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日本工業規格

JIS

 P

3801

-1995

ろ紙(化学分析用)

Filter paper (for chemical analysis)

1.

適用範囲  この規格は,化学分析に用いるろ紙について規定する。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 8085

  アンモニア水(試薬)

JIS K 8102

  エタノール (95) (試薬)

JIS K 8142

  塩化鉄 (III) 六水和物(試薬)

JIS K 8155

  塩化バリウム二水和物(試薬)

JIS K 8374

  酢酸鉛 (II) 三水和物(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

JIS K 8962

  硫酸カリウム(試薬)

JIS P 8101

  溶解パルプ試験方法

2.

この規格の中で,

{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,

参考として併記したものである。

2.

種類  ろ紙の種類は,次のとおりとする。

表 1

定性分析用

定量分析用

1

種  粗大ゼラチン状沈殿用

5

種 A  粗大なゼラチン状沈殿用

2

種  中位の大きさの沈殿用

5

種 B  中位の大きさの沈殿用

3

種  微細沈殿用

5

種 C  微細沈殿用

4

種  微細沈殿用の硬質ろ紙

6

種  微細沈殿用の薄いろ紙

3.

寸法  ろ紙の寸法は,表 2,表 のとおりとする。

備考  定量分析用ろ紙は円形とし,直径は 185mm 以下とする。


2

P 3801-1995

表 2  円形ろ紙

単位 mm

直径

許容差

直径

許容差

55

±2 240 ±3

70  280

90  300

110  330

125  360

150  400

185  500

600

表 3  角形ろ紙

単位 mm

600

×600(大判)

許容差±3

560

×485(小判)

4.

原料  原料は,精選した綿繊維を主体としたものとする。

5.

品質

5.1

ろ紙は清浄で均一な組織をもち,

α

セルロース含量・銅価・pH は,

表 による。

表 4

α

セルロース含量  %

90

以上

銅価 1.6 以下

pH 5.0

∼8.0

5.2

灰分質量

(1)

定量分析用ろ紙 1 枚の灰分質量は,

表 による。

表 5

単位 mg

円形ろ紙の直径

5

6

(mm)

55 0.04

以下 0.03 以下

70 0.07

以下 0.05 以下

90 0.10

以下 0.08 以下

110 0.16

以下 0.12 以下

125 0.21

以下 0.16 以下

150 0.30

以下 0.22 以下

185 0.45

以下 0.36 以下

(2)

定性分析用ろ紙の灰分質量は,0.2%以下とする。

5.3

ろ水時間・湿潤破裂強さ・沈殿保持性は,

表 の規定による。

表 6

種  類

ろ水時間 (s)

湿潤破裂強さ

kPa {cmH

2

O}

沈殿保持性

下記沈殿のろ液が

透明となること

1

種 80 以下 1.27

{13}

以上 水酸化鉄

2

種 120 以下 1.47

{15}

以上 硫酸鉛


3

P 3801-1995

種  類

ろ水時間 (s)

湿潤破裂強さ

kPa {cmH

2

O}

沈殿保持性

下記沈殿のろ液が

透明となること

3

種 300 以下 1.96

{20}

以上 硫酸バリウム

4

種 1

800

以下 8.83

{90}

以上 硫酸バリウム

5

種 A 70 以下 1.47

{15}

以上 水酸化鉄

5

種 B 240 以下 1.47

{15}

以上 硫酸鉛

5

種 C 720 以下 1.47

{15}

以上 硫酸バリウム

6

種 480 以下 1.47

{15}

以上 硫酸バリウム

備考  4 種ろ紙は,沈殿をかき集めることができるように

紙の表面が硬くなければならない。

6.

試料の採取方法  受渡当事者間の協定によって合理的な方法によって行う。

7.

試験方法

7.1

α

セルロース含量  JIS P 8101 の 5.5

α

セルロース)による。

7.2

銅価  JIS P 8101 の 5.7(銅価)による。

7.3

pH

  約 100mm

2

に細断した試料 1g を 100ml の三角フラスコに入れる。煮沸蒸留水約 20ml をこれに

加え,先端を平らにしたガラス棒で紙を圧して十分に水を浸透させる。次いで,更に 50ml の蒸留水を加

えてかき混ぜる。

フラスコを 1 時間沸騰させた後,冷却して検液とする。

電極・標準緩衝溶液(

1

)

・洗浄水・検液を測定温度に完全に一致させた後,ガラス電極 pH メータによっ

て検液中に紙の繊維を含んだままで,pH を測定する。

標定に当たっては,pH±0.05 単位の再現性を確かめることを要し,測定に際しては検液を 3 部に分け,

各々について測定したとき,pH に 0.1 以上の差があってはならない。

(

1

)

標準緩衝溶液  pH4.0のフタル酸水素カリウム及び必要に応じて,pH7.0の第一,第二りん酸塩

混合物を用いる。

7.4

灰分量  少なくとも 6g の試料を質量既知の容器(

2

)

にとり,電気マッフル炉に入れ,るつぼのふたか

らの煙が止まるまで徐々に熱し,

煙が止まった後ふたをとり,

700

±25℃で約 2 時間加熱して十分に灰化し,

デシケーター中で室温まで冷却して直ちにはかり,灰分量を次の式によって算出する。

定量ろ紙 1 枚の灰分質量 (g) =

ろ紙枚数

灰質量

)

(g

定性ろ紙の灰分 (%) =

)

(

)

(

)

(

3

g

g

乾燥試料質量

灰質量

×100

(

2

)

容器は内容量20ml のふた付き白金るつぼを用いる。

(

3

)

ここでいう乾燥試料質量とは,105±2℃で乾燥し,恒量(10mg まで)になったものをいう。

7.5

ろ水時間  ヘルツベルヒろ過速度試験器によって予備ろ過した(

4

)

20

±2℃の蒸留水を用いて試験す

る。

ヘルツベルヒ試験器は,

図 に示すとおり,水を満たしたガラス円筒(A 部)及びろ紙を緊密に挟む金

具(B 部)からなり,A・B 部を連結する U 字管の途中には三方コックを備えている。B 部の水頭と A 部

における漏斗下端の距離を一定(

5

)

に保つことによって,測定中ろ紙にかかる水圧は一定に保たれる。A 部

上ふたに備え付けてある空気弁 (C) は注水その他必要に応じて開くこともあるが,測定中は弁を閉じて容


4

P 3801-1995

器内部を気密に保つ作用をする。

三方コックを用いて A 部から B 部に水を通し,B 部のろ紙を通過してその上端の流出口から出る水量が

100ml

に達する秒数を測定して,ろ水時間とする。

(

4

)

供試ろ紙より目の細かいろ紙又は供試ろ紙2枚を重ねて用いる。

(

5

)

通常 100mm とする。

備考  ろ紙の取付面積は,1 000mm

2

とする。

図 1

7.6

湿潤破裂強さ  ヘルツベルヒろ過速度試験器を用いて試験する。水高 100mm でろ水時間の試験を終

わったろ紙をそのままの状態におき,直ちに破裂強さの測定を始める。上部空気弁 (C) をわずかに開くと

(

6

)

ろ紙にかかる水圧が次第に高くなって,ろ紙が破れるに至る。このとき漏斗管中に上昇した水高をはか

って湿潤破裂強さとする。

(

6

)

漏斗管中の水が5秒間に20∼30mm の割合で上昇する程度に空気弁を開くものとする。


5

P 3801-1995

7.7

沈殿保持性  沈殿保持性は新しく沈殿させた水酸化鉄・硫酸鉛・硫酸バリウムの懸濁液を供試ろ紙

を用いて三角フラスコ中にろ過して検液とし,フラスコを軽く振った後黒紙を下においてフラスコの上部

から検液を観察して,検液が透明で肉眼で沈殿を認めない場合を合格とする。

検液の作り方は,次のとおりとする。

備考  1 ロットから少なくとも 4 枚以上を試験する。

(1)

水酸化鉄  塩化鉄 (III) 六水和物溶液(

7

)

100ml

にアンモニア水(

12

)

 (1 : 1) 10ml

を加えて振り動かし,直

ちに懸濁液を各ろ紙(

8

)

をとおして約 30ml ずつ別々の三角フラスコ中にろ過し,ろ紙上の沈殿をアン

モニア水  (1 : 100)  で洗い,洗浄液を加えたろ液を検液とする。

(

7

)

蒸留水100ml 中に塩化鉄 (III) 六水和物(

12

)

10g

を溶解する。

(

8

)

  4

枚の供試ろ紙を常法どおりに折り畳み,別々の漏斗に当てて用いる。

(2)

硫酸鉛  酢酸鉛溶液(

9

)

100 ml

に 3mol/硫酸(

12

)

40ml

及びエタノール (95) 80ml を加え 4 時間放置する。

硫酸鉛が液体中に均一になるまでかき混ぜ,直ちに各ろ紙(

8

)

を通して約 50ml ずつ別々の三角フラス

コ中にろ過し,ろ紙上の沈殿を初めは硫酸  (1 : 20)  で,次いでエタノール (95) (

12

)

で洗い,洗浄液を

加えたろ液を検液とする。

(

9

)

酢酸鉛溶液[蒸留水100ml 中に酢酸鉛 (II) 三水和物(

12

)

10g

を溶解する]を試験する前に3種ろ

紙でろ過しておく。

(3)

硫酸バリウム  溶液 A(

10

)

276ml

を沸点まで熱し,その温度において絶えずかき混ぜながら徐々に塩化

バリウム溶液(

11

)

25ml

を加える。この混合物を動かすことなく,2∼6 時間 70∼100℃で静置した後硫

酸バリウムが液体中に均一に分布するまで懸濁液をかき混ぜ,直ちに各ろ紙を通して約 50ml ずつろ

過し,ろ紙上の沈殿を温水で洗った後,別の三角フラスコ中に全部を集めて検液とする。

(

10

)

溶液 A  硫酸カリウム(

12

)

0.55g

を275ml の水に溶解し,塩酸(比重1.18)1ml を加える。

(

11

)

塩化バリウム二水和物(

12

)

58.5g

を蒸留水に溶解し,1 000ml とする。

(

12

)

  JIS K 8085

の特級

JIS K 8142

の特級

JIS K 8951

の特級

JIS K 8102

の 1 級

JIS K 8374

の特級

JIS K 8962

の特級

JIS K 8155

の特級

8.

包装と表示  同じ大きさのもの 100 枚を単位として包装し,封じ目には次の表示をする。

ろ紙

種類

寸法

1

枚の灰分質量

以下

数量

製造者名

封包年月

備考  定性ろ紙は,灰分質量の記載を省略する。