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Q 0030 : 1997 (ISO GUIDE 30 : 1992)

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日

本工業規格である。

JIS Q 0030

には,次の附属書がある。

附属書 A  追加用語

附属書 B  参考文献


Q 0030 : 1997 (ISO GUIDE 30 : 1992)

(1) 

目次

ページ

0.

  序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  材料に関連する用語

1

3.

  測定及び試験に関連する用語

3

4.

  標準物質の認証及び頒布に関連する用語

4

附属書 A  追加用語

5

A1.

  (製品)バッ

5

附属書 B  参考文献

7


日本工業規格

JIS

 Q

0030

 : 1997

(ISO GUIDE 30

 : 1992

)

標準物質に関連して用いられる

用語及び定義

Terms and definitions used in connection with reference materials

0.

序文

0.1

この規格は,1992 年第 2 版として発行された ISO GUIDE 30, Terms and definitions used in connection

with reference materials

を翻訳し,技術的な内容及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規

格である。

なお,この規格で下線(点線)を施してある“参考”は,原ガイドにはない事項である。

0.2

標準物質 (RM) と認証標準物質 (CRM) (2.1 及び 2.2 で定義されている。

)は,測定又は付与され

た量(物理的,化学的,生物学的又は工学的)の値を,ある場所から他の場所に伝達できるようにするも

のである。それらは,測定装置の校正,分析・試験方法の評価及び長期にわたる測定の質の保証のために

広く用いられる。また,ある種の生物学的及び工学的な標準物質の場合には,その特性を任意の単位で便

宜的に表すためにも用いられる。あらゆる種類の標準物質及び認証標準物質は,国家的及び国際的な標準

化活動,能力試験 (proficiency testing),試験所の認定において,ますます重要な役割を果たしつつある。

この規格は,標準物質に関連して用いられる用語とその定義のガイドとして役立たせることを意図して

おり,全世界を通じて,標準物質の製造と使い方に関係している,異なる機関で用いられる用語について

の統一性をより多く確保する助けになるものである。

1.

適用範囲  この規格は,標準物質に関連して用いられる際の用語とそれらに付与される意味を推奨し

ており,標準物質認証書とそれに付随する認証報告書で用いられる用語に特に注意を払っている。

2.

材料に関連する用語

2.1

標準物質 (reference material) (RM)    測定装置の校正,測定方法の評価又は材料 (materials) に値を付

与すること (assigning) に用いるために一つ以上の特性値が十分に均一で,適切に確定されている材料又は

物質。

備考  標準物質は,純粋な又は混合された気体,液体又は固体の形をとることもある。実例としては,

粘度計校正用の水,熱量測定における比熱容量校正用としてのサファイア及び化学分析におけ

る校正用の溶液がある。

2.2

認証標準物質  (certified reference material) (CRM)    認証書の付いた標準物質で,一つ以上の特性値が,

その特性値を表す単位を正確な現示へのトレーサビリティが確立された手順によって認証され,各認証値

にはある表記された信頼水準での不確かさが付いているもの。

備考1.  標準物質認証書の定義は,4.2に与えられている。


2

Q 0030 : 1997 (ISO GUIDE 30 : 1992)

2.

認証標準物質は,通常バッチで作製される。その特性値は,バッチ全体を代表するサンプル

についての測定によって,記述された不確かさの限界内で決定される。

3.

標準物質の認証された特性は,その物質が特別に造られた装置 (device) に組み入れられてい

るとき,便利な,かつ,信頼できる形で現示される場合がある。例えば,三重点セル中に入

れる三重点が既知の物質,透過フィルター用の光学密度が既知のガラス,顕微鏡スライド上

に載せた均等の粒径をもった球状粒子などがある。そのような装置もまた,認証標準物質と

して考えてよい。

4.

すべての認証標準物質は,国際計量基本用語集  (the International Vocabulary of basic and general

terms in Metrology : VIM)

にある測定標準すなわちエタロンの定義の枠内に入る。

5.

いくつかの標準物質及び認証標準物質は,それらが確立された化学構造に関連づけることが

できないため又は他の理由のために,正確に定められた物理的化学的測定方法によって決定

することができない特性をもっている。そのような物質には,世界保健機関 (World Health

Organization : WHO)

によって国際単位が付与されているワクチンのような,ある種の生物学

的な物質がある。

2.3

一次標準 (primary standard)   最高の計量性能をもち,同一の量の他の標準への参照なしにその値が

特定の範囲内において受容されるように指定され,又は広く認められた標準。

備考  一次標準の概念は,基本単位にも組立単位にも同等に有効である。

[VIM]

2.4

二次標準  (secondary standard)    同一の量の一次標準との比較によって値が付与された標準。

[VIM]

備考  特性値の認証は,通常一次標準にトレーサブルな手順によって行われるので,多くの認証標準

物質はこの範ちゅうに入る。測定の階級体系における認証標準物質の地位は,特別な目的に対

する適合性を示してはいない。したがって,例えば環境物質のマトリックスの中の微量金属の

定量では,二次標準であっても,試験試料 (test sample) と同様な化合状態で,かつ,同様なマ

トリックス中にそのような金属を含有している認証標準物質が,純金属の一次標準よりはるか

に好まれる。その分析技術は,その認証標準物質が一次標準とみなされるような明らかに別の

測定分野として認め得る特殊な技術であるかもしれない。

2.5

キャラクタリゼーション (characterization)   標準物質に対し,その意図している最終用途に関連す

る一つ以上の物理的,化学的,生物学的又は工学的な特性値を決定すること。

2.6

均質性 (homogeneity)    一つ以上の指定された特性について,構造又は組成が一様である状態。異

なる供給単位(瓶,包装物など)又は一つの供給単位から指定された大きさのサンプルを採取し,試験を

行って特性値を決めたとき,その値が指定された不確かさの限界内にあることが判明したならば,その標

準物質は,その指定された特性について均質であるという。

2.7

安定性 (stability)   指定された条件の下で保存したとき,標準物質が,指定された期間中,指定さ

れた限界内で,記述された特性値を維持している能力。

2.8

サンプル  (sample)    標準物質のバッチから抜き取った,その物質を代表するもの (quantity)。

備考1.  サンプルを抜き取る方法は,検討しようとする一つ以上の特性について,サンプルがバッチ

を代表することを保証するものでなければならない。

2.

この用語は,供給単位又は分析試料のどちらに用いてもよい。


3

Q 0030 : 1997 (ISO GUIDE 30 : 1992)

3.

測定及び試験に関連する用語

3.1

認証値 (certified value)   認証標準物質において,それに付いている認証書に記載されている値。

3.2

認証されていない値  (uncertified value)   標準物質認証書に記載されているか又はそれとは別に与

えられている量の値で,生産者又は認証機関によって認証されていない,単なる情報として提供されてい

る値。

3.3

合意値(ある与えられた量の)  [consensus value (of a given quantity)]    標準物質において,室間試験

によるか又は適当な複数の機関若しくは専門家間の合意に基づいて得られた量の値。

備考  合意値は,認証機関(4.4 参照)による適当な手続を踏むことによって,認証値とすることがで

きる。

3.4

認証値の不確かさ (uncertainty of a certified value)   ある量の認証値に付けられた推定値で,“真の

値”が,表記された信頼水準で,確実にその内にあるといえる値の範囲を指定したもの。

備考  VIM 3.9“測定の不確かさ (uncertainty of measurement) ”の定義も参照のこと。

3.5

精度  (precision)    規定された条件下で得られた,独立した試験値間の一致の程度。

[ISO 5725-1]

参考  JIS Z 8103(計測用語)では,precision を“精密さ”と呼んでいる。

3.6

真度  (trueness*)    試験値と採択された参照値との間の一致の程度。

備考  VIM 3.5“accuracy of measurement”の定義も参照のこと。

参考1.

原文では accuracy となっているが,ISO 5725-1において,この定義に対応する用語は

“trueness”が採用されている。JIS Z 8402(分析・試験の許容差通則)ではこれを“真度”

とし,JIS Z 8103(計測用語)では“正確さ”としている。

2.

ISO 5725-1

における“accuracy”は,

“precision”と“trueness”を総合した概念であり,これ

に対応する JIS Z 8402 の用語は“精確さ” (accuracy), JIS Z 8103 の用語は“精度”

(対応英

語なし)である。

3.7

採択された参照値  (accepted reference value)    次のようにして得られた,比較のために容認された基

準 (agreed-upon reference) として役立つ値。

a)

科学的原理に基づく理論値又は確定した値。

b)

ある国家又は国際機関の実験研究に基づいて付与した値。

c)

科学又は技術集団の主催する共同実験研究に基づく合意値。

[ISO 5725-1]

3.8

トレーサビリティ (traceability)   不確かさがすべて表記された,切れ目のない比較の連鎖を通じて,

通常は国家標準又は国際標準である決められた標準に関連づけられ得る測定結果又は標準の値の性質。

備考1.  この概念はしばしばトレーサブル (traceable) という形容詞で表現される。

2.

切れ目のない比較の連鎖はトレーサビリテイ連鎖 (traceability chain) と呼ばれる。

3.

仏語では,標準への関連づけの仕方は標準への結合  (raccordement aux étalons)  と呼ばれる。

4.

化学組成に対する標準物質の認証における値のトレーサビリティは,JIS Q 00359.3.1 節)

で論じられている。そこでは,化学分析に関連する特別な問題を取り上げている。化学種の

トレーサビリティの重要性は,分析に用いられる機器の校正のトレーサビリティとしばしば

同等かそれよりも大きい。

3.9

室間試験 (interlaboratory test)   与えられた材料のサンプルについて,多数の試験室で独立に行われ

る一つ以上の量の一連の測定。


4

Q 0030 : 1997 (ISO GUIDE 30 : 1992)

備考1.  ラウンドロビンテスト,共同参照プログラム (collaborative reference programme) 及び共同分

析研究  (collaborative analytical study)  などの他の用語も用いられる。

2.

室間試験は,標準物質のキャラクタリゼーション以外の多くの目的のために行われる。

3.10

参照方法 (reference method)   徹底的に検討されており,一つ以上の特性値の測定に必要な条件及び

手順が明確に記述してある方法で,その意図された用途にふさわしい真度 (trueness) 及び精度 (precision)

をもつことが示されており,したがって,同じ目的の他の測定方法の真度及び精度の評価に,特に標準物

質のキャラクタリゼーションに使用できるもの。

4.

標準物質の認証及び頒布に関連する用語

4.1

標準物質の認証  (certification of a reference material)    特性値を表す単位の正確な現示へのトレーサ

ビリティを確保するプロセスによって,材料又は物質の一つ以上の特性値を確定し,認証書の発行につな

がる手順。

4.2

標準物質認証書  (reference material certificate)    認証標準物質に付いている文書で,一つ以上の特性

値及びその不確かさが記述され,それらの妥当性 (validity) 及びトレーサビリティを確保するために必要

な手順が行われていることを確証しているもの。

備考  JIS Q 0031 を参照のこと。

4.3

認証報告書 (certification report)   認証書に含まれている内容を補足する細部の情報,例えば材料の

調製,測定方法,精確さに影響を与える要因,結果の統計処理及びトレーサビリティが確立された筋道を

提供している文書。

4.4

認証機関  (certifying body)   JIS Q 0031 に詳述されている情報を提供する標準物質認証書を発行す

る技術的能力を備えている機関(公的又は私的の団体又は会社)

備考1.  頒布機関(そこから認証標準物質が入手できる機関)及び試験機関 (testing body) (すなわ

ち認証につながる測定を行う機関)は同じでもよいし又は違っていてもよい。

2.

国家的に又は国際的に認められた認定手順が実施されるまでは,認証機関の技術的能力は,

標準物質認証書及び認証報告書に提供されている情報に基づいてしか判断できない。

4.5

認証標準物質生産者  (certified reference material producer)    JIS Q 0031 及び JIS Q 0035 に詳述されて

いる通則と統計学的原則に従って,認証標準物質を作成するのに,十分な技術的能力を備えている機関(公

的又は私的の団体又は会社)


5

Q 0030 : 1997 (ISO GUIDE 30 : 1992)

附属書 A  追加用語

この附属書は,国際計量基本用語集  (VIM)  の第 2 版草案 (1992),ISO 3534-1,及び ISO 3534-2 の草案

から抜粋したいくつかの用語を,ある場合には,REMCO によって追加された備考と共に記載してある。

これらの用語は,標準物質及び認証標準物質の分野で同じ意味で用いることを推奨する。

参考  現在は VIM の第 2 版,ISO 3534-1 及び ISO 3534-2 のいずれも既に刊行されているので,その

記述に従って表現してある。

A1.

(製品)バッチ [(production) batch]   一供給者によって一度に,ほぼ一定と思われる条件で生産され

たある品物の指定された量。

[ISO 3534-2]

備考  品物が標準物質である場合は,一定の製造又は生産条件とは,均質な製品が確保されるような

ものでなければならない。

A2. 

値(量の)  [value (of a quantity)]    一般に,計量単位と数の積として表される特定の量の大きさ。

[VIM]   

A3.

真の値(量の)  [true value (of a quantity)]    ある特定の量の定義と合致する値。

[VIM]   

A4.

系統誤差  (systematic error)   繰返し性条件のもとで行われた同一の測定量の無限の測定結果の平均

(値)からその測定量の真の値を減じたもの。

[VIM]   

A5.

偶然誤差  (random error)    測定結果から繰返し性条件のもとで行われた同一の測定量の無限回の測定

結果の平均(値)を減じたもの。

[VIM]   

A6.

信頼水準  (level of confidence)    信頼区間(又は不確かさの範囲:備考 1.)又は統計的許容区間(ISO 

3534-1

を参照)と関連する確率(1−

α)の値。

備考1.  統計学では,不確かさの範囲は信頼区間 (confidence interval) として,また,不確かさの限界

は信頼限界 (confidence limits) として知られている。

2.

単純な,非数学的用語では,信頼水準は,ある特性の“真の値”が,平均的に,記述された

不確かさの範囲内(訳注:信頼区間)にあるとき,その回数の百分率として定義される。

A7.

繰返し性(測定結果の)  [repeatability (of results of measurements)]    次のすべての条件どおりに行われ

た,同一の測定量の連続する測定における結果間の一致の程度。

−  同一の測定手順

−  同一の測定者

−  同一の条件下で用いられた同一の測定装置

−  同一の場所

−  短時間内での繰返し

[VIM]   

A8.

再現性(測定結果の)  [reproducibility (of results of measurements)]    次の諸条件を変えて測定を行った

ときの,同一の測定量の測定結果の間の一致の程度。

−  測定の原理又は方法


6

Q 0030 : 1997 (ISO GUIDE 30 : 1992)

−  測定者

−  測定装置

−  場所

−  使用条件

−  時間

[VIM]     


7

Q 0030 : 1997 (ISO GUIDE 30 : 1992)

附属書 B  参考文献

[1]  International vocabulary of basic and general terms in metrology (VIM)

BIPM/IEC/ISO/OIML/IFCC/IUPAC/IUPAP.

Second edition : 1993

[2]  ISO 3534-1 : 1994, Statistics

−Vocabulary and symbols−Part 1:Probability and general statistical terms.  

[3]  ISO 3534-2 : 1994, Statistics

−Vocabulary and symbols−Part 2:Statistical quality control.  

[4]  ISO 5725-1 : 1995, Accuracy (trueness and precision) of measurement methods and results

−Part 1:General

principles and definitions.

[5]  JIS Q 0031 : 1997

,標準物質の認証書の内容

[6]  JIS Q 0035 : 1997

,標準物質の認証−一般的及び統計学的原則