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Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

(1)

目  次

ページ

序文

1

0.1

  一般

1

0.2

  JIS Q 9001 及び JIS Q 9004 との関係

2

0.3

  JIS Q 10001 及び JIS Q 10002 との関係

3

0.4

  適合に関する宣言

3

1

  適用範囲

3

2

  引用規格

4

3

  用語及び定義

4

4

  基本原則

6

4.1

  一般

6

4.2

  紛争解決手続への参加の同意

6

4.3

  アクセスの容易性

6

4.4

  適切性

6

4.5

  公正性

6

4.6

  力量

6

4.7

  適時性

7

4.8

  秘密保持

7

4.9

  透明性

7

4.10

  適法性

7

4.11

  対応能力

7

4.12

  継続的改善

7

5

  紛争解決プロセスの枠組み

7

5.1

  コミットメント

7

5.2

  紛争解決プロセス方針

8

5.3

  トップマネジメントの責任

8

6

  計画,設計及び構築

9

6.1

  一般

9

6.2

  目的

9

6.3

  活動

9

6.4

  経営資源

10

7

  運用

10

7.1

  一般

10

7.2

  苦情の付託

10

7.3

  紛争解決手続開始の通知

10

7.4

  紛争解決手続初期段階での組織の対応の決定

11


Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)  目次

(2)

ページ

7.5

  紛争の解決

11

7.6

  解決内容の実施

12

7.7

  紛争対応の終了

13

8

  維持及び改善

13

8.1

  監視

13

8.2

  分析及び評価

13

8.3

  マネジメントレビュー

13

8.4

  継続的改善

14

附属書 A(参考)紛争解決方法に関する手引

15

附属書 B(参考)JIS Q 10001JIS Q 10002 及び JIS Q 10003 の相互関係

17

附属書 C(規定)紛争解決手続への参加の同意に関する手引

18

附属書 D(規定)アクセスの容易性に関する手引

20

附属書 E(規定)適切性に関する手引

22

附属書 F(規定)公正性に関する手引

24

附属書 G(規定)力量に関する手引

26

附属書 H(規定)適時性に関する手引

27

附属書 I(規定)透明性に関する手引

28

附属書 J(参考)提供者の選定に関する手引

29

附属書 K(参考)紛争解決プロセス方針に関する手引

30

附属書 L(参考)紛争解決プロセスの設計要素に関する手引

31

附属書 M(参考)紛争解決プロセスのフローチャート

32


Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)  目次

(4)

白      紙


日本工業規格

JIS

 Q

10003

:2010

(ISO 10003

:2007

)

品質マネジメント−顧客満足−組織の外部における

紛争解決のための指針

Quality management-Customer satisfaction-Guidelines for dispute

resolution external to organizations

序文

この規格は,2007 年に第 1 版として発行された ISO 10003 を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

0.1

一般

この規格は,組織が,製品に関連する苦情に対する効果的かつ効率的な“外部における紛争解決プロセ

ス”を,計画,設計,構築,運用,維持及び改善するための手引を示す。組織が苦情を内部的に救済しな

い場合,外部における紛争解決手続が,救済のみちを提供する。

なお,多くの苦情は,更に時間のかかる,より敵対的な手続を必要とすることなく,組織内で解決され

る可能性がある。

注記 1  組織には,JIS Q 10002 と整合した,効果的かつ効率的な内部苦情対応プロセスを構築するこ

とを推奨する。

注記 2  この規格では,次のような用語を用いる。

−  “外部における紛争解決手続”は,組織が,裁判手続によらずに製品に関連する紛争を

解決するために,組織以外の第三者に提供させる手続を意味する。例えば,和解の仲介,

あっ(斡)旋,調停,仲裁などがある(

附属書 参照)。

−  “外部における紛争解決プロセス”は,組織が,紛争解決手続によって製品に関連する

紛争を解決するために行う一連の活動を意味する。

−  “解決内容”は,紛争解決手続の開始後に,紛争に関してなされる和解又は裁断的判断

に含まれる,救済及びその条件を意味する。

なお,

“外部における”は略されることがある。

紛争を解決する方法は様々であり,またそれらを説明する用語も様々である。これらの方法には,交渉

促進的なもの,勧告的なもの,又は裁断的なものがある(

附属書 参照)。それぞれの方法は単独で使用

することも,連続して使用することもできる。

この規格は,次に示す目的を達成するために適用できる。

a)

紛争解決プロセスを設計し,苦情申出者に対して,どのような条件で紛争解決手続を提案するかを決

める。

b)

組織の特定のニーズ及び期待を満たすことのできる紛争解決手続提供者(以下,提供者という。3.9


2

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

参照)を選択する。

注記 3  公共部門及び民間部門に属する提供者は,国際的にみれば様々な形態をとり得る。例えば,

特定業界の協会,オンブズマン及び多業種からなる協会がある。

この規格は,組織を対象としたものであるが,提供者も,組織にどのような手引が提供されているかを

知ることで利益を得ることができる。提供者も,彼らの提供する紛争解決手続に,この手引を使用するこ

とができる。

この規格は,組織に対して,顧客満足行動規範及び内部苦情対応プロセスと連携させて,紛争解決プロ

セスを計画,設計,構築,運用,維持及び改善し,それらを組織の品質又はその他のマネジメントシステ

ムに統合することを奨励する。

この規格は,個人及び組織が,組織の紛争解決プロセスの有効性,効率及び公正性を評価することを支

援する。この規格を適用することによって,次に示す事項が可能になる。

−  裁判と比べ,廉価,容易及び/又は迅速となり得る,柔軟な紛争解決手続を提供する。特に国境を越

えた紛争の場合に顕著である。

−  顧客満足及び顧客の組織に対する信頼を高める一助となる。

−  効果的,効率的かつ公正に運用しているという組織及び提供者による主張を評価するときの,基準を

提供する。

−  紛争解決手続の潜在的利用者に対し,アクセスの条件,費用及び法的に生じる効果又は制限について

知らせる一助となる。

−  組織が,紛争の原因を明確にし,取り除く能力を高める。

−  組織内で,苦情及び紛争に対応する方法を改善する。

−  組織の様々なプロセス及び製品の改善に寄与し得る参考情報を組織に提供する。

−  組織の評判を高める,又は組織の評判がきずつくことを回避させる。

−  国内及び国際的競争力を強化する。

−  国際市場において,紛争が公正かつ一貫した方法で取り扱われることに対する信頼を提供する。

外部における紛争解決手続は,法令・規制要求事項の対象となり得ることに注意が必要である。

注記 4  紛争解決手続に関する用語は,必ずしも世界全体で共通ではない。一部の同義語の用語集を,

附属書 に示す。

0.2

JIS Q 9001

及び JIS Q 9004 との関係

この規格は,JIS Q 9001 及び JIS Q 9004 と両立し,紛争解決プロセスの効果的かつ効率的な適用を通じ

て,これら二つの規格の目的を支援する。この規格は,JIS Q 9001 及び JIS Q 9004 から独立して使用する

こともできる。

JIS Q 9001

は,組織内での適用,認証又は契約の目的で使用することのできる品質マネジメントシステ

ムの要求事項を規定している。この規格に規定する紛争解決プロセスは,品質マネジメントシステムの一

つの要素として用いることができる。

この規格は,認証又は契約目的での使用を意図したものではない。

JIS Q 9004

は,品質マネジメントシステムに関し,パフォーマンスの継続的改善のための手引を提供し

ている。この規格を利用することによって,苦情申出者との紛争を解決するときのパフォーマンスを更に

向上させ,顧客,苦情申出者及びその他の利害関係者の満足を高めることができる。また,顧客,苦情申

出者及びその他の利害関係者からのフィードバックに基づいた,製品品質及びプロセスの継続的改善に寄

与することができる。


3

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

注記  顧客及び苦情申出者とは別に,その他の利害関係者には,供給者,業界団体及びそのメンバー,

消費者団体,関連行政機関,要員,所有者,並びに紛争解決プロセスの影響を受けるその他の

者を含めることができる。

0.3

JIS Q 10001

及び JIS Q 10002 との関係

この規格は,JIS Q 10001 及び JIS Q 10002 と両立する。これら三つの規格は,それぞれを単独で用いる

ことも,組み合わせて用いることもできる。JIS Q 10001JIS Q 10002 及びこの規格を組み合わせて用い

た場合,これらの規格は,行動規範,苦情対応及び紛争解決プロセスを通じた顧客満足向上のための,よ

り広範で統合された枠組みの一部となり得る(

附属書 参照)。

JIS Q 10001

は,組織の顧客満足行動規範に関する手引を規定する。このような顧客満足行動規範は,顧

客が組織及びその製品に期待できることを示すことによって,

問題発生の可能性を減少させることができ,

かつ,苦情及び紛争の原因を取り除くことができる。それでも苦情及び紛争が発生する場合,顧客満足行

動規範の存在は,顧客が期待できること及びその期待にこたえるための組織の努力について,関係者の理

解を助けることができる。

JIS Q 10002

は,製品に関連した苦情の組織内での対応に関する手引を規定する。苦情が組織内部で解決

されていない場合は,JIS Q 10003 を適用することができる。

0.4

適合に関する宣言

この規格は,手引として用いるためだけに作成された。この規格に規定する,適用されるすべての手引

を実施した場合は,紛争解決プロセスはこの手引に基づいているという宣言を行ってもよい。

ただし,この規格への適合を主張又は暗示する宣言は,この規格の意図と矛盾することになり,したが

って,こうした宣言を行うことは不適切である。

注記  この規格への適合を主張し,又は暗示する宣言を,様々な媒体のための,宣伝用及びコミュニ

ケーション用のものの中で行うことは不適切である。宣伝用及びコミュニケーション用のもの

とは,例えば,報道発表,広告,販促用冊子,ビデオ,職員(スタッフ)による説明,ロゴ,

スローガンなどである。媒体の範囲は,印刷物及び放送から,インターネット及びマルチメデ

ィア,製品ラベル,看板,バナーなどまで及ぶ。

1

適用範囲

この規格は,組織が,組織内部で解決されなかった苦情に対する効果的かつ効率的な紛争解決プロセス

を計画,設計,構築,運用,維持及び改善するための手引を示す。この規格は,次の事項に適用できる。

−  組織が顧客向けに意図した,若しくは顧客が要求した,組織の製品に関する苦情,苦情対応プロセス

に関する苦情又は紛争解決プロセスに関する苦情

注記 1  この規格では,“製品”は,サービス,ソフトウェア,ハードウェア及び素材製品を含む。

注記 2  この規格では,“製品に関連する苦情”は,製品の仕様又は性能に関する苦情に限定しない。

−  電子商取引に起因するものを含む,国内又は国境を越えた事業活動によって生じる紛争の解決

この規格は,組織の種類,規模及び提供する製品を問わず,様々な組織に使用されることを意図してい

る。この規格は次の事項を扱う。

−  組織がいつ,どのように紛争解決手続に参加できるかを決定するための手引

−  提供者の選択及びそのサービスの利用に関する手引

−  紛争解決プロセス及び組織内の適切な資源配分に対するトップマネジメントの関与及びコミットメン


4

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

−  公正かつ適切で,透明性があり,アクセスしやすい紛争解決手続に不可欠な要素

−  組織の紛争解決手続への参加に関する運営管理のための手引

−  紛争解決プロセスの監視,評価及び改善

注記 3  この規格は,特に,組織と次に示すいずれかの者との間の紛争解決プロセスを対象としてい

る。

−  個人用若しくは家庭用として製品を購入又は使用する個人

−  小規模事業者

この規格は,認証又は契約目的での使用を意図したものではない。また,この規格は,雇用紛争のよう

な他の種類の紛争の解決には適用しない。この規格は,適用される法令・規制要求事項に規定される権利

又は義務を変更するものではない。

この規格は,組織内における苦情対応には適用しない。

注記 4  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 10003:2007

,Quality management−Customer satisfaction−Guidelines for dispute resolution

external to organizations

(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”

ことを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS Q 9000

  品質マネジメントシステム−基本及び用語

注記  対応国際規格:ISO 9000:2005,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary(IDT)

3

用語及び定義

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Q 9000 によるほか,次による。

3.1

協会(association)

組織又は人を会員として構成された組織(3.8

3.2

苦情申出者(complainant)

苦情(3.3)を申し出ている人,組織(3.8)又はそれらの代理人。

注記 1  この規格では,組織に対して何らかの苦情申出をせずに,最初から提供者(3.9)に対して苦

情を申し立てた顧客も,同様に“苦情申出者”とみなす。

注記 2  この定義は,代理人が人又は組織を代理することができるという点で,JIS Q 10002 に規定す

る定義を明確にするものである。

3.3

苦情(complaint)

製品又は苦情対応プロセスに関しての,組織(3.8)に対する不満足の表現で,その対応又は解決が,明

示的又は暗示的に期待されているもの(JIS Q 10002:2005 の 3.2 参照)

注記  苦情は,紛争(3.6)解決手続に関して申し立てることもできる。


5

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

3.4

顧客(customer)

製品を受け取る組織(3.8)又は人。

例  消費者,依頼人,エンドユーザ,小売り業者,受益者及び購入者

注記 1  顧客は,組織の内部又は外部のいずれでもあり得る。

注記 2  この規格の目的のためには,“顧客”という用語に潜在的顧客を含む。

注記 3  JIS Q 9000:2006 の 3.3.5 を一部修正して採用した。

3.5

顧客満足(customer satisfaction)

顧客の要求事項が満たされている程度に関する顧客(3.4)の受けとめ方。

注記 1  顧客の苦情(3.3)は,顧客満足が低いことの一般的な指標であるが,顧客の苦情がないこと

が必ずしも顧客満足度が高いことを意味するわけではない。

注記 2  顧客要求事項が顧客と合意され,満たされている場合でも,それが必ずしも顧客満足が高い

ことを保証するものではない。

JIS Q 9000:2006 の 3.1.4

3.6

紛争(dispute)(紛争解決プロセスにおける)

提供者(3.9)に対して申し立てられる,苦情(3.3)に関する合意のない状態。

注記  組織(3.8)によっては,顧客(3.4)が提供者に対して最初から不満足を表明することを認めて

いる。この場合,その不満足の表明は,回答を求めて組織に送られた時点で苦情となり,また,

提供者の介入なしに組織によって解決されなかった場合に紛争となる。多くの組織は,顧客が,

組織の外部における紛争解決手続を利用する前に,不満足をまず組織に対して表明することを

望む。

3.7

紛争解決者(dispute resolver)

紛争(3.6)の解決において,当事者を援助するため,提供者(3.9)によって選定される個人。

注記  スタッフ,ボランティア又は契約を結んだ個人が紛争解決者となり得る。

3.8

組織(organization)

責任,権限及び相互関係が取り決められている人々及び施設の集まり。

例  会社,法人,事業所,企業,団体,慈善団体,個人業者(sole trader),協会(3.1),若しくはこれ

らの一部又はその組合せ。

注記 1  この規格は,紛争(3.6)解決プロセスにおいて,異なる役割を担う様々な種類の組織につい

て述べている。これらの組織には,未解決の苦情(3.3)を抱える組織,紛争解決手続の提供

者(3.9

,及び紛争解決手続を提供又は支援する協会(3.1)が含まれる。この規格では,便

宜的に,

“組織”という用語を単独で使用する場合は,未解決の苦情が申し立てられている組

織で,現に又は将来の可能性として,紛争の当事者になる者を意味することとする。

“提供者”

及び“協会”という用語は,それ以外の種類の組織を示すときに用いる。

注記 2  JIS Q 9000:2006 の 3.3.1 の定義を適用する。


6

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

3.9

提供者(provider)(紛争解決プロセスにおける)

組織の外部における紛争(3.6)解決手続を提供し,運用する人又は組織(3.8

注記 1  一般に,提供者は,組織及び苦情申出者(3.2)とは法的に異なる主体である。このことによ

って,独立性及び公正性という性質が強化される(4.5 参照)

。場合によっては,未解決の苦

情(3.3)に対応するため,組織内に別の部署が設けられることがある。この規格は,そのよ

うな状況で使用されることを意図したものではないが,その場合にも有用となり得る。

注記 2  提供者は,紛争解決手続を提供するために両当事者と契約を結び,その履行に対する責任を

負う。提供者は,紛争解決者を選定する。提供者はまた,支援要員,経営幹部及びその他の

要員を活用し,財源,事務的サポート,スケジュール調整の援助,教育・訓練,会議室,監

督及びこれに類する職務を提供する。

注記 3  提供者は,非営利団体,営利団体及び公共団体を含め,様々な形態をとることができる。協

会(3.1)もまた,提供者になり得る。

4

基本原則

4.1

一般

4.2

4.12 に示す基本原則を順守することが,組織の外部における効果的かつ効率的な紛争解決プロセス

の基盤である。

4.2

紛争解決手続への参加の同意

組織の提案する紛争解決手続への苦情申出者の参加は,任意であることが望ましい。参加への同意は,

紛争解決手続及び考えられる手続の結果についての十分な知識及び理解に基づくことが望ましい。

顧客が,

個人用又は家庭用として製品を購入若しくは使用する個人の場合,紛争解決手続への参加の同意を,顧客

に対する製品提供の条件としないことが望ましい(

附属書 参照)。

注記 1  企業間契約においては,紛争解決手続への参加の同意を条件とすることができる。

注記 2  国によっては,紛争解決手続への参加の同意が様々な法令・規制要求事項によって制約を受

ける可能性がある。

4.3

アクセスの容易性

紛争解決手続は見つけやすく,利用しやすいことが望ましい(

附属書 参照)。

4.4

適切性

紛争当事者に対して提供される紛争解決方法の種類(

附属書 参照)及び苦情申出者に提供可能な救済

は,紛争の性質に応じて適切なものであることが望ましい(

附属書 参照)。

4.5

公正性

組織は,公正かつ誠実に苦情申出者との紛争を解決するという意図をもって,紛争解決手続に臨むこと

が望ましい。組織は,紛争解決手続に従事する紛争解決要員及び紛争解決者が偏りなく,かつ,客観的で

あるような提供者を選択することが望ましい(

附属書 参照)。それによって,紛争解決手続,勧告及び

裁断的判断が両当事者にとって公正であり,また独立性をもって行われたと認められる。

4.6

力量

組織の要員,提供者及び紛争解決者には,各自の責務を十分に遂行するために必要な個人的特質,技能,

教育・訓練及び経験が備わっていることが望ましい(

附属書 参照)。


7

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

4.7

適時性

紛争解決手続は,紛争の性質及び利用される紛争解決方法の性質を考慮して,できる限り迅速に実施さ

れることが望ましい(

附属書 参照)。

4.8

秘密保持

個人を特定できる情報は,法令によって開示が義務付けられた場合,又は当該個人から開示の同意が得

られた場合を除き,秘密として取り扱い,保護することが望ましい。同様に,企業秘密も,法令によって

開示が義務付けられた場合,又は開示の同意が企業秘密をもつ当事者から得られた場合を除き,秘密とし

て取り扱われ保護されることが望ましい。

注記 1  個人を特定できる情報とは,ある個人との関係で,その人物を特定するために用いることが

できる情報であり,個人の氏名,住所,E メールアドレス,電話番号又はこれに類する具体

的識別情報によって検索可能な情報である。この用語の正確な定義は,国によって異なる。

注記 2  この原則は,紛争中に入手した情報の使用又は開示の管理方針によって実現することができ

る。この方針には,当該管理方針を紛争当事者に通知することを含む。

注記 3  紛争解決手続への組織の自発的参加を促すため,法令によって開示が義務付けられている場

合を除き,組織の名称を伏せることが必要な場合もある。

4.9

透明性

紛争解決手続,提供者及びそのパフォーマンスに関する十分な情報を,苦情申出者,組織及び一般に開

示することが望ましい(

附属書 参照)。

注記  ここでいう“透明性”とは,苦情申出者の個人情報及び組織の企業秘密についての情報ではな

く,紛争解決手続,

提供者及びそのパフォーマンスについての情報の開示に関することである。

4.10

適法性

紛争解決手続は,適用される法令及び当事者の合意に従って運用されることが望ましい。

4.11

対応能力

紛争解決プロセスのために,十分な経営資源を活用できるようにして,配分するとともに,これを効果

的かつ効率的に運用管理することが望ましい。

4.12

継続的改善

紛争解決プロセスの有効性及び効率の向上が,組織の永続的な目的であることが望ましい。

5

紛争解決プロセスの枠組み

5.1

コミットメント

組織は,組織の紛争解決プロセス方針(5.2 参照)に適合する,効果的かつ効率的な紛争解決プロセスを,

責任をもって実行することが望ましい。トップマネジメントがこのコミットメントを行動で示し推進する

ことは,特に重要である。紛争解決プロセスに対する明確なコミットメントは,組織の内部苦情対応プロ

セスの有益な補完手段となり得る。また,その明確なコミットメントによって,要員及び苦情申出者のい

ずれもが組織のプロセス及び製品の改善に貢献することができる。このコミットメントは,紛争解決プロ

セスのための方針及び手順の確立並びに普及において反映され,また,教育・訓練を含む適切な経営資源

の提供において反映されることが望ましい。

また,組織は,組織の目的及びプロセス設計と整合する紛争解決手続を提供できる,効果的かつ効率的

な提供者を,責任をもって選定することが望ましい(

附属書 参照)。

注記  提供者が協会である場合,その提供者は,組織が今後依頼をする可能性のある提供者を評価す


8

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

るのと同じ方法で,自らの経験及び対応能力を評価することが望ましい。

5.2

紛争解決プロセス方針

5.2.1

方針の設定

トップマネジメントは,明りょう(瞭)かつあいまい(曖昧)さのない紛争解決プロセス方針を設定す

ることが望ましい。この方針は,組織が,どのような場合に顧客に紛争解決手続に関する情報提供を行う

か,どのような場合に苦情申出者に解決内容を提案するかの記述を含むことが望ましい(

附属書 参照)。

組織は,また紛争解決手続を開始する前に,苦情申出者に内部の苦情対応プロセスを利用するように求め

るか否かを決定しておくことが望ましい。関係するすべての要員,苦情申出者,顧客及びその他の利害関

係者が,この方針を入手できることが望ましい。この方針は,紛争解決手続に含まれるそれぞれの職務及

び要員の役割に関する手順及び目的によって裏付けられることが望ましい。

注記  組織は,組織の定める基準に基づき,紛争発生前に,将来の紛争に対する紛争解決手続の利用

にあらかじめ合意しておくことも,紛争発生後にケースバイケースで紛争解決手続の利用に合

意することもできる。組織は,すべてのケースについてこのようなコミットメントを示すこと

も,特定の種類のケースに限って示すこともできる。事前のコミットメントは,保証契約又は

それ以外の顧客との契約(

附属書 参照),広告に示した“約束”,提供者との合意など,様々

な方法で示すことができる。

紛争解決プロセス方針を設定するに当たり,組織は,次の事項を考慮することが望ましい。

−  関連する法令・規制要求事項

−  財務上,経営上及び組織上のニーズ

−  方針が顧客満足に与えると思われる影響

−  競争環境

−  苦情申出者,顧客,要員及びその他の利害関係者からの,及び/又はこれらの者に関するインプット

−  組織における品質マネジメントプロセス,顧客満足行動規範及び苦情対応プロセス

−  裁判等の,紛争を解決するための代替策

5.2.2

方針のレビュー

方針は,定期的にレビューし,必要に応じて更新することが望ましい。

5.2.3

方針の一貫性

品質,苦情対応及び紛争解決プロセスに関する方針は,一貫性をもつことが望ましい。

5.3

トップマネジメントの責任

トップマネジメントは,次に示す事項を確実に行うことが望ましい。

−  紛争解決プロセス方針を組織内に伝達し,関係する部署及び階層において目的を設定する。

−  これらの目的に従って,紛争解決プロセスを計画,設計,構築,運用,維持及び改善する。

−  紛争解決プロセスと,組織の顧客満足向上に対する取組み全体との関係を,要員が理解する。

−  組織が,効果的で,公正,適法かつ効率的な経営資源を決定し,配分する。この資源には,適切な教

育・訓練が含まれる。

−  組織内の関係するすべての要員,顧客及び苦情申出者に対して,紛争解決手続を推進し広く知らせ,

十分に説明する(4.34.9

附属書 及び附属書 参照)。

−  組織全体において,紛争解決プロセスの責任及び権限がどこにあるのかを明確に定める。

−  紛争解決手続,紛争解決手続における組織側の担当者,提供者,及び紛争解決手続の結果についての

重大な苦情を,迅速かつ効果的に組織内に通知する。


9

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

6

計画,設計及び構築

6.1

一般

組織は,効果的かつ効率的な紛争解決プロセスを,計画,設計及び構築することが望ましい。これには,

紛争解決プロセスに必要な手順の策定が含まれる。

6.2

目的

組織は,紛争解決プロセスによって達成すべき目的を設定することが望ましい。これらの目的は,紛争

解決プロセス方針(5.2 参照)と矛盾せず,また,その達成度が,適切なパフォーマンス指標を用いて判定

可能であることが望ましい。

これらの目的は定期的にレビューし,

必要に応じて更新することが望ましい。

6.3

活動

6.3.1

現状の分析・評価

組織は,苦情及び紛争を解決するための現在の取組みを分析・評価し,資源の追加又は取組みの変更が

必要か否かを決定することが望ましい。このような分析・評価は,次の事項を考慮するとよい。

−  苦情及び紛争の性質及び頻度

−  現在,紛争にどのように対応しているか

−  成功例及び失敗例,それぞれにおける組織の紛争への対応方法

−  紛争の解決に成功した場合及び失敗した場合,それぞれにおける組織の費用及び効果

−  外部における紛争解決手続を選択する場合の費用及び効果

6.3.2

設計

組織は,組織の苦情対応及び紛争解決プロセスにおける活動,資源並びに紛争解決プロセス方針の分析

に基づき,紛争解決プロセスを設計することが望ましい。紛争解決プロセスは,組織の品質マネジメント

システムにおける他のプロセスとつながりをもつ場合がある。また,紛争解決プロセスは,これらのプロ

セスと整合していることが望ましい。設計時には,紛争解決プロセスに関する他の組織の最善の実施例を

考慮することが望ましい。また,紛争解決手続に関与することが予測される提供者を設計にかかわらせる

ことが望ましい(

附属書 参照)。

考慮することが望ましい要因には,次の事項を含む。

−  箇条 で規定する基本原則

−  解決しようとする紛争のタイプ(顧客及び苦情申出者の種類,製品の種類など)

−  紛争解決手続において組織が合意可能な救済の範囲

−  提供する紛争解決方法の種類(交渉促進的,勧告的及び/又は裁断的方法)

−  組織が,紛争解決手続への参加について事前にコミットメントを示すのか,又はケースバイケースで

判断していくのかの選択

−  紛争解決者の適格性

−  苦情申出者に対して請求される手数料(ある場合)

附属書 参照)

−  当事者の参加方法(例えば,本人の出席,書面提出,電話及び/又はインターネット)

−  紛争を評価するときの基準(法令・規制要求事項,行動規範,及び/又は公正性若しくは衡平)

注記 1  ここでは,

“公平”が,すべての事案を同様に扱うことで正義の実現を図る規範を指すことが

あるのに対して,

“衡平”は,事案の内容,当事者の性質などを考慮して事案の扱いを変える

ことによって,全体として均衡のとれた正義の実現を図る規範を指す。

注記 2  協会も,メンバー及びその他の者のための紛争解決手続を設計する。


10

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

6.3.3

試行

組織は,紛争解決プロセスをすべての苦情申出者に適用する前に,一部の苦情申出者に対して,紛争解

決プロセスの設計上の特徴について,試行を検討することが望ましい。試行は,限られた地域及び/又は

複数の提供者について行うことができる。組織の方針及び目的が最もよく実現されるように設計上の特徴

を改善するという観点から,試行の結果を分析することが望ましい。

6.4

経営資源

組織は,次に示す事項を効果的かつ効率的に行うため,要員,情報,材料,資金及びインフラストラク

チャーなどの経営資源を確保し,配分することが望ましい。

−  適切な提供者を選択する。

−  提供者が適正に機能するように協力する。

−  紛争解決手続に参加する。

−  提供者,その解決者及び紛争解決手続のパフォーマンスを評価する。

7

運用

7.1

一般

組織は,組織の紛争解決プロセスのための手順を公正,効率的かつ効果的に適用することが望ましい。

必要に応じ,提供者及び組織は,次の事項に関する連携を確実にするために,双方の運用手順を調整する

ことが望ましい。

−  紛争の開始

−  紛争の追跡

−  紛争解決手続開始の通知

−  初期紛争評価

−  紛争解決手続(関連する証拠の収集手順を含む。

−  解決内容の実施及びフォローアップに関する協力

紛争解決手続の様々なステップを示す図を,

附属書 に示す。

注記  この規格では,

“紛争の開始”は,顧客による提供者への苦情の申出(3.2 参照)

,又は組織によ

る提供者への苦情の付託(7.2 参照)によって,提供者が紛争解決手続を開始することを指す。

同じく,

“紛争の追跡”は,各紛争が紛争解決手続においてどの段階にあるかを組織が追跡し,

組織の対応を検討することを指す。

7.2

苦情の付託

組織は,提供者への未解決の苦情付託手順を適用することが望ましい。組織は,組織内部で対応してき

たものの,解決されていない苦情を付託することができる。また,苦情申出者が組織に対し,自らの苦情

を組織ではなくまず提供者に対応して欲しいと伝達し,組織の紛争解決プロセス方針がそれを認めている

場合にも,付託を行うことができる。組織は,提供者との合意又は顧客との契約において,組織が定めた

基準に照らし,苦情を評価することが望ましい。苦情が基準を満たす場合,組織はその苦情を提供者に付

託することが望ましい。苦情が基準を満たさない場合,組織は適切な終了手順によって苦情対応を完結す

ることが望ましい。また,組織は,組織が提供者に付託したすべての苦情の対応状況を把握し,いずれの

苦情にも対応できるようにすることが望ましい。

7.3

紛争解決手続開始の通知

紛争解決手続が開始された時点で,組織は適切な要員に通知することが望ましい。通知対象は,紛争解


11

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

決要員のほかに,品質保証,苦情対応,顧客サービス及び法務担当者を含む。

7.4

紛争解決手続初期段階での組織の対応の決定

7.4.1

紛争の評価

組織は,紛争を評価するために必要な,次のようなステップを踏むことが望ましい。

−  販売記録又は広告のコピー(必要に応じて)

,検査記録又は修理記録,作成した苦情対応記録,及び当

該苦情申出者が申し立てた他の苦情に関する記録(ある場合)を含む,紛争の原因となった取引又は

プロセスに関する記録を入手する。

−  その紛争の内容に応じて,組織のために活動する技術要員,法務要員,販売要員,マーケティング要

員,苦情対応要員及びその他の要員と協議する。

注記  組織は,取引記録,苦情記録及び関連する記録を,提供者,紛争解決者及び/又はその他の関

係者に適切な様式で引き渡すことができるように,容易に変換可能な様式で保管することが望

ましい。

7.4.2

初期対応方針の決定

関連する記録及び必要なインプットを収集した後,組織は,その事案について組織が負う可能性のある

責任及び(もしあれば)苦情申出者に提供してもよい救済について初期対応方針を決定することが望まし

い。組織は,提供者の手順に沿って,その立場を提供者に伝えるか,又は(提供者にコピーを提出した上

で)苦情申出者に直接伝えることが望ましい。初期対応方針としては,次のいずれかが考えられる。

−  苦情申出者の要望に従ってその事案を解決する。

−  要望された救済のすべてではなく一部だけを提供する。

−  要望された救済を全く提供しない。

注記  組織が,紛争解決手続において,法令,行動規範又はその他の根拠に定められていると考えて

いない一つ又は複数の救済を,苦情申出者に対して提供することを決定することは,まれ(稀)

でない。組織は,信義誠実の表現としての,顧客満足向上方針の一環としての,若しくは,紛

争解決者,行動規範を管理する協会,又は裁判所がこの状況について組織とは異なる見解を示

す可能性があるという認識の下に,救済を決定することが考えられる。

7.5

紛争の解決

7.5.1

交渉促進的方法

交渉促進的方法(

附属書 参照)においては,組織が初期対応方針を伝達した後に,当該事案を解決す

るための提案又は修正提案を受ける態勢をとることが望ましい。組織は,その提案を苦情申出者から直接

受ける場合と,紛争解決者の取組みを通じて受ける場合とがある。組織が解決案を受け取った場合は,苦

情申出者の立場を適切な要員に連絡することが望ましい(7.3 参照)

。その後,組織は再度評価を行い,解

決案に関する新たなインプット(7.4 参照)を入手することができる。組織は,解決案を受諾するか,拒否

するか,又は修正提案を行うかを決定することが望ましい。組織は,提供者の手順に合致した方法で,苦

情申出者及び/又は紛争解決者に連絡することが望ましい。解決案を受け入れる場合,組織は,法的助言

者,解決内容の実施に関与する者などの適切な要員に,当該事案をゆだ(委)ねることが望ましい(7.6

参照)

この段階で和解が成立しない場合,その他の紛争解決方法が存在する場合は,組織は,どのような解決

方法がこの紛争に適切かつ適用され得るかを判断し,この点についての組織の判断を提供者に連絡するこ

とが望ましい。


12

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

7.5.2

勧告的方法及び裁断的方法

勧告的方法又は裁断的方法(

附属書 参照)を利用することとした場合,組織は,効果的かつ効率的に

紛争解決手続に参加できるように日程調整し,準備を整えることが望ましい。組織は,例えば次のような

ステップを踏むことが望ましい。

−  事案を管理する担当者を任命する。

−  紛争解決手続に整合的な,望ましい参加方法を決定する(例えば,実際に出席する,電話を利用する,

文書を提出するなど)

−  必要に応じ,更に調査を実施する。

−  証拠を集め,整理する。

−  証人及び証拠書類になり得るものを特定する。

−  その事案について,組織が受諾可能な解決内容の範囲を明確化する。

−  その事案の解決のための判断を行う権限をもつ者を決定する。

−  必要に応じて,口頭及び/又は書面による主張を準備する。

−  紛争解決手続終了前に和解に至る可能性を検討する。

−  紛争解決手続に参加する。

7.5.3

和解

紛争解決手続の結果,和解が成立した場合,組織は,法的助言者,解決内容の実現に関与する者などの

適切な要員に当該事案をゆだ(委)ねることが望ましい(7.6 参照)

7.5.4

勧告の受諾

紛争解決手続が勧告(

附属書 参照)によって終了する場合,組織は,その勧告を真剣に検討し,これ

を受諾するか否かを決定することが望ましい。組織の受諾又は拒否は,提供者の紛争解決手続のための手

順及び該当する行動規範に従って,提供者及び苦情申出者に伝達することが望ましい。組織及び苦情申出

者が受諾した場合,当該事案の解決内容を実施に移すことが望ましい(7.6 参照)

。勧告を拒否する場合,

組織は,拒否の理由を提供者及び苦情申出者に伝達することが望ましい。

7.5.5

裁断的判断の見直し

紛争解決手続が裁断的判断によって終了する場合,紛争解決手続の手順に基づく判断の見直しの仕組み

があるとき,又は適用される法令によって見直しが認められるとき,組織は,その見直しを要求するか否

かを決定することが望ましい。この見直しの目的は,関連する紛争解決プロセスの基本原則(箇条 参照)

及び手順が正しく順守されたかどうかを評価することである。見直しの仕組みがない又は利用できない場

合,若しくは組織が見直しを要求しないことを決定した場合,裁断的判断における解決内容が確実に実現

されるよう,それを組織内の適切な要員に伝達することが望ましい(7.6 参照)

7.6

解決内容の実施

紛争が解決された後,組織は,和解内容,勧告又は裁断的判断に従って,解決内容の実現に必要なすべ

てのステップを踏むことが望ましい。これらのステップには,次の事項を含めることが望ましい。

−  解決内容を実現するために必要な組織の行為が,和解内容,勧告又は裁断的判断において特定されて

いるか否かを判断する(例えば,返金又はそれ以外の金銭等の支払い,製品の修理,命じられた又は

合意されたその他の特定の行為など)

注記 1  苦情申出者側にも,和解内容,勧告又は裁断的判断の実現のために行わなければならない特

定の行為(返金の条件として製品を返却すること,組織が指定する修理施設に製品を持ち込

むことなど)が生じることがある。


13

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

−  このような行為を実施する責任を,組織内外の適切な要員(顧客関係,財務関係,製造関係,販売関

係,流通業者,フランチャイズ店など)に割り当て,また,これらの要員に,実現のために設定され

た期限又は期待される時間枠を,適宜,伝達する。

−  責任を負う要員,苦情申出者及びその他の関係者の間で解決内容実現のための調整を行い,解決内容

実現の進ちょく(捗)について,相互に監視する。

−  必要な行為が完全に履行されたことを確認する。

−  解決内容の実施が完了したときには,その旨を提供者に通知する。もし実施が遅れている場合には,

理由を付して,その旨を提供者に通知する。

−  解決内容の実施に苦情申出者が満足しているか否かを判断し,苦情申出者が満足している場合は紛争

への対応を終了する。また,苦情申出者が解決内容の実施状況に満足しておらず,かつ,更なる行為

が必要な場合は,どのような行為をすべきかを判断する。

注記 2  更なるこの行為には,解決内容の実現を確実にするための追加的なステップ,又は紛争解決

手続の再開が含まれる場合がある。

7.7

紛争対応の終了

解決内容が遺漏なく実現された場合,又は紛争解決手続が救済を伴うことなく終了した場合,組織は当

該紛争に関する対応を終了し,かつ,組織内外の適切な要員にこれを通知してもよい。紛争の記録は,組

織の記録保持方針及び適用される法的要求事項に従って維持管理されることが望ましい。

8

維持及び改善

8.1

監視

組織は,すべての紛争の性質,進ちょく(捗)及び結果に関する情報を収集し,記録することが望まし

い。組織は,組織自体の紛争解決プロセスのデータを管理することも,提供者から入手したデータを使用

することもできる。

8.2

分析及び評価

組織は,次の事項に関する,システム的又は個別的な問題点及び傾向を特定するため,収集又は入手し

た紛争解決プロセス情報を定期的に分析することが望ましい。

−  製品

−  顧客満足向上のための取組み

−  苦情対応プロセスの手順及び紛争解決プロセスの手順

−  紛争解決手続における組織側担当者の対応

−  提供者の選定

8.3

マネジメントレビュー

8.3.1

一般

トップマネジメントは,次の事項を目的として,定期的に組織の紛争解決プロセスをレビューすること

が望ましい。

−  紛争解決プロセスの適切性,妥当性,有効性及び効率を維持する。

−  紛争解決手続においてなされた和解,勧告及び裁断的判断の内容が順守されておらず,その程度が著

しい事例に対処し,その再発防止に取り組む。

−  紛争解決手続における組織側担当者の対応の問題点を特定し,是正する。

−  紛争解決プロセス,製品及び顧客満足向上のための取組みを改善する機会について評価する。


14

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

8.3.2

インプット

マネジメントレビューでは,紛争解決プロセスにかかる次の事項に関する情報を検討することが望まし

い。

−  内部的要因,例えば,方針,目的及び組織構造の変更,利用可能な資源の変化並びに紛争解決手続及

び提供される製品の変更

−  外部的要因,例えば,法令改正,競合他社の活動方針の変更及び技術革新

−  紛争解決プロセスの全体的パフォーマンス

−  提供者の紛争解決手続の方法に対する評価の結果

−  是正処置及び予防処置の現状

−  これまでのレビューで決定した処置

注記  紛争解決プロセスの全体的パフォーマンスに関する情報には,次の事項を含むことがある。有

効性,効率,組織に対する顧客の信頼度,顧客満足度,解決された苦情の割合,コスト(想定

される裁判費用との比較を含む。

,及び提供者に関する継続的評価の結果。

8.3.3

アウトプット

マネジメントレビューのアウトプットには,次の事項に関する決定を含めることが望ましい。

−  紛争解決プロセス,苦情対応及びその他のプロセスの有効性及び効率の改善,並びに製品の改良

−  現在の紛争解決手続提供者の力量,パフォーマンス及び適切性

−  紛争解決プロセスに関する組織的なニーズ及び組織的な問題点として特定された事項(例えば,教育・

訓練プログラム)に対する取組み

マネジメントレビューの記録を作成し,維持管理することが望ましい。

8.4

継続的改善

組織は,紛争解決プロセスの有効性及び効率を継続的に改善することが望ましい。これは,是正処置及

び予防処置,並びに革新的改善を通じて達成することができる。

組織は,苦情の再発及び発生を防止するために,現存する問題及び将来起こり得る問題の原因を取り除

くための処置をとることが望ましい。

組織は,次の事項を実施することが望ましい。

−  紛争解決プロセスに関する最善の実施例を調査し,特定し,適用する。

−  組織内部で顧客重視の志向を促進する。

−  紛争解決プロセスの発展改良において革新を奨励する。

−  紛争解決プロセスの発展改良の責任者に,プロセスの問題点を伝達する。

−  模範的な方法で解決内容が提供された事例を推奨する。

注記  継続的改善のための一般的な方法論に関する追加的な手引として,JIS Q 9004:2000 の附属書 B

を参照できる。


15

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

附属書 A

参考)

紛争解決方法に関する手引

A.1

一般

紛争解決方法を表す用語法は,国によって異なる

1)

。ある国で特定の方法を表すために用いられる用語

が,別の国では別の方法を表すために用いられる場合もある。用語が一貫性をもたずに使用されることを

避けるため,この規格では,様々な方法を表すために,機能に基づいた“交渉促進的方法”

“勧告的方法”

及び“裁断的方法”という用語を使用する。この附属書では,それぞれの方法がもつ重要な特徴について

手引を示し,これらの方法を表すために各国で用いられている用語を明確にする。

1)

国家規格団体は,当該国で使用されている用語を記載した附属書で,この附属書を補足するこ

とができる。

A.2

交渉促進的方法

交渉促進的方法とは,紛争解決内容の合意(和解)に達するため,当事者が援助を受ける方法である。

一般に,紛争解決者は特定の結果を推奨しない。また,結果についての裁定は行わない。交渉促進的方法

は,消極的な方法から積極的な方法まで多岐にわたる。

より消極的な方法とは,提供者の要員からの援助が,当事者間の連絡を助けることに限定される場合で

ある。このような援助には,インターネットをベースとするオンライン紛争解決手続プラットフォームな

ど,提供者のソフトウェア技術の使用が含まれる。消極的な方法においては,提供者の要員又は技術は,

当事者の立場及び解決案を伝達し,契約として法的効力をもつことになるすべての合意を選択し,契約に

取り込み,記録するだけである。このような交渉促進は,しばしば,あっ(斡)旋(conciliation)又は援

助された交渉と呼ばれる。ただし,一部の国では,この,より消極的な方法を調停(mediation)と呼んで

いる。

より積極的な方法は,当事者による問題点の明確化,選択肢の立案,代替策の検討,及び契約として法

的効力をもち得る合意を成立させるための取組みを支援することを目的とした,紛争解決者の積極的関与

を伴う。

この,より積極的な交渉促進的方法は,しばしば調停と呼ばれる。しかし,一部の国では,この方法を

あっ(斡)旋と呼んでいる。

積極的な交渉促進的方法を用いる紛争解決者は,交渉促進者,あっ(斡)旋人,調停人又は中立的な第

三者と呼ばれることがある。

A.3

勧告的方法

勧告的方法においては,事実に関する問題,法律的問題及びその他の問題をどのように解決すべきかに

ついて,考えられる手続結果について,並びにそれらはどうすれば達成可能かについての示唆が当事者に

与えられる。また,勧告が与えられる場合もある。

この種の方法は,法律上の拘束力のない裁定,評価又は“ミニ裁判”と呼ばれることがある。勧告的手

続における勧告に法的拘束力はないが,組織による当該勧告の順守は,組織が明言した行動規範が達成さ

れているかどうかを判断するときに考慮されることがある(JIS Q 10001 参照)


16

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

勧告的方法を用いる紛争解決者は,勧告者,裁定者,パネル,評価者,中立的な第三者又はオンブズマ

ンとも呼ばれる。

A.4

裁断的方法

裁断的方法とは,紛争が評価され,事実関係の問題が解決され,時に文書化され,また紛争がいかに解

決されるべきかについて,裁定が下される紛争解決方法である。

この方法は,次の場合,両当事者に対して法的拘束力をもち,裁判所において執行可能となることがあ

る。

a)

いずれの当事者もそれ以上の行動を起こさなかった場合

b)

苦情申出者が一定の期間内に受諾した場合

c)

いずれの当事者も,一定の期間内に拒否しなかった場合

注記 1  a)に述べた状況は,一般に(法的拘束力をもつ)仲裁又は評価と呼ばれる。b)及び c)に述べ

た状況は,条件付きで拘束力をもつ仲裁(片面的仲裁)又は評価と呼ばれることがある。

注記 2  他の箇所でも述べたように,国によっては,一部の苦情申出者を法的に拘束することを認め

ていないことがある。

裁断的方法を用いる紛争解決者は,勧告者,仲裁人,パネル,評価者,中立的な第三者又はオンブズマ

ンとも呼ばれる。

注記 3  国によっては,同一の紛争において,一人の紛争解決者が複数の紛争解決方法を実施するこ

とができる場合がある。例えば,苦情申出者が交渉促進的手続に満足していない場合には,

交渉促進者は,積極的な交渉促進から勧告の提示に移行できる(その時点で勧告者となる。

同様に,交渉促進的手続がその事案を解決していない場合には,交渉促進者が裁定を下すこ

とができる。これら以外の国では,同一の紛争解決者が同じ紛争において複数の紛争解決方

法を実施することは,法令・規制要求事項によって許されない。


17

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

附属書 B

参考)

JIS Q 10001

,JIS Q 10002

及び JIS Q 10003 の相互関係

図 B.1 は,行動規範,苦情対応及び外部における紛争解決に関する組織のプロセスを表した図である。

注記  苦情は,顧客又はその他の苦情申出者によって始まる。

図 B.1JIS Q 10001JIS Q 10002 及び JIS Q 10003 の相互関係

苦情は解決され

たか?

JIS Q 10002

に基づく

苦情対応

顧客の製品に対する関心

相互関係の終了

行動規範の確認

相互関係

顧客−組織

行動規範の確認

苦情の解決(紛争対応の終了)

JIS Q 10001

に基づく

行動規範

JIS Q 10003

に基づく

紛争解決

紛争対応の終了

苦情が申し立て
られたか?

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いいえ

いいえ

はい

はい


18

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

附属書 C 

規定)

紛争解決手続への参加の同意に関する手引

C.1

一般

組織の提案する紛争解決手続への苦情申出者の参加は,任意であることが望ましい。参加への同意は,

紛争解決手続及び考えられる手続の結果についての十分な知識並びに理解に基づくことが望ましい。顧客

が,個人用又は家庭用に商品,財産又はサービスを購入若しくは使用する個人の場合,紛争解決手続への

参加の同意を,顧客に対する製品提供の条件としないことが望ましい。

参加への任意の同意は,紛争解決手続及び考えられる手続の結果についての,両当事者の十分な知識及

び理解に基づく。

参加への同意に関しては,二つの重要な問題が存在する。

−  十分な知識及び理解に基づいて参加への同意が行われるようにするため,顧客及び苦情申出者にどの

ような情報を提供すべきか(C.2 参照)

−  参加への同意をいつ得るのが妥当か(紛争発生前の参加への同意については,C.3 参照。紛争発生後

の参加への同意については,C.4 参照)

C.2

参加への同意の前の情報提供

参加への同意の前に顧客及び苦情申出者に提供される紛争解決手続に関する情報は,次の事項を含むこ

とが望ましい。

−  用いられる一つ又は複数の紛争解決方法

−  提供者の権限の範囲

−  苦情申出者が手数料を支払わなければならない場合は,その手数料

−  可能な救済の種類,与えられる補償の最大限度,及び紛争の解決において負担した費用の返還可能な

範囲

−  紛争を評価するときの基準(例えば,行動規範,法の原則,衡平など)

−  裁判の手続との著しい違い

−  参加への同意が適用される紛争の正確な内容又は紛争の種類に関する説明

−  提供者の名称,並びに紛争解決手続へのアクセス方法及び適用される紛争解決手続の手順のコピーの

入手方法

−  それぞれの方法の完了までの標準的な時間枠

−  苦情申出者が裁断的判断に納得しない場合,裁判所に提訴する権利を放棄することになるか否か

注記  国によっては,苦情申出者に対して,裁判所への提訴権を放棄するよう求めることは違法であ

る。

C.3

紛争発生前の参加への同意

販売契約の条件において,顧客に法的拘束力のある紛争解決手続の利用を求め,及び裁判所を利用する

権利を放棄するよう求める場合がある。このような条件は,しばしば組織間の契約に組み込まれる。国に

よっては,顧客が製品を個人用又は家庭用に購入する場合には,この種の契約を違法としている。


19

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

顧客満足の向上を望む組織は,紛争発生前条項(将来紛争が生じた場合には,顧客が紛争解決手続に参

加することを求める旨の条項)のメリットをいかすと同時に,両当事者が裁判制度を利用する権利を放棄

せずに済むような紛争解決の仕組みを,検討することができる。このような仕組みには,次の事項が含ま

れる。

−  当事者が任意の解決に到達することを目的とする交渉促進的方法

−  両当事者が合意した場合に法的拘束力が生じるような勧告を出す方法

−  苦情申出者が裁定を受諾した場合に限り法的拘束力が生じるような裁断的方法

−  紛争発生後に,紛争解決手続への参加の同意をすること

C.4

紛争発生後の参加への同意

紛争発生後に裁断的紛争解決手続への参加の同意が得られた場合,当事者は,参加同意書に署名するこ

とが望ましい。この参加同意書には,当該紛争解決手続に付託される紛争の内容,提供者の名称及び適用

される紛争解決手続の手順のコピーの入手方法,

及び紛争解決者の権限の範囲を記載することが望ましい。


20

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

附属書 D 

規定)

アクセスの容易性に関する手引

D.1

一般

紛争解決手続は見つけやすく,利用しやすいことが望ましい。

紛争解決手続へのアクセスの容易性は,紛争解決手続を利用できることに関する効果的なコミュニケー

ション及び宣伝がされているか,紛争解決手続の利用に要する費用が手頃な額であるか,並びに紛争解決

手続の利用及び参加への障害が存在しないか,によって左右される。

D.2

D.7 に,紛争解決手続へ無理なくアクセスできるようにするための様々な実施方法を例示する。

D.2

コミュニケーション

紛争解決手続が利用できることを,苦情申出者,その他の顧客及びその他の関連する利害関係者に伝達

することが望ましい。

情報及び支援は,製品の提供又は引渡し時に当該製品に添付する情報のために用いた言語又は様式で,

提供することが望ましい。情報は,明りょう(瞭)であいまい(曖昧)さのない文言で書かれ,音声,拡

大文字,大形の浮き出し文字,点字,E メール,アクセスの容易なウェブサイトなどの代替様式で入手可

能であることが望ましい。

注記  代替様式は,異なる形式又は感覚能力を通じて情報にアクセスできるようにするための,様々

な提示方法又は表記方法を意味する。すべてのインプット及びアウトプット(すなわち,情報

及び機能)を,少なくとも一つの代替様式(例えば,視覚及び触覚)で提供することによって,

言語及び/又は識字の問題を抱える人を含め,より多くの人々を補助することができる。読み

やすさ及び理解のしやすさに影響を与え得る提示方法の要素として,次の事項がある。

−  レイアウト

−  印刷の色彩及びコントラスト

−  フォント及び記号のサイズ及びスタイル

−  複数言語の選択及び使用

JIS S 0137

を参照。

組織は,販売時,苦情が組織に提出された時点においてなど,様々な機会にコミュニケーションを行う

ことができる。組織は,少なくとも内部における苦情対応プロセスが不成功に終わった時点では,コミュ

ニケーションを行うことが望ましい。

これらのコミュニケーションが最も効果的なのは,顧客満足行動規範,店舗のディスプレイ,ウェブサ

イト,苦情申出の書式,販売契約及び内部苦情対応プロセスを終了させる文書などを用いて,複数の場所

で行う場合である。

D.3

手数料

紛争解決手続は,無料で,又は紛争の価額を前提として合理的な費用で顧客に提供し,結果として経済

的に手頃な紛争解決手続となることが望ましい。


21

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

D.4

紛争解決手続の利用及び参加

不満足な苦情申出者に対しては,合理的な範囲でできるだけ多くの方法で紛争解決手続を利用し,これ

に参加する機会を与えることが望ましい。

電話,E メール,ファックス又はオンラインによる提出は,いずれも検討することが望ましい有益な方

法である。選択した方法は,事案の開始,事案の情報へのアクセス,又は質問に対する回答の入手に便利

であることが望ましい。国境を越えた紛争の解決,及びその他,組織と苦情申出者とが互いに非常に遠距

離に在住する状況においては,移動を要することなく参加を促すことができるような紛争解決方法を用い

ることが,特に重要である。

D.5

情報

紛争解決手続の開始のための理解しやすく完成された書式,及び紛争解決手続を説明し,どのようにす

れば当事者が最善の形で参加できるかを述べた,その他の文書を入手できるようにすることが望ましい。

情報及び書式は,製品販売時に使用した言語と同じ言語で提供することが望ましい。

D.6

訓練を受けた要員

紛争の申立て,事案に関する主張,及び紛争解決手続の範囲に関する説明など紛争解決手続のあらゆる

局面においてすべての当事者を支援する,訓練を受けた要員及びその他の経営資源が利用可能であること

が望ましい。

提供される支援に関しては,効果的な参加を可能とするため,障害のある人々のニーズ,又はその他の

特別なニーズも考慮することが望ましい。

D.7

形式張らないこと

紛争解決手続は,紛争の状況からみて適切である限り,形式張らないようにすることが望ましい。

法廷において適用される公式ルールに従う必要はない。両当事者は,自らの立場,主張及び証拠を提示

し,他方の当事者の立場,主張及び証拠の重要な部分を聞くこと,又は見ることを許されることが望まし

い。ただし,紛争解決者は,証拠が関連性を欠き又は重複する場合,当該証拠を制限することができる。

当事者は,適用法が次のような代理を認めない場合を除き,自らが選定した人に代理してもらうこと又

は補助を受けることを認められることが望ましい。提供者は,その選定が自発的に行われたことを確認す

ることが望ましい。代理人を立てた当事者も,紛争解決手続に自ら出席することが有益である。本人が自

ら出席することは,一般に最も優れた証拠の提示をもたらし,かつ,当該紛争の解決権限をもつ者の出席

が確保されるからである。

立場,主張及び証拠の提示は,実際の出席,電話又はその他の電子通信手段,若しくは書面によって行

うことができる。両当事者には,提示の方法について柔軟性が与えられることが望ましい。


22

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

附属書 E

規定)

適切性に関する手引

E.1

一般

紛争当事者に対して提供される紛争解決方法の種類及び苦情申出者に提供可能な救済は,紛争の性質に

応じて適切なものであることが望ましい。

E.2

方法の適切性

組織は,次のような要因を考慮して,一つ又は複数の紛争解決方法を苦情申出者に提案することを選択

できる。

−  組織のニーズ及び状況

−  顧客の希望

−  提供者の勧告

−  紛争解決手続の終了までに想定される期間

−  費用

−  問題の複雑さ

−  秘密保持の必要性

−  当事者間の関係継続に関する希望又は必要性

−  当事者間の交渉力の違い

−  柔軟な手続結果の必要性

−  相反する証拠に基づく判断又は事実の認定の必要性

−  外部機関による強制の必要性

−  技術的専門家又はその他の専門家の必要性,及び法律問題の重要性

−  手続結果を社会的なチェックにかける必要性

組織の紛争解決プロセス方針に従って交渉促進的方法を提供する提供者は,紛争を解決するために好ま

しい手段として,交渉促進的方法を一般的に提供することが望ましい。極めて多くの場合,交渉促進的方

法は,より迅速かつ廉価で,当事者間の関係が非対立的である。交渉促進的方法で紛争を解決できず,組

織が他の紛争解決方法を利用可能とすることを選択していた場合は,これら他の方法を提供することが望

ましい。

E.3

救済の適切性

組織は,提供者に対し,少なくとも,苦情の原因となった問題を補償するに十分な救済を与える権限を

認めることが望ましい。適切な場合には,検討し提供すべき救済に,次の事項を含むことが望ましい。

−  製品の修理

−  製品代金の返金

−  販売契約の解除

−  一方の当事者に対する,問題を是正するための特定的な行為の指示

さらに,適用法によって,次のような救済が認められ,又は義務付けられる場合がある。例えば,弁護


23

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

士又はその他の代理人の報酬,関連して発生する損害,及びその他の損害。


24

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

附属書 F

規定)

公正性に関する手引

組織は,公正かつ誠実に苦情申出者との紛争を解決するという意図をもって,紛争解決手続に臨むこと

が望ましい。組織は,紛争解決手続に従事する紛争解決要員及び紛争解決者が偏りなく,かつ,客観的で

あるような提供者を選択することが望ましい。それによって,紛争解決手続,勧告及び裁断的判断が両当

事者にとって公正であり,また独立性をもって行われたと認められる。

紛争解決者及び紛争解決要員は,彼らの適格性判断及び紛争の解決に到達するための取組みが,独立し

た判断の結果となるように,紛争解決手続の過程において,当事者の影響力から常時遮断されることが望

ましい。偏りがないこと,客観性及び公正性は,様々な活動の組合せによって最もよく達成することがで

きる。

注記 1  民間型の“企業・顧客間の”紛争解決手続制度においては,ほとんどの場合,協会及び/又

は具体的な紛争の当事者である当該企業が資金を提供している。この資金は,紛争解決手続

の費用の全額又はかなりの部分を占める場合がある。さらに,紛争解決手続を提供又は保証

する協会は,時に当該制度における紛争解決手続の当事者となる会員によって,統括される

場合が多い。この“公正性”の原則の目的は,いかなる紛争の解決への取組みも,こうした

財政的又は会員構成の関係によって影響されないことを確保することにある。

注記 2  提供者には,紛争解決手続には関与しない経営者レベルの要員(例えば,最高経営責任者,

最高業務責任者又は最高財務責任者)がおり,これらの要員は,紛争解決手続の当事者であ

る企業と,およそ紛争の取扱いとは無関係の事項について交渉し契約関係を結ぶことが一般

的である。

“紛争解決要員”という用語は,このような認識を前提として使用されている。公

正性及び判断の独立性は,個別の紛争解決手続において要求される。

公正性は,次のような活動を組み合わせることによって,最もよく達成することができる。

−  紛争解決手続の開始前に当事者が入手できるようになっている,公にされた手順に従い,勧告的方法

又は裁断的方法を適用する。このような手順及びその適用は,すべての当事者に対し,完全で,公正

で,かつ平等な参加の機会をいずれの方法に関しても提供し,かつ,あらゆる勧告又は裁定が,紛争

解決者に提示された証拠及び主張に基づいていることを確実にすることが望ましい。

−  要員及び紛争解決者の利益相反に関する方針及び倫理規範を採用する。また,客観的であると期待で

きる者だけを紛争解決者として指名する。紛争解決者の個人的感情,意見又は利害が,その行動に影

響を及ぼすことは望ましくない。例えば,紛争解決者がいずれかの紛争当事者に雇用されている場合

は,紛争解決者が客観性を維持する能力に影響を与えるおそれがある。

−  紛争解決者の報酬(支払われる場合)が,具体的な和解,勧告又は裁断的判断の性質によって影響さ

れないように保証する。

−  正当な理由なく,紛争解決者を解任しない。

−  特定の当事者へのサービスの繰返しを最小限にとどめるような方法で,紛争解決者を指名する。

−  提供者が,紛争の当事者である組織から資金の全部又は一部の提供を受けている場合,資金提供への

配慮が紛争の解決に影響することがないよう保証する。

−  紛争の解決のために選任された紛争解決者について,次の事項を両当事者に対して開示する。


25

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

−  紛争解決者の身元

−  偏りのないことに影響を及ぼすと合理的にみなされるような紛争解決者といずれかの当事者

との関係

両当事者は,どの紛争解決者の選任に対しても,正当な理由に基づいて異議を申し立てる機会を与

えられることが望ましい。

−  紛争の公正な解決のために相当かつ必要な場合,苦情申出者が技術的専門家(法律専門家を含む。

)の

サービスを利用できるようにする。

−  適用法が認めるならば,紛争の公正な解決に必要な限りで,裁断的方法の適用において証言を強制す

る規定をおく。

−  紛争解決者に与えられた権限の範囲を当事者に明確に伝え,すべての勧告又は裁断的判断がその権限

の範囲内であることを保証する。

−  勧告又は裁断的判断に適用される基準を,事前に当事者に開示する。

−  勧告又は裁定が効果的に実現されるよう,勧告又は裁定並びにその理由を,十分な詳細とともに,平

易な言語及び書面によって,組織及び苦情申出者に伝達する。

注記 3  適用される法律に反しない限り,裁断的判断は,法の原則,衡平,行動規範又はこれらの組

合せに基づいて下すことができる。

−  和解のための勧告を当事者が受諾した場合,適用法において有効とするために,これを文書化する。

−  当事者が和解又は裁断的判断を順守してきたか否かを判断する。


26

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

附属書 G 

規定)

力量に関する手引

G.1

一般

組織の要員,提供者及び紛争解決者には,各自の責務を十分に遂行するために必要な個人的特質,技能,

教育・訓練及び経験が備わっていることが望ましい。これらは,職務経験の積み重ね,監督を含む継続的

な教育・訓練及び定期的な再評価などの手段を通じて,維持及び改善されることが望ましい。

力量は,多数の方法を通じて確保される。それらを次に記載する。

G.2

適格性

提供者が扱う紛争にふさわしい技能レベルを保証し,かつ,勤勉性及び誠実性を重要視するような,要

員及び紛争解決者の適格性の基準を確立することが望ましい。

G.3

教育・訓練

要員及び紛争解決者に対して,必要な知識及び技能について,教育・訓練を提供することが望ましい。

例えば,

−  提供者が扱う紛争に対して適用される,適格性に関する要求事項

−  公正性の重要性,及び公正性を達成するための方法

−  当事者を援助するために利用可能な技術

−  要員及び紛争解決者が実施する紛争解決の各方法に適用される方針及び手順

−  適用される法の原則,行動規範又は具体的な紛争に適用される衡平の諸原則

注記  適用法に反しない限り,扱われる紛争の種類,勧告又は裁断的判断の根拠,及び組織の希望に

よって,紛争解決者に,公式な法律教育・訓練及び専門的資格の必要がない場合がある。

G.4

定期的評価

紛争解決者のパフォーマンス及び適格性,並びに紛争解決者の適格性に関して提供者が定めた基準を,

定期的に評価することが望ましい。

注記  要員の力量に関する教育訓練の手引は,ISO 10015 に示されている。


27

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

附属書 H 

規定)

適時性に関する手引

紛争解決手続は,紛争の性質及び利用される紛争解決方法の性質を考慮して,できる限り迅速に実施さ

れることが望ましい。

この原則の適用に当たっては,提供されるそれぞれの紛争解決方法が完了するまでに要すると予測され

る時間枠を定め,それをすべての関係者に伝達することが有益である。時間枠は,紛争の複雑性の程度及

び個別の紛争における当事者のニーズの多様さを考慮して,十分な柔軟性をもたせることが望ましい。

時間枠は,適用される法律上の要求事項によって影響される場合がある。当事者及び提供者は,定めら

れた時間枠を順守する責任を共有する。

紛争の進行状況を追跡し,当事者にその進行状況を伝達すること,又はそのような追跡情報を当事者及

び紛争解決者が利用できるようにすることも有益である。

当事者の,訴訟手続又は別の提供者の紛争解決方法を利用する権利に一定の期間制限がある場合におい

ても,適時性は重要である。紛争解決手続が長引けば,裁判所に提訴する権限が妨げられるおそれがある。

紛争解決手続において,組織側の担当者に紛争を解決するための明確に定められた権限が与えられている

場合,又は組織内のその他の者から速やかに承認が得られる場合に,適時性が達成される可能性が最も高

まる。


28

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

附属書 I

規定)

透明性に関する手引

I.1

一般

紛争解決手続,提供者及びそのパフォーマンスに関する十分な情報を,苦情申出者,組織及び一般に開

示することが望ましい。

組織は,これらの情報をすべての利害関係者が入手できるよう確実にすることが望ましい。

I.2

紛争解決手続,方法及びパフォーマンスに関する情報

提供者のサービス及びパフォーマンスに関する有益な情報には,次の事項を含むことができる。

−  提供者の詳しい連絡先情報

−  扱われる紛争の種類,及び提供される解決方法の種類

−  課される手数料があればそれを含めた,各紛争解決手続の開始の方法

−  当事者の参加の方法(実際の出席,又は電話,E メール若しくはオンライン)

−  紛争解決者の適格性の認定方法,選任の方法,並びに適格性及び不偏性について異議を申し立てる方

−  紛争についてなされる裁定の基準(例えば,法律,衡平,行動規範など)及び提供可能な救済

−  順守すべき時間枠

−  裁断的判断又は解決内容の実現のためのステップの明確化

−  秘密保持に関する方針

−  提供者が,紛争の当事者である組織から資金提供を受けているか否か。また,この資金提供が,具体

的な和解,勧告又は裁断的判断に影響を及ぼさないことを確実にするために,どのような防止策が講

じられているかに関する情報。

I.3

年次報告書

組織は,提供者の年次報告書の公表が,提供者及びそのパフォーマンスの有意義な評価を提供し得るこ

とを認識することが望ましい。年次報告書には,次の内容を含むことができる。

−  受け付けた紛争の件数,各紛争解決方法における解決済みの件数及び未解決の件数,並びに勧告及び

裁断的判断のうち要求された救済を全部認めた件数,一部認めた件数及び全く認めなかった件数

−  事案の解決の適時性

−  紛争解決手続を通じて明確となった,システム的な問題点の特定

公表されるデータでは,当該組織の同意が得られない限り,具体的な組織が特定されないことが望まし

い。

I.4

個別の紛争解決手続の結果の公表

適切な状況において(例えば,件数が少ない紛争で,教育的効果が高い場合など)

,かつ,約束した秘密

保持を前提とした上ですべての当事者の同意が得られるならば,

個別の紛争解決手続の結果の内容

(勧告,

裁断的判断,和解又は関連情報)を公表することができる。


29

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

附属書 J

参考)

提供者の選定に関する手引

組織が提供者を選定するときに考慮することが望ましい要因は,次の事項を含む。

−  提供者が,この規格又はその他の関連する紛争解決手続のための基準の利用を選択していると,組織

が判断するか否か

−  組織の顧客,消費者及び業界団体,メディア並びに政府の消費者保護機関における提供者の評判

−  入手可能な場合には,傾向(例えば,パフォーマンスにおける)を示すことのできる独立した評価,

マネジメントレビュー又は顧客調査から得られた結果

−  提供者のサービスを利用したことのある他の組織のアドバイス

−  提供者及びその解決方法が,組織の価値観とどの程度一致しているか

−  提供者の経験,提供者の財務状況,並びに,提供者が組織及び組織の苦情申出者に対する義務を履行

する可能性

−  情報交換のための技術の利用を含め,提供者の解決方法と組織の苦情対応プロセス及びその他の運用

プロセスとの連携が可能か否か

−  事案が紛争解決者に対する提示方法(例えば,口頭又は書面)を含め,提供者の手順が組織のニーズ

とどの程度合致するか

−  提供者の紛争解決方法は,紛争の早期解決にどの程度寄与するか

−  組織及びその苦情申出者にかかる直接的な費用及び間接的な費用

−  提供者が扱うことに同意した紛争の種類及び件数について,これらを受け入れ,追跡し,及び解決す

るのに適切な経営資源を提供者がどの程度保有しているか

−  提供者が,十分な人数の適切な訓練を受けた紛争解決者及び技術専門家(法律専門家を含む。

)を雇用

し又は確保できるか否か

−  国境を越えた紛争のように組織と苦情申出者とが互いに非常に離れた場所に在住する場合に,提供者

が紛争を扱う手段をもっているか否か

−  提供者が,その紛争解決手続サービスを監視し,評価し,継続的に改善するためのプロセスをもって

いるか否か


30

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

附属書 K

参考)

紛争解決プロセス方針に関する手引

K.1

事前のコミットメント

紛争解決手続への事前のコミットメントをするか否かを判断するに当たり,組織は,この事前のコミッ

トメントが組織全体の顧客満足向上のための取組み,並びに組織のその他の方針及び目的に対してもつ価

値を検討することが望ましい。組織は,次のような要因を検討することが望ましい。

−  組織全体の評判が良くなる可能性

−  法令・規制による要求事項又はインセンティブ

−  協会の紛争解決手続プログラムに参加することについての要求事項又はインセンティブ

−  組織の品質及び改善プロセスに及ぼす,提供者からの統計的報告データの効用

−  顧客の紛争解決手続の利用意思を促すときに,事前のコミットメントをすることによって考えられる

メリット

−  苦情申出者が解決として求める標準的な金額

−  事前のコミットメントがなかった場合に訴訟で負担するであろう費用を削減する機会

−  組織の内部苦情対応プロセスを経ても未解決のまま残ると予測される苦情の件数

K.2

ケースバイケースの参加

組織が,紛争解決手続に対する事前のコミットメントを示さない場合,苦情対応に関与するすべての従

業員に対し,

ケースバイケースで紛争解決手続への参加を判断するための基準を伝達することが望ましい。

このような基準においては,次のような要因を考慮することが望ましい。

−  紛争の価額,及び要求されているその他の救済

−  費用削減など,訴訟手続の回避によって得られる利益

−  法令又は規制によるインセンティブ又は要求事項

−  紛争を解決しないことが,組織とその顧客との関係及び組織全体の評判に与え得る影響


31

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

附属書 L

参考)

紛争解決プロセスの設計要素に関する手引

紛争解決プロセスには多くの設計があり,

各々が固有の長所及び短所をもつ。

それぞれの設計において,

基本原則は様々な形で使われる。これらは,市場で一般的に紛争解決手続を提供する提供者によって,又

は提供者である協会若しくは会員,及びその他の者に紛争解決手続を提供するために協会によって選任さ

れた提供者によって,定められている場合がある。

表 L.1 は,紛争解決プロセスの設計における様々な要素を示すが,すべての要素を網羅したものではな

い。

表 L.1−紛争解決プロセスの設計要素に関する指針

設計要素

提供者の法的構成として,どのような選択肢がある
か。

業界団体,消費者団体,非営利組織,営利組織,又は個人事
業主

提供者によってどのような種類の紛争が扱われるか。

保証の不履行,適時に納品がなされなかったこと,虚偽の広
告,契約不履行,又は製造物責任

どのような紛争解決方法が提供されるか。

交渉促進的方法,勧告的方法,及び/又は裁断的方法(法的
拘束力のある場合又はない場合)

紛争解決手続のための資金をどのように調達するか。

一方又は両方の当事者からの手数料,協会の会費,政府又は
慈善団体の助成

個別の紛争において,どのような紛争解決方法を使用
するのか。

交渉促進的方法だけの使用,裁断的判断だけの使用,又は交
渉促進の後,必要に応じて裁断的判断を下す方法の使用

紛争解決者の適格性要件は何か。 40 時間の教育・訓練の受講,10 年の関連業務の経験,弁護士

としての資格

独立性はどのようにして達成されるか。

倫理規範,バランスの取れた複数の利害関係者による管理機

関,提供者に雇用されていない紛争解決者,提供者の他の要
員から遮断された紛争解決者

紛争解決に関する判断には,どの基準を使用するか。

法の原則の厳格な適用,行動規範の適用,及び/又は衡平

どのくらいの時間枠で紛争は解決されるか。 60 日以内の裁定,裁定前の 40 日間の交渉促進の試み

紛争解決手続には,どのような方法でアクセスできる
か。

直接の出席,電話,書面提出,又はオンライン


32

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

附属書 M

参考)

紛争解決プロセスのフローチャート

図 M.1 は,紛争解決プロセスの様々なステップを図示したものである。

a)

苦情申出者は,いつでも,またどのような段階でも,紛争解決プロセスから離脱する権利を行使できる。これ

は,状況によって,制限される場合がある(例えば,企業間の紛争)

図 M.1−紛争解決プロセスのフローチャート

いいえ

未解決の苦情

苦情の付託(7.2

紛争解決手続開始の通知(7.3

紛争の評価(7.4.1

初期対応方針の決定(7.4.2

交渉促進的方法(7.5.1

勧告的方法(7.5.2

裁断的方法(7.5.27.5.5

解決内容の実現/実施(7.6

紛争対応の終了(7.7

はい

紛争は解決したか

勧告は両当事者によっ

て受諾されたか(7.5.4

裁定は両当事者を法的

に拘束するか

裁定は苦情申出者に
よって受諾されたか

紛争対応の終了(7.7

裁判所又はその他の

利用可能な手段

a)

はい

はい

はい

いいえ

いいえ

いいえ


33

Q 10003

:2010 (ISO 10003:2007)

参考文献 [1] JIS Q 9001  品質マネジメントシステム−要求事項

[2]  JIS Q 9004:2000

  品質マネジメントシステム−パフォーマンス改善の指針

[3]  JIS Q 10001

  品質マネジメント−顧客満足−組織における行動規範のための指針

[4]  JIS Q 10002:2005

  品質マネジメント−顧客満足−組織における苦情対応のための指針

[5]  JIS S 0137

  消費生活用製品の取扱説明書に関する指針

[6]  ISO 10015

,Quality management−Guidelines for training