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Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

2

2

  引用規格

3

3

  用語及び定義

3

4

  原則

7

4.1

  一般

7

4.2

  公平性

7

4.3

  力量

7

4.4

  事実に基づいた意思決定

7

4.5

  透明性

8

4.6

  機密保持

8

5

  一般要求事項

8

5.1

  法的地位

8

5.2

  法的及び契約上の事項

8

5.3

  ガバナンス及び経営層のコミットメント

8

5.4

  公平性

8

5.5

  債務及び財務

10

6

  力量

10

6.1

  経営層及び要員

10

6.2

  要員の力量

10

6.3

  要員の配置

11

6.4

  契約下にある妥当性確認を行う者又は検証を行う者の起用

12

6.5

  要員の記録

13

6.6

  外部委託

13

7

  通知及び記録

13

7.1

  依頼者又は責任当事者に提供する情報

13

7.2

  依頼者又は責任当事者への責任の通知

13

7.3

  機密保持

13

7.4

  公にアクセス可能な情報

14

7.5

  記録

14

8

  妥当性確認又は検証プロセス

14

8.1

  一般

14

8.2

  事前準備

15

8.3

  アプローチ

15

8.4

  妥当性確認又は検証

15


Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)  目次

(2)

ページ

8.5

  妥当性確認又は検証の声明書のレビュー及び発行

16

8.6

  記録

16

8.7

  妥当性確認又は検証の声明書の発行後に検出された事実

16

9

  異議申立て

16

10

  苦情

17

11

  特別妥当性確認又は検証

17

12

  マネジメントシステム

17

附属書 A(参考)この規格と JIS Q 14064-1JIS Q 14064-3 との関係

18

附属書 B(参考)公平性

19

附属書 C(参考)この規格と JIS Q 14064-3 における妥当性確認又は検証プロセスの要求事項との比較·

23

附属書 D(参考)マネジメントシステムの文書の例

24

参考文献

25


Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)  目次

(4)

白      紙


日本工業規格

JIS

 Q

14065

:2011

(ISO 14065

:2007

)

温室効果ガス−認定又は他の承認形式で使用するた
めの温室効果ガスに関する妥当性確認及び検証を行

う機関に対する要求事項

Greenhouse gases - Requirements for greenhouse gas validation and

verification bodies for use in accreditation or other forms of recognition

序文

この規格は,2007 年に第 1 版として発行された ISO 14065 を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

注記”に記載した情報は,関連する要求事項を理解するための,又は明確にするための手引である。

気候変動は,各国,政府,企業及び一般市民が,今後数十年間に直面する最大の課題の一つとされてい

る。気候変動は,人為的システムと自然システムとの双方に影響し,資源の利用,生産及び経済活動に重

大な変化を生じさせるおそれがある。これを受け,大気中の温室効果ガス(以下,GHG という。

)の濃度

を安定化させるため,国際,地域,国内及び地方のレベルでの取組が策定され,かつ,実施されている。

このような GHG 対策には,GHG の排出量及び/又は吸収量の定量化,モニタリング,報告及び検証が不

可欠である。

GHG

の妥当性確認又は検証活動の全体的な狙いは,GHG に関する主張を必要とする全ての当事者に信

頼を与えることである。GHG に関する主張を提示する当事者は,関連する規格又は GHG プログラムの要

求事項に適合する責任をもつ。妥当性確認又は検証機関は,責任当事者による GHG に関する主張に対し,

証拠に基づき,客観的な評価を完了し,妥当性確認又は検証の声明書を提供する責任をもつ。この規格は,

JIS Q 14064-3

又は他の関連する規格若しくは仕様を用いて,GHG の妥当性確認又は検証を行う機関に対

する要求事項を規定する。また,この規格は,これらの機関が実証できることが望ましい多くの原則を含

み,かつ,これらの原則を反映した特定の要求事項を規定している。一般要求事項は,法的及び契約上の

取決め,責任,公平性のマネジメント,並びに債務及び財務の問題などに関するものである。固有の要求

事項は,体制,資源に対する要求事項及び力量,情報及び記録の管理,妥当性確認及び検証プロセス,異

議申立て,苦情,並びにマネジメントシステムに関する規定を含む。

この規格は,GHG プログラムの運用者,規制当局及び認定機関が,妥当性確認及び検証機関の力量を審

査し,承認するための基礎を規定する。この規格は,妥当性確認機関のグループ内若しくは検証機関のグ

ループ内,又は双方のグループ間での同等性評価のような他の方法でも使用することができる。

この規格の適用と JIS Q 14064-1JIS Q 14064-3(以下,JIS Q 14064 規格群という。

)との関係を,

図 1

及び

附属書 に示す。


2

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

図 1−この規格を JIS Q 14064 規格群とともに利用するための枠組み

1

適用範囲

この規格は,温室効果ガス(GHG)に関する主張の妥当性確認又は検証を行う機関に対する原則及び要

求事項について規定する。

この規格は,いかなる GHG プログラムに対しても中立的である。何らかの GHG プログラムを適用する

場合,該当する GHG プログラムの要求事項は,この規格の要求事項に追加して適用する。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 14065:2007

,Greenhouse gases−Requirements for greenhouse gas validation and verification

bodies for use in accreditation or other forms of recognition

(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

プログラム別

 
 

意図した利用者

のニーズに

沿った

保証水準

該当する GHG

プログラム又は

意図した利用者

の要求事項

例えば,JIS Q 14065 

妥当性確認又は検証を行う

機関に対する要求事項

JIS Q 14064-3 

検証プロセス                  妥当性確認プロセス及び検証プロセス

JIS Q 14064-1 

組織の GHG インベントリの

設計及び開発

JIS Q 14064-2 

GHG

プロジェクトの

設計及び実施

GHG

インベントリの

文書化及び報告

GHG

プロジェクトの

文書化及び報告

プログラム別

GHG

に関する主張 

妥当性確認及び/

又は検証

GHG

に関する主張 

検証


3

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Q 14064-3

  温室効果ガス−第 3 部:温室効果ガスに関する主張の妥当性確認及び検証のための仕

様並びに手引

注記  対応国際規格:ISO 14064-3:2006,Greenhouse gases−Part 3:Specification with guidance for the

validation and verification of greenhouse gas assertions (IDT)

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。

3.1

温室効果ガスに関する用語

3.1.1

温室効果ガス,GHG(greenhouse gas)

自然起源か人為起源かを問わず,大気を構成する気体で,地球の表面,大気及び雲によって放射される

赤外線スペクトルのうち,特定波長の放射線を吸収及び放出するもの。

注記 GHG には,二酸化炭素(CO

2

,メタン(CH

4

,亜酸化窒素(N

2

O

,ハイドロフルオロカーボ

ン(HFCs)

,パーフルオロカーボン(PFCs)及び六ふっ化硫黄(SF

6

)が含まれる。

JIS Q 14064-3 の  2.1 参照]

3.1.2

温室効果ガス(GHG)に関する主張(greenhouse gas assertion)

責任当事者(3.2.5)が行う宣言又は事実に基づく客観的な声明書。

注記 1 GHG に関する主張は,ある時点に対して提示してもよいし,ある期間に対して提示してもよ

い。

注記 2  責任当事者が提示する GHG に関する主張は,明確に識別が可能で,かつ,妥当性確認を行

う者又は検証を行う者が適切な基準に照らして一貫した評価又は測定を行えるものであるこ

とが望ましい。

注記 3 GHG に関する主張は,GHG 報告書又は GHG プロジェクトの計画書の形で提示することがで

きる。

注記 4  用語の定義は,JIS Q 14064-3 の 2.11 から引用。

3.1.3

温室効果ガス(GHG)コンサルティングサービス(greenhouse gas consultancy services)

組織固有又はプロジェクト固有の,GHG の定量化,GHG のデータのモニタリング若しくは記録,GHG

情報システム若しくは内部監査サービス,又は GHG に関する主張を支援する教育・訓練の提供。

3.1.4

温室効果ガス(GHG)情報システム(greenhouse gas information system)

GHG

の情報を確定し,管理し,かつ,維持するための方針,プロセス及び手順。

JIS Q 14064-3 の 2.12 参照]

3.1.5

温室効果ガス(GHG)プロジェクト(greenhouse gas project)

ベースラインシナリオにおいて特定された状態を変更させるような GHG の排出量の削減,又は吸収量


4

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

の増加をもたらす活動。

JIS Q 14064-3 の 2.14 参照]

3.1.6

温室効果ガス(GHG)プログラム(greenhouse gas programme)

組織又は GHG プロジェクトの外部に位置付けられ,GHG の排出量,吸収量,排出量の削減又は吸収量

の増加を,登録,算定又は管理する,自主的若しくは強制的な,国際,国内若しくは地方のシステム又は

スキーム。

JIS Q 14064-3 の 2.16 参照]

3.2

要員及び組織に関する用語

3.2.1  

依頼者(client)

妥当性確認又は検証を要請した組織又は個人。

注記  依頼者は,責任当事者,GHG プログラムの運用者又はその他の利害関係者のいずれでもあり得

る。

JIS Q 14064-3 の 2.27 参照]

3.2.2

意図した利用者(intended user)

GHG

関連の情報の報告者によって特定された個人又は組織で,当該情報に基づき判断を下す者。

注記  意図した利用者は,依頼者,責任当事者,GHG プログラムの運用者,規制当局,財界又はその

他の影響を受ける利害関係者(例えば,地域社会,政府部局又は非政府組織)のいずれでもあ

り得る。

JIS Q 14064-3 の 2.26 参照]

3.2.3

組織(organization)

法人であるか否か,公的であるか私的であるかを問わず,独自の機能及び管理体制をもつ会社,法人,

事業所,企業,官公庁若しくは団体,又はそれらの一部若しくは組合せ。

JIS Q 14064-3 の 2.23 参照]

3.2.4

要員(personnel)

妥当性確認又は検証機関で業務を行う,又は機関に代わって業務を行う者。

3.2.5

責任当事者(responsible party)

GHG

に関する主張及び裏付けとなる GHG の情報の提示に対して責任を負う人又は人々。

注記  責任当事者は,個人でも,組織又はプロジェクトの代表でもあり得るほか,妥当性確認を行う

者又は検証を行う者を採用する当事者でもあり得る。妥当性確認を行う者又は検証を行う者は,

依頼人又は GHG プログラムの運用者のようなその他の当事者が採用してもよい。

JIS Q 14064-3 の 2.24 参照]

3.2.6

技術専門家(technical expert)

妥当性確認又は検証チームに特定の知識又は専門知識を提供する者。


5

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

注記 1  特定の知識又は専門知識とは,妥当性確認若しくは検証の対象となる組織若しくはプロジェ

クトに関係するもの,又は適切な言語若しくは文化に関係するものである。

注記 2  技術専門家は,妥当性確認又は検証チームにおいて,妥当性確認を行う者又は検証を行う者

としての活動はしない。

注記 3  用語の定義は,JIS Q 19011:2003 の 3.10 から引用。

3.2.7

トップマネジメント(top management)

最高位で組織を指揮し,管理する個人又はグループ。

JIS Q 9000:2006 の 3.2.7 参照]

3.3

妥当性確認及び検証に関する用語

3.3.1

妥当性確認(validation)

GHG

プロジェクトの計画書における GHG に関する主張を,合意された妥当性確認の基準に照らして評

価する体系的で,独立し,かつ,文書化されたプロセス。

注記 1  第一者による妥当性確認のような場合,GHG のデータ及び情報の開発のための責任がないこ

とによって,独立性が実証できることがある。

注記 2 GHG プロジェクトの計画書の内容については,JIS Q 14064-2 の 5.2 で規定されている。

注記 3  用語の定義は,JIS Q 14064-3 の 2.32 から引用。

3.3.2

妥当性確認を行う者(validator)

力量及び独立性を備え,妥当性確認の実施及びその結果の報告に対して責任を負う人又は人々。

注記  用語の定義は,JIS Q 14064-3 の 2.35 から引用。

3.3.3

妥当性確認又は検証機関(validation or verification body)

この規格に従って GHG に関する主張の妥当性確認又は検証を実施する機関。

注記  妥当性確認又は検証機関は,個人であってもよい。

3.3.4

妥当性確認の声明書(validation statement)

GHG

プロジェクトの計画の妥当性確認の後に,責任当事者の GHG に関する主張における声明書に保証

を与える,意図した利用者に対する正式な宣言書。

3.3.5

検証の声明書(verification statement)

検証の後に,責任当事者の GHG に関する主張における声明書に保証を与える,意図した利用者に対す

る正式な宣言書。

3.3.6

妥当性確認又は検証チーム(validation or verification team)

妥当性確認又は検証を行う,一人以上の妥当性確認を行う者又は検証を行う者。必要な場合は,技術専

門家による支援を受ける。

注記 1  妥当性確認又は検証チームの中の一人の,妥当性確認を行う者又は検証を行う者は,妥当性

確認又は検証チームリーダーに指名される。


6

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

注記 2  妥当性確認又は検証チームには,訓練中の妥当性確認を行う者又は訓練中の検証を行う者を

含めてもよい。

注記 3  用語の定義は,JIS Q 19011:2003 の 3.9 から引用。

3.3.7

検証(verification)

GHG

に関する主張を,合意された検証の基準に照らして評価する,体系的で,独立し,かつ,文書化さ

れたプロセス。

注記 1  第一者による検証のような場合,GHG のデータ及び情報の開発のための責任がないことによ

って,独立性が実証できることがある。

注記 2  用語の定義は,JIS Q 14064-3 の 2.36 から引用。

3.3.8

検証を行う者(verifier)

力量及び独立性を備え,検証プロセスの実施及びその報告に対して責任を負う人又は人々。

JIS Q 14064-3 の 2.37 参照]

3.4

承認及び保証に関する用語

3.4.1

認定(accreditation)

妥当性確認又は検証機関に関し,特定の妥当性確認又は検証業務を行う力量を公式に実証したことを伝

える第三者証明。

注記  用語の定義は,JIS Q 17000:2005 の 5.6 から引用。

3.4.2

認定機関(accreditation body)

認定を実施する,権限をもつ機関。

注記  認定機関の権限は,一般的に政府に由来する。

JIS Q 17000:2005 の 2.6 参照]

3.4.3

異議申立て(appeal)

妥当性確認又は検証機関が妥当性確認又は検証の対象について行った決定に対し,依頼者又は責任当事

者が妥当性確認又は検証機関に決定の再考を求める要請。

注記  用語の定義は,JIS Q 17000:2005 の 6.4 から引用。

3.4.4

苦情(complaint)

妥当性確認若しくは検証機関,又は認定機関の活動に関し,個人又は組織が回答を期待して行う不満の

表明で,異議申立て以外のもの。

注記  用語の定義は,JIS Q 17000:2005 の 6.5 から引用。

3.4.5

利害抵触(conflict of interest)

他の活動又は関係が原因で,妥当性確認又は検証活動を実施する際に公平性が損なわれる,又は損なわ

れる可能性のある状況。

3.4.6


7

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

保証水準(level of assurance)

意図した利用者が妥当性確認又は検証で要求する保証の程度。

注記 1  保証水準は,妥当性確認を行う者又は検証を行う者が,何らかの重大な誤り,脱漏又は不実

表示があるか否かを判断するために,妥当性確認又は検証の計画及びサンプリング計画に設

定する詳細度の決定に用いられる。

注記 2  JIS Q 14064-3 は,合理的又は限定的の二つの保証水準を規定しており,これによって,妥当

性確認又は検証の声明書の文言が異なる。

注記 3  用語の定義は,JIS Q 14064-3 の 2.28 から引用。

3.4.7

重要性(materiality)

個別の誤り,脱漏及び不実表示,又はその総体が,GHG に関する主張に影響し,かつ,意図した利用者

の判断にも影響を与え得るという概念。

注記 1  重要性の概念は,妥当性確認又は検証の計画及びサンプリング計画を設計する際,妥当性確

認を行う者又は検証を行う者が,重大な不一致を見落とすというリスク(発見リスク)を極

小化するために用いる実質的プロセスの種類を判定するために用いられる。

注記 2  重要性の概念は,脱漏又は虚偽表示があれば,意図した利用者に対する GHG に関する主張

の著しい不実表示となり,その判断に影響を及ぼすと考えられる情報を抽出する際に用いら

れる。許容可能な重要性は,合意された保証水準に基づき,妥当性確認を行う者,検証を行

う者又は GHG プログラムが決定する。

JIS Q 14064-3 の 2.29 参照]

3.4.8

重大な不一致(material discrepancy)

GHG

に関する主張における実際の個別の誤り,脱漏及び不実表示,又はその総体で,意図した利用者の

判断に影響を与えかねないもの。

JIS Q 14064-3 の 2.30 参照]

4

原則

4.1

一般

この規格は,起こり得る全ての状況を想定することはできない。したがって,次の原則は,不測の状況

において評価を行う際の追加の手引を提供する。ここに示す原則は,要求事項ではない。場合によって,

妥当性確認又は検証機関は,例えば,透明性の原則と機密保持の原則との間の適切なバランスを見出す必

要もあり得る。

4.2

公平性

意思決定は,妥当性確認又は検証プロセスを通じて得られた客観的な証拠に基づいており,かつ,利害

関係者又はその他の関係者から影響を受けていない。

4.3

力量

要員は,妥当性確認又は検証活動を効果的に実施するために必要な技能,経験,支援基盤及び能力をも

つ。

4.4

事実に基づいた意思決定

妥当性確認又は検証の声明書は,責任当事者の GHG に関する主張の客観的な妥当性確認又は検証を通


8

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

じて収集した証拠に基づく。

4.5

透明性

妥当性確認又は検証の状態に関する適時な情報は,意図した利用者,依頼者又は責任当事者に対してア

クセス可能であること,又は適切に開示されている。

4.6

機密保持

妥当性確認又は検証活動の過程で得られた又は生成された機密情報は,保護し,かつ,不適切に開示し

ない。

5

一般要求事項

5.1

法的地位

妥当性確認又は検証機関は,該当する場合は,事業主の名称,異なる場合は,管理する者の名称を含む,

自らの法的地位を記載したものを備える。

5.2

法的及び契約上の事項

妥当性確認又は検証機関は,その全ての妥当性確認又は検証活動に法的責任を負うことができる法人又

は法人の一部として位置付けられていなければならない。

妥当性確認又は検証機関は,妥当性確認又は検証サービスの提供に関し,各依頼者と法的な拘束力のあ

る合意書を結ばなければならない。

妥当性確認又は検証機関は,その妥当性確認又は検証活動,意思決定,及び妥当性確認又は検証の声明

書に対して権限をもち,かつ,責任を負わなければならない。

5.3

ガバナンス及び経営層のコミットメント

妥当性確認又は検証機関は,次の事項に関する包括的な権限及び責任をもつトップマネジメント(例え

ば,個人,グループ,役員会)を特定しなければならない。

a)

運営方針の策定

b)

方針及び手順の実施の監督

c)

財務の監督

d)

妥当性確認又は検証活動の適切性

e)

異議申立て及び苦情の解決

f)

妥当性確認又は検証の声明書

g)

必要に応じて,特定の活動を委任するための委員会又は個人への権限の委譲

h)

契約上の取決め

i)

妥当性確認又は検証活動に対する適切,かつ,力量を備えた資源の提供

妥当性確認又は検証機関は,経営層及びその他の妥当性確認又は検証に関わる要員の業務,責任及び権

限を示す組織構造及び仕組みを文書化しなければならない。

妥当性確認又は検証機関が,ある法人の明確な一部分である場合,その文書化された組織構造は,同じ

法人内における権限系統及び他の部門との関係を含まなければならない。

5.4

公平性

5.4.1

公平性に対するコミットメント

妥当性確認又は検証機関は,公平に行動し,かつ,容認できない利害抵触を回避しなければならない。

妥当性確認又は検証機関は,次の事項を行わなければならない。


9

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

a)

妥当性確認又は検証活動を公平に行うためのトップマネジメントによるコミットメントをもつ。

b)

妥当性確認又は検証活動における公平性の重要性の理解,利害抵触の管理の方法,及び妥当性確認又

は検証活動の客観性を確実にする方法を宣言する公にアクセス可能な書面をもつ。

c)

各チームメンバーが,公平に行動することを確実にするための正式な規則及び/又は契約上の条件を

もつ。

d)

次の 1)∼3)によって,妥当性確認又は検証機関の内部又はあらゆる関係から生じる,利害抵触となり

得る状況及び公平性に対するリスクの管理の方法を文書化しなければならない。

1)

あらゆる関係から生じる潜在的な利害抵触を含む,妥当性確認又は検証活動から生じる利害抵

触となり得る状況を特定し,分析する。

2)

商業的,財務的又はその他の要因によって公平性が損なわれていないことを実証するために,財務

及び収入源を評価する。

3)

妥当性確認又は検証に関連する要員に対して,要員自身又は妥当性確認又は検証機関にとって利害

抵触となり得る状況を提示するように要求する。

注記  附属書 は,妥当性確認を行う者又は検証を行う者の公平性の管理に関する手引を示す。

5.4.2

利害抵触の回避 

妥当性確認又は検証機関は,次の事項を順守しなければならない。

a)

利害抵触がある又は利害抵触となり得る要員を起用してはならない。

b)

該当する GHG プログラムの許可なく,同一の GHG プロジェクトの GHG に関する主張について,妥

当性確認を行い,かつ,検証を行ってはならない。

c) GHG

に関する主張を支援する GHG コンサルティングサービスを責任当事者に提供した場合,GHG に

関する主張の妥当性確認又は検証を行ってはならない。

d) GHG

に関する主張を支援する GHG コンサルティングサービスを責任当事者に提供した者との関係が

公平性に対する容認できないリスクを引き起こす場合には,GHG に関する主張の妥当性確認又は検証

を行ってはならない。

注記 参照)

e) GHG

に関する主張を支援する GHG コンサルティングサービスを責任当事者に提供した者によって採

用された要員を起用し,GHG に関する主張の妥当性確認又は検証を行ってはならない。

f)

妥当性確認又は検証の声明書のレビュー及び発行を外部委託してはならない(8.5 参照)

g)

公平性に対する容認できないリスクを引き起こす製品又はサービスを提供してはならない。

h)

特定の GHG コンサルティングサービスを利用すれば,GHG に関する主張の妥当性確認又は検証が,

より簡単,容易,迅速又は廉価になると,明示又は暗示してはならない(

注記 参照)。

注記 1  d)  に規定されている関係としては,所有,ガバナンス,マネジメント,要員,共有資源,財

務,契約,マーケティング及び売上手数料の支払又は新規依頼者紹介に関わるその他の誘引

条件に基づく関係が挙げられる。

注記 2  教育・訓練を手配し,講師として参加することは,

(教育・訓練が,GHG の定量化,GHG の

データのモニタリング若しくは記録,GHG 情報システム又は内部監査サービスに関係する場

合)その内容が誰でも自由に入手できる一般的な情報に限られる場合,GHG コンサルティン

グサービスとはみなされない(すなわち,講師は,組織固有の又はプロジェクト固有の助言

又は解決策を提供することは望ましくない。

5.4.3

公平性の監督の仕組み


10

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

妥当性確認又は検証機関は,自らの運営から独立した仕組みを通じて,公平性が確保されていることを

確実にしなければならない。

注記  利害抵触,営業上及び運営上の問題によって,妥当性確認又は検証の完全性が損なわれる場合,

公平性を確保するために利用される独立した仕組みには,次が含まれ得る。

−  独立した委員会

−  公平性のモニタリング機能を含む GHG プログラム

−  非常勤役員

5.5

債務及び財務

妥当性確認又は検証機関は,その活動に関係する財務的なリスクを評価し,かつ,その活動及び運営す

る地域から生じる債務を担保できる十分な処置(例えば,保険,準備金)を講じていることを実証しなけ

ればならない。

6

力量

6.1

経営層及び要員

妥当性確認又は検証機関は,次の事項を行うための手順を確立し,維持しなければならない。

a)

運営する各セクターに対する必要な力量を決定する。

b)

経営層及び支援要員が,妥当性確認又は検証に関係する活動における,適切な力量をもつことを実証

する。

c)

妥当性確認を行う者,検証を行う者及び技術専門家が,適切な力量をもつことを実証する。

d)

業務の範囲内における妥当性確認又は検証活動,セクター又は地域に関する特定の事項の助言が得ら

れる,関連する内部又は外部の専門知識にアクセスできる。

妥当性確認又は検証機関は,経営層及び要員の力量を特定し,かつ,実証する上で,a)∼d)の手順を満

たしていることを文書化しなければならない。

6.2

要員の力量

妥当性確認又は検証機関は,次の事項を行わなければならない。

a)

妥当性確認又は検証活動の種類及び範囲を管理するために,十分な力量を備えた要員を雇用する。

b)

妥当性確認又は検証活動の範囲,程度及び業務量を処理するために,妥当性確認又は検証チームリー

ダー,妥当性確認を行う者又は検証を行う者,及び技術専門家について,十分な人数を雇用するか,

又はいつでも利用できる。

c)

妥当性確認を行う者,検証を行う者及び技術専門家が,実証された力量を備えている特定の妥当性確

認又は検証活動に限定して,それらの妥当性確認を行う者,検証を行う者,及び技術専門家を起用す

る。

d)

該当する要員に対し,関係する業務,責任及び権限を明確に示す。

e)

妥当性確認又は検証プロセスで起用する妥当性確認を行う者又は検証を行う者の選定,教育・訓練,

正式な承認及びモニタリング,並びに技術専門家の選定に関するプロセスを明確にする。

f)

妥当性確認を行う者及び検証を行う者,並びに必要な場合,技術専門家が GHG の妥当性確認又は検

証プロセス,要求事項,方法論,活動,他の関係する GHG プログラムの規定及び該当する法的要求

事項について最新の情報を利用でき,実証された知識をもつことを確実にする。

g)

妥当性確認又は検証の声明書を作成するグループ又は個人が,妥当性確認又は検証プロセス,並びに


11

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

妥当性確認又は検証チームによる関連する所見及び勧告を評価する力量をもつことを確実にする。

h)

妥当性確認又は検証に関わる全ての要員のパフォーマンスを,その活動の程度及び活動に関係するリ

スクを考慮して,定期的にモニタリング(現地での観察,妥当性確認又は検証における所見のレビュ

ー,報告書及び依頼者又は市場からのフィードバックを組み合わせたものを含む。

)する。

i)

教育・訓練の必要性を特定し,必要に応じて,GHG の妥当性確認又は検証プロセス,要求事項,方法

論,活動及び他の関係する GHG プログラムの要求事項に関する教育・訓練を提供する。

6.3

要員の配置

6.3.1

一般

妥当性確認又は検証機関は,力量をもつ妥当性確認又は検証チームを編成し,適切な管理及び支援サー

ビスを提供しなければならない。

一人の要員が,妥当性確認又は検証チームのいずれかの要求事項を全て満たす場合,妥当性確認又は検

証チームとみなすこともある。

6.3.2

妥当性確認又は検証チームの知識

妥当性確認又は検証チームは,該当する GHG プログラムについて,次の事項を含む詳細な知識をもた

なければならない。

a)

適格性に関する要求事項

b)

該当する場合,異なる管轄における実施

c)

妥当性確認又は検証に関する要求事項及び指針

妥当性確認又は検証チームは,妥当性確認又は検証に関係する事項について,適切な言語を用いて,効

果的なコミュニケーションができなければならない。

6.3.3

妥当性確認又は検証チームの技術的専門知識

妥当性確認又は検証チームは,GHG プロジェクト又は組織について,次の事項を評価するための十分な

技術的専門知識をもたなければならない。

a)

固有の GHG 活動及び技術

b) GHG

の排出源,吸収源又は貯蔵庫の特定及び選定

c)

関係する技術上及びセクター上の問題を含む定量化,モニタリング及び報告

d)

典型的及び変則的な運用条件を含む,GHG に関する主張の重要性に影響を与え得る状況

妥当性確認又は検証チームは,GHG に関する主張に関係するあらゆる法的要求事項を含む,GHG プロ

ジェクト又は組織の境界に影響を及ぼすかもしれない財務的,運営的,契約上又はその他の合意の影響を

評価するための専門知識をもたなければならない。

6.3.4

データ及び情報の評価のための妥当性確認又は検証チームの専門知識

妥当性確認又は検証チームは,GHG プロジェクト又は組織の GHG に関する主張を評価するために,次

の事項を実施するための能力を含む,データ及び情報の評価のための専門知識をもたなければならない。

a)

プロジェクトの推進者又は組織が信頼できる GHG に関する主張を確立するために必要なデータを,

効果的に特定,収集,分析及び報告しているかどうか,並びに関係する GHG プログラム又は規格の

要求事項に関係するあらゆる不適合を取り扱うための是正処置を体系的に講じているかどうかを判断

するための GHG 情報システムを評価する。

b)

適切に合意された保証水準に基づくサンプリング計画を設計する。


12

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

c)

データ及びデータシステムの利用に関係するリスクを分析する。

d)

データ及びデータシステムにおける障害を特定する。

e) GHG

に関する主張の重要性に対し,様々なデータの流れが及ぼす影響を評価する。

6.3.5

GHG

プロジェクトの妥当性確認チーム固有の力量

6.3.2

6.3.4 に規定する要求事項に加え,妥当性確認チームは,次の事項を行うために用いるプロセス,

手順及び方法論を評価するための専門知識をもたなければならない。

a)

前提となる仮定を含むベースラインシナリオを選択し,正当化し,定量化する。

b)

ベースラインシナリオの保守性を判断する。

c)

ベースラインシナリオ及び GHG プロジェクトの境界を決定する。

d)

活動,製品又はサービスの種類及びレベルについて,ベースラインシナリオと GHG プロジェクトと

の間の同等性を実証する。

e) GHG

プロジェクトの活動が,ベースラインシナリオの活動に対し追加的であることを実証する。

f)

該当する場合,リーケージ及び永続性のような GHG プログラムの要求事項への適合を実証する。

注記  JIS Q 14064-2 は,保守性の原則及び同等性の概念に関する要求事項及び手引を含む。

6.3.2

6.3.4 に規定する要求事項に加え,妥当性確認チームは,ベースラインシナリオの選択に影響を及

ぼし得る,関係するセクターの傾向についての知識をもたなければならない。

6.3.6

GHG

プロジェクトの検証チーム固有の力量

6.3.2

6.3.4 に規定する要求事項に加え,プロジェクトの検証チームは,次の事項を行うために用いるプ

ロセス,手順又は方法論を評価するための適切な専門知識をもたなければならない。

a)

妥当性確認を終えた GHG プロジェクトの計画とその GHG プロジェクトの実施との間の一貫性の評価

b)

ベースラインシナリオ及び前提となる仮定を含む,

妥当性確認を終えた GHG プロジェクトの計画が,

継続的に適切であることの確認

6.3.7

妥当性確認又は検証チームリーダー固有の力量

妥当性確認又は検証チームリーダーは,次の事項を満たさなければならない。

a)

妥当性確認又は検証の目的を満たすために,6.3.26.3.5,及び(必要に応じて)6.3.6 に規定する妥当

性確認又は検証チームを管理するための力量について,十分な知識及び専門知識をもつ。

b)

妥当性確認又は検証を行うための実証された能力をもつ。

c)

妥当性確認又は検証チームを管理するための実証された能力をもつ。

6.4

契約下にある妥当性確認を行う者又は検証を行う者の起用

妥当性確認又は検証機関は,契約下にある妥当性確認を行う者又は検証を行う者が実施した妥当性確認

又は検証活動に対し,全面的な責任をもつことを実証する手順又は方針をもたなければならない。

妥当性確認又は検証機関は,契約下にある妥当性確認を行う者又は検証を行う者に,妥当性確認又は検

証機関の該当する方針,

及び手順に従うことを誓約する同意書に署名することを要求しなければならない。

その同意書は,機密保持並びに営業上及び他の利害関係からの独立性を取り扱い,契約下にある妥当性確

認を行う者又は検証を行う者に,依頼者,責任当事者又は双方との現在又は過去のあらゆる関わりを,妥

当性確認又は検証機関に通知するように要求しなければならない。

注記  契約下にある外部の妥当性確認を行う者又は検証を行う者は,妥当性確認又は検証チームの一

部として,かつ,妥当性確認及び検証機関の監督の下で,特定の妥当性確認又は検証活動を行

う。このような同意の下で,契約下にある妥当性確認を行う者又は検証を行う者を起用するこ


13

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

とは,6.6 に規定する外部委託には該当しない。

6.5

要員の記録

妥当性確認又は検証機関は,妥当性確認又は検証プロセスに関与する各要員について,関連する学校教

育,教育・訓練,経験,パフォーマンスのモニタリング,所属及び専門的地位を含む,力量に関する最新

の記録を維持しなければならない。

6.6

外部委託

GHG

プログラムに外部委託を禁止する事項がない場合,妥当性確認又は検証機関は外部委託してもよい

が,次の事項を行わなければならない。

a)

妥当性確認又は検証について,全面的な責任をもつ。

b)

外部委託した機関に,この規格及び JIS Q 14064-3 への適合を実証する独自の証拠を提示することを

要求する。

c)

外部委託した機関を利用することについて,依頼者及び責任当事者から同意を得る。

d)

適切な合意書をもつ。

注記  外部委託とは,妥当性確認又は検証機関に,妥当性確認又は検証サービスを提供する,他の妥

当性確認又は検証機関を含む,別の組織との契約上の取決めをいう。

7

通知及び記録

7.1

依頼者又は責任当事者に提供する情報

妥当性確認又は検証機関は,その依頼者又は責任当事者に,次の情報を提供しなければならない。

a)

妥当性確認又は検証プロセスの詳細記載(

注記参照)

b)

依頼者の目的に影響を与えるかもしれない,妥当性確認又は検証に関する要求事項及び関係する GHG

プログラムに対する変更事項

c)

妥当性確認又は検証活動及び業務のスケジュール

d)

妥当性確認又は検証チームメンバーに関係する情報

e)

妥当性確認又は検証料金についての情報

f)

依頼者が,妥当性確認又は検証に言及する際に利用する権限についての書面を管理する方針

g)

苦情及び異議申立ての処理の手順についての情報

注記  妥当性確認又は検証プロセスの記載は,適切かつ入手可能である場合,妥当性確認又は検証機

関が,以前に実施した評価の結果を考慮する方法を含む。

7.2

依頼者又は責任当事者への責任の通知

妥当性確認又は検証機関は,予想される依頼者又は責任当事者に,次の事項に対する責任をもつことを

通知しなければならない。

a)

妥当性確認又は検証に関する要求事項に従う。

b)

文書審査の提供並びに関係する全てのプロセス,地域,記録及び要員へのアクセスを含む,妥当性確

認又は検証の実施に必要な全ての準備を行う。

c)

該当する場合,オブザーバの受入れの用意をする。

7.3

機密保持

妥当性確認又は検証機関は,妥当性確認又は検証の過程で得られた又は生成された情報の機密を保護す


14

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

る方針及び仕組みをもたなければならない。その方針は,拘束力のある,必要な法的要求事項を全て満た

し,かつ,妥当性確認又は検証機関及び外部委託した機関の要員,及び活動を含まなければならない。

妥当性確認又は検証機関,その要員及び外部委託した機関は,妥当性確認,検証の過程で得られた妥当

性確認,検証の過程で生成された妥当性確認若しくは検証に関する情報,又は依頼者若しくは責任当事者

以外の情報源から得られた妥当性確認若しくは検証に関する情報を,機密情報として取り扱わなければな

らない。

妥当性確認又は検証機関は,依頼者又は責任当事者に関する公開されていない情報を,その依頼者又は

責任当事者の同意なく第三者へ開示してはならない。

妥当性確認又は検証機関は,関係する GHG プログラムの情報開示規定が要求する場合,いかなる情報

も公開される前に,依頼者,及び該当する場合,責任当事者に通知しなければならない。

妥当性確認又は検証機関は,機密情報の安全な取扱いを確実にする設備及び施設を利用可能とし,それ

らを活用しなければならない。

7.4

公にアクセス可能な情報

妥当性確認又は検証機関は,その活動及び運営するセクターについて,明確に,トレーサブルで正確な

情報を維持し,かつ,要請に応じて提供しなければならない。

7.5

記録

妥当性確認又は検証機関は,その妥当性確認又は検証活動について次の事項を含む記録を維持し,管理

しなければならない。

a)

申請情報,及び妥当性確認又は検証の範囲

b)

妥当性確認又は検証工数の決定方法の正当性

c)

重大な不一致,又は重大ではない不一致の所見及び情報を含む,妥当性確認又は検証活動の完了の確

d)

妥当性確認又は検証の声明書

e)

苦情及び異議申立ての記録,並びにその後の修正又は是正処置

妥当性確認又は検証機関は,妥当性確認又は検証記録を,その移送,伝送又は転送時を含め,安全に,

かつ,機密を保持して維持しなければならない。

妥当性確認又は検証機関は,GHG プログラム上の,契約上の若しくは法律上の要求事項又は他のマネジ

メントシステムに関する要求事項に従って,妥当性確認又は検証記録を保管しなければならない。

注記  ISO 15489-1 は,記録管理システムの確立,運用及び管理に関する手引を提供している。

8

妥当性確認又は検証プロセス

8.1

一般

妥当性確認又は検証プロセスには,次の妥当性確認又は検証プロセスの段階を含めなければならない。

a)

事前準備

b)

アプローチ

c)

妥当性確認又は検証

d)

妥当性確認又は検証の声明書

注記  この規格及び JIS Q 14064-3 における,妥当性確認及び検証プロセスに関する箇条と要求事項


15

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

との関係を,

附属書 に示す。

8.2

事前準備

8.2.1

公平性

妥当性確認又は検証機関は,

5.4

の要求事項に従って,

公平性に対する潜在的なリスクを判断するために,

予想される依頼者から受け取った情報をレビューしなければならない。

8.2.2

力量

妥当性確認又は検証機関は,箇条 の要求事項に従って,予想される任務を成功裏に完了させるために

必要な力量,要員及び資源をもっているか否かを判断するために,予想される依頼者から受け取った情報

をレビューしなければならない。

8.2.3

合意

妥当性確認又は検証機関は,5.2 の要求事項に従って,法的に拘束力のある合意書を依頼者と結ばなけれ

ばならない。

妥当性確認又は検証機関と依頼者との契約は,JIS Q 14064-3 の 4.3 の要求事項を考慮に入れなければな

らない。

8.2.4

チームリーダーの指名

妥当性確認又は検証機関は,6.3.7 の要求事項に従って,妥当性確認又は検証チームリーダーを指名しな

ければならない。

8.3

アプローチ

8.3.1

妥当性確認又は検証チームの選定

妥当性確認又は検証機関は,箇条 の要求事項に従って,妥当性確認又は検証チームを指名しなければ

ならない。

8.3.2

依頼者及び責任当事者とのコミュニケーション

妥当性確認又は検証機関は,7.1 及び 7.2 の要求事項に従って,依頼者,責任当事者又は双方とコミュニ

ケーションを行わなければならない。

妥当性確認又は検証機関は,依頼者又は責任当事者に,チームメンバーの指名に対するあらゆる異議に

対応できる十分な期間をもって,妥当性確認又は検証チームメンバーの氏名を通知しなければならない。

妥当性確認又は検証機関は,依頼者又は責任当事者からの何らかの異議に応じて,妥当性確認又は検証

チームの再編成を検討しなければならない。

8.3.3

計画

妥当性確認又は検証機関は,JIS Q 14064-3 の 4.4 の要求事項に適合する妥当性確認又は検証の計画を策

定する際に,責任当事者の GHG 情報のレビューを実施しなければならない。

妥当性確認又は検証機関は,JIS Q 14064-3 の 4.4.2 の要求事項に適合する妥当性確認又は検証の計画を

策定しなければならない。

妥当性確認又は検証機関は,JIS Q 14064-3 の 4.4.3 の要求事項に適合するサンプリング計画を策定しな

ければならない。

妥当性確認又は検証機関のチームリーダーは,妥当性確認又は検証の計画,及びサンプリング計画を承

認しなければならない。

妥当性確認又は検証機関は,妥当性確認又は検証の計画,及びサンプリング計画に基づき,妥当性確認

又は検証の完了に要する特定の活動及び工数を詳述しなければならない。

8.4

妥当性確認又は検証


16

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

妥当性確認又は検証機関は,JIS Q 14064-3 の 4.4.14.4.3,及びこの規格の 8.3 に規定された GHG 情報

のレビュー,妥当性確認又は検証の計画及びデータのサンプリング計画を考慮に入れ,JIS Q 14064-3 

4.5

4.7 の要求事項に従って,GHG に関する主張を評価しなければならない。

妥当性確認又は検証機関は,JIS Q 14064-3 の 4.8 に従って,収集した妥当性確認又は検証の証拠が GHG

に関する主張を裏付けているかどうかを評価しなければならない。

8.5

妥当性確認又は検証の声明書のレビュー及び発行

妥当性確認及び検証機関は,妥当性確認又は検証チームとは異なる力量をもつ要員が,次の事項を行う

ことを確実にしなければならない。

a)

妥当性確認又は検証活動の全てが完了したことの確認

b) GHG

に関する主張に重大な不一致がないかどうか,及びその妥当性確認又は検証活動が,JIS Q 

14064-3

の 4.8 に従って,妥当性確認又は検証プロセスの開始時に合意した保証水準を提供しているか

どうかの結論付け

妥当性確認及び検証機関は,JIS Q 14064-3 の 4.9 に従って,妥当性確認又は検証の所見の結論に基づい

て,妥当性確認又は検証の声明書を発行しなければならない。

8.6

記録

妥当性確認又は検証機関は,7.5 及び JIS Q 14064-3 の 4.10 の要求事項に従って,妥当性確認又は検証記

録を維持しなければならない。

8.7

妥当性確認又は検証の声明書の発行後に検出された事実

妥当性確認又は検証機関は,妥当性確認又は検証の声明書の発行後に,依頼者,責任当事者又は GHG

プログラムが妥当性確認又は検証の声明書に重大な影響を与える可能性がある事実を検出した場合,次の

事項を含む適切な処置を検討しなければならない。

a)

その事実が GHG に関する主張において,適切に公開されているかどうかの判断

b)

妥当性確認又は検証の声明書を改訂する必要があるかどうかの検討

c)

依頼者,責任当事者又は GHG プログラムとの協議(必要に応じて)

妥当性確認又は検証の声明書を改訂する必要がある場合,妥当性確認又は検証機関は,改訂した妥当性

確認又は検証の報告書を発行し,改訂の理由を明確に記載している,改訂した妥当性確認又は検証の声明

書を発行しなければならない。

9

異議申立て

妥当性確認又は検証機関は,次の事項を行わなければならない。

a)

異議申立てについて管理し,評価し,必要な是正処置を行い,かつ,決定を下すための文書化された

プロセスをもつ。

b)

要請に応じて,異議申立て処理プロセスの概要を,公にアクセス可能にする。

c)

異議申立て処理プロセスの全ての段階の全ての決定に対して責任を負う。

d)

異議申立て処理プロセスに従事する者が,妥当性確認又は検証を実施した者及び GHG に関する主張

についての声明書を準備した者と異なることを確実にする。

e)

異議申立者に対し,異議申立ての受理,異議申立て処理プロセス及びそのプロセスに従事する者を通

知し,かつ,結果の報告及び正式な通知を提供する。


17

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

f)

異議申立てに関する決定が,異議申立者に対する差別的行動につながらないことを確実にする。

10

苦情

妥当性確認又は検証機関は,次の事項を行わなければならない。

a)

苦情を管理し,評価し,必要な是正処置を行い,かつ,決定を下すための文書化されたプロセスをも

つ。

b)

要請に応じて,苦情処理プロセスの概要を公にアクセス可能にする。

c)

苦情処理プロセスの全ての段階の全ての決定に対して責任を負う。

d)

苦情申立者及び苦情の内容について機密を保護する。

e)

苦情を受領したときには,苦情について妥当性確認又は検証機関が責任を負う妥当性確認又は検証活

動に関連するものかどうかを確認する。

f)

苦情処理プロセスにおいて,その苦情に関係する者と異なる要員を起用する。

g)

苦情申立者に対し,苦情の受領,苦情処理プロセス及びそのプロセスに従事する者を通知し,かつ,

結果の報告及び可能なときはいつでも,正式な通知を提供する。

注記

JIS Q 10002

は,苦情処理の指針を提供している。

11

特別妥当性確認又は検証

妥当性確認又は検証機関が,苦情,又は妥当性確認若しくは検証の声明書の発行後に検出された事実に

対応して,短期の予告で,以前に妥当性確認又は検証を実施した GHG に関する主張の妥当性確認又は検

証を行う必要がある場合,妥当性確認又は検証機関は,次の事項を行わなければならない。

a)

依頼者,責任当事者又はその双方に,特別妥当性確認又は検証が行われる条件を,事前に通知する。

b)

責任当事者が妥当性確認又は検証チームの構成に反対する機会がない場合,妥当性確認又は検証チー

ムメンバーの任命に一層の注意を払う。

12

マネジメントシステム

妥当性確認又は検証機関は,この規格の要求事項の順守を支援及び実証することを可能となるように,

次の要素を含む文書化されたマネジメントシステムを確立し,実施し,かつ,維持しなければならない。

a)

マネジメントシステムの方針

b)

文書管理

c)

記録の管理

d)

内部監査

e)

是正処置

f)

予防処置

g)

マネジメントレビュー

文書化されたマネジメントシステムは,関係する記録の維持を含まなければならない。

注記  この箇条は,マネジメントシステムの認証又は承認の必要性を意味するものではない。


18

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

附属書 A

参考)

この規格と JIS Q 14064-1∼JIS Q 14064-3 との関係

A.1

  この規格と JIS Q 14064 規格群との関係を,

図 A.1 に示す。

図 A.1JIS Q 14064-1JIS Q 14064-3 との関係

利害関係者

JIS Q 14065 に基づく認定機関又は他の承認手段 

信頼性

妥当性確認又は

検証機関 1

妥当性確認又は

検証機関 2

妥当性確認又は

検証機関 1,2

若しくは n

組織による GHG

の管理領域

JIS Q 14064-1 

基づく組織の

GHG インベント

リ及び

管理システム

施設  1

施設  2

施設  n

JIS Q 14064-3 

基づく検証

検証声明書

JIS Q 14064-3 

基づく検証

検証声明書

JIS Q 14064-3 

基づく妥当性確認

検証声明書

JIS Q 14064-3 に基

づく妥当性確認

妥当性確認声明書

GHG に関する主張の意図した利用者

GHG プロジェクトの

影響領域

第 1 段階

JIS Q 14064-2 

基づくプロジェクト

の計画及び

ベースライン設計

第 2 段階

JIS Q 14064-2 

基づくプロジェクト

のモニタリング及

び報告

第 3 段階

JIS Q 14064-2 

基づくプロジェクト

のモニタリング及

び報告

主張

主張

主張

主張


19

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

附属書 B

参考)

公平性

B.1

概要

この附属書では,公平性に対するリスク及び保護について記載する。

B.2

公平性に対するリスク

妥当性確認を行う者及び検証を行う者の公平性に対するリスクとは,妥当性確認を行う者又は検証を行

う者が偏りのない意思決定を下す能力を損ない得る,又は損なうことが合理的に予想され得る,偏りを引

き起こす可能性をもつ要因である。リスクは,様々な種類の活動,関係,及びその他の状況によって引き

起こされる。妥当性確認又は検証機関は,引き起こされるリスクの種類を特定し,妥当性確認を行う者又

は検証を行う者の公平性に与えるこれらのリスクからの影響及び潜在的な影響を分析することが望ましい。

公平性に対するリスクには,例えば,次の事項が含まれる。

a)

収入源:依頼者が GHG に関する主張の妥当性確認又は検証の費用を支払うことから生じるリスク

b)

自己利益:個人又は機関が,自己の利益,例えば,自己に関わる財政的な利害関係のために行動する

ことから生じるリスク

c)

自己レビュー:個人又は機関が,自らが行った業務をレビューすることから生じるリスク。妥当性確

認又は検証機関がコンサルティングを提供した依頼者の妥当性確認又は検証活動を自ら評価すること

は,自己レビューのリスクとなり得る。

d)

親密さ(又は信用)

:個人又は機関が,妥当性確認又は検証の証拠を求めることなしに,他の者と過度

に親密になっている又は信用していることから生じるリスクは,親密さのリスクである。

e)

威嚇:個人又は機関が,交代させられる又は上司に報告されるかもしれないというリスクなど,公然

と又は暗黙に,威圧されていると認識することから生じるリスク

B.3

公平性の保護措置

B.3.1

一般

妥当性確認又は検証機関は,公平性に対するリスクを低減又は排除するための保護措置を適切にもつこ

とが望ましい。保護措置には,禁止事項,制限,開示,方針,手順,実務,規格,規則,制度の取決め及

び環境条件を含んでもよい。これらの保護措置は,継続的な適用可能性を確保するために,定期的にレビ

ューすることが望ましい。公平性の管理に関する要求事項は,5.4 に規定している。

妥当性確認及び検証が実施される環境に存在する保護措置の例には,次の事項が含まれる。

a)

妥当性確認又は検証機関,及び要員が,自らの評判に重きをおく。

b)

独立性に関する専門的規格及び規制要求事項への適合を評価する認定プログラム

c)

妥当性確認又は検証機関の委員会及び統治機構(例えば,役員会)による公平性の判断基準への適合

に関する全般的な監督

d)

妥当性確認又は検証プロセス及び要員の公平性を支援する妥当性確認又は検証機関の風土を含む,コ

ーポレートガバナンス以外の側面

e)

妥当性確認を行う者又は検証を行う者の行動を統治する規則,基準及び専門家としての行動規範


20

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

f)

認定機関及びその他による,制裁措置及びそのような措置の可能性の想起

g)

妥当性確認又は検証機関が直面する法的責任

B.3.2

一般的な保護措置の例

妥当性確認又は検証機関に,そのマネジメントシステムの一部として存在する保護措置の例には,次の

事項が含まれる。

a)

全ての要員の行動が妥当性確認又は検証の独立性を満たしていることを支援する,妥当性確認又は検

証機関における専門的環境及び風土を維持する。

b)

妥当性確認を行う者又は検証を行う者の公平性の維持に直接関係する方針,手順及びグッドプラクテ

ィス

c)

人事異動,内部監査,及び技術的問題の内部協議の要求事項に関係するような,その他の方針,手順

及びグッドプラクティス

d)

要員の採用,教育・訓練,昇進,公平性の重要性を重要視する雇用維持及び報酬の方針,手順及びグ

ッドプラクティス,妥当性確認又は検証機関の要員が直面する可能性のある様々な状況によってもた

らされる潜在的なリスク,

並びにこれらのリスクを低減又は排除する保護措置を適切に検討した後に,

妥当性確認を行う者及び検証を行う者が特定の依頼者について自らの公平性を評価する必要性

B.3.3

保護措置の性質

保護措置を説明する別の方法として,その性質に基づく方法がある。例えば,次の事項を含む。

a)

予防的な保護措置:例えば,公平性の重要性を重要視する新規採用者に対する導入プログラム

b)

特定の状況で生じるリスクに関係する保護措置:例えば,妥当性確認を行う者又は検証を行う者の家

族と妥当性確認又は検証機関の依頼者との間の特定の雇用関係の禁止

c)

違反者を処罰することによって,他の保護措置の違反を防止する効果をもつ保護措置:例えば,認定

機関が直ちに認定を一時停止又は取り消すことを可能にする断固とした方針

B.3.4

制限的な保護措置

保護措置を説明する更に別の方法として,公平性に対するリスクとみなされる活動又は関係を制限する

程度に基づく方法がある。例えば,次の事項を含む。

a)

全面禁止:妥当性確認又は検証機関が妥当性確認を実施した GHG プロジェクトを同一の機関が検証

することの禁止[例えば,5.4.2 b)]

b)

程度又は形式を制限した活動又は関係の許可:要員が,GHG に関する主張の作成に参加した責任当事

者に対する妥当性確認又は検証に参加することの制限[例えば,5.4.2 e)]

c)

リスクを排除若しくは低減する他の方針又は手順を要求したうえでの活動若しくは関係の許可:例え

ば,妥当性確認を行う者又は検証を行う者が,依頼者に特定の種類の教育・訓練を実施することの許

d)

妥当性確認を行う者及び検証を行う者が,活動又は関係に関する情報を,妥当性確認又は検証機関の

経営層に開示することを要求したうえでの,活動又は関係の許可:例えば,妥当性確認を行う者又は

検証を行う者と依頼者との全ての私的関係の性質,及びその関係から受領するあらゆる料金の妥当性

確認又は検証機関の経営層への開示

B.3.5

公平性のマネジメントに対する検討事項

妥当性確認又は検証機関が要員の公平性を評価する場合,次の事項について検討することもあり得る。

a)

妥当性確認又は検証の偏った判断となる,又はそうなることが合理的に予想される圧力及び他の要因。

これは,妥当性確認を行う者又は検証を行う者の公平性に対するリスクである。


21

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

b)

それらの圧力及び他の要因の影響を低減又は排除する可能性がある保護措置

c)

それらの圧力及び他の要因の重大さ,及び保護措置の有効性

d)

保護措置の有効性を検討した後,圧力及び他の要因が,公平な妥当性確認又は検証の決定を行う能力

を損なう又は損なうことが合理的に予想される水準に達する可能性

B.4

公平性に対するリスクの許容可能性の評価及び決定

妥当性確認又は検証機関は,公平性に対するリスクの種類及び大きさ,並びに保護措置の種類及び有効

性について検討することによって,公平性に対するリスクを評価することもあり得る。この基本原則は,

妥当性確認又は検証機関が,様々な活動,関係又は他の状況から生じる公平性に対するリスク水準の特定

及び評価を可能にするプロセスを意味している。

公平性に対するリスク水準は,

“公平性に対するリスクなし”から“公平性に対するリスクが最大”まで

の直線上の一点として表すことができる。これによって,妥当性確認又は検証機関は,公平性に対するリ

スクが許容可能かどうかを評価することができる。リスクを許容できない場合,妥当性確認又は検証機関

は,公平性に対する追加の保護措置(禁止事項を含む。

)又は保護措置の組合せのどれが,公平性に対する

リスクを許容できる水準に低減するかということを決定することもあり得る。公平性に対するリスク水準

の許容可能性を決定する一つの方法を,

表 B.1 に示す。

表 B.1−公平性に対するリスクの許容可能な水準の決定

公平性に対するリス
クなし:客観性が損
なわれている可能性
がまずない 

間接的な公平性に対
するリスク:客観性
が損なわれている可
能性が低い 

何らかの公平性に対
するリスク:客観性
が損なわれている可
能性がある 

公平性に対する高い
リスク:客観性が損
なわれている可能性
が高い 

公平性に対する最大
のリスク:客観性が
事実上損なわれてい
 

妥当性確認又は検証
機関は,リスクを評
価する適当なプロセ

スをもっている

妥当性確認又は検証
機関は,リスクを評
価する適当なプロセ

スをもっている

妥当性確認又は検証
機関は,リスクを評
価する適当なプロセ

スをもっている

妥当性確認又は検証
機関は,リスクを評
価する適当なプロセ

スをもっている

サービスは提供でき
ない

妥当性確認又は検証

の客観性を実証する

妥当性確認又は検証

の客観性を実証する

妥当性確認又は検証

の客観性を実証する

サービスは提供でき

ない

提供したサービスの

結果について客観性
を実証する

提供したサービスの

結果について客観性
を実証する

サービスは提供でき

ない

サービスを提供した
グループ内の異なる
法人との明確な区別

を実証する

サービスは提供でき
ない

妥当性確認又は検証が行われる環境上,幾つかの要因の存在(例えば,妥当性確認又は検証機関は依頼

者から支払を受けている。

を考えると,

公平性に対するリスクは完全に排除できるわけでは必ずしもなく,

そのため,妥当性確認又は検証機関は,常に,客観性を損なわせる一定のリスクを許容している。それに

もかかわらず,公平性に対するリスクに直面している状況においては,妥当性確認又は検証機関は,極め

て低いレベルの公平性に対するリスクだけを許容可能とみなすことが望ましい。

公平性に対するリスクの中には,妥当性確認又は検証機関の中の,一部の要員又はグループだけに影響


22

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

を与えるものがあり,また,リスクの重大性が,要員又はグループによって異なることもある。公平性に

対するリスクが許容できる程度に低い水準であることを確実にするため,妥当性確認又は検証機関は,公

平性に対するリスクごとに影響を受ける要員又はグループを特定し,それらのリスクの重大性を特定する

こともある。妥当性確認又は検証における要員及びグループの役割によって,講じるべき適切な保護措置

の種類が異なることもあり得る。

B.5

妥当性確認を行う者又は検証を行う者の公平性―組織上の又は構造上の課題

上記の側面に加え,必要な保護措置の実施を保証する組織構造によって,公平性が更に保護される必要

がある。そうした組織構造によって,妥当性確認又は検証機関が,自らの公平性を実証できる場合がある。

妥当性確認又は検証機関が公平性を実証するために選択した構造及び組織は,透明性があり,かつ,適

切なプロセスの開発及び適用を支援することが望ましい。

これらのプロセスには,

次の事項が含まれ得る。

a)

顧客及びその他の利害関係者の要求及び期待を理解する。

b)

妥当性確認又は検証機関の方針及び目的を設定する。

c)

公平性を実証するために必要なプロセス及び責任を決定する。

d)

公平性を実証するために必要な基盤及び資源を決定し,提供する。

e)

各プロセスの効率性及び有効性を決定する方法を確立し,適用する。

f)

妥当性確認又は検証機関と要員との双方のレベルにおける潜在的な利害抵触,並びにそうした利害抵

触の特定及び取扱いの方法を特定する。

g)

上記プロセスの継続的改善のためのプロセスを確立し,適用する。


23

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

附属書 C 

参考)

この規格と JIS Q 14064-3 における妥当性確認又は

検証プロセスの要求事項との比較

C.1

  この規格と JIS Q 14064-3 における妥当性確認又は検証プロセスの要求事項との比較を,

表 C.に示

す。

表 C.1−妥当性確認又は検証プロセスと要求事項の関係

要求事項

JIS Q 14065 

JIS Q 14064-3 

事前準備

力量 
公平性 
合意 
チームリーダーの指名

箇条 6

5.4 
5.2

6.3.7

 
 

4.3

アプローチ

チームの選定 
依頼者とのコミュニケーション 
計画

情報のレビュー 
妥当性確認及び検証の計画 
サンプリング計画 
チームリーダーによる計画書の承認 
チームの任期及び活動

箇条 6

7.1, 7.2

 
 
 

8.3.3 
8.3.3

 
 
 

4.4.1 
4.4.2 
4.4.3

妥当性確認又は検証

GHG

に関する主張の評価

証拠の評価

4.5, 4.6, 4.7

4.8

妥当性確認又は検証の声明書

レビュー 
声明書の発行

8.5

4.8 
4.9

記録 

7.5

4.10


24

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

附属書 D 

参考)

マネジメントシステムの文書の例

D.1

文書例

この規格の箇条 12 は,マネジメントシステムに関する要求事項を規定している。マネジメントシステム

の文書は,次の事項を含めるか,又は引用してもよい。

a)

該当する場合は,事業主の名称,異なる場合は,管理する者の名称を含む,妥当性確認又は検証機関

の法的地位を記載したもの

b)

妥当性確認又は検証機能の品質に影響を与える上級管理職,及びその他の妥当性確認又は検証に関わ

る要員の,名称,資格,経験及び委任事項

c)

5.3

に規定されるような,上級管理職に始まる権限系統,責任及び機能の配分,並びに,特に,妥当性

確認又は検証の声明書に関する評価の責任者と決定を行う者との関係を示す組織上の説明

d)

マネジメントレビューを行うための手順

e)

文書管理を含む管理手順

f)

妥当性確認又は検証機関の要員(妥当性確認を行う者又は検証を行う者を含む)の採用及び教育・訓

練,並びにそのパフォーマンスのモニタリングのための手順

g)

契約下にある要員の一覧,並びにその要員の力量の評価,記録及びモニタリングを行うための手順の

細目

h)

不適合への対応及び講じた是正処置の有効性を保証するための方針及び手順

i)

次の事項を含む,妥当性確認又は検証プロセスを実施するための方針及び手順

−  妥当性確認又は検証の声明書を発行するための条件

−  妥当性確認又は検証を実施するための手順

j)

異議申立て,苦情及び紛争に対応する方針,並びにその手順

k)

内部監査の実施のための方針及び手順


25

Q 14065

:2011 (ISO 14065:2007)

参考文献

[1]  JIS Q 9000: 2006

  品質マネジメントシステム−基本及び用語

注記  対応国際規格:ISO 9000:2005,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary

(IDT)

[2]  JIS Q 10002:2005

  品質マネジメント−顧客満足−組織における苦情対応のための指針

注記  対応国際規格:ISO 10002:2004,Quality management−Customer satisfaction−Guidelines for

complaints    handling in organizations

(IDT)

[3]  JIS Q 14064-1

  温室効果ガス−第 1 部:  組織における温室効果ガスの排出量及び吸収量の定量化及び

報告のための仕様並びに手引

注記  対応国際規格:ISO 14064-1:2006,Greenhouse gases−Part 1: Specification with guidance at the

organization level for quantification and reporting of greenhouse gas emissions and removals

(IDT)

[4]  JIS Q 14064-2

  温室効果ガス−第 2 部:プロジェクトにおける温室効果ガスの排出量の削減又は吸収

量の増加の定量化,モニタリング及び報告のための仕様並びに手引

注記  対応国際規格:ISO 14064-2:2006,Greenhouse gases−Part 2: Specification with guidance at the

project level for quantification, monitoring and reporting of greenhouse gas emission reductions or

removal enhancements

(IDT)

[5]  ISO 15489-1:2001

,Information and documentation−Records management−Part 1: General

[6]  ISO 19011:2002

,Guidelines for quality and/or environmental management systems auditing

[7]  ISO/IEC 17000:2004

,Conformity assessment−Vocabulary and general principles