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日本工業規格

JIS

 M

8717-

1993

鉄鉱石−密度試験方法

Iron ores

−Determination of density

1.

適用範囲  この規格は,鉄鉱石の密度(以下,密度という。)の測定方法について規定する。

なお,この規格における鉄鉱石とは,ペレット,焼結鉱及び塊鉱をいう。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 8271

  キシレン(試薬)

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8801

  標準ふるい

2.

一般事項  試験に用いるふるいは,JIS Z 8801 によるものとし,数値の丸め方については,JIS Z 8401

による。

3.

試験方法の種類  鉄鉱石の密度は,次に示す 2 種類の方法で求める。

(1)

ピクノメータ法  目盛ピクノメータ(以下,ピクノメータという。)を用いる方法

(2)

空気比較法  空気比較式密度計を用いる方法

4.

ピクノメータ法

4.1

要旨  所定のピクノメータを用いて試料のキシレン中の体積を求め,試料の質量を試料のキシレン

中の体積で除して密度を求める。

4.2

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(1)

ピクノメータ  呼び内容積 50cm

3

のもの。

(2)

乾燥器  温度を 105±5℃に調節できるもの。

(3)

恒温水槽  温度を 30±0.5℃に調節できるもの。

(4)

真空デシケータ  2∼3kPa の減圧を保てるもの。

(5)

はかり  0.1mg まで測定できるもの。

(6)

温度計  0.1℃まで測定できるもの。

(7)

ふるい  呼び寸法が 45

µm の標準ふるい。

4.3

試料  1 回の試験試料は,45

µm 以下の粒度に粉砕し,105℃の温度で 120 分間以上乾燥した鉄鉱石

20

±0.5g とする。

4.4

操作  試験操作は,次の手順による。

(1)

栓をしたピクノメータ  [4.2(1)]  の乾燥質量  (m

1

)

をはかる。

(2) 20g

の試料をピクノメータに静かに入れ,試料を入れて栓をしたピクノメータの質量  (m

2

)

をはかる。

(3)

あらかじめ 20 分間以上 2∼3kPa の減圧下に保ってある,JIS K 8271 に規定するキシレン約 20cm

3

を試


2

M 8717-1993

料の入ったピクノメータに加え,静かに振動させて大きな気泡の発生がなくなったことを確かめた後,

これを真空デシケータ  [4.2(4)]  に入れ徐々に排気し,2∼3kPa の減圧下で 30 分間以上脱気する。

(4)

静かに大気圧に戻した後,真空デシケータからこれを取り出し,更に(3)のキシレンを満たし,栓をし

て 30℃に保たれた恒温水槽  [4.2(3)]  に 60 分間浸し,キシレンの液面をピクノメータの標線に合わせ

る。

(5)

恒温水槽から取り出したピクノメータの外面に付着した水をぬぐってこれを室温まで冷却した後,試

料及びキシレンの入ったピクノメータの質量  (m

3

)

をはかる。

(6)

試料をピクノメータから取拙した後,洗浄して乾燥した同じピクノメータに(3)のキシレンを満たし,

栓をして(4)及び(5)と同様の操作を行い,キシレンの入ったピクノメータの質量  (m

4

)

をはかる。

(7)

使用直前に沸騰させ溶存気体を除いた蒸留水をピクノメータに満たし,(4)及び(5)と同様の操作を行い,

蒸留水の入ったピクノメータの質量  (m

5

)

をはかる。

4.5

計算  密度は,次の式によって算出し,小数点以下 3 けたまで求める。

1

1

5

1

4

4

3

1

2

1

2

)

(

)

(

ρ

ρ

×

×

=

m

m

m

m

m

m

m

m

m

m

ここに,

ρ

密度

 (g/cm

3

)

m

1

栓をしたピクノメータの質量

 (g)

m

2

試料を入れて栓をしたピクノメータの質量

 (g)

m

3

試料とキシレンを入れて栓をしたピクノメータの質量

 (g)

m

4

キシレンを入れて栓をしたピクノメータの質量

 (g)

m

5

蒸留水を入れて栓をしたピクノメータの質量

 (g)

ρ

1

30

℃における水の密度

 (0.995 6g/cm

3

)

4.6

結果の算出

4.6.1

試験回数  試験は,

2

回又は

4

回実施する。

4.6.2

許容差及び結果の算出

(1)

許容差  試験場所,試験装置が同一の場合,一組

2

個の結果の許容差は,

0.01g/cm

3

とする。

(2)

結果の算出  結果の算出は,次による。

(a)

一組

2

個の結果の差が許容差以内の場合は,その

2

個の結果の平均値を求め,JIS Z 8401 によって

少数点以下

2

けたに丸めて表示する。

(b)

一組

2

個の結果の差が許容差を超えた場合は,再び

2

回の試験を行い,

2

回目の結果の差が許容差

以内ならば,その

2

個の結果の平均値を求め,JIS Z 8401 によって小数点以下

2

けたに丸めて表示

する。

(c)

  2

回目の結果の差も許容差を超えた場合は,前後

2

回の二組

4

個の結果の中央値を求め,JIS Z 8401

によって小数点以下

2

けたに丸めて表示する。

5.

空気比較法

5.1

要旨  空気比較式の密度計を用いて試料の体積を求め,試料の質量をその体積で除して密度を求め

る。

5.2

装置及び器具  装置及び器具は,次による。

(1)

空気比較式密度計(付図 参照)  試料の体積を

0.01cm

3

まで測定できるもの。

(2)

乾燥器  温度を

105

±

5

℃に調節できるもの。

(3)

はかり

0.1mg

まで測定できるもの。


3

M 8717-1993

(4)

ふるい  呼び寸法が

45

µm

の標準ふるい。

5.3

試料

1

回の試験試料は,

45

µm

以下の粒度に粉砕し,

105

℃の温度で

120

分間以上乾燥した鉄鉱石

60

±

0.5g

とする。

5.4

操作  試験操作は,次の手順による(付図 参照)。

(1)

空気比較式密度計のゼロ点チェック及び校正チェックを行う(

1

)

(

1

)

ゼロ点チェックは,空のカップを用い,校正チェックは標準球を用いて(3)以下の操作を行う。

(2)

 60

g

の試料を

0.1 mg

まではかり採る

  (m)

(3)

試料をカップに入れ,カップを装置に正しく取り付け,測定用ハンドルを回して計数器の目盛をスタ

ーティングナンバに合わせる。

(4)

パージ弁を閉じてから

15

秒以上待ち,カップリング弁を閉める。

(5)

二つのハンドルを時計方向に同時又は交互に回して,

“止め”に当たるまで比較用ハンドルを回転する。

この間差圧計指針を,目盛上に保つ。

(6)

 15

秒以上待ち,測定用ハンドルを回して,差圧計指針をゼロ点に合わせる。

(7)

カップリング弁を開き,差圧計指針がゼロ点から動かないことを確認し,計数器の数字

  (V

i

)

を読み取

(

2

)

(

2

)

初めのうち大きめの体積を示すことがあるので,操作を繰り返して安定した値となってからの

測定値を採用する。

(8)

試料カップを外す前に,

二つのハンドルを反時計方向に回して,

二つのピストンを開始の位置に戻す。

(9)

(4)

(8)の容積の測定操作は,同一試料について

3

回繰り返す。

(10)

 3

回の体積測定値の最大値と最小値との差が

0.1 cm

3

未満の場合は,得られた値

  (V

i

V

1

V

2

V

3

)

の平均

値を小数点以下

2

けたまで求める

  (V)

。その差が

0.1cm

3

以上の場合は,改めて

3

回の測定を行い,こ

のときの差が

0.1cm

3

に入ったときは,それらの値を平均して

V

とする。入らないときは,

6

個の中央

値を採る。

5.5

計算  密度は,次の式によって算出し,小数点以下

2

けたまで求める。

V

m

=

ρ

ここに,

ρ

密度

 (g/cm

3

)

m

試料の質量

 (g)

V

試料の体積

 (cm

3

)

5.6

結果の算出

5.6.1

試験回数  試験は,

2

回又は

4

回実施する。

5.6.2

許容差及び結果の算出

(1)

許容差  試験場所,試験装置が同一の場合,一組

2

個の結果の許容差は,

0.02g/cm

3

とする。

(2)

結果の算出  結果の算出は,次による。

(a)

一組

2

個の結果の差が許容差以内の場合は,その

2

個の結果の平均値を求め,JIS Z 8401 によって

小数点以下

2

けたに丸めて表示する。

(b)

一組

2

個の結果の差が許容差を超えた場合は,再び

2

回の試験を行い,

2

回目の結果の差が許容差

以内ならば,その

2

個の結果の平均値を求め,JIS Z 8401 によって小数点以下

2

けたに丸めて表示

する。

(c)

  2

回目の結果の差も許容差を超えた場合は,前後

2

回の二組

4

個の結果の中央値を求め,JIS Z 8401


4

M 8717-1993

によって小数点以下

2

けたに丸めて表示する。

6.

試験結果の報告  試験結果には,次の事項を記載する。

(1)

試料名,試験担当者及び試験年月日

(2)

試験方法の種類

(3)

4.6

又は 5.6 で得られた結果

(4)

特記事項

付図 1  空気比較式密度計(一例)

備考

空気比較式密度計は,図に示すような比較用シリンダ室

 (A)

,測定用シリンダ室

 (B)

とそれ

ぞれのピストン

 (a)

及び

 (b)

から構成されている。

両シリンダ室は同一容積で,両シリンダ室に試料が入っていないとすれば,パージ弁及びカ

ップリング弁を閉めた状態で差圧計指針は

0

点を示している。

いま,試料を測定シリンダ室

 (B)

の試料カップに入れ,ピストン

 (a)

を①から②の定位置に

進ませたとき,シリンダ室

 (A)

 (B)

の間の差圧計指針が

0

点を示すのは,ピストン

 (b)

①の位置から③の位置へ移動させたときである。その際の②と③の間の距離

  (

s

i

)

が試料体積

(

V

i

)

に比例するように校正されているので,

s

i

値を目盛盤によって

cm

3

の単位で読み取ること

ができる。


5

M 8717-1993

鉄鉱石物理試験

JIS

改正委員会  構成表

氏名

所属

(主査)

大  森  康  男

東北大学素材工学研究所

海  野  正  一

三井物産株式会社

川  口  尊  三*

住友金属工業株式会社

河  野  正  人*

日新製鋼株式会社

櫻  谷  和  之

科学技術庁金属材料技術研究所

澤  田      浩

丸紅株式会社

霜  出  尚  志

合同製鐵株式会社

鈴  木      勝

社団法人日本海事検定協会

菅  原      實*

川崎製鉄株式会社

杉  山      健*

株式会社神戸製鋼所

古  川  篤  郎

三菱商事株式会社

肥  田  行  博*

新日本製鐵株式会社

辻  井  忠  生

株式会社島津製作所

本  郷  英  夫

株式会社中山製鋼所

谷  中  秀  臣**

日本鋼管株式会社

中  島  一  郎

通商産業省基礎産業局

服  部  幹  雄

工業技術院標準部

大  坪  孝  至

社団法人日本鉄鋼連盟

(関係者)

福  与      寛*

日本鋼管株式会社

宮  本  幸  夫*

工業技術院標準部材料規格課

(事務局)

馬  渕  勝  利

社団法人日本鉄鋼連盟

畑  中      恵

社団法人日本鉄鋼連盟

備考  **印は,小委員会主査,*印は,小委員会委員を示す。

文責  肥田  行博(新日本製鐡株式会社)

,福与  寛(日本綱管株式会社)