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P 8252

:2003

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)/財団法人

日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,ISO 2114:1997,Paper,board and pulps−Determination of residue (ash) on ignition at 900

degrees C

を基礎として用いた。

JIS P 8252

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表


P 8252

:2003

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

2

4.

  原理

2

5.

  装置及び器具 

2

5.1

  耐熱るつぼ 

2

5.2

  マッフル炉 

2

5.3

  はかり

2

5.4

  デシケータ 

2

6.

  試料の採取及び試験片の調製

2

7.

  操作

2

8.

  計算

3

9.

  精度

3

10.

  報告

3

附属書(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表

4

 


日本工業規格

JIS

 P

8252

:2003

紙,板紙及びパルプ−灰分試験方法−

900

℃燃焼法

Paper, board and pulps

−Determination of residue (ash) on ignition

at 900 degrees C

序文  この規格は,1997 年に第 4 版として発行された ISO 2114,Paper,board and pulps−Determination of

residue (ash) on ignition at 900 degrees C

を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事項である。変更の一覧表をそ

の説明を付けて,附属書(参考)に示す。

1.

適用範囲  この規格は,紙,板紙及びパルプを 900  ℃で燃焼した際の灰分を測定する方法について規

定する。この規格は,すべての種類の紙,板紙及びパルプに適用する。測定限界は約 0.2 %である(

1

)

注(

1

)  7.

では,最低 10 mg の残さが必要である。これに相当する試料の質量は 5 g である。試料の質量

を増加すれば,この測定限界を小さくすることが可能である。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 2114

:1997,Paper,board and pulps−Determination of residue (ash) on ignition at 900 degrees C

(MOD)

参考  この規格の方法では,炭酸カルシウムは分解する。炭酸カルシウムを含む,又は含む可能性の

ある試料を測定する方法については,JIS P 8251(紙,板紙及びパルプ−灰分試験方法−525  ℃

燃焼法)がある。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS H 6201

  化学分析用白金るつぼ

JIS P 0001

  紙・板紙及びパルプ用語

JIS P 8110

  紙及び板紙−平均品質を測定するためのサンプリング方法

備考  ISO 186 : 1994,Paper and board−Sampling to determine average quality からの引用事項は,こ

の規格の該当事項と同等である。

JIS P 8127

  紙及び板紙−水分試験方法−乾燥器による方法

備考  ISO 287 : 1985,Paper and board−Determination of moisture content−Oven-drying method からの

引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS P 8201

  製紙用パルプの試料採取方法


2

P 8252

:2003

備考  ISO 7213 : 1981,Pulps−Sampling for testing からの引用事項は,この規格の該当事項と同等で

ある。

JIS P 8203

  パルプ−絶乾率の試験方法

備考  ISO 638 : 1978,Pulps−Determination of dry matter content からの引用事項は,この規格の該当

事項と同等である。

JIS R 1301

  化学分析用磁器るつぼ

JIS Z 8401

  数値の丸め方

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS P 0001 によるほか,次による。

a)

灰分  (residue on ignition)  この規格に規定する方法によって,900  ℃±25  ℃のマッフル炉の中で紙,

板紙又はパルプの試料を燃焼させた後の残さの量。

4.

原理  試験片を,耐熱るつぼに入れて質量を測定し,900  ℃±25  ℃のマッフル炉の中で燃焼し,灰化

する。また,別の試験片で含有水分率を測定しておく。灰分(%)は,燃焼残さの質量と試料の含有水分率か

ら求めた,絶乾状態の試験片の質量に対する比率として算出する。

5.

装置及び器具

5.1

耐熱るつぼ  JIS H 6201 に規定する白金るつぼ,JIS R 1301 に規定する磁器るつぼ,又はシリカ製

るつぼで,容量 50 ml∼100 ml のもの。

5.2

マッフル炉  900  ℃±25  ℃の温度を維持することができるもの。

備考  フード内に設置するか,煙及び臭気を排出する装置を備えることが望ましい。

5.3

はかり  感量 0.1 mg のもの。

5.4

デシケータ

6.

試料の採取及び試験片の調製  JIS P 8110 又は JIS P 8201 に規定する方法によって,紙,板紙又はパ

ルプの代表的な試料を採取する。2 回以上の灰分測定及び水分測定ができる試料を用意する。試験片は,

完全に試料の代表となるように試料の様々な部分から 1 cm

2

以下の小片として採取する。試験片の総質量

は,絶乾で 1 g 以上とし,灰分の質量が 10 mg 以上,望ましくは 20 mg 以上とする。

7.

操作  操作は,次による。

a)

灰分測定用試験片及び水分測定用試験片を,実験室雰囲気で平衡水分に達するまで調湿する。

b)  JIS P 8127

又は JIS P 8203 に規定する方法によって,水分測定用試験片の水分率を測定する。

備考  試料の絶乾質量をひょう量した後,その試料を焼いて灰化させる方法を用いてもよい。

c)

空のるつぼ(5.1)をマッフル炉(5.2)に入れ,900  ℃±25  ℃で 30 分間から 60 分間加熱する。次いで,デ

シケータ(5.4)で室温まで冷却する。

d)

空のるつぼの質量を 0.1 mg の精度でひょう量する。次いで,灰分測定用試験片を入れ,直ちにもう一

度ひょう量する。

e)

灰分測定用試験片を入れたるつぼを室温下でマッフル炉に入れ,炎が爆発的に生じることなく燃焼さ

せるため,

及び飛散粒子の形成によって物質を消失することのないようにするため,

徐々に加熱する。

f)

黒化物のほとんどが見えなくなるまで予備燃焼を行った後,900  ℃±25  ℃の燃焼温度を1時間保つ。


3

P 8252

:2003

備考1.  試料の燃焼残さが非常に少ない場合(例えば,灰分のないグレード),同じ試料から採取した

複数個の試験片を用いて同じるつぼで連続して燃焼させ,残さの合計が 10 mg 以上を得るよ

うにする必要がある。

2.

加熱時間の延長をしてはならない。これは長時間をかけてゆっくりと質量が減少する成分も

存在するためである。

g)

マッフル炉からるつぼを取り出し,デシケータで室温まで冷却させる。灰化物を含むるつぼを 0.1 mg

の精度で測定する。

8.

計算  計算は,次による。

r

s

100m

X

m

=

ここに, X:灰分(%) 

m

r

:残さの質量(g)。残さを含む,るつぼの質量から空のるつぼの

質量を差し引いたもの。

m

s

:試験片の絶乾質量(g)。2 回の含有水分率測定値の平均値を用

い,算出する。

2

回の灰分(%)の平均値を計算し,JIS Z 8401 によって,結果が 1 %以上の場合は丸めの幅 0.1 %に,1 %

未満の場合は丸めの幅 0.01 %に丸める。

9.

精度(参考)  12 の試験機関において,この規格に従って灰分の測定を実施した。6 種の試料を各試

験機関で 2 回測定した。その結果を

表 に示す。

  1

試料

平均値(%)

各試験機関内の標準偏

差の平均値(%)

各試験機関間の標準偏差

(%)

針葉樹材クラフトパルプ

(Kraft softwood pulp)

 0.1

  0.01

0.07

広葉樹材クラフトパルプ

(Kraft hardwood pulp)

 0.5

<0.01 0.11

非塗工紙(CaCO

3

含有)

(Uncoated paper with CaCO

3

)

 8.3

  0.08

0.46

非塗工紙(CaCO

3

非含有)

(Uncoated paper without CaCO

3

)

 8.8

  0.05

0.10

塗工紙(CaCO

3

非含有)

(Coated paper without CaCO

3

)

21.2

0.15

0.26

塗工紙(CaCO

3

含有)

(Coated paper with CaCO

3

)

28.2

0.15

0.24

10.

報告  報告には,必要に応じて次の事項を記録する。

a)

試験規格名称又は規格番号

b)

試験年月日及び試験場所

c)

試料の詳細

d)

灰分(8.で求めた結果)

e)

この規格に記載された手順との相違,及び結果に影響する可能性のある事項


4

P 8252

:2003

附属書(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表

JIS P 8252 

:

  2002    紙,板紙及びパルプ−灰分試験方法−

900

℃燃焼法

ISO 2144 : 1997

   

紙及び板紙−燃焼温度900  ℃にお

ける残さ(灰分)の試験方法

(Ⅰ)  JISの規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的
差異の項目ごとの評価及びその
内容

表示箇所:本体 
表示方法:点線の下線

項目番号

内容

(Ⅱ)

国際
規格

番号

項目番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)

JIS

と国際

規 格 と の 技 術
的 差 異 の 理 由

及 び 今 後 の 対

1.

適用範囲

ISO 

2144

1.

IDT

2.

引用規格  JIS H 6201

JIS P 0001

JIS P 8110

JIS P 8127

JIS P 8201

JIS P 8203

JIS R 1301

JIS Z 8401

2.

ISO 186

ISO 287

ISO 7213

ISO 638

MOD/

追加

JIS

は4 規格 を 追 加

規定。

ISO

規格と技術

的差異はない。

3.

定義

3.

IDT

4.

原理

4.

IDT

5.

装置及び

器具

5.1

耐 熱 る つ

5.4

デ シ ケ ー

 

 5.1

白金,陶器
又 は シ リ

カ製の皿

MOD/

変更

MOD/

追加

JIS

で は 容 量 50 ml

∼ 100 ml の る つ ぼ

へ変更。

JIS

にデシケータを

追加。

JIS H 6201

及びJIS 

R 1301

を引用。

ISO 1762

に 合

わせた。ISO

格 と 技 術 的 差
異はない。

ISO

1762

に合わ

せた。ISO規格
と 技 術 的 差 異
はない。

6.

試料の採

取 及 び 試

験 片 の 調

7.

 IDT

IDT

7.

操作

b

)備考

 7.

MOD/

追加

JIS

は,b

に備考(試

料の絶乾質量をひ
ょう量後に灰化さ
せる方法も可とす

る)を追加。

手 順 は 変 わ る

が 結 果 は 同 じ
ため。ISOに提
案。

8.

計算

JIS Z 8401

 
結果が1 %以

下の場合の丸
め の 幅 を

0.01 %

と す

る。

 8.

MOD/

追加

MOD/

追加

JIS

は,数値の丸め

方にJIS Z 8401を引
用。

JIS

は結果が1 %以

下の場合の丸めの
幅を0.01 %として
いる。

ISO

規格と技術

的差異はない。

ISO 1762

に合わ

せた。ISOに提
案。


(Ⅰ)  JISの規定

(Ⅲ)国際規格の規定

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的
差異の項目ごとの評価及びその

内容

表示箇所:本体 
表示方法:点線の下線

項目番号

内容

(Ⅱ)

国際

規格
番号

項目番号

内容

項 目 ご と
の評価

技術的差異の内容

(Ⅴ)

JIS

と国際

規 格 と の 技 術

的 差 異 の 理 由
及 び 今 後 の 対

9.

精度(参

考)

9.

IDT

10.

報告

10.

IDT

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.

項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

IDT

……………技術的差異がない。

MOD/

追加……国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

MOD/

変更……国際規格の規定内容を変更している。

2.

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

MOD

…………国際規格を修正している。