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P 8253

:2005

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)/財団法人

日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 11480:1997,Pulp, paper and board

−Determination of total chlorine and organically bound chlorine を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS P 8253

には,次に示す附属書がある。

附属書 A(参考)実験手引書

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


P 8253

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(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  原理

2

5.

  試薬

2

5.1

  硝酸塩溶液(原液)

2

5.2

  硝酸塩溶液(分析用) 

2

5.3

  硫酸(H2SO4) 

2

5.4

  活性炭

2

5.5

  電解液

2

5.6

  酢酸ナトリウム溶液

2

5.7

  酢酸溶液 

2

5.8

  塩酸(HCl)

2

5.9

  標準液

2

5.10

  高圧ガス 

3

6.

  装置

3

6.1

  三角フラスコ 

3

6.2

  振とう機 

3

6.3

  ろ過装置 

3

6.4

  フィルタ 

3

6.5

  燃焼装置 

3

6.6

  マイクロクーロメータ 

3

6.7

  試料容器 

3

7.

  試料の前処理 

3

8.

  硝酸塩溶液による抽出 

4

9.

  燃焼

4

10.

  空試験

5

11.

  装置の点検 

5

12.

  計算

5

13.

  精度

5

13.1

  繰返し精度 

5

13.2

  再現精度 

6

14.

  測定結果の表し方

6

15.

  臭素化合物の影響

7


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附属書 A(参考)実験手引書 

9

附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

10

 


日本工業規格(案)

JIS

 P

8253

:2005

パルプ,紙及び板紙−

全塩素及び有機結合塩素の測定方法

Pulp, paper and board

Determination of total chlorine and

organically bound chlorine

序文  この規格は,1997 年に第 1 版として発行された ISO 11480,Pulp, paper and board−Determination of

total chlorine and organically bound chlorine

を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,

附属書 1(参考)に示す。

1. 

適用範囲  この規格は,パルプ,紙及び板紙中の,全塩素及び有機結合塩素の測定方法について規定

する。この規格は,すべての種類のパルプ,紙及び板紙に適用できる。この規格の測定下限値は,約 20 mg/kg

である。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 11480:1997, Pulp

,paper and board−Determination of total chlorine and organically bound

chlorine (MOD)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS P 8110

  紙及び板紙−平均品質を測定するためのサンプリング方法

備考 ISO 

186:1994

  Paper and board−Sampling to determine average quality  が,この規格と一致して

いる。

JIS P 8127

  紙及び板紙−水分試験方法−乾燥器による方法

備考 ISO 

287:1985

  Paper and board−Determine of moisture content−Oven - drying method  からの引

用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS P 8203

  パルプ−絶乾率の試験方法

備考 ISO 

638:1978

  Pulps−Determination of dry matter content からの引用事項は,この規格の該当

事項と同等である。

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,次による。

a)

全塩素(total chlorine)  存在する塩素の総量。

b)

有機結合塩素(organically bound chlorine)  存在する塩素の中で有機的に結合している塩素の量。


2

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参考  紙・板紙及びパルプ用語の JIS には,JIS P 0001 がある。

4. 

原理  高温に保持した石英管内で試料を一定の条件下で燃焼させることによって塩素量の分析を行う。

全塩素を塩化水素として含む燃焼ガスを電解質溶液中に通して吸収させ,マイクロクーロメータによって

分析を行う。有機結合塩素の分析を行う場合は,試料を燃焼させる前に硝酸塩溶液で無機塩素化合物を抽

出する。

備考  有機結合塩素の分析を行う必要がない場合は,硝酸塩溶液による抽出は省略する。

5. 

試薬  溶液の調製に用いる水は,高い純度の蒸留水でなければならない。不純物を含む水の場合は,

空試験の塩素量が多くなる可能性がある。

5.1 

硝酸塩溶液(原液)  硝酸ナトリウム 17 g を蒸留水に溶かす。濃度 65  %で密度約 1.40 g/mL の硝酸

を 1.4 mL 加え,蒸留水で 1 L に希釈する。この溶液は有機結合塩素の分析を行うときだけに使用する(JIS 

K 8541

及び JIS K 8562 参照)

5.2 

硝酸塩溶液(分析用)  硝酸塩溶液(原液)(5.1)50 mL を取り,蒸留水で 1L に希釈する。この溶液

は,有機結合塩素の分析を行うときだけに使用する。

5.3 

硫酸(H

2

SO

4

)

  密度約 1.84 g/mL の硫酸(JIS K 8951 参照)

5.4 

活性炭  有機結合塩素の分析のときに,水溶性の有機物質を吸着するのに使用する。燃焼装置の製

造業者から適切な活性炭が提供されている。

5.5 

電解液  次のいずれかを,マイクロクーロメータで使用する。

5.6 

酢酸ナトリウム溶液  酢酸ナトリウム(CH

3

COONa

)を 1.35 g 取り,酢酸(CH

3

COOH

)を 850 mL

加えて溶かし,蒸留水で 1 L に希釈する(JIS K 8355 及び JIS K 8372 参照)

5.7 

酢酸溶液  酢酸(CH

3

COOH)

を 75 mL 取り,蒸留水で 100 mL に希釈する。一部のマイクロクーロメ

ータの製造業者は,この溶液に更に,過塩素酸ナトリウム(NaClO

4

)

及びスルファミン酸(NH

2

SO

3

H)

を溶液

に追加することを推奨している。これらの溶液の追加は任意である。

参考  日本国内では,酢酸ナトリウム溶液が一般的である。

5.8 

塩酸(HCl)    0.010 0 mol/L に調製した塩酸。

5.9 

標準液  次のいずれかによる。

a)  2,4,6-

トリクロロフェノール標準液  2,4,6-トリクロロフェノール約 0.9 g を 1 mg の単位まで精ひょう

し,容量 500 mL のメスフラスコに入れ,メタノールを加えて全量を 500 mL にする。この標準液の塩

素濃度は,次の式によって算出する。また,必要に応じて使用前に,この標準液を希釈する(JIS K 8891

参照)

000

1

928

.

0

×

=

m

C

ここに,

C

塩素濃度(µg/mL)

m

精ひょうした 2, 4, 6-トリクロロフェノールの質量(g)

b)

  2-

クロロ安息香酸標準液  2-クロロ安息香酸(ClC

6

H

4

COOH)

を 110.3 mg 取り,メスフラスコに入れ,蒸

留水を加えて溶解し,100 mL とした溶液を用いてもよい。この溶液は,1 L 当たり 250 mg の有機結

合塩素を含んでいる。必要に応じて,使用前にこの溶液を希釈する。

参考  日本国内では,2,4,6-トリクロロフェノール標準液が一般的である。


3

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5.10 

高圧ガス  試料を燃焼させるために酸素を供給しなければならない。燃焼を制御するために他のガ

スを混合する。使用するすべてのガスには,塩素及び臭素が全く含まれないことが重要である。

備考  ガス容器の洗浄に,塩素系溶剤を使用する場合があるので注意する。

6. 

装置  6.16.4 の装置は,有機結合塩素の分析を行うときだけに必要とし,使用する。6.7 の装置は,

全塩素の分析だけに必要である。

6.1 

三角フラスコ  先細り形状のガラスの共栓又は PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で被覆したね

じふた(蓋)のついた,耐薬品性ガラス製 250 mL 容量の三角フラスコ。

6.2 

振とう機  フラスコ(6.1)の内容物を円運動でかくはん(撹拌)するためのもの。内容物がふた(蓋)

に達しない状態でかくはんできるように,動力が調整できるもの。

6.3 

ろ過装置  直径約 25 mm のフィルタをのせて吸引できるもの。

6.4 

フィルタ  孔幅の公称値が 0.4 µm で,ろ過装置(6.3)に適した寸法であり,最大塩素含有量が 0.5 µg

のポリカーボネート製フィルタ。耐熱ガラス製又はセラミック製の特別に設計したろ過カップを用いても

よい。

備考  空試験の塩素量が多い場合は,フィルタの汚染が考えられる。その場合は,使用前に硝酸塩溶

液(原液)(5.1)で洗浄し,その後,水で洗浄する。

6.5 

燃焼装置  マイクロクーロメータ(6.6)の電量滴定用セルに石英管を接続したもの。燃焼炉は,試料

を通す管の中間部分を最低でも 950  ℃,又は 1 000  ℃に熱することができるもの。石英又は他の耐熱材料

からなる試料ボートを管に挿入できるものとし,この試料ボートを,管の端の挿入部から燃焼部まで移動

できなければならない。管は,フィルタ(6.4)を装てん(填)した試料ボートが挿入できるように十分な幅

がなければならない。装置は,酸素供給機構を備え,一定量の酸素を管に流す。この酸素にアルゴン,窒

素などの不活性ガスを混合する。燃焼ガスは,塩化物イオンの連続滴定のために電量滴定用セルに供給す

る。

必要な場合は,燃焼ガスを清浄化して乾燥させるために,硫酸(5.3)を入れた加熱洗浄装置を,燃焼管の

出口とセルとの間に設置してもよい。

6.6 

マイクロクーロメータ  2 µg の塩化物イオンの分析を繰り返し行ったときの,測定結果の変動係数

が 10  %以内のもの。

6.7 

試料容器  容量約 1 mL で,石英又は他の耐熱材料からなり,試料ボートに収まるように設計したも

の。

備考  装置によっては,この試料容器が附属しない場合がある。

7. 

試料の前処理  塩素化合物は,微量ではあるが,化学物質中,装置表面,皮膚表面,測定室の空気中

などほとんど至る所に存在する。したがって,試料及び分析用溶液の塩素汚染を避けるために,あらゆる

措置をとることが極めて重要である。特に,測定室内の空気による汚染を監視することが望ましい。この

ような汚染は,漂白プラントなどの戸外からだけではなく,測定室内に保管している試薬(溶剤)からも

発生する。

すべての器材は,希硝酸及び純水を用いて洗浄しなければならない。

周囲の空気から試料を保護するために,試料をポリエチレン袋に入れるか,又はアルミホイルで包んで

おく。試料を取り扱うときは,常に保護手袋を着用し,塩素を含む物質が手袋から試料に移らないことを

確認する。


4

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湿ったパルプは,40  ℃以下で風乾する。塩素分析用とは別に試料を採取して,JIS P 8127 又は JIS P 8203

に規定する方法によって,試料の絶乾率を測定する。

試料は,ピンセット又ははさみを用いて小片にする。小片は,試料の性質及び燃焼装置に適した大きさ

にする。

パルプシート又は板紙の場合には,抽出段階で完全に薬液でぬれるように紙層をはく(剥)離する。試

料が内部まで完全に薬液でぬれない場合には,有機結合塩素が過剰に検出される可能性がある。

塗工又は多層すきの紙及び板紙の場合は,ウイリーミル又は類似の粉砕器で粉砕する。粉砕器は,試料

の汚染を避けるために,他の用途で用いてはならない。試料を粉砕後,粉砕器を十分に洗浄する。

分析に必要な試料量は,試料の塩素含有量に依存し,燃焼装置の寸法の制約を受ける。通常,1 回の分

析に必要な試料量は,10∼60 mg である。

全塩素の分析及び硝酸塩溶液での抽出用に,4 個の試料をそれぞれ 0.1 mg 単位まではかりとる。4 個の

試料は,おおよそ同じ質量であることが望ましい。

4

個の試料の内 2 個は,全塩素の分析に使用し,残りの 2 個は,硝酸塩溶液によって抽出し,有機結合

塩素の分析に使用する。

備考  有機結合塩素の分析が必要ない場合は,9.に進む。

8. 

硝酸塩溶液による抽出  2 個の試料を,それぞれ 250 mL 容量の三角フラスコ(6.1)に入れる。硝酸塩溶

液(5.2)100mL 及び活性炭(5.4)15mg をフラスコに加える。

同時に試料を入れない二つの空試験用溶液を調製

する。フラスコに栓をして試料が十分にぬれるように激しく振った後,フラスコを振とう機(6.2)にセット

して,少なくとも 1 時間振とうする。

炭酸塩顔料を多量に含んだ塗工紙又はてん料配合紙を分析する場合は,フラスコ内の混合物が酸性であ

ることを確認する。もしそうでなければ,更に,硝酸塩溶液(5.2)を加えて酸性にする。

ろ過装置(6.3)及びポリカーボネート製フィルタ又はろ過カップ(6.4)を用いて,フラスコの内容物をろ過

する。

少量の硝酸塩溶液(5.2)(約 25 mL)を用いて,フラスコ及び漏斗を洗浄する。最後に少量の水で洗浄し,液

体がなくなるまで吸引を行う。

備考  測定室の雰囲気中に存在するハロゲン化合物による汚染の懸念があるので,多量の空気をフィ

ルタを通じて吸引することは避けるのが望ましい。しかし,洗浄液が過度に残ると,燃焼管内

で結露が生じて燃焼を妨げる場合がある(9.参照)。

また,フィルタがあまりに乾燥していると燃焼装置の乾燥部で着火するおそれがあり,その

場合には,塩素量が少なく分析されることがある。

9. 

燃焼  原理的には,燃焼手順は,硝酸塩溶液で抽出していない試料も抽出した試料も同じである。し

かし,有機結合塩素分析用に硝酸塩溶液で抽出した試料はぬれており,全塩素分析用の試料は通常乾燥し

ているので,試料の状態に適した手順で燃焼を行う。

燃焼装置(6.5)は,製造業者の取扱説明書に従って操作する。数種類の装置が市販されており,それぞれ

仕様の詳細が異なるので,使用する装置の形に適合した操作を行う必要がある(

附属書 参照)。

セルに既知量の塩酸(5.6)を加え,マイクロクーロメータ(6.6)の性能を確認する。測定結果は,理論値と

の差が 5  %以内でなければならない。

機器の動作確認を定期的に行うが,その場合には,試料を用いない。


5

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備考  多量の塩素を含む試料を分析した後には,燃焼管が塩素化合物で汚染されていることがあるた

め,試料を用いないで動作確認を行った場合には,装置が誤った指示値を出すことがある。

試料がポリカーボネート製フィルタ上の湿った繊維パッドの場合は,フィルタごとにピンセットで折り

たたんで試料ボートに入れる。

試料が乾燥している場合は,試料容器(6.7)に入れ,この容器を試料ボートに入れる。

備考  試料容器(6.7)が装置に附属していない場合には,試料を直接試料ボートに入れる。

試料ボートを装置の乾燥部に移動させ,水分を蒸発させる。水分の蒸発に必要な時間は,水の量だけで

はなく,装置の構造にも依存する。燃焼管の冷却部では,結露水を発生させないようにする。

すす及び結露水が燃焼炉の上流に残らないように,緩やかな燃焼となるように制御することが非常に重

要である。すす及び結露水が上流で発生した場合は,測定値を読みとる前に,すべてのすす及び結露水を

下流側に導くための必要な措置をとる。

試料ボートを管の高温部に移動させる。装置の燃焼シーケンスに従って燃焼を行い,燃焼が完全である

ことを確認する。

すすを炉の下流側で検出した場合は,燃焼は不完全であり測定結果は無効にする。

燃焼装置(6.5)に加熱洗浄装置が設置されている場合,加熱洗浄装置内の硫酸中には,すすがあってはな

らない。すすがある場合は,器具を洗浄し,新しい硫酸を加えて測定をやり直す。

10. 

空試験  試料を分析する日には,少なくとも 2 回の空試験を試料分析と同じ手順によって行い,燃焼

装置(6.5)及びマイクロクーロメータ(6.6)を検査する。空試験の測定結果は,2 µg を上回ってはならない。

11. 

装置の点検  塩素含有量が既知の参照用試料を用いて,操作全体の点検を定期的に行う。参照用試料

は,分析する試料と同じ種類(パルプ,紙,板紙など)であることが望ましい。参照用試料の測定値は,

公称値の 91  %以上 110  %以下でなければならない。測定値がこの範囲から外れている場合は,再度点検

を行う。依然として測定値が範囲を外れている場合は,装置の漏れ及びその他の不具合について点検を行

う。これらの点検は,装置の操作手順書に従って行う。

備考  参照用試料が入手できない場合は,既知量の 2,4,6-トリクロロフェノール標準液[5.7a)]又は

2-

クロロ安息香酸標準液[5.7b)]を用いて,あらかじめ選んだ適切な試料の塩素量を標準添加法

によって分析する。この試料を参照用試料とする。

12. 

計算  試料の塩素量の分析手順は,マイクロクーロメータの仕様に依存するので,製造業者の取扱説

明書を参照する。

計算では,空試験の値を差し引き,サンプルの水分による補正を加える。

二つの分析結果の平均値を計算する。個々の分析結果は,平均値との差が 10  %を超えてはならない。

平均値が 50 mg/kg 未満の場合は,最大で 5 mg/kg の差が許容できる。この条件を満たさない場合は,試料

が不均一である可能性があるので,試料の調製及び分析を再び行う。

結果は,全塩素及び有機結合塩素について,mg/kg 単位で有効数字 2 けたで表す。

13. 

精度

13.1 

繰返し精度  5 回の分析の繰返し精度は,表 による。


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  1

平均値

mg/kg

標準偏差

mg/kg

変動係数

全塩素

66

310

650

970

3.3

3.1

13

19

5

1

2

2

有機結合塩素

17

31

120

290

1 600

0.6

1.5

3.7

7.3

89

3.7

4.9

3.1

2.5

5.6

13.2 

再現精度  8 か国 14 試験所での分析結果を表 に示す。試験所には,1 種類の試料について 3 回の

分析を依頼した。平均値及び標準偏差の結果は,各試験所で得た平均値から算出した。

  2

試料番号

試験所数

平均値

mg/kg

標準偏差

mg/kg

全塩素

1

2

3

4

14

14

14

13

560

367

207

347

28.3

25.3

10.2

20.8

有機結合塩素

1

2

3

4

14

14

14

11

224

339

193

26

25.3

27.1

18.5

10.3

試料:

1

  コピー用紙

2

  カバ ECF パルプ

3

  マツ ECF パルプ

4

  TCF パルプから製造したコピー用紙

ECF:

分子状塩素を用いない漂白法(elemental chlorine free)

TCF:

分子状塩素及び塩素化合物を用いない漂白法(totally chlorine free)

14. 

測定結果の表し方  報告書には,次の事項を記載する。

a)

規格名称又は規格番号

b)

測定年月日及び測定場所

c)

試料の種類及び名称

d)

塩素量の平均値(mg/kg)

e)

規定した手順から逸脱した事項


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15. 

臭素化合物の影響  この規格による分析を行う場合,臭素は,塩素と同様な化学的反応をする。した

がって,試料中に臭素が含まれている場合には,分析結果にこの臭素分の誤差が生じる。通常,パルプ及

び紙の中に含まれる臭素は,無視してよいほど微量である。ただし,時折著しい量の臭素が,臭化スライ

ムコントロール剤を含んだ古紙再生製品から発見される場合がある。


9

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附属書 A(参考)実験手引書

この附属書は,本体に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。

この規格で適用する手順は,かなり複雑な装置に依存している。幾つかの製造業者が,そのような装置

を世界市場に展開している。これらの装置は,原理は同じであるが詳細において異なる。

特定の製造業者の装置を指定しないことは,標準化での原則である。その理由は,日本工業規格が会社

間の競争に関して中立でなければならないというだけでなく,装置の改良を不必要に妨げないように細か

な点まで規定することを避けるためである。

実際問題として,ある試験所特有の詳細な手順は,規格として採用することはできない。分析を行うた

めの幾つかの詳細な情報は,製造業者の手順書によるか,予備試験でそれぞれの試験所で確立しなければ

ならない。例えば,ガス流,温度,電力,待機時間などの調整である。

分析作業を容易にし,かつ,いつでも詳細手順を追跡できることを保証するために,この規格及び製造

業者の指示の両方を考慮に入れた,

試験所特有の詳細手順を準備しておくことが非常に重要である。

また,

作業手順を変更した場合は,その日付及び理由を記録することが必要である。

関連規格  JIS K 8355  酢酸(試薬)

JIS K 8372

  酢酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8541

  硝酸(試薬)

JIS K 8562

  硝酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8891

  メタノール(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

JIS P 0001

  紙・板紙及びパルプ用語


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附属書 1(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS P 8253 : 2005

パルプ,紙及び板紙−全塩素及び有機結合塩素の測

定方法

ISO 11480 : 1997

パルプ,紙及び板紙−全塩素及び

有機結合塩素の測定方法

(

Ⅰ)JIS の規定

(

Ⅱ ) 国

際 規 格
番号

(

Ⅲ)国際規格の規定

(

Ⅳ)JIS と国際規格との技術的

差異の項目ごとの評価及びそ
の内容

表示個所:本体

表示方法:点線の下線又は

実線の側線

(

Ⅴ)JIS と国際規

格 の 技 術 的 差 異
の 理 由 及 び 今 後

の対策

項目番号

内容

項目番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内

1.

適用範囲

パルプ,紙及び
板 紙 の 全 塩 素

及 び 有 機 結 合
塩 素 の 測 定 方
法 に つ い て 規

定。

ISO 

11480 

1

JIS

と同じ IDT

2.

引用規格

JIS P 8110

他 2

規格

 2

ISO 186

他 2 件

JIS

と同じ IDT

3.

定義

 3

JIS

と同じ IDT

4.

原理

 4

JIS

と同じ IDT

5.

試薬

 5

JIS

と同じ MOD/選択

JIS

は,2,4,6-ト

リクロロフェノ

ールを併記。

JIS

は,酢酸ナト

リウムを併記。

日本国内では,一
般 的 に 使 用 さ れ

ており,ISO に提
案する。

6.

装置

 7

JIS

と同じ IDT

7.

試料の前処

6

及び 8

JIS

と同じ IDT

8.

硝酸塩溶液

による抽出

9

JIS

と同じ IDT

9.

燃焼

 10  JIS

と同じ IDT

10.

空試験

11

JIS

と同じ IDT

11.

装 置 の 点

12

JIS

と同じ MOD/選択

JIS

は,2,4,6-ト

リクロロフェノ

ールを併記。

日本国内では,一
般 的 に 使 用 さ れ

ており,ISO に提
案する。

12.

計算

  13

JIS

と同じ IDT

13.

精度

  14

JIS

と同じ IDT

14.

測 定 結 果

の表し方

15

JIS

と同じ IDT

15.

臭 素 化 合

物の影響

16

JIS

と同じ 

IDT

附属書 A 
(参考)

Annex A

informative

JIS

と同じ IDT

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD


11

P 8253

:2005

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  IDT………………  技術的差異がない。 
    ―  MOD/選択………  国際規格の規定内容と別の選択肢がある。

2.  JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

    ―  MOD……………  国際規格を修正している。