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Q 0031

:2002 (ISO Guide 31:2000)

(1)

著作権法により無断での複製,転載等は禁止されております。

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日

本工業規格である。

これによって,JIS Q 0031:1997 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO Guide 31:2000,Reference materials

−Contents of certificates and labels を基礎として用いた。

このファイルは、MS-Word Version2000 で作成されています。


Q 0031

:2002 (ISO Guide 31:2000)

(2)

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目  次

ページ

序文

1

1.

適用範囲

2

2.

引用規格

2

3.

定義

2

3.1 

認証書

2

3.2

意図された用途

2

3.3

危険な状況

2

4.

一般

2

5.

認証書の見出し

2

5.1

一般事項

2

5.2

認証機関の名称及び所在地

3

5.3

文書の表題

3

5.4

標準物質の名称

3

5.5

標準物質識別記号及びバッチ番号

3

5.6

認証標準物質についての記述

4

5.7

意図された用途

4

5.8

標準物質の正しい使い方についての指針

4

5.9

危険な状況

5

5.10

均質性の水準

5

5.11

認証値及び不確かさ

5

5.12

トレーサビリティ

5

5.13

個々の試験所又は方法によって得られた値

5

5.14

認証されていない値

6

5.15

認証日付

6

5.16

有効期間

6

5.17

追加情報

6

5.18

認証責任者の指名及び署名

6

6.

認証書の必す(須)内容の要約

6

参考文献

8

解説

9

 


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日本工業規格

JIS

 Q

0031

:2002

(ISO Guide 31

:2000

)

標準物質−認証書及びラベルの内容

Reference materials

−Contents of certificates and labels

序文  この規格は,2000 年に第 2 版として発行された ISO Guide 31:2000,Reference materials−Contents of

certificates and labels

を翻訳し,技術的内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格で

ある。

なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にない事項である。

認証標準物質(CRM)に添付する認証書は,その使用に当たって必す(須)の情報をすべて含むことが望ま

しい。認証書のない標準物質は,生産費用の多か(寡)にかかわらず,無価値である。それ故,認証標準物

質生産者は認証書の作成に対して非常に入念な注意を払うことが望ましくなる。ISO の標準物質委員会

(ISO/REMCO)は,1981 年に ISO Guide 31 の初版を発行した。過去 16 年間,生産された標準物質の数及

び種類並びにその利用が大幅に増加した。特に,環境汚染への関心がより強くなってきたことから生じた,

分析技術及び計量技術によって得られる結果の信頼性に対しての増大する要求は,測定方法のバリデーシ

ョンに使用するための,及び校正用標準(calibrants)として使用するための,ますます高品質な認証標準

物質の範囲を更に拡大する要求へとなった。

JIS Q 0030 

[2.(引用規格)参照]の認証標準物質の定義は,すべての認証特性値は,定められた信頼水準

における不確かさが伴っていること,及び“特性値を表す単位の精確な現示”へのトレーサビリティが実

証されていることを要求している。それ故,これらの追加要求事項は認証書の中で満足されなければなら

ない。

ISO

によって発行された,計測における不確かさの表現のガイド(参考文献参照)は,計測における不確

かさの問題の,より最近の国際的な考察を要約し,上記で引用した認証標準物質の定義の何らかの修正を

要求するだろう。不確かさは現在では,合成標準不確かさ(A タイプ+B タイプ)として,又は拡張不確か

さとして(合成標準不確かさに適用される包含係数とともに)表現されることが望ましい。確率,又は信頼

水準の概念は,現在ではもはや中心概念ではない。

この規格の初版は,ラベル上に与える情報,認証書及び認証報告書の間の違いを論考し,認証書の簡潔

な要約的性質を強調した。しかしながら過去 16 年間に,認証報告書の発行の一般的な減少と,認証書に提

供する情報の増加とが生じた。もし完全な認証報告書として適切なすべての情報が,認証標準物質の生産

者に申し込み次第常に得られるならば,認証報告書の発行の衰退は必ずしも非難されることではない。認

証報告書の作成は高価であり,同じバッチの物質から新しい試料が購入されるたびごとに,同じ使用者に

報告書が供給されることは明らかに不必要である。同時に,認証書に要求される情報は,通常は認証特性


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値だけではない。容器を開ける手段,測定用に採取する試料の最小量,物質の安定性,保管する手段,及

び認証値が方法に依存する認証標準物質の場合には,認証値の測定に用いられた方法に関する詳細は,使

用者にとってすべて不可欠の情報である。

1.

適用範囲  この規格は,認証標準物質に添付する,明白で簡潔な認証書を生産者が作成することを助

けることを意図している。そのような認証書は,一方でその本質的な性格を保ちながら,標準物質の使用

者が必要とするすべての情報を,要約した形で提供することに役立つことが望ましい。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD(修

正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO/IEC Guide 31

:2000  Reference materials−Contents of certificates and labels (IDT)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで,発効年(発行年)を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格

の規定を構成するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。

JIS Q 0030

:1997  標準物質に関連して用いられる用語及び定義

備考  ISO Guide 30:1992    Terms and definitions used in connection with reference materials が,この規格

と一致している。

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Q 0030:1997 によるほか,次による。

3.1

認証書  認証標準物質の使用に当たって重要な,すべての情報を含んだ文書 

備考  認証標準物質と認証書とは分離しないほうがよい。 

3.2

意図された用途  供給者が提供した情報に従った製品,プロセス又はサービスの用途 

[ISO/IEC Guide 51

:1999,  定義 3.13 

3.3

危険な状況  人,財産又はその環境が危険にさらされる状況 

ISO/IEC Guide 51:1999,  定義 3.3 

4.

一般  認証書に含まれる情報の量は,認証報告書の迅速な利用ができるかどうかに依存する。報告書

が認証書と共に供給されるとき,もし報告書への参照を適切に行うならば,認証書の中の詳細さは制限で

きる。認証書及び認証報告書の詳細は,使用者が認証標準物質の質と完全さとを判断することを可能にす

るであろう。

ラベルに記載される情報又は物質に表示される情報は,認証標準物質を識別することだけに役立つこと

が望ましく,生産者名,物質名,物質の生産者の識別記号,バッチ番号並びに関連する健康及び安全の警

告に限定することが望ましい。認証書中の情報を未検討のままに物質が使用されることを防止するために,

認証特性値を含めないことが推奨される。

5.

認証書の見出し

5.1

一般事項  認証書の作成に当たって考慮すべき情報の種々の範ちゅうを次に示す。明白にすることが

必要と考えられる場合には,それぞれの見出しの下に,例とともに説明が与えられる。それらの見出しは,

物理特性値,化学種の濃度値,同位体組成(これらは SI 単位系で表現),並びに取決めの特性値及び


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生物学的特性値(これらは,もし SI で定義できないときには,国際的に合意されている測定手順に基づい

た,国際的に合意されている測定尺度で定義される)のために認証された標準物質を含むあり得るべき最も

広い範囲の認証標準物質に要求される情報を包含することを意図している。ある種の情報は,たとえあら

ゆる場合には重要でないとしても,常に提供されなければならない。例えば,合金又は天然の化合物の同

位体組成の安定性は,まれにしか問題にならない[であろうが,必す(須)であると考えられるし,常に提

供されなければならない。

この規格のある部分を,自己の要求文書に含めたいと望んでいる機関,例えば,認定機関を助けるため

に,認証書に含むことが必す(須)である情報の要約が与えられる。その他の詳細は任意であり,もしその

認証標準物質の有用性を高めるならば,例えば,天然の原料から調製した標準物質の起源を提供してもよ

い。

見出しは,情報の提供のために論理的な順序で与えられ,次のように要約できる。

−  認証機関及び標準物質の一般事項(5.25.5)。

−  その物質及び意図された用途の記述(5.65.10

,認証値。

−  それらのトレーサビリティ及び認証書の有効期限(5.115.16

−  その他の情報(5.17 及び 5.18)及び認証書の重要な内容の要約(6.

しかしながら,この規格は認証書に含まれている情報だけに関するものであり,見出しの順序又は表題

は生産者の都合に合わせて変更してもよい。

5.2

認証機関の名称及び所在地  名称(一般に認証書の見出し部分によく目立つ活字で示す。)には,認証

書に関する情報について責任を負う機関又は組織,すなわち,認証機関の名称を書くことが望ましい。名

称には常に完全な郵便あて(宛)先,電話及び FAX の番号,並びに利用可能な場合 e-mail アドレスを付記す

ることが望ましい。 

5.3

文書の表題  “分析認証書”又は“測定認証書”のような明確な表題を付けることが望ましい。暫

定的な認証書の臨時の発行は,同一バッチの標準物質に対する 2 通以上の認証書の存在に伴って混乱を招

くことがあり得るので勧められない。 

5.4

標準物質の名称  名称は,できる限り標準物質の種類を,他の類似した物質と識別できるように,

十分詳細に記述することが望ましい。岩石,鉱物の名称の後に,例えば,

“せん長岩(Pharaborwa 産)

”又

は“かすみ石せん長岩(Nepheline syenite)

”のように,産地や成分的特性を付け加えると,地質学的な物

質として個性化される。天然のマトリックス中の汚染物質のトレース分析に対しては,マトリックスの性

質,及びもし数種類の類似の標準物質が入手可能ならば,汚染の水準,例えば,

“全粉乳中のアフラトキシ

ン(Aflatoxin)M1(中間レベル)”を記述することが重要である(しかしながら,輸送業者及び税関当局に

渡す文書に詳細な記述をすることは,避けるのが賢明であろう。配送の際に毒性をもつ汚染物質の名称が,

無用な問題を引き起こすかもしれないからである。

。や(冶)金関係の試料には,例えば,

“6Al-4V チタン

合金”のように重要な元素の濃度を示すことが適切である。 

5.5

標準物質識別記号及びバッチ番号  各認証標準物質は,例えば,BCR CRM 186, LGC 7016, NIST

SRM 41

のような,独自の文字数字式記号をもつことが望ましい。それによって,同じ,又は他の生産者

によって発行されたいかなる他の認証標準物質からも区別できる。そのほかに,それが特別な認証標準物

質の最初のバッチであるときでも,バッチ番号が記述されることが望ましい。これは,使用者である試験

所が同時に二つ以上のバッチからの標準物質をもつときに起こるかもしれない混乱を避けるためである。

ある生産者は,例えば,NIST SRM 41c のように,標準物質の文字数字式記号にバッチ番号を結合させてい

る。 


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5.6

認証標準物質についての記述  標準物質についての一般的な記述は,事実上,その名称の,更に詳

細な説明となることが望ましい。合金のように個々の成分から調製されるか,岩石,水又は動物起源若し

くは植物起源の製品のように天然資源から得られるか,いずれにしても,その化学組成が認証された物質

を除いて大抵の場合,標準物質の出所はその用途には大きく関連しないであろうが,マトリックスの組成,

特に分析操作を妨害するかもしれない物質の存否は,適切な分析方法の選択にかなり重要であり得る。た

とえ出所が明示されていなくても,物質のおおよその組成は常に記述されることが望ましい。認証機関は,

出所に関する情報を明示しないことによって,認証標準物質を用いて分析法のバリデーションを行う際に,

分析法の認証標準物質として同じ物質が用いられることになる状況が起こることを常に避けることが望ま

しい。

標準物質の物理的記述,適切な場合,例えば,

(供試)試料量,粒径,金属円筒又は金属円板の寸法及び

標準物質を入れて供給する容器の性質も示されることが望ましい。エタノールの水溶液に加えられる塩化

水銀(Ⅱ)のような安定剤の存在も,記述されなければならない。同じ物質が別の形態及び試料量で入手

できる場合にも,この情報をも含めてよい。

5.7

意図された用途  認証標準物質が生産者によって配付される主要な目的は,できる限り(明確に)記

述されることが望ましいが,認証特性が特定の分析又は測定の手順(例えば,規定された溶出手順後の鉱物

の元素分析,又は明確に定義された方法による引火点の測定)だけにしか関連するということでないなら,

この記述事項は他の目的への使用を禁止することを意図していない。しかし,認証書又は認証報告書若し

くは別の供給物中に提供される追加情報は,提案された認証標準物質の適用が正当であるかどうかを,使

用者が決定できるように,十分な情報を提供しなければならない。 

意図された用途の例は,次のとおりである。

−  国際温度目盛(ITS-90)上の定点温度の現示のため。したがって,温度測定器の校正のため。

−  鉱石試料中の貴金属の濃度値を定量する機器の校正のため。

−  天然マトリックス中の汚染物質の濃度値の定量に使用する分析方法のバリデーションのため。

−  商取引のための裁定用試料として(用いるため)

−  試験室の日常分析に用いる実用標準試料(working reference samples)の調製のため。

5.8

標準物質の正しい使い方についての指針  標準物質は,認証書に規定された条件で使うことが重要

である。例えば,乾燥が必要ならば厳密な条件,例えば,105℃で 2 時間が記述されなければならない。規

定された条件下で容器を開封する必要があるかもしれない。例えば,室温以下の温度で保管された物質は,

凝縮する水蒸気による汚染を防止するために,容器を開封する前に実験室温度まで暖めるために放置する

ことが望ましい。不活性ガス雰囲気で保管された物質は,類似した不活性ガスを満たしたグローブボック

スの中だけで開封することが望ましい。そのような場合,適切な注意を払うことが望ましい。認証書に規

定されていないならば,認証標準物質は磨砕のような,更に細かく砕く操作を受けないようにすることが

望ましい。特に微量元素の含有量が認証された物質の場合,これらの元素を含むいかなる装置の使用に対

しても警告を与えることが望ましい。 

固体の認証標準物質から,溶液に戻すことが必要な認証標準物質を使用する場合,特に臨床化学の分野

では,特別な指示が必要かもしれない。溶媒の性質,温度,混合手順,使用までの静置時間及び溶液の安

定性を,注意深く規定しなければならない。

認証書の妥当性(validity)を維持するために,その物質が保管されなければならない条件(例えば,温

度,光にさらすこと。

)を記述することが重要である。放射性物質のように本来不安定な物質の場合,使用

時の特性値を計算するための適切な数式が,認証値の記述の一部に含まれることが望ましい。


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5.9

危険な状況  ある認証標準物質の安全性について有用な情報が利用可能である場合は,それをラベ

ル及び認証書の両方に含めることが望ましい。いかなる危険な性質及び適切な注意に関する詳細情報も,

物質に添付されたデータシートの中で提供することが望ましい。 

5.10

均質性の水準  ほとんどの認証標準物質は,化学分析又は物理特性の測定のために,それから幾つ

かのサブサンプルを採取できる量で供給され,サブサンプリングは供給される試料が意図された用途のた

めに十分均質であることを前提としている。認証書は,認証標準物質の使用者が採取するサブサンプルの

最小の量又は数を記述することが望ましい。これには,それより少ないサブサンプルの採取がその特性の

認証値及びそれに関連する不確かさの記述の使用を無効にするという警告を伴うことが望ましい。適切な

場合,認証書は,試料の十分な均質性を確実にするために,ある規定された手順によって,容器を振動さ

せることを要求してもよい。

それによって物質の均質性の水準が評価されており,また,サブサンプルの最小の量又は数の記述の基

礎となっている手順の詳細及び結果は,認証書(又は認証報告書)に含むか,若しくは請求次第認証機関が

提供するかして,利用者が利用できることが望ましい。

5.11

認証値及び不確かさ  計測における不確かさの表現のガイド[参考文献の 8]及び Eurachem[参考文献

の 2]の手順に従った認証値の不確かさを伴う,特性及びその認証値の明確な記述があることが望ましい。

認証値の評価方法及び不確かさの評価方法が示されることが望ましい。測定結果の純粋な統計処理が用い

られた場合,処理方法が示されることが望ましい。しかしながら,しばしば,とりわけ幾つかの測定技術

が採用されたときには,測定結果から認証値及びその不確かさを導くために,専門家の経験及び認証機関

の専門的技術を用いることができる。幾つかの結果を他の結果より大きく重みづけするならその理由を,

常に与えることが望ましい。 

5.12

トレーサビリティ  JIS Q 0030 の認証標準物質の定義は,認証特性値が,特性値を表す単位の正確

な現示へのトレーサビリティを確立する手順によって認証されることを要求している。トレーサビリティ

は,不確かさがすべて決められた,切れ目のない比較の連鎖を通じて,決められた標準,通常は国家標準

又は国際標準に関連づけられ得る測定結果の性質として定義される[参考文献の 3]。それ故,認証標準物

質の特性値決定は,理想的には SI 又は国際的に合意された測定尺度にトレーサブルであることが望ましい。

物理的特性の認証標準物質の場合,国家計量研究所で現示した SI 基本単位へ測定を関連させる装置の校

正の切れ目のない連鎖を確立することが通常可能である。使用される方法が一次(標準)測定法(最高の

計量学的な質をもち,操作が完全に記述され,不確かさが SI 単位によって完全に書き表せるものと定義さ

れる)[参考文献の 4](例えば,同位体希釈質量分析法,電量分析法及び重量法)から,国際的に合意さ

れた測定尺度へのトレーサビリティが実証され得る,十分に確定された方法にまで及ぶ化学的な測定にと

って,問題はより大きい。しかしながら,いかなる認証書も妥当性の証拠及びそれらがトレーサブルであ

る測定尺度とともに,測定方法の原理が明白に述べられている記述事項を含むことが望ましい。化学的な

測定のトレーサビリティは,参考文献[5],[6],[7]でより十分に論じられている。

5.13

個々の試験所又は方法によって得られた値  幾つかの方法が標準物質の特性値決定に使われている

場合,これら(の方法)は記述されることが望ましい。多くの場合,原子吸光分光法又は蛍光 X 線分析法の

ような一般的な方法を示すことで十分であるが,あまり一般的でない方法又は変更された標準方法が用い

られている場合,完全な文献への引用又は完全な記述が与えられることが望ましい。幾つかの試験所又は

独立した分析者が標準物質の特性値決定に寄与した場合,それらの名称は,用いられた方法とともに列記

されることが望ましい。個々の方法で得た特性値と,幾つかの試験所又は分析者が同じ方法を使用した場

合に個々の実行者が得た特性値とはまた,場合によっては分けて報告してもよい。この実行の妥当性に


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ついては意見が異なるが取捨は随意であり,生産者の裁量に任せてもよい。一方では,それは使用者が個々

の結果の一致及び必要とされた測定技術に関する知識に基づいて認証標準物質の品質を評価することを可

能にするが,他方では,それは使用者が認証機関の経験及び専門的知識をもたずに,特性値の評価を彼ら

自身で行おうという気持ちにさせるかもしれない。認証書の情報についてのこのような不適切な使い方は,

その物質の認証標準物質としての使用を無価値にするであろう。いずれにせよ,各方法の結果の十分な詳

細が認証報告書の形で生産者から入手可能か,何らかの方法で提供されなければならない。

幾つかの標準物質は,測定に用いられた方法に依存する特性値,例えば,その値が溶出方法に依存する

鉱石の元素含有量,又は用いられた方法に全面的に依存する引火点の測定値,若しくは硬さの値に対して

認証される。このような場合,認証書には認証値が方法に依存するものであることをはっきりと警告し,

使用された方法の十分な詳細,又はその方法が十分記述されている出版物を引用することが望ましい。

5.14

認証されていない値  標準物質の特性値決定の過程の中で,生産者は物質の中にしばしば認証特性

値に要求される基準を満たしていない他の特性値を得る。そのような情報,例えば,複雑なマトリックス

中のその他の元素の概略濃度は,認証標準物質の使用者に有益であるかもしれないし,認証書に含めると

よいかもしれない。しかしながら,それは認証値から明確に区別されるのが望ましく,起こり得る混乱を

防ぐために,認証特性値と同一の表に含めないことが望ましい。 

5.15

認証日付  認証書が最初に発行された日付を記載することが望ましい。認証書が,同一バッチの認

証標準物質に対する改訂版の値を含む場合,元の認証書の日付及びすべての改訂版の日付が与えられるこ

とが望ましい。 

5.16

有効期間  認証は,それ以降はその認証値はもはや認証機関によって保証されない,有効期間満了

日を含めてよい。このことは不安定であることが実証されており,又は可能性があると考えられるすべて

の物質に対して行われることが望ましい。有効期間満了日が与えられているときは,認証書は,認証値が

適切な間隔で追跡調査されること,及び購入者が認証書に決められた有効期間の間に認証標準物質の再認

証又は取消しが生じるような何らかの有意な変化が生じた場合に通知されることの保証を含むことが望ま

しい。有効期間満了日が与えられていないときでも,認証値に予想しない変化が検出されたときは,これ

らが妥当な期間内に生じたときには,購入者は通知されることが望ましい。より高度な測定方法が使用で

きるようになったときには,再認証を行ってもよい。それ故,生産者及び配付者は,購入者の記録を維持

管理しなければならない。

認証書の有効期間満了日までに認証値に変化が生じなかったことを測定結果が示す場合,新しい認証書

は,初回認証書の有効期間の間に立証された安定性に基づいて,同じ認証値で,しかし新しい有効期間満

了日を付けて発行されることが望ましい。

5.17

追加情報  認証書は,物質の選定,適切さの評価及び認証する特性の測定を含む,業務の膨大な計

画の要約である。認証標準物質の多くの使用者は,認証書に含まれる情報以上の情報を要求しないであろ

うが,認証報告書(認証標準物質と一緒に,又は要求に応じて入手できる)の形か,その他の方法で生産

者への要求に応じて供給されるのが望ましい。 

5.18

認証責任者の氏名及び署名  この者が認証書の内容に責任を負うことを示して,認証機関を代表す

る責任者の氏名を掲載することが必す(須)である。認証書に,署名をもするかどうかを認証機関の判断

に任せることは最良である。

6.

認証書の必す(須)内容の要約  認証標準物質の生産者を援助するために,必す(須)とみなされる認証

標準物質認証書の内容が次のリストに要約される。このチェックリストは,認証標準物質の生産者の認定


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に対して責任をもつ機関の間で,運営の調和を促進することをも意図している。

−  標準物質の名称

−  生産者及び標準物質に対する生産者の識別記号

−  標準物質の一般的な記述

−  意図された用途

−  適正な使用に対する指示

−  保管の適切な条件に対する指示

−  それぞれに不確かさの記述事項を伴う認証特性値

−  特性値を得るために使用された方法(それらの値が測定方法に依存している場合は,十分な詳細事項

を含む。

−  適切な場合,有効期限

上記のすべては必す(須)であるとみなされるものの,各見出しで要求される詳細の程度は,標準物質の

性質によって変わるであろう。


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参考文献

[1] ISO Guide 51

:1999  Safety aspects−Guidelines for their inclusion in standards.

[2] Quantifying uncertainty in measurement, Eurachem, Laboratory of the Government Chemist, UK, 1995.

[3] International vocabulary of basic and general terms in metrology (VIM), 1993, BIPM, IEC, IFCC, ISO,

IUPAC, IUPAP and OIML.

[4] Consultative committee for the amount of substance (BIPM-CCQM), Report of the 1

st

 meeting

(April

1995

), BIPM, Sèvres.

[5] JIS Q 0034

:2001  標準物質生産者の能力に関する一般要求事項

備考  ISO Guide 34:2000,General requirements for the competence of reference material producers が,

この規格と一致している。

[6] P. De Bièvre and P.D.P. Taylor, Traceability of measurement to SI; how does it lead to traceability of

quantitative chemical measurements ?, Chapter 7 in Accreditation and Quality Assurance in Analytical

Chemistry, H. Günzler

(ed.), Springer, Berlin, 1996.

[7] P. De Bièvre and P.D.P. Taylor, Traceability to the SI of amount-of-substance measurements, from ignoring to

realizing, a chemist’s view, Metrologia, 1997, 34, BIPM.

[8] Guide to the expression of uncertainty in measurement (GUM), 1993, BIPM, IEC, IFCC, ISO, IUPAC,

IUPAP and OIML. Corrected and reprinted 1995.

日本工業標準調査会適合性評価部会  構成表

氏名

所属

(部会長)

大  島  榮  次

東京工業大学名誉教授

(委  員)

有  川  彰  一

財団法人日本船舶標準協会

飯  塚  幸  三

株式会社クボタ

飯  塚  悦  功

東京大学工学部大学院

井  須  雄一郎

財団法人日本適合性認定協会

今  井  秀  孝

独立行政法人産業技術総合研究所

岩  本  威  生

三菱化学株式会社技術部

斉  藤  紘  一

独立行政法人製品評価技術基盤機構

佐  野  真理子

主婦連合会

鈴  木  孝  男

社団法人日本鉄鋼連盟

鈴  木  はるみ

株式会社西友

住  本      守

ソニー株式会社カスタマーサティスファクションセンター

高  杉  和  徳

株式会社東芝デジタルメディアネットワーク社映像ネットワーク事業部

立  石      真

財団法人日本建築センター

鳥  居  弘  之

日本経済新聞社

西  原  主  計

神奈川工科大学

花  市  穎  悟

社団法人日本建設業団体連合会

浜  田  康  敬

独立行政法人国立環境研究所

原      早  苗

埼玉大学

福  丸  典  芳

株式会社 NTT-ME コンサルティング

正  田  英  介

東京理科大学理工学部

村  上  陽  一

社団法人日本電機工業会

森  田  允  史

財団法人日本品質保証機構

箭  内  博  行

財団法人医療機器センター

吉  澤      正

筑波大学社会工学系

若  井  博  雄

財団法人日本規格協会