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P 8118 : 1998

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS P 8118 : 1994 は改正され,この規格に置き換えられる。

今回の改正では,対応国際規格 ISO 534 : 1988,Paper and board−Determination of thickness and apparent

bulk density or apparent sheet density

との整合化を行った。

JIS P 8118

には,次に示す附属書がある。

附属書(規定)  マイクロメータの性能検査及び校正


日本工業規格

JIS

 P 8118

: 1998

紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法

Paper and board

−Determination of thickness and density

序文  この規格は,1988 年に第 2 版として発行された ISO 534,Paper and board−Determination of thickness

and apparent bulk density or apparent sheet density

を基に作成した日本工業規格であるが,次の規定内容を除

いて,技術的内容を変更することなく作成している。

規定内容の相違点の概要]

①試験片の前処置に従来 JIS の方法を併記した。②操作時の標準条件に従来 JIS の方法を併記した。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。

1.

適用範囲  この規格は,紙及び板紙の厚さ並びに密度及びバルク密度の試験方法について規定する。

備考1.  この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 534 : 1988

  Paper and board−Determination of thickness and apparent bulk density or apparent

sheet density

2.

この規格の中の JIS 又は ISO 規格の選択箇所は,規格全般にわたり JIS 又は ISO 規格のどち

らか一方を選択する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS P 0001

  紙・板紙及びパルプ用語

JIS P 8110

  試験用紙採取方法

備考 ISO 

186 

: 1985

,Paper and board−Sampling to determine average quality からの引用事項は,こ

の規格の該当事項と同等である。

JIS P 8111

  紙,板紙及びパルプ−調湿及び試験のための標準状態

JIS P 8124

  紙及び板紙−坪量測定方法

備考 ISO 

536 

: 1995

,Paper and board−Determination of grammage が,この規格と対応している。

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 9041

  測定値の処理方法

ISO 187

  Paper, board and pulps−Standard atmosphere for conditioning and testing and procedure for

monitoring the atmosphere and conditioning of samples

3.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS P 0001 によるほか,次による。

a)

厚さ  (single sheet thickness)  一定の静荷重の下で測定した単一の紙又は板紙の厚さ。

b)

バルク厚さ (bulking thickness)  一定の静荷重の下で測定した重ねた紙のシート厚さから計算する単


2

P 8118 : 1998

一シートの厚さ。

c)

密度  (apparent sheet density)  紙又は板紙の坪量及び単一シートの厚さから計算する単位容積当たり

の質量。

d)

バルク密度 (apparent bulk density)  紙の坪量及びバルク厚さから計算する単位容積当たりの質量。

4.

原理  特定の静荷重の下で高精度のマイクロメータによって単一シート若しくは一組のシートの厚さ

を測定し,厚さ又はバルク厚さとする。密度若しくはバルク密度は,坪量及び厚さ又はバルク厚さから計

算する。

5.

装置  装置として使用するマイクロメータは,次による。

a)

マイクロメータは二つの平行な円形の加圧面をもち,その間に紙又は板紙を挟んで測定する。加圧面

は,固定面及び垂直に動く可動面から構成する。

b)

小さい方の加圧面の直径は 16.0mm±0.5mm 又は 14.3mm±0.5mm とし,もう一つの加圧面の直径はそ

れより大きいものとする。

c)

加圧面間の圧力は 50kPa±5kPa 又は 100kPa±10kPa とする。

参考  加圧面間の圧力は,100kPa で行うことが望ましい。一般に圧力が違うと得られる厚さの値が変

わるので,圧力は 100kPa に統一したほうがよいが,マイクロメータの寿命が長いために,統一

の目標期限を明示することができない。

d)

マイクロメータの必要精度は次のとおりとする。

表示誤差

:±2.5

µm 又は±0.5%

加圧面平行誤差  :5

µm 又は 1%

測定再現性

:2.5

µm 又は 0.5%

上記精度のうち,大きい方の値を最大許容値とする。

e)

補正には厚みゲージ又は標準ブロックゲージを使用し,各ゲージの精度は 1

µm とする。

f)

マイクロメータの性能検査及び校正方法を,

附属書に示す。

6.

試験片  試験片は,次による。

a)

試験片の採取  JIS P 8110 に規定する方法によって採取した試験用紙から,しわのない試験片を採る。

b)

試験片の前処置  試験片は,JIS P 8111 又は ISO 187 に規定する方法によって前処置する。

c)

試験片の調製  試験片は,前処置と同じ環境条件下で調製する。

厚さ測定用

: 50mm×50mm 以上の試験片を 10 枚以上用意する。

バルク厚さ測定用  : 200mm×250mm で,200mm がマシン方向の試験片 10 枚を一組とする。す

べての試験片の方向を同じにし,少なくとも 4 組用意する。

受渡当事者間の協定によって寸法及び枚数を変えてもよい。

7.

操作  操作は,次による。

7.1

厚さの測定

a)

操作は,JIS P 8111 又は ISO 187 に規定する標準条件下で行う。

b)

マイクロメータを防振性の水平面上に置く。

c)

試験片をマイクロメータ加圧面の間に入れる。


3

P 8118 : 1998

d)

可動加圧面を 3mm/s 以下の速度で操作する。

参考  速度制御装置のないマイクロメータを使用する場合には,試験片の表面から約 0.6mm まで上げ,

その位置で放す。

e)

試験片が加圧面間で保持されていることを確認し,安定直後の値を読み取る。

f)

厚さは,各試験片で 1∼2 か所測定し,合計 20 か所以上を測定する。

g)

バルク厚さは,試験片の端から 40mm∼80mm 内側で,ほぼ等距離になるような 5 か所を測定する。

7.2

密度の測定  JIS P 8124 に規定する方法によって坪量を測定し,密度の計算に用いる。

8.

計算  密度の計算は,次による。

000

1

×

=

T

W

D

ここに,

D

密度又はバルク密度

 (g/cm

3

)

W

坪量

 (g/m

2

)

T

厚さ又はバルク厚さ

 (mm)

9.

試験結果の表し方  厚さ及びバルク厚さは,JIS Z 8401 に規定する方法によって,小数点以下

3

けた

に丸める。標準偏差は,JIS Z 9041 に規定する方法によって求める。

密度は,JIS Z 8401 に規定する方法によって,小数点以下

2

けたに丸める。

参考1.

繰返し精度  同一試料について同じマイクロメータを用いて,一人の作業者が短い時間間隔

で行った試験結果

2

回の差が,繰返し精度の平均値を超えるのは,

20

回に

1

回以下になる。繰

返し精度の平均値は,厚さの場合

2.0%

,バルク厚さの場合は

0.5%

である。

2.

再現精度  同一試料について,異なった試験室で二人の作業者が行った別々の試験結果

2

の差が,再現精度の平均を超えるのは,

20

回に

1

回以下になる。再現精度の平均値は,厚さ

の場合

7.9%

,バルク厚さの場合

3.7%

である。

10.

報告  報告には,必要に応じて次の事項を記録する。

a)

規格名称又は規格番号,及び JIS 又は ISO 規格の区分

b)

試験片の種類及び名称

c)

試験年月日及び試験場所

d)

試験片の前処置条件(温度及び相対湿度)

e)

マイクロメータ加圧面間の圧力

f)

厚さの平均値,最大値・最小値及び標準偏差

g)

バルク厚さの平均値,最大値・最小値及び標準偏差

h)

密度又はバルク密度

i)

試験に用いた試験片の数

j)

バルク厚さについては,各試験に用いたシートの数

k)

測定点の数

l)

試験片の坪量

m)

その他必要とする事項


4

P 8118 : 1998

附属書(規定)  マイクロメータの性能検査及び校正

1.

適用範囲  この附属書は,紙及び板紙の厚さ並びに密度の試験に用いるマイクロメータの性能検査及

び校正について規定する。

2.

概要  次の順序でマイクロメータの性能を検査する。

もし,マイクロメータの性能が

本体の 5.d)に示した許容範囲を外れている場合は,必要な補正を行って

から再試験する。

3.

加圧面間の圧力  加圧面間の圧力の精度及び均一性を,適切な方法で検査する。

4.

表示誤差及び測定再現性

a)

加圧面を相互に接触させてマイクロメータの読みを零にする。以下の操作を行っている間は,零読み

をリセットしない。

b)

加圧面を開いてから,再び閉じて,加圧面が相互に接触するようにし,マイクロメータの読みを記録

する。この操作を

5

回以上繰り返す。

c)

加圧面を開いて精度

1

µm

の厚みゲージ又は標準ブロックゲージを挟み,加圧面を閉じてマイクロメー

タの読みを記録する。厚みゲージ又は標準ブロックゲージの測定面に手を触れないようにする。この

操作を

5

回以上繰り返す。

d)

c)

の操作を各厚みゲージ又は標準ブロックゲージで繰り返す。各厚みゲージ又は標準ブロックゲージ

は単独で使用する。

e)

b)

の操作を繰り返す。

f)

マイクロメータで各ゲージの厚さを読み取り,次の計算をする。

1)

測定再現性:

5

個以上の読みの標準偏差

2)

表示誤差:

5

個以上の読みの平均値と各ゲージの厚さの差

5.

加圧面の平行度

a)

精度

1

µm

の厚みゲージ又は標準ブロックゲージを用意し,加圧面を開き,ゲージを加圧面のできるだ

け端部付近に入れる。加圧面を閉じて,マイクロメータの読みを記録する。

b)

加圧面を開き,厚みゲージ又は標準ブロックゲージを a)の反対側の端部付近に入れる。加圧面を閉じ

て,再度マイクロメータの読みを記録する。

c)

a)

及び b)の位置を通る直径と直角方向の端部付近についても a)及び b)の操作を繰り返す。

d)

a)

b)及び c)の操作を順次各ゲージで繰り返す。

e)

マイクロメータで読み取った各ゲージの厚さから,次の式によって平行度の誤差を計算する。

2

2

2

1

5

.

0

d

d

d

+

=

ここに,

d

:  平行度の誤差

d

1

:  加圧面の一つの直径方向の両端の読みの差


5

P 8118 : 1998

d

2

:  加圧面の d

1

で用いた直径と直交する直径方向の両端の読みの

JIS

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

尾  鍋  史  彦

東京大学

(副委員長)

飯  田  清  昭

紙パルプ技術協会

(委員)

生  田  章  一

通商産業省生活産業局

宮  崎  正  浩

工業技術院標準部

橋  本  繁  晴

財団法人日本規格協会

岡  山  隆  之

東京農工大学

堀      定  男

日本製紙連合会

吉  田  芳  夫

王子製紙株式会社

内  藤      勉

日本製紙株式会社

高  柳  充  夫

王子製紙株式会社

原      啓  志

三島製紙株式会社

外  山  孝  治

三菱製紙株式会社

佐久間  雅  義

北越製紙株式会社

大豆生田    章

大日本印刷株式会社

細  村  弘  義

富士ゼロックス株式会社

熊  谷      健

熊谷理機工業株式会社

水  谷      壽

株式会社東洋精機製作所

内  田      久*

十條リサーチ株式会社

大  石  哲  久*

紙パルプ技術協会

紙パルプ試験規格委員会第 3 分科会  構成表

氏名

所属

(第 3 分科会長)

高  柳  充  夫

王子製紙株式会社

(委員)

品  川  俊  一

通商産業省物質光学工業技術研究所

長  田  高  穂

王子製紙株式会社

茂  木  一  真

株式会社巴川製紙所(平成 9 年 3 月 31 日まで)

上  山  雅  文

株式会社巴川製紙所(平成 9 年 4 月 1 日から)

田  口  秀  敏

日本板紙株式会社

折  坂      滋

大昭和製紙株式会社

安  田      強

日本製紙株式会社

船  江  晴  芳

三菱製紙株式会社

JIS

原案作成委員会の○印の委員

(*印は,事務局兼務を示す。)

(解説作成者:船江  晴芳)