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M 8821 : 2002

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人石炭利用総合センター (CCUJ) /

財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して,日本工業規格を制定すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO/DIS 15237 : 1999 (Solid mineral fuels

−Determination of total mercury content of coal)  を基礎として用いた。

JIS M 8821

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)  ボンブ燃焼−還元気化原子吸光方法

附属書 2(規定)  高温燃焼−過マンガン酸カリウム吸収−還元気化原子吸光方法

附属書 3(規定)  加熱気化−金アマルガム捕集−加熱気化原子吸光方法

附属書 4(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表


M 8821 : 2002

(1) 

目次

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  一般事項

2

4.

  定量方法の種類

2

附属書 1(規定)  ボンブ燃焼−還元気化原子吸光方法

3

1.

  要旨

3

2.

  試薬

3

2.1

  水

3

2.2

  酸素

3

2.3

  硝酸溶液

3

2.4

  水銀標準原液

3

2.5

  水銀標準溶液

3

2.6

  過マンガン酸カリウム溶液

3

2.7

  塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液

3

2.8

  還元剤

3

3.

  装置

3

3.1

  はかり

3

3.2

  酸素燃焼ボンブ

4

3.3

  石英燃焼るつぼ

4

3.4

  フレームレス水銀分析システムを備えた原子吸光分析計

4

4.

  試料の調製

4

5.

  酸素ボンブ燃焼操作

4

5.1

  概要

4

5.2

  石炭の燃焼

4

6.

  試料溶液の調製

4

7.

  原子吸光度の測定

5

7.1

  検量

5

7.2

  分析操作

5

8.

  結果の表示

5

9.

  精度

6

9.1

  繰返し許容差

6

9.2

  室間許容差

6

10.

  試験報告書

6

附属書 2(規定)  高温燃焼−過マンガン酸カリウム吸収−  還元気化原子吸光方法

7

1.

  要旨

7


M 8821 : 2002

目次

(2) 

2.

  試薬

7

3.

  装置

7

3.1

  高温燃焼部

7

3.2

  原子吸光測定部

9

4.

  試料のはかり取り

11

5.

  操作

11

5.1

  試料の燃焼と試料溶液の調製

11

5.2

  原子吸光度の測定

11

6.

  空試験

12

7.

  検量線の作成

12

8.

  計算

12

9.

  精度

12

9.1

  繰返し許容差

12

9.2

  室間許容差

12

10.

  試験報告書

12

附属書 3(規定)  加熱気化−金アマルガム捕集−加熱気化原子吸光方法

14

1.

  要旨

14

2.

  試薬

14

3.

  装置

14

4.

  試料はかり取り

16

5.

  操作

16

6.

  空試験

16

7.

  検量線の作成

16

8.

  計算

16

9.

  精度

16

9.1

  繰返し許容差

17

9.2

  室間許容差

17

10.

  試験報告書

17

附属書 4(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表

18


日本工業規格

JIS

 M

8821

: 2002

石炭類−全水銀の定量方法

Coal

−Determination of total mercury content

序文  この規格は,日本工業規格として必要な規定項目を規格本体で規定し,かつ,1999 年に発行された

ISO/DIS 15237 (Solid mineral fuels

−Determination of total mercury content of coal)  を翻訳し,技術的内容を変

更することなく

附属書 として規定した。

なお,

附属書 で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格案文にない事項である。さらに,対応国際

規格にない規定項目として,通常の実験室設備で分析可能な方法を

附属書 に,また,機器分析方法を附

属書 に規定した。

1.

適用範囲  この規格は,石炭中の全水銀の定量方法について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を示す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO/DIS 15237 : 1999

  Solid mineral fuels−Determination of total mercury content of coal (MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格のうちで発行年を付記してあるものは,記載の年の版だけがこの規格の規定を構成

するものであって,その後の改正版・追補には適用しない。発効年又は発行年を付記していない引用規格

は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0121

  原子吸光分析通則

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 8127

  テトラクロロ金 (III) 酸四水和物(試薬)

JIS K 8136

  塩化すず (II) 二水和物(試薬)

JIS K 8139

  塩化水銀 (II)(試薬)

JIS K 8201

  塩化ヒドロキシルアンモニウム(試薬)

JIS K 8247

  過マンガン酸カリウム(試薬)

JIS M 0104

  石炭利用技術用語

JIS M 8810

  石炭類及びコークス類−サンプリング,分析並びに試験方法の通則

JIS M 8811

  石炭類及びコークス類−サンプリング及び試料調製方法

備考  ISO/FDIS 13909-1 : 2000, Hard coal and coke − Mechanical sampling − Part 1 : General

introduction

ISO/FDIS 13909-2 : 2000, Hard coal and coke

−Mechanical sampling−Part 2 : Coal−Sampling

from moving streams


2

M 8821 : 2002

ISO/FDIS 13909-3 : 2000, Hard coal and coke

−Mechanical sampling−Part 3 : Coal−Sampling

from stationary lots

ISO/FDIS 13909-4 : 2000, Hard coal and coke

−Mechanical sampling−Part 4 : Coal−Preparation

of test samples

ISO/FDIS 13909-5 : 2000, Hard coal and coke

−Mechanical sampling−Part 5 : Coke−Mechanical

sampling from moving streams

ISO/FDIS 13909-6 : 2000, Hard coal and coke

−Mechanical sampling−Part 6 : Coke−Preparation

of test samples

ISO/FDIS 13909-7 : 2000, Hard coal and coke

−Mechanical sampling−Part 7 : Methods for

determining the precision of sampling, sample preparation and testing,

及び

ISO/FDIS 13909-8 : 2000, Hard coal and coke

−Mechanical sampling−Part 8 : Methods of tesing

for bias,

からの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。

JIS R 1306

  化学分析用磁器燃焼ボート

JIS R 1307

  化学分析用磁器燃焼管

JIS R 7501

  炭化けい素発熱体

JIS Z 8802

  pH 測定方法

ISO 331

  Coal−Determination of moisture in the analysis sample−Direct gravimetric method

ISO 1015

  Brown coals and lignites−Determination of moisture content−Direct volumetric method

ISO 1170

  Coal and coke−Calculation of analyses of different bases

ISO 1928 : 1995

  Solid mineral fuels−Determination of gross calorific value by the bomb calorimetric

method, and calculation of net calorific value

ISO 1988

  Hard coal−Sampling

ISO 3696

  Water for analytical laboratory use−Specifications and test methods

ISO 5068

  Brown coals and lignites−Determination of moisture content−Indirect gravimetric method

ISO 5069-2

  Brown coals and lignites−Principles of sampling−Part 2 : Sample preparation for determination

of moisture content and for general analysis

ISO 9411-1

  Solid mineral fuels−Mechanical sampling from moving streams−Part1 : Coal

3.

一般事項  定量方法に共通な一般事項は,JIS K 0121JIS M 0104JIS M 8810 及び JIS M 8811 によ

る。

4.

定量方法の種類  定量方法の種類は,表 による。

表 1  石炭−全水銀定量方法の種類及び適用範囲

定量方法の種類

適用含有量範囲

(

µg/g)

定量方法の附属書

(規定)番号

ボンブ燃焼−還元気化原子吸光方

0.01

以上 1

高温燃焼−過マンガン酸カリウム
吸収−還元気化原子吸光方法

0.01

以上 2

加熱気化−金アマルガム捕集−加
熱気化原子吸光方法

0.01

以上 3


3

M 8821 : 2002

附属書 1(規定)  ボンブ燃焼−還元気化原子吸光方法

1.

要旨  試料を酸素ボンブ中で燃焼させ,燃焼の際に生成された水銀類を水に吸収させる。水中に存在

する水銀類を塩化すず (II) で還元し,フレームレス原子吸光分析方法で定量する。

備考  リチウム・テトラヒドロボラード (BH

4

Li)

も塩化すず (II) と全く同様に還元剤として使用で

きる。

2.

試薬

安全上の警告  試薬の多くは,毒性や腐食性があるのでその取扱いについては訓練が必要である。

分析に使用する水は,特に指定しない限り分析級に保証された試薬を使用する。

2.1

水  ISO 3696 に規定するグレード 1 のものを使用する。

備考  JIS K 0557 に規定されているものも使用できる。

2.2

酸素  可燃物を含まず純度 99.5%以上のもの。

2.3

硝酸溶液  10 容量%,  硝酸(密度 1.42)100ml を水で薄めて 1L とする。この硝酸溶液中には水銀を

0.1

µg/L 以上含んではならない。

2.4

水銀標準原液  1 000

µg/ml,高純度な水銀 1.0g を硝酸溶液[25 容量%]5ml に溶解して 1 000ml に薄

めて調製する。

2.5

水銀標準溶液  0.1

µg/ml,  水銀標準原液(2.4)5.0ml を水で 500ml に薄め,更にその 10.0ml を水で 1

000ml

薄めて調製する。

備考  水銀標準溶液は使用当日に調製することが望ましい。

2.6

過マンガン酸カリウム溶液  50g/L,  過マンガン酸カリウム (KMnO

4

) 5g

水に溶解して 100ml まで薄

める。

備考  過マンガン酸カリウム中の水銀含有量は 0.05

µg/g 未満でなければならない。

2.7

塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液  15g/L,  塩化ヒドロキシルアンモニウム (HONH

3

Cl) 1.5g

を水

に溶解して 100ml まで薄める。

備考  塩化ヒドロキシルアンモニウム中の水銀含有量は 0.005

µg/g 未満でなければならない。

2.8

還元剤  塩化すず (II) 溶液,100g/L,  塩化すず (II) 二水和物 (SnCl

2

・2H

2

O) 10g

を塩酸(密度 1.19)

45ml

に溶解して水で 100ml に注意深く薄める。

備考1.  塩化すず (II) 中の水銀含有量は0.01

µg/g 未満でなければならない。

2.

フローインジェクション法の使用に関しては 7.2

備考 2.を参照。

3.

装置

3.1

はかり  0.1mg まではかれるもの。


4

M 8821 : 2002

3.2

酸素燃焼ボンブ  ISO 1928 : 1995 に従って構成されているもの。点火線は白金又はクロム−ニッケ

ル合金でなければならない。燃焼ボンブは,燃焼プロセス又は生成物によって影響されないような物質で

構成されなければならない。実際的に,燃焼ボンブは,水銀を含まない物質で構成されなければならない。

このことは,内表面を希硝酸  [50ml, 10% (V/V)]  で洗浄し,洗液中の水銀含有量を定量することによって

確かめることができる。これは,1 ボンブに対して 0.01

µg 以下でなければならない。燃焼ボンブはまた,

液状燃焼生成物をすべて回収できるようにデザインされていなければならない。

参考  ISO 1928 : 1995 に対応する JIS M 8814 は現在改正中である。

安全上の警告  燃焼ボンブは,操作で使用する強酸で生じる腐食の兆候について定期的に検査しなければ

ならない。

3.3

石英燃焼るつぼ  酸素燃焼ボンブに適合するもの。

3.4

フレームレス水銀分析システムを備えた原子吸光分析計  閉鎖型再循環システムか解放 1 通過型シ

ステムを備えたもの。

4.

試料の調製  試料は,ISO 1988ISO 5069-2,又は ISO 9411-1 の適切な方法で調製した通常の分析試

料を使用する。試料中の水分は分析室雰囲気中で平衡していることが必要であり,必要ならば、平衡に到

達するのに必要な最短時間を薄層に広げる。

定量を開始する前に,平衡に達した試料を少なくとも 1 分間,機械的な方法でかき混ぜる。

もし結果を、気乾ベース以外で計算するのであれば(8.参照)

,分析試料をはかり取った後,水分分析用

試料をもう 1 個 ISO 331ISO 1015 又は ISO 5068 の適切な方法ではかり取る。

5.

酸素ボンブ燃焼操作

5.1

概要  燃焼ボンブのすべての内部構成物(主要部,キャップ及び電極)を使用前に硝酸溶液 [10%

(V/V)]

に 5 分間浸せきしてから水で十分に洗って清浄にする。燃焼ボンブ主要部のねじ及びロックリング

は紙タオルで乾燥させる。洗浄操作は,各定量の間で繰り返さなければならない。

5.2

石炭の燃焼  試料約 1g をはかり,0.1mg まで読み取って予備点火るつぼに移し入れる。

点火線を使用する,点火システムと点火ねじとを組み立てる。

水 10ml をピペットで,燃焼ボンブの底に入れて組み立てる。

ボンブに酸素(2.2)を,3MPa の圧力で充てんする。

組み立てた燃焼ボンブを水 2L 入った熱量計にセットし,点火装置で点火する。燃焼ボンブは,動かす

前に 10 分間熱量計中に静置する。

ボンブの外面を紙タオルでふいて乾燥させ,ボンブを直立させ,ボンブガスを 2 分間の間に放出させる。

6.

試料溶液の調製  燃焼ボンブを開放して内面及びるつぼを注意深く水で洗浄し,洗液をボンブの中に

全部集める。排出スポイトを用いてボンブ洗液を硝酸溶液  [10% (V/V)] 10ml 入っている 100ml の全量フラ

スコ中へ移し入れる。

水でボンブのふた及び本体内壁面を十分に洗い,洗液を全量フラスコの中へ加える。

水で標線まで薄める。

溶液を安定化させるため,過マンガン酸カリウム溶液(2.6)を 60 秒間過マンガン酸の赤紫色が保持するま

で滴加する。

石炭試料だけを除いて上記の操作を忠実に行って空試験を行う。

備考1. 1g のはかり取り試料を使用できないようなボンブの場合には,それに適合するように試料量


5

M 8821 : 2002

を減らしてもよい。

2.

スポイトでボンブの洗液を取り出すことは,若干の熱量計のボンブ固定リングが胴体のねじ

部に移動した水銀で汚染される原因になるので重要なことである。このような場合に,ボン

ブ洗液を注ぎ出すようなことをすると洗液とボンブ胴体のねじ部とが接触して水銀汚染の原

因となる。最初から汚染しない形式の熱量計ではスポイトによる移動の必要はない。分析の

際には,すべての傍証は空試験を行うことによって達成できる。

7.

原子吸光度の測定

7.1

検 量   硝 酸 溶 液  [10% (V/V)](2.3)10ml が 入 っ て い る 100ml の 全 量 フ ラ ス コ に 水 銀 標 準 溶 液

(0.1

µg/ml)  (2.5)を 3.0,5.0 及び 10.0ml をピペットで分取して加え,水で標線まで薄めることによって 3.0,

5.0

及び 10.0

µg/L の水銀合成溶液を作成する。過マンガン酸カリウム溶液(2.6)を 60 秒間過マンガン酸の赤

紫色が保持するまで滴加して溶液を安定化させる。

水銀合成溶液を順次 7.2 に従って吸光度を測定する。各合成溶液の吸光度を対応する濃度に対してプロ

ットして検量線を作成する。試料の吸光度をこの検量線に当てはめて求める。

備考  ほかに,最終溶液に水銀標準溶液を添加する添加法がある。

7.2

分析操作  7.1 に従って準備した検量線溶液並びに 6.で調製した試料溶液及び空試験溶液を,次のよ

うに処理する。

反応容器に準備された溶液を移し入れ,塩化ヒドロキシアンモニウム溶液(2.7)5ml を加える。過マンガ

ン酸の色が退色する際には,30 秒間待ってから還元試薬の塩化すず (II) 溶液(2.8)5ml を加える。

備考1.  装置使用上の詳細については,各装置によって異なるので記載できない。使用する装置の使

用法に従って調製された100ml の試料,又は分液した試料の全部を用いなければならない。

使用された試料,標準及び空試験のいずれでも同一方法で処理されなければならない。

水銀の定量を完結するため,フラスコを原子吸光分析計(3.4)に直ちに接続する。各試験及

び空試験溶液から得られた吸光度を検量線(7.1 参照)に当てはめて濃度  (

µg/L)  を求めて記

録する。

2.

水銀の還元段階は,装置に自動的に試薬を供給するようなフローインジェクション法を使用

することによって改善することができる。塩化すず (II) [1% (m/V)] の塩酸 [3% (V/V)] を使

用したときが,この方法には適している。

3.

他の定量方法は,最終溶液に添加法を適用することである。

8.

結果の表示  分析試料中の水銀含有量 C (

µg/g)  を,次の式で計算する。

m

C

C

C

b

t

10

)

(

=

ここに,

C

t

:  試料溶液中の水銀濃度  (

µg/L)

C

b

:  空試験溶液中の水銀濃度  (

µg/L)

m

:  分析試料のはかり取り量 (g)

繰返し分析結果は,分析べースで 0.02

µg/g ごとに平均値を報告する。

分析ベース以外のベース換算についての結果の計算は,ISO 1170 参照。


6

M 8821 : 2002

9.

精度

附属書 表 1

得られた結果の最大許容差

(同一水分で計算)

繰返し許容差

室間許容差

水銀含有量  (

µg/g) 0.02(絶対値)

検討しなければならない

9.1

繰返し許容差  同一分析室で,異なった時間に,同じ分析者が,同じ装置で,同じ全分析試料から

取られた代表的なはかり取り試料で実験した繰返し分析の結果の差は,

附属書 表 に示した値より大き

な差であってはならない。

9.2

室間許容差  異なった 2 分析室で,試料調製の最終段階の後,同じ試料から取られた代表的なはか

り取り試料で実験し繰返し分析結果の差は,

附属書 表 に示した値より大きな差であってはならない。

参考  附属書 表 の室間許容差は、対応国際規格が DIS の段階であるため示されていない。今後示

された時点で JIS に入れるものとする。

10.

試験報告書  試験報告書には,次に示す事項を記載しなければならない。

a)

分析試料の識別

b)

使用した方法,例えば JIS M 8821 

附属書 の引用

c)

分析年月日

d)

分析結果及び使用した表現方法

e)

分析の際に注目された非定常的な特徴


7

M 8821 : 2002

附属書 2(規定)  高温燃焼−過マンガン酸カリウム吸収− 

還元気化原子吸光方法

1.

要旨  試料を酸素気流中で約 1 350℃に加熱して試料中の全水銀をガス化し,これを硫酸酸性の過マン

ガン酸カリウム溶液に吸収した後,吸収溶液中の水銀を塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液で還元し,こ

の溶液に通気して発生する水銀を原子吸光分析装置に導いて 253.7nm における吸収を測定する。

2.

試薬  試薬は,次による。

a)

酸素  高純度酸素,99.99%以上のもの。

b)

硫酸    (1+1) , (1+35)  

c)

過マンガン酸カリウム溶液  JIS K 8247 に規定する過マンガン酸カリウム 3g を水に溶解し,ガラスろ

過器 (G4) でろ過した後,水を加えて 1L とする。この溶液は,着色ガラス瓶に保存する。

d)

塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液  JIS K 8201 に規定する塩化ヒドロキシルアンモニウムで塩化ヒ

ドロキシルアンモニウム溶液 (200g/L) を調製し,その 10ml に,硫酸 (1+1)  数滴を加えて水で 100ml

とする。

e)

吸収液  過マンガン酸カリウム溶液  [2.c)]  と硫酸 (1+15)  を等量ずつ混合する。この溶液は,着色ガ

ラス瓶に保存する。

f)

塩化すず (II) 溶液  JIS K 8136 に規定する塩化すず (II) 二水和物 10g に硫酸 (1+20) 60ml を加え,

かき混ぜながら加熱して溶解する。冷却した後,水を加えて 100ml とする。この溶液は,調製した後

1

週間以内に使用する。

g)

水銀標準原液  JIS K 8139 に規定する塩化水銀 (II) 0.339g を少量の水に溶解し,500ml の全量フラス

コに移し入れ,硝酸 (1+1) 5ml を加えた後,水で標線まで薄め,ほうけい酸ガラス瓶に移して保存す

る。この溶液 1ml 中には,水銀として 0.5mg を含有する。

h)

水銀標準中間液  水銀標準原液  [2.g)] 10ml を分取し,500ml の全量フラスコに移し入れ,硝酸 (1+1)

5ml

を加えた後,水で標線まで薄め,ほうけい酸ガラス瓶に移して保存する。この溶液は,調製した

後 1 か月以内に使用する。この溶液 1ml 中には,水銀として 10

µg を含有する。

i)

水銀標準溶液  水銀標準中間液  [2.h)] 10ml を分取し,1 000ml の全量フラスコに移し入れ,硝酸 (1+

1) 5ml

を加えた後,水で標線まで薄め,ほうけい酸ガラス瓶に移して保存する。この溶液は,使用時

に調製する。この溶液 1ml 中には,水銀として 0.1

µg 含有する。

3.

装置

3.1

高温燃焼部  高温燃焼部における装置は,試料燃焼部,水銀吸収部及びキャリヤーガス通気部から

構成し,通常,次のものを用いる(

附属書 図 参照)。

a)

流量計(e)  浮遊式又はオリフィス・マノメーター式流量計。

b)

燃焼炉(f)  長さ約 300mm の管状電気炉で,試料を約 1 350℃に加熱できるもの。発熱体は,例えば,

次の寸法のものが適切である。

JIS R 7501

に規定する 1 種のもの。


8

M 8821 : 2002

発熱部  径 8mm,  長さ 200mm 又は 250mm

柄部  径 15mm,  長さ 85mm

c)

燃焼管(g)  JIS R 1307 に規定する 2 種又は 1 種 (30×24×600mm)  の一端に,硬質ガラス製キャップ

をすり合わせたもの。すり合わせの部分の長さは,約 20mm 以上なければならない。キャップ側の燃

焼管末端が炉壁から 25∼30mm 突き出るように,燃焼管を炉(f)に固定し,管内最高温度を約 1 350℃

に昇温し,酸素を毎分 500ml で流したとき,キャップ球部中心の温度は,300℃以上でなければなら

ない。

d)

試料押し棒(i)  外形 5∼7mm の不透明石英ガラスの一端を封じて渦巻状に巻くか、又は押しつぶして

径約 15mm の円盤状とした全長が約 500mm のもの。

これをゴム栓(j)に通してあるガラス管に挿入し,気密に前後に動かせるようにゴム管で封じる。

e)

燃焼用ボート(k)  JIS R 1306 に規定する 1 種 (16×12×80mm)  のもの。使用前に必ず空焼きしなけれ

ばならない。

備考1.  試料押し棒は,磁石を用いて押し込む構造のものでもよい。

2.

ボートは,次のようにして空焼きする。

ボートをマッフル炉に入れ、炉ぶたを少し開けて通電し,約 1 350℃の昇温したら,更に 1

時間放置し、炉ぶたを閉じて通電を止め,1 夜間放冷した後、デシケータ中に保存しておく。

もし,燃焼炉(g)を用いて空焼きするときは,酸素を流しながら徐々に最高温度部に押し込み,

20

分間放置した後引出し,放冷した後,デシケータ中に保存する。

f)

吸収瓶(l)  容積 125ml のもの。あらかじめ硝酸 (1+9)  と水で洗浄して乾燥したもの。

g)

冷却水槽(m)  25℃以下の水を入れた水槽。

h)

吸引ポンプ(n)  0.5∼1.0L/min の流量に制御できる空気ポンプ。


9

M 8821 : 2002

備考  この図は各部の連結の要領を示すもので、各器具の形状は一例を示したものである。

附属書 図 1  全水銀定量装置(高温燃焼方法)高温燃焼部

3.2

原子吸光測定部  原子吸光測定部における装置は,還元容器,吸収セル,空気ポンプ,流量計,乾

燥管,連結管及び水銀除去装置から構成し,密閉循環方式のものと開放送気方式のものがあり,通常,次

のものを用いる(

附属書 図 参照)。

a)

還元容器(A)  通気管に気泡発生用フィルターをもつもの。容量は測定装置によって定められた量とす

る。

b)

吸収セル(D)  長さ 100∼300mm の石英ガラス,ガラス又はプラスチック(水銀を吸着しないもの)製

の管の両側に石英窓をつけたもの。

c)

空気ポンプ(E)  0.5∼3L/min の送気能力をもつダイアフラムポンプ又は同等の性能をもつ空気ポンプ。

密閉循環方式の場合は水銀の吸着に注意する必要がある。

d)

流量計(C)  0.5∼3L/min の流速が測定できるもの(

1

)

e)

乾燥管(B)  電子冷却式のもの。又は,直管若しくは U 字管に粒状の乾燥剤を充てんしたもの(

2

)

f)

連結管  軟質の塩化ビニール樹脂のもので連結する。

g)

水銀除去装置  (I)    過マンガン酸カリウム硫酸 (1+4)  溶液 (50g/L) を入れたガス洗浄瓶。

h)

原子吸光測定装置  水銀中空陰極ランプ(G) ,  原子吸光用検出器(H) ,  記録計(F)などで構成する。

(

1

)

密閉循環方式の場合には,流量計に水銀が吸着するおそれがあるため,流量計は装着しない。

流量はあらかじめ空気ポンプの流量を調節し,最適流量とする。


10

M 8821 : 2002

(

2

)

吸収セル内の温度が周囲の温度よりも約 10℃高くなるようにすれば乾燥管は用いなくても

よい。

附属書 図 2  全水銀定量装置(高温燃焼方法)原子吸光測定部


11

M 8821 : 2002

4.

試料のはかり取り  試料は,水銀として 0.1

µg から 2µg となるようにはかり取り,0.1mg まで読み取

る。はかり取り量が多くなる場合には,数個のボートに分けて入れる。

5.

操作

安全上の警告  燃焼操作においては、高温に加熱されたボートの取扱いには必ずるつぼ挟みなどを使用

し,やけどをしないように注意しなければならない。また,過剰の酸素排気の取扱いに留意し火災発生の

防止につとめなければならない。

5.1

試料の燃焼と試料溶液の調製

a)

はかり取った試料(4.)を,燃焼用ボート[3.1e)]に移し入れる。

b)

吸収液[2.e)] 40ml をそれぞれ 2 本の吸収瓶[3.1f)]に入れ,冷却水槽[3.1g)]に入れて冷却する。

c)

吸収液を入れた吸収瓶 2 本を直列に連結する。

d)

酸素ガス[2.a)]の流量を,毎分 500ml に調整する。

e)

キャップを燃焼管にセットして,吸収瓶に連結する(

3

)

f)

試料の入ったボートを燃焼管内に入れる(

4

)

g)

吸引ポンプのスイッチを入れ,再度,酸素流量の調整を行う(

5

)

h)

試料押し棒[3.1d)]を用いて,試料の入ったボートを 10mm/15sec の速度で予熱位置 (350∼400℃)  まで

徐々に押し込む。

i)

予熱位置で 5 分間放置する(

6

)

j)

試料の入ったボートを燃焼管の中央部に押し込み,1 350℃で 5 分間放置して燃焼する(

4

)

k)

燃焼が終了した後,吸収瓶を取り外し,酸素の挿入を止め,ボートを炉外に取り出す。

l)

吸収液を 250ml の全量フラスコに移し入れ,吸収瓶を少量の塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液[2.d)]

及び水で洗い,洗液を同じ 250ml の全量フラスコに移し入れる。キャップも少量の水で洗い,洗液を

同じ 250ml の全量フラスコに移し入れる。

m)

全量フラスコを振り混ぜながら,塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液[2.)]を滴加して過剰の過マンガ

ン酸カリウムを分解する。

m)

水で標線まで薄めて原子吸光測定用試料溶液とする。

(

3

)

キャップから吸収瓶まではアルミニウムホイルなどで保温する。

(

4

)

複数個ボートがある場合には,連続して押し込むか,1 個ずつ押し込んで取り出すかは装置の

容量による。

(

5

)

圧がかかるため,吸収瓶側から吸引ポンプで吸引するほうがよい。

(

6

)

直接,炉の中央部に押し込むと爆発的に燃焼する場合がある。また,不完全燃焼の原因ともな

るので必ず予熱を行う必要がある。

5.2

原子吸光度の測定

a)

5.1n)

で得た試料溶液(

7

)

の適量(

8

)

を分取して,硫酸 (1+35)  を加える(

9

)

b)

塩化すず (II) 溶液[2.f)]10ml を手早く加え,あらかじめ設定しておいた最適流量で空気ポンプを作動

する(

8

)

c)

発生した水銀を原子吸光測定装置の吸収セルに導いて,波長 253.7nm における吸収を測定する(

10

)

d)

密閉循環方式の場合,バイパスコックを回してバイパス状態とし,吸収の指示値が元の値になるまで

通気を続ける(

11

)

(

7

)

塩化物イオンを多量に含む試料では,吸収液中の過マンガン酸カリウムによって塩化物イオン


12

M 8821 : 2002

が酸化されて塩素となり,光を吸収して正の誤差を与える場合があるので,この場合には,塩

化ヒドロキシルアミン溶液を過剰に加えて塩素を還元しておく。

(

8

)

使用する原子吸光分析装置に合わせる必要がある。

(

9

)

硫酸添加量は,原子吸光分析装置によって定められた量を加える。

(

10

)

開放送気方式の場合,試料によって反応速度が異なることがあるので,吸収ピークの積分値を

測定する。

(

11

)

水銀除去装置を通して大気中に放出する。

6.

空試験  石炭試料だけを用いず 5.1 及び 5.2 の操作を行って空試験値を求める。

7.

検量線の作成  水銀標準溶液[2.i)]1∼20ml を段階的に分取して還元容器中に移し入れ,試料溶液と同

量になるように水で薄め,硫酸 (1+35)  を加えて(

9

)

,

以下 5.2 の b)及び c)の操作を行う。添加した水銀量

(

µg)  と吸光度との関係を描いて検量線を作成する。

なお,吸光度は水銀標準溶液の代わりに水を用いて得られた空試験値で補正をしておく。

8.

計算  試料中の水銀含有量 (Hg

µg/g)  は,次の式によって計算する。

250

Hg

0

1

B

m

A

A

×

=

ここに,  A

1

:  分取した試料溶液中の水銀量  (

µg)

A

0

:  分取した空試験液中の水銀量  (

µg)

B

:  分取した溶液量 (ml)

:  試料はかり取り量 (g)

水銀含有量を,ドライベースで表示するのであれば,水銀定量用試料をはかり取る際に,併行して別に

水分測定用試料をはかり取り,105℃で 2 時間乾燥してその減量から水分含有率を求めて補正を行う。

9.

精度

附属書 表 1

得られた結果の最大許容差

(同一水分で計算)

繰返し許容差

室間許容差

水銀含有量  (

µg/g) 0.02(絶対値)

検討しなければならない

9.1

繰返し許容差  同一分析室で,異なった時間に,同じ分析者が、同じ装置で,同じ全分析試料から

取られた代表的なはかり取り試料で実験した繰返し分析の結果の差は,

附属書 表 に示した値より大き

な差であってはならない。

9.2

室間許容差  異なった 2 分析室で,試料調製の最終段階の後,同じ試料から取られた代表的なはか

り取り試料で実験し繰返し分析結果の差は,

附属書 表 に示した値より大きな差であってはならない。

参考  附属書 表 の室間許容差は,今後検討結果が得られた段階で記載する。

10.

試験報告書  試験報告書には,次に示す事項を記載しなければならない。


13

M 8821 : 2002

a)

分析試料の識別

b)

使用した方法,例えば,JIS M 8821

附属書 の引用

c)

分析年月日

d)

分析結果及び使用した表現方法

e)

分析の際に注目された非定常的な特徴


14

M 8821 : 2002

附属書 3(規定)  加熱気化−金アマルガム捕集−加熱気化原子吸光方法

1.

要旨  試料を空気又は酸素気流中で加熱し,発生した水銀及び水銀化合物を触媒などを入れた加熱炉

で完全に原子状の水銀とし,それを金を含有した水銀捕集剤で捕集する。加熱の際に発生する他のガス及

び水分は排出除去する。次に水銀捕集剤を加熱し,遊離した水銀を原子吸光装置の吸光セルに導入し,波

長 253.7nm における吸収のピーク高さ又は面積を測定する。

2.

試薬  試薬は,次による。

a)

キャリヤーガス  通常,空気を使用する。酸素を使用すると,加熱炉において爆発に近い急激な燃焼

が起き,加熱生成物が瞬時に多量に発生し,後続の分解炉内の触媒能力を超えたり,加熱分解によっ

て生じた水銀の一部が酸化水銀となったりするので加熱温度,流量に注意が必要である。

b)

添加剤  水酸化カルシウムと炭酸ナトリウムとを体積比で 1 : 1 に混合する。この添加剤の空試験値が

無視できないときは,750℃で 1 時間加熱するとよい。この添加剤は,石炭試料を加熱する際に発生す

る有機物・ハロゲン・酸性物質を抑制するために添加する。

c)

水銀捕集剤  420∼590

µm のけい藻土 3g に,JIS K 8127 に規定する塩化金酸 1g を水 20∼30ml に溶解

した溶液を加え,均一に混和する。約 80℃で乾燥させた後,管状炉に入れて空気を流しながら約 800℃

で 30 分間加熱する。

d)

標準希釈液  L−システイン 10mg を 1 000ml の全量フラスコに入れ,水を加えて振り混ぜて溶かし,

硝酸 2ml を加えて水で標線まで薄める。

e)

水銀標準原液 (100mg/L)   JIS K 8139 に規定する塩化水銀 (II) 67.7mg を 500ml の全量フラスコに入

れ,標準希釈液[2.d)]で溶かし,更に標準希釈液を標線まで加えて薄める。この溶液は,冷蔵庫中に保

存する。標準希釈液は,その都度,この水銀標準原液を標準希釈液[2.d)]で薄めて使用する。

f)

標準緩衝液  JIS Z 8802 に規定する中性りん酸塩 pH 標準液

3.

装置  装置は,水銀除去フィルター,試料加熱炉,分解炉,冷却除湿器,水銀捕集炉,冷原子吸光セ

ル,流路切換バルブ,吸引ポンプ,流量計などによって構成する。

附属書 図 に構成の一例を示す。


15

M 8821 : 2002

附属書 図 1  全水銀定量装置(金アマルガム捕集方法)

a)

水銀除去フィルター  キャリヤーガス中の水銀を除去するために活性炭などを詰めたガラス管を,水

銀除去フイルターとして使用する。

b)

加熱炉  磁器製又は石英製の燃焼管を使用する。加熱温度は 750∼850℃である。

c)

試料用ボート  磁器製又は石英製のものを使用する。石英製のものは,アルカリ性の添加剤を使用す

ると,失透現象を起こし,そこに水銀が吸着されるので注意が必要である。

d)

分解炉  燃焼管の分解炉の位置に,有機物と水銀化合物の分解のために,酸化銅・酸化コバルト・白

金などの触媒を詰めておく。酸化水銀が発生しないように温度とキャリヤーガスの速度を適正に保持

する必要がある。

e)

洗気・除湿器  ガス洗浄瓶の中には標準緩衝液[2.f)]を入れておく。除湿には,特に乾燥剤を必要とせ

ず,冷却だけの除湿とする。

f)

水銀捕集管  150℃に予熱した水銀捕集炉の中に,水銀捕集管(一例を附属書 図 に示す)を通して

おく。水銀捕集管は,くぼみをつけた石英ガラス管に石英ガラスウール,水銀捕集剤 80∼200mg,石

英ガラスウールの順に充てんする。

附属書 図 2  全水銀定量装置(金アマルガム捕集方法)水銀捕集管の一例 

g)

原子吸光測定部  長さ 100∼300mm の石英ガラス,ガラス又はプラスチック(水銀を吸着しないもの)

製の管の両端に石英製の窓を付けたもの。測光は、非分散ダブルビーム又は同等の方式によって波長

253.7nm

における吸光度を測定できるもの。


16

M 8821 : 2002

4.

試料はかり取り  試料は,水銀として 1 000ng 以下となるように 50∼100mg をはかり取る。

5.

操作

a)

試料のはかり取り  はかり取った試料(4.)をあらかじめ添加剤[2.c)]0.5g を薄く敷いた試料ボートの上

に一様に広げ,再び添加剤[2.c)]2g で覆う。

b)

試料の加熱及び捕集  試料を入れたボートを加熱炉の所定の位置に挿入し,加熱炉を昇温プログラム

に従って昇温させ,キャリヤーガスを流す。

試料から発生した水銀,水銀化合物及び燃焼生成ガスを分解炉に導いて分解し,水銀及び他のガス

をガス洗浄瓶及び除湿瓶を通して洗気・除湿する。

ガスを水銀捕集管に導いて水銀だけを金アマルガムとして捕集し,他のガスは流路切換えバルブを

通して排気する。

c)

原子吸光測定  流路切換えコックを切換え,水銀捕集管を 350∼600℃の一定温度に加熱し,発生した

水銀を原子吸光セルに導き,波長 253.7nm における吸収のピークの高さ又は面積を測定する。

6.

空試験  試料ボートに添加剤[2.c)]だけを入れ,試料と同様に操作して空試験値を求める。

7.

検量線の作成  測定の範囲内で,適切な濃度の水銀標準原液[2.e)]を 4∼5 点,量を変えてマイクロピ

ペットで直接試料用ボートに取り,試料と同様に測定し,添加した水銀の量と指示値との関係を図示して

検量線とする。この際,水銀標準原液を添加しない検量線溶液の指示値を空試験値として各指示値から差

し引く。例えば水銀濃度が 0.1

µg/g 程度の試料であれば,0.1µg/ml の水銀標準原液を 0,50,100,150,200µl

採取して検量線を作成するとよい。

8.

計算  試料中の水銀含有量 Hg (

µg/g)  は,次の式で計算する。

m

m

m

0

1

Hg

=

ここに,  m

1

:  検量線から求めた試料中の水銀量  (

µg)

m

0

:  検量線から求めた空試験値  (

µg)

m

:  試料のはかり取り量 (g)

水銀含有量を,ドライベースで表示するのであれば,水銀定量用試料をはかり取る際に,併行して別に

水分測定用試料をはかり取り,105℃で 2 時間乾燥してその減量から水分含有率を求めて補正を行う。

9.

精度

附属書 表 1

得られた結果の最大許容差

(同一水分で計算)

繰返し許容差

室間許容差

水銀含有量  (

µg/g) 0.02(絶対値)

検討しなければならない


17

M 8821 : 2002

9.1

繰返し許容差  同一分析室で,異なった時間に,同じ分析者が,同じ装置で,同じ全分析試料から

取られた代表的なはかり取り試料で実験した繰返し分析の結果の差は,

附属書 表 に示した値より大き

な差であってはならない。

9.2

室間許容差  異なった 2 分析室で,試料調製の最終段階の後,同じ試料から取られた代表的なはか

り取り試料で実験し繰返し分析結果の差は,

附属書 表 に示した値より大きな差であってはならない。

参考  附属書 表 の室間許容差は,今後検討結果が得られた段階で記載する。

10.

試験報告書  試験報告書には,次に示す事項を記載しなければならない。

a)

分析試料の識別

b)

使用した方法,例えば,JIS M 8821

附属書 の引用

c)

分析年月日

d)

分析結果及び使用した表現方法

e)

分析の際に注目された非定常的な特徴


 

18

M 88

21 :

2002

附属書 4(参考)  JIS と対応する国際規格との対比表 

JIS M 8821 : 2002

  石炭類−全水銀の定量方法

ISO/DIS 15237 : 1999

  固体燃料−石炭中の全水銀の定量方法

(I) JIS

の規定 (III)

国際規格の規定 (IV)

JIS

と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容 
表示箇所: 
表示方法:

項目番号

内容

(II)

国際規格番号

項目番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容

(V) JIS

と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

1.

適用範囲

ISO/DIS 15237

1.

適用範囲 MOD / 追

附属書 2,3 規定のための
項目を追加

2.

引用規格

ISO/DIS 15237

2.

引用規格 MOD / 追

JIS

追加

3.

一般事項

ISO/DIS 15237

MOD

/ 追

JIS

追加

4.

定量方法の種類

MOD

/ 追

附属書 2,3 規定のための

項目を追加

附属書 1

ボンブ燃焼−還元気化
原子吸光方法

ISO/DIS 15237

JIS

と同じ IDT

1.

要旨   3.

原理 IDT

2.

試薬   4.

試薬 IDT

3.

装置   5.

装置 IDT

4.

試料の調製

6.

試料の調製 IDT

5.

酸素ボンブ燃焼操作

7.

酸素ボンブ燃焼操作 IDT

6.

試料溶液の調製

8.

試料溶液の調製 IDT

7.

原子吸光度の測定

9.

原子吸光度の測定 IDT

8.

結果の表示

10.

結果の表示 IDT

9.

精度  11.

精度 IDT

10.

試験報告書

12.

試験報告書 IDT

附属書 2

高温燃焼−過マンガン
酸カリウム吸収−還元

気化原子吸光方法

MOD

/ 追

ISO

に規定なし

今後 ISO 規格に提案予定


 

19

M 88

21 :

2002

(I) JIS

の規定 (III)

国際規格の規定 (IV)

JIS

と国際規格との技術的差異の

項目ごとの評価及びその内容

表示箇所: 
表示方法:

項目番号

内容

(II)

国際規格番号

項目番号

内容

項目ごとの
評価

技術的差異の内容

(V) JIS

と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

附属書 3

加熱気化−金アマルガ

ム捕集−加熱気化原子
吸光方法

MOD

/ 追

ISO

に規定なし

今後 ISO 規格に提案予定

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

− IDT……………技術的差異がない。 
− MOD/追加……国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

2.  JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

− MOD…………国際規格を修正している。


20

M 8821 : 2002

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

請  川  孝  治

資源環境技術総合研究所エネルギー資源部

(副委員長)

斎  藤  郁  夫

資源環境技術総合研究所新燃料開発研究室

(分科会長)

横  山  隆  壽

財団法人電力中央研究所

(委員)

橋  本      進

財団法人日本規格協会

松  本  治  男

財団法人日本科学技術連盟

茂  木  達  也

財団法人日本品質保証機構計量計測センター

津  留  義  通

社団法人日本エネルギー学会

鈴  木      勝

社団法人日本海事検定協会理化学分析センター

板  野      豊

株式会社サンコー環境調査センター

斎  藤      陽

日本ベトナム産業技術協力会

青  木  茂  雄

前財団法人日本科学技術連盟

鈴  木      敞

前株式会社電発緑化センター

大  槻      孝

前社団法人日本鉄鋼連盟

(顧問)

木  村  英  雄

元工業技術院公害資源部

宮  津      隆

帝京大学理工学部

(オブザーバー)

有  木  和  憲

三井物産株式会社

衣  川      潤

三菱商事株式会社

長  野  研  一

新日本製鐵株式会社

山  田  修  二

出光興産株式会社石炭研究所

森      直  司

電気事業連合会

(事務局)

船  坂  秀  夫

財団法人石炭利用総合センター

山  口  一  良

財団法人石炭利用総合センター

石炭規格委員会  試験・分析分科会  構成表

氏名

所属

(主査)

横  山  隆  壽

財団法人電力中央研究所

松  本  治  男

財団法人日本科学技術連盟

茂  木  達  也

財団法人日本品質保証機構

津  戸  明  夫

社団法人セメント協会

石  原  武  彦

社団法人日本コークス協会

鈴  木      勝

社団法人日本海事検定協会

二  宮  嘉  和

社団法人日本鉄鋼連盟

板  野      豊

株式会社サンコー環境調査センター

吉  田      満

出光興産株式会社

長  野  研  一

新日本製鐵株式会社

長  谷  良  悦

東北電力株式会社

斉  藤      陽

日本ベトナム産業技術協力会

青  木  茂  雄

前財団法人日本科学技術連盟

鈴  木      敞

前株式会社電発環境緑化センター

大  槻      孝

前社団法人日本鉄鋼連盟

岡  田  清  史

財団法人石炭エネルギーセンター

高  倉  光  昭

株式会社電発環境緑化センター

谷  田  幸  次

日本インスツルメンツ株式会社

(事務局)

山  口  一  良

財団法人石炭利用総合センター


21

M 8821 : 2002

日本工業標準調査会  標準部会  化学製品技術専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

宮  入  裕  夫

東京医科歯科大学生体材料工学研究所

(委員)

大  久  泰  照

昭和シェル石油株式会社中央研究所

奥  泉  仁  一

財団法人バイオインダストリー協会

奥  山  通  夫

社団法人日本ゴム協会

笠  野  英  秋

拓殖大学工学部機械システム工学科

加  茂      徹

独立行政法人産業技術総合研究所

木  原  幸  弘

社団法人日本化学工業協会化学標準化センター

桐  村  勝  也

社団法人日本塗料工業会

高  野  忠  夫

財団法人化学技術戦略推進機構

高  橋  信  弘

東京農工大学農学部

西  川  輝  彦

石油連盟

西  本  右  子

神奈川大学理学部

古  川  哲  夫

財団法人日本消費者協会

槇          宏

日本プラスチック工業連盟