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Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

(1)

目  次

ページ

序文 

1

0.1

  一般

1

0.2

  JIS Q 9001 及び JIS Q 9004 との関係

1

0.3

  JIS Q 10002 及び JIS Q 10003 との関係 

2

0.4

  適合に関する宣言

2

1

  適用範囲

2

2

  引用規格

3

3

  用語及び定義 

3

4

  基本原則

4

4.1

  一般

4

4.2

  コミットメント

4

4.3

  対応能力 

4

4.4

  公開性

4

4.5

  アクセスの容易性

4

4.6

  応答性

4

4.7

  正確性

5

4.8

  説明責任 

5

4.9

  継続的改善 

5

5

  規範の枠組み 

5

5.1

  体制構築 

5

5.2

  他のマネジメントシステムとの統合 

5

6

  計画,設計及び構築

5

6.1

  規範の目的の決定

5

6.2

  情報の収集及び評価

5

6.3

  利害関係者からのインプットの入手及び評価

5

6.4

  規範の作成 

6

6.5

  パフォーマンス指標の作成 

6

6.6

  規範の実施,維持及び改善のための手順の作成 

6

6.7

  内部及び外部コミュニケーション計画の作成

6

6.8

  必要な経営資源の決定 

7

7

  実施

7

8

  維持及び改善 

7

8.1

  情報の収集 

7

8.2

  規範のパフォーマンスの評価

7

8.3

  規範に対する顧客満足度 

7


Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)  目次

(2)

ページ

8.4

  規範及び規範の枠組みのレビュー 

8

8.5

  継続的改善 

8

附属書 A(参考)様々な組織における規範構成要素の単純化した例 

9

附属書 B(参考)JIS Q 10001JIS Q 10002 及び JIS Q 10003 の相互関係

10

附属書 C(参考)小規模事業者のための手引 

11

附属書 D(規定)アクセスの容易性に関する手引

12

附属書 E(規定)利害関係者からのインプットに関する手引 

13

附属書 F(参考)規範の枠組み

14

附属書 G(参考)他の組織によって提供される規範を採用する場合の手引

15

附属書 H(規定)規範の作成の手引

16

附属書 I(規定)コミュニケーション計画の作成の手引

17


Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

(3)

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。


日本工業規格

JIS

 Q

10001

:2010

(ISO 10001

:2007

)

品質マネジメント−顧客満足−組織における

行動規範のための指針

Quality management-Customer satisfaction-Guidelines for codes of

conduct for organizations

序文 

この規格は,2007 年に第 1 版として発行された ISO 10001 を基に,技術的内容及び構成を変更すること

なく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

0.1 

一般 

高いレベルの顧客満足を維持することは,多くの組織にとって重要な課題である。この課題を満たす一

つの方法は,顧客満足行動規範を導入及び実施することである。顧客満足行動規範は,例えば,納品(サ

ービスの提供を含む。

,返品,顧客の個人情報の取扱い,製品固有の特質又はその性能に関する宣伝及び

記述などの問題を対象とする約束事項及び関連規定で構成される(例を,

附属書 に示す。)。顧客満足行

動規範は,苦情マネジメントに対する効果的なアプローチの一環となり得る。このアプローチは,次の事

項を含む。

a)

適切な顧客満足行動規範を活用した苦情の予防

b)

組織内での苦情対応(例えば,不満足の表明を受けた場合)

c)

組織内で十分に対処できない苦情についての組織の外部における紛争解決

この規格は,すべての顧客満足行動規範の規定が顧客のニーズ及び期待を満たすものであり,また規範

が正確かつ誤解を招かないものであることを判断する際に,組織を支援する手引を示す。この規格を用い

ることによって,次の事項が可能になる。

−  組織において,公正な取引慣行を広め,顧客の信頼を高める。

−  製品について,及び組織と顧客との関係について,組織に何を期待できるかに関する顧客の理解を高

める。これによって顧客の誤解及び苦情の可能性を低減する。

−  場合によっては,顧客に対する組織の行動を律するための新たな規制の必要性を低減する。

0.2 

JIS Q 9001

及び JIS Q 9004 との関係 

この規格は,JIS Q 9001 及び JIS Q 9004 と両立し,顧客満足に関する行動規範を構築及び実施するため

のプロセスの効果的かつ効率的な適用を通じて,これら二つの規格の目的を支援する。この規格は,JIS Q 

9001

及び JIS Q 9004 から独立して用いることもできる。

JIS Q 9001

は,組織内での適用,認証又は契約の目的で用いることのできる品質マネジメントシステム

の要求事項を規定している。JIS Q 10001 に従って実施される顧客満足行動規範は,品質マネジメントシス

テムの一つの要素として用いることができる。この規格は,認証又は契約目的での使用を意図したもので


2

Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

はない。

JIS Q 9004:2000

は,品質マネジメントシステムに関するパフォーマンスの継続的改善に関する手引を提

供する。

JIS Q 10001

を用いることによって,

顧客及びその他の利害関係者の満足を高めることはもとより,

行動規範に関するパフォーマンスを更に向上させることができる。また,顧客及びその他の利害関係者か

らのフィードバックに基づいた製品品質及びプロセスの継続的改善に寄与することができる。

注記  顧客とは別に,その他の利害関係者には,供給者,業界団体及びそのメンバー,消費者団体,

関連行政機関,要員,所有者,並びに組織の顧客満足行動規範の影響を受けるその他の者を含

めることができる。

0.3 

JIS Q 10002

及び JIS Q 10003 との関係 

この規格は,JIS Q 10002 及び JIS Q 10003 と両立する。これら三つの規格は,それぞれを単独で用いる

ことも,組み合わせて用いることもできる。JIS Q 10001JIS Q 10002 及び JIS Q 10003 を組み合わせて用

いた場合,これらの規格は,行動規範,苦情対応及び紛争解決を通じた顧客満足の向上のための,より広

範で統合された枠組みの一部になり得る(

附属書 参照)。

JIS Q 10002

は,製品に関連した苦情の組織内での対応に関する手引を規定する。組織が,顧客満足行動

規範に示されている約束事項を実行することによって,組織及びその製品に対して顧客が期待できること

についてのあいまい(曖昧)さが小さくなるので,問題発生の可能性を減少させる。

JIS Q 10003

は,組織内で十分に解決できない製品関連の苦情に関する紛争解決に関する手引を規定する。

顧客満足行動規範の存在は,紛争が発生したとき,顧客が期待できること及びその期待にこたえるための

組織の努力について関係者の理解を助けることができる。

0.4 

適合に関する宣言 

この規格は,手引書として用いるためだけに作成された。この規格に規定する適用されるすべての手引

を実施した場合は,顧客満足行動規範はこの手引に基づいて計画,設計,構築,実施,維持及び改善され

ているという宣言を行ってもよい。ただし,この規格への適合を主張又は暗示する宣言は,この規格の意

図と矛盾することになり,したがって,こうした表明を行うことは不適切である。

注記  この規格への適合を主張し,又は暗示する宣言を,様々な媒体のための,宣伝用及びコミュニ

ケーション用のものの中で行うことは不適切である。宣伝用及びコミュニケーション用のもの

とは,例えば,報道発表,広告,販促用冊子,ビデオ,職員(スタッフ)による説明,ロゴ,

スローガンである。媒体の範囲は,印刷物及び放送から,インターネット及びマルチメディア,

製品ラベル,看板,バナーなどまで及ぶ。

適用範囲 

この規格は,顧客満足行動規範の計画,設計,構築,実施,維持及び改善のための手引を示す。この規

格は,組織が顧客とした約束事項を含む,製品にかかわる組織の行為についての規範に適用できる。この

ような約束事項及び関連規定は顧客満足を高めるためのものである。

附属書 に,様々な組織における規

範構成要素の単純化した例を示す。

注記 1  この規格全体を通じて,“製品”という用語は,サービス,ソフトウェア,ハードウェア及び

素材製品を含む。

注記 2  この規格では,“製品”という用語は,顧客向けに意図された製品又は顧客が要求した製品に

限られて使われる。

この規格は,他の組織が用いるための顧客満足行動規範を設計する組織を含め,組織の種類,規模及び


3

Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

提供する製品を問わず,様々な組織が用いることを意図している。小規模事業者のための手引を

附属書 C

に示す。

この規格は,顧客満足行動規範の具体的な内容を規定するものではない。また,他の種類の行動規範,

例えば組織とその要員,又は組織とその供給者との相互関係に関するような行動規範を取り扱うものでも

ない。

この規格は,認証又は契約目的での使用を意図したものではない。また,適用される法令・規制要求事

項として規定される権利又は義務を変更するものではない。

注記 3  この規格は契約目的のためのものではないが,組織が締結する契約の中に顧客満足行動規範

の約束事項を含めることはできる。

注記 4  この規格はすべての顧客満足行動規範に適用できるが,特に,個人用若しくは家庭用として,

商品,財産又はサービスを購入又は使用する個人顧客を対象とする顧客満足行動規範への適

用を意図している。

注記 5  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 10001:2007

,Quality management−Customer satisfaction−Guidelines for codes of conduct for

organizations

(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

)は適用しない。

JIS Q 9000:2006

  品質マネジメントシステム−基本及び用語

注記  対応国際規格:ISO 9000:2005,Quality management systems−Fundamentals and vocabulary(IDT)

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS Q 9000:2006 によるほか,次による。

3.1 

顧客満足行動規範(customer satisfaction code of conduct),規範(code)

顧客満足(3.5)を高めるための,組織(3.6)の行為に関する,顧客(3.4)への約束事項及び関連事項。

注記 1  関連事項は,目的,条件,制限,組織への連絡方法,苦情対応手順などのことである。

注記 2  “顧客満足行動規範”を,以下,規範という。

3.2 

苦情申出者(complainant) 

苦情(3.3)を申し出ている人,組織(3.6)又はそれらの代理人。

注記  この定義は,代理人は,人又は組織を代理することができるという点で,JIS Q 10002 に規定す

る定義を明確にするものである。

3.3 

苦情(complaint)

製品又は苦情対応プロセスに関しての,組織(3.6)に対する不満足の表現で,その対応又は解決が,明

示的又は暗示的に期待されているもの。


4

Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

JIS Q 10002:2005 の 3.2

注記  苦情は,規範(3.1)に関して申し立てることもできる。

3.4 

顧客(customer) 

製品を受け取る組織(3.6)又は人。

  消費者,依頼人,エンドユーザ,小売り業者,受益者及び購入者

注記 1  顧客は,組織の内部又は外部のいずれでもあり得る。

注記 2  この規格の目的のためには,“顧客”という用語に,潜在的顧客を含む。

注記 3 JIS 

Q 9000:2006

の 3.3.5 を一部修正して採用した。

3.5 

顧客満足(customer satisfaction) 

顧客の要求事項が満たされている程度に関する顧客(3.4)の受けとめ方。

注記 1  顧客の苦情(3.3)は,顧客満足が低いことの一般的な指標であるが,顧客の苦情がないこと

が必ずしも顧客満足度が高いことを意味するわけではない。

注記 2  顧客要求事項が顧客と合意され,満たされている場合でも,それが必ずしも顧客満足が高い

ことを保証するものではない。

JIS Q 9000:2006 の 3.1.4

3.6 

組織(organization) 

責任,権限及び相互関係が取り決められている人々及び施設の集まり。

  会社,法人,事業所,企業,団体,慈善団体,個人業者,協会,行政機関,若しくはこれらの一

部又は組合せ

注記  JIS Q 9000:2006 の 3.3.1 を“行政機関”の箇所だけ修正して採用した。

基本原則 

4.1 

一般 

4.2

4.9 に示す顧客重視の基本原則を順守することが,規範の効果的かつ効率的な計画,設計,構築,

実施,維持及び改善の基盤である。

4.2 

コミットメント 

組織は,規範の採用,規範と他のマネジメントシステムとの統合,規範の普及,及びその約束事項の実

行を積極的に明言し,取り組むことが望ましい。

4.3 

対応能力 

規範の計画,設計,構築,実施,維持及び改善のために,十分な経営資源を準備するとともに,効果的

かつ効率的に運営管理することが望ましい。

4.4 

公開性 

規範は,顧客,要員及びその他の利害関係者に広く公開することが望ましい。

4.5 

アクセスの容易性 

規範及び関連する情報は入手しやすく,利用しやすいことが望ましい(

附属書 参照)。

4.6 

応答性 

組織は,

規範によって,

顧客のニーズ及び利害関係者の期待に応答することが望ましい

附属書 参照)。


5

Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

4.7 

正確性 

組織は,規範及び規範に関連する情報が正確で,誤解を招くことがなく,検証可能で,かつ,関連する

法令・規制要求事項に適合していることを確実にすることが望ましい。

4.8 

説明責任 

組織は,規範に関する組織の対応及び決定についての説明責任及び報告体制を確立し,維持することが

望ましい。

4.9 

継続的改善 

規範及びその使用に関する有効性並びに効率の向上が,組織の永続的な目的であることが望ましい。

規範の枠組み 

5.1 

体制構築 

規範は,計画,設計,構築,実施,維持及び改善の各段階において,組織的枠組みによって意思決定及

び実行がなされることが望ましい。この枠組みには,規範の目的を達成するための,相互に関連する活動

を実施するために必要な経営資源の評価,準備及び配置を含む(

附属書 参照)。また,枠組みには,ト

ップマネジメントのコミットメント,責任及び権限の適切な割り当て,並びに組織全体にわたる教育・訓

練についても含まれる。

5.2 

他のマネジメントシステムとの統合 

規範の枠組みは,該当する場合には,組織の品質及びその他のマネジメントシステムに基づき,かつ,

それらと統合的であることが望ましい。

計画,設計及び構築 

6.1 

規範の目的の決定 

組織は,規範によって達成しようとする目的を設定することが望ましい。

注記  規範の目的は,その達成状況が,組織が識別したパフォーマンス指標を用いて判定可能なよう

に明りょう(瞭)に表明されることが望ましい。

6.2 

情報の収集及び評価 

次の事項に関する情報を収集し,評価することが望ましい。

−  規範が取り組もうとしている課題

−  これらの課題がどのように発生しているか

−  これらの課題にどのように取り組むことができるか

−  これらの課題が,規範に関連のない組織の活動にどのように,またどの程度影響を及ぼしているか

−  他の組織は,これらの課題にどのように取り組んでいるか

−  規範の使用を通じて,これらの課題に取り組むために見込まれる経営資源及びその他の影響

−  規範の使用を通じてこれらの課題に取り組むことに関連する法令・規制要求事項

注記  これらの情報は,組織が規範の目的を明確にし,かつ,組織の他の活動と整合した規範の構築

及び評価に対する適切なアプローチを決定することを支援することになる。他の組織(例えば,

業界団体又は専門職団体)が作成した規範を採用するときに検討すべき要因に関する手引を,

附属書 に示す。

6.3 

利害関係者からのインプットの入手及び評価 

利害関係者(例えば,顧客,供給者,業界団体,消費者団体,関連行政機関,要員,所有者)から規範


6

Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

の内容及び使用に関するインプットを入手し,

評価することが,

組織にとって重要である

附属書 参照)。

6.4 

規範の作成 

組織は,収集した情報及びインプットに基づいて規範を作成することが望ましい(

附属書 参照)。規

範は,明りょう(瞭)

,簡潔,正確で誤解を招かず,平易な言葉で書かれ,かつ,次の内容を含むことが望

ましい。

−  組織及びその顧客の双方に対して,適切な規範の適用範囲及び目的

−  組織が顧客に対して示す,達成可能な約束事項及びこれらの約束事項に関する制限

−  規範に用いた主要な用語の定義

−  規範に関する問合せ及び苦情の申出方法及び申出先

−  規範の約束事項が達成されない場合に,どのような対応がなされるかについての記述

注記  問合せ及び苦情は,規範の内容及びその使用の,どちらに対してもあり得る。手引として,JIS 

Q 10002

及び JIS Q 10003 を参照するとよい。

規範の作成において,組織は,規範が効果的に実施でき,かつ,その規定が法令・規制要求事項に違反

していないことを確実にすることが望ましい。欺まん(瞞)的又は誤解を招く宣伝及び競争を阻害する行

為の禁止に関する法令・規制要求事項は,特に重要である。組織は,関連するその他の規範及び規格をも

考慮し,規範の規定がそれらと整合していることを確実にすることが望ましい。

組織は,規範を調整する必要があるかどうか判断するために,規範の試行を検討することが望ましい。

6.5 

パフォーマンス指標の作成 

組織は,規範がその目的を達成しているかどうかの判断を容易に行うための,定量的又は定性的パフォ

ーマンス指標を作成することが望ましい。

注記  顧客満足に関する規範に関連するパフォーマンス指標には,顧客満足度調査による格付け又は

順位付け,若しくは苦情及びその解決に関する統計が含まれる。

附属書 に例を示す。

6.6 

規範の実施,維持及び改善のための手順の作成 

組織は,問合せ及び苦情がどのように取り扱われるかを含む,規範の実施,維持及び改善するための手

順を作成することが望ましい。また,組織は,規範の効果的な活用に対する障害を特定し,対処すると同

時に,規範の実施,維持及び改善につながり得るインセンティブはどのようなものであれ明確にすること

が望ましい。手順は,規範及びそれを実施する組織によって異なってくる。手順は,適用される法令・規

制要求事項に従って作成することが望ましい。

注記  手順の対象となり得る活動の例には,次の事項が含まれる。

−  顧客への規範の伝達

−  関係する要員への規範についての教育・訓練

−  規範の約束事項が達成されない場合の解決

−  規範に関する問合せ及び苦情の記録作成

−  規範のパフォーマンスの記録作成及び評価

−  記録の活用及び管理

−  規範の達成に関する情報開示(

附属書 参照)

6.7 

内部及び外部コミュニケーション計画の作成 

組織は,規範の適用に関与する要員及びその他の関係者が,規範及び支援情報(例えば,フィードバッ

ク書式)を入手できるようにする計画を構築することが望ましい(

附属書 参照)。


7

Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

6.8 

必要な経営資源の決定 

組織は,規範の約束事項を達成するために,また規範が達成されていない場合の適切な救済(例えば,

顧客への補償)を提供するに当たって,必要とされる経営資源を決定することが望ましい。経営資源には,

要員,教育・訓練,手順,文書,専門家による支援,材料・設備,施設,コンピュータハードウェア及び

ソフトウェア並びに財源が含まれる。

実施 

組織は,規範のための活動が計画どおりに実施されるように,時宜を得た方法でそれらの活動を運営管

理することが望ましい。

組織は,組織内の適切な階層で,次の事項を行うことが望ましい。

a)

関連手順並びに内部及び外部コミュニケーション計画を適用する。

b) 

顧客に対する適切な救済(例えば,補償)を提供する。

c)

規範の規定を達成できない場合に,速やかに対処するために必要な活動を行う。これらの活動は,規

範に関する苦情を受けて,又は規範のパフォーマンスについての組織の情報収集の結果によって開始

され得る。

組織は,次の事項について記録することが望ましい。

−  規範の適用における経営資源の使用状況

−  要員が受けた規範に関する教育・訓練及び指示の内容

−  内部及び外部コミュニケーション計画の実施状況

−  規範に関する問合せ又は苦情への対応内容,及び組織が行った救済のための活動

維持及び改善 

8.1 

情報の収集 

組織は,箇条 及び箇条 に記述された情報,インプット及び記録を含む,規範のパフォーマンスの効

果的かつ効率的な評価に必要な情報を,定期的かつ体系的に収集することが望ましい。

8.2 

規範のパフォーマンスの評価 

組織は,規範のパフォーマンスを定期的かつ体系的に評価することが望ましい。この評価には,規範の

目的及び規範の約束事項の全体について,その達成状況の検証及び分析を含めることが望ましい。

規範又は規範の使用に関する問合せ及び苦情について,組織全体にかかわる問題及び傾向なのか,繰り

返し発生する問題及び傾向なのか,又は単発的な問題及び傾向なのかを特定し,かつ,規範に関する苦情

の根底にある原因を取り除くために,分類及び分析することが望ましい。

注記  組織は,製品又はプロセスに関する問合せ及び苦情のうち,規範とは無関係に見えるものにつ

いても,規範の規定に関連するかどうかを判断するためのステップを踏むことが望ましい。こ

れらの問合せ及び苦情によって,組織における規範の規定の誤った適用が明らかになることが

ある。

規範の影響を評価するためには,規範の実施前の状況及び実施後の適切な間隔での状況に関する情報が

必要である。この情報は,規範の設計及び実施における問題点を明確にするためだけではなく,規範の実

施を通じて達成された結果(もしあれば)及び進展を実証するためにも使用できる。

8.3 

規範に対する顧客満足度 

規範及び規範の活用に関して,顧客満足度を定期的かつ体系的に判定するための活動を行うことが望ま


8

Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

しい。これは,ランダムな顧客調査及びその他の手法によって行うことができる。

注記  規範が扱う事項について,顧客からの接触に対する組織の対応を法令で許される範囲でシミュ

レートすることは,顧客満足度を評価するための一つの方法である。

8.4 

規範及び規範の枠組みのレビュー 

組織は,次の事項のために,定期的かつ体系的に,規範及び規範の枠組みをレビューすることが望まし

い。

a)

規範及び規範の枠組みの適切性,妥当性,有効性及び効率の維持

b)

規範の約束事項が達成されていない重要な事例への取組み

c)

規範の改善に関する必要性及び機会の評価

d) 

適切な意思決定及び活動

組織は,レビューを実施するに当たり,次の事項に関する適切な情報を取り入れることが望ましい。

−  規範及びその枠組みに影響する変更

−  法令の改正

−  競合他社の活動方針の変更及び技術革新

−  社会からの期待の変化

−  規範の約束事項の達成状況

−  是正処置及び予防処置の現状

−  提供される製品

−  これまでのレビューで決定した活動

8.5 

継続的改善 

組織は,顧客満足を高めるために,是正処置,予防処置などの手段,及び革新的方法によって,規範及

び規範の枠組みを継続的に改善することが望ましい。

組織は,苦情の再発及び発生を防止するために,現存する問題及び将来起こり得る問題の根底にある原

因を取り除くための処置をとることが望ましい。

注記 1  他の組織が作成した規範を実施する組織は,実施によって発生した問題を,規範を作成した

組織に伝えることが望ましい。

組織は,次の事項を実施することが望ましい。

−  規範の構造,内容及び実施に関する最善の実施例を調査,特定し,適用する。

−  組織内部で顧客重視の志向を促進する。

−  規範の革新を奨励する。

−  規範に関連する,優れたパフォーマンスの事例及び手法の事例を推奨する。

注記 2  継続的改善の一般的な方法に関する追加的な手引として,JIS Q 9004:2000 の附属書 を参照

できる。


9

Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

附属書 A

(参考)

様々な組織における規範構成要素の単純化した例

表 A.1 は,様々な組織における規範構成要素の単純化した例を示す。

表 A.1−様々な組織における規範構成要素の単純化した例

組織のタイプ

規範構成要素

の例

ピザ宅配会社

診療所

小売店協会

ホテル

鉄道会社

約束事項

“ も し 熱 々 の ピ
ザが 30 分以内に
配 達 で き な い 場

合は,ピザは無料
です。

“ 予 約 さ れ た
診 療 の 開 始 が
遅れる場合は,

す ぐ に 患 者 様
に お 知 ら せ し
ま す 。 そ の 場

合,別の時間へ
の 予 約 変 更 も
可能です。

“もしレジでスキ
ャンした品目の価
格が表示価格より

も高い場合は,個
人のお客様でも事
業者様でも,その

商品を無料としま
す。

“もしお客様が当方
のサービスにご満足
いただけない場合は,

当ホテルはその改善
に向けてできる限り
の努力を致します。そ

れでも改善できない
ときは,料金の割引を
させて頂きます。

“ も し 列 車 が 遅
延した,手洗所が
汚れていた,又は

サ ー ビ ス が ぞ ん
ざ い で あ っ た 場
合は,乗車券の料

金 を 返 金 し ま
す。

顧客に伝えら
れる約束事項

に関する限定
条件

地理的,天候上又
は 交 通 条 件 の 制

規 則 正 し く 組
み 立 て た 診 療

ス ケ ジ ュ ー ル
を 中 断 さ せ る
緊急事態

対面販売の化粧品
及び個別に値札を

付けた商品には適
用しない。

ホテルの管理能力を
超える状況

厳しい天候条件

規範のその他
の条項

配 達 の 遅 れ た ピ
ザの費用を,ピザ

配 達 人 の 賃 金 か
ら 差 し 引 か な い
という記述

通 常 の 診 療 時
間帯以外での,

医 師 の 対 応 可
能 な 時 間 帯 に
ついての記述

規 範 の 目 的 で あ
る,

“スキャナでの

正確な価格表示を
維持するため”の
記述

規 範 の 目 的 で あ る ,
“顧客の完全な満足”

の記述

規 範 の 目 的 で あ
る,“清潔で正確

な 列 車 の 運 行 及
び 丁 寧 な サ ー ビ
ス”の記述

支援情報

苦 情 を 訴 え る 方

問 合 せ を 行 う
方法

問合せを行う又は
苦情を訴える方法

割引を受ける方法

返 金 を ど こ で 受
けられるか

規範の計画,
設計,開発及
び実施のため

の活動

試行の計画

顧 客 サ ー ビ ス
の教育・訓練

協会メンバーへの
相談

最適な救済を決定す
るための,フォーカス
グループの活用

一 般 利 用 者 へ の
対 応 に 関 す る 要
員の教育

維持及び改善

のための活動

調査を実施し,結

果 と し て 規 範 の
文 言 に 変 更 を 加
える。

苦 情 デ ー タ を

評価する。

データのレビュー

に消費者団体が関
与する。

販売促進活動を修正

する。

手 洗 所 の 清 掃 手

順を変更する。

パフォーマン
ス指標

時 間 ど お り に 配
達した比率

連 絡 を 受 け た
患者の比率

誤って価格を付け
た品目の比率

満足していない顧客
の比率

乗 客 か ら の 苦 情
の比率


10

Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

附属書 B

(参考)

JIS Q 10001

,JIS Q 10002

及び JIS Q 10003 の相互関係

図 B.1 は,行動規範,苦情対応及び外部における紛争解決に関する組織のプロセスを表した図である。

注記  苦情は,顧客又はその他の苦情申出者によって始まる。

図 B.1JIS Q 10001JIS Q 10002 及び JIS Q 10003 の相互関係

苦情は解決され

たか?

JIS Q 10002

に基づく

苦情対応

顧客の製品に対する関心

相互関係の終了

行動規範の確認

相互関係

顧客−組織

行動規範の確認

苦情の解決(紛争対応の終了)

JIS Q 10001

に基づく

行動規範

JIS Q 10003

に基づく

紛争解決

紛争対応の終了

苦情が申し立て
られたか?

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いいえ

いいえ

はい

はい


11

Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

附属書 C 
(参考)

小規模事業者のための手引

この規格は,すべての規模の組織を対象としたものである。しかしながら,多くの小規模組織では,顧

客満足行動規範を計画,設計,構築,実施,維持及び改善するための経営資源が限られている。次の例で

は,組織が適切な規範を作成するために注意を集中することが望ましい主要な分野を,それぞれの活動の

ための提案とともに示している。

−  他の組織が使用している幾つかの規範を比較検討し,それらが自組織にとって有効かどうか判断する。

−  既に確立されている規範への参加を検討する(例えば,業界又は専門職団体が実施している規範プロ

グラムへの参加)

−  顧客及び同業者に,顧客に対する約束事項としてどのような内容が最も望ましいか,意見を求める。

−  関連する手順,教育・訓練,新しい人員配置,施設の変更,新しい設備及びコミュニケーションを含

め,規範の約束事項を効果的かつ効率的に達成するために,組織の現在の運用に対してどのような変

更が必要かを検討する。

−  組織が約束事項を効果的かつ効率的に達成しているかどうかを,どのように測定できるか検討する。

−  規範を最終決定する前に,及び広く周知する前に,規範がどのように機能するかを試行テストして検

討する。

−  顧客が,

規範及び規範の実施に関する問合せ及び苦情を申し出るために使う,

簡単な手順を導入する。

−  外部における紛争解決プログラムへの参加を検討する。

−  適用される法令及び規制事項(例えば,消費者を保護するための法律)をレビューする。

−  表示,広告及びその他の手段によって,規範が実施されていることを顧客に伝達する。

−  顧客及び同業者に対して規範及びその実施に関する意見を求めることによって,組織がその約束事項

をどの程度達成しているかを定期的にレビューし,規範が更に適切で,妥当で,効果的で,かつ,効

率的なものであることを確実にするための変更を行う。


12

Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

附属書 D 
(規定)

アクセスの容易性に関する手引

組織は,顧客,要員及びその他の利害関係者が,規範及び規範に関連する支援情報(例えば,苦情用の

書式)を容易に入手できるようにすることが望ましい。組織は,潜在的な利害関係者の範囲(これには,

子ども,高齢者,様々な異なる能力のある人々が含まれる。

)を考慮することが望ましい。したがって,規

範を参照したいと考える顧客が不利益を被らないよう,規範に関する情報及び支援は,製品の提供又は引

渡しの時点で当該製品に添付する情報のために用いた言語又は書式で提供することが望ましい。別の組織

(例えば,業界又は職業団体)の規範プログラムに参加する組織は,顧客及びその他の利害関係者に対し

て当該の別組織について説明することによって,同プログラムにアクセスしやすくすることが望ましい。

情報は既存の顧客及び潜在的顧客に適切であるように,明りょう(瞭)であいまい(曖昧)さのない文

言で記述し,かつ,音声,拡大活字,大形の浮き出し文字,点字,E メール又はアクセス容易なウェブサ

イトなどの,代替様式を備えていることが望ましい。

注記  代替様式とは,異なる形態又は感覚能力を通じて情報にアクセスできるようにするための,様々

な提示方法又は表記方法を意味する。すべてのインプット及びアウトプット(すなわち,情報

及び機能)を,少なくとも一つの代替様式(例えば,視覚様式及び触覚様式)で提供すること

によって,言語及び/又は識字能力の問題を抱える人を含め,より多くの人々を支援すること

ができる。読みやすさ及び理解しやすさに影響を与え得る提示方法の要因としては,次の事項

がある。

−  レイアウト

−  印刷の色彩及びコントラスト

−  フォント及び記号のサイズ及び書式

−  複数の言語の選択及び使用

JIS S 0137

を参照。


13

Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

附属書 E

(規定)

利害関係者からのインプットに関する手引

組織は,利害関係者を明確にし,その意見を聞くことが望ましい。組織は,次の事項を実施することが

望ましい。

a)

意見交換会,フォーカスグループ討議,アンケート調査,諮問委員会,ワークショップ及び電子会議

グループを含む,実行可能なインプット入手方法の範囲を検討する。

b)

利害関係者からのインプットを入手することに関する,財務的及び人的資源を決定する。

利害関係者からのインプットを入手するプロセスを効果的にするために,組織は,次の事項を実施する

ことが望ましい。

−  プロセスの目的を明確にする(プロセスの目標,プロセスの範囲及び想定する最終結果を明確にする

ことを含む。

−  利害関係者がプロセスに参加できるように,かつ,プロセスの予測外の展開にも柔軟に対応できるよ

うに,プロセスのためのスケジュールを適切に決定する。

−  適切な利害関係者の参加を求める。

−  インプットを提供する関係者からの情報について,その秘密性の保持が必要な場合は確実に行う。

−  インプットを入手するための適切なメカニズムが使用されることを確実にし,かつ,適切な財務資源

に基づくことを確実にする。

−  プロセスの基本原則が,関係者に確実に理解され,確実に受け入れられるようにする。

利害関係者からのインプット入手のプロセスが完了後,組織は,その結果を,その後の規範の計画,設

計,構築,実施,維持及び改善活動に活用することが望ましい。組織は,利害関係者に対し,プロセスの

結果がどのように活用されたか伝達することが望ましい。

利害関係者からのインプットを入手するための,

プロセスの有効性及び効率を評価することが望ましい。


14

Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

附属書 F

(参考)

規範の枠組み

図 F.1 は,規範の計画,設計,構築,実施,維持及び改善の各段階における,意思決定及び実行のため

の組織的枠組みを図示したものである。

図 F.1−規範の枠組み

規範の作成(6.4

計画,設計及び構築(箇条 6

規範の目的の決定(6.1

情報の収集及び評価(6.2

利害関係者からのインプットの
入手及び評価(6.3

パフォーマンス指標の作成(6.5

規範の実施,維持及び改善のための手順の作成(6.6

内部及び外部コミュニケーション計画の作成(6.7

必要な経営資源の決定(6.8

情報の収集(8.1

実施(箇条 7

維持及び改善(箇条 8

規範のパフォーマンスの評価(8.2

規範に対する顧客満足度(8.3

規範及び規範の枠組みのレビュー(8.4

継続的改善(8.5


15

Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

附属書 G 
(参考)

他の組織によって提供される規範を採用する場合の手引

組織は,他の組織(以下,規範提供者という。

)が作成した行動規範の採用,又は規範提供者のプログラ

ムへの参加を検討することができる。この場合,組織は次の事項について検討することが望ましい。

−  その規範は,組織にとって適切かつ妥当なものであるか。

−  規範提供者の評判はどのようなものか(例えば,顧客,他の企業及び行政からよい評価を得ているか,

規範提供者は当該部門に重要な影響力をもっているか。

−  規範提供者は,規範の設計及び構築のときにどのようなプロセスを踏んだか。それは,すべての利害

関係者に公開されていたか。

規範提供者及びその規範に関する,他の組織の経験はどのようなものか。

−  その規範は市場で高い評価を得ているか。

−  規範提供者のプログラムへの参加の費用及び効果はどのようなものか。

−  規範提供者は規範の順守を監視し,確実にしているか。その場合,どのような方法によるのか。

−  その規範は,採用する組織に対して規範の達成を義務付けるものか。規範を順守できなかった場合に

どうなるのか。

−  規範提供者は,

規範が守られなかった場合を認識し,

対応するための十分な経営資源をもっているか。

−  規範提供者は,その要員及び規範を採用する組織に対して,どのような教育・訓練を実施しているか。

−  規範提供者は,組織による規範の順守を促進するためにどのような奨励策(及び抑制策)を提供して

いるか。

−  規範を採用する組織は,どのような情報を規範提供者に開示する必要があるか。

−  規範提供者は,社会,行政及び規範を採用する組織に対し,どのような情報を開示するのか(例えば,

月次報告書,四半期報告書,半期報告書,及び年次報告書)


16

Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

附属書 H 
(規定)

規範の作成の手引

規範は,規範の目的と整合していることが望ましい。規範の内容は,組織の規模及び性質によって異な

るものとなるが,一般的に,次の事項は検討すべき重要性をもつ。

−  規範の適用範囲及びパラメタを明確にする(例えば,組織の全製品に適用するのか,又は一部の製品

にだけ適用するのか。全地域に適用するのか,又は限定した地域だけに適用するのか。

−  除外事項又は例外事項があれば周知する(例えば,この約束事項は,あらかじめ定めたピーク期間,

又はあらかじめ定めた通常ではない状況では適用しない。

−  主要な用語に関する明確な定義を示す。

−  可能な場合は,専門用語,略語又は頭文字語を避ける。

−  約束事項が達成できなかった場合の結果を明確に予測し,及びその場合に実施する手順を明確に定め

る。

注記  これには,JIS Q 10002 及び JIS Q 10003 で規定されている苦情対応プロセス及び外部における

紛争解決プロセスの手引を含むことができる。

−  規範に関する適切な情報を,適切なタイミングで提供する[例えば,オンラインで製品を提供してい

る組織は,個人情報を収集するとき及び顧客が製品を購入する直前に,ホームページでプライバシー

保護(個人情報保護)に関する情報を提供することができる。

−  顧客が,問合せ,苦情又は意見の申出をする担当者,及び申出の方法に関する情報を提供する。

−  規範が効果的及び効率的に実施され,かつ,規範の規定が法令・規制要求事項に違反していないこと

を確実にする。欺まん(瞞)的又は誤解を招く宣伝及び競争を阻害する行為の禁止に関する法令・規

制要求事項は,特に重要である。


17

Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

附属書 I

(規定)

コミュニケーション計画の作成の手引

I.1 

一般 

組織は,規範の実施に関与する要員及びその他の関係者が,規範及び支援情報を入手できるようにする

ためのコミュニケーション計画を構築することが望ましい。このコミュニケーション計画は,組織の規模

及び種類並びに規範の性質によって異なるが,次の事項を含むことが望ましい。

−  内部及び外部のコミュニケーション対象者,並びにそれぞれのニーズの特定

−  コミュニケーションに取り組むために利用可能な経営資源の特定

−  実行可能なコミュニケーション方法の特定及び選択

−  コミュニケーションの方法(例えば,ロゴの使用,宣伝,店頭でのコミュニケーション)についての,

相対的な利益,不利益,有効性及び費用のレビュー

−  規範の実施に関与する要員及びその他の関係者に対する,組織の内外における関連情報の提供

I.2 

組織内部でのコミュニケーション 

情報は,次の内容を含むことが望ましい。

−  規範の目的及び規範の規定の解釈

−  規範の実施及び情報伝達に関与する要員の責任を含め,どのように規範を実施するかについての情報

−  組織内部の苦情対応プロセスに関する情報,及び組織の外部における紛争解決の規定に関する情報

要員は,公的に入手できる情報についても,教育を受け,認識していることが望ましい。

I.3 

組織外部とのコミュニケーション 

顧客,苦情申出者及びその他の利害関係者への情報は,冊子,パンフレット,ラベル,ウェブサイトな

どによって容易に入手できるようにすることが望ましい。情報は,適切な言語及び代替書式を使用し,正

確かつ明りょう(瞭)な方法で提供されることが望ましい(

附属書 参照)。この情報には,次の内容が

含まれる。

−  顧客に対する組織の約束事項

−  規範又は規範によって取り組む課題に関する問合せ及び苦情を,どこに,及びどのように申立てでき

るか

−  このプロセスの各段階のそれぞれに対応する状況及び時間枠について,どのようにフィードバックが

なされるのかも含め,問合せ又は苦情がどのように取り扱われるか

−  問合せへの受領通知,及び苦情への救済に関する,申出者の選択肢

−  組織の外部における紛争解決の利用可能性

−  規範の適用の結果

注記  苦情及び紛争解決に関し,組織は JIS Q 10002 及び JIS Q 10003 による手引を用いることができ

る。

組織は,問合せを行う者及び苦情申出者の個人情報を保護し,秘密保持を確保することが望ましい。


18

Q 10001

:2010 (ISO 10001:2007)

参考文献  [1]  JIS Q 9001  品質マネジメントシステム−要求事項 

[2]  JIS Q 9004:2000

  品質マネジメントシステム−パフォーマンス改善の指針

[3]  JIS Q 10002:2005

  品質マネジメント−顧客満足−組織における苦情対応のための指針

[4]  JIS Q 10003

  品質マネジメント−顧客満足−組織の外部における紛争解決のための指針

[5]  JIS S 0137

  消費生活用製品の取扱説明書に関する指針