>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 用語及び定義  2 

3 プロジェクトマネジメントの概念  3 

3.1 一般  3 

3.2 プロジェクト  4 

3.3 プロジェクトマネジメント  5 

3.4 組織の戦略及びプロジェクト  5 

3.5 プロジェクトの環境  6 

3.6 プロジェクトガバナンス  7 

3.7 プロジェクト及び定常業務  7 

3.8 ステークホルダ及びプロジェクト組織 7 

3.9 プロジェクト要員のコンピテンシ 8 

3.10 プロジェクトライフサイクル  9 

3.11 プロジェクトの制約  9 

3.12 プロジェクトマネジメントの概念及びプロセスの関係  9 

4 プロジェクトマネジメントのプロセス  10 

4.1 プロジェクトマネジメントのプロセスの適用  10 

4.2 プロセス群及び対象群  11 

4.3 プロセス  16 

附属書A(参考)対象群に対応付けられるプロセス群のプロセス 35 

 

 


 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人プロジェクトマネジメント学会

(SPM)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべき

との申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

Q 21500:2018 

 

(ISO 21500:2012) 

プロジェクトマネジメントの手引 

Guidance on project management 

 

序文 

この規格は,2012年に第1版として発行されたISO 21500を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。 

 

この規格は,プロジェクトの実施に重要で,かつ,影響を及ぼすプロジェクトマネジメントの概念及び

プロセスに関する包括的な手引を提供する。 

この規格が対象とする利用者は,次の者を想定している: 

− 上級管理者及びプロジェクトスポンサ:プロジェクトマネジメントの原則及び実務の理解を深めて,

プロジェクトマネージャ,プロジェクトマネジメントチーム及びプロジェクトチームへの適切な支援

及び指導を行いやすくする。 

− プロジェクトマネージャ,プロジェクトマネジメントチーム及びプロジェクトチームの構成員:自ら

のプロジェクト標準及び実施標準をほかのプロジェクト標準及び実施標準と比較するための共通の基

盤をもてるようにする。 

− 国家又は組織の規格の作成者:ほかのプロジェクトマネジメント規格と中核レベルで一貫性のあるプ

ロジェクトマネジメント規格の作成に使用する。 

 

適用範囲 

この規格は,公共,民間又は地域の組織を含むあらゆる種類の組織が,複雑さ,規模又は期間に関係な

く,あらゆる種類のプロジェクトに使用するプロジェクトマネジメントの手引を示す。 

この規格は,プロジェクトマネジメントにおける適切な実践のための概念及びプロセスについて,上位

の手引を提供する。プロジェクトは,プログラム及びプロジェクトポートフォリオの文脈の中で考えられ

るものであるが,この規格は,プログラム及びプロジェクトポートフォリオのマネジメントに関する詳細

な手引は提供しない。一般的なマネジメントに関する題目は,プロジェクトマネジメントの文脈に限り扱

う。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 21500:2012,Guidance on project management(IDT) 

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ

とを示す。 

 


Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

2.1 

活動(activity) 

プロジェクトを完遂するために取り組むことが必要な,特定されたスケジュール内の作業の構成要素。 

2.2 

適用分野(application area) 

製品,顧客又は部門に関して一般的に共通点をもつプロジェクトの類別。 

2.3 

ベースライン(baseline) 

監視され,管理されるプロジェクト・パフォーマンスと照らして比較するための参照基準。 

2.4 

変更要求(change request) 

プロジェクトに対して変更の提案を定義する文書。 

2.5 

構成管理(configuration management) 

文書,仕様及び物理的属性を管理し,関連付け,維持するための手順を適用すること。 

2.6 

管理(control) 

実際のパフォーマンスと計画したパフォーマンスとを比較し,不一致を分析して,必要に応じて適切な

是正及び予防処置をとること。 

2.7 

是正処置(corrective action) 

作業パフォーマンスを計画に合致させるように,当該作業を修正する指示及び活動。 

2.8 

クリティカルパス(critical path) 

プロジェクト又はフェーズにとっての最速完了日を決定する一連の活動。 

2.9 

ラグ(lag) 

活動の開始又は終了を遅らせる論理的関係に適用される属性。 

2.10 

リード(lead) 

活動の開始又は終了を早める論理的関係に適用される属性。 

2.11 

予防処置(preventive action) 

計画及びパフォーマンスの潜在的な逸脱を回避又は低減するように作業を修正するための指示及び活動。 

2.12 

プロジェクトライフサイクル(project life cycle) 

プロジェクトの開始から終了までが定義されたフェーズの集合。 


Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

2.13 

リスク登録簿(risk register) 

特定されたリスクの記録。それには,分析の結果及び計画された対応を含む。 

2.14 

ステークホルダ(stakeholder) 

プロジェクトのあらゆる側面に対して,利害関係をもつか,影響を及ぼすことができるか,影響を受け

得るか又は影響を受けると認知している人,群又は組織。 

2.15 

テンダー(tender) 

通常は,募集又は要請に応じて,製品,サービス又は結果を提供するための応札又は入札の文書。 

2.16 

ワークブレークダウンストラクチャ(WBS)辞書(work breakdown structure dictionary) 

WBSの各構成要素について規定した文書。 

 

プロジェクトマネジメントの概念 

3.1 

一般 

この箇条では,大半のプロジェクトに適用される主要概念について規定する。さらにプロジェクトを遂

行する環境について規定する。 

図1に,プロジェクトマネジメントの概念が互いにどのように関係し合うかを示す。組織の戦略は,機

会を特定する。機会は,評価し,文書化することが望ましい。選択した機会は,ビジネスケース又はその

他の類似文書として更に展開し,成果物を提供する一つかそれ以上のプロジェクトになることができる。

これらの成果物は,便益の現実化に使用することができる。便益は,組織の戦略の現実化と更なる展開へ

のインプットにすることができる。 

 


Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

 

 

図の説明 
● 

四角の枠は,以下の箇条で記載するプロジェクトマネジメントの概念を表す。 

● 

矢印は,概念が関係付けられる論理的流れを示す。 

● 

破線は,組織の境界を表す。 

 

図1−プロジェクトマネジメントの諸概念及びそれらの関係の概観 

 

3.2 

プロジェクト 

プロジェクトは,プロジェクトの目標を達成するために遂行する,開始日と終了日とをもち,調整し,

かつ,管理する活動で構成するプロセスの独自性のある集合である。プロジェクトの目標の達成には,既

定の要求事項に適合する成果物の提示を必要とする。プロジェクトは,3.11に規定するように多様な制約

を受けることがある。 

プロジェクトの多くは類似していることもあるが,それぞれのプロジェクトには独自性がある。次のこ

とでプロジェクトに相違性が生じることがある。 

− 提供する成果物 

− 影響を及ぼすステークホルダ 

− 使用する資源 

− 制約 

− 成果物を提供するために修整されたプロセスの方式 

全てのプロジェクトには明確な開始と終了があり,3.10に規定するように,通常は複数のフェーズに分

けられている。プロジェクトは,4.3.1に規定するように開始し,終了する。 


Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

3.3 

プロジェクトマネジメント 

プロジェクトマネジメントとは,方法,ツール,技法及びコンピテンシを,あるプロジェクトに適用す

ることである。プロジェクトマネジメントには,3.10に規定するようなプロジェクトライフサイクルの様々

なフェーズの統合を含んでいる。 

プロジェクトマネジメントは,複数のプロセスを通じて遂行する。プロジェクトを遂行するために選択

したプロセスは,全体的な視点で整合していることが望ましい。プロジェクトライフサイクルの各フェー

ズは,既定の成果物をもつことが望ましい。これらの成果物は,スポンサ,顧客及びその他のステークホ

ルダの要求事項を満たすように,プロジェクト期間を通して定期的にレビューすることが望ましい。 

3.4 

組織の戦略及びプロジェクト 

3.4.1 

組織の戦略 

組織は,一般に使命,ビジョン,方針及び組織の外側の要因に基づいて戦略を確定する。プロジェクト

はしばしば,目的の達成手段となる。価値創成の枠組みの一例を,図2に示す。 

 

 

図2−価値創成の枠組みの例 

 

目的は,機会を特定し,作り出すことを導くことがある。機会の選択には,どのように便益を現実化で

きるか,また,リスクをどのようにマネジメントすることができるかなど,様々な要因の考慮が含まれる。 

プロジェクトの目的は,選択した機会の現実化に寄与する測定可能な便益を提供するものが望ましい。

プロジェクトの目標は,必要な成果物を作成することによって,プロジェクトの目的に対して寄与する。

便益を現実化したとき,プロジェクトの目的が達成される。目的は,目標を達成してから一定期間が経過

するまで,達成されないことがある。 

3.4.2 

機会の評価及びプロジェクトの立ち上げ 

機会の一部又は全てを現実化する便益に変換できそうな実行可能なプロジェクトを特定するために,担

当経営層が情報に基づいて意思決定することを支援する目的で,これらの機会を評価してもよい。 

これらの機会には,例えば,新たな市場需要,現状の組織のニーズ,又は新しい法的要求事項を取り扱

ってもよい。機会は,新規プロジェクトを開始することへの正式な許可を提供する活動の集まりを通じて

しばしば評価される。組織は,プロジェクトの目的及び便益に責任を負うプロジェクトスポンサを特定す

ることが望ましい。 

目的及び便益は,例えばビジネスケースの形で,プロジェクトへの投資の正当性を示してもよいし,全

ての機会の優先順位付けに寄与してもよい。この正当化の目的は,通常,選択したプロジェクトへの投資

に組織のコミットメントと承認を得ることである。 

評価プロセスは,例えば,投資の財務評価技法,戦略的連携,社会的影響,環境的影響などの定性的基

準を含む多様な基準を包含してもよい。基準は,プロジェクトごとに異なることがある。 

3.4.3 

便益の現実化 

便益の現実化は,一般に顧客組織の経営層の責任であり,経営層は,組織の戦略に合致した便益を現実

化するためにプロジェクトの成果物を使用することがある。プロジェクトライフサイクル全体を通じた意


Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

思決定に影響するため,プロジェクトマネージャは,便益及びその現実化を考慮することが望ましい。 

3.5 

プロジェクトの環境 

3.5.1 

一般 

プロジェクトの環境は,プロジェクトパフォーマンス及び成功に影響を与えることがある。プロジェク

トチームは,次の事項を考慮することが望ましい。 

− 社会経済,地理,政治,規制,技術,環境など,組織の外側の要因 

− 戦略,技術,プロジェクトマネジメントの成熟度,資源の利用可能性,組織の文化と組織構造など,

組織の内側の要因 

3.5.2 

組織の外側の要因 

組織の外側の要因は,プロジェクトに制約を課すか,プロジェクトに悪い影響のあるリスクが発生する

ことによって,プロジェクトに影響を及ぼすことがある。しばしば,こうした要因はプロジェクトマネー

ジャの管理の範囲を超えているが,それでも考慮することが望ましい。 

3.5.3 

組織の内側の要因 

3.5.3.1 

一般 

プロジェクトは,通常,ほかの活動を包含しているより大きな組織内に存在する。このようなケースで

は,プロジェクトとその環境,事業計画及び定常業務との間に関係が存在する。プロジェクト前,プロジ

ェクト後の活動には,ビジネスケースの作成,実行可能性調査の実施,定常業務への移行などの活動が含

まれることがある。プロジェクトは,プログラム及びプロジェクトポートフォリオの内部で組織されるこ

とがある。これらの関係を,図3に示す。 

 

 

図3−プロジェクト,プログラム及びプロジェクトポートフォリオ 

 

3.5.3.2 

プロジェクトポートフォリオマネジメント 

プロジェクトポートフォリオは,一般に,プロジェクト,プログラム及びほかの作業の集まりであり,

これらが一体となって目的を満たすための作業の効果的なマネジメントを容易にするものである。プロジ


Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

ェクトポートフォリオマネジメントは,一般に一つ又は複数のプロジェクトポートフォリオの一元的マネ

ジメントであり,これには,既定の目的を達成するためのプロジェクト,プログラム及びほかの作業の特

定,優先順位付け,許可,指揮及び管理が含まれる。機会の特定及び選択は,プロジェクトの承認及びマ

ネジメントと同様に,プロジェクトポートフォリオマネジメントの仕組みを通じて実施することが適切な

場合がある。 

3.5.3.3 

プログラムマネジメント 

プログラムは,一般に目的に整合した関連プロジェクト及びほかの活動の群である。プログラムマネジ

メントは,目的を達成するための一元的かつ調整された活動で構成する。 

3.6 

プロジェクトガバナンス 

ガバナンスは,組織を指揮し,管理する枠組みである。プロジェクトガバナンスは,プロジェクト活動

に明確に関連する組織ガバナンスの分野を含むものであるが,これに限定されない。 

プロジェクトガバナンスは,次のような対象を含むことがある。 

− マネジメント構造の定義 

− 使用する方針,プロセス及び方法論 

− 意思決定の権限の範囲 

− ステークホルダの責任及び説明義務 

− 報告,課題及びリスクの上層管理者への嘆願などの相互作用 

一般に,プロジェクトの適切なガバナンスを維持する責任は,プロジェクトスポンサ又はプロジェクト

運営委員会に対して割り当てられる。 

3.7 

プロジェクト及び定常業務 

プロジェクトマネジメントは,マネジメントの一般的な枠組みの内に収まる。プロジェクトマネジメン

トは,プロジェクトのもつ有期性と独自性によって,ほかのマネジメント分野とは異なる。 

組織は,既定の目的を達成するために作業を遂行する。一般に,この作業は,定常業務又はプロジェク

トのいずれかに類別することができる。定常業務とプロジェクトとの主な違いは,次の点にある。 

− 定常業務は,およそ永続性のあるチームによって,継続的かつ反復的なプロセスを通じて遂行し,組

織の維持に焦点を当てている。 

− プロジェクトは,有期のチームで遂行し,反復的ではなく,独自の成果物を提供する。 

3.8 

ステークホルダ及びプロジェクト組織 

プロジェクト組織を含むプロジェクトのステークホルダは,プロジェクトの成功をもたらすように十分

な詳細さで規定することが望ましい。ステークホルダの役割及び責任は,組織及びプロジェクトの目的に

基づいて定義し,伝達することが望ましい。典型的なプロジェクトのステークホルダを図4に示す。 

ステークホルダのインタフェースは,箇条4に規定するプロジェクトマネジメントのプロセスを通して

プロジェクトの内部でマネジメントされることが望ましい。 

プロジェクトの組織は,プロジェクトの全てのステークホルダに対し,定義し,伝達することが必要な

プロジェクトの役割,責任及び権限のレベル並びに境界をもつ有期の構造である。プロジェクト組織は,

プロジェクトのステークホルダ間に存在する法律,取引,部門間又はほかとの間の取り決めに依存するこ

とがある。 

プロジェクト組織には,次の役割及び責任を含めてもよい。 

a) プロジェクトマネージャは,プロジェクトの活動を指揮し,マネジメントして,プロジェクトの完了

に説明義務を負う。 


Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

b) プロジェクトマネジメントチームは,プロジェクトの活動を指揮し,マネジメントするプロジェクト

マネージャを支援する。 

c) プロジェクトチームは,プロジェクトの活動を遂行する。 

プロジェクトガバナンスには,次のものが関係することがある。 

− プロジェクトスポンサは,プロジェクトを許可し,経営的決定を下し,プロジェクトマネージャの権

限を超える問題及び対立を解決する。 

− プロジェクト運営委員会又は役員会は,プロジェクトに上級レベルでの指導を行うことによってプロ

ジェクトに対して寄与する。 

 

 

図4−プロジェクトのステークホルダ 

 

図4には,次のようなステークホルダも含まれる。 

− 顧客又は顧客の代理人は,プロジェクトの要求事項を明確にすること及びプロジェクト成果物を受け

入れることで,プロジェクトに対して寄与する。 

− 供給者は,プロジェクトに資源を供給することで,プロジェクトに対して寄与する。 

− プロジェクトマネジメントオフィスは,ガバナンス,標準化,プロジェクトマネジメントの教育訓練,

プロジェクトの計画及びプロジェクトの監視を含む多彩な活動を遂行することがある。 

3.9 

プロジェクト要員のコンピテンシ 

プロジェクト要員は,プロジェクトの目標及び目的を達成するために,プロジェクトマネジメントの原

則及びプロセスに関するコンピテンシを開発することが望ましい。 

各プロジェクトチームは,プロジェクト成果物を提供するために,知識及び経験を活用することができ

るコンピテンシをもつ個人を必要とする。プロジェクトチームに対して,利用可能なコンピテンシの程度

及び必要とするコンピテンシのレベルのあらゆる特定された差異はリスクを誘発することがあるので,こ

の特定された差異を取り上げることが望ましい。 

プロジェクトマネジメントのコンピテンシは,次のように類別することができるが,これに限定するも


Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

のではない。 

− この規格で定義するプロジェクトマネジメントの用語,概念及びプロセスを含む構造化された方法で

プロジェクトをやり遂げるための技術面のコンピテンシ 

− プロジェクトの定義した境界の内側における対人関係に関する行動に関するコンピテンシ 

− 組織の内側及び外部環境におけるプロジェクトのマネジメントに関する相互に関連するコンピテンシ 

コンピテンシのレベルは,組織内外での教育訓練,コーチング,メンタリングなど,専門職業能力を開

発するプロセスを通じて高めることができる。 

3.10 プロジェクトライフサイクル 

プロジェクトは,通常,ガバナンス及び管理のニーズによって決定されるフェーズで構成する。これら

のフェーズは,論理的順序に従い,開始及び終了があり,資源を用いて成果物を提供することが望ましい。

プロジェクトライフサイクル全体を通じてプロジェクトを効率的にマネジメントするために,活動の集ま

りが各フェーズで遂行されることが望ましい。プロジェクトフェーズは,一まとめにしてプロジェクトラ

イフサイクルと呼ぶ。 

プロジェクトライフサイクルは,プロジェクトの開始から終了までの期間に及ぶ。フェーズは,組織環

境に従って異なることがある意思決定の時点で分割する。この意思決定の時点は,プロジェクトガバナン

スを容易にする。最終フェーズの終了までに,プロジェクトは全ての成果物を提供していることが望まし

い。 

プロジェクトをライフサイクル全体にわたってマネジメントするために,プロジェクトの全体,又は各

チーム又はサブプロジェクトの個々のフェーズに,プロジェクトマネジメントのプロセスを適用すること

が望ましい。 

3.11 プロジェクトの制約 

制約には幾つかの種類があり,制約はしばしば相互依存の関係にあるので,プロジェクトマネージャは

他の制約に照らして特定の制約の釣合いをとることが重要である。プロジェクト成果物は,プロジェクト

に関する要求事項を満たし,スコープ,品質,スケジュール,資源,コストなど,あらゆる所与の制約に

関連付けることが望ましい。制約は,一般に相互に関係していて,一つの制約の変化が,ほかの一つ又は

複数の制約に影響を及ぼすことがある。したがって,制約はプロジェクトマネジメントのプロセスの意思

決定に影響を与えることがある。 

主要なプロジェクトのステークホルダ間で制約に関する意見の合致の達成は,プロジェクト成功の強力

な基盤を形成することがある。 

制約としては,次のようなものが挙げられる。 

− プロジェクトの期間又は目標期日 

− プロジェクトの予算の利用可能性 

− 人員,施設,機器,材料,インフラストラクチャ,ツール,その他の資源など,プロジェクトの要求

事項に関連するプロジェクト活動の実施に必要なプロジェクトの資源の利用可能性 

− 要員の健康及び安全に関連する要因 

− 受け入れ可能なリスク発現のレベル 

− プロジェクトの潜在的な社会又は環境への影響 

− 法律,規則及びその他の法的要求事項 

3.12 プロジェクトマネジメントの概念及びプロセスの関係 

プロジェクトマネジメントは,3.1〜3.11に規定した概念及びコンピテンシを活用したプロセスを通じて


10 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

達成する。プロセスとは,相互に関連した活動の集まりである。プロジェクトで使用するプロセスは,一

般に次の三つの主な種類に類別する。 

− プロジェクトマネジメントのプロセス:プロジェクトマネジメントに特有のものであり,プロジェク

トのために選択した活動をマネジメントする方法を決定する。 

− 引渡しのプロセス:プロジェクトマネジメントに独自のものではなく,結果として仕様及び特定の製

品,サービス又は結果の提示をもたらすものであり,特定のプロジェクト成果物に応じて変化する。 

− 支援のプロセス:プロジェクトマネジメントに独自のものでなく,ロジスティックス,財務,会計,

安全などの分野で,製品及びプロジェクトマネジメントのプロセスに,関連する有益な支援を提供す

る。 

この規格は,プロジェクトマネジメントのプロセスだけを扱う。しかし,引渡しのプロセス,支援のプ

ロセス及びプロジェクトマネジメントのプロセスは,プロジェクト全体にわたって重複したり,相互作用

を起こすことがあるので注意することが望ましい。 

 

プロジェクトマネジメントのプロセス 

4.1 

プロジェクトマネジメントのプロセスの適用 

この規格は,プロジェクト全体,個々のフェーズ又はこれらの両方を通じて適用することを推奨するプ

ロジェクトマネジメントのプロセスを特定する。これらのプロジェクトマネジメントのプロセスは,全て

の組織のプロジェクトにとって適切なものである。プロジェクトマネジメントは,重要な調整を必要とす

るものであり,したがって,プロジェクトの成功を容易にするためには,適用する各プロセスをほかのプ

ロセスと適切に整合させ,結び付けることが必要である。プロセスによっては,ステークホルダの要求事

項を完全に定義して,これを満たし,また,プロジェクトの目標に関して合意に達するために反復する必

要があることがある。幾つかのプロセスは,ステークホルダの要求事項を完全に定義し,満たし,そして

プロジェクトの目標に関して合意に達するために,繰り返されることがある。 

プロジェクトマネージャには,プロジェクトのほかのステークホルダと連携して,4.3で特定するプロセ

スを慎重に考慮し,プロジェクト及び組織のニーズに適切なプロジェクトマネジメントのプロセスを適用

することが勧められる。 

4.3に規定するプロセスは,全てのプロジェクト又は全てのプロジェクトフェーズに一律に適用する必要

はない。そのため,プロジェクトマネージャは,どのプロセスが適切であるか,また,各プロセスに適用

するとよい厳格さの度合いを決定することによって,各プロジェクト又はプロジェクトフェーズに対する

マネジメントプロセスを修整することが望ましい。この修整は,関連する組織の方針に従って達成するこ

とが望ましい。 

プロジェクトを成功させるために,プロジェクトマネージャ及びプロジェクトチームは,次の処置を達

成することが望ましい。 

− プロジェクトの目標を満たすために必要な,4.3に規定する適切なプロセスを選択する。 

− プロジェクトの目標及び要求事項を満たすための製品の仕様及び計画を作成し,又は適応するために,

定義したアプローチを使用する。 

− プロジェクトスポンサ,顧客及びその他のステークホルダを満足させるように要求事項に従う。 

− プロジェクト成果物を提供するためにプロジェクトリスク及び必要な資源を考慮しながら,その制約

内でプロジェクト・スコープを定義し,マネジメントする。 

− 顧客及びプロジェクトスポンサのコミットメントを含めた,各遂行組織から適切な支援を得る。 


11 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

この規格のプロジェクトマネジメントのプロセスは,それが果たす目的,プロセス間の関係性,プロセ

ス内の相互作用,並びに各プロセスに付随する主要なインプット及びアウトプットによって定義し,規定

する。簡潔にするために,この規格では,主要なインプットの出所及び主要なアウトプットの行き先の全

ては示さない。 

4.2 

プロセス群及び対象群 

4.2.1 

一般 

プロジェクトマネジメントのプロセスは,二つの異なる観点から考察することがある。 

− プロジェクトのマネジメントに関するプロセス群(4.2.2参照) 

− 対象別にプロセスを集めた対象群(4.2.3参照) 

これら二つの異なる群を表1に示す。個々のプロセスについては,4.3に規定する。 

 


12 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

表1−プロセス群及び対象群に関連するプロジェクトマネジメントのプロセス 

対象群 

プロセス群 

立ち上げ 

計画 

実行 

管理 

終結 

統合 

4.3.2 プロジ
ェクト憲章の
作成 

4.3.3 プロジェ
クト全体計画
の作成 

4.3.4 プロジェク
ト作業の指揮 

4.3.5 プロジェク
ト作業の管理 
4.3.6 変更の管理 

4.3.7 プロジェク
トフェーズ又は
プロジェクトの
終結 
4.3.8 得た教訓の
収集 

ステークホルダ 

4.3.9 ステー
クホルダの特
定 

 

4.3.10 ステーク
ホルダのマネジ
メント 

 

 

スコープ 

 

4.3.11 スコープ
の定義 
4.3.12 WBSの
作成 
4.3.13 活動の
定義 

 

4.3.14 スコープ
の管理 

 

資源 

4.3.15 プロジ
ェクトチーム
の編成 

4.3.16 資源の
見積り 
4.3.17 プロジ
ェクト組織の
定義 

4.3.18 プロジェ
クトチームの開
発 

4.3.19 資源の管
理 
4.3.20 プロジェ
クトチームのマ
ネジメント 

 

時間 

 

4.3.21 活動の
順序付け 
4.3.22 活動期
間の見積り 
4.3.23 スケジ
ュールの作成  

 

4.3.24 スケジュ
ールの管理 

 

コスト 

 

4.3.25 コスト
の見積り 
4.3.26 予算の
作成 

 

4.3.27 コストの
管理 

 

リスク 

 

4.3.28 リスク
の特定 
4.3.29 リスク
の評価 

4.3.30 リスクへ
の対応 

4.3.31 リスクの
管理 

 

品質 

 

4.3.32 品質の
計画 

4.3.33 品質保証
の遂行 

4.3.34 品質管理
の遂行 

 

調達 

 

4.3.35 調達の
計画 

4.3.36 供給者の
選定 

4.3.37 調達の運
営管理 

 

コミュニケーション 

 

4.3.38 コミュ
ニケーション
の計画 

4.3.39 情報の配
布 

4.3.40 コミュニ
ケーションのマ
ネジメント 

 

注記 この表の目的は,活動を実施するための時系列を規定するものではなく,対象群とプロセス群とを対応付け

ることである。 

 

4.2.2 

プロセス群 

4.2.2.1 

一般 

各プロセス群は,あらゆるプロジェクトフェーズ又はプロジェクトに適用するプロセスで構成する。こ


13 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

れらのプロセスは相互依存の関係にあり,目的,説明並びに主要なインプット及びアウトプットによって

更に4.3に定義する。プロセス群は,適用分野又は業界の観点に依存しない。 

附属書Aの図は,4.2.3で特定する対象群に対応付けられる各プロセス群において,個々のプロセスの相

互作用を解説している。プロセスの相互作用の全てを附属書Aで説明しているわけではない。ここで説明

した相互作用は,プロセスの論理的視点の一つを表現している。あらゆるプロセスは,反復することがあ

る。 

4.2.2.2 

立ち上げのプロセス群 

立ち上げのプロセスは,プロジェクトフェーズ又はプロジェクトを開始するために使用し,プロジェク

トフェーズ又はプロジェクトの目標を定義し,プロジェクトマネージャがプロジェクト作業を進める許可

を得るために使用する。 

4.2.2.3 

計画のプロセス群 

計画のプロセスは,計画の詳細を作成するために使用される。ここでいう詳細とは,プロジェクトの実

行をマネジメントすること及びプロジェクトパフォーマンスの測定及び管理をすることができるようなベ

ースラインを確定するために十分であることが望ましい。 

4.2.2.4 

実行のプロセス群 

実行のプロセスは,プロジェクトマネジメントの活動を遂行し,プロジェクトの全体計画に従ってプロ

ジェクトの成果物の提示を支援するために使用する。 

4.2.2.5 

管理のプロセス群 

管理のプロセスは,プロジェクトの計画に照らしてプロジェクトパフォーマンスを監視し,測定し,管

理するために使用する。その結果,プロジェクトの目標を達成するために必要なときは,予防及び是正処

置をとり,変更要求を行うことがある。 

4.2.2.6 

終結のプロセス群 

終結のプロセスは,プロジェクトフェーズ又はプロジェクトが完了したことを正式に確定するために使

用し,必要に応じて考慮し,実行するように得た教訓を提供するために使用する。 

4.2.2.7 

プロジェクトマネジメントのプロセス群の相互関係及び相互作用 

プロジェクトのマネジメントは,立ち上げのプロセス群で始まり,終結のプロセス群で終わる。プロセ

ス群の間の相互依存性は,図5に示すようにほかの全てのプロセス群と相互に作用する管理のプロセス群

を必要とする。プロセス群は,個々に又は一度に限って適用することは滅多にない。 

 


14 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

 

図5−プロセス群の相互作用 

 

プロセス群は,通常,各プロジェクトフェーズ内で反復して,プロジェクトを完了へと導く。プロセス

群内の全て又は幾つかのプロセスがプロジェクトフェーズには必要となることがある。図5に示す全ての

相互作用が全てのプロジェクトフェーズ又はプロジェクトに当てはまるわけではない。実際のプロセス群

内のプロセスは,図5に示していないような形で,しばしば同時に発生し,重複し,相互に作用し合う。 

図6は,図5を更に詳細にして,プロセス群内のプロセスの典型的なインプット及びアウトプットを含

めた,プロジェクトの内側のプロセス群間の相互作用を示したものである。管理プロセス群を除き,様々

なプロセス群間の相互作用は,各プロセス群内の個々のプロセスを通じて行われる。図6には,管理プロ

セス群とほかのプロセス群とのつながりを示しているが,管理プロセス群のプロセスは,プロジェクト全

体だけでなく,個々のプロセス群を管理するために使用するため,管理プロセス群は自立したものとみな

してもよい。 

 

 


15 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

 

図6−典型的なインプット及びアウトプットを示すプロセス群の相互作用 

 

4.2.3 

対象群 

4.2.3.1 

一般 

各対象群は,あらゆるプロジェクトフェーズ又はプロジェクトに適用するプロセスで構成する。これら

のプロセスは,4.3に示す目的,説明並びに主要なインプット及びアウトプットによって定義し,相互依存

の関係にある。対象群は,適用分野又は業界の観点に依存しない。 

附属書Aの図は,4.2.2で特定した各プロセス群内の個々のプロセスの相互作用を,対象群に対応付けて

説明したものである。附属書Aは,全ての相互作用を説明するものではない。あらゆるプロセスは反復す

ることがある。 

4.2.3.2 

統合 

統合の対象群には,プロジェクトに関連する様々な活動及びプロセスを特定し,定義し,組み合わせ,

一体化し,調整し,管理し,更に終結するために必要なプロセスを含む。 

4.2.3.3 

ステークホルダ 

ステークホルダの対象群には,プロジェクトスポンサ,顧客及びその他のステークホルダを特定し,マ

ネジメントするために必要なプロセスを含む。 

図の説明 

 

プロジェクトのキー情報 

矢印の併記 

プロセス群間を行き来する情報 

点線 

主なインプット及びアウトプット 

実線 

プロセス群間の相互作用 


16 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

4.2.3.4 

スコープ 

スコープの対象群には,作業及び成果物のうち必要とするものだけを特定し,定義するために必要なプ

ロセスを含む。 

4.2.3.5 

資源 

資源の対象群には,人員,施設,機器,材料,インフラストラクチャ,ツールなど,適切なプロジェク

ト資源を特定し,得るために必要なプロセスを含む。 

4.2.3.6 

時間 

時間の対象群には,プロジェクト活動のスケジュールを立て,進捗状況を監視してスケジュールを管理

するために必要なプロセスを含む。 

4.2.3.7 

コスト 

コストの対象群には,予算を作成し,進捗状況を監視してコストを管理するために必要なプロセスを含

む。 

4.2.3.8 

リスク 

リスクの対象群には,脅威及び機会を特定し,マネジメントするために必要なプロセスを含む。 

4.2.3.9 

品質 

品質の対象群には,品質の保証及び管理を計画し,確定するために必要なプロセスが含まれる。 

4.2.3.10 調達 

調達の対象群には,製品,サービス又は結果を計画し,入手し,供給者との関係をマネジメントするた

めに必要なプロセスを含む。 

4.2.3.11 コミュニケーション 

コミュニケーションの対象群には,プロジェクトに関連する情報の計画,マネジメント及び配布に必要

なプロセスを含む。 

4.3 

プロセス 

4.3.1 

一般 

この箇条では,各プロジェクトマネジメントのプロセスを目的,説明並びに主要なインプット及びアウ

トプットによって規定する。 

注記 表2〜表40には,最も一般的で主要なインプット及びアウトプットだけを示しており,その重

要性及び順序は示していない。 

各プロセスは,そのプロセスのアウトプットを更新するために反復できる。 

プロジェクト関連のプロセスの中には,図6に示すとおり,組織の方針,プログラム,プロジェクトポ

ートフォリオ又はその他の同様な手段によって,プロジェクトの外側で達成されることがある。 

例 実現可能性調査の実施,ビジネスケースの作成,プロジェクト作業を実際に開始する前のプロジ

ェクト選定プロセス,以前のプロジェクトから得た教訓 

これらの種類のプロセスをプロジェクトの内側に含めるか又は含めないかは個々の組織の裁量であるが,

この規格の目的のために,次の前提を設けている。 

− プロジェクトは,遂行組織が新規プロジェクトに権限を与えるために必要なプロセスを完了したとき

に開始する。 

− プロジェクトは,プロジェクト成果物が受け入れられたか又はプロジェクトが中止され,全てのプロ

ジェクト文書の引渡し及び全ての終結活動が完了したときに終結する。 

この規格では,プロセスを明確に定義したインタフェースをもつ独立した要素として表す。実際のプロ


17 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

セスは,この規格で完全には規定できない部分的な重複及び相互作用を起こしている。達成が求められて

いる目標,リスク,規模,期間,プロジェクトチームの経験,資源の利用可能性,履歴情報の量,組織の

プロジェクトマネジメントの成熟度,更に業界及び適用分野の要求事項などの要因要素に応じて,プロジ

ェクトのマネジメントには複数の方法があると認識されている。 

4.3.2 

プロジェクト憲章の作成 

プロジェクト憲章を作成する目的は,次の点にある。 

− プロジェクト又は新規のプロジェクトフェーズを正式に許可する。 

− プロジェクトマネージャを特定し,適切な責任と権限を明確にする。 

− ビジネスニーズ,プロジェクトの目標,期待する成果物及びプロジェクトの経済面を文書化する。 

プロジェクト憲章は,プロジェクトを組織の目的に関連付けるものであり,あらゆる適切な委任事項,

義務,前提及び制約を明らかにすることが望ましい。 

主要なインプット及びアウトプットを表2に示す。 

 

表2−プロジェクト憲章の作成:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− プロジェクト作業規定書 
− 契約 
− ビジネスケース又は以前のフェーズの文書 

− プロジェクト憲章 

 

4.3.3 

プロジェクト全体計画の作成 

プロジェクト全体計画の作成の目的は,次の事項を文書化することである。 

− なぜプロジェクトを実施するのか。 

− 誰が何を提供するのか。 

− どのように提供するのか。 

− コストはどれほどか。 

− どのようにしてプロジェクトを実行し,管理し,終結するのか。 

プロジェクト全体計画は,プロジェクト計画及びプロジェクトマネジメント計画で通常は構成する。こ

れらの計画は,独立した文書でもよいし,一つの文書にまとめてもよいが,プロジェクト全体計画は,ス

コープ,時間,コスト,その他の対象を適宜,統合したものを反映することが望ましい。 

プロジェクトマネジメント計画は,どのようにプロジェクトを実施し,監視し,管理するのかを定義し

た一つ又は複数の文書の集合である。プロジェクトマネジメント計画は,プロジェクト全体に適用しても

よいし,リスクマネジメント計画,品質マネジメント計画などの下位の計画によってプロジェクトの一部

に適用してもよい。典型的には,プロジェクトマネジメント計画は,リスク,課題,変更管理,スケジュ

ール,コスト,コミュニケーション,構成管理,品質,健康,環境,安全並びにその他の対象に関するマ

ネジメントの役割,責任,組織及び手順を必要に応じて定義する。 

プロジェクト計画には,プロジェクトを実施するためのベースライン,例えばスコープ,品質,スケジ

ュール,コスト,資源及びリスクを含む。プロジェクト計画の全ての部分は整合性をもち,完全に統合す

ることが望ましい。プロジェクト計画は,関連する全てのプロジェクト計画のプロセスのアウトプット及

びプロジェクトの実行,管理及び終結に関する全ての適切な作業を定義し,統合し,調整するために必要

な処置を含むことが望ましい。プロジェクト計画の内容は,適用分野及びプロジェクトの複雑さによって


18 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

異なる。 

遂行組織の裁量において,適切なステークホルダと調整した上で,プロジェクト計画は,詳細な文書と

してもよいし,スコープ計画及びスケジュールなど適切な下位の計画を参照する概要レベルの文書にして

もよい。概要レベルのプロジェクト計画を使用する場合は,個々の下位の計画のマネジメント方式を統合

及び調整することを規定することが望ましい。 

プロジェクト期間を通じて,プロジェクト計画は必要に応じて更新し,適切なステークホルダに伝達す

ることが望ましい。ただし,プロジェクト計画は上位の計画として始めてもよい。このプロセスでは,ス

コープ,予算,資源,スケジュール及びその他の項目である当初の配分を,より詳細で緻密に配分した作

業のまとまりになるよう段階的に改訂する。これらの作業のまとまりには,プロジェクトリスクを受け入

れるに足る洞察及び管理のマネジメントに必要なレベルを明記する。 

プロジェクト全体計画の主要なインプット及びアウトプットを表3に示す。 

 

表3−プロジェクト全体計画の作成:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− プロジェクト憲章 
− 補足計画 
− 以前のプロジェクトから得た教訓 
− ビジネスケース 
− 承認された変更 

− プロジェクト計画 
− プロジェクトマネジメント計画 

 

4.3.4 

プロジェクト作業の指揮 

プロジェクト作業の指揮の目的は,承認されたプロジェクト成果物を提供するために,プロジェクト全

体計画に定義した作業の遂行をマネジメントすることである。プロジェクトの作業の指揮は,プロジェク

トスポンサ,プロジェクトマネージャ,プロジェクトマネジメントチーム及びプロジェクトチームの間の

マネジメントのインタフェースであり,プロジェクトチームの遂行作業を次のプロジェクト作業又は最終

プロジェクト成果物に統合することを可能にする。 

プロジェクトマネージャは,計画したプロジェクト活動の遂行を指揮し,及びプロジェクト内の様々な

技術的,運営管理及び組織的インタフェースをマネジメントすることが望ましい。 

成果物は,プロジェクト全体計画に定義したように遂行した統合化プロセスの結果である。成果物の状

況に関する情報は,4.3.39の一部として収集する。 

プロジェクト作業の主要なインプット及びアウトプットを表4に示す。 

 

表4−プロジェクト作業の指揮:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− プロジェクト計画 
− 承認された変更 

− 進捗データ 
− 懸案事項ログ 
− 得た教訓 

 

4.3.5 

プロジェクト作業の管理 

プロジェクト作業の管理の目的は,プロジェクト全体計画に従って,統合的な方法でプロジェクト活動

を完了することである。 


19 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

このプロセスは,プロジェクトを通じて遂行することが望ましく,パフォーマンスを測定すること,プ

ロセス改善に影響することがある測定値及び傾向を評価すること並びにパフォーマンスを改善するために

プロセス変更を引き起こすことを含む。このプロセスの継続的な適用によって,プロジェクトスポンサ,

プロジェクトマネージャ,プロジェクトマネジメントチーム及びプロジェクトチームを含むプロジェクト

のステークホルダに,プロジェクトパフォーマンスの正確な現状の説明を提供する。 

プロジェクト作業の主要なインプット及びアウトプットを表5に示す。 

 

表5−プロジェクト作業の管理:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− プロジェクト計画 
− 進捗データ 
− 品質管理測定値 
− リスク登録簿 
− 懸案事項ログ 

− 変更要求 
− 進捗報告書 
− プロジェクト完了報告書 

 

4.3.6 

変更の管理 

変更の管理の目的は,プロジェクト及び成果物に加えられる変更を管理し,次の実施の前に,これらの

変更の受け入れ又は棄却を公式にすることである。 

プロジェクトを通じて,変更要求を変更登録簿に記録し,その変更による便益,スコープ,資源,時間,

コスト,品質及びリスクの観点から評価し,影響を査定し,実施に先だって承認を得ることが必要である。

変更要求は,影響評価を踏まえて,修正又は撤回してもよい。一度変更を承認された場合,必要なプロジ

ェクトの文書の更新を含めて,実施のために全ての関係するステークホルダにその決定を通知することが

望ましい。成果物への変更は,構成管理のような手順によって管理することが望ましい。 

変更の管理の主要なインプット及びアウトプットを表6に示す。 

 

表6−変更の管理:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− プロジェクト計画 
− 変更要求 

− 承認された変更 
− 変更登録簿 

 

4.3.7 

プロジェクトフェーズ又はプロジェクトの終結 

プロジェクトフェーズ又はプロジェクトの終結の目的は,プロジェクトフェーズ又はプロジェクトを終

結するために,全てのプロジェクトプロセス及び活動の完了を確認することである。 

プロジェクトフェーズ又はプロジェクトの成果物を提供し,特定のプロジェクトマネジメントのプロセ

スが完了したか又は完了前に中止したかの確認をするために,全てのプロセス及び活動の完了を検証する

ことが望ましい。全てのプロジェクトの文書類は,広く理解されている標準に従って収集,保管した上で

全てのプロジェクト要員及び資源を解放することが望ましい。 

顧客がプロジェクト成果物をもはや必要としなくなった場合,又は一部若しくは全ての目標が達成でき

ないことが明らかになった場合には,完了前にプロジェクトを中止する必要が生じることがある。特別な

根拠が存在しない限り,プロジェクトの中止には,顧客に引き渡す成果物がないとしても,プロジェクト

の終結と同じ活動を含むことが望ましい。中止したプロジェクトの全ての文書は,組織の要求事項に従っ


20 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

て収集し,保管することが望ましい。 

プロジェクトフェーズ又はプロジェクトの終結の主要なインプット及びアウトプットを表7に示す。 

 

表7−プロジェクトフェーズ又はプロジェクトの終結:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− 進捗報告書 
− 契約文書 
− プロジェクト完了報告書 

− 完了した調達 
− プロジェクト又はフェーズの終結報告書 
− 解放された資源 

 

4.3.8 

得た教訓の収集 

得た教訓の収集の目的は,現状及び将来のプロジェクトに役立てるために,プロジェクトを評価し,経

験を収集することである。 

プロジェクトを通じて,プロジェクトチーム及び主要なステークホルダは,プロジェクトの技術面,マ

ネジメント面及びプロセス面に関して得た教訓を明確にする。得た教訓は,プロジェクトを通じて収集し,

編さん(纂)し,公式化し,保存し,普及させ,使用することが望ましい。そのため,あるレベルでは,

得た教訓が全てのプロジェクトマネジメントのプロセスからのアウトプットとなることがあり,プロジェ

クト全体計画の更新をもたらすことがある。 

得た教訓の収集の主要なインプット及びアウトプットを表8に示す。 

 

表8−得た教訓の収集:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− プロジェクト計画 
− 進捗報告書 
− 承認された変更 
− 得た教訓 
− 懸案事項ログ 
− リスク登録簿 

− 得た教訓文書 

 

4.3.9 

ステークホルダの特定 

ステークホルダの特定の目的は,プロジェクトに影響されるか,又は影響を及ぼす個人,集団若しくは

組織を明らかにし,その利害及び関係に関連する情報を文書化することである。 

ステークホルダは,プロジェクトに積極的に関係することがあり,プロジェクトの内部又は外部のこと

もあり,その権限レベルは様々である。より詳細な情報については3.8を参照する。 

ステークホルダの特定の主要なインプット及びアウトプットを表9に示す。 

 

表9−ステークホルダの特定:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− プロジェクト憲章 
− プロジェクトの組織図 

− ステークホルダ登録簿 

 

4.3.10 ステークホルダのマネジメント 

ステークホルダのマネジメントの目的は,ステークホルダのニーズ及び期待を適切に理解し,注意を払


21 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

うことである。このプロセスには,ステークホルダの関心事の特定,課題の解決などの活動が含まれる。 

ステークホルダと交渉するときは,駆け引き及び機転が不可欠である。 

プロジェクトマネージャがステークホルダの課題を解決することができないときには,課題の処理をプ

ロジェクト組織におけるより上位の権限者に嘆願するか又は外部の個人の支援を引き出すことが必要なこ

とがある。 

プロジェクトマネージャがステークホルダの貢献をプロジェクトに最大限利用することができるように,

ステークホルダ及びステークホルダがプロジェクトに及ぼす影響を詳細に分析することが望ましい。この

プロセスから,優先順位を付けたステークホルダのマネジメントの計画を作成することがある。 

ステークホルダのマネジメントの主要なインプット及びアウトプットを表10に示す。 

 

表10−ステークホルダのマネジメント:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− ステークホルダ登録簿 
− プロジェクト計画 

− 変更要求 

 

4.3.11 スコープの定義 

スコープの定義の目的は,プロジェクトの最終状態を定義することによって,目標,成果物,要求事項

及び境界を含むプロジェクト・スコープの明確さを達成することである。 

プロジェクト・スコープの定義は,プロジェクトが組織の目的にどのように寄与するかを明らかにする

ことである。プロジェクト・スコープ規定書は,将来のプロジェクトの決定,並びにプロジェクトの重要

性及びプロジェクトを遂行して成功させたときに現実化する便益を伝達するためのベースとして使用する

ことが望ましい。 

スコープの定義の主要なインプット及びアウトプットを表11に示す。 

 

表11−スコープの定義:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− プロジェクト憲章 
− 承認された変更 

− スコープ規定書 
− 要求事項 

 

4.3.12 ワークブレークダウンストラクチャ(WBS)の作成 

WBSの作成の目的は,プロジェクトの目標を達成するために完了する必要のある作業を表すための,階

層的分割の枠組みを提供することである。 

WBSは,プロジェクト作業を,より小さな,管理しやすい細かな作業に分割し,細分化するための枠組

みを提供する。WBSは,例えば,プロジェクトフェーズ,主な成果物,対象及び機能別に体系化すること

ができる。WBSの階層が一段下がるごとに,プロジェクト作業はより詳細に記述する。プロジェクトの成

果物,組織,リスク,コスト計算などを評価項目とする方法論に従って,別の階層構造のブレークダウン

ストラクチャを作成することができる。 

WBSの作成の主要なインプット及びアウトプットを表12に示す。 

 


22 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

表12−WBSの作成:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− プロジェクト計画 
− 要求事項 
− 承認された変更 

− WBS 
− WBS辞書 

 

4.3.13 活動の定義 

活動の定義の目的は,プロジェクトの目標を達成するために,スケジュールに組み入れ,遂行するとよ

い全ての活動を特定し,定義し,文書化することである。 

このプロセスは,WBSの最も低いレベルで始まり,活動と呼ぶより小さな構成要素を用いて作業を特定

し,定義し,文書化して,プロジェクトの計画,実行,管理及び終結の基礎を提供する。 

活動の定義の主要なインプット及びアウトプットを表13に示す。 

 

表13−活動の定義:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− WBS 
− WBS辞書 
− プロジェクト計画 
− 承認された変更 

− 活動リスト 

 

4.3.14 スコープの管理 

スコープの管理の目的は,スコープの変更によって生じるプロジェクトの機会となる影響を最大化し,

脅威となる影響を最小化することである。 

このプロセスでは,現在のプロジェクト・スコープの状況を決定し,全ての不一致を決定するために承

認したスコープのベースラインと現在のスコープの状況との比較を行い,スコープを予測し,及び脅威と

なるスコープの影響を避けるために全ての適切な変更要求を実行することに重点を置くことが望ましい。 

このプロセスは,スコープの変更をもたらす要因に働きかけること及びプロジェクトの目標に関するこ

れらの変更の影響を管理することにも関係する。このプロセスは,全ての変更要求が4.3.6によって確実

に処理できるようにするために使用する。このプロセスは,変更のマネジメントにも使用し,ほかの管理

のプロセスと統合される。管理できない変更は,しばしばプロジェクト・スコープのクリープと呼ばれる。 

スコープの管理の主要なインプット及びアウトプットを表14に示す。 

 

表14−スコープの管理:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− 進捗データ 
− スコープ規定書 
− WBS 
− 活動リスト 

− 変更要求 

 

4.3.15 プロジェクトチームの編成 

プロジェクトチームの編成の目的は,プロジェクトの完遂に必要な人的資源を得ることである。 

プロジェクトマネージャは,いつ,どのようにプロジェクトチームの構成員を得て,いつ,どのように


23 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

メンバをプロジェクトから解放するかを決定することが望ましい。組織内で人的資源が得られないときは,

追加の資源を雇うか,作業を別の組織に委託することを考慮することが望ましい。作業場所,コミットメ

ント,役割及び責任並びに報告及びコミュニケーションの要求事項も確定することが望ましい。 

プロジェクトマネージャは,プロジェクトチームの構成員の選定を全面的に管理してもよいし,又はし

なくてもよいが,選定に関係することが望ましい。プロジェクトチームを編成するとき,プロジェクトマ

ネージャは,できれば,技能及び専門知識,個性の相違,グループダイナミックスなどの要因を考慮する

ことが望ましい。プロジェクトは一般に変化する環境の中で遂行されるため,このプロセスは,プロジェ

クトを通じて継続的に実施するのが通常である。 

プロジェクトチームの編成の主要なインプット及びアウトプットを表15に示す。 

 

表15−プロジェクトチームの編成:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− 資源要求事項 
− プロジェクトの組織図 
− 資源の利用可能性 
− プロジェクト計画 
− 役割規定書 

− スタッフ配置 
− スタッフ契約 

 

4.3.16 資源の見積り 

資源の見積りの目的は,活動リストの活動ごとに必要な資源を決定することである。資源には,人員,

施設,機器,材料,インフラストラクチャ,ツールなどが含まれる。 

資源の属性は,出所,単位,契約の開始及び終了を含めて記録する。 

資源の見積りの主要なインプット及びアウトプットを表16に示す。 

 

表16−資源の見積り:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− 活動リスト 
− プロジェクト計画 
− 承認された変更 

− 資源要求事項 
− 資源計画 

 

4.3.17 プロジェクト組織の定義 

プロジェクト組織の定義の目的は,プロジェクトに関係する全ての当事者から必要な全てのコミットメ

ントを得ることである。プロジェクトに関連する役割,責任及び権限は,プロジェクトの性格及び複雑さ

に従って定義し,遂行組織の既存の方針を考慮することが望ましい。 

プロジェクト組織構造の定義には,プロジェクトチームの全ての構成員,及びプロジェクトの作業に直

接関係するその他の人々の特定が含まれる。 

このプロセスには,プロジェクトの責任及び権限の割当てが含まれる。これらの責任及び権限は,WBS

の適切なレベルで定義してもよい。これらの定義には,承認した作業の遂行,進捗のマネジメント及び資

源配分の責任が通常は含まれる。 

プロジェクト組織の定義の主要なインプット及びアウトプットを表17に示す。 

 


24 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

表17−プロジェクト組織の定義:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− プロジェクト計画 
− WBS 
− 資源要求事項 
− ステークホルダ登録簿 
− 承認された変更 

− 役割規定書 
− プロジェクトの組織図 

 

4.3.18 プロジェクトチームの開発 

プロジェクトチームの開発の目的は,継続的にプロジェクトチーム構成員のパフォーマンス及び相互関

係を改善することである。このプロセスは,チームの意欲及びパフォーマンスを高めるものであることが

望ましい。 

このプロセスは,プロジェクトチームのコンピテンシに依存する(4.3.15も参照)。受け入れることがで

きる行動の基本原則は,誤解及び対立を最小限にとどめるために,プロジェクトの早い時期に確定するこ

とが望ましい。 

プロジェクトチームの開発の主要なインプット及びアウトプットを表18に示す。 

 

表18−プロジェクトチームの開発:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− スタッフ配置 
− 資源の利用可能性 
− 資源計画 
− 役割規定書 

− チームのパフォーマンス 
− チーム評価 

 

4.3.19 資源の管理 

資源の管理の目的は,プロジェクトの要求事項を満たすように資源をプロジェクト作業の実施に必要な

資源を確保し,必要な方法で配分することである。 

資源の利用可能性の矛盾は,機器の故障,天候,労働不安,技術的問題など,不可避の環境に起因して

発生することがある。このような環境では,現状又は次の活動のための資源の要求事項が変わることによ

って活動の再スケジューリングを要求することがある。このような不足を特定し,資源の再配分を容易に

する手順を確定しておくことが望ましい。 

資源の管理の主要なインプット及びアウトプットを表19に示す。 

 

表19−資源の管理:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− プロジェクト計画 
− スタッフ配置 
− 資源の利用可能性 
− 進捗データ 
− 資源要求事項 

− 変更要求 
− 是正処置 

 

4.3.20 プロジェクトチームのマネジメント 

プロジェクトチームのマネジメントの目的は,チームのパフォーマンスを最大限に引き上げ,フィード


25 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

バックを提供し,課題を解決し,コミュニケーションを促し,変更を調整して,プロジェクトの成功を達

成することである。 

プロジェクトチームのマネジメントの結果,資源の要求事項を改訂することがある。組織要員のパフォ

ーマンス評価及びプロジェクトの教訓の獲得のために,課題を提起し,入力を提供することが望ましい。 

プロジェクトチームのマネジメントの主要なインプット及びアウトプットを表20に示す。 

 

表20−プロジェクトチームのマネジメント:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− プロジェクト計画 
− プロジェクトの組織図 
− 役割規定書 
− 進捗データ 

− スタッフのパフォーマンス 
− スタッフ評価 
− 変更要求 
− 是正処置 

 

4.3.21 活動の順序付け 

活動の順序付けの目的は,プロジェクト活動間の論理的な関係を特定し,文書化することである。 

プロジェクト内の全ての活動は,クリティカルパスを決定することもできるように,ネットワーク図を

提供するために関係を伴っていることが望ましい。活動は,現実的かつ達成可能なプロジェクトのスケジ

ュールの作成を支援するために,先行作業との適正な依存関係及び適切なリード,ラグ,制約,相互依存

関係並びに外部との依存関係をもって論理的に順序付けすることが望ましい。 

活動の順序付けの主要なインプット及びアウトプットを表21に示す。 

 

表21−活動の順序付け:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− 活動リスト 
− 承認された変更 

− 活動順序 

 

4.3.22 活動期間の見積り 

活動期間の見積りの目的は,プロジェクトの各活動を完了するために必要な時間を見積もることである。 

活動期間は,利用できる資源の量と種類及び活動間との関係,能力,日程計画,学習曲線及び運営管理

の手続きなど対象の関数である。運営管理の手続きは,承認サイクルに影響を及ぼすことがある。将来の

活動は,時間経過に従ってより詳細化された情報が得られることで,より細分化された作業によって構成

されることがある。期間は,時間の制約と資源の利用可能性との間のトレードオフになることが最も頻繁

に起きる。ベースラインに照らして更新した予測に基づく定期的な再見積りも,このプロセスの構成要素

の一つである。 

活動期間の見積りは,活動のスケジュールを立て,クリティカルパスを特定したときに,再考する必要

があることがある。クリティカルパスによって,プロジェクトの完了期日が要求される完了期日よりも遅

れることを明らかにした場合は,クリティカルパス上の活動を部分的に修正することが必要となることが

ある。 

活動期間の見積りの主要なインプット及びアウトプットを表22に示す。 

 


26 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

表22−活動期間の見積り:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− 活動リスト 
− 資源要求事項 
− 履歴データ 
− 工業標準 
− 承認された変更 

− 活動所用期間見積り 

 

4.3.23 スケジュールの作成 

スケジュールの作成の目的は,プロジェクトの活動の開始時間及び終了時間を算定し,プロジェクト全

体のスケジュールのベースラインを確定することである。 

期間,マイルストーン及びネットワークを表現するための相互依存関係を特定する論理的な順序の中で

活動をスケジュールする。 

活動のレベルは,プロジェクトライフサイクルを通じたマネジメントの管理に十分に分解された状態を

提供している。スケジュールは,事前に定められた達成の客観的尺度に照らして,時間を基準とした実際

の進捗を評価する手段を提供する。 

スケジュールは,活動ごとのレベルで確定し,活動ごとのレベルは資源の割当て及び時間計画の作成の

基礎を提供する。スケジュールの作成は,作業の進捗に応じて,プロジェクト計画の変更に応じて,予期

するリスク事象の発生又は消失に応じて,及び新しいリスクの特定に応じて,プロジェクトを通じて継続

することが望ましい。進捗度を追跡することがあるベースラインとして使える承認を得ることができるプ

ロジェクトスケジュールを作成するために,期間及び資源の見積りは,必要ならばレビューし,改訂され

ることが望ましい。 

スケジュールの作成の主要なインプット及びアウトプットを表23に示す。 

 

表23−スケジュールの作成:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− 活動順序 
− 活動所用期間見積り 
− スケジュールの制約 
− リスク登録簿 
− 承認された変更 

− スケジュール 

 

4.3.24 スケジュールの管理 

スケジュールの管理の目的は,スケジュールの差異を監視して,適切な処置をとることである。 

好ましくないスケジュールの影響を回避するために,このプロセスは,プロジェクトのスケジュールの

現状の判定に焦点をおき,それを承認した基準計画のスケジュールと比較して差異の有無を判定し,完了

期日を予測し,適切な処置を講じることが望ましい。基準計画のスケジュールの全ての変更は,4.3.6に従

ってマネジメントすることが望ましい。 

完了のスケジュールの予測は,過去の傾向及び現状の知識に基づいて定期的に作成し,更新することが

望ましい。 

スケジュールの管理の主要なインプット及びアウトプットを表24に示す。 

 


27 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

表24−スケジュールの管理:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− スケジュール 
− 進捗データ 
− プロジェクト計画 

− 変更要求 
− 是正処置 

 

4.3.25 コストの見積り 

コストの見積りの目的は,各プロジェクトの活動の完了及びプロジェクト全体の完了に必要なコストの

概算値を得ることである。 

コストの見積りは,労働時間,稼働時間,貨幣価値などの測定単位によって表すことができる。通貨に

よって表すとき及び実施が長期間に及ぶときは,金銭の時間的価値を考慮した要素を使用することが望ま

しい。プロジェクトに多数の反復的で,連続する活動が含まれているときは,学習曲線を使用してもよい。

複数の通貨で行われるプロジェクトは,プロジェクト計画のコスト計算に使用する為替レートを特定する

ことが望ましい。 

引当金又は予備費の見積もりは,リスク又は不確実性に対処するために使用し,プロジェクトコストの

見積りに追加して,明確に特定しておくことが望ましい。 

コストの見積りの主要なインプット及びアウトプットを表25に示す。 

 

表25−コストの見積り:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− WBS 
− 活動リスト 
− プロジェクト計画 
− 承認された変更 

− コストの見積り 

 

4.3.26 予算の作成 

予算の作成の目的は,プロジェクトの予算をWBSの該当する適切なレベルに配分することである。 

予定した作業セグメントへの予算を割り当てると,それに照らして実際のパフォーマンスが比較可能と

なる時間計画が提供される。確定した作業のスコープに直結した現実的な予算の維持は,プロジェクトの

作業の遂行に責任をもつ各組織にとって不可欠である。予算は,通常,プロジェクトの見積りを導き出す

ときと同様の方法で配布する。プロジェクトコストの見積り及び予算編成は,緊密に関連している。コス

トの見積りがプロジェクトの総コストを決定するのに対し,予算編成は,どこでいつコストを使うかを特

定するものであり,それらによってパフォーマンスをマネジメントできるようにする手段が確定される。 

コストパフォーマンスの客観的尺度は,予算編成プロセスで確定することが望ましい。コストパフォー

マンスの評価に先立って客観的な尺度を設定しておけば,説明責任が高められ,偏った見方が避けられる。 

マネジメントの管理,又は特定したリスクに対応する目的で,活動又はその他の作業スコープに割り当

てられない引当金又は予備費項目を作成してもよい。このような項目及び関連付けたリスクは,明確に特

定することが望ましい。 

予算の作成の主要なインプット及びアウトプットを表26に示す。 

 


28 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

表26−予算の作成:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− WBS 
− コストの見積り 
− スケジュール 
− プロジェクト計画 
− 承認された変更 

− 予算 

 

4.3.27 コストの管理 

コストの管理の目的は,コストの差異を監視して,適切な処置をとることである。 

好ましくないコストの影響を回避するために,このプロセスは,現在のプロジェクトのコストの現状の

判定に焦点をおき,それを承認された基準計画のコストと比較して差異の有無を判定し,完了期日の計画

コストを予測し,適当な予防又は是正処置を実施することが望ましい。基準計画のコストの全ての変更は,

4.3.6に従ってマネジメントすることが望ましい。 

ひとたび作業を開始した後は,予算原価,実際原価及び完成時見積原価を含むパフォーマンスデータを

累積する。コストパフォーマンスを評価するためには,予定した活動の進捗度並びに現状及び将来の活動

の予測完了期日などのスケジュールデータを累積する必要がある。差異は,不十分な計画,予期せぬスコ

ープの変更,技術的問題,機器の故障又は納入者側の問題といった外的要因から起きることがある。原因

にかかわらず,是正処置は,コストベースラインの変更又は短期復旧計画の作成のいずれかを要求してい

る。 

コストの管理の主要なインプット及びアウトプットを表27に示す。 

 

表27−コストの管理:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− 進捗データ 
− プロジェクト計画 
− 予算 

− 実コスト 
− 予想コスト 
− 変更要求 
− 是正処置 

 

4.3.28 リスクの特定 

リスクの特定の目的は,発生した場合にプロジェクトの目標にプラス又はマイナスの影響を与えること

がある潜在的リスク事象及びその特性を決定することである。 

リスクの特定は,反復的なプロセスである,なぜならば,プロジェクトのライフサイクルを通じた進捗

に従って新たなリスクを認識したり,リスクが変化したりすることがある。プロジェクトにマイナスの影

響を及ぼすおそれのあるリスクを“脅威”と呼び,プロジェクトにプラスの影響を及ぼす可能性のあるリ

スクを“機会”と呼ぶ。特定した全てのリスクは,4.3.30に従って扱うことが望ましい。 

このプロセスには,一般に,プロジェクト顧客,プロジェクトスポンサ,プロジェクトマネージャ,プ

ロジェクトマネジメントチーム,プロジェクトチーム,上級管理者,使用者,リスクマネジメントの専門

家,プロジェクト運営委員会のほかの構成員,対象分野の専門家など,多様な参加者が関係することが望

ましい。 

リスクの特定の主要なインプット及びアウトプットを表28に示す。 


29 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

表28−リスクの特定:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− プロジェクト計画 

− リスク登録簿 

 

4.3.29 リスクの評価 

リスクの評価の目的は,その後の処置のためにリスクを測定して,その優先順位を定めることである。 

このプロセスは,各リスクの発生確率及びそのリスクが発生した場合にプロジェクトの目標に及ぼす結

果の推定を含む。リスクは,期間,主要なステークホルダのリスク許容度などほかの要因を考慮した評価

に従って優先順位を定める。 

リスクアセスメントは,4.3.31の記載に従った反復的なプロセスである。リスクの特定の傾向は,何ら

かのリスクマネジメントの処置の必要性を示すことができる。 

リスクの評価の主要なインプット及びアウトプットを表29に示す。 

 

表29−リスクの評価:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− リスク登録簿 
− プロジェクト計画 

− 優先順位付けされたリスク 

 

4.3.30 リスクへの対応 

リスクへの対応の目的は,プロジェクトの目標への機会を高めて脅威を軽減するために,選択肢を作成

して対策を決定することである。 

このプロセスは,予算及びスケジュールに資源と活動とを投入することによってリスクを扱う。リスク

対応は,そのリスクにとって適切であり,費用対効果が高く,タイムリで,プロジェクトの文脈から考え

て現実的であり,関係する全ての当事者に理解され,そして適切な人員に割り当てられることが望ましい。 

リスク対応には,リスクの回避,軽減,転嫁又はリスクが発現したときに使用するコンティンジェンシ

計画の作成が含まれる。 

注記 コンティンジェンシ計画は,リスク対応計画の一部で,予期せぬ事態に備えるための緊急時対

応計画。 

リスクへの対応の主要なインプット及びアウトプットを表30に示す。 

 

表30−リスクへの対応:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− リスク登録簿 
− プロジェクト計画 

− リスク応答 
− 変更要求 

 

4.3.31 リスクの管理 

リスクの管理の目的は,リスクへの対応を実行するかどうか及びそれが期待する効果を上げられるかど

うかを明らかにし,プロジェクトの混乱を最小限にすることである。 

これは,特定したリスクの追跡,新たなリスクの特定及び分析,コンティンジェンシ計画の発動条件の

監視及びリスク対応の有効性を評価しながらのリスク対応の進捗をレビューすることによって達成する。 


30 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

プロジェクトリスクは,プロジェクトライフサイクルを通じて定期的に,新たなリスクが出現したとき

又はマイルストーンに到達したときに評価することが望ましい。 

リスクの管理の主要なインプット及びアウトプットを表31に示す。 

 

表31−リスクの管理:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− リスク登録簿 
− 進捗データ 
− プロジェクト計画 
− リスク応答 

− 変更要求 
− 是正処置 

 

4.3.32 品質の計画 

品質の計画の目的は,プロジェクトの目標に基づいて,プロジェクトに適用する品質の要求事項及び規

格,プロジェクトの成果物並びにその要求事項及び規格を満たす方法を決定することである。 

このプロセスは,次の事項を含む: 

− 目標及び関連する規格を達成するように,プロジェクトスポンサ及びその他のステークホルダと決定

し,合意する。 

− 関連する規格を達成するために必要なツール,手順,技法及び資源を確定する。 

− 計画した体系的品質活動を実施するための方法論,技法及び資源を決定する。 

− プロジェクト全体のスケジュールに沿った予定表の中で,レビューの種類,責任及び参画者を含めた

品質計画を作成する。 

− 全ての品質情報を品質計画にまとめる。 

プロジェクトの有期性及び時間的制約のために,大部分のプロジェクトは品質の規格を作成する能力を

もっていない。品質の規格及び製品品質のパラメータの作成並びに組織的な受け入れは,プロジェクトの

境界の外側であってもよい。このような受け入れは,通常は遂行組織の責任であり,品質の計画のプロセ

スへのインプットとなる。品質計画は,上級管理者が確定した品質方針を参照するか又はそれを含めるこ

とが望ましい。 

品質の計画の主要なインプット及びアウトプットを表32に示す。 

 

表32−品質の計画:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− プロジェクト計画 
− 品質要求事項 
− 品質方針 
− 承認された変更 

− 品質計画 

 

4.3.33 品質保証の遂行 

品質保証の遂行の目的は,成果物及びプロジェクトをレビューすることである。品質保証の遂行は,品

質要求事項を満たすために必要な全てのプロセス,ツール,手順,技法及び資源を含む。 

このプロセスは,次の事項を含む。 

− 達成する目標及び関連する規格が,適切なプロジェクト組織の構成員によって伝達され,理解され,


31 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

受け入れられ,遵守されることを確実にする。 

− プロジェクトの進捗に伴って品質の計画を実行する。 

− 確定したツール,手順,技法及び資源を使用することを確実にする。 

品質保証は,適用するパフォーマンスの要求事項及び規格に適合できるようにする。 

品質保証の監査は,プロジェクトの境界の外側で,遂行組織の別の機関が遂行してもよいし,顧客が遂

行してもよい。監査は,品質プロセス及び品質管理の遂行,並びに推奨する処置又は変更要求の必要性を

確認する。 

品質保証の遂行の主要なインプット及びアウトプットを表33に示す。 

 

表33−品質保証の遂行:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− 品質計画 

− 変更要求 

 

4.3.34 品質管理の遂行 

品質管理の遂行の目的は,確定したプロジェクトの目標,品質要求事項及び規格を満たしそうかどうか

を明らかにし,不満足なパフォーマンスの原因及びそれを取り除くための方法を特定することである。 

このプロセスは,プロジェクトライフサイクル全体を通して適用することが望ましく,次の事項を含む。 

− 成果物及びプロセスの品質を満たしそうなことを監視し,確定済みのツール,手順及び技法を用いて

欠陥を発見する。 

− 欠陥の考えられる原因を分析する。 

− 予防処置及び変更要求を決定する。 

− 適切なプロジェクト組織の構成員に,是正処置及び変更要求を伝達する。 

品質管理は,プロジェクトの境界の外側で,遂行組織の別の機関が遂行してもよいし,顧客が遂行して

もよい。品質管理によって,プロセスのパフォーマンス又は製品品質が不十分である原因を特定できるこ

とがあり,パフォーマンスの不適合を排除する必要があるときには,推奨する処置又は変更要求をもたら

すことがある。 

品質管理の遂行の主要なインプット及びアウトプットを表34に示す。 

 

表34−品質管理の遂行:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− 進捗データ 
− 成果物 
− 品質計画 

− 品質管理測定値 
− 検証した成果物 
− 検査報告書 
− 変更要求 
− 是正処置 

 

4.3.35 調達の計画 

調達の計画の目的は,調達を開始する前に,調達の戦略及びプロセス全体を適切に計画し,文書化する

ことである。 

このプロセスは,調達の意思決定を容易にし,調達方法を規定し,調達仕様書及び要求事項を作成する

ために使用する。 


32 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

調達の計画の主要なインプット及びアウトプットを表35に示す。 

 

表35−調達の計画:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− プロジェクト計画 
− 組織内の処理能力及び力量 
− 既存の契約 
− 資源要求事項 
− リスク登録簿 

− 調達計画 
− 推奨供給者リスト 
− 内製又は購買を決定するリスト 

 

4.3.36 供給者の選定 

供給者の選定の目的は,次の点にある。 

− 明記した要求事項に照らして提案に対する首尾一貫した評価を行えるように,供給者から情報を入手

することを確実にする。 

− 提出された全ての情報をレビューし,審査する。 

− 供給者を選定する。 

情報提供,提案,入札,応札又は見積りに関する依頼は,それぞれの目的が異なるが,既定の種類の依

頼への回答で得られる情報が顧客のニーズを満たし,適用される法律上及び規制上の要求事項に適合する

ように,曖昧でないことが望ましい。依頼には,目的及び提出期限とともに,提供される文書のスコープ,

体裁,品質,数量などの詳細な説明を含むことが望ましい。提案を求められたときは,選定する供給者と

して,提出する文書で十分な情報を提供することが望ましい。 

各供給者の応札の評価は,選択した評価基準に従って実施することが望ましい。評価基準に従って,最

も適切かつ有益な応札とみなせるものを最終的に選択することが望ましい。優先権をもつ供給者の選定か

ら最終契約条件を合意するまでに,交渉の期間をもってもよい。 

供給者の選定の主要なインプット及びアウトプットを表36に示す。 

 

表36−供給者の選定:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− 調達計画 
− 推奨供給者リスト 
− 供給者による応札の文書 
− 内製又は購買を決定するリスト 

− 情報提供,提案,入札,応札又は見積りに関する依

頼書 

− 契約書又は注文書 
− 選定された供給者リスト 

 

4.3.37 調達の運営管理 

調達の運営管理の目的は,購入者と供給者との関係をマネジメントすることである。 

このプロセスには,供給者のパフォーマンスの監視及びレビュー,定例進捗報告書の受理,並びに契約

の種類,品質,遂行状況,適時性及び安全性を含む,プロジェクトの全ての要求事項との適合性を促進す

るための適切な処置の実施が含まれる。 

このプロセスは,契約文書の発行で始まり,契約の終了で終わる。 

調達の運営管理の主要なインプット及びアウトプットを表37に示す。 

 


33 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

表37−調達の運営管理:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− 契約書又は注文書 
− プロジェクト計画 
− 承認された変更 
− 検査報告書 

− 変更要求 
− 是正処置 

 

4.3.38 コミュニケーションの計画 

コミュニケーションの計画の目的は,プロジェクトのステークホルダの情報及びコミュニケーションの

ニーズを決定することである。 

プロジェクトは,プロジェクトの情報を伝達する必要性があるが,情報のニーズ及び配布の方法は多様

である。プロジェクト成功の要因には,ステークホルダの情報のニーズ及び全ての法令要求に従った情報

のニーズを特定すること並びにそのニーズを満たすための適切な手段の明確化を含んでいる。 

地理的に分散した要員,多様な文化などの要因,及び組織的要因は,コミュニケーション要求事項に重

要な影響を及ぼすことがある。詳細については3.5.1を参照する。 

このプロセスは,プロジェクトの計画の早い時期に始め,ステークホルダの特定及び分析に続いて,定

期的にレビューし,必要に応じて改訂し,プロジェクトを通じて継続的な有効性を確保することが望まし

い。コミュニケーションの計画は,情報に関する要求事項を定め,そして適正なステークホルダによって

これをプロジェクトを通じて容易に入手できるようにすることが望ましい。 

コミュニケーションの計画の主要なインプット及びアウトプットを表38に示す。 

 

表38−コミュニケーションの計画:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− プロジェクト計画 
− ステークホルダ登録簿 
− 役割規定書 
− 承認された変更 

− コミュニケーション計画 

 

4.3.39 情報の配布 

情報の配布の目的は,コミュニケーションの計画で定めたようにプロジェクトのステークホルダに対し

要求した情報を利用可能にすること及び情報に対する予期せぬ具体的な要求に対応することである。 

組織の方針,手順及びその他の情報は,このプロセスの結果として訂正され,追記され,更新されるこ

とがある。 

情報の配布の主要なインプット及びアウトプットを表39に示す。 

 

表39−情報の配布:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− コミュニケーション計画 
− 進捗報告書 
− 予定外の要求 

− 配布情報 

 


34 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

4.3.40 コミュニケーションのマネジメント 

コミュニケーションのマネジメントの目的は,プロジェクトのステークホルダのコミュニケーションの

ニーズを確実に満足し,コミュニケーションの課題が発生したときにそれを解決することである。 

プロジェクトの成否は,様々なプロジェクトチームの構成員とステークホルダが互いにどれほどうまく

意思疎通を行うかに依存していることがある。このプロセスは,次の点に重点を置くことが望ましい。 

− 円滑なコミュニケーションを通じて,様々なステークホルダ間の理解と協力を深める。 

− タイムリで,正確で,偏りのない情報を提供する。 

− 未知又は未解決のステークホルダの課題又は誤解によって,プロジェクトが悪影響を受けるリスクを

最小化するようにコミュニケーションの課題を解決する。 

コミュニケーションのマネジメントの主要なインプット及びアウトプットを表40に示す。 

 

表40−コミュニケーションのマネジメント:主要なインプット及びアウトプット 

主要なインプット 

主要なアウトプット 

− コミュニケーション計画 
− 配布情報 

− 正確でタイムリな情報 
− 是正処置 

 


35 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

附属書A 

(参考) 

対象群に対応付けられるプロセス群のプロセス 

 

図A.1〜図A.5は,4.2.3で明らかとなった対象群に対応付けられる,4.2.2で明らかとなった各プロセス

群内の個々のプロセスの相互作用を説明したものである。プロセスの相互作用を全て説明しているわけで

はなく,ここに説明する相互作用はプロセスの論理的視点の一つを表している。 

矢印は,プロセスの論理的な順序の一つを示している。どのプロセスが必要か,どの順番にするかは,

組織,プロジェクトマネージャ,プロジェクトマネジメントチーム又はプロジェクトチームが決める。あ

らゆるプロセスは,反復することがある。 

 

 


36 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

 

 

図A.1−立ち上げプロセス群のプロセス 

 

5

 

Q

 2

1

5

0

0

2

0

1

8

 (I

S

O

 2

1

5

0

0

2

0

1

2

 

 

 


37 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

 

 

図A.2−計画プロセス群のプロセス 

 

5

 

Q

 2

1

5

0

0

2

0

1

8

 (I

S

O

 2

1

5

0

0

2

0

1

2

 

 

 


38 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

 

 

図A.3−実行プロセス群のプロセス 

 

5

 

Q

 2

1

5

0

0

2

0

1

8

 (I

S

O

 2

1

5

0

0

2

0

1

2

 

 

 


39 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

 

 

図A.4−管理プロセス群のプロセス 

 

5

 

Q

 2

1

5

0

0

2

0

1

8

 (I

S

O

 2

1

5

0

0

2

0

1

2

 

 

 


40 

Q 21500:2018 (ISO 21500:2012) 

 

 

 

図A.5−終結プロセス群のプロセス 

 

5

 

Q

 2

1

5

0

0

2

0

1

8

 (I

S

O

 2

1

5

0

0

2

0

1

2