>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

 

M 8717:2017  

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 用語及び定義  1 

4 試験試料の調製  2 

4.1 装置及び器具  2 

4.2 調製  2 

5 測定に用いる試料の数  2 

6 試験方法 2 

6.1 試験方法の種類  2 

6.2 エタノールピクノメータ法  2 

6.3 ヘリウム(He)ガス置換法  3 

7 結果の表示  6 

7.1 室内許容差及び試験結果の採用  6 

7.2 試験結果の報告  6 

8 検証 7 

附属書A(規定)試験結果採用のためのフローシート  8 

 

 


 

M 8717:2017  

(2) 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本

鉄鋼連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS M 8717:1993は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

 

 


 

  

日本工業規格          JIS 

 

M 8717:2017 

 

鉄鉱石−密度試験方法 

Iron ores-Determination of density 

 

序文 

この規格は,1971年に制定され,その後5回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は,1993年に

行われたが,その後の技術進歩に対応した体積測定法の修正,及び適用範囲に粉鉱石を追加をするために

改正をした。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

 

適用範囲 

この規格は,鉄鉱石の密度(以下,密度という。)の試験方法について規定する。  

なお,この規格における鉄鉱石とは,ペレット,焼結鉱,粉鉱石及び塊鉱石をいう。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 8101 エタノール(99.5)(試薬) 

JIS M 8700 鉄鉱石及び還元鉄−用語 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

JIS Z 8801-1 試験用ふるい−第1部:金属製網ふるい 

 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS M 8700による。 

3.1 

真密度 

固体内部の気孔の部分を除いた固体そのものの密度1)。 

注1) 体積当たりの質量で示される。 

3.2 

鉄鉱石の密度 

閉鎖気孔をできるだけ除くように鉄鉱石を45 μm以下に微粉砕処理し,固体粒子内に媒体を浸透させて

測定した密度。閉塞気孔がほとんどなく,真密度に近い密度である。 

3.3 

ピクノメータ法 

液体を媒体とし,ピクノメータを使用して,鉄鉱石の密度を測定する方法。 


M 8717:2017  

  

3.4 

ガス置換法 

気体に関するボイルの法則を利用して,鉄鉱石の密度を測定する方法。 

 

試験試料の調製 

4.1 

装置及び器具 

試料調製のための装置及び器具は,次による。 

a) ふるい JIS Z 8801-1による,目開きが45 µmの標準ふるい。 

b) 乾燥器 温度を105±5 ℃に調節できるもの。 

c) はかり 最小読取値が0.1 g以下のもの。 

d) デシケータ 

4.2 

調製 

試験試料は,45 µm以下の粒度に粉砕する。粉砕した試験試料を,105±5 ℃の温度で120分間以上乾燥

し,デシケータに保管し冷却する。 

 

測定に用いる試料の数 

試験試料から採取した4個の測定試料のうち,2個を無作為に選び,6.2又は6.3によって試験を行う。 

 

試験方法 

6.1 

試験方法の種類 

密度は,次に示すいずれかの方法で求める。 

a) エタノールピクノメータ法 

b) ヘリウム(He)ガス置換法 

6.2 

エタノールピクノメータ法 

6.2.1 

原理 

所定のピクノメータを用いて微粉砕処理した試料のエタノール中の体積を求め,試料の質量を試料のエ

タノール中の体積で除して鉄鉱石の密度を求める。 

6.2.2 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。 

a) ピクノメータ 呼び内容積50 cm3のもの。 

b) エタノール 純度は,99.5 %以上のもの(JIS K 8101による)。 

c) 恒温水槽 温度を30±0.5 ℃に調節できるもの。 

d) 真空デシケータ ゲージ圧で2〜3 kPaの減圧を保てるもので,ピクノメータの内部の様子を観察でき

るもの。 

e) はかり 最小読取値が1 mg以下のもの。 

f) 

温度計 最小読取値が0.1 ℃以下のもの。 

g) タイマー 1分単位で測定できるもの。 

6.2.3 

測定試料の調製 

試験試料から,20±0.5 gを採取し,1個の測定試料とする。試験試料の調製から測定までに長時間が経

過する場合には,再度試料を,105±5 ℃の温度で120分間以上の乾燥を行う。 


M 8717:2017  

 

6.2.4 

操作 

試験操作は,次の手順による。 

a) あらかじめ,エタノール[6.2.2 b)]を透明のガラス製容器に移し,これを2〜3 kPaの減圧下に保って

ある真空デシケータ[6.2.2 d)]に入れ,40〜60分間の脱気処理を行う。 

b) 栓をしたピクノメータ[6.2.2 a)]の乾燥質量(m1)を量る。 

c) 20 gの測定試料をピクノメータに静かに入れ,測定試料を入れて栓をしたピクノメータの質量(m2)

を量る。 

d) a)で準備したエタノール約20 cm3を,測定試料の入ったピクノメータに加え,静かに振動させて大き

な気泡の発生がなくなったことを確かめる。 

e) d)のピクノメータを真空デシケータに入れ,徐々に排気し,2〜3 kPaの減圧下で60〜90分間,脱気す

る。デシケータ内のピクノメータに気泡がある場合は,軽くたたき除去する。 

f) 

静かに大気圧に戻した後,真空デシケータからピクノメータを取り出し,更にa)のエタノールを満た

し,栓をして30±0.5 ℃に保たれた恒温水槽[6.2.2 c)]に60分間浸し,エタノールの液面をピクノ

メータの標線に合わせる。ピクノメータ内には気泡があってはならない。 

g) 恒温水槽から取り出したピクノメータの外面に付着した水をぬぐって,これを室温まで冷却した後,

測定試料及びエタノールの入ったピクノメータの質量(m3)を量る。 

h) 測定試料をピクノメータから取り出した後,洗浄して乾燥した同じピクノメータにa)のエタノールを

満たし,栓をしてe)〜g)と同様の操作を行い,エタノールの入ったピクノメータの質量(m4)を量る。 

i) 

使用直前に真空デシケータによってa)に準じた方法で脱気処理した蒸留水をピクノメータに満たし,

e)〜g)と同様の操作を行い,蒸留水の入ったピクノメータの質量(m5)を量る。 

6.2.5 

密度の算出 

密度は,式(1)によって算出し,JIS Z 8401によって小数点以下3桁まで求める。 

1

1

5

1

4

4

3

1

2

1

2

m

m

m

m

m

m

m

m

m

m

  (1) 

ここに, 

ρ: 密度(g/cm3) 

 

m1: 栓をしたピクノメータの質量(g) 

 

m2: 測定試料を入れて栓をしたピクノメータの質量(g) 

 

m3: 測定試料及びエタノールを入れて栓をしたピクノメータの

質量(g) 

 

m4: エタノールを入れて栓をしたピクノメータの質量(g) 

 

m5: 蒸留水を入れて栓をしたピクノメータの質量(g) 

 

ρ1: 30 ℃における水の密度(0.995 6 g/cm3) 

 

6.3 

ヘリウム(He)ガス置換法 

6.3.1 

原理 

試料室を,微粉砕した試料及び圧力をかけたヘリウムガスで満たす。その後,試料室に膨張室を接続し,

ヘリウムガスを膨張させる。膨張に伴う試料室内の圧力変化によって試料の体積を求め,密度を測定する。 

6.3.2 

装置及び器具 

装置及び器具は,次による。 

a) 測定装置 測定装置の基本構成は,図1による。測定容器の容積は,10〜100 cm3のもの。 

b) ヘリウムガス ガスの純度は99.99 %以上のもの。 

c) 標準球 表面にめっきなどの防せい(錆)処理が施された鋼球,又はアルミナ若しくは窒化けい素の


M 8717:2017  

  

緻密なセラミック球で,測定容器に収納でき,試料室の容積の10 %以上の大きさをもち,温度20±5 ℃

における体積の有効数字4桁以上が既知のもの。 

d) 標準球の体積 JCSS登録校正事業者によって校正された固体体積,又は必要に応じて,この規格のヘ

リウムガス置換法で校正された固体体積。 

注記 JCSS(Japan Calibration Service System)とは,計量法に基づく計量標準供給制度をいう。 

e) はかり 最小読取値が1 mg以下のもの。 

f) 

圧力計 ゲージ圧で0〜150 kPaまで測定できるもので,0.01 kPaまでの目盛をもつもの。 

g) 温度計 測定装置内のガス温度を0.1 ℃まで測定できるもの。 

 

 

図1−測定装置の基本構成 

 

6.3.3 

空間容積の算出 

試料室に測定容器を入れたときの空間容積及び膨張室の空間容積の算出は,次による。 

a) 測定容器を洗浄し,十分に乾燥する。 

b) ガス供給弁を閉じ,測定容器を試料室に入れる。 

c) ガス供給弁を開き,接続弁及び排気弁を閉じ,試料室内の圧力が100〜150 kPaになるまでヘリウムガ

スを導入した後,ガス供給弁を閉じ,接続弁及び排気弁を開く。この操作を繰り返し,装置内をヘリ

ウムガスで置換する。 

d) ガス供給弁を閉じ,圧力計の読みを0にした後,直ちに接続弁及び排気弁を閉じる。 

e) ガス供給弁を開き,圧力計の読みが100〜150 kPaになるまでヘリウムガスを導入し,ガス供給弁を閉

じる。 

f) 

圧力の指示が安定したら,その圧力P1Cを0.01 kPaまで読み取る。 

g) 接続弁を開き,圧力の読みが安定したら,その圧力P2Cを0.01 kPaまで読み取る。 

h) 排気弁を開き,測定容器を取り出して測定容器内に標準球を入れ,再び試料室に入れる。 

i) 

ガス供給弁を開き,接続弁及び排気弁を閉じ,試料室内の圧力が100〜150 kPaになるまでヘリウムガ

スを導入した後,ガス供給弁を閉じ,接続弁及び排気弁を開く。この操作を繰り返し,装置内をヘリ

ウムガスで置換する。 

j) 

ガス供給弁を閉じ,圧力計の読みを0にした後,直ちに接続弁及び排気弁を閉じる。 

k) ガス供給弁を開き,圧力計の読みが100〜150 kPaになるまでヘリウムガスを導入し,ガス供給弁を閉

じる。 

l) 

圧力の指示が安定したら,その圧力P1Sを0.01 kPaまで読み取る。 


M 8717:2017  

 

m) 接続弁を開き,圧力の読みが安定したら,その圧力P2Sを0.01 kPaまで読み取る。 

n) 式(2)及び式(3)によって,測定容器を入れたときの試料室の空間容積V1及び膨張室の空間容積V2を計

算し,有効数字5桁まで求める。測定を通じて,測定装置内及び標準球の温度は15〜25 ℃の範囲内

の同一温度(許容差±0.2 ℃)に保持しなければならない。 

注記 測定精度を向上させるためには,d)〜g)及びj)〜n)を複数回繰り返し,V1及びV2のそれぞれ

の平均値を求めることが望ましい。 

 

C

2

S

2

C

1

S

1

S

2

S

1

Cal

1

P

P

P

P

P

P

V

V

  (2) 

1

C

2

C

1

1

2

P

P

V

V

  (3) 

ここに, 

V1: 試料室に測定容器を入れたときの空間容積(cm3) 

 

V2: 膨張室の空間容積(cm3) 

 

Vcal: 標準球の体積(cm3) 

 

P1C: 測定容器が空の状態における試料室ガス導入の圧力(kPa) 

 

P2C: 測定容器が空の状態における接続弁開の圧力(kPa) 

 

P1S: 測定容器中に標準球を入れた状態における試料室にガスを

導入したときの圧力(kPa) 

 

P2S: 測定容器中に標準球を入れた状態における接続弁を開いた

ときの圧力(kPa) 

 

6.3.4 

測定試料の調製 

1個の測定試料量は,測定容器の容積の2/3以上とする。試験試料調製から測定までに長時間が経過す

る場合には,再度,105 ℃で120分間以上の乾燥処理を行う。 

6.3.5 

操作 

操作は,次の手順による。 

a) 測定容器を洗浄し,十分に乾燥させて,その質量m6を量る。 

b) 測定試料を測定容器中に入れ,そのときの質量m7を量る。 

c) ガス供給弁を閉じ,測定試料を入れた測定容器を試料室に入れる。 

d) ガス供給弁を開き,接続弁及び排気弁を閉じ,測定室内の圧力が100〜150 kPaになるまでヘリウムガ

スを導入した後,ガス供給弁を閉じ,接続弁及び排気弁を開く。この操作を繰り返し,装置内をヘリ

ウムガスで置換する。 

e) ガス供給弁を閉じ,圧力計の読みを0にした後,直ちに接続弁及び排気弁を閉じる。 

f) 

ガス供給弁を開き,圧力計の読みが100〜150 kPaになるまでガスを導入し,ガス供給弁を閉じる。 

g) 圧力の指示が安定したら,その圧力P1を0.01 kPaまで読み取る。 

h) ガス接続弁を開き,圧力の指示が安定したら,その圧力P2を0.01 kPaまで読み取る。測定を通じて,

測定装置(試料室及び膨張室)内のヘリウムガス温度は,±0.2 ℃に保持しなければならない。 

6.3.6 

試料体積の算出 

試料体積VSは,式(4)によって算出し,JIS Z 8401によって小数点以下3桁まで求める。 


M 8717:2017  

  

1

2

1

2

1

S

P

P

V

V

V

  (4) 

ここに, 

VS: 試料体積(cm3) 

 

V1: 試料室に測定容器を入れたときの空間容積(cm3) 

 

V2: 膨張室の空間容積(cm3) 

 

P1: 試料室にガスを導入したときの圧力(kPa) 

 

P2: 接続弁を開いたときの圧力(kPa) 

 

注記 精度を向上させるためには,6.3.5のe)〜h)及び試料体積の算出を複数回繰り返し,平均値を求

めることが望ましい。 

6.3.7 

密度の算出 

密度ρは,式(5)によって算出し,JIS Z 8401によって小数点以下3桁まで求める。 

S

6

7

V

m

m

  (5) 

ここに, 

ρ: 密度(g/cm3) 

 

m6: 測定容器の質量(g) 

 

m7: 測定容器に試料を入れたときの質量(g) 

 

VS: 試料体積(cm3) 

 

結果の表示 

7.1 

室内許容差及び試験結果の採用 

表1に示された室内許容差(r)を用いて附属書Aに従い,結果の採用の可否を判定する。一組2個の

試験結果の差が許容差内の場合は,試験を終え,許容差を超えた場合は,附属書Aに従って4回まで試験

を行う。試験結果の平均値をJIS Z 8401によって小数点以下2桁に丸めて密度を表示する。 

 

表1−室内許容差 

単位 g/cm3 

室内許容差 

0.018 

 

7.2 

試験結果の報告 

試験結果の報告には,次の事項を記載しなければならない。 

a) この規格の規格番号 

b) 用いた試験方法(エタノールピクノメータ法又はヘリウムガス置換法) 

c) 試験に用いた測定試料の数(附属書A参照)。測定試料が4個の場合は,結果が4個の平均値かメデ

ィアンかも明記する。 

d) 試験条件の確認に必要な事項(エタノール脱気時の圧力,ヘリウムガス置換法測定時の温度など) 

e) 7.1で得られた密度及び試験結果の差 

f) 

試験所名及びその所在地 

g) 試験日 

h) 報告書作成日 

i) 

試験責任者の署名 


M 8717:2017  

 

j) 

結果に影響をもつ可能性のあるできごとだけでなく,この規格に規定のない,又は任意とみなされて

いる操作及び試験条件の詳細 

k) 特記事項 

 

検証 

点検は,次の装置・設備について行わなければならない。点検の頻度は,それぞれの試験所で決定する。 

− はかり 

− ピクノメータ 

− エタノールの純度 

− 真空デシケータ及び圧力ゲージ 

− 恒温槽及び温度計 

− タイマー 

− 気体置換体積計,圧力ゲージ及び温度計 

− ヘリウムガスの純度 

− 標準球の体積 

試験装置の定期点検は,試験結果の信頼性を高める上で重要である。所内標準試料を用意し,それを使

用して定期的に試験の室内許容差を確認することが望ましい。検証の記録は,適切に維持保管しておかな

ければならない。 


M 8717:2017  

  

附属書A 

(規定) 

試験結果採用のためのフローシート 

 

 

 

r:室内許容差 
x1,x2,x3,x4:4個の測定試料から得られた測定密度 
xmax:測定値の中の最大値 
xmin:測定値の中の最小値 
rの値は,表1による。 

 
注記 メディアンは,x1,x2,x3,x4の中央値二つの平均をいう。 

 

図A.1−試験結果採用のためのフローシート 

2個の測定を実施 

2

2

1x

x

x

 

4

4

3

2

1

x

x

x

x

x

 

3

3

2

1

x

x

x

x

 

いいえ 

|x1−x2|≦r 

3個目の測定を実施 

xmax−xmin≦1.2 r 

4個目の測定を実施 

xmax−xmin≦1.3 r 

x1,x2,x3,x4のメディアン 

いいえ 

いいえ 

はい 

はい 

はい