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M 8820 : 2000

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,財団法人  石炭利用総合センター (CCUJ) か

ら工業標準原案を具して,日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,

通商産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,JIS M 8811 : 1976 の改正に伴い,全水分測定方法にかかわる規定を対応国際規格の体系に

合わせて JIS M 8811 から分離し別規格として制定するものである。また,JIS M 8811 : 1976 に規定してい

たサンプリング関係の部分は,改正され JIS M 8811 : 2000 に置き換えられるとともに,湿分測定方法関係

の規定は,その必要性が薄れたため削除した。


M 8820 : 2000

(1) 

目次

ページ

序文

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  一段階乾燥方法

2

4.1

  要旨

2

4.2

  試料

2

4.3

  装置

2

4.4

  操作

2

4.5

  算出

3

4.6

  測定個数

3

4.7

  許容差

3

4.8

  報告値

3

5.

  二段階乾燥方法

4

5.1

  要旨

4

5.2

  試料

4

5.3

  装置

4

5.4

  第 1 段階乾燥操作

5

5.5

  第 2 段階乾燥操作

5

5.6

  算出

5

5.7

  測定個数

6

5.8

  許容差

6

5.9

  報告値

6

6.

  特例処置

6

7.

  適用例

6

7.1

  一段階乾燥方法−インクリメントごとの場合

6

7.2

  一段階乾燥方法−小口試料ごとの場合

7

7.3

  一段階乾燥方法−大口試料ごとの場合

7

7.4

  二段階乾燥方法−大口試料ごとの場合

10


日本工業規格

JIS

 M

8820

: 2000

石炭類及びコークス類− 
ロットの全水分測定方法

Coal and coke

−Determination of total moisture content of a lot

序文  この規格は,1981 年に発行された ISO 579, Coke−Determination of total moisture content  及び ISO 589,

Hard coal

−Determination of total moisture を元に作成した日本工業規格であるが,有害な薬品を使用してい

るなどのため,技術的内容を変更して作成している。

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項又は原国際規格にはな

い事項である。

1.

適用範囲  この規格は,石炭類及びコークス類のロットの全水分測定方法について規定する。ロット

の全水分測定方法は,一段階乾燥方法及び二段階乾燥方法の 2 種類とする。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 579 : 1981 Coke

−Determination of total moisture content

ISO 589 : 1981 Hard coal

−Determination of total moisture

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS M 8810

  石炭類及びコークス類−サンプリング,分析並びに試験方法の通則

JIS M 8811

  石炭類及びコークス類−サンプリング及び試料調製方法

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8801-1

  試験用ふるい−第 1 部:金属製網ふるい

3.

定義  この規格で使用する用語の定義は,JIS M 8810 及び JIS M 8811 によるほか,次による。

a)

インクリメント (increment)   サンプラの一動作で採取する,ロットの一部分。又はインクリメント

縮分方法によって採取する,試料の一部分。

b)

小口試料 (partial sample)   ロットの全水分測定のために,サブロット又は分割しないロットから採

取した複数のインクリメントを集めた試料。

c)

大口試料 (gross sample)   サブロット又は分割しないロットから採取したインクリメント全部を集

めた試料。

d)

最大粒度  (nominal top size)    試料のふるい上残留率が 5%以下となる,試験用ふるい−第 1 部:金属

製網ふるい(JIS Z 8801-1,付表−1 及び付表−2 参照)のふるい目(公称目開き)の大きさ。


2

M 8820 : 2000

4.

一段階乾燥方法

4.1

要旨  インクリメント,小口試料又は大口試料を,水分の損失が生じないようにして,最大粒度

11.2mm

以下(コークス類については 16mm 以下)に粉砕して約 0.6kg(コークス類については約 1kg)の

測定試料を分取し,これを規定の温度(石炭類 107℃,コークス類 120∼200℃)で恒量となるまで乾燥し,

ロットの全水分 (%) を算出する。

備考1.  石炭類について,必要ならば,最大粒度11.2mm 以下に粉砕する前又は後に,5.に規定する二

段階乾燥方法の第1段階の乾燥操作の後,約0.6kg の測定試料を調製して,これを規定の温度

で乾燥し,ロットの全水分を求めてもよい。ただし,この場合は結果的に2段階での測定とな

るから,ロットの全水分 (%) は5.の二段階乾燥方法の規定によって算出する。

2.

ぬ(濡)れており全水分が 15%以上と予測されるコークス類については,最大粒度 16mm 以

下に粉砕する前又は後に,二段階乾燥方法の第 1 段階の乾燥操作として 40℃以下で適度な全

水分となるまで乾燥した後,

最大粒度 16mm 以下約 1kg の測定試料を規定の温度で乾燥する。

ロットの全水分 (%) は 5.の二段階乾燥方法の規定によって算出する。

4.2

試料  JIS M 8811 の 6.(機械式サンプリング方法)及び/又は 8.(手動式サンプリング方法)で採

取したインクリメント,又はインクリメントで構成する小口試料及び大口試料を,石炭類では最大粒度

11.2mm

以下に粉砕し約 2.5kg の試験試料を調製してこれから約 0.6kg の測定試料を分取し,コークス類で

は最大粒度 16mm 以下に粉砕し約 1kg の測定試料を分取する。

備考  時間基準系統サンプリングでは,インクリメントの質量は流量に比例するように採取される。

流量が大きく変動すると,個々のインクリメントの質量もそれに伴って大きく変動する。すな

わち,個々のインクリメントの特性値の重みが異なる。したがって,ロットの平均値を求める

には,個々のインクリメントの特性値にそのインクリメントに対応するロットの一部分の質量

の重みを付けて平均しなければならない。しかし,個々のインクリメントに対応するロットの

一部分の質量は分からない。したがって,質量基準系統サンプリングと見なせない時間基準系

統サンプリングによって採取したインクリメント及びそれらで構成した小口試料には,このロ

ットの全水分測定方法は適用できない。

4.3

装置

a)

乾燥ざら  ステンレス鋼,すずめっき鋼又はアルミニウムのような耐食性の材料で作られた底面積約

0.1m

2

,深さ約 25mm のもの(

付図 参照)。

b)

乾燥装置(

付図 及び付図 参照)

1)

乾燥室内雰囲気を十分に置換できるもの。

2)

乾燥室内温度を 107℃±2℃又は 120∼200℃に調節できるもの。

3)

温度を乾燥ざらの底部ではかることができるもの。

c)

はかり  0.1g まで(コークス類については 1g まで)はかれるもの。

4.4

操作

a)

インクリメント,小口試料又は大口試料を最大粒度 11.2mm 以下(コークス類については 16mm 以下)

に粉砕する。

b)

約 2.5kg の試験試料を調製し,これから約 0.6kg の測定試料を分取する(コークス類については 16mm

以下約 1kg の測定試料を分取する)

c)

質量  (W

1

)

をはかった乾燥ざらに移し,平らに広げ,全質量  (W

2

)

をはかる。

d)

あらかじめ規定温度(石炭類 107℃±2℃,コークス類 120∼200℃)に調節してある乾燥装置に入れて


3

M 8820 : 2000

乾燥する。

e)

乾燥減量が 1 時間につき 0.1%未満となるまで乾燥を続ける。

備考1.  乾燥には,通常4∼6時間を要する。

2.

3

時間目ごろから恒量になったかどうかをチェックするとよい。

3.

乾燥を促進するため,ときどき試料をかきまぜるとよい。

f)

乾燥装置から取り出した試料は,熱いうちにその全質量  (W

3

)

をはかる。

4.5

算出  乾燥減量 A (%)  は,次の式によって計算し,JIS Z 8401 によって小数第 2 位(コークス類は

小数第 1 位)に丸める。

100

1

2

3

2

×

W

W

W

W

A

ここに,  W

1

:  乾燥ざらの質量 (g) 。

W

2

:  乾燥ざらと測定試料との質量 (g) 。

W

3

:  乾燥後の乾燥ざらと測定試料との質量 (g) 。

4.6

測定個数  インクリメントごと及び小口試料ごとの場合は,調製した 1 個の測定試料について測定

する。大口試料の場合は,調製した 1 個の試験試料から分取した 2 個の測定試料について測定する。コー

クス類についてはインクリメント,小口試料及び大口試料からそれぞれ調製した 2 個の測定試料について

測定する。

4.7

許容差  大口試料(コークス類はインクリメント及び小口試料も含む)から調製した 1 個の試験試

料から分取した 2 個の測定試料について測定した乾燥減量 A (%)  の差は,

表 の範囲内になければならな

い。

表 1  許容差

単位  %

石炭類

コークス類

乾燥減量 A 5.0 以下

5.1

∼10.0

10.1

以上

全範囲

許容差 0.7  1.1  1.5

0.5

備考1.  適用方法については,JIS M 881010.(許容差適用方法)

による。

2.  1

個の試験試料から分取した 2 個の測定試料についての

乾燥減量 A (%)  の差が許容差を超えた場合は,二つの測
定値の差を付記する。

4.8

報告値

a)

インクリメントごとの場合(付図 参照)

石炭類

インクリメントごとに乾燥減量 A

i

 (%)

を測定した場合,ロットの全水分 M (%) は,次の式によっ

て計算し,JIS Z 8401 によって小数第 1 位に丸めて報告値とする。

k

A

A

A

A

M

k

i

Λ

Λ

2

1

ここに,  A

i

:  第 番目のインクリメントの乾燥減量 (%) ,

i

:  インクリメントの番号;1,2,…,k

コークス類

インクリメントごとに乾燥減量 A

i1

 (%)

及び A

i2

 (%)

を測定した場合,ロットの全水分 M (%)  は,

次の式によって計算し,JIS Z 8401 によって小数第 1 位に丸めて報告値とする。


4

M 8820 : 2000

k

A

A

A

A

A

A

M

k

k

i

i

2

2

1

2

1

12

11

Λ

Λ

b)

小口試料ごとの場合(付図 参照)

石炭類

小口試料ごとに乾燥減量 A

i

 (%)

を測定した場合,ロットの全水分 M (%) は,次の式によって計算

し,JIS Z 8401 によって小数第 1 位に丸めて報告値とする。

k

i

k

k

i

i

n

n

n

n

A

n

A

n

A

n

A

n

M

Λ

Λ

Λ

Λ

2

1

2

2

1

1

ここに,  A

i

:  第 番目の小口試料の乾燥減量 (%) ,

i

:  小口試料の番号;1,2,…,k

n

i

:  第 番目の小口試料を構成するインクリメントの数。

コークス類

小口試料ごとに乾燥減量 A

i1

 (%)

及び A

i2

 (%)

を測定した場合,ロットの全水分 M (%)  は,次の式

によって計算し,JIS Z 8401 によって小数第 1 位に丸めて報告値とする。

(

)

(

)

(

)

(

)

k

i

k

k

k

i

i

i

n

n

n

A

A

n

A

A

n

A

A

n

M

Λ

Λ

Λ

Λ

1

2

1

2

1

12

11

1

2

+

c)

大口試料の場合(付図 参照)

大口試料から調製分取した 2 個の測定試料について乾燥減量 A

i1

 (%)

及び A

i2

 (%)

を測定した場合,

ロットの全水分 M (%)  は次の式によって計算し,JIS Z 8401 によって小数第 1 位に丸めて報告値とす

る。

(

)

(

)

(

)

(

)

k

i

k

k

k

i

i

i

h

h

h

A

A

h

A

A

h

A

A

h

M

Λ

Λ

Λ

Λ

1

2

1

2

1

12

11

1

2

ここに,  A

i1

及び A

i2

第 番目の大口試料から調製分取した 2 個の測定試料
の乾燥減量 (%) 。

h

i

第 番目のサブロットの質量 (t) 。

i

大口試料の番号;1,2,…,k

5.

二段階乾燥方法

5.1

要旨  この方法は石炭類に適用する。第 1 段階の乾燥では,JIS M 8811 によって採取調製した大口

試料から最大粒度 2.8mm 以下約 0.6kg の試験試料を調製するまでの,水分損失ができるだけ少ない,なる

べく早い,適切な段階において,その最大粒度に対応する質量の試料を 40℃以下で適度な全水分となるま

で乾燥する。第 2 段階の乾燥では,約 0.6kg の試験試料から約 5g の測定試料を分取し,これを 107℃で恒

量となるまで乾燥する。第 1 段階の乾燥減量及び第 2 段階の乾燥減量とから,ロットの全水分 (%) を算出

する。

5.2

試料  JIS M 8811 の 6.(機械式サンプリング方法)及び/又は 8.(手動式サンプリング方法)によ

って採取したインクリメントで構成する大口試料から,

9.

(試料調製)

によって最大粒度 2.8mm 以下約 0.6kg

の試験試料を調製するまでの適切な段階の試料を第 1 段階の乾燥用試料とする。約 0.6kg の試験試料から

約 5g の測定試料 2 個を分取して,第 2 段階の乾燥用試料として,別々に測定する。

備考  必要ならば,小口試料又はインクリメントごとに,上記の操作によって第 1 段階の乾燥用試料

及び第 2 段階の乾燥用試料を調製してもよい。

5.3

装置


5

M 8820 : 2000

a)

乾燥ざら  ステンレス鋼,すずめっき鋼又はアルミニウムのような耐食性の材料で作られた底面積約

0.1m

2

,深さ約 25mm のもの(

付図 参照)。

b)

乾燥装置(

付図 及び付図 参照)

1)

乾燥室内雰囲気を十分に置換できるもの。

2)

乾燥室内温度を 40℃以下に調節できるもの。

3)

温度を乾燥ざらの底部ではかることができるもの。

c)

はかり  0.1g まではかれるもの。

d)

はかりびん  平形 50mm,深さ 30mm (JIS R 3503)  。

e)

電気恒温乾燥器  107℃±2℃に調節できるもの。

f)

デシケータ

g)

はかり

  1mg まではかれるもの。

5.4

第 段階乾燥操作

a)

JIS M 8811

で採取調製した大口試料から最大粒度 2.8mm 以下約 0.6kg の試験試料を調製するまでの適

切な段階の試料を,第 1 段階の乾燥用試料とする。

b)

第 1 段階の乾燥用試料を,質量  (W

4

)

をはかった乾燥ざら又は同等以上の底面積の金属製のさらに移

し,厚さを最大粒度の 1.5 倍以下になるように,平らに広げ,全質量  (W

5

)

をはかる。

c)

これを室内で自然乾燥又は乾燥装置で 40℃以下で乾燥する。試料の乾燥減量が 1 時間につき 0.5%未

満になったら乾燥を中止する。

備考  JIS M 8811 では,表 の乾燥時間を推奨している。

表 2  乾燥温度と乾燥時間

乾燥温度

乾燥時間

h

20 24

以下

30 6

以下

40 4

以下

d)

乾燥後にその全質量  (W

6

)

をはかる。

5.5

第 段階乾燥操作

a)

最大粒度 2.8mm 以下に粉砕してある試料約 5g をスプーンで質量  (W

7

)

をはかったはかりびんに採取

し,試料の厚さが一定になるように平らにして質量  (W

8

)

をはかる。

b)

はかりびんをあらかじめ 107℃±2℃に調節されている電気恒温乾燥器に,ふたをとってふたと共に入

れて乾燥する。

c)

乾燥減量が 1 時間につき 0.1%未満となるまで乾燥を続ける。

備考  乾燥には,通常 2∼3 時間を要する。

d)

乾燥が終了したら,ふたをして,すみやかに金属板上及び/又はデシケータ中で冷却し,乾燥終了後

20

分以内に質量  (W

9

)

をはかる。

5.6

算出  第 1 段階乾燥減量 B (%)  を次の式によって計算し,JIS Z 8401 によって小数第 2 位に丸める。

100

4

5

6

5

×

W

W

W

W

B

ここに,  W

4

:  第 1 段階乾燥の乾燥ざらの質量 (g) 。

W

5

:  第 1 段階乾燥の乾燥ざらと乾燥用試料との質量 (g) 。

W

6

:  乾燥後の第 1 段階乾燥の乾燥ざらと乾燥用試料との質量 (g) 。


6

M 8820 : 2000

第 2 段階乾燥減量 C (%)  を次の式によって計算し,JIS Z 8401 によって小数第 2 位に丸める。

100

7

8

9

8

×

W

W

W

W

C

ここに,  W

7

:  第 2 段階乾燥のはかりびんの質量 (mg) 。

W

8

:  第 2 段階乾燥のはかりびんと試料の質量 (mg) 。

W

9

:  乾燥後の第 2 段階乾燥のはかりびんと試料との質量 (mg) 。

5.7

測定個数  各大口試料から調製した 1 個の試験試料から分取した 2 個の測定試料を,別々に測定す

る。同一試験試料についての 2 個の C (%)  が許容差を超える場合は,その試験試料について第 2 段階乾燥

減量 C (%)  の測定をやり直す。

5.8

許容差  1 個の試験試料から 2 個の測定試料を分取測定したときの第 2 段階乾燥減量 C (%)  の差は,

表 の範囲内になければならない。

表 3  許容差

単位  %

第 2 段階乾燥減量 C

5.0

以下

5.1

∼10.0

10.1

以上

許容差 0.40

0.60

0.80

備考1.  第1段階乾燥減量 B (%)  については,全量乾燥が原

則であり,許容差は規定できない。

2.

適用方法については,JIS M 8810 の 10.(許容差適

用方法)による。

5.9

報告値  大口試料の全水分 m (%)  は,第 2 段階乾燥減量 C (%)  ごとに,次の式によって計算し,小

数第 2 位まで求める。

÷

ø

ö

ç

è

æ

100

100 B

C

B

m

ロットの全水分 M (%)  は,次の式によって計算し,

JIS Z 8401

によって小数第 1 位に丸めて報告値とす

る。

(

)

(

)

(

)

(

)

k

i

k

k

k

i

i

i

h

h

h

m

m

h

m

m

h

m

m

h

M

Λ

Λ

Λ

Λ

1

2

1

2

1

12

11

1

2

+

ここに,

h

i

第 番目のサブロットの質量 (t) ,

i

大口試料の番号;1,2,…,k

m

i1

及び m

i2

第 番目の大口試料について得られた 2 個の全水分
m (%)

6.

特例処置

  ロットがぬれているときは,ロットの全水分測定方法は,当事者間の協議による。

7.

適用例

7.1

一段階乾燥方法−インクリメントごとの場合

コークス用原料炭

ロットの大きさ: 74 320t

最大粒度: 16

mm

灰分: 15%未満

荷揚げ能力: 5

000t/h

荷揚げ所要時間: 約 15h

インクリメントの最小必要個数(

JIS M 8811

 : 2000

表 5-1

から)


7

M 8820 : 2000

    ロットの大きさ,灰分→95

インクリメント質量 m

i

kg

の推定[

JIS M 8811

 : 2000

,式(5-9)から]

×

7

.

115

6

.

3

10

3

S

CW

m

i

約 116 kg

ここに,  は流量で 5 000t/h,

W

はカッタの開口幅で 100mm,

S

はカッタ速度で 1.2m/s

このサンプリング設備では,オンライン縮分機によって(1 次)インクリメントごとに最大粒度 11.2mm

以下,約 1kg の全水分測定試料を調製することができる。したがって,

付図 において,粉砕縮分はオン

ライン縮分機によって自動的に行われ,95 個の全水分測定試料についても自動的に全水分が測定される。

7.2

一段階乾燥方法−小口試料ごとの場合

発電用炭

ロットの大きさ: 46 810t

最大粒度: 11.2

mm

灰分: 15%未満

荷揚げ能力: 3

000t/h

荷揚げ所要時間: 46 810/3 000=15.6→約 16h

インクリメントの最小必要個数(JIS M 8811 : 2000,

表 5-1 から)

    ロットの大きさ,灰分→80

1

時間分のインクリメント 5 個を集めて小口試料を作る。

インクリメント質量 m

i

kg

の推定[JIS M 8811 : 2000,式(5-9)から]

83

6

.

3

10

3

S

CW

m

i

×

ここに,  は流量で 3 000t/h,

W

はカッタの開口幅で  150mm,

S

はカッタ速度で  1.5m/s

小口試料質量

    83×5=415kg

インクリメント縮分(JIS M 8811 : 2000,

表 9-4 から)

    150g のインクリメント×20 個=約 3kg

かくして,

付図 で,粉砕することなく,小口試料ごとに約 3kg の試験試料を得,これから約 0.6kg

の測定試料を分取し,乾燥減量 A

1

A

2

,…,A

16

を得ることができる。

  小口試料を構成するインクリメントの個数は 5 個ずつなので,算術平均を計算し,ロットの全水分

(%)

の報告値を求めることができる。

7.3

一段階乾燥方法−大口試料ごとの場合

コークス用原料炭

a)

荷役開始前の情報 

ロットの大きさ(送り状記載の数量)

:46 610t

ロットの最大粒度(契約スペック)

:50mm

灰分(契約スペック)

:9.5%

灰分の品位変動

σ

w

:情報なし


8

M 8820 : 2000

全水分(契約スペック)

:7.0%

荷揚げ能率:3 500∼2 000t/h

サンプリング設備:機械式カッタ形サンプラ

(計量器と連動し,流量 t/h に関係なくほぼ一定質量のインクリメントを採取できる。

b)

サンプリング及び試料調製方法の決定

方針 1  質量基準系統サンプリングとする。

インクリメントの最小必要個数(JIS M 8811 

表 5-1

ロットの大きさと灰分から,80 個。

インクリメントの採取間隔[JIS M 8811 の 6.1.3.2 及び式(6-2)]

46

610

t/80

=582.6t

小さい方に丸めて,580t

インクリメントの採取質量(JIS M 8811 の 5.75.8 及び 6.1.3.3

カッタ速度  (S)  の上限は 1.5m/s,

カッタの開口幅  (W)  の下限は最大粒度の 3 倍で 150mm,及び流量  (C)  の上限は 3 500t/h

と想定できるから,このロットにおけるインクリメントの採取量は,JIS M 8811 の式(5-9)

によって計算される 100kg とする。

kg

S

CW

m

i

100

5

.

1

6

.

3

10

150

3500

6

.

3

10

3

3

×

×

×

×

インクリメントの採取質量が 100kg となるように,カッタの走行速度を荷役開始前に設定

する。この場合は,最小質量及び質量規制は満たしているので特に問題はない。

方針 2  全水分のロス対策として,ロットを 3 分割する。

サブロットの大きさと分割のタイミング。

荷役時間は約 1 日であることから,シフトに合わせてロット全体を 3 分割する。実際のサ

ブロットの質量は,サンプラの運転ログから読み取る。

方針 3  試料調製は大口試料ごとに全水分用試験試料(約 2.5kg)を 1 個調製する。

各インクリメント(ほぼ 100kg)は,自動プラントで 1 個ずつ最大粒度 11.2mm まで粉砕

及び定比縮分を行った後,順番に合わせて共用の大口試料 (25kg∼50kg)  とする。

かくして調製した大口試料からインクリメント縮分方法によって全水分用試験試料を採

取する。残りの試料は粉砕及び縮分を繰り返し,一般分析用試験試料を調製する。

全水分用の測定試料(約 0.6kg)は全水分用試験試料ごとに 2 個とする。

方針 4  全水分の測定方法は,一段階乾燥方法とする。

c)

測定データ及び全水分の計算シート


9

M 88

20 :

2000

表 4  入荷炭の全水分測定記録及び計算の一例(大口試料 個,一段階乾燥方法)

適用規格:JIS M 8820 : 2000

参照番号:98-007

測定方法:一段階乾燥方法

銘柄名:Lithgow

船名:道策丸

試験試料の質量:2.5kg 
試験試料の最大粒度:10mm

荷役完了日時:1998-02-03

05

:17

測定試料の質量:0.6kg

報告日時:1998-02-04

測定者:秋山次郎

⑧=⑤−⑥ ⑨=⑦−⑥ ⑩=⑧−⑨

⑪=⑩/⑧×100

乾燥減量

全水分測定結果

大口試料
番号

サブロット
の質量

インクリ
メント 
個数

試験試料
の質量

測 定
試 料
番号

乾燥前の
全質量

乾燥容器
の質量

乾燥後の
全質量

測定試料の
乾燥前質量

測定試料の
乾燥後質量 質量

測定試料 試験試料

(t)   (kg)

(g) (g) (g)  (g)  (g)  (g) (%) 

(%) 

h

i

n

W

2

W

1

W

3

B

ij

B

i

1

14 500

25

2.5

11

1 571.8

950.3

1 527.1

621.5 576.8  44.7 7.19 7.26

12

1 542.0

953.0

1 498.8

589.0

545.8

43.2

7.33

2

20 880

36

2.6

21

1 548.1

946.4

1 505.2

601.7 558.8  42.9 7.13 6.70

22

1 586.4

955.8

1 546.8

630.6

591.0

39.6

6.28

3

12 163

21

2.4

31

1 585.6

948.5

1 543.1

637.1 594.6  42.5 6.67 6.79

32

1 549.5

951.7

1 508.2

597.8

556.5

41.3

6.91

ロット

合計

47

543

82   

サブロット質量に

よる加重平均値

6.9

ロットの全水分値

(

)

(

)

(

)

(

)

90

.

6

163

12

880

20

500

14

2

91

.

6

67

.

6

163

12

28

.

6

13

.

7

800

20

33

.

7

19

.

7

500

14

+

+

+

M

→6.9

報告値

備考  測定試料番号 21 と 22 の測定値差は 0.85 と大きいが,許容差 1.1 の範囲内である。


10

M 8820 : 2000

7.4

二段階乾燥方法−大口試料ごとの場合

一般炭

ロットの大きさ: 9 762t

最大粒度: 31.5mm

灰分: 15%以上

荷揚げ能力: 1

000t/h

荷揚げ所要時間:

  9 762/1 000=約 10 h

インクリメントの最小必要個数(JIS M 8811 : 2000,

表 5-1 から)

  ロットの大きさ,灰分→90

インクリメント 45 個ずつの二つのサブロットに分ける。

サブロットの質量

  9 762/2=4 881t

インクリメント質量 mikg の推定[JIS M 8811 : 2000,式(5-9)から]

S

CW

m

i

6

.

3

10

3

×

=27.7→約 28kg

ここに,  は流量で 1 000t/h, 

W

はカッタの開口幅で 100mm,

S

はカッタ速度で 1.0m/s

インクリメントごとに最大粒度 11.2mm 以下に粉砕し,

JIS M 8811 : 2000

表 9-4 から)150g のインク

リメントスコップでインクリメント縮分し,約 3kg の試料を得る。

最大粒度 11.2mm 以下の大口試料質量

      約 3kg×45=約 135kg

135kg

の試料を二段階乾燥方法の第 1 段階で乾燥することは到底不可能なので,大口試料を,150g の

インクリメントスコップでインクリメント縮分し,約 3kg の試料を得る。

試料の厚さが約 10mm になるように,約 1kg ずつ三つの金属ざらに平らに広げて,40℃以下で 3h 乾

燥し,第 1 段階乾燥減量 B (%)  を求めた。

第 1 段階で乾燥した試料を最大粒度 2.8mm 以下に粉砕し,二分器に 2 回通して約 0.7kg の試験試料を

得た。これから約 5g の測定試料 2 個を分取し,第 2 段階乾燥減量 C (%) を求めた。

付図 との違い

は,インクリメントごとに最大粒度 11.2mm 以下に粉砕したことである。

発電用炭

ロットの大きさ: 貯炭場から発電設備に 200t/h で搬送される 1 日分の発電用炭

4 800t

最大粒度: 11.2mm

灰分: 15%以上

インクリメントの最小必要個数(JIS M 8811 : 2000,

表 5-1 から)

  ロットの大きさ,灰分→60

試料の保管時間を考慮し,4 時間分 800t をサブロットとする。これに対するインクリメント個数は 10

個。

インクリメント質量 m

i

kg

の推定[JIS M 8811 : 2000,式(5-9)から]


11

M 8820 : 2000

S

CW

m

i

6

.

3

10

3

×

=9.2→約 10kg

ここに,  は流量で 200t/h, 

W

はカッタの開口幅で 100mm,

S

はカッタ速度で 0.6m/s。

大口試料質量

      約 10kg×10 個=約 100kg

二段階乾燥方法の第 1 段階乾燥設備の能力の関係で,インクリメント縮分方法(JIS M 8811 : 2000,

表 9-4)によって約 3kg に縮分し,40℃以下で 2 時間乾燥して,第 1 段階乾燥減量 B (%)  を求める。

第 1 段階で乾燥した試料を全量最大粒度 2.8mm 以下に粉砕し,約 0.75kg の第 2 段階試験試料を調製

する。約 0.75kg の試験試料から 2 個の約 5g の測定試料をはかりびんに分取して,第 2 段階の乾燥操

作を行い,2 個の第 2 段階乾燥減量 C (%)  を求める。

同一試験試料についての 2 個の第 2 段階乾燥減量 C (%) が許容差内にあったので,5.9 によってロッ

トの全水分 (%) の報告値を求めた。

備考  乾燥ざらの底部を金網又はスリットとし,別に底部を付け,これを 1 組として用いる。

付図 1  乾燥ざらの一例


12

M 8820 : 2000

備考  A:外のり寸法    幅 1 500×奥行き 500×高さ 1 600 (mm)

B

:乾燥室寸法      幅 550×奥行き 190×高さ 720 (mm)

C

:温度調節器      入り口空気温度を調節しうるもの。

D

:送風モータ      空気流量を調節しうるもの。

E

:ヒータ          第 1 段階乾燥用では 40℃以下に,石炭用では 107℃±2℃に,

                    コークス用では 120∼200℃に保持しうるもの。

F

: ダンパ          各室の空気流量を調節できるもの。

付図 2  乾燥器の一例

備考  内のり寸法    720×1 100×1 060 (mm)

試料ざら寸法  500×250×30 (mm)

乾燥処理質量  25kg 
試料回転速度  0.5∼0.6rpm 
使用温度      第 1 段階乾燥用は 40℃以下,石炭用は 107℃±2℃,

              コークス用は 120∼200℃

付図 3  回転式電気乾燥器の一例


13

M 8820 : 2000

付図 4  一段階乾燥方法−インクリメントごとの場合


14

M 8820 : 2000

付図 5  一段階乾燥方法−小口試料ごとの場合


15

M 8820 : 2000

付図 6  一段階乾燥方法−大口試料の場合


16

M 8820 : 2000

付図 7  二段階乾燥方法−大口試料ごとの場合

サンプリング及び全水分測定の原案作成委員会の構成表

氏名

所属

(委員長)

青  木  茂  雄

財団法人日本科学技術連盟(嘱託)

(委員)

藤  田  芳  夫

出光興産株式会社

中  井  成  行

宇部興産株式会社

平  本  克  房

海外貨物検査株式会社

大  島  弘  信

川崎製鉄株式会社

木  本      博

関西電力株式会社

小  川  奎  三

九州電力株式会社

大  音      清

株式会社栗本鉄工所

小  嶋      誠

工業技術院標準部

堀  江  典  郎

資源環境技術総合研究所

原  口      博

新日鐵化学株式会社

長  野  研  一

新日本製鐵株式会社

片  岡  隆  昭

住金コスモプランズ株式会社

松  井      修

住友金属工業株式会社

槌  屋  美  行

中国電力株式会社

若  原  高  生

中部電力株式会社

春  名  恭  年

電源開発株式会社

鈴  木      敞

株式会社電発環境緑化センター

横  山  隆  壽

財団法人電力中央研究所

窪  田  栄  光

東京ガス株式会社

長  谷  良  悦

東北電力株式会社

山  口      潔

社団法人日本エネルギー学会

鈴  木      勝

社団法人日本海事検定協会

栗  林  秀  治

社団法人日本海事検定協会


17

M 8820 : 2000

氏名

所属

熊  谷  研  一

日本鋼管株式会社

北  山      忍

日本石炭協会

石  井  準一郎

日本セメント株式会社

笹  林  和  也

北陸電力株式会社

原      芳  治

三井松島産業株式会社

藤  島      治

三菱化成株式会社

岡  崎      功

三菱商事株式会社

古宇田      忠

三菱長崎機工株式会社

小  島      武

三菱マテリアル株式会社

(事務局)

新  井  紀  弘

財団法人日本科学技術連盟

松  本  治  男

財団法人日本科学技術連盟

備考  ○印は作業部会メンバー

JIS M 8820 : 2000

(石炭類及びコークス類−ロットの全水分測定方法)

改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

横  山  隆  寿

財団法人電力中央研究所

(委員)

新  井  紀  弘

財団法人日本科学技術連盟

高  橋      茂

社団法人セメント協会

石  原  武  彦

社団法人日本コークス協会

鈴  木      勝

社団法人日本海事検定協会

二  宮  嘉  和

社団法人日本鉄鋼連盟

板  野      豊

株式会社サンコー環境調査センター

吉  田      満

出光興産株式会社

長  野  研  一

新日本製鉄株式会社

長  谷  良  悦

東北電力株式会社

野  口  嘉  一

電源開発株式会社

斎  藤      陽

日本ベトナム産業技術協力会

大  山      繁

日本製紙株式会社

鈴  木      敞

前株式会社電発環境緑化センター

青  木  茂  雄

前財団法人日本科学技術連盟

(事務局)

泉  谷  文  穂

財団法人石炭利用総合センター

朝  廣  紀  夫

財団法人石炭利用総合センター

(文責  青木  茂雄)