

表 明

関係当局

ユーザ
その他
利害関係者

責任団体

連携

・関連のプロセス及

び活動を計画する

・内部的な目的,評価

基準,業務指標を加
えてもよい

法的要求事項

成功事例
期待
推奨
指針

オペレータ

目的(箇条4)

サービス評価基準

7.6

業務指標

(箇条8)

設 定

図 2−目的,サービス評価基準及び業務指標を設定するための利害関係者の関係例

4.1.4

下水事業のマネジメントには,次の事項を含むことが望ましい。

−  目的及びサービス評価基準の設定

−  パフォーマンスの評価

4.1.5

下水事業のマネジメントの目的を設定する際に,責任団体は,JIS Q 24510 の手引に沿って,ユー

ザにとっての料金の受容性という判断基準を考慮することが望ましい。

4.1.6

目的は,一般的にはある地理的広がりがある地域に対して設定し,サービス評価基準形式で表すこ

とが望ましい。


16

Q 24511

:2012

4.2

4.7 で示した目的は,主要な目的として下水事業について定めるものである。それらの目的に関連

したサービス評価基準の一例を,7.6 に示す。それらの目的を達成するために,下水事業者が取り組む処置

の例を,

附属書 に示す。

4.2 

公衆衛生の保護 

下水事業の目的の一つは,下水及び発生残留物の安全な収集,輸送,処理,処分及び再利用を確実に行

うことによって,人の健康及び安全を守ることである。

下水の放流水又は発生残留物を再利用する場合には,特別な予防策を講じることが望ましい。こうした

予防策として,追加的な処理及び公衆衛生のリスクの最小化が含まれることがある。

4.3 

ユーザのニーズ及び期待への対応 

下水事業の目的の一つは,サービス活動がユーザのニーズ及び期待を確実に満たすことである。

ユーザに対するサービス及び目的を評価し改善するための指針,並びにユーザのニーズ及び期待を満た

すための指針については,JIS Q 24510 を参照。

4.4 

通常及び緊急の状況下でのサービスの提供 

下水事業の目的の一つは,通常時において,下水サービス(収集,輸送,処理,処分及び再利用)が,

継続的かつ確実に利用可能であることである。

下水サービスは,修理などの計画的な対応又は緊急的な事態において中断されることがある。緊急事態

の場合には,緊急時対応計画及びこれに基づく対応処置を取ることが望ましい。

4.5 

下水事業の持続可能性 

下水事業は,資産を確実に維持し,かつ,現在及び将来のニーズに対応できる施設能力を確保すること

が望ましい。

下水事業は,費用に重要な影響を与える諸決定を行うときは,

(対応する下水料金体系による)適正な収

入が,長期間かけて関連支出を確実に賄うことができるように処置することが望ましい。

下水事業は,重要な社会投資であり,何十年にもわたってサービスを提供することが期待されている。

したがって,下水事業の長期にわたる持続可能性を確保することは,下水事業のマネジメントにおける重

要な目的である。

資産の供用期間中に,環境,経済及び社会の変化が生じ,下水の収集,処理,処分又は再利用のニーズ

だけでなく,水資源の利用可能範囲にも影響を及ぼすことがある。したがって,適切な資源(例えば金融

資源)を用いてこれらの変化に対応することになるが,その際に,現在の社会的な制約条件の下で将来の

世代へ負担を転嫁しないよう考慮することが望ましい。

下水事業者は,自然環境,経済状況及び社会情勢の変化に対応し,最新の研究及び適切な科学技術を取

り入れて,環境及び公衆衛生を保護しながら,継続的な改善の努力をすることが望ましい。

4.6 

コミュニティの持続可能な開発の促進 

4.6.1

下水事業は,持続可能な開発を常に意識していることが望ましい。すなわち,コミュニティに利用

可能な範囲の環境資源,インフラストラクチャ資源及び経済資源を使って,将来の世代が資源の使用を制

限されることなく,コミュニティが成長し繁栄することができるように取り組むことが望ましい。また,

このことは,次の方法によって,持続可能な開発に貢献し,持続可能な開発を実施することも包含する。

−  リサイクル及び再利用を通じて,資源の効率的利用を促進する。

−  汚染物質をその発生源で除去,分離する汚染防止策を制度化する。

4.6.2

下水事業のマネジメントの戦略的優先事項を考慮する際には,水資源全体のマネジメントにも,注

意を払うことが望ましい。


17

Q 24511

:2012

水事業のマネジメントの量的及び質的側面で,優先度が区別されることがある。

4.6.3

持続可能な開発を促進するための水事業のマネジメントのうち,量的な側面には,

(仮定した優先

度の順に)次の要素が含まれる。

a)

水の効率的利用

b)

貯留及び再利用

c)

放流

4.6.4

持続可能な開発を促進するための水マネジメントのうち,質的な側面には,

(仮定した優先度の順

に)次の要素が含まれる。

a)

汚染防止

b)

汚染されていない水と汚染された水との分離

c)

発生残留物の除去,処分及び再利用

4.7 

環境保護 

4.7.1 

自然環境の保護 

下水事業のもう一つの目的は,下水及び発生残留物の安全な収集,輸送,処理,処分及び再利用を確実

に行うことによって,自然環境を保護することであり,次の項目を含む。

−  天然資源の保全及び保護

−  越流の制御

−  植物相及び動物相の保護

4.7.2 

建築物及び地域環境の保護 

下水事業のさらなる目的は,下水及び発生残留物の安全な収集,輸送,処理,処分及び再利用を行うこ

とによって,次のことを確保するために建築物及び地域環境を保護することである。

−  ユーザにとっての価値及びユーザの安全

−  資産価値及び維持能力

−  将来に対する機能性及び価値

−  汚染防止

−  浸水の防除又は最小化

−  快適性価値の保護(例えば,レクリエーション利用に対する価値など)

下水事業のマネジメント要素 

5.1 

一般 

下水事業は,下水サービスを提供するために,全てのマネジメント要素が含まれた総合マネジメントア

プローチを確立することが推奨され,その内容は,次の要素で構成する。

−  活動及びプロセス

−  資源

−  資産

−  登録ユーザ関係

−  情報

−  環境

−  リスク


18

Q 24511

:2012

5.2

5.8 で取り上げるマネジメント要素に関連する諸活動は,

附属書 で示す。

5.2 

活動及びプロセスマネジメント 

下水事業には,多くの異なる活動及びプロセスが存在する。それは,組織の階層構造のあらゆるレベル

で取り組まれている。活動及びプロセスマネジメントには,次の事項が含まれる。

−  方針決定

−  手順の開発

−  戦略形成

−  規制順守

−  組織内及び外部組織の調整

−  運用,統制及び再構築

5.3 

資源マネジメント 

下水事業は,通常,管理することが望ましい次の資源をもつ。

−  職員及び/又は従業員(人的資源)

−  材料及び機器(例えば,予備品,車両,化学薬品など)

5.4 参照)

−  財務資源(収入,支出,準備金及び投資)

−  天然資源(例えば,土地など)

5.4 

アセットマネジメント 

下水事業は,有形及び無形の資産をもつ。有形資産は,持続可能なライフサイクルを基本として管理さ

れることが望ましい。

アセットマネジメントには,次の要素が含まれる。

−  システム台帳のメンテナンス

−  データの監視及び記録

−  システム状態の評価

−  システムの立案,メンテナンス又は復旧

−  減価償却及び再投資の最適化

−  リスクの特定及びマネジメント

これらは,全て資産のサービス能力を確保するためのものである。

5.5 

登録ユーザ関係のマネジメント 

下水事業の目的の一つは,ユーザに対するサービスを提供することである。登録ユーザ関係のマネジメ

ントは,事業の成功にとって極めて重要である。その例を,次に示す。

−  ユーザのニーズ及び期待の明確化

−  ユーザのニーズ及び期待を満たすための努力

−  苦情の登録及び処理

−  会計及び料金請求

−  コミュニケーション,教育及び情報の普及

さらなる手引については,JIS Q 24510 を参照。

5.6 

情報マネジメント 

全ての下水サービスにおいて,情報マネジメントは,ますます重要なものとなっており,統制プログラ


19

Q 24511

:2012

ムの焦点となっている。情報マネジメントの構成要素は,次のとおりである。

−  データのマネジメント

−  取得

−  評価

−  登録

−  更新

−  普及

情報は,関係当局,ユーザ及び他の利害関係者に対するのと同様に,事業者内においても透明性を保っ

て伝達することが求められる。

5.7 

環境マネジメント 

下水システムの計画的な整備は,環境保護に対する長期戦略に基づくことが望ましい。それは,人口,

都市の発展,公衆衛生の保護及び浸水危機の軽減を考慮しながら,段階的に下水システムを改良すること

を包含するものであることが望ましい。

5.8 

リスクマネジメント 

リスクマネジメントには,例えば,技術的又はその他の事故並びに自然災害(地震,異常気象など)の

ような緊急の状況下でのサービスの継続性確保のために取られる予防保全的アプローチがある。

さらに,予防保全的対策は,破壊又はテロのような犯罪行為に対する予防又は対応を含む。

下水事業者のマネジメントのための指針 

6.1 

一般 

下水事業者の職務は,箇条 で規定された目的を達成するため,箇条 で規定した下水事業の全てのマ

ネジメント要素に取り組みながら,下水及びその発生残留物の収集,輸送,処理,処分及び/又は再利用

を促進することである。

組織のマネジメント体制は,全ての職務,プロセス及び活動について,正確で効果的で,効率的な計画,

実行,監視及び点検が確実に行われるように設計することが望ましい。それは,提供されるサービス又は

機能の全ての範囲を包含することが望ましい。

下水事業者におけるプロセスマネジメントは,次に概説する“PDCA”からなる枠組みを使用して遂行

することが望ましい。

−  P:登録ユーザの要求事項,組織の方針,法的要件に沿った結果を出すために,必要な目的及びプロ

セスを設定する。

−  D:それらのプロセスを実施する。

−  C:方針,目的及び要求事項に照らしてプロセス及びサービスを監視し,評価し,結果を報告する。

−  A:プロセスのパフォーマンスを継続的に改善するための処置をとる。

集中型下水サービスでもオンサイト型下水サービスでも,水源及び公共用水域の水環境が汚染から保護

することに資するとともに,下水及び発生残留物の最大限の再生,再利用が確保するよう,改善及び監視

を行うことが望ましい。

6.2 

組織 

6.2.1 

一般 


20

Q 24511

:2012

下水事業者は,その階層並びに組織体制,責任及び作業組織の編成からなるマネジメントシステムを確

立し,文書化することが望ましい。

マネジメントシステムの適切な適用及び継続的改善を確実に実施するため,マネジメントシステムの定

期的なレビューを行うことが望ましい。

管理者及び監督者は,階層並びに組織体制,責任,作業組織の編成,及び全ての法的要件又は他の要件

の順守を点検することが望ましい。順守できていないことが判明した場合,直ちに是正処置を取ることが

望ましい。

組織には,適切なマネジメント能力が必要とされる。

下水事業者は,日々の運転管理のための必要条件及び持続可能性を確保する長期間の(持続可能な)資

本のための必要条件の両方を満たすため,十分な財政能力及び資金を備えていることが望ましい。

専門技術職員の能力開発及び最大限の活用について,考慮することが望ましい。

全ての階層で,必要とされる専門的な教育・訓練を受けた十分なスタッフがいることが望ましい。併せ

て,継続的な教育・訓練の環境を確立することが望ましい。

6.2.2 

組織体制及び責任 

下水事業者は,

その活動に関わる全ての職務,

必要な能力及び責任について明確にすることが望ましい。

全ての活動が正しく完遂する責任体制を確立するため,マネジメントの体制及び組織を明確に規定するこ

とが望ましい。

6.2.3 

作業組織の編成 

下水事業者は,階層的な組織を基本として,職務,プロセス及び活動を適切に実施するために必要とす

る一連の全ての重要な運用手順(箇条 を参照)を明確に規定することが望ましい。また,組織内部で協

力し合う部分と第三者機関を含む外部組織との連携のための境界部分の両方が,調整された形で確実に組

織化することが望ましい。必要な場合はいつでも,国内又は一般的に受け入れられている要件又は慣行に

従って,個々の活動の適切で専門的な取扱いが確実に行われるように(標準運用手順及びメンテナンスマ

ニュアルのような)

,より詳しい作業指示書が用意されていることが望ましい。

作業組織の編成について,その種類,範囲及び項目のレベルを明確に規定することが望ましい。そこに

は,全ての職務及び活動を取り扱う責任のある職員及び/又は従業員の資格水準及び職務遂行のための技

量が含まれる。

6.2.4 

運用文書及び記録 

箇条 で設定された全ての職務及び活動は,規則順守の証拠として適切に文書化され,保存されること

が望ましい。

管理者及び監督者は,定期的にこの記録を点検することが望ましい。

全てのマネジメント及び点検活動は,文書化されることが望ましい。

国の法規制,許認可,公的な指示,又は国内で一般的に受け入れられている要求事項若しくは慣例など

において,異なる規定が行われている場合を除き,全ての文書は,定められた期間,記録として保管して

おくことが望ましい。

文書及び記録には,次の事項が含まれる。

−  システムの計画及び文書化

−  作業指示書,業務日誌,記録及び作業規則

−  財務記録

−  訓練及び労働安全衛生に関する記録を含む職員及び/又は従業員の記録


21

Q 24511

:2012

−  試験記録及びメンテナンスの証明記録

−  下水の分析の記録並びに放流水及び発生残留物の質及び量

−  契約関係上及び法的事項

6.3 

計画及び建設 

下水システムの計画,開発及び建設は,自然環境及び建築物の保護と同様に,住民の健康及び安全を確

保するための長期戦略に基づくことが望ましい。それは,次の項目を考慮し,段階を踏んで下水システム

を改善することによって,実施することが望ましい。

−  現地の気象条件

−  人口の変化,都市化及び開発状況

−  利害関係者のニーズ及び期待の変化

−  義務的及び法的要求事項の変化

6.4 

運営及びメンテナンス 

6.4.1 

一般 

下水システムの運営及びメンテナンスには,次の事項を含む。

a)

サービスへの接続(排水設備設置の品質管理及び工場の接続による影響の管理)

b)

収集及び輸送(下水管きょ及び排水溝の状態の検査及び評価,下水管きょ及び排水溝の改築更新,汲

み取りごと又は発生残留物の除去作業ごとのオンサイトシステムの検査,運搬用タンカーの検査及び

メンテナンスなど)

c)

処理水及び分離した下水の発生残留物の処理,

(可能であれば)再利用又は放流,及びその処分

下水のオペレータは,事前及び事後の対策の両方を対象とした,運転管理及びメンテナンスのための計

画を策定することが望ましい。事前対策のメンテナンスは,計画性のないメンテナンス活動が原因の機能

不全又は機能停止の予防,最小化,遅延,及び継続的かつ効率的な資産の運転の確保並びに資産の延命を

図るために行われる,計画的,状態監視形,又は定期的に行うメンテナンスを含む。改良又は事後のメン

テナンスは,機能不全又は機能停止が起こってから行うメンテナンス,及び満足な状態又はパフォーマン

ス水準までの資産若しくは資産システムを,修理又は修復するために必要な活動を含む。

下水のオペレータの活動及び責任は,次の事項を対象とすることが望ましい。

−  運営

−  運営効率の管理

−  メンテナンス(整備,点検,改築又は更新及び修理)

−  下水並びに発生残留物の質及び量の監視

−  施設の稼動,停止,運転再開及び廃止(責任団体と連携する場合がある)

−  トラブル処理(業務時間内及び時間外)

−  文書化

−  緊急時の対応

下水事業における全てのプロセスのマネジメントは,関連機器及び資源を最適に利用する方法で行うこ

とが望ましい。

6.4.2 

技術的活動 

6.4.2.1 

下水輸送システム 


22

Q 24511

:2012

下水は,様々な方法で輸送されることがある(管きょ,運搬車など)

。システムは,その特性に従って運

転することが望ましい。下水輸送システムの適正な運転に特に必要なものは,次のとおりである。

−  輸送される下水の水質,量及び流速の管理

−  輸送される下水量に合わせてゲート及び/又は越流せき(堰)に適応させる。

−  運搬車の運転,

(下水の)積み込み及び積み降ろし

6.4.2.2 

下水処理施設 

下水事業による処理及びその他のプロセスのマネジメントは,関連機器及び資源を最適に利用する方法

で行われることが望ましい。

各下水処理施設は,その特性に応じて運転することが望ましい。処理施設の適正な運転に特に必要なも

のは,次のとおりである。

−  処理された下水又は発生残留物の特性に合わせた処理プロセス並びに化学薬品の種類及び量の調整

−  処理用の資材(化学薬品など)の定期的な供給,適切な貯蔵及び受入れ並びに薬注装置のメンテナン

スを確実に行う。

−  廃棄物及び発生残留物の処分及び再利用管理

−  プロセス効率の最適化

−  重要な管理ポイントの設定及び監視

6.4.2.3 

緊急時対策 

下水事業にとって,

公衆衛生及び環境保護のためにユーザへの下水サービスを継続的に提供することを,

優先して行うことが望ましい。そのため,下水事業者は,緊急事態において必要な対策を講じることがで

きるよう準備しておくことが望ましい。

緊急事態には,技術的な機能不全(管の破損)

,自然災害(地震,異常気象など)

,及び犯罪行為(破壊,

テロリズムなど)も含まれる可能性がある。これら全ての事態に対応する緊急時対応計画を作成すること

が望ましい。サービスが中断した場合には,できる限り早く復旧することが望ましい。甚大な被害を受け

るユーザ又はサービス地域のニーズ対して,特別な配慮が必要である。

緊急事態に,下水サービスが受ける悪影響を最小限にするために,下水事業者は,リスク評価に基づく

緊急時対応計画を立案することが望ましい。

運転職員の緊急時対応のための教育・訓練として,緊急時対応計画の試験的実施及びシミュレーション

訓練を行うことが望ましい。また,過去の緊急事態及びシミュレーション訓練で経験したことを記録して

おくことが望ましい。

事前に分析及び分類されたリスクに基づき,予防処置を評価し,経済的に見合っているかどうかを査定

して,適切な対応が行われることが望ましい。

6.4.3 

支援活動 

6.4.3.1 

機器,資材及び製品の購入 

全ての資材,機器及び製品の調達並びに備蓄に関する文書化された手順を確立することが望ましい。

明確かつ適切な仕様を作成し,適合性を評価することが望ましい。

職務及び活動遂行のために,職員及び/又は従業員が,適切な機器を利用できるようにすることが望ま

しい。

下水システムを構成する各施設(例えば,管きょ,タンク,バルブ,ゲートなど)に使用する資材の種

類は,特に,その資材が商業排水及び工場排水に適用され,設置及び運転の間にシステム構成施設から必

要とされる物理的条件を考慮に入れる場合には,システムへの放流を許可されている下水の水質に基づき


23

Q 24511

:2012

選定することが望ましい。

これらの要件は,資材及び構成施設の調達仕様書並びに設置及び運転指示書の両方において,満足する

ことが望ましい。

6.4.3.2 

契約及び法的事項 

全ての権利,許可及び契約(例えば,供給契約,顧客との契約など)は,適切に管理することが望まし

い。資材の条件,放流同意又は放流許可,下水管きょの敷設権及び処理・処分施設の地役権に対しては,

特に注意を払うことが望ましい。

6.4.3.3 

会計及び料金算定 

会計及び料金算定は,

全ての費用を考慮に入れることが望ましく,環境及び資源の費用を含めてもよい。

下水サービスの提供に対してユーザに課金する場合,社会政策の適用の考え方に合わせて,料金に下水事

業者の費用の全部又は一部を反映させてもよい。

料金計算においては,

透明性を確保することが望ましい。

6.4.3.4 

人的資源 

下水事業者は,全ての職員及び/又は従業員が教育・訓練を受け,職務実施のための資格を保有するよ

う確実に処置することが望ましい。

6.4.3.5 

労働者の保護 

下水事業者は,安全な環境,適切な装備(例えば,個人用安全装備)及び作業手順を準備しておくこと

が望ましい。関与する職員及び/又は従業員は,適切な所定のフォローアップ訓練によって,労働安全に

ついての指示及び訓練を受けることが望ましい。下水システムの運転に特有のリスクに関し,全ての職員

及び/又は,従業員の労働衛生に特に配慮しておくことが望ましい。

6.4.3.6 

外部委託 

作業を外部の契約事業者に委託する場合でも,全体的としての責任は,下水事業者が負うことが望まし

い。

したがって,下水事業者は,受託契約事業者に対して,次の事項を条件として指定することが望ましい。

−  作業を行うために必要な全ての人員及び所用資材

−  自身の活動を適切に監視し,点検するための確実な能力

−  当該職務の実行に必要な技術的及び専門的知識を有するだけでなく,相応の技能,信頼性及び能率性

をもつ従業員

−  活動及びその契約の条件について,信頼できる方法で定期的に報告させる。

6.4.3.7 

環境保護 

下水システムの整備計画は,次の事項を考慮に入れて,段階的に下水システムを改善することによる,

環境保護に向けた長期戦略に基づくことが望ましい。

−  人口の変化及び都市の開発

−  下水マネジメント並びに処理水及び発生残留物の再利用の可能性

−  公衆衛生及び水資源の保護

改善することが望ましい環境への影響は,水関連の問題に限らず,また,その影響は,永久的な場合も,

一時的な場合もある。

環境マネジメントは,下水事業者の運営及び将来の発展を計画する上で重要な部分である。

上記で規定した計画中の事項に加えて,環境マネジメントの例には,建設及び修理活動の影響を,最小

化することも含まれる(例えば,騒音,コミュニティ環境の悪化など)


24

Q 24511

:2012

6.4.3.8 

公共の認識及びコミュニケーション 

下水事業者は,次の事項を立案し,実施することが望ましい。

−  下水処理水及び発生残留物の処分及び再利用のほか,下水を収集し処理するサービスの重要性とその

ための費用について一般市民の認識を高める活動

−  サービスレベル,顧客のニーズ,水資源の保護及び下水サービスの経済・社会・環境から見た持続可

能性に関して,一般市民と意見・情報の交換を行うプログラム

サービスの評価 

7.1 

一般 

プロセスとしての評価は,明確かつ的確な目的を達成するよう,また,箇条 で規定する目的を参照し

て実施することが望ましい。包括的な方針の一部として,次の事項を定めることが望ましい(7.2 参照)

−  評価の目標及び範囲(7.3 参照)

−  評価に関与する団体(7.4 参照)

−  評価の方法(7.5 参照)

−  サービス評価基準(7.6 参照)

−  評価に必要な資源(7.7 参照)

−  アウトプットの成果物及びその利用のための推奨事項(7.8 参照)

評価に関する情報を,誰が,どのように使うかを特定することが望ましい。

明確に特定されていない場合,評価は,関係者間に混乱又は対立を招く可能性がある。

上記の特性に応じて,評価には多様な形態がある。

例  環境パフォーマンス評価,成功事例に関する適合性評価,リスク評価,監査など。

このプロセスのアウトプット(例えば,プロセスの結果としての評価など)に対する評価は,評価を要

求する利害関係者に対し,さらなる意思決定プロセスを促進するものであることが望ましい。

7.2 

評価の方針 

責任団体は,サービスを評価するための包括的な方針を定めることが望ましい。

適切な評価の方針を設定することは,サービスを継続的に改善するために重要な要素となる。評価の方

針では,評価のための一般的な枠組みを設定することが望ましい。これによって,実情を判定するととも

に戦略的な計画策定及び意思決定が,いかにパフォーマンスに影響を及ぼすかを判断することが容易とな

る。

評価の方針では,戦略的な計画策定,意思決定行為の総合的な効率,及び有効性を高めることに取り組

むことが望ましい。評価の方針は,多様なマネジメントシステム及び手順を全て包含し,各マネジメント

の要素についての自己評価を含むように,策定することが望ましい。

評価の方針は,プロセスのサイクルを完結するために,次の項目とリンクさせて,サービスを提供する

ための様々な機能及び活動の業績を測定するのに役立つものであることが望ましい。

−  JIS Q 24510 の箇条 で規定する一連の目的

−  JIS Q 24510 の箇条 で規定するユーザのニーズ及び期待を満たすための指針

−  JIS Q 24510 の箇条 で規定する選別された評価基準


25

Q 24511

:2012

評価は,集団学習の展開及び意思決定へのフィードバックを促進するためのツールとして作成し,実施

することが望ましい。

7.3 

評価の目標及び範囲 

評価の一般的な目標は,ユーザに対するサービスの目的が,満足しているかを点検することである。ユ

ーザに対するサービスの目的は,箇条 で定義されている。

具体的な個々の評価における目標及び範囲は,明確に定義することが望ましい。

この規格は,水事業者のマネジメントの評価は扱っていない。

サービスの評価は,目的を達成するために使用される手段又は実施される個々の組織を重視するのでは

なく,サービスのパフォーマンス,ユーザの満足度,及びサービスの目的への適合性に焦点を当てること

が望ましい。

サービスの評価の一部は,ユーザに対するサービスの評価を扱うものである。ユーザに対するサービス

については,評価は,水事業者とユーザとの関係に焦点を当てることが望ましい(例えば,ユーザの満足

度の測定など)

。ユーザに対するサービスの評価では,ユーザを効果的にプロセスに参加させることが望ま

しい。ユーザの期待及びサービスの品質を評価するための基準を明確にするためのさらなる指針は,JIS Q 

24510

に示されている。

ユーザに対するサービスの評価に加えて,サービスの評価を行う場合には,一般に,サービスのパフォ

ーマンスに着目することが望ましい。しかし,そのパフォーマンスを直接測定するのに適さない活動もあ

る。そのような場合,パフォーマンスの間接的な評価は,幾つかのマネジメントシステム(例えば,リス

クマネジメント,セキュリティマネジメント,アセットマネジメントなど)の評価を通じて実行すること

ができる。

7.4 

評価に関与する団体 

評価に関与する責任団体及びその他の全ての団体(例えば,評価チームなど)は,明確に定義すること

が望ましい。各団体の責任,プロセスにおける役割,及び作業の枠組みが明記することが望ましい。

責任団体及びオペレータが同じ法的団体でない場合,関係当局から法的要件として拘束を受ける場合を

除いて,全ての関係団体から,それぞれの権利及び責任を踏まえた一貫した評価結果が出るようにするた

め,評価の手順は前もって合意することが望ましい。責任団体及びそのオペレータは,同じ立場でユーザ

に対するサービスに関する評価手続を行うことが望ましい。

7.5 

評価の方法 

サービスに関する法律,制度及び経営のシステムは多様なため,この規格は,詳細なサービスの評価手

順を提示していない。しかし,この規格では,評価の手順を,地域の状況に合わせて適切に設定して利用

することが望ましい。

評価ツールの選択は,評価の目標及び範囲に適合することが望ましい。業務指標システムは,これらの

ツールの一つである(箇条 参照)

注記  評価のための仕様が,関係当局又は出資者から要求されることもある。

評価の方法及び手順は,次の事項を満たすことが望ましい。

−  傾向を判定するために繰り返し測定できる条件が整理されている。

−  特に重複を避けるよう注意して,効率性及び有効性を点検するために,定期的にレビューが行われて

いる。

−  新しい知見が得られた際には,目標,枠組み,評価基準及び業務指標の見直しに柔軟に対応できる。


26

Q 24511

:2012

既に規格化されている評価手順がある場合には,関連する規格を利用することが望ましい。

例  環境パフォーマンス評価(JIS Q 14031:2000 の 2.9

地理的なレベル(国及び地方公共団体)でサービスについての仕様を決める場合は,これらの仕様には,

評価プロセスに関する事項も含むことが望ましい(例えば,ユーザ満足度)

7.6 

サービス評価基準 

必要となるサービス評価基準は,地域の状況を考慮して,利害関係者によって決定される関心度の高い

目的及び要求事項に従って,選択することが望ましい。

サービス評価基準は,目的及び業務指標を結び付けるものである。次の例は,箇条 で提案された目的

の一つに関して,考えられるサービス評価基準を示している。さらなる例は,

附属書 を参照。

一つのサービス評価基準が,複数の目的に関連があることに注意することが望ましい。

例  “公衆衛生の保護”という目的に対して,考えられるサービス基準は,次のとおりである。

−  安全で完全な下水の収集

−  安全な輸送を行うための十分な水理学的能力

−  堅固で統一のとれた十分な収集システム

−  十分で安全な下水の処理

−  処理水及び分離された発生残留物の安全な処分又は再利用

7.7 

評価に必要な資源 

評価について責任をもつ団体は,人的,財政的及び組織的な,そして求められる情報技術などの必要資

源が利用できるように確保することが望ましい。評価を実施する責任があるチームが,明確に定められる

ことが望ましい。このチームは,所定の枠組み(例えば,目的,範囲,資源,関与する団体,方法,アウ

トプットなど)の範囲内で評価手順を明示し,管理するための権限が与えられることが望ましい。

7.8 

アウトプットの成果物及びその利用のための推奨事項 

評価のアウトプットは,評価手順及びその結果に関する報告書であることが望ましい。これらのアウト

プットを利用するための指針も,併せて盛り込まれていることが望ましい。

アウトプットは,定義された目標と実際のサービスとを明確に区別するものであることが望ましい。

業務指標 

8.1 

一般 

業務指標は,特に,箇条 に規定する目的を達成するための,水事業者の効率及び有効性の測定に使用

する。

業務指標のシステムは,各種の既存の評価ツールの中で,重要な評価ツールと位置付けることが望まし

い(箇条 を参照)

業務指標は,包括的なサービスを評価するシステムの中で使用することが望ましい。ほかにも種々のツ

ールがあるが,特にこのシステムには,業務指標の明確な定義を可能にし,その解釈を支援する一貫した

一連の指標及び関連要素が含まれることが望ましい。

8.2 

業務指標のシステム 

8.2.1 

業務指標のシステムの主要な構成要素 

業務指標システムは,次の主要な一連の構成要素からなる。


27

Q 24511

:2012

−  業務指標

−  コンテクスト(背景)情報

−  変数

さらに,各指標に対する特定の目標を設定し,定期的に監視,追跡し,必要に応じて目標を調整するこ

とが望ましい。

8.2.2 

業務指標 

個々の業務指標は,サービスに関連する側面を正確かつ偏りのない方法で表すために,一意的に決まる

ものであり,総体として適切なものであることが望ましい。

個々の業務指標は,次の事項を満たすことが望ましい。

−  簡潔で解釈に疑義がなく,明瞭に定義している。

−  合理的な費用で,容易かつ確実に測定できる変数で評価している。

−  特定の地域において,実際のパフォーマンスが到達したレベルを表すことに貢献している。

−  特定の地理的範囲と関連させている(比較分析の場合は,同一の地理的範囲に対し行うとよい)

−  一定の期間で行っている(例えば,毎年,四半期ごとなど)

−  対象とする目的との明確な比較を可能にし,複雑な分析を単純化している。

−  検証ができる。

−  簡潔かつ容易に理解できる。

−  客観的で,個人的又は主観的評価を排除している。

業務指標は,通常,異なる変数の比率で表し,同一次元の比率[例えば,パーセント(%)

]又は異なる

次元の比率(例えば,円/m

3

)でもよい。後者の場合,分母は,システムの一つの単位(例えば,接続数,

本管の総延長,年間費用など)を表すことが望ましい。これは,時間を通じた比較又は異なるシステム間

の比較を可能にする。

その時々で大幅に変化する可能性のある変数(例えば,除去・年間放流量)は,特に水事業者が管理で

きない変数の場合には,比率指標における分母としての使用を避けることが望ましい。ただし,分子が,

分母と同じ比率で変化する場合は,例外的に使用できる。

各指標を計算するための明確なプロセスルールを,定義することが望ましい。プロセスルールには,必

要となる全ての変数とその代数との組合せで明示することが望ましい。変数は,事業の範囲内で生じたも

の,又は管理されているデータ(事業データ)でもよいし,又は外部のもの(外部データ)でもよい。い

ずれの場合においても,情報の内容を評価(8.3 参照)し,又は検証する場合には必ず,コンテクスト(背

景)を考慮して業務指標を解釈することが望ましい。特に,他のケースとの比較に基づく場合は,これに

該当する。したがって,業務指標の補足として,コンテクスト(背景)情報は,システムの特性及びサー

ビスが提供される地域の特性も考慮することが望ましい。


28

Q 24511

:2012

8.2.3 

変数 

各変数は,次の条件を満たすことが望ましい。

a)

使用する業務指標の定義又はコンテクスト(背景)情報の定義に適合している。

b)

使用するであろう業務指標又はコンテクスト(背景)情報に対し,同一の地理的範囲,期間,基準日

のものを参考にする。

c)

意思決定に必要な信頼性及び精確さがある。

変数の中には,外部データで大部分が参考情報的なものもあり,その利用可能範囲,精確さ,基準日及

び地理的範囲の境界を,一般に水事業者が管理できないものもある。

この場合,変数は,次のとおりであることが望ましい。

−  当該変数の精確さ又は信頼性に関する情報を含め,可能な限り公式情報源から収集する。

−  業務指標の評価又は解釈に不可欠なものを選ぶ。

8.2.4 

コンテクスト(背景)情報 

コンテクスト(背景)情報は,業務指標の解釈に関連するシステム固有の特性を明らかにするものであ

り,次の事項がある。

−  水事業者が管理できない純粋なコンテクスト(背景)及び外部要因を説明する情報(例えば,人口,

地形,気候など)

−  長期間にわたるマネジメントに関する決定事項によってだけ影響を受ける特性(例えば,インフラス

トラクチャの使用年数など)

8.3 

情報の品質 

情報の品質は,実施されている評価の重要度を反映することが望ましい。

業務指標及びコンテクスト(背景)情報の利用者が,利用可能な情報の信頼性を認識するために,デー

タの品質についての情報を提供する仕組みが必要である。この仕組みがなければ,業務指標の値には疑義

がある可能性がある。

業務指標の信ぴょう(憑)性の程度は,精確さ及び信頼性の観点から評価することができる。精確さは,

インプットデータを取得する際に生じる測定誤差を,

信頼性は,

データ源がどの程度信頼できるかを表す。

8.4 

業務指標の例 

業務指標は,サービス評価基準と関連している。次の例は,箇条 の目的及び 7.6 に示すサービス評価

基準のうちの一つに関連するものとして考えられる業務指標を示している。

目的:公衆衛生の保護

下水事業者の目的の一つは,公共用水域の水質保全のために,下水の安全な収集を行うとと

もに,下水に含まれる窒素及びりんの除去などの高度な下水処理を確実に行うことである。

考えられるサービス評価基準:下水の高度な処理

考えられる業務指標:高度処理人口普及率(標準活性汚泥法によって高度な下水処理を行う人口の割

合)


29

Q 24511

:2012

業務指標:環境基準達成のための高度処理人口普及率(%)

定義:高度処理が実施されている区域内人口の高度処理が必要な区域の人口に対する割合

プロセスルール:環境基準達成のための高度処理人口普及率=高度処理実施区域内人口/高度処理が必要

な区域の人口×100

コメント:本指標は,平成 15 年 10 月に閣議決定した社会資本整備重点計画で示された指標と関連する指

標の一つであり,国全体としての目標として,平成 19 年度末 17 %が掲げられている。この重点計画の中

では,指標は,

“流域別下水道整備総合計画等によって,三大湾,指定湖沼等の水質環境基準の達成と,そ

のために必要な高度処理の実施が明確に関連付けられており,その放流水質が水質汚濁防止法による規制

の対象となっている高度処理が実施されている区域内の総人口の割合”とされている。

重点計画において,重点目標の一つとして掲げられた“良好な水環境の改善”に向け,下水道の普及拡

大,合流式下水道の改善等に加え,高度処理施設の整備が取組みの重要な柱として位置付けられており,

この本指標に基づく的確な進行管理が期待される。

なお,将来の高度処理導入予定に対し,現状,一部の高度処理しか導入が進んでいない場合,高度処理

が実施されている区域内人口の評価方法として

高度処理区域内人口=高度処理が必要な区域の人口×高度処理能力/高度処理対象処理場の全能力とい

った方法で評価することも一方法である。

下水道維持管理サービス向上のためのガイドライン(2007 年版)社団法人日本下水道協会  (E60)


30

Q 24511

:2012

附属書 A

(参考)

英語,フランス語,スペイン語の対訳表

この

表 A.1 では,対応する英語,フランス語及びスペイン語の用語を表で記載する。この表は,箇条 2

で定義された英語をアルファベット順で記載し,それに対応するフランス語及びスペイン語での用語を併

記している。

表 A.1−英語(アルファベット順)

Numerical

term

英語

フランス語

スペイン語

日本語

2.1 accuracy

exactitude

exactitud

精確さ

2.2 affordability

accessibilité

économique asequibilidad

料金の受容性

2.3 assessment

évaluation

evaluación

評価

2.4 asset

bien

activo

資産

2.5

asset management

gestion du patrimoine

gestión de infraestructura

アセットマネジメント

2.6 availability

disponibilité

disponibilidad

利用可能範囲

2.7 community

communauté

comunidad

コミュニティ

2.8 connection

branchement

conexión

接続

2.9 coverage

couverture

cobertura

普及率

2.10

drinking water

eau potable

agua potable

飲料水

2.11

drinking water system

système  d'alimentation  en

eau potable

sistema de agua potable

飲料水システム

2.12 effectiveness

efficacité

eficacia

有効性

2.13 efficiency

efficience

eficiencia

効率

2.14 environment

environnement

medio

ambiente

環境

2.15 indicator

indicateur

indicador

指標

2.16 infrastructure

infrastructures infraestructura

インフラストラクチャ

2.17

interruption interruption interrupción

断水又はサービスの中

2.18

maintenance maintenance mantenimiento

メンテナンス

2.19

management management gestión

マネジメント

2.20

management system

système de management

sistema de gestión

マネジメントシステム

2.21

on-site system

système autonome

sistema local

オンサイトシステム

2.22 operator

opérateur

operador

オペレータ

2.23

performance performance desempeño

パフォーマンス

2.24

point-of-collection

point de collecte

punto de recolección

収集区分点

2.25

point-of-delivery

point de livraison

punto de suministro

給水区分点

2.26

point-of-discharge

point de rejet

punto de descarga

排水点

2.27

point-of-use

point de consommation

punto de uso

使用点

2.28 price

prix

precio

料金

2.29

procedure procédure procedimiento

手順

2.30 process

processus

proceso

プロセス

2.31 quality

qualité

calidad

品質

2.32

rate of return

taux de retour

tasa de retorno

利益率

2.33

registered user

abonné

cliente registrado

登録ユーザ

2.34

rehabilitation réhabilitation rehabilitación

改築又は更新


31

Q 24511

:2012

表 A.1−英語(アルファベット順)(続き)

Numerical

term

英語

フランス語

スペイン語

日本語

2.35

relevant authority

pouvoirs publics

autoridad competente

関係当局

2.36 reliability

<information>

fiabilité

<informations>

credibilidad

<información>

信頼性(情報における)

2.37 repair

réparation

reparación

修理

2.38 requirement

exigence

requisito

要求事項

2.39 residues

résidus

residuos

発生残留物

2.40

responsible body

organisme responsable

organismo responsable

責任団体

2.41 restriction

restriction restricción

サービスの制限

2.42

service service servicio

サービス

2.43

service agreement

contrat d'abonnement

acuerdo de servicio

サービス契約

2.44

service area

zone de compétence

área de servicio

サービス地域

2.45

stakeholder

partie intéressée

parte interesada

利害関係者

2.46

sustainable development

développement durable

desarrollo sostenible

持続可能な開発

2.47 tariff

tarif

tarifa

料金体系

2.48 user

usager

usuario

ユーザ

2.49

wastewater

eaux usées

agua residual

下水

2.50

wastewater system

système d'assainissement

sistema de agua residual

下水システム

2.51

water utility

service public de l'eau

entidad prestadora de

serviciosde agua

水事業者


32

Q 24511

:2012

附属書 B

(参考)

下水システムの概要

B.1 

下水システムの構成要素 

一般的に下水システムは,次の 3 要素からなる。

−  下水及び下水から除去された発生残留物の収集及び輸送(汚水の発生源を含む)

−  下水及び下水から除去された発生残留物の処理(処理施設など)

−  発生残留物の処分及び再利用

汚水の発生源には,家庭,事業所,工場などが含まれる。発生源からの下水は,管きょ,ポンプ場,ト

ラックなどによって収集する。処理施設には,沈殿池,反応槽,濃縮槽,消化槽,汚泥脱水施設などの処

理施設が含まれる。処理水は,河川,海域などに放流されるが,一部再利用することもある。発生残留物

は埋立処分されるが一部再利用することもある。

B.2 

下水システムの概要 

図 B.1

1)

は,下水システムの概要を示す。

注記  下水システムは下水システムの概要に示されている一つ以上の構成要素からなり,一つでもよ

い(例えば,収集,処分だけ)

1)

参考文献 11)参照。

注記  この規格では,“スラッジ(汚泥)”は,“発生残留物”で表現されている。

図 B.1−下水システムの概要

処理水

公共用水域

WWTP

下水処理場

汚泥

処分/再利用

必要に応じてシステム内に

ポンプ場を設置

汚泥処理

汚泥

処分  再利用

分流式下水道

合流式下水道

家庭排水

降雨

合流式下水道

流域

オンサイト

システム

工場排水

合流管

処理場へ

他流域

他流域

浸透及び

貯留システム

汚泥

遮集管

収集・運搬

貯留施設

汚水管

雨水

処理場

雨水管

貯留施設

貯留施設

処理水

貯留施設

公共用水域

貯留施設


33

Q 24511

:2012

附属書 C 
(参考)

下水事業の目的を達成するために考えられる処置

この附属書は,箇条 で規定するように,目的達成のため一連の関連した活動を分類する。複数の目的

に対して同時に対応することもある。

表 C.1 を参照。

表 C.1−下水事業の目的及び考えられる処置の例

下水事業の目的

考えられる処置の例

公衆衛生の保護(4.2 参照) −  職員及び/又は従業員の労働安全衛生を維持し,確保する。

−  職員及び/又は従業員の技術,技能向上のための訓練を提供し,ユーザのニーズ

を把握しこれに応える。

−  ユーザの苦情に対して迅速かつ的確に対応する。 
−  ユーザが意見を表明できるなどコミュニケーションを図る機会を設ける。

−  地域社会住民の協力を得られるよう,配慮する。 
−  ユーザに分かりやすく,透明性のある情報公開を行う。 
−  河川の流域において責任ある利害関係者として行動する。

−  水プロジェクトの統合水資源マネジメントを促進する。 
−  環境への処理水の還元又は再利用に関して汚濁を抑制する。 
−  公共用水域の水質を保全する。

−  ユーザ啓発を環境マネジメント問題及び特定物質を排出しない観点で行う。 
−  下水システム又は環境に負の影響を及ぼさない(例えば,下水道条例の作成)

−  当該国の法令・基準などを順守し,ユーザの要求も考慮する。

−  合流式下水道の越流水の影響を最小限にする。 
−  分流式下水道からの雨水の汚染物質拡散の抑制に取り組む。 
−  下水収集・処理の発生残留物の処分及び/又は再利用のための良い事例を活用す

る。流入水の水量・水質の変動がある場合でも安定した放流水質を維持する。

−  サービスの品質の向上を新技術の開発及び導入によって図る。 
−  バックアップ施設の保守点検を行い,自然環境に未処理水が越流しないように

し,停電又は下水システムの故障時(例えば,ポンプ設備,処理の設備)でも放
流水基準を守る。

ユーザのニーズ及び期待へ

の対応(4.3 参照)

−  JIS Q 24510 参照

通常及び緊急の状況下での

サービスの提供(4.4 参照)

−  下水管きょの閉塞を監視する。

−  管路網の問題箇所を特定し,対応する(閉塞頻発箇所)

−  予備部品(例えば,管,ポンプなど)の適切な在庫状態を維持する。 
−  災害及び事故時の影響を限定する。

−  関連機関への情報を提供する。 
−  有毒物,危険物及び爆発性物質の漏出並びに流入に対応するためのシステムを

確立する。

−  地震又は自然災害に備える。 
−  洪水調節のための雨水排水システムの運営・保守をする。 
−  天災(地震など)によって想定されるシステムの,損害時の公衆衛生を確保す

る計画を立てる。


34

Q 24511

:2012

表 C.1−下水事業の目的及び考えられる処置の例(続き)

下水事業の目的

考えられる処置の例

下水事業の持続可能性(4.5

参照)

−  下水インフラストラクチャ施設及びサービスの費用回収並びに長期的な持続可

能性を確実にするために,適用可能な財源を確保する。

−  費用対効果を考慮し,システムの長期的機能を確実にする。 
−  法及び/又は条例又は規制にのっとって,資格者を配備する。

−  明確で公平なサービス料金体系の設定を行う。その際,地域経済の状況又は活性

化努力に考慮し,合わせてユーザに対するサービスの料金の受容性についても考
慮する。

−  最新の資産台帳を整備し合わせて,新しい資産ニーズを予測する。 
−  長期の管理予測に従って,健全な財政を維持する。 
−  地域の特徴を考慮して,適切な方法を採用して経営状況を分析する。

−  費用削減の努力を継続する。 
−  ユーザのニーズを把握しこれに応える。 
−  ユーザの苦情に対して迅速かつ的確に対応する。

−  ユーザが意見を表明できるなどコミュニケーションを図る機会を設ける。 
−  健全なシステムを維持するために,システム構成要素の老朽化に対する処置を実

施する。

−  流域において責任ある利害関係者としての行動をとる。 
−  職員及び/又は従業員の労働安全衛生を維持し,確保する。 
−  能力向上のため職員及び/又は従業員への訓練を提供する。

−  ユーザの意見表明のための機会を提供する。 
−  近隣のコミュニティの人々の支持を得るための配慮をする。 
−  新技術の開発及び導入によって,サービスの品質を向上させる。

−  地域行事にボランティアとして参加する。

コミュニティの持続可能な
開発の促進(4.6 参照)

−  持続可能な統合水資源マネジメント政策へ貢献する。 
−  流域において責任ある利害関係者として行動する。

−  水プロジェクトの統合水資源マネジメントを促進する。 
−  処理水再利用を促進する。 
−  下水システムにおけるエネルギー利用の効率化及び省エネルギー化を実行する。

−  下水システムにおける再生可能エネルギーの利用を促進する。 
−  次の制限事項を考慮しながら,ユーザの下水システムへの接続要求に対応させ

る。

−  放流される下水の量及び質 
−  接続に伴い発生するガス,騒音,振動及び悪臭 
−  下水の発生残留物の廃棄及び再利用可能性

−  下水の発生残留物を次のような項目で最大限に利用する。

−  エネルギー資源としての活用 
−  緑地と農地のための肥料としてのリサイクル

−  建設資材としてのリサイクル

−  下水発生残留物の処分及び/又は再利用のための良い事例を活用する。


35

Q 24511

:2012

表 C.1−下水事業の目的及び考えられる処置の例(続き)

下水事業の目的

考えられる処置の例

自然環境の保護

4.7.1 参照) −  水プロジェクトの統合水資源マネジメントを促進する。

−  環境への還元又は再利用される処理水の汚濁を管理し制御する。 
−  公共用水域の水質を保全する。 
−  処理された下水の再利用を促進する。

−  地球環境を考慮した下水システムを運用する。 
−  特定有害物質の影響を含め環境マネジメント問題についてのユーザ教育を行う。
−  下水システム及び環境保護のために下水道条例を制定し施行する。

−  合流式下水道越流水の影響を最小限にする。 
−  分流式下水システムからの雨水の汚染物質拡散の抑制に取り組む。 
−  流入水の水量及び水質の変動にかかわらず,安定した放流水質を維持する。

−  災害及び事故による影響を制限する。

−  関連機関への情報を提供する。 
−  有毒,危険物及び爆発性物質の漏出並びに流入に対応するためのシステムを確

立する。

−  地震及びその他の自然災害に備える。 
−  洪水防止のために雨水システムを運用し維持する。

−  緊急時のサービスの継続性を確保し,公衆衛生を確保する計画を作成する。

−  下水システムのプロセスを監視する。 
−  下水システムへの有害物質の流入を防ぐための監視体制を整備する。

建築物及び地域環境の保護
4.7.2 参照)

−  次の制限事項を考慮しながら,ユーザが,下水システムへの接続要求に対応させ

る。

−  放流される下水の量及び質

−  接続に伴い発生するガス,騒音,振動及び悪臭 
−  下水の発生残留物の廃棄及び再利用能力

−  下水の発生残留物の処分及び/又は再利用のための事例を活用する。

−  安定したサービス及び活動のための事後保全と同様に,系統だった運転及び予防

保全を行う。

−  健全なシステムを維持するための延命化を図る手順の適用

−  管きょに起因する地盤陥没の防止

−  流入水の水質及び水量の変動に関わりなく,安定した最終的な放流を維持する。
−  災害及び事故による影響を限定する。

−  関連機関への情報の提供 
−  有毒,危険物又は爆発性物質の漏出及び流入に対応するためのシステムを確立

する。

−  地震又は自然災害に備える。 
−  洪水調節のための雨水排水システムを運営・保守する。 
−  緊急時のサービスの継続性を確保し,公衆衛生を確保する計画を開発する。

−  (商業排水及び工業排水)について,法令・条例・規則などを順守するよう情報

提供及び啓発を実施する。

−  下水システムへの有害物質の流入に対する監視体制を整備する。

−  バックアップの保守点検によって,環境中に未処理水が越流の流出を停電又は下

水システムの構成要素(例えば,ポンプ,処理設備など)の故障時でもこれを防
ぐ。

−  下水システムにおける漏水及び浸入水を最小化する。

注記  一つの活動に対し,一つ以上の目的を適用できる。


36

Q 24511

:2012

附属書 D 
(参考)

下水事業のマネジメントに関連して考えられる処置(箇条 5 参照)

下水事業のマネジメント要素に関連し,

表 C.1 で示した考えられる活動を,表 D.1 に示す。

表 D.1−マネジメント要素及び考えられる処置の例

下水システムの

マネジメント要素

考えられる処置の例

活動及びプロセス
マネジメント

−  団体の目的を確立する。 
−  団体の戦略を確立する。 
−  中長期的計画を開発し,実践する。

−  規定の必要条件を確認し,法を順守する。 
−  プロセス間の調整を確実に行う。 
−  運営手順を確立する。

資源マネジメント
−人的資源

−  職員及び/又は従業員の健康及び安全を確保し,維持する。 
−  技術面の遂行性及び熟練度を考慮した,適切な人員を雇用する。 
−  職員及び/又は従業員が,規則及び/又は条例又は規制に従うことを確実にする。

−  職員及び/又は従業員の技術,技能向上のための訓練を提供する。 
−  規則及び/又は条例又は規制に従って,有能な人物を任命する。 
−  顧客に誠意をもって行動するよう,職員及び/又は従業員を指導する。

資源マネジメント
−費用及び便益

−  ユーザに対するサービスの裁量性を考慮して,地域経済の状況及び活性化努力に対して

も,説明が図られた,明確で公正なサービス料金体系を整備する。

−  下水処理のコスト回収並びに長期間のサービス及び施設の持続を確実にするために,適用

可能な収入源を増やす。

−  費用対効果を考慮し,システムの長期的機能を確実にする。

−  長期の管理予測に従って,健全な財政を維持する。 
−  地域の特徴を考慮して,適切な方法を採用し,経営状況を分析する。 
−  費用対効果に関する手段を実践する。

アセットマネジメ
ント

−  最新の資産台帳を維持する(技術上及び財政上)

−  資産の主な種類のパフォーマンス目標を設定する。

−  資産状態の評価計画表を設定する。 
−  故障及び修理を記録する。 
−  資産投資及びメンテナンス費を記録する。

−  新しい資産のニーズ及びそれにかかる費用を予測する。

登録ユーザ関係の

マネジメント

−  顧客のニーズを明確にしこれを満たす。

−  ユーザからの苦情に対し,迅速かつ的確に対応する。 
−  ユーザが意見表明できるよう,コミュニケーションを図る機会を設ける。 
−  地域社会の協力を得られるよう,下水施設の周辺地域に配慮する。

−  下水施設を利用したイベントを行う。 
−  地域行事にボランティアとして参加する。 
−  ユーザに分かりやすく,透明性のある情報公開を行う。

情報マネジメント

−  マネジメント及びサービス評価に関連した必要なデータ及びデータの体系を明確にする。
−  データ収集に関する計画表(プロトコル)を設定する。 
−  データ更新に関する計画表(プロトコル)を確立する。

−  情報の集約を確実に行う。


37

Q 24511

:2012

表 D.1−マネジメント要素及び考えられる処置の例(続き)

下水システムの

マネジメント要素

考えられる処置の例

環境マネジメント

−  持続可能な統合水資源マネジメント政策に貢献する。 
−  河川の流域において責任ある利害関係者として行動する。 
−  水プロジェクトの統合水資源マネジメントを促進する。

−  環境へ還元される処理水の管理及び汚濁を抑制する。 
−  公共用水域の水質を保全する。 
−  飲料用水源を保全する下水処理水及び発生残留物の再利用を促進する。

−  地球規模の環境を考慮した下水システムを運用する。 
−  環境マネジメント問題及び特定物質を排出しないよう,ユーザを教育する。 
−  下水システムにおけるエネルギー効率を最適化し,エネルギー消費を最小化する。

−  下水システムにおける再生可能エネルギー利用の最適化をする。 
−  当該国の法令,基準などを順守し,ユーザの要求を考慮する。 
−  ユーザの下水システムへの接続要求に応じる。

−  合流式下水道におけるせきからの越流の影響を最小限にする。 
−  分流式下水システムからの雨水の汚染物質拡散の抑制に取り組む。 
−  下水の発生残留物利用を最大化する。

−  エネルギー資源としての活用 
−  緑地と農地のための肥料としてのリサイクル 
−  建設資材としてのリサイクル

−  下水収集・処理の発生残留物の処分及び/又は再利用のための良い事例を活用する。

リスクマネジメン

−  リスク分析を実施する。 
−  標準処理手順を作成する。

−  計画化された予防保守プログラムを提供し,実行する。 
−  物資及び重要な機材の備蓄を維持する。 
−  防災及び緊急対応計画を作成し,訓練する。


38

Q 24511

:2012

附属書 E

(参考)

下水事業におけるサービス評価基準の例

E.1 

下水事業の目的に関連するサービス評価基準の例 

箇条 の下水の目的を受け,適用できるサービス評価基準の例を示す。目的及び適用できるサービス評

価基準の要約は,

表 E.1 を参照。

a)

公衆衛生の保護  下水事業の目的の一つは,下水及び発生残留物の安全な収集,輸送,処理,処分及

び再利用を確実に行うことによって,人の健康及び安全を守ることである(4.2 参照)

考えられる評価基準は,次の事項である。

−  ユーザに対しての適切な普及率

−  人の健康及び安全

−  システム保全

−  安全な下水の放流

b)

ユーザのニーズ及び期待への対応  下水事業の目的の一つは,サービス活動がユーザのニーズ及び期

待を確実に満たすことである(4.3 参照)

考えられる評価基準の手引に関する事項は,JIS Q 24510 を参照。

c)

通常及び緊急の状況下でのサービスの提供  下水事業の目的の一つは,通常時において下水サービス

(収集,輸送,処理,処分及び再利用)を継続的に確保することである。下水サービスの中断が発生

した場合,その目的はできるだけ速くサービスを復旧することである(4.4 参照)

考えられる評価基準は,次の事項である。

−  下水処理場の稼動の連続性

−  下水システムへの妨害物の最小化

−  緊急時対応計画の作成

−  予備部品(例えば,下水管きょ,ポンプなど)の在庫管理

d)

下水事業の持続可能性  下水事業の目的の一つは,現在及び将来のニーズに応じるために経済的及び

社会的制約を考慮しながら,サービスが適切であるように,維持し,発展することを確実に行うこと

である(4.5 参照)

考えられる評価基準は,次の事項である。

−  下水管きょの機能(下水管崩壊又は妨害物などの発生抑制)

−  資産状態(老朽化,信頼性など)

−  運転経費

−  職員及び/又は従業員のレベル及び能力

−  財政状況

−  料金

−  徴収

−  負債

−  料金の受容性

e)

コミュニティの持続可能な開発の促進  下水事業の目的の一つは,水及びエネルギーの効率的な利用,


39

Q 24511

:2012

保有及び再利用並びに汚染されていない水及び汚染物質の分離の促進によって,持続可能な開発を促

進することである(4.6 参照)

考えられる評価基準は,次の事項である。

−  処理水の再利用

−  持続可能なエネルギー利用(蓄電及び再利用)

−  コスト回収及び長期的なサービスの持続性

−  明確かつ公平な料金体系

−  ユーザ及び顧客に分かりやすく,かつ透明性のある情報

f)

環境保護

1)

自然環境の保護

下水事業の目的の一つは,自然環境の保護のために下水の安全な収集,処理及び処分を確実にす

ることである(4.7.1 参照)

考えられる評価基準は,次の事項である。

−  越流水の防止及び抑制

−  環境への排出の監視

−  エネルギーの持続可能な使用

−  生態系の保存(植物相及び動物相)

2)

建築物及び地域環境の保護

下水事業の目的の一つは,建築物及び地域環境の保護のために下水の安全な収集,処理及び処分

を確実にすることである(4.7.2 参照)

考えられる評価基準は,次の事項である。

−  浸水の影響

−  汚濁の防止及び制御

−  資産の維持

−  快適さの価値(レクリエーションのための価値)


40

Q 24511

:2012

表 E.1−下水事業の目的及び考えられるサービス評価基準の例

目的

評価基準

公衆衛生の

保護

下水事業の

持続可能性

自然環境

の保護

建築物及び地

域環境の保護

ユーザに対する適切な普及率

人の健康及び安全

水理学的能力及び構造に対する適合性,汚染

予防と管理,職員及び/又は従業員の安全,
関係する第三者機関に配慮した積極的なメ
ンテナンス(O&M)計画

浸水による影響

越流の防止及び抑制

環境への排出物(例えば,放流水の量及び質,
その他の発生残留物,臭気,騒音,振動など

排出物の量及び質など)の監視

持続可能なエネルギー利用の(蓄電及び再利

用)

(処理水の再利用)による有効的な水サイク

発生残留物の活用

ユーザ/顧客/利害関係者に分かりやすく,
透明性のある情報

ユーザ及び顧客の苦情及び意見に対する適
切な対応

下水プロジェクトにサポートを得るための
コミュニティの人々の雇用

コスト回収及び長期的なサービスの持続性

明確かつ公平な料金体系

(利害関係者の参加及び料金の受容性を含
む)社会的側面

(保護計画の実施を基本とした保全対策を
含む)環境的側面

E.2 

下水システムの構成要素に関連するサービス評価基準の例 

E.2.1 

一般 

下水事業の主な活動に関するものを,次に示す。

−  下水の収集及び輸送

−  下水の処理

−  放流水及び発生残留物の処分及び再利用

E.2.2 

収集及び輸送に関する下水サービス評価基準の例 

−  普及率(エリア内の供給人口)

−  水理学的能力

−  堆積

−  浸水

−  越流

−  物理的状態


41

Q 24511

:2012

−  水密性(例えば,浸入水,漏水など)

−  腐食

−  構造上の保全

−  システムのメンテナンス

−  職員及び/又は従業員の安全

−  点検(誤接を含む)

−  流入コントロール(発生源,量及び質を含む)

−  (システムの清掃による)発生残留物処分

−  発生残留物の再利用

−  職員及び/又は従業員のレベル

−  不快物の抑制(例えば,臭気,ハエ,げっ歯動物の抑制など)

−  予防保全

−  改築(修繕,改良及び取替)

−  資産保全

−  将来必要となる事項への適合(例えば,拡張,法的要件など)

−  応対時間(例えば,要請から腐敗槽の汚泥収集までの時間など)

−  監視

−  放流に対しての許可証及び下水道条例(下水道及び環境への放流管理)

−  流量及び質の監視

−  費用

E.2.3 

処理に関する下水サービス評価基準の例 

−  普及率(エリア内の下水処理場による供給人口)

−  流入下水量

−  流入下水の水質,濃度及び汚濁物

−  処理能力

−  水理学的能力

−  汚濁物質除去能力

−  発生残留物処理能力

−  物理的状態

−  構造の整合性

−  設備の状態

−  設備余裕度

−  メンテナンス

−  処理効果及び効率

−  (近隣住宅への影響を含む)環境影響

−  資源消費(例えば,電力,燃料,薬品など)

−  バイオガスの利用

−  職員及び/又は従業員の力量

−  予防的なメンテナンス

−  更新(修繕,改良及び取替)


42

Q 24511

:2012

−  資産保全

−  将来必要となる事項の充足(例えば,拡張,法的要件など)

−  監視

−  処理工程の監視(すなわち,個々の処理プロセスの流量及びパフォーマンス)

−  放流への許可証及び下水道条例

−  機器の点検

E.2.4 

放流水の発生残留物の処分及び再利用に関する下水サービス評価基準の例 

(放流が許可されている)

処理施設からの放流水及び発生残留物に関連した評価基準の例を,次に示す。

−  放流水の排水又は再利用の量及び質

−  特定の放流先水域又は場所への放流水量及び質

−  下水の発生残留物の処分又は再利用量及び質的状態

−  放流水及び発生残留物処分又は再利用の環境への影響[例えば,臭気,ほこり(粉じん)

,騒音など]


43

Q 24511

:2012

参考文献

1)  JIS Q 9000:2006

  品質マネジメントシステム−基本及び用語

注記  ISO 9000:2005,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary(IDT)

2)  JIS Q 9001

  品質マネジメントシステム−要求事項

注記  ISO 9001,Quality management systems−Requirements(IDT)

3)  JIS Q 10002

  品質マネジメント−顧客満足−組織における苦情対応のための指針

注記  ISO 10002,Quality management−Customer satisfaction−Guidelines for complaints handling in

organizations

(IDT)

4)  JIS Q 14001:2004

  環境マネジメントシステム−要求事項及び利用の手引

注記  ISO 14001:2004,Environmental management systems−Requirements with guidance for use(IDT)

5)  JIS Q 14031:2000

  環境マネジメント−環境パフォーマンス評価−指針

注記  ISO 14031:1999,Environmental management−Environmental performance evaluation−Guidelines

(IDT)

6)  JIS Q 24510

  飲料水及び下水事業に関する活動−サービスの評価及び改善に関する指針

注記  ISO 24510,Activities relating to drinking water and wastewater services−Guidelines for the

assessment and for the improvement of the services to users

(MOD)

7)  JIS Q 24512

  飲料水及び下水事業に関する活動−飲料水事業のマネジメントに関する指針

注記  ISO 24512,Activities relating to drinking water and wastewater services−Guidelines for the

management of drinking water utilities and for the assessment of drinking water services

(MOD)

8)  JIS Z 8402-1:1999

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 1 部:一般的な原理及び定義

注記  ISO 5725-1:1994,Accuracy (trueness and precision) of measurement methods and results−Part 1:

General principles and definitions

(IDT)

9)  Guide to the expression of uncertainty in measurement (GUM), BIPM, IEC, IFCC, ISO, IUPAC, IUPAP, OIML,

1993, corrected and reprinted in 1995

10)  OECD works on “Core sets of indicators for environmental performance reviews”, OCDE/GD (93) 179 Paris

1993

11)  IWA Performance Indicators for Wastewater Services; Manual of Best Practice Services (MBP), ISBN

1900222906, 174 p.; MATOS, M. R.; ASHLEY, R.; CARDOSO, M. A.; DUARTE, P.; MOLINARI, A.;

SHULZ, A; London; 2003;

12)  EN 752-1:1995

,Drain and sewer systems outside buildings−Part 1: Generalities and definitions

13)  EN 752-2:1996

,Drain and sewer systems outside buildings−Part 2: Performance requirements

14)  EN 752-3:1996

,Drain and sewer systems outside buildings−Part 3: Planning

15)  EN 752-4:1997

,Drain and sewer systems outside buildings−Part 4: Hydraulic design and environmental

considerations

16)  EN 752-5:1997

,Drain and sewer systems outside buildings−Part 5: Rehabilitation

17)  EN 752-6:1998

,Drain and sewer systems outside buildings−Part 6: Pumping installations

18)  EN 752-7:1998

,Drain and sewer systems outside buildings−Part 7: Maintenance and operations

19)  NF P 15-900-1

,Local public services−Guidelines for service activities relating to drinking water supply and


44

Q 24511

:2012

sewerage

−Part 1: User services, AFNOR, Paris, 2000

20)  NF P 15-900-2

,Local public services−Guidelines for drinking water supply and sewerage service activities−

Part 2: Management of a sewerage network, AFNOR, Paris, 2001

21)  NF P 15-900-3

,Local public services−Guidelines for service activities relating to drinking water supply and

sewerage

−Part 3: Management of a wastewater treatment system, AFNOR, Paris, 2001

22)  DWA-M 801

,Integriertes Qualitäts- und Umweltmanagementsystem für Betreiber von Abwasseranlagen

23)  DWA-M 1000

,Anforderungen an die Qualifikation und die Organisation von Betreibern von Abwasseranlagen

24)  Japanese national guideline: Guideline for Improving O&M of Wastewater Systems, JSWA No. 472, May 2003

25)  Dutch guideline “Leidraad Riolering”, Netherlands

26)  OfWat, Confidence Grading Scheme, Office of Water Services, Return Reporting Requirements and Definitions

Manual, UK, 2001

27)  Dutch National Code of Practise NPR 3220: Sewer management

28)  Dutch Standard NEN 3398: Investigation and assessment of sewers

29)  Austrian guideline OEWAV/AB 29: Public relations for wastewater treatment plants, Vienna/AT, 2004

30)  Austrian guideline OEWAV/AB 9: Indicators for the evaluation and assessment of wastewater treatment plants,

Vienna/AT, 2000

31)  AWWA, Benchmarking Performance Indicators for Water and Wastewater Utilities: Survey Data and Analysis

Report, American Water Works Association Denver, CO, 2005


45

Q 24511

:2012

附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS Q 24511:2012

  飲料水及び下水事業に関する活動−下水事業のマネ

ジメントに関する指針

ISO 24511:2007

  Activities relating to drinking water and wastewater services−Guidelines for the

management of wastewater utilities and for the assessment of wastewater services 

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及びそ
の内容

箇条番号 
及び題名

内容

(II) 
国際

規格
番号

箇条
番号

内容

箇条ごと
の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際 規格との 技
術的差異の理由及び今後の

対策

2

用語及び

定義

2

JIS

とほぼ同じ。

削除

この規格では,対応国際規格の 2.8(confidence

grade

)及び 2.38[reliability (asset, process)]が引用

されていないため削除。実質的な差異はない。

我が国の水道事業者の特別
な実情であるため,国際提
案などの予定はなし。

変更

この規格の 2.25(給水区分点)及び 2.33(登録ユ
ーザ)は,実情に合わせて対応国際規格から変更

しているが,実質的な差異はない。

2.42

(サービス)の定義については,対応国際規格

の定義は不備であるため,国際規格の見直しの際,

改正提案を行う。

追加 2.37(修理)については,なお書きで補足説明を追

加したが,実質的な差異はない。

3

下水シス

テムの構成
要素

3

JIS

とほぼ同じ。

削除 3.3.2(処理)では,下水の収集及び運搬の集中型

システム構成に含まれ得るものが記述されている
が,国内事情を考慮して,一部を削除した。

3.4.1

(収集及び輸送)では,し尿又は下水を収集

するためのオンサイト設備に含むものが記述され
ているが,国内事情を考慮して,一部を削除した。

3.4.2

(処理)では,オンサイト処理システムの要

素を記述しているが,国内事情を考慮して,削除
した。

45

Q

 24

51
1


20
1

2


46

Q 24511

:2012

(I)JIS の規定

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価及びそ
の内容

箇条番号

及び題名

内容

(II) 
国際
規格

番号

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

(V)JIS と国際 規格との 技
術的差異の理由及び今後の
対策

8

業務指標

8

JIS

とほぼ同じ。

削除 8.2.2(業務指標)では,業務指標の追加情報及び

等級システムを示した附属書 E 及び附属書 F を引
用しているが,我が国では業務指標がガイドライ
ン化され既に運用されているため,適宜文言など

を削除した。

8.3

(情報の品質)において,対応国際規格では附

属書 F を引用しているが,我が国では業務指標が

ガイドライン化され既に運用されているため,適
宜文言などを削除した。

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 24511:2007,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

−  削除 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

−  追加 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−  変更 国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

−  MOD  国際規格を修正している。

46

Q

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1


2

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