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(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義 2 

4 原理 2 

5 試薬 2 

6 装置 2 

7 試料の採取 3 

8 試料の調製 3 

9 操作 3 

9.1 一般事項  3 

9.2 パルプパッドの調製  4 

9.3 パルプパッドの遠心脱水  4 

10 計算  4 

11 報告書  5 

附属書A(参考)パルプパッド保持具の例  6 

附属書B(参考)精度  9 

附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表  11 

 

 


 

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まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,紙パルプ技術協会(JAPAN TAPPI)及び一般

財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

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パルプ−保水度の測定方法 

Pulps-Determination of water retention value 

 

序文 

この規格は,2014年に第2版として発行されたISO 23714を基とし,対応国際規格には規定されていな

い保水度の測定方法を追加して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。変更の

一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

 

適用範囲 

この規格は,パルプの保水度を測定する方法について規定する。この方法は,全てのパルプに適用でき

る。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 23714:2014,Pulps−Determination of water retention value (WRV)(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS G 3556 工業用織金網 

JIS P 0001 紙・板紙及びパルプ用語 

JIS P 8201 製紙用パルプの試料採取方法 

注記 対応国際規格:ISO 7213,Pulps−Sampling for testing 

JIS P 8216 パルプ−物理試験用標準水 

注記 対応国際規格:ISO 14487,Pulps−Standard water for physical testing 

JIS P 8220-1 パルプ−離解方法−第1部:化学パルプの離解 

注記 対応国際規格:ISO 5263-1,Pulps−Laboratory wet disintegration−Part 1: Disintegration of 

chemical pulps 

JIS P 8220-2 パルプ−離解方法−第2部:機械パルプの離解(20 ℃) 

注記 対応国際規格:ISO 5263-2,Pulps−Laboratory wet disintegration−Part 2: Disintegration of 

mechanical pulps at 20 degrees C 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

ISO 5263-3,Pulps−Laboratory wet disintegration−Part 3: Disintegration of mechanical pulps at > 85 


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degrees C 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS P 0001によるほか,次による。 

3.1 

保水度(water retention value) 

規定した条件で遠心脱水した湿潤パルプ試料の質量と同一パルプ試料の絶乾質量との比。 

 

原理 

ガラス繊維製のフィルタ上又は金網上に,パルプ懸濁液を脱水してパルプ繊維からなるパルプパッドを

形成する。パルプパッドを規定の遠心力及び規定の時間で遠心脱水し,質量を測定,乾燥後に再度質量を

測定する。保水度は,遠心脱水後の湿潤したパルプパッドの質量と乾燥したパルプパッドとの質量から計

算する。 

注記 乾燥履歴のないパルプと,それを乾燥させ再湿潤させたパルプとでは同じ保水度にはならない。 

 

試薬 

この規格で用いる試薬は,次による。 

5.1 

標準水 JIS P 8216に規定する標準水とする。その他の種類の水を用いた場合は,報告書に記載する。 

 

装置 

一般的な実験器具によるほか,次による。 

6.1 

遠心機 鋼鉄又は陽極処理をしたアルミニウムのような不活性な材質製で,6.5のパルプパッド保持

具を収納し,脱水処理を行うことができる振り子式のヘッド及び容器並びにタイマ及びブレーキをもつも

のとする。また,パルプパッドの底部に3 000 g±50 g(gは重力加速度)1)の遠心力がかけられるものと

する。遠心機の内部温度を23 ℃±3 ℃に調節できるもので,遠心機のモータの熱を試料に伝えないもの

とする。 

注記 回転数Nの計算は,重力加速度g及び次の式で計算できる。 

注1) 重力加速度gについては,JIS B 0153[1]の1.4(重力加速度,g)を参照する。 

2

1

896

r

Z

N

 

ここに, 

N: 回転数(min−1)又は(r/min) 

 

Z: 遠心力(3 000 g±50 g) 

 

r: 回転の中心とガラスろ紙のろ過面との距離(回転半径)(m) 

6.2 

ブフナ漏斗又は同等の漏斗 非腐食性材料製で,平たんであな(孔)の開いた底部をもち,内径が

30 mmより大きいものとする。 

6.3 

ワイヤークロス又は金網 ガラス繊維製のフィルタを用いるか,又はJIS G 3556に規定する目開き

71 μm±10 μmの不活性な材質でできた金網を用いる。 

注記 ガラス繊維製のフィルタには,例えば,Whatman GF/Cがある。 

6.4 

吸引瓶 水吸引ポンプ又は同等の機器に接続し,ブフナ漏斗を吸引ろ過できるものとする。 


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6.5 

パルプパッド保持具 金属管で,30 mm±5 mmの内径をもち,不活性な材質でできた金網が底部に

あるものとする。金網はJIS G 3556に規定する目開きが125 μm,金属線の径が90 μmのものとする。遠

心管は,水分の蒸発を防ぐために蓋のできるものとする。または,JIS G 3556に規定する目開き71 μm±

10 μmの金網を底部に固定することができる不活性な金属製のカップとする。 

保持具の形状は,遠心機の形状に依存するためこの規格では規定しない。保持具は,パルプパッドから

遠心脱水した水によって,パルプパッドが再びぬれることがないように設計されているものを使用する。

附属書Aにパルプパッド保持具を3例記載する。 

6.6 

蓋付きのひょう量瓶 容量25 mLのものとする。 

6.7 

乾燥機 温度を105 ℃±2 ℃に保つことができるものとする。 

 

試料の採取 

パルプのロットの評価を行う場合,試料はJIS P 8201に従って採取する。ロット以外のパルプ試料の評

価を行う場合は,試料の供給源を報告書に記載し,可能であれば,試料の採取手順も記載する。 

試験する部分は,パルプ試料全体を代表するものでなければならない。 

 

試料の調製 

試料がドライパルプの場合は,標準水(5.1)を用い,JIS P 8220-1又はJIS P 8220-2に従って離解する。 

機械パルプのレーテンシィ2)除去のためISO 5263-3に従って85 ℃以上で離解した場合,その後の操作

の前にうすめた試料を23 ℃±3 ℃に冷却しなければならない。 

注2) レーテンシィについては,JIS P 8220-2の3.2(レーテンシィ)を参照する。 

試料を離解した場合,離解した方法を報告書に記載しなければならない。 

パルプ懸濁液は,標準水で濃度2 g/L〜5 g/Lに希釈する。試料をゆっくり脱水するために,この範囲内

でできる限り高い濃度のものを使用する。 

試料の乾燥履歴の有無は結果に影響を与えるため,用いた試料が,乾燥後再湿潤したものか,又は乾燥

履歴のないものかを報告書に記載しなければならない。 

 

操作 

9.1 

一般事項 

希釈し,よくかくはんしたパルプ懸濁液から,23 ℃±3 ℃で保水度を測定するための試料を2個採取す

る。 

何らかの理由で試料の採取から1日以上経過した後に保水度の測定を行った場合,試料の採取と同じ日

に保水度を測定した場合に比べて,やや保水度が高くなる(通常,0.03 g/g以下)。そのため,採取後は,

できるだけ速やかに全ての測定を行うことが望ましい。測定で生じた,全ての著しい遅延は報告書に記載

しなければならない。 

パルプパッドの調製方法によって,同一のパルプ懸濁液を用いても異なる保水度の値が得られる可能性

があるため,パルプパッド調製にブフナ漏斗と金網及び金属カップとのいずれを用いたかを報告書に記載

する。 

注記 同一のパルプ懸濁液を用いても,金網上にパルプパッドを調製したほうが,ガラス繊維ろ紙上

にパルプパッドを調製した場合より5 %〜10 %程度保水度が大きいという報告がある(参考文

献[2]参照)。 


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9.2 

パルプパッドの調製 

パルプパッドの調製は,a)又はb)のいずれかによる。ただし,微細繊維の多い試料及びこう(叩)解を

してフィブリル化が進んだ試料の場合は,b)による。 

注記 微細繊維の多い試料及びこう(叩)解をしてフィブリル化が進んだ試料の場合は,ガラス繊維

製のフィルタではろ過ができず,パルプパッドが調製できないことがある。 

a) ブフナ漏斗を用いたパルプパッドの調製 ブフナ漏斗(6.2)を吸引瓶(6.4)に接続する。漏斗にガ

ラス繊維フィルタを置き,湿らせてから吸引を開始する。パルプパッド保持具(6.5)に入れるパルプ

パッドの絶乾坪量が1 700 g/m2±100 g/m2となるようにパルプ懸濁液を採取し,ブフナ漏斗に注ぐ。 

採取したパルプ懸濁液のうち100 mL分をろ過したところで,吸引を止めなければならない。微細

繊維の保持が不十分な場合は,最初のろ液をろ過前のパルプ懸濁液に加えてから残りのろ過を行う。 

表面の水が直接見えなくなったところで吸引を停止する。このときのパルプパッドの固形分量は質

量分率5 %〜15 %の間でなければならない。 

パルプパッドをブフナ漏斗から取り除き,パルプパッド保持具に移す。 

b) 金網及び金属カップを用いたパルプパッドの調製 金属カップ(6.5)の底部に目開き71 μm±10 μm

の金網(6.5)を固定する。金属カップで調製するパルプパッドの絶乾坪量が1 700 g/m2±100 g/m2と

なるようにパルプ懸濁液を採取し,金属カップに注ぐ。 

金網でろ過を行う場合,金網上に十分な厚さのパルプパッドが形成するまでは微細繊維の保持が不

十分となるため,採取したパルプ懸濁液のうち100 mL分をろ過したところで,吸引を止めなければ

ならない。最初のろ液をろ過前のパルプ懸濁液に加えてから残りのろ過を行う。 

表面の水が直接見えなくなったところでろ過を停止する。このときのパルプパッドの固形分量は,

質量分率5 %〜15 %の間でなければならない。 

9.3 

パルプパッドの遠心脱水 

パルプパッドの入ったパルプパッド保持具を遠心機の容器(6.1)に入れる。パルプパッドの底部にかか

る遠心力が3 000 g±50 gとなる速度で30 min±0.5 min間,遠心機内の温度を23 ℃±3 ℃となるように

調節して遠心脱水を行う。この時間には加速及び減速の時間は含まない。遠心機が停止後,直ちにあらか

じめひょう量したひょう量瓶(6.6)にパルプパッドを移す。質量を1 mgの単位で測定する。ひょう量瓶

の蓋を開け,開けた蓋とともに乾燥機(6.7)に入れ,105 ℃±2 ℃で,恒量に達するまで乾燥する。ひょ

う量瓶に蓋をして,デシケータに入れて放冷し,蓋を少しだけ持ち上げて圧力が平衡に達したら,蓋を閉

めて,1 mgの単位で質量を測定する。 

 

10 計算 

保水度(WRV)(g/g)は,次の式で計算する。 

1

WRV

2

1

 

ここに, 

m1: 遠心脱水後の湿潤パルプパッドの質量(g) 

 

m2: 乾燥パルプパッドの質量(g) 

2回の測定結果の平均値を計算し,JIS Z 8401の規則Aに規定する方法によって小数点以下2桁に丸め

た値を測定値とする。 

2回の測定結果が平均値から5 %以上異なる場合は,2回の値を破棄し,再測定を行う。 

また,2回の測定結果から,次の式によって計算した質量分率(%)を,上記の保水度に併記してもよ


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い。 

100

2

2

1

m

m

m

C

 

ここに, 

C: 保水度(%) 

 

m1: 遠心脱水後の湿潤パルプパッドの質量(g) 

 

m2: 乾燥パルプパッドの質量(g) 

注記 9.2 a)によって調製したパルプパッドを,9.3によって遠心脱水した場合の繰返し精度及び再現

性は,附属書Bを参照する。 

 

11 報告書 

報告書には,次の事項を記載する。 

a) この規格名称及び規格番号 

b) サンプルを識別するための全ての情報 

c) 測定年月日及び測定場所 

d) 用いたパルプの乾燥履歴の有無 

e) パルプパッドの調製に用いた器具 

f) 

箇条10による測定結果 

g) この規格から逸脱した事項,又は測定結果に影響した可能性のある事項 

 


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附属書A 

(参考) 

パルプパッド保持具の例 

 

A.1 つり下げ形パルプパッド保持具 

図A.1に記載する形状のパルプパッド保持具は,四つの部品からなる。パルプパッド籠(2)と金網(3)とは

接着してはならない。あな(孔)の開いた容器(4)にパルプパッド籠(2)で押し込んで固定する。蓋(1)は管(2)

に合わせ,覆いとなるもので,空気が通るための小さなあな(孔)の開いているものとする。全ての部品

は互いにしっかり組み合わせてから,遠心脱水の間,脱水された水から十分離れた状態が保たれるように

遠心機の容器の枠に掛ける。 

(2),(3)及び(4)の部品は,パルプ懸濁液を注ぐ前に組み立てておく。蓋(1)は遠心脱水の前にする。 

 

A.2 底置き形パルプパッド保持具 

図A.2に記載する形状のパルプパッド保持具は,金網を管に接着したパルプパッド籠(2)をもつものとす

る。籠は容器(3)の中のつばの上に固定する。容器(3)はばねの力で下からつばに向かって圧力を加える金属

円盤をもつものとする。この円盤は遠心機が最高速度で回転したときだけ開放する水の逆戻り防止用の弁

の役割をし,遠心機が停止したときのパルプパッドの再湿潤を防ぐために存在する。蓋(1)は,取り出しや

すいようにつまみのついたもので,容器(3)に固定する。 

遠心脱水の間,パルプパッド保持具は遠心機の容器の底に置く。半球状の底部をもつ容器の場合,半球

状の金属ブロックを籠の支持に用いる。金属ブロックの主たる役割は,パルプパッド籠の下に脱水した水

を保持するための空間を作ることである。 

 

A.3 金属カップろ過器及びその遠心沈殿管 

図A.3に記載するろ過器は,金属カップろ過器と吸水用のスポンジとからなる。金属カップろ過器はパ

ルプパッド調製後,そのまま遠心沈殿管に入れる。金属カップろ過器を入れた遠心沈殿管に蓋をして,遠

心機の容器の枠に掛ける。 

 


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蓋 

パルプパッド籠 

金網 

底にあな(孔)の開いた容器 

蓋 

金網を接着したパルプパッド籠 

容器 

 

 

図A.1−つり下げ形パルプパッド保持具の一例 

図A.2−底置き形パルプパッド保持具の一例 

 


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単位 mm 

 

図A.3−金属カップろ過器及びその遠心沈殿管の一例 

 

 


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附属書B 

(参考) 

精度 

 

B.1 

一般 

国際ラウンドロビン試験を国の異なる6か所の試験所で2004年10月に行った。このとき,パルプパッ

ドの調製は9.2 a)によった。そのため,附属書Bの繰返し精度及び再現性の結果には,パルプパッドの調

製を9.2 b)によったときの繰返し精度及び再現性の結果は含まれない。 

これらの計算は,ISO/TR 24498[3]によって実施した。 

報告されている繰返し精度及び再現性の許容差は,類似の測定条件の下,類似の材料で行った二つの測

定結果を比較するとき,20回のうち19回で期待される差の最大値を評価したものである。材料及び測定

条件が異なる場合には,これらの数値は有効でない。 

注記 繰返し精度及び再現性の許容差は,標準偏差に2.77を乗じて計算する。2.77=1.962,この値

は,測定値が正規分布しており,標準偏差Srが多数の測定結果に基づいていることを前提とし

ている。 

 

B.2 

繰返し精度 

1か所の試験所で,異なる種類の試料を,この規格によって測定した。それぞれの種類の試料について,

5回〜10回の測定を行った。それぞれの種類の試料における,WRVの平均値,標準偏差,変動係数及び

繰返し許容差を表B.1に示す。 

 

表B.1−繰返し精度 

試料 

WRVの平均値 

g/g 

標準偏差 

Sr 

変動係数 

繰返し許容差 

さらし針葉樹パルプ 

1.02 

0.027 

2.6 

0.07 

さらし広葉樹パルプ 

1.01 

0.028 

2.8 

0.08 

サーモメカニカルパルプ 

1.39 

0.072 

5.2 

0.20 

ケミサーモメカニカルパルプ(広葉樹) 

1.22 

0.055 

4.5 

0.15 

ケミサーモメカニカルパルプ(50 %針葉樹+50 %広葉樹) 

1.24 

0.047 

3.8 

0.13 

未ざらし亜硫酸パルプ 

1.04 

0.025 

2.4 

0.07 

古紙パルプ 

1.59 

0.15 

9.3 

0.41 

非木材パルプ 

2.04 

0.041 

2.0 

0.11 

乾燥履歴のないパルプ 

1.14 

0.011 

0.94 

0.03 

 

機械パルプ,半機械パルプ及び古紙パルプはこう(叩)解した化学パルプと同様に,微細繊維を多く含

む。微細繊維の存在は繰返し精度に影響を与える。 

 

B.3 

再現性 

6か所の異なる試験所で異なる種類の試料をこの規格によって測定した。それぞれの種類の試料におけ

る,WRVの平均値,標準偏差,変動係数及び繰返し許容差を表B.2に示す。 

 


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表B.2−再現性 

試料 

WRVの平均値 

g/g 

標準偏差 

Sr 

変動係数 

繰返し許容差 

さらし針葉樹パルプ 

0.86 

0.13 

15.1 

0.36 

さらし広葉樹パルプ 

0.86 

0.14 

16.8 

0.40 

サーモメカニカルパルプ 

1.28 

0.23 

17.8 

0.63 

ケミサーモメカニカルパルプ(広葉樹)a) 

1.23 

0.46 

37.7 

1.27 

ケミサーモメカニカルパルプ(50 %針葉樹+50 %広葉樹) 

1.02 

0.15 

14.3 

0.40 

未ざらし亜硫酸パルプ 

0.94 

0.20 

20.8 

0.54 

古紙パルプ 

1.31 

0.33 

25.3 

0.92 

乾燥履歴のないパルプ 

1.60 

0.28 

17.6 

0.78 

注a) 他の試料より変動係数が大きい原因は,1か所の測定結果が他の測定結果より大きかったためである。 

 

再現性の測定結果で変動係数が高い原因は試験所間の偏差が大きいためであり,装置及び微細繊維分量

の差が影響している。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

参考文献 [1] JIS B 0153 機械振動・衝撃用語 

[2] SCAN C62,Water Retention Value 

[3] ISO/TR 24498:2006,Paper, board and pulps−Estimation of uncertainty for test methods 


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附属書JA 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

 

JIS P 8228:2018 パルプ−保水度の測定方法 

ISO 23714:2014,Pulps−Determination of water retention value (WRV) 

 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

2 引用規格  

 

 

 

 

 

 

3 用語及び
定義 

 

 

用語及び定義を記載す
る。 

追加 

JIS P 0001を追加した。 

技術的な差異はない。 

4 原理 

 

 

保水度の原理を記載す
る。 

追加 

JISはISO規格にはない金網によるろ過を
追加した。 
ISO規格の基となったSCAN C62には,金
網を用いたろ過の場合とガラス繊維フィ
ルタを用いたろ過とでは,保水度の測定結
果に5 %〜10 %の差が生じることが記載さ
れている。 

国内で流通しているパルプは微細
繊維が多く,金網を用いてろ過する
方法が適していることからJISで
はこの方法を追加した。欧州で主流
のパルプは繊維が大きく,ガラス繊
維フィルタでのパルプパッドの調
製に問題がないため,ISO規格制定
時にはガラス繊維フィルタでろ過
する方法だけを規定した経緯があ
るが,それぞれの測定結果に差があ
ることは報告されており,金網を用
いた方法での測定結果が大きい傾
向にあることは周知のことである。
このため,報告書には調製に用いた
器具を記載することとした。 
なお,ISOの制定経緯に鑑み,金網
を用いたろ過方法を国際提案する
予定はない。 

 

2

 

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 8

2

2

8

2

0

1

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12 

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(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

6 装置 

6.1 遠心機 

 

6.1 

遠心機を規定する。 

追加 

JISはISO規格にはない重力加速度gの説
明を追加した。 

技術的な差異はない。 

6.3 ワイヤーク
ロス又は金網 

 

6.3 

ワイヤークロスを規定
する。 

追加 

JISはISO規格にはない金網によるろ過を
追加したため,金網の条件を規定した。 

箇条4と同じ。 

6.5 パルプパッ
ド保持具 

 

6.5 

パルプパッド保持具底
部の金網を規定する。 

追加 

JISはISO規格にはない,金網の規格を追
加した。 

JISには金網を規定する規格があ
る。 

 

6.5 

パルプパッド保持具の
要求事項を記載する。 

追加 

JISはパルプパッド保持具の底部がISO規
格とは異なり,箇条4の金網を固定すると
した。 

箇条4と同じ。 

 

6.5 

パルプパッド保持具の
例を記載する。 

追加 

JISはISOとは異なり,金属カップろ過器
と吸水用のスポンジからなる。 

箇条4と同じ。 

9 操作 

9.1 一般事項 

 

9.1 

保水度測定における注
意事項を記載する。 

追加 

JISはISO規格にはない,ガラス繊維フィ
ルタと金網を用いたときでは,保水度に差
が出る可能性を追加した。 

国内では金網による,ろ過が広く行
われているため。 

9.2 パルプパッ
ドの調製 

 

9.2 

パルプパッドの調製方
法を記載する。 

追加 

JISは,ISO規格に規定しているブフナ漏
斗,又はISO規格にない金網のいずれかを
用いてパルプパッドを調製するとした。 

箇条4と同じ。 

9.2 a) ブフナ漏
斗を用いたパル
プパッドの調製 

 

9.2 

パルプパッドの調製方
法を記載する。 

追加 

JISはISO規格にはない,“ブフナ漏斗を用
いたパルプパッドの調製”という表題を追
加した。 

パルプパッド調製方法を追加した
ため,表題を新たに記載する。 

9.2 b) 金網及び
金属カップを用
いたパルプパッ
ドの調製 

 

9.2 

パルプパッドの調製方
法を記載する。 

追加 

ISO規格にはない,金網を用いたパルプパ
ッドの調製方法を追加した。 

箇条4と同じ。 

 

 

 

 

2

 

P

 8

2

2

8

2

0

1

8

 

 

 

 

 


13 

P 8228:2018  

 

(I)JISの規定 

(II) 
国際 
規格 
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごとの評価
及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

10 計算 

保水度の計算 

 

10 

保水度の計算方法を記
載する。 

追加 

JISはISO規格にはない数値の丸め方を追
加した。 

技術的な差異はない。 

追加 

JISはISO規格にはない再現性及び繰返し
精度を求めたときの条件を追加した。 

技術的な差異はない。 

追加 

JISはISO規格にはない百分率(%)での
保水度の記載方法を追加した。 

国内では百分率(%)での報告が広
く行われているため,追加するが,
技術的な差異ではないため,ISOに
は提案しない。 

附属書A 
(参考) 

A.3 金属カップ
ろ過器及びその
遠心沈殿管 

 

 

 

追加 

JISはISO規格にはない金属カップろ過器
及びその遠心沈殿管を追加した。 

箇条4と同じ。 

附属書B 
(参考) 

B.1 一般 

 

 

 

追加 

JISはISO規格にはない再現性及び繰返し
精度を求めたときの条件を追加した。 

技術的な差異はない。 

 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 23714:2014,MOD 

関連する外国規格 

SCAN C62,TAPPI UM256 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD  国際規格を修正している。 

 

2

 

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 8

2

2

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2

0

1

8