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M 8702

:2016

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1  適用範囲  

1

2  引用規格  

1

3  用語及び定義  

3

4  サンプリング及び試料調製の一般要件  

3

4.1  基本要求事項  

3

4.2  サンプリング計画の確立  

3

4.3  システムの検証  

4

5  サンプリング及び試料調製の基本事項  

5

5.1  偏りの低減  

5

5.1.1  一般  

5

5.1.2  試料粉化の低減  

5

5.1.3  インクリメントの採取  

5

5.1.4  インクリメントの質量  

6

5.2  総合精度  

6

5.3  品位変動  

8

5.4  サンプリング精度及び一次インクリメントの個数  

9

5.4.1  質量基準サンプリング  

9

5.4.2  時間基準サンプリング  

10

5.5  試料調製精度及び総合精度  

10

5.5.1  一般  

10

5.5.2  大口試料の調製及び測定  

10

5.5.3  小口試料の調製及び測定  

10

5.5.4  各インクリメントの調製及び測定  

11

6  サンプリング方法  

11

6.1  質量基準サンプリング  

11

6.1.1  インクリメント質量  

11

6.1.2  品位変動  

12

6.1.3  一次インクリメントの個数  

12

6.1.4  採取間隔  

12

6.1.5  インクリメントの採取方法  

12

6.2  時間基準サンプリング  

12

6.2.1  インクリメント質量  

12

6.2.2  品位変動  

12

6.2.3  一次インクリメントの個数  

13


M 8702

:2016  目次

(2)

ページ

6.2.4  採取間隔  

13

6.2.5  インクリメントの採取方法  

13

6.3  固定質量間隔又は固定時間間隔内での層別ランダムサンプリング  

13

6.3.1  一般事項  

13

6.3.2  固定質量間隔  

13

6.3.3  固定時間間隔  

13

7  鉱石流からの試料採取  

14

7.1  一般事項  

14

7.2  運転の安全  

14

7.3  サンプリング装置の堅ろう性  

14

7.4  サンプリングシステムの機能  

14

7.5  一次サンプラ  

15

7.5.1  設置場所  

15

7.5.2  一次サンプラの形式  

15

7.5.3  一次サンプラの一般的設計事項  

17

7.5.4  一次サンプラのカッタの開口間隔  

17

7.5.5  一次サンプラのカッタ速度  

18

7.6  二次及びそれ以降のサンプラ  

18

7.7  オンライン試料調製  

18

7.7.1  試料調製装置の配置  

18

7.7.2  粉砕機  

19

7.7.3  縮分機  

19

7.7.4  乾燥機  

21

7.8  精度及び偏りの確認  

21

7.9  清掃及び保守  

21

7.10  フローシートの例  

21

8  静止状態での試料採取  

24

8.1  一般  

24

8.2  貨車からの試料採取  

24

8.2.1  一般  

24

8.2.2  試料採取器  

24

8.2.3  一次インクリメントの個数  

24

8.2.4  試料採取方法  

25

8.3  船倉,貯鉱場及び貯鉱槽からの試料採取  

25

9  停止ベルト参照試料採取  

25

10  試料調製  

26

10.1  基本事項  

26

10.1.1  一般  

26

10.1.2  乾燥  

27


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(3)

ページ

10.1.3  破砕及び粉砕  

27

10.1.4  混合  

27

10.1.5  試料の縮分  

28

10.1.6  縮分試料の質量  

28

10.1.7  試料の兼用及び重用  

31

10.2  小口試料又は大口試料の調製方法  

31

10.2.1  一般  

31

10.2.2  質量基準サンプリングの場合  

31

10.2.3  時間基準サンプリングの場合  

32

10.2.4  水分用試料についての特別な手順  

33

10.3  機械式縮分方法  

33

10.3.1  機械によるインクリメント縮分方法  

33

10.3.2  機械による他の縮分方法  

34

10.4  手動による縮分方法  

34

10.4.1  一般  

34

10.4.2  手動によるインクリメント縮分方法  

34

10.4.3  手動二分器による縮分方法  

36

10.5  化学分析試験室試料の調製  

37

10.5.1  質量及び粒度  

37

10.5.2  −250 μm への調製  

39

10.5.3  最終調製  

39

10.5.4  −100 μm 又は−160 μm への粉砕  

40

10.5.5  化学分析試験室試料の配布  

40

10.6  水分試験試料の調製  

40

10.7  粒度試験試料の調製  

41

10.8  物理試験試料の調製  

41

10.8.1  試料調製方法の選定  

41

10.8.2  各試験試料の調製  

42

10.8.3  保管試料  

51

11  試料の包装及び表示  

51

12  ロットの特性の平均品位の決定  

52

12.1  化学成分  

52

12.2  粒度  

52

12.3  水分  

52

12.4  物理試験  

52

12.5  表示の桁数  

52

12.6  複数港で分割荷揚げする場合  

52

附属書 A(参考)機械式サンプリング設備の検査  

53

附属書 B(規定)インクリメント数の計算  

59

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目次


M 8702

:2016  目次

(4)

ページ

附属書 C(参考)参照試料採取の代替方法  

61

附属書 D(規定)機械式インクリメント縮分以外の機械式縮分方式による粒度用試料の縮分後最小質量の

計算手順  

64

附属書 E(規定)二分器  

66

附属書 JA(規定)鉄鉱石の品位変動調査方法及び品位変動区分決定方法  

68

附属書 JB(参考)構成インクリメント数の異なる小口試料からインクリメント縮分によって大口試料を調

製する方法  

71

附属書 JC(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

73


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(5)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

鉄鋼連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS M 8702:2009 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 M

8702

:2016

鉄鉱石−サンプリング及び試料調製方法

Iron ores-Sampling and sample preparation procedures

序文 

この規格は,2009 年に第 4 版として発行された ISO 3082 を基とし,技術的内容を一部変更して作成し

た日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JC に示す。

適用範囲 

この規格は,ロットの化学成分,水分,粒度分布並びにその他の物理特性(ISO 3852 の方法 2 のかさ密

度を除く。

)及び冶金特性を測定するため,搬送中のロットからの機械式サンプリング,手動式サンプリン

グ及び試料調製における次の事項について規定する。

a)  基礎理論 
b)  サンプリング及び試料調製の基本原則 
c)  サンプリングシステムの設計,据付け及び操作の基本必要事項

これらの事項は,機械式サンプリング装置を設置可能な又は手動サンプリングを安全に実施できるベル

トコンベヤ及びその他の荷役設備を用いた,鉄鉱石(以下,鉱石という。

)のロットの積込み及び荷揚げの

両方の場合に適用する。鉱石は,天然の鉄鉱石又は処理鉄鉱石(例えば,精鉱及びペレット,焼結鉱など

の塊成鉱)にかかわらず,全ての鉄鉱石を含む。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 3082:2009,Iron ores−Sampling and sample preparation procedures(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS M 8700  鉄鉱石及び還元鉄−用語

注記  対応国際規格:ISO 11323,Iron ore and direct reduced iron−Vocabulary(IDT)

JIS M 8704  鉄鉱石−ロットの質量及び品質特性値の決定方法 
JIS M 8705  鉄鉱石−ロットの水分決定方法

注記  対応国際規格:ISO 3087,Iron ores−Determination of the moisture content of a lot(MOD)

JIS M 8706  鉄鉱石及び還元鉄−ふるい分けによる粒度分布の測定方法


2

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注記  対応国際規格:ISO 4701,Iron ores and direct reduced iron−Determination of size distribution by

sieving(MOD)

JIS M 8707  鉄鉱石−品位変動評価実験方法

注記  対応国際規格:ISO 3084,Iron ores−Experimental methods for evaluation of quality variation

(IDT)

JIS M 8708  鉄鉱石−サンプリング,試料調製及び測定の精度を確認する実験方法

注記  対応国際規格:ISO 3085,Iron ores−Experimental methods for checking the precision of sampling,

sample preparation and measurement(IDT)

JIS M 8709  鉄鉱石−サンプリングの偏りを調査する実験方法

注記  対応国際規格:ISO 3086,Iron ores−Experimental methods for checking the bias of sampling(IDT)

JIS M 8712  鉄鉱石−回転強度試験方法

注記  対応国際規格:ISO 3271,Iron ores for blast furnace and direct reduction feedstocks−Determination

of the tumble and abrasion indices(MOD)

JIS M 8713  鉄鉱石−被還元性試験方法

注記  対応国際規格:ISO 7215,Iron ores for blast furnace feedstocks−Determination of the reducibility

by the final degree of reduction index(MOD)

JIS M 8715  鉄鉱石ペレット−膨れ試験方法

注記  対応国際規格:ISO 4698,Iron ore pellets for blast furnace feedstocks−Determination of the

free-swelling index(MOD)

JIS M 8718  鉄鉱石ペレット−圧かい強度試験方法

注記  対応国際規格:ISO 4700,Iron ore pellets for blast furnace and direct reduction feedstocks−

Determination of the crushing strength(MOD)

JIS M 8720  鉄鉱石−低温還元粉化試験方法

注記  対 応 国 際 規 格 : ISO 4696-2 , Iron ores for blast furnace feedstocks − Determination of

low-temperature reduction-disintegration indices by static method−Part 2: Reduction with CO and 
N

2

(MOD)

JIS Z 8801-1  試験用ふるい−第 1 部:金属製網ふるい

注記  対応国際規格:ISO 3310-1,Test sieves−Technical requirements and testing−Part 1: Test sieves of

metal wire cloth(MOD)

JIS Z 8801-2  試験用ふるい−第 2 部:金属製板ふるい

注記  対応国際規格:ISO 3310-2,Test sieves−Technical requirements and testing−Part 2: Test sieves of

perforated metal plate(MOD)

ISO 3852,Iron ores for blast furnace and direct reduction feedstocks−Determination of bulk density 
ISO 4695,Iron ores for blast furnace feedstocks−Determination of the reducibility by the rate of reduction

index

ISO 4696-1,Iron ores for blast furnace feedstocks−Determination of low-temperature reduction-disintegration

indices by static method−Part 1: Reduction with CO, CO

2

, H

2

 and N

2

ISO 7992,Iron ores for blast furnace feedstocks−Determination of reduction under load

ISO 8371,Iron ores for blast furnace feedstocks−Determination of the decrepitation index 
ISO 11256,Iron ore pellets for shaft direct-reduction feedstocks−Determination of the clustering index


3

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ISO 11257,Iron ores for shaft direct-reduction feedstocks−Determination of the low-temperature reduction-

disintegration index and degree of metallization

ISO 11258,Iron ores for shaft direct-reduction feedstocks−Determination of the reducibility index, final

degree of reduction and degree of metallization

ISO 13930,Iron ores for blast furnace feedstocks−Determination of low-temperature reduction-disintegration

indices by dynamic method

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS M 8700 によるほか,次による。

3.1 

層別サンプリング(stratified sampling)

層の規定する位置から適切な比率でインクリメントを採取する,ロットのサンプリング。

注記  層の例としては,生産期間(例えば,5 分間)などの時間基準,生産質量(例えば,1 000 t)な

どの量基準,又は船倉,貨車,容器,トラックなどの空間基準がある。

サンプリング及び試料調製の一般要件 

4.1 

基本要求事項 

正しいサンプリング計画の基本要求事項は,分析のための小口試料又は大口試料が,ロットの全ての部

分から等しい機会で選ばれることである。この基本要求事項が守られない場合には正確さ及び精度がかな

り低下する。不正確なサンプリング計画では,代表試料を信頼して得ることはできない。

上記の要求事項を満足する最適な試料採取位置は,コンベヤベルトの乗換え点である。ここでは鉱石流

の全流幅を,代表試料を得るように規則的な間隔で手際よく切り取ることができる。

船,貯鉱場,コンテナ及び貯鉱槽からの静置ロットサンプリングは,サンプリング用具が底まで届かず,

鉱石の全断面を抽出することができないため認められない。ロットの全ての部分が等しい機会でサンプリ

ングされないからである。唯一の効果的な方法は,鉱石を船,貯鉱場,コンテナ若しくは貯鉱槽に,又は

それらから搬送するときにベルトコンベヤからサンプリングすることである。

例えば,貨車などの静止した状態からのサンプリングは,サンプリングのために選んだ地点で鉱石の全

層を貫通し,鉱石の全断面を抽出できるスピア[やり(槍)

]形サンプラ又はオーガ[きり(錐)

]形サン

プラのようなサンプリング器具を用い,最大粒度が 1 mm 未満の鉱石に対してだけ許される。

サンプリングは,品質又は数量の周期的変動による偏りのおそれがない場合は,質量基準(6.1)又は時

間基準(6.2)のいずれかによる系統的サンプリングによって行う。周期的変動による偏りのおそれがある

場合は,固定した質量又は時間間隔内で層別ランダムサンプリングを行う(6.3 参照)

サンプリング及び試料調製方法は,サンプリング計画,及び偏りを減少させ許容総合精度を得るのに必

要な手順によって決まる。

水分用試料は,できる限り速やかに処理し,測定試料を調製後,直ちに測定する。直ちに測定できない

ときは,水分の変化が生じないように不浸透性の気密容器に入れ,空間をできるだけ少なくして保管しな

ければならないが,あまり時間的猶予をおくことなく調製するのが望ましい。

4.2 

サンプリング計画の確立 

サンプリング計画を立てる手順は,次による。

a)  採取するロットを明確にする。


4

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b)  最大粒度を確かめる。 
c)  試料の採取場所及びインクリメントの採取方法を決める。

d)  最大粒度,鉱石荷役設備及び試料採取装置を考慮してインクリメントの質量を決める。 
e)  要求精度を指定する。 
f)  JIS M 8707 によってロットの品位変動(

σ

W

)の区分を確かめる。それが不可能な場合は,5.3 に規定

する変動“大”とする。

g)  系統又は層別ランダムサンプリングによって,ロットから採取すべき一次インクリメントの最小必要

個数(n

1

)を決める。

h)  質量基準サンプリングにおいてはトン単位,時間基準サンプリングにおいては分単位で,サンプリン

グ間隔を決める。

i)

質量基準サンプリングの場合には,ほぼ一定質量のインクリメントを採取し,時間基準サンプリング

の場合には,サンプリング時の鉱石流量に比例した質量のインクリメントを採取する。ロットの荷役

が全部終わるまで h)  で決めた間隔でインクリメントを採取する。

j)  試料を兼用するか,又は重用するかを決める。

k)  必要に応じ,インクリメントをまとめて大口試料又は小口試料にする方法を決める。 
l)

縮分,粉砕,混合及び乾燥を含めて試料調製方法を確立する。

m)  粒度用試料及び一部の物理試験用試料を除いて,必要に応じ試料を粉砕する。

n)  水分用試料を除いて,必要に応じ試料を乾燥する。 
o)  最大粒度に見合う縮分後試料の最小質量に従い,質量基準サンプリングの場合は,定量又は比例縮分,

時間基準サンプリングの場合には,比例縮分によって試料を縮分する。

p)  試験試料を調製する。

大口試料又は小口試料から物理試験用試料を調製する場合の質量には,特に注意が必要である(10.1.6.3

参照)

。大口試料又は小口試料の質量が物理試験用試料の調製に必要な量より少ない場合,インクリメント

の個数及び/又は質量を増やし必要量を確保する。この場合,優先順位として,インクリメントの個数を

増やす方が望ましい。

4.3 

システムの検証 

停止ベルトサンプリングは,JIS M 8709 に規定された方法で機械式及び手動サンプリング方法に偏りの

ないことを検証するための,比較試料を採取する基準方法である。偏り試験を実施する前にまず,サンプ

リング及び試料調製システムがこの規格に規定する設計の原理に正しく一致しているかどうか検査しなけ

ればならない。検査は,また,積込み,荷揚げ又はリクレーミングの操作のときに,インクリメントを採

取する段階で品質に周期的変動が生じるかどうかの試験も含める。

これらの周期的変動が生じる品質には,

粒度分布及び水分のような特性を含めることができる。周期的変動があるときは,変動の低減の実現性を

決めるために,変動の原因を調査しなければならない。これが不可能な場合は,層別ランダムサンプリン

グ(6.3)を行わなければならない。

適切な設備点検の要領及びチェックリストの例を,

附属書 に示す。これを用いることによって,サン

プリングシステム又は試料調製システムにある重大な欠陥が直ちに明確になり,高い費用を必要とする偏

り試験を避けることができる。そのためには,サンプリングシステムは,運転が正しく行われているかの

定期的な検証が実施できるように設計し,建設しなければならない。

品位変動及び精度の定期的チェックは,品位変動をモニターし,サンプリング,試料調製及び分析の精


5

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:2016

度を検証するために,JIS M 8707 及び JIS M 8708 に従って行わなければならない。これは,特に,新規

の鉱石の取扱い,新しいサンプリングシステムの設置又は既存のシステムに重要な変更を加えたときに重

要である。

サンプリング及び試料調製の基本事項 

5.1 

偏りの低減 

5.1.1 

一般 

サンプリング及び試料調製においては,偏りの低減が極めて重要である。精度は,より多くのインクリ

メントを採取すること又は測定を繰り返すことによって改善されるが,偏りは,反復測定によって減少さ

せることはできない。したがって,偏りの低減は,精度の改善よりも重要で,できればなくすことが望ま

しい。偏りの原因は,試料のこぼれ,異物混入及びインクリメントの不正確な抽出を含めて,サンプリン

グ及び試料調製システムの正確な設計によって,最初から完全に排除できるものがあるが,水分の変化,

粒度試験のときのダスト損失,粒子の粉化などの要因は低減させることはできても完全に排除することは

できない。

5.1.2 

試料粉化の低減 

粒度分布測定での偏りを低減するには,粒度測定用試料の粉化の低減が肝要である。粒度測定のために

試料の粉化を防止するには,鉱石の自由落下距離を最小にすることが重要である。

5.1.3 

インクリメントの採取 

インクリメントは,粒度,質量及び密度に関係なく,ロットの全ての部分が,選ばれる機会が等しくな

るような方法で,分析の最終試料を採取することが重要である。この要求が満たされないと,偏りが容易

に生じる。このためサンプリング及び試料調製システムは,次の設計要求事項を満たすように設計しなけ

ればならない。

a)  搬送中の鉱石流からサンプリングする場合,鉱石流の全断面を採取しなければならない(7.5 参照)。

b)  サンプルカッタの開口部の幅は,鉱石の最大粒度の少なくとも 3 倍,又は一次サンプリングでは 30 mm

若しくはそれ以降の工程では 10 mm の,いずれか大きい方でなければならない(7.5.4 及び 7.6 参照)

c)  サンプルカッタの速度は,カッタ幅が,粒度に応じて拡大できない限り,0.6 m/s を超えてはならない

7.5.5 参照)

d)  サンプルカッタは,一定の速度で鉱石流の中を移動しなければならず(7.5.3 参照),カッタの両縁は,

移動の開始前及び終了後の停止位置において鉱石流から離れていなければならない。

e)  サンプルカッタの先端は,直進形サンプラでは平行,旋回形カッタでは放射状でなければならず(7.5.3

参照)

,摩耗してもその形状を保持しなければならない。

f)  水分の変化,ダスト損失及び試料中への異物混入は,避けなければならない。

g)  鉱石の粉化を低減し,粒度分布の偏りを最小にするために,自由落下距離をできる限り小さくしなけ

ればならない。

h)  一次カッタは,その地点以降の粉化の影響を低減するために,積込み又は荷役の地点にできるだけ近

い場所に位置しなければならない。

i)

貨車積みの最大粒度が 1 mm 未満の鉱石をサンプリングする場合は,全層を抽出しなければならない

8.2 参照)

サンプリングシステムは,サンプリングする鉱石の最大粒度及び流量に適応するように設計しなければ

ならない。サンプリング及び試料調製システムの詳細な設計要求事項は,箇条 7∼箇条 10 に規定する。


6

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5.1.4 

インクリメントの質量 

偏りのない試料を得るために必要なインクリメントの質量は,代表的なサンプリングの状態について計

算することができる[式(1)∼式(3)参照]

。計算した質量と実際のインクリメントの質量との比較は,サン

プリングシステムの設計及び運転のチェックに有用である。有意な差がある場合は,その原因を特定し,

問題点の是正処置をとらなければならない。

5.1.4.1  落下流サンプリングのインクリメントの質量 

カッタ形一次サンプラを用いて鉱石流からコンベヤベルトの落口において,機械的に又は手動で採取さ

れるインクリメント質量[m

1

(kg)

]は,次の式(1)による。

C

1

1

6

.

v

ql

  (1)

ここに,

q: コンベヤベルト上の鉱石流量(t/h)

l

1

一次サンプラのカッタ幅(m)

v

C

一次サンプラのカッタ速度(m/s)

偏りを避けながら採取することのできるインクリメントの最小質量は,

7.5.4

で規定するカッタの最小幅

及び

7.5.5

で規定するカッタの最大速度によって決まる。

実際上の理由で,例えば,塊鉱石の場合,カッタの幅は鉱石の最大粒度の 3 倍以上が必要である。

5.1.4.2  停止ベルトサンプリングのインクリメント質量 

停止ベルトから手動で採取されるインクリメントの質量[m

1

(kg)

]は,コンベヤ上の鉱石の全断面の

質量に等しく,次の式(2)による。

B

2

1

6

.

v

ql

  (2)

ここに,

q: コンベヤベルト上の鉱石流量(t/h)

l

2

コンベヤベルトから採取される鉱石の横断面の流れ方向の長
さ(m)

v

B

コンベヤベルトの速度(m/s)

偏りを避けながら採取することのできるインクリメントの最小質量は,コンベヤから採取される鉱石の

最小の長さ,すなわち,3によって決まる。ここに,は鉱石の最大粒度(mm)で,一次カッタの採取

試料では,最小 30 mm,それ以降の工程では,最小 10 mm とする。

5.1.4.3  スピア形サンプラ又はオーガ形サンプラによる手動サンプリングのインクリメント質量 

ロットの貨車からスピア形サンプラ又はオーガ形サンプラを用いて採取されるインクリメントの質量

m

1

(kg)

]は,次の式(3)による。

000

4

π

2

3

1

L

l

m

ρ

  (3)

ここに,

ρ: 鉱石(最大粒度 1 mm 未満)のかさ密度(t/m

3

l

3

スピア形サンプラ又はオーガ形サンプラの直径(mm)

L: 貨車中の鉱石の深さ(m)

偏りを避けながら採取することのできるインクリメントの最小質量は,スピア形サンプラ又はオーガ形

サンプラの最小直径,すなわち,30 mm によって決まる。

このインクリメント抽出方法は,最大粒度 1 mm 未満の鉱石のサンプリングだけに適用できる。

5.2 

総合精度 

この規格は,ロットの全鉄分,シリカ分,アルミナ分,りん分,水分及び粒度区分の値に対して,信頼


7

M 8702

:2016

率 95 %で

表 1

の総合精度(

β

SPM

)を達成できるように設計している。

必要があれば,より高い精度を採用してもよい。精度は,

JIS M 8708

による。

表 1

総合精度(

β

SPM

 

単位  質量分率(%)

品質特性

総合精度(

β

SPM

ロット質量

t

270 000

超え

210 000

超え

270 000

以下

150 000

超え

210 000

以下

100 000

超え

150 000

以下

70 000

超え

100 000

以下

45 000

超え

70 000

以下

30 000

超え

45 000

以下

15 000

超え

30 000

以下

 

15 000

以下

全鉄分

0.34 0.35 0.37 0.38 0.40 0.42 0.45 0.49 0.55

シリカ分

a)

0.34 0.35 0.37 0.38 0.40 0.42 0.45 0.49 0.55

アルミナ分

a)

 0.11

0.12

0.12

0.13

0.14 0.15 0.16 0.18 0.20

りん分

a)

0.003 4 0.003 5 0.003 6 0.003 7 0.003 8 0.004 0  0.004 2  0.004 5 0.004 8

水分

0.34 0.35 0.37 0.38 0.40 0.42 0.45 0.49 0.55

粒度

−200 mm 鉱石

−10 mm 区分

(平均 20 %)

3.4 3.5 3.6 3.7 3.9 4.0 4.2 4.4 5.0

−50 mm 鉱石

− 31.5 + 6.3 mm
鉱石

−6.3 mm 区分 
(平均 10 %)

1.7 1.75 1.8 1.85 1.95 2.0 2.1 2.2 2.5

焼結用粉鉱

+6.3 mm 区分 
(平均 10 %)

ペレット用粉鉱  −45

μm 区分

(平均 70 %)

ペレット

−6.3 mm 区分

(平均 5 %)

0.68 0.70 0.72 0.74 0.78 0.80 0.84 0.88 1.00

a)

  シリカ分,アルミナ分及びりん分の総合精度は,参考値である。

注記

表 1

以外の物理特性及び冶金特性は,鉱石の輸送工程及び還元工程での状態を示すもので,こ

の規格では総合精度については規定していない。

総合精度(

β

SPM

)は式(4)∼式(6)に示されるように,サンプリング,試料調製及び測定の標準偏差を合成

したもので,サンプリング,試料調製及び測定の総合標準偏差(

σ

SPM

)の 2 倍であり,質量分率(%)で

表示する。

2

M

2

P

2

S

SPM

σ

σ

σ

σ

   (4)

2

M

2

P

2

S

SPM

SPM

2

2

σ

σ

σ

σ

β

  (5)

1

W

S

n

σ

σ

  (6)

ここに,

σ

S

サンプリングの標準偏差

σ

P

試料調製の標準偏差

σ

M

測定の標準偏差

σ

W

鉱石の品位変動

n

1

一次インクリメントの数


8

M 8702

:2016

式(4),式(5)及び式(6)は,層別サンプリングの理論に基づいている(詳細は,

附属書 B

参照)

。ロットか

ら採取する一次インクリメント数は,所要のサンプリング精度及び採取する鉱石の品位変動によって変わ

る。

したがって,一次インクリメント数の決定に当たっては,次の事項を明確にしなければならない。

a)

  所要のサンプリング精度,

β

S

b)

  採取する鉱石の品位変動,

σ

W

オンラインの試料調製が試料調製場所から離れたサンプリングプラント内で行われる場合は,サンプリ

ングと試料調製との区別が不明確になる。オンライン試料調製の精度は,サンプリング精度又は試料調製

精度のいずれかに含まれる。いずれの精度に入るかは,一次サンプリング精度から二次及び三次サンプリ

ング精度の分離ができるかによる。

試料調製は,いずれの場合でも次工程への代表試料を選別する作業なので,サンプリング作業を含んで

いることになる。

最も厳密な解析は,サンプリングの標準偏差を各サンプリング段階で分解することで,式(4)は次の式(7)

になる。

2

M

2

P

2

3

S

2

2

S

2

1

S

SPM

σ

σ

σ

σ

σ

σ

  (7)

ここに,

σ

S1

一次サンプリングの標準偏差

σ

S2

二次サンプリングの標準偏差

σ

S3

三次サンプリングの標準偏差

この解析方法を用いて,各サンプリング段階の精度が別々に測定されて適正化されることによって,最

適なサンプリング及び試料調製システムが得られる。

5.3 

品位変動 

品位変動(

σ

W

)は,ロットの不均質さを表す値であり,系統サンプリングを質量基準で行う場合には,

層内インクリメントの品質特性の標準偏差である。品位変動を決めるために選ぶ特性値は,全鉄分,シリ

カ分,アルミナ分,りん分,水分及び粒度である。

σ

W

は,それぞれの鉱石の種類又は銘柄ごと,及び通常の稼働状態における荷役設備ごとに

JIS M 8707

による実験によって求めなければならない。鉱石の品位変動の大きさは,

表 2

の 3 種類に区分する。時間

基準サンプリングの場合は,コンベヤベルト上の鉱石流量が均一ならば,質量基準サンプリングの場合と

同様に

JIS M 8707

を適用することができる。

品位変動の大きさが不明の鉱石に対しては,速やかに

JIS M 8707

に従って実験を行い,品位変動区分を

決定しなければならない。この場合,品位変動区分は次による。

a)

  当該鉱石又は類似の鉱石に対して,品位変動区分の情報がない場合は,区分を“大”とする。

b)

  類似の鉱石に対して,品位変動区分の情報がある場合は,その区分から始める。

化学成分,水分,粒度用試料などを別々に採取する場合には,特性値ごとの品位変動区分を適用する。

表 2

以外の,物理特性及び冶金特性用の試料を別々に採取する場合には,区分“大”を適用する。

試料を一つ以上の品位特性値を測定するために用いる場合は,それらの品位特性の中の最も大きな品位

変動区分を適用する。

品位変動区分の決定方法は,

附属書 JA

による。


9

M 8702

:2016

表 2

品位変動(σ

W

)の大きさの分類 

単位  質量分率(%)

品質特性

品位変動(

σ

W

)区分

全鉄分

σ

W

≧2.0

2.0>

σ

W

≧1.5

σ

W

<1.5

シリカ分

σ

W

≧2.0

2.0>

σ

W

≧1.5

σ

W

<1.5

アルミナ分

σ

W

≧0.6

0.6>

σ

W

≧0.4

σ

W

<0.4

りん分

σ

W

≧0.015

0.015>

σ

W

≧0.011

σ

W

<0.011

水分

σ

W

≧2.0

2.0>

σ

W

≧1.5

σ

W

<1.5

粒度

−200 mm 鉱石

−10 mm 区分(平均 20 %)

σ

W

≧10

10>

σ

W

≧7.5

σ

W

<7.5

−50 mm 鉱石

−31.5+6.3 mm 鉱石

−6.3 mm 区分(平均 10 %)

σ

W

≧5

5>

σ

W

≧3.75

σ

W

<3.75

焼結用粉鉱

+6.3 mm 区分(平均 10 %)

ペレット用粉鉱

−45

μm 区分(平均 70 %)

σ

W

≧3

3>

σ

W

≧2.25

σ

W

<2.25

ペレット

−6.3 mm 区分(平均 5 %)

5.4 

サンプリング精度及び一次インクリメントの個数 

5.4.1 

質量基準サンプリング 

品位変動(

σ

W

)の値が既知の場合は,一次インクリメント個数(n

1

)は,所要のサンプリング精度(

β

S

を用いて,式(8)で求める。

2

S

W

1

2





β

σ

n

   (8)

これは,一次インクリメント個数を決定する望ましい方法である。ただし,

σ

W

の値を

表 2

の“大”

“中”

又は“小”として区分する場合,

表 3

に示すサンプリング精度(

β

S

)を満たすために必要なインクリメン

トの最小必要個数は,

表 3

から求めることができる。理論的背景は,

附属書 B

による。

表 3

では,精度に

対しサンプリング費用など経済性の観点からロットの大きさが小さくなるに従って,所要の精度を緩和し

ている。

品位変動区分が“大”の鉱石で,小ロットにおいて式(8)で規定するインクリメント数を確保できない場

合は,受渡当事者間の協定によって,採取可能な最大のインクリメント数を採取する。ただし,小口試料

の数及び測定回数を増やすなどの対応によってサンプリングの精度の低下分を補償し,必要な総合精度

β

SPM

)を満足するよう努めなければならない。


10

M 8702

:2016

表 3

サンプリング精度(

β

S

)を満足させるのに必要なインクリメントの最小必要個数[n

1

a)

]の例 

ロットの質量

(1 000 t)

サンプリング精度(

β

S

質量分率(%)

一次インクリメント個数

n

1

超え

以下  全鉄分,

シリカ分

又は水分

アルミ

ナ分

りん分  −200 mm 又

は − 50 mm

鉱 石 の − 10 
mm 区分

−31.5 mm 鉱
石の−6.3 mm

区分,焼結用

粉 鉱 の + 6.3 
mm 区分

ペレット用粉
鉱の−45

μm

区分,ペレッ

トの−6.3 mm
区分

品位変動区分

270

− 0.31  0.09

0.002

3  1.55

0.77

0.47

260 130 65

210 270  0.32

0.09  0.002

4

1.61

0.80

0.48

240  120  60

150 210  0.34

0.10  0.002

5

1.69

0.84

0.51

220  110  55

100 150  0.35

0.10  0.002

6

1.77

0.88

0.53

200  100  50

70 100  0.37

0.11  0.002

7

1.86

0.92

0.56

180  90  45

45 70  0.39  0.11 0.002

9  1.98

0.98

0.59

160  80  40

30 45  0.42  0.12 0.003

1  2.11

1.05

0.63

140  70  35

15 30  0.45  0.13 0.003

4  2.28

1.13

0.68

120  60  30

0 15  0.50  0.14 0.003

7  2.50

1.24

0.75

100  50  25

a)

  サンプリング精度を変えるために,n

1

の値を変えてもよい。例えば,n

1

を 2 倍にすると

β

S

71

.

0

2

/

1

=

倍よ

くなり,n

1

を半分にすると

β

S

4

.

1

2

=

倍悪くなる。

5.4.2 

時間基準サンプリング 

一次インクリメントの最小必要個数は,式(8)によるが,

表 3

を用いてもよい。その他の要領は,

5.4.1

に準じる。

5.5 

試料調製精度及び総合精度 

5.5.1 

一般 

試料調製精度は,調製方法の選択に左右される。しかし,試料調製をまずインクリメントごと又は小口

試料ごとにある適切な段階まで行い,その後に大口試料にまとめると精度は向上する。

粒度測定及びそれ以外の物理試験の試料調製・測定精度(

β

PM

)は,鉱石の種類ごとにそれぞれ

表 5

及び

表 6

に規定する数値以内とする。

β

PM

の測定は,

JIS M 8708

の方法 1 及び方法 2 による。

縮分及び測定を大口試料,小口試料ごと又はインクリメントごとに行う場合,総合標準偏差(

σ

SPM

)は,

5.5.2

5.5.4

による。

5.5.2 

大口試料の調製及び測定 

全インクリメントを集めてロットの大口試料を調製し大口試料について n

2

回測定した場合,総合標準偏

差は式(9)による。

2

2

M

2

P

2

S

2

SPM

n

σ

σ

σ

σ

   (9)

ここに,

σ

P

大口試料から試験試料を調製する調製標準偏差

5.5.3 

小口試料の調製及び測定 

同じ数のインクリメント個数からなる小口試料 n

3

個を調製し小口試料ごとに n

2

回測定した場合,総合標

準偏差は式(10)による。

3

2

2

M

2

P

2

S

2

SPM

)

/

(

n

n

σ

σ

σ

σ

  (10)

ここに,

σ

P

小口試料から試験試料を調製する調製標準偏差

さらに,上記 n

3

個の小口試料を別々に調製し,適切な段階(例えば,10 mm 以下)でまとめて大口試料


11

M 8702

:2016

を作り,この大口試料について n

2

回測定した場合,総合標準偏差は式(11)による。

2

2

M

2

2

P

3

2

1

P

2

S

2

SPM

n

n

σ

σ

σ

σ

σ

  (11)

ここに,

σ

P1

大口試料に集める前の各小口試料の調製標準偏差

σ

P2

大口試料から試験試料を調製する調製標準偏差

5.5.4 

各インクリメントの調製及び測定 

インクリメントごとに n

2

回測定した場合,総合標準偏差は式(12)による。

1

2

2

M

2

P

2

S

2

SPM

)

/

(

n

n

σ

σ

σ

σ

  (12)

ここに,

σ

P

インクリメントから試験試料を調製する調製標準偏差

n

1

一次インクリメントの個数

さらに,全てのインクリメントを別々に調製し,適切な段階(例えば,10 mm 以下)でインクリメント

をまとめて大口試料を作り,この大口試料について n

2

回測定した場合,総合標準偏差は式(13)による。

2

2

M

2

2

P

1

2

1

P

2

S

2

SPM

n

n

σ

σ

σ

σ

σ

   (13)

ここに,

σ

P1

大口試料に集める前の各インクリメントの調製標準偏差

σ

P2

大口試料から試験試料を調製する調製標準偏差

注記

  各試料調製段階は,それぞれ独自の変動があるので,全変動は各段階の変動より大きくなる。

これらの試料調製段階でより多量の試料を採ることが望ましく,これに伴うコストの増加はあ

まり大きくならないであろう。このことは,試料調製計画を最も効果的にしようとするときに

考慮する必要がある。

サンプリング方法 

6.1 

質量基準サンプリング 

6.1.1 

インクリメント質量 

インクリメントは,

“ほぼ一定の質量”

で採取しなければならない。

すなわち,

インクリメントの質量は,

変動係数で 20 %未満でなければならない。変動係数(CV)は,インクリメントの質量の平均値( )に

対する標準偏差(

σ

mass

)の比と定義され,式(14)によって百分率で表す。

m

CV

mass

100

σ

  (14)

例えば,インクリメントの平均質量が 100 kg であるときは,インクリメントの 95 %が 60 kg∼140 kg の

間で変化し,平均が 100 kg でなければならない。

したがって,試料の採取方法又は採取した試料を計量し,縮分する方法のいずれかによって,インクリ

メントの質量がほぼ一定になるような対策を講じなければならない。

一定質量のインクリメントを得るために,次の手段の一つ以上をとらなければならない。

a)  ベルト上の鉱石流量に比例してインクリメントごとにカッタ速度を変更することが可能な,可変速カ

ッタの採用。

b)  鉱石流量の変動を低減するための,サンプリング場所に至るまでのコンベヤベルト上の鉱石流量の制

御。

c)  一定でない質量のインクリメントを捨て,直ちに一次サンプラを再起動させる装置の設置。


12

M 8702

:2016

インクリメントの質量のばらつきが変動係数で 20 %以上の場合には,インクリメントごとに縮分して

(縮分基準に基づく)

,品質特性を測定しなければならない。代わりに,各インクリメントを縮分の適切な

段階でほぼ一定質量に縮分し,これらを集めて小口試料又は大口試料にまとめてもよい(10.2.2.1 参照)

6.1.2 

品位変動 

品位変動は,JIS M 8707 に従って実験によって求めるのがよい。

6.1.3 

一次インクリメントの個数 

一次インクリメントの個数は,5.4.1 による。

6.1.4 

採取間隔 

インクリメントの採取質量間隔[

Δm(t)]は,式(15)による。

1

L

n

m

Δ

   (15)

ここに,

m

L

ロットの質量(t)

n

1

5.4.1 の一次インクリメントの個数

すなわち,インクリメントの採取質量間隔

Δ

は,5.4.1 の一次インクリメントの最小必要個数を確保す

るため,式(15)の右辺による計算値以下でなければならない。

6.1.5 

インクリメントの採取方法 

各インクリメントは,鉱石の全流幅を採取するために,サンプラによって 1 度に 1 動作,又は 1 サイク

ルで採取する。鉱石粒子の粉化をできるだけ少なくして,粒度分布の偏りを最小にするために,インクリ

メントの自由落下距離をできる限り小さくしなければならない。

注記 1  1 サイクルには,鉱石の流れを切る往復採取を含む。

注記 2  停止ベルトサンプリングで,鉱石の流れの全流幅を採取することもできる。

最初のインクリメントの採取時期は,荷役開始後の最初の採取質量間隔内で,ランダムに決めた質量を

荷役した時点とする。

それ以降は,ロットの荷役が終わるまで 6.1.4 で決めた一定質量間隔でインクリメントを採取する。

試料の質量が試験(粒度試験,物理試験など)に必要な質量より少ないときは,採取するインクリメン

トの数及び/又は質量を増やさなければならない。

カッタは次の 2 種類とし,いずれも一次サンプラとして用いてもよい。

a)  ロットの荷役期間中,採取速度が一定の定速カッタ。 
b)  試料採取時のカッタ速度は一定であるが,コンベヤベルト上の鉱石流量に従ってインクリメントごと

に,その速度を調節可能な可変速カッタ。

サンプリングは,荷役設備にできるだけ近い場所,できれば計量地点の直前又は直後で行う。

6.2 

時間基準サンプリング 

6.2.1 

インクリメント質量 

インクリメントの質量は,試料採取時の鉱石流量に比例しなければならない。

試験試料を各インクリメント又は小口試料から調製するときは,ロットの品質特性の加重平均を求める

ために各インクリメント又は小口試料の質量を量っておかなければならない。または,試料が代表する鉱

石の質量を,加重平均を得るために用いてもよい。

6.2.2 

品位変動 

鉱石流量の変動が変動係数で 20 %未満の場合は,JIS M 8707 を用いて品位変動の近似値を求める。


13

M 8702

:2016

6.2.3 

一次インクリメントの個数 

一次インクリメントの個数は,5.4.2 による。

6.2.4 

採取間隔 

インクリメントの採取時間間隔[

Δ

t(min)]は,式(16)による。

1

max

L

60

n

q

m

Δ

   (16)

ここに,

m

L

ロットの質量(t)

q

max

コンベヤベルト上の鉱石の最大流量(t/h)

n

1

5.4.2 の一次インクリメントの個数

すなわち,インクリメントの採取時間間隔

Δ

は,5.4.2 の一次インクリメントの最小必要個数を確保する

ため,式(16)の右辺による計算値以下でなければならない。

6.2.5 

インクリメントの採取方法 

各インクリメントは,鉱石の全流幅を採取するために,サンプラによって 1 度に 1 動作,又は 1 サイク

ルで採取する。鉱石粒子の粉化をできるだけ少なくして,粒度分布の偏りを最小にするために,インクリ

メントの自由落下距離をできる限り小さくしなければならない。

注記 1  1 サイクルには,鉱石の流れを切る往復採取を含む。

注記 2  停止ベルトサンプリングで鉱石の流れの全流幅を採取してもよい。

最初のインクリメントの採取時期は,荷役開始後の最初の採取時間間隔内でランダムに決める。

それ以降は,ロットの荷役が終わるまで,6.2.4 の一定時間間隔でインクリメントを採取する。

試料の質量が試験(粒度試験,物理試験など)に必要な質量より少ないときは,採取時間間隔を短くす

る。

ロットの荷役期間中,採取速度が一定の定速カッタを一次サンプラとして用いる。

サンプリングは,荷役設備にできるだけ近い場所,できれば計量地点の直前又は直後で行う。

6.3 

固定質量間隔又は固定時間間隔内での層別ランダムサンプリング 

6.3.1 

一般事項 

サンプリングは,質量基準(6.1)又は時間基準(6.2)による系統サンプリングによって行う。しかし,

計画された採取間隔の倍数とほぼ等しい周期で質的又は量的に周期的変動が生じるときには,固定質量又

は時間間隔内での層別ランダムサンプリングを行うのがよい。

層別ランダムサンプリングの性質上,連続したインクリメントを空間的に又は時間的に接近して採取す

ることがあるので,サンプリングシステムは,二つのインクリメントを連続してすばやく取り扱うように

設計しなければならない。

6.3.2 

固定質量間隔 

固定質量間隔内での層別ランダムサンプリングは,質量間隔をセットした場合に,その質量間隔内で 1

個の一次インクリメントをランダムに採取するようにサンプルカッタをプログラムする。ただし,それ以

外は 6.1 の規定による。

プログラムは,乱数発生器を用いて行う。乱数発生器は,6.1.4 で決定した所定の質量間隔内で質量乱数

を与えることができるもので,発生した質量数に対応する質量でサンプルカッタを動かすことができる。

6.3.3 

固定時間間隔 

固定時間間隔内での層別ランダムサンプリングは,時間間隔をセットした場合に,その時間間隔内で一

個の一次インクリメントをランダムに採取するようにサンプルカッタをプログラムする。ただし,それ以


14

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外は 6.2 の規定による。

プログラムは,乱数発生器を用いて行う。乱数発生器は,6.2.4 で決定した所定の時間間隔内で時間乱数

を与えることができるもので,発生した時間数に対応する時間でサンプルカッタを動かすことができる。

鉱石流からの試料採取 

7.1 

一般事項 

ここでは,鉱石流からの試料採取及び試料調製システムの設計並びに操業の指針として,基本的要求事

項及び代表的な例を,記載する。これらの要求事項は,システムの運転及び維持の間だけでなく設計及び

工事の初期段階から,考慮しなければならない。

この規格では,鉱石流の幅の一部だけを採取するサンプルカッタは,設計的に不備であり,代表試料を

得ることができず,有意な誤差が生じるおそれがあるため,鉱石流の全流幅から試料を採取するサンプル

カッタを用いる。

サンプリングシステムを一貫した設備として建設,又は運転することは重要なことではない。主要なユ

ニット,又はユニットの組合せは機械運転し,いずれかの段階で手動運転と組み合わせて,試料採取及び

試料調製システムを形成してもよい。手動サンプルカッタは,7.2 の安全性を考慮すれば使用できる。

サンプリングシステムは,インクリメントの質量,インクリメントの個数,質量基準,時間基準の採取

間隔及び層別ランダムサンプリングを規定した箇条 及び箇条 の要求事項に従って運転する。

ロットからの試料採取及び試料調製の全工程にわたり,

常に試料採取調製装置を監視するのが望ましい。

装置の故障又は装置が機能しない場合は,直ちに手動方法に切り換える。

注記  手動によって採取した試料は,機械によって採取した試料とは別に処理するのがよい。

積地でのサンプリングの後,及び揚地でのサンプリングの前に,品質が変化しないように注意しなけれ

ばならない。発じん防止のために積荷に散水した場合及びロットから水を排出した場合は,JIS M 8705 

よって水分の補正をしなければならない。

7.2 

運転の安全 

サンプリングシステムの設計及び建設の初期段階から,運転者の安全については十分考慮し,各地方又

は国家の安全規則に従わなければならない。

コンベヤベルトの速度が速い場合,又は荷役流量が多い場合の試料採取は,機械式サンプラによるのが

望ましい。停止ベルトサンプリング以外の手動による試料採取は,サンプリング作業者にとって危険であ

る。

7.3 

サンプリング装置の堅ろう性 

試料採取及び調製装置は,それぞれの条件の下で所要の機能を常に発揮できるよう堅ろうに設計建設す

る。

装置の故障又は特別な鉱石(例えば,著しく粘着する鉱石)に対して,装置が不適切な場合には,代替

のサンプリング方法を適用できるようにしておくのが望ましい。例えば,手動による試料調製ができるよ

うに,一次サンプラで採取したインクリメントを,あらかじめ準備した装置(短いコンベヤ,コンクリー

トパッド又は受入れトラック)でバイパスさせてもよい。

機械式サンプリングシステムは,故障が発生したとき,装置の修理ができるように,その主要部分を別々

に運転できるように設置しておくのが望ましい。

7.4 

サンプリングシステムの機能 

試料採取及び調製システムの設計に当たっては,次の事項を考慮しなければならない。


15

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a)  鉱石の種類,品質特性並びに試料採取及び試料調製の所要精度。 
b)  偏りを生じないことなど。

インクリメントの質量及び個数は,規定精度及び試験の必要質量を満足させるために,それぞれ 5.1.4

及び 5.4 による。

粒度用試料は,粉砕前に採取する。

箇条 の一般手順を満たす場合は,インクリメントを重用してもよい。粒度試験に供した試料を他の特

性の試験に用いる場合は,各粒度区分の試料を十分に混合した後に調製する。

装置は,日常作業と併行して確認実験を行うことができるように設計しなければならない。試料採取装

置は,JIS M 8707 による品位変動の決定及び JIS M 8708 によるサンプリングの精度のチェックのために

インクリメントを交互に集め,対の試料 A 及び試料 B を作る機能をもつことが望ましい。

JIS M 8708 によってサンプリングの精度をチェックするには,一次サンプラは,ロットから少なくとも

n

1

個の 2 倍のインクリメントを採取できるようにすることが望ましい。これらの設計の主要点が満たされ

ている場合,サンプリングの精度は,通常のサンプリング作業の一部として JIS M 8708 に従って,日常的

に測定することが望ましい。

7.5 

一次サンプラ 

7.5.1 

設置場所 

一次サンプラは,ロットの全量から試料を採取できる場所に設置する。サンプラは,計量器の直前又は

直後で荷役設備に最も近い箇所に設置するのがよい。

7.5.2 

一次サンプラの形式 

サンプラには,形式及び作動の方法が異なる幾つかの種類がある。最も広く採用されているのは,コン

ベヤベルトの落口に設置され,鉱石の全流幅を一定の速度で横切りながらインクリメントを採取するよう

に組み立てられたカッタ形一次サンプラである。

インクリメントは,機械式サンプルカッタを用いて落口から採取するのが望ましいが,鉱石の流量が非

常に少ない場合は手動式カッタを用いてもよい(7.2 参照)

機械式カッタ形サンプラの例を

図 に,手動式サンプルカッタの例を図 に示す。


16

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a)  カッタシュート形 

b.1) b.2) 

b)  カッタバケット形 

c.1) c.2) 

c.3) 

c)  スイングアーム形 

図 1−機械式カッタ形サンプラの例 


17

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図 2−手動式サンプルカッタの例 

7.5.3 

一次サンプラの一般的設計事項 

一次サンプラは,偏りが生じないように,次の設計基準を満たさなければならない。

a)  試料があふれたり,こぼれたりせず,また,微粉の損失があってはならない。 
b)  最大流量のときに,サンプルカッタを通る試料の流れを妨げてはならない。 
c)  バケット形カッタでは,鉱石の最大流量のときに,採取したインクリメントの全量を収容できる十分

な大きさでなければならない。

d)  サンプラは,自浄式のもので,サンプルカッタ中に試料が詰まったり残ったりしてはならない。 
e)  汚染又はサンプルカッタへの試料以外のものの混入があってはならない。

f)  インクリメントを採取している間に,試料の品質が変化してはならない。例えば,粒度用試料につい

ては粉化,水分用試料については水分の変化が起きてはならない。

g)  サンプルカッタは,その前縁及び後縁が鉱石流を横切る 1 動作において,鉱石の全流幅を採取できな

ければならない。

h)  サンプルカッタは,鉱石の流れに垂直な面か,又は平均軌跡に対して直交するような円弧に沿って流

れを切ることができなければならない。

i)

サンプルカッタは,鉱石の流れのいずれの点においても,±5 %以上逸脱しない一定の速度で走行す

ることができなければならない。

j)  カッタの開口部の形状は,流れのいずれの点においても,±5 %以上逸脱しない同じ時間で流れを横

断することができなければならない。例えば,直線走行カッタは並行縁を,また,扇形カッタは,扇

形縁をもたなければならない。

k)  カッタの開口面は,垂直又は垂直に近いものであってはならない。

機械式サンプリングシステムのチェックリストの一例を,

表 A.1 に示す。

7.5.4 

一次サンプラのカッタの開口間隔 

一次サンプラのカッタの開口部の幅(

図 の l

1

)は最大粒度の 3 倍以上又は 30 mm のいずれか大きい方

とする。ただし,ある種の鉱石(例えば,粘着鉱石)の場合は,開口部の幅が最大粒度の 3 倍以上あって

も詰まりを起こし,偏りを生じるおそれがある。このような場合には,偏りが生じないように,カッタの

開口部の幅を広げなければならない。


18

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7.5.5 

一次サンプラのカッタ速度 

6.1.5 及び 6.2.5 に規定する一次サンプラのカッタは,インクリメントを採取している間は±5 %を超えな

い一定の速度で走行するように設計しなければならない。

カッタの速度は,機械式サンプリングシステムを設計する上で最も重要なパラメータの一つである。速

すぎるカッタ速度は,次の害がある。

a)  大きな粒子をカッタの外へそらせることによる試料の偏り。 
b)  粒子のカッタ内への跳返りによる試料の偏り,及び過剰の空気の乱れによるダストの偏り。 
c)  衝撃荷重の問題及び鉱石流をカットする間の,一定速度の維持の困難性。

P. Gy

1)

  が行った落下流カッタの実験は,粒度分布が非常に狭く,ベルト上に少量載っている非均質鉱石

流のサンプリングの場合,カッタ速度が 0.6 m/s を超えるか,又はカッタ開口部幅が鉱石の最大粒度の 3

倍未満の場合に有意な偏りを生じたことを示している。

この事実に基づいて,カッタ幅(l

1

)が鉱石の最大粒度の 3 倍に等しいカッタは,有意な偏りが生じな

いように,カッタ速度は 0.6 m/s を超えてはならない。

有効カッタ幅(l

1

)が最大粒度(d)の 3 倍を超えるカッタは,式(17)に従って最大カッタ速度(v

c

)を増

加させることができるが,最大値は 1.5 m/s とする。

d

l

v

3

1

3

.

0

1

c

   (17)

規定する最大カッタ速度を超える場合は,JIS M 8709 に従って実験を行い,有意な偏りがないことを確

めて適用してよい。

1)

  P. Gy, Sampling of particulate materials−Theory and practice. Amsterdam: Elsevier, 1982.

7.6 

二次及びそれ以降のサンプラ 

二次及びそれ以降のサンプラの設計・運転に対する要求事項は,一次サンプラに対する 7.5.27.5.5 の規

定と同じとする。

サンプルカッタの開口部の幅は,最大粒度の 3 倍以上又は 10 mm のいずれか大きい方とする。

7.7 

オンライン試料調製 

7.7.1 

試料調製装置の配置 

試料調製設備は,

箇条 10 によってインクリメント,

小口試料又は大口試料を調製できるように設計する。

一次インクリメントの処理装置は,一次試料採取場所から粒度試験装置又は粒度若しくはその他の物理

特性用試料の調製装置に至るまで,試料の粉化が起きないように十分注意して設計する。乗り継ぎ箇所の

数及びその落差は,できるだけ小さくする。

試料採取及び試料調製装置は,一体化するか,又は別々にしてもよい。一体化した場合は,試料調製装

置は,同一特性についての連続 2 個のインクリメントの採取時間間隔より短い時間内でインクリメントを

処理できなければならない。

試料調製装置は,試料を所定の粒度に粉砕することができ,更に,偏りなく試料を所要の質量に縮分で

きなければならない。

粉砕及び縮分の装置は,試料が激しい空気流にさらされないように遮断する。また,微粉及び水分の損

失を防ぐため,装置内を循環する空気をできるだけ少なくする。

試料調製装置に,−160

μ

m 又は−100

μ

m への粉砕装置を組み込めない場合は,この段階の粉砕操作を

別に分けて行ってもよい。


19

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7.7.2 

粉砕機 

破砕,磨砕又は微粉砕の各段階で所定の最大粒度の試料を得るためには,装置を調節して,ふるい上に

試料が残らないようにしなければならない。

7.7.3 

縮分機 

縮分機の例を,次に示す。

a)  カッタシュート形縮分機[構造は,図 1 a)  の一次サンプラと同じ] 
b)  スロットベルト形縮分機[図 3 a)  参照] 
c)  チェーンバケット形縮分機[図 3 b)  参照] 
d)  ロータリコンテナ形縮分機[図 3 c)  参照] 
e)  ロータリプレート形縮分機[図 3 d)  参照] 
f)  ロータリカッタ形縮分機[図 3 e)  参照] 
g)  シュート形縮分機[図 3 f)  参照] 
h)  スナイダ形縮分機[図 3 g)  参照] 
i)

メカニカルチャージリッフル

偏りが生じないように,縮分機はランダムスタートとする。この場合のカッタの作動は,乱数発生器に

よってフィーダの作動と連動させるのがよい。乱数発生器の作る乱数の時間範囲を,採取時間間隔と等し

くすれば,最初の採取時間間隔内でのカット(インクリメント)は,均等な確率で採取することになる。

定量縮分に用いる乱数発生器には,特別な設計上の注意が必要である。それは,縮分するインクリメン

ト又は小口試料ごとの採取間隔が異なり,タイマの乱数選択装置の作動時間範囲を各縮分試料ごとに制御

された採取間隔に合致するように手動又は自動的に調整しなければならないためである。

このような要求事項に合致しないときは,偏りを最小にするために,規定最小カット数よりもかなり多

い数を採らなければならない。

縮分の各段階では,縮分機に定量給鉱する装置を付けることが望ましい。カッタ幅は,7.5.4 の規定に従

い,カッタ速度は一定とする(7.5.3 及び 7.5.5 参照)

a)  スロットベルト形縮分機 b)  チェーンバケット形縮分機 

図 3−縮分機の例 


20

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c)  ロータリコンテナ形縮分機 d)  ロータリプレート形縮分機 

e)  ロータリカッタ形縮分機 f)  シュート形縮分機 

図 3−縮分機の例(続き) 


21

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g)  スナイダ形縮分機 

図 3−縮分機の例(続き) 

7.7.4 

乾燥機 

乾燥機は,水分用試料を調製した後は,化学分析用試料調製を支障なく行うために使用してもよい。乾

燥は,化学的品質の変化が起こらないように 105  ℃以下の温度で行う。また,乾燥による微粉の損失など,

他の原因による偏りが生じないように注意しなければならない。

7.8 

精度及び偏りの確認 

試料採取調製装置を新たに設置した場合,装置の主要部分を改造した場合,又は従来扱ったことのない

新しい種類の鉱石を採取する場合は,装置全体及び必要があれば各段階についても,精度及び偏りの確認

をする実験(JIS M 8708 及び JIS M 8709)を行わなければならない。

設備の異常を確認する目視点検を,

日常の運転の間に定期的に行う。

目視点検の結果に問題があるとき,

又は変化のおそれがあると判断されたときは,偏り試験を実施するのが望ましい。装置は 5.4 及び 5.5 

規定したよりもよい試料採取及び試料調製の精度を達成しなければならない。

サンプリング装置の偏りは,箇条 による停止コンベヤからのサンプリングと比較してチェックする。

この場合,品質特性として粒度を用いるのがよい。

7.9 

清掃及び保守 

サンプリング装置は,検査,十分な清掃,修理又は確認実験が容易にできるように,全ての箇所に容易

に立ち入ることができるのが望ましい。

一つのロットのサンプリングが終了したときは,装置の主要部分を清水,乾燥した油気がない圧縮空気

又は真空掃除器によって清掃する。

試料を採取する鉱石の種類が変わったときは,対象となるロットから十分な量の鉱石を採り,装置の全

系統に流し,汚染を起こすおそれがあるものを除去する。

7.10  フローシートの例 

試料採取調製装置は,種類が多く,画一的なフローシートを示すことは困難であるが,新たに設置する

場合の参考として,フローシートの例を

図 に示す。図 のフローシートは,次の条件に基づいた例であ

る。


22

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a)  質量基準サンプリング 
b)  定速一次サンプラ

c)  インクリメントの質量の変動係数は 20 %未満 
d)  インクリメントの定量縮分 
e)  粒度試験試料,水分試験試料及び化学分析用試料を別々に調製


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a)

  破砕したふるい上とふるい下とを縮分段階の前に混合する装置がある場合には,破砕機の前にふるいを使っても

よい。

図 4−試料の採取及び試料の調製のフローシートの一例 

ロット

物理試験用

インクリメント

粒度用インクリメント

水分・化学分析用インクリメント

メインコンベヤベルト

流量計(又はタイマ)

定速一次サンプラ

廃棄又はインクリメントの保管

インクリメント

切替ダンパ

a)

破砕機

−22.4 mm 又は−10 mm

縮分機(定量縮分)

ホッパ

ホッパ

化学分析用小口試料

水分用小口試料

縮分機

廃棄

乾燥機

破砕機

縮分機

廃棄

粉砕機

縮分機

廃棄

ホッパ

化学分析用大口試料

水分試験試料

粉砕機

縮分機

廃棄

(必要に応じ)

乾燥機

微粉砕

分配器

化学分析試験室試料


24

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静止状態での試料採取 

8.1 

一般 

偏りを避けるためには,鉱石の全ての部分が等しい機会で選ばれ,分析最終試料の一部となるようにイ

ンクリメントをロットから抽出することが重要である。したがって,ロット全体から等しく試料採取する

ことの可能な,鉱石流からの試料採取が,ロットの品質特性値を決めるための代表試料を得る方法として

適している。静止ロットの試料採取は,鉱石の底まで完全なインクリメントを抽出することができる場合

だけ行うことができる。

これは,

スピア形サンプラ又はオーガ形サンプラによって可能となる場合がある。

しかし,サンプリングショベルでは不可能であり,使用しないほうがよい。

8.2 

貨車からの試料採取 

8.2.1 

一般 

最大粒度が 1 mm 未満の鉱石の貨車からの静置法による試料採取は,試料採取地点で粉鉱の底まで試料

採取器が貫通し,粉鉱の全断面が抽出できる場合に限って,スピア形サンプラ又はオーガ形サンプラを用

いて行うことができる。さらに,信頼できる方法は,貨車から又は貨車へ鉱石を移動するときのコンベヤ

ベルトから試料を採取する方法である。貨車からの粗粒鉱石のサンプリングには,スピア形サンプラ又は

オーガ形サンプラを用いてはならない。

8.2.2 

試料採取器 

インクリメントを抽出するスピア形サンプラ(

図 参照)又はオーガ形サンプラの最小内径は,30 mm

とする。

図 5−最大粒度 1 mm 未満の鉱石サンプリング用スピア形サンプラの例 

8.2.3 

一次インクリメントの個数 

一次インクリメントの個数は,5.4 による。ロットを構成する各貨車から採取するインクリメントの数

n

W

)は,式(18)による。

T

N

n

n

1

W

  (18)

ここに,

n

1

5.4 によって採取する一次インクリメントの個数

N

T

ロットを構成する貨車の数

式(18)から得られる n

W

の値は,整数値に切り上げる。


25

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8.2.4 

試料採取方法 

貨車から採取するインクリメントは,インクリメントが鉱石のほぼ一定質量を代表するように,貨車の

中の鉱石表面をできるだけ等分に分けた地点からスピア形サンプラ又はオーガ形サンプラを用いて採取す

る。各インクリメントは,代表試料が抽出できるように貨車の底まで垂直に全量採取することが重要であ

る。この条件に合致しない場合は,試料採取方法はこの規格に適合しない。

注記  スピア形サンプラを用いるときは,容器内での内部摩擦抵抗によって,垂直な柱状試料の全量

が採れないことがあることに注意する必要がある。

8.3 

船倉,貯鉱場及び貯鉱槽からの試料採取 

船倉,貯鉱場及び貯鉱槽の静置サンプリングは,試料採取器が底まで達せず,鉱石の全断面を抽出する

ことができないため,行ってはならない。ロットの全ての部分が試料採取の等しい機会をもたないためで

ある。船倉,貯鉱場又は貯鉱槽の表面又は側面からだけの試料採取は,特にロットが数箇所の切羽の鉱石

を含む場合には,代表性を認めることができない。例えば,高さ 10 m の貯鉱場から 2 m の長さのスピア

形サンプラを用いてインクリメントを採取する場合,得られた試料は貯鉱場の表面の厚さ 2 m の殻の鉱石

を代表するだけである。最も実際的で有効な方法は,鉱石を船倉,貯鉱場,若しくは貯鉱槽に又はそれら

から搬送する間にコンベヤから,箇条 によって試料を採取することである。

停止ベルト参照試料採取 

停止ベルト試料採取は,試料採取方法の偏りを検証するときの参照試料を得るための認容された方法で

ある。しかし,水分測定用試料の場合は,コンベヤから参照試料を採取するときに水分の損失がないよう

に特別に注意する必要がある。

停止ベルトからの試料採取方法は,次による。

a)  4.2 に従って試料採取のパラメータを決める。 
b)  6.1.4 又は 6.2.4 に従って決められた時間又は質量間隔でベルトを停止する。

c)  各停止時に,鉱石の最大粒度の 3 倍又は 30 mm のいずれか大きい最小内部寸法の,適切な形状のサン

プリング枠(

図 参照)を停止ベルトの上に鉱石の全流幅を横切って置き,鉱石の中に挿入する。

d)  サンプリング枠の挿入のときに妨げとなる粒子は,枠の左側にかかった鉱石はインクリメントに含め,

枠の右側にかかった鉱石はインクリメントから除外することが望ましい。

e)  サンプリング枠の中の鉱石は,水分の損失を最小にするため可能な限り短時間で,ベルトの上の全鉱

石粒子を適切な容器に 1 インクリメントごとに掃き入れる。

f)  インクリメントごとに対の比較が必要な場合は,インクリメントを分けて保管する。 
g)  ロットの品質が必要な場合は,インクリメントを 10.2 に従って小口試料又は大口試料にまとめる。 
h)  インクリメント,小口試料又は大口試料は,箇条 11 によるラベルを貼付した容器に入れて保管する。

停止ベルト方法の使用が実際的でない場合は,

附属書 に記載する方法の一つを使用してもよい。


26

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図 6−停止ベルト上で用いるサンプリング枠の例 

10 

試料調製 

10.1  基本事項 
10.1.1  
一般 

試料調製は,乾燥(必要な場合)

,粉砕,混合及び縮分の一連の操作からなる幾つかの段階を経て行われ

る。

試料調製は,異物混入又は試料以外の物質の混入がなく,しかも品質が変化しない方法で行う。特に水

分用試料は,水分が変化しないよう吸湿性のない容器に入れ,密封して保管する。

試料調製の工程中に生じる有意な誤差を除くため,定期的に精度及び偏りの確認実験を行う。

試験試料段階での試料調製は,各インクリメント,インクリメントを集めた小口試料又は小口試料若し

くはインクリメントを集めた大口試料について行う。

大口試料は,全てのインクリメント又は小口試料を,採取したまま又は縮分の適切な段階まで個々に調

製した後にこれらを集めて作る。

小口試料は,二つ以上のインクリメントを採取したまま,又は縮分の適切な段階まで個々に調製した後

にこれらを集めて作る。

インクリメントから小口試料に,小口試料から大口試料にする方法の一例を

図 に示す。


27

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図 7−小口試料及び大口試料の調製の例 

10.1.2  乾燥 

試料が,過度に湿っていたり,粘着性を帯びていて試料調製ができない場合は,支障なく調製ができる

ように 105  ℃以下で乾燥する(水分用試料については 10.6 を参照)

10.1.3  破砕及び粉砕 

破砕及び粉砕は,鉱石の粒度及び硬さに適した破砕機及び粉砕機を用いて行う。また,使用前に同一銘

柄の鉱石によって,共洗いする。

10.1.4  混合 

混合方法及び鉱石特性によるが,試料を十分によく混合することによってより一層均一化し,縮分誤差

を小さくすることができる。混合は,複数の採取元からの試料を混合する場合に,特に重要である。ただ

し,偏析を助長する逆効果の場合もあるので,できれば試料調製の計画段階で混合操作の必要がないよう

にするのが望ましい。

⋮⋮

ロット

インクリメント

インクリメント

インクリメント

インクリメント

インクリメント

インクリメント

インクリメント

インクリメント

インクリメント

インクリメント

インクリメント

インクリメント

インクリメント

インクリメント

インクリメント

最初の小口試料

2 番目の小口試料

最後の小口試料

大口試料


28

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水分用試料の混合は,水分の損失を招き,偏りの原因となるので,水分用試料は縮分の前に混合しては

ならない。

適切な混合方法の例として次のものがある。

a)  V ミキサのような機械式ミキサ。 
b)  リッフル,又はできればロータリ縮分機に続けて 3 回試料を通し,各パス後に各部分を再度まとめる。

ダストロスは最小にしなければならない。

注記  円すいパイルの形成及び再形成のような手動混合方法は逆効果を生じやすく,粒度などの偏

析を増大させやすい。

10.1.5  試料の縮分 
10.1.5.1  
一般 

試料の縮分は,必要に応じて,適切な粒度まで粉砕した試料について,その質量を減らすために行う。

規定の試料調製精度を得るため,次の事項を考慮する。

a)  縮分する試料の最大粒度。 
b)  測定する特性ごとに規定した縮分後の試料の最小質量(10.1.6 参照)。

10.1.5.2  縮分方法 

縮分は,次の方法のうちのいずれか一つの方法によるか,又は複数の方法を併用して行う。

a)  機械によるインクリメント縮分方法(10.3.1 参照)

b)  その他の機械による縮分方法(例えば,メカニカルチャージリッフル)(10.3.2 参照) 
c)  手動による縮分方法(10.4 参照) 
10.1.5.3  縮分の方式 

幾つかのインクリメント又は小口試料を別々に調製し,これらを集めて小口試料又は大口試料にすると

き,インクリメント又は小口試料の縮分は,定量縮分又は比例縮分のいずれかによる。その場合の条件は,

10.2.2 及び 10.2.3 による。

10.1.5.4  縮分機の形式 

容認できる機械式縮分機の形式は,次による(10.3.2 参照)

カッタシュート,スロットベルト,チェーンバケット,ロータリコンテナ,ロータリプレート,ロータ

リカッタシュート,スナイダ,メカニカルチャージリッフル

10.1.6  縮分試料の質量 
10.1.6.1  
水分用試料及び化学分析用試料の縮分 
10.1.6.1.1  
大口試料の縮分 

大口試料を縮分する場合,縮分後の最小質量[m

S

(kg)

]は,P. Gy の式[7.5.5 

1) 

参照]を基にした

式(19)による。

2

D

5

.

2

S

32

000

.

0

σ

d

  (19)

ここに, 0.000

32: m

S

を求めるための単位の換算係数

d: 試料の最大粒度(mm)

σ

D

鉄分の試料縮分の標準偏差で,その縮分段階での試料調製
の標準偏差(

σ

P

)の主要成分

大口試料は,試料の最大粒度に対して破砕して粒度を小さくしない限りは,式(19)で求めた質量から更

に縮分してはならない。最小縮分質量は,化学分析用試験試料の調製の要求を満たす 500 g とする(10.5


29

M 8702

:2016

参照)

全鉄分について,質量分率で 0.1 %及び 0.05 %の縮分標準偏差が得られるように,代表的な最大粒度に

ついて式(19)で計算した縮分後の大口試料の最小質量の例を,

表 に示す。縮分標準偏差

σ

D

は各縮分段階

に適用し,分散は選んだ縮分方法について加算される。

表 4−水分用試料及び/又は化学分析用試料の縮分後大口試料の最小質量の例 

最大粒度

mm

縮分後大口試料の最小質量

kg

σ

D

=0.1 % Fe

σ

D

=0.05 % Fe

40 325

1

300

31.5 180

710

22.4 75

300

10 10

40

6.3 3.2

13

2.8 0.5

1.7

1.4 0.5

0.5

0.500 0.5

0.5

0.250 0.5

0.5

10.1.6.1.2  インクリメント又は小口試料の縮分 

インクリメント又は小口試料を縮分する場合は,縮分後のインクリメント又は小口試料を合わせてロッ

トの大口試料を調製したときの質量が,10.1.6.1.1 の最小質量より少なくならないように縮分する。縮分標

準偏差

σ

D

は各縮分段階に適用し,分散は選んだ縮分方法について加算される。

10.1.6.2  粒度用試料の縮分 

粒度用試料の縮分は,

表 に従って行う。粒度区分の含有率について,表 と相違があるときは,表 5

に規定する最小質量は,式(20)によって変更する。

鉄鉱石の種類及び粒度規定について

表 と相違があるときは,附属書 によって最小試料質量を決める。

10.1.6.2.1  大口試料の縮分 

大口試料を縮分する場合は,

表 に規定する最小質量より小さく縮分してはならない。

粒度用試料の縮分においては,偏りが生じやすく,縮分のとき十分に注意しなければならない。−200 mm

の鉱石を縮分する場合は,粒度偏析に起因する問題が生じるので,手動縮分をしないほうがよい。


30

M 8702

:2016

表 5−機械による,インクリメント縮分以外の縮分方法(10.3.2.1 参照)における 

粒度用の縮分後大口試料の最小質量の例 

鉱石の種類

−200 mm 鉱石

−50 mm 鉱石

−31.5+6.3 mm

整粒鉱

焼結用粉鉱

ペレット用

粉鉱

ペレット

規定粒度区分

−10 mm

−10 mm

−6.3 mm

+6.3 mm

−45

μm

−6.3 mm

粒度区分の

平均含有率

質量分率(%)

20 20 10 10

70

5

ロットの大きさ

t

縮分後大口試料の最小質量,m

3

(kg)

,及び縮分測定精度,

β

PM

[質量分率(%)

超え

以下

m

3

 

(kg)

β

PM

 

(%)

m

3

 

(kg)

β

PM

 

(%)

m

3

 

(kg)

β

PM

 

(%)

m

3

 

(kg)

β

PM

 

(%)

m

3

 

(kg)

β

PM

 

(%)

m

3

 

(kg)

β

PM

(%)

270 000

− 1

080 3.0 250 3.0 120 1.5 8.0 1.5 0.5

1.6 250

0.50

210 000  270 000  1 010

3.1

230

3.1

110

1.6 7.0 1.6 0.5

1.7 240

0.51

150 000  210 000

950

3.2

220

3.2

110

1.6 7.0 1.6 0.5

1.7 240

0.51

100 000  150 000

890

3.3

210

3.3

110

1.6 7.0 1.6 0.5

1.8 230

0.52

70 000  100 000

840

3.4

190

3.4

95

1.7 6.0 1.7 0.5

1.9 215

0.54

45 000

70 000

790

3.5

180

3.5

95

1.7 6.0 1.7 0.5

1.9 215

0.54

30 000

45 000

750

3.6

170

3.6

85

1.8 5.0 1.8 0.5

2.0 210

0.55

15 000

30 000

670

3.8

150

3.8

75

1.9 5.0 1.9 0.5

2.1 210

0.55

− 15

000

530

4.3 120 4.3  60 2.2 4.0 2.2 0.5

2.4 145

0.66

粒度区分の実際の含有率が

表 の規定と著しく異なる場合は,表 に規定する最小質量(m

3

)を,二項

式に基づく式(20)によって計算し,m

3

又は m

4

の大きい方の値を用いる。

)

100

(

)

100

(

0

0

3

4

P

P

P

P

m

m

×

   (20)

ここに,

m

4

縮分後大口試料の修正した最小質量(kg)

m

3

表 に規定する縮分後大口試料の最小質量(kg)

P: 表 に示す規定粒度区分の平均含有率より著しく異なる値

P

0

表 に示す規定粒度区分の平均含有率[質量分率(%)]

例えば,

−200 mm 鉱石の 40 000 t のロットに対して−10 mm ふるい下区分の質量分率が約 50 %の場合,

縮分後の大口試料の最小質量は,次のように修正する。

( )

kg

175

1

)

20

100

(

20

)

50

100

(

50

750

4

×

m

10.1.6.2.2  インクリメントごと又は小口試料ごとに縮分を行う場合 

縮分後のインクリメント又は小口試料を合わせて,ロットの大口試料を調製したときの質量が,

表 

規定より少なくならないように縮分する。粒度区分の質量分率が

表 の平均含有率の値と異なる場合は,

表の最小質量を式(20)によって修正する。

10.1.6.3  物理試験用試料の縮分 

物理試験試料の最小質量は,対象とする物理特性及び冶金特性並びにその試験方法によって異なる。一

般に,かさ密度試験用試料を除いて,物理試験試料は 500 kg 以上必要である。ISO 3852 の方法 1 でのかさ

密度試験を行う場合は,1 200 kg 以上必要である。

物理特性及び冶金特性の試験における,試料の調製・測定精度(

β

PM

)は,

表 の値を満たさなければな

らない。


31

M 8702

:2016

10.1.7  試料の兼用及び重用 

ロットから採取した試料は,幾つかの各特性を決定するために必要な基準を満足すれば,水分用,粒度

用,化学分析用及び物理試験用の試料を得るために兼用又は重用してもよい(詳細は,

図 12 参照)。

10.2  小口試料又は大口試料の調製方法 
10.2.1  
一般 

特性を測定するための条件によって,ロットのための大口試料にまとめるか,ロットの別々の部分のた

めの小口試料にまとめる。さらに,試料調製についての要求条件によるが,初めに小口試料を作り,次に

大口試料にまとめることが必要な場合もある。

10.2.2  質量基準サンプリングの場合 
10.2.2.1  
インクリメントから小口試料又は大口試料を調製する方法 

インクリメント質量の変動係数が 20 %未満の場合,採取したままのインクリメント又は適切な段階まで

定量縮分若しくは比例縮分によって別々に調製したインクリメントを集めて,小口試料又は大口試料にし

てもよい。

しかし,インクリメント質量の変動係数が 20 %以上の場合,採取したままのインクリメントを集めて,

小口試料又は大口試料にしてはならない。ある段階であらかじめ定量縮分によって個々に調製したインク

リメントは,次の適切な段階で小口試料又は大口試料にまとめてもよい。このようにする代わりに各イン

クリメントごとに品質測定を行う試験試料を調製してもよい。

10.2.2.2  小口試料からの大口試料の調製方法 

10.2.2.1 によって調製した小口試料は,まとめて大口試料にしてもよい。

各小口試料を縮分して大口試料にまとめる場合の縮分は,次による。

a)  小口試料が同数のインクリメントからなっている場合は,定量又は比例縮分を適用する。 
b)  小口試料が異なる数のインクリメントからなっている場合は,比例縮分だけを適用する。

注記  比例縮分は,機械式で行うのが一般的であるが,手動インクリメント縮分による方法例を附

属書 JB に示す。


32

M 8702

:2016

表 6−物理試験の試料調製・測定精度 

単位  質量分率(%)

物理特性

a)

規格番号

精度

β

PM

ペレット

焼結鉱

塊鉱石

摩耗強度指数 AI(%) 
回転強度指数 TI(%)

JIS M 8712 

0.4 
0.5

0.5 
0.5

0.5 
0.6

かさ密度(ISO 3852 の方法 1)
ρ

ap

(kg/m

3

ISO 3852 

0.1

0.2

0.2

還元速度指数 
R

t

(%)/min]

ISO 4695 

0.05

0.1

0.1

低温還元粉化指数 
RDI-1

3.15

(%)

ISO 4696-1 

3.0

4.0

4.0

低温還元粉化指数 
RDI-2

2.8

(%)

JIS M 8720 

3.0

4.0

4.0

膨れ指数 
V

FS

(%)

JIS M 8715 

3.0

圧潰強度指数 
CS(daN)

JIS M 8718 

27.0

到達 JIS 還元率 
R

180

(%)

JIS M 8713 

3.0

3.0

5.0

荷重還元指数 
Δp80(kPa)

ISO 7992 

6.0

6.0

熱割れ指数 
DI

6.3

(%)

ISO 8371 

5.0

クラスタリング指数 
CI(%)

ISO 11256 

3.0

低温還元粉化指数 RDI

DR

(%)

金属化率 M(%)

ISO 11257 

1.5 
2.0

3.0 
2.5

還元率 
R

90

(%)/min]

ISO 11258 

2.5

4.0

低温還元粉化指数 
LTD

6.3

(%)

LTD

0.5

(%)

ISO 13930 

3.0 
1.0

3.5 
2.0

  “−”は,試料の適用がないことを示す。 
注記  この表にない物理特性の精度は,規定しない。 

a)

  物理特性の(%)は,膨れ指数では体積分率,それ以外では質量分率を示す。

10.2.3  時間基準サンプリングの場合 
10.2.3.1  
インクリメントから小口試料又は大口試料を調製する方法 

採取したインクリメントは,その質量の変動の程度にかかわらず,まとめて小口試料又は大口試料にし

てよい。各インクリメントを縮分し,縮分したインクリメントをまとめて小口試料又は大口試料にする場

合は,その縮分は比例縮分で行う。

10.2.3.2  小口試料からの大口試料の調製方法 

10.2.3.1 によって調製した小口試料は,その質量の変動の程度にかかわらず,まとめて大口試料にしてよ

い。しかし,小口試料を縮分し,縮分した小口試料をまとめて大口試料にする場合,各小口試料の縮分は

比例縮分で行う。


33

M 8702

:2016

10.2.4  水分用試料についての特別な手順 

大形のロットについて水分を測定する場合,ロットを

表 に示す数の部分に分け,各部分について別々

に水分用試料を調製することが望ましい。これは,水分用試料の処理時間を短縮し,試料から水分の蒸発

を最小限にとどめるためである。この手順によって,総合精度(サンプリング,試料調製及び水分測定を

含む。

)は向上し,偏りが最小となる。

表 7−水分用試料のロットに応じた部分の最小数 

ロットの質量

t

ロットに応じた

部分の最小数

小口試料当たり

測定試料の数

測定数

超え

以下

270 000

− 15

1  15

70 000  270 000

10

1

10

30 000

70 000

5

2

10

15 000

30 000

4

2

8

− 15

000

2

4

8

ロットの荷役に長時間を要する場合,8 時間単位でロットを部分に分け,各部分ごとにインクリメント

を水分用小口試料にまとめ,小口試料ごとに水分を測定する。このような部分への分割は,激しい降雨,

高温などの天候及び荷役のときの条件又は状況に応じて行うことが望ましい。

このようにする代わりに,試料の容器及び保管条件によって水分用試料の水分の変化を防止することが

できる場合は,全ロットについて 1 水分用大口試料を調製してもよい。

水分決定のための小口試料又は大口試料は,10.2.2 又は 10.2.3 による方法によってまとめる。

10.3  機械式縮分方法 
10.3.1  
機械によるインクリメント縮分方法 
10.3.1.1  
一般 

10.3.1.210.3.1.6 の条件を満たす場合は,カッタ形縮分機を用いた機械式インクリメント縮分方法によ

って粒度用試料,水分用試料,化学分析用試料及び物理試験用試料を縮分してよい。

10.3.1.2  インクリメント(カット)の質量 

カットの質量は均一でなければならない。このため,縮分する試料の流量は均一で,カッタの開口幅及

びカッタの速度は一定でなければならない。

注記 1  均一なカットを採取する他の方式としては,試料の切出し量の変化とカッタの速度の変化と

を組み合わせる方式がある。

カッタの開口幅は,縮分する試料の最大粒度の 3 倍又は 10 mm のいずれか大きい方以上でなければなら

ない。

注記 2  インクリメント(カット)の質量は,計算によって求まるが,化学分析試験室試料又は粒度

試験試料を調製する場合で,最大粒度 10 mm 以下の試料を縮分する場合は,

表 の基準を目

安とするのがよい。この場合,JIS M 8709 によって,機械式インクリメント縮分装置と手動

式インクリメント縮分方法との間に偏りがないことを確認するのが望ましい。


34

M 8702

:2016

10.3.1.3  インクリメント(カット)の数 

インクリメント,小口試料及び大口試料を縮分するときのカットの数 n

i

は,縮分する鉱石流の品位変動

σ

Wi

)及び特定の試料採取段階(i)の必要試料採取精度(

β

Si

)から,次の式(21)を用いて実験によって求

める。

2

S

W

2





i

i

i

n

β

σ

  (21)

特定の試料採取段階における品位変動について情報が得られない場合は,出発点として次のカット数を

用いてもよい。

a)  大口試料の縮分  20 以上 
b)  小口試料の縮分  定量縮分の場合は,10 以上,比例縮分の場合は,小口試料の平均質量に対して 10

以上。

c)  個々のインクリメントの縮分  定量縮分の場合は,4 以上,比例縮分の場合は,インクリメントの平

均質量に対して 5 以上。

10.3.1.4  カットの間隔 

定量縮分を適用する場合のカット間隔は,縮分する試料の質量に応じて変えなければならない。

比例縮分を適用する場合のカット間隔は,縮分する試料の質量の変動にかかわらず一定でなければなら

ない。

10.3.1.5  偏りの回避 

縮分する各試料についての最初のカットは,偏りを避けるため,最初の採取間隔内でランダムに採取す

る。

10.3.1.6  縮分試料の質量 

縮分試料の最小質量は,10.1.6 による。

10.3.2  機械による他の縮分方法 
10.3.2.1  
一般 

カッタ形縮分機以外の機械式縮分機(10.1.5.4 参照)を用い,10.1.6 の縮分方法及び縮分限界に従って粒

度用試料,水分用試料,化学分析用試料及び物理試験用試料を縮分してよい。

10.3.2.2  縮分試料の質量 

縮分試料の最小質量は,10.1.6 による。

10.4  手動による縮分方法 
10.4.1  
一般 

手動による粒度用試料,水分用試料,化学分析用試料及び物理試験用試料の縮分は,最大粒度が 40 mm

以下の鉱石についてだけ行う。

10.4.2  手動によるインクリメント縮分方法 
10.4.2.1  
一般 

手動によるインクリメント縮分は,最大粒度が 40 mm 以下の鉱石について,

図 及び表 に示す形状及

び寸法のインクリメント縮分用スコップを用いて行う。スコップの底は平面のものを使用し,曲面のもの

は使用しない。手動によるインクリメント縮分は,ペレット又は整粒鉱のように,転がりやすい及び/又

は粒度が容易に偏析する鉱石には適用しないほうがよい。ペレットが十分に細かく破砕された場合は,こ

の方法も十分に適用できる。


35

M 8702

:2016

10.4.2.2  インクリメントの質量 

各インクリメントの質量は,

表 の基準を目安とする。

10.4.2.3  インクリメント個数 

手動によるインクリメント縮分方法で採取するインクリメントの個数は,

表 による。

10.4.2.4  縮分試料の質量 

縮分試料の最小質量は,10.1.6 による。

ad:表 のインクリメントスコップの寸法

図 8−インクリメント縮分用スコップの例 

表 8−手動インクリメント縮分の最大粒度,広げた試料の厚さ, 

スコップの寸法及びインクリメントの質量 

最大粒度

mm

広げた 
試料の

厚さ

mm

スコップ

番号

インクリメントスコップの

寸法

mm

インクリメント

の質量

kg

超え

以下

a b c d 

31.5 40

80

40D  220

160

220

200

16.3

22.4 31.5  65

31.5D 180

120

180

150

9.0

10 22.4 50  22.4D

120

100

120

100

3.6

6.3 10

30

10D  75

40

75

60

0.5

2.8 6.3  20

6.3D 50

30

50

40

0.16

1 2.8 15  2.8D

40

25

40

30

0.10

0.5 1

10

1D  25

20

25

20

0.03

0.1 0.5  8

0.5D 15

10

15

12

0.006

0 0.1 5  0.1D

10

6

10

8

0.001

5

表 9−手動インクリメント縮分のインクリメントの個数 

試料

インクリメントの個数

大口試料 20

小口試料 12

インクリメント 4

10.4.2.5  手順 

手動によるインクリメント縮分は,次の手順による。


36

M 8702

:2016

a)  縮分する試料を,吸湿性のない平滑な作業板上に,表 で規定した一定の厚さで長方形に平らに広げ

る。

b)  この長方形に広げた試料を,表 で規定したインクリメント個数に等分する。 
c)  最大粒度に従い,表 の中の該当する大きさのスコップを選択し,等分した各区分からほぼ等しい質

量のインクリメントを採取する。このとき,インクリメントを採取する箇所は,各区分内でランダム

に選択する。

d)  当て板を垂直に作業板に当たるまで差し込む。スコップを試料の底まで入れて当て板に当たるまで水

平に動かし,作業板上の試料を完全に採取する。

e)  スコップから試料がこぼれて偏りが生じないように,スコップを当て板と一緒に持ち上げる。

縮分試料の質量が目的とする試験の必要質量よりも少なくなる場合は,インクリメントの質量及び/又

はインクリメントの個数を増す。

図 にインクリメント縮分方法による大口試料の縮分例を示す。

注記  手動によるインクリメント縮分は,水分用試料の縮分に適している。

a)  粉砕した大口試料を,表 に規定する

厚さで長方形に広げる。

b)  例えば,縦を 5 等分,横を 4 等分して

全体を 20 等分する。

c)  当て板を置いて,20 個の各部分からラ

ンダムにスコップを底まで入れてス
コップ一杯の試料をとり,それを集め

て縮分試料とする。

d)  c)  に示した当て板を用いたインクリ

メントの採取方法の概要。

図 9−大口試料(20 部分)の手動によるインクリメント縮分の例 

10.4.3  手動二分器による縮分方法 
10.4.3.1  
一般 

手動二分器による縮分は,最大粒度 40 mm 以下の鉱石について,次の手順に従って行う。ペレット又は

整粒鉱の縮分には,二分器が最も適した手動縮分機器の形式である。

10.4.3.2  二分器の選定 

最大粒度に応じて

表 10 に規定する二分器を選定する。二分器の寸法及び形状の例を,附属書 に示す。


37

M 8702

:2016

表 10−最大粒度及び二分器の寸法 

最大粒度

mm

二分器の

種類

二分器の

溝の幅

mm

超え

以下

31.5 40  90 号 90±1 
22.4 31.5  60 号 60±1 
16 22.4 50 号 50±l 
10 16  30 号 30±1

5 10  20 号 20±1 
2.8 5  10 号 10±0.5

− 2.8

6 号

6±0.5

10.4.3.3  縮分試料の質量 

縮分試料の最小質量は,10.1.6 による。

10.4.3.4  手順 

縮分する試料を混合した後,給鉱器に入れ,二分器本体上で給鉱器を左右に軽く振りながら試料を均一

に二分器の中央に落下させ,試料を 2 分割する(この場合,給鉱器の給鉱口を二分器の溝に対し直角にす

る。

。偏りを防ぐため,そのいずれか一方をランダムに選び,縮分試料とするのが望ましい。

二分器のスロットに試料が残らないよう注意しなければならない。

注記  手動での二分器による縮分は,水分用試料の縮分には適さない。

10.5  化学分析試験室試料の調製 
10.5.1  
質量及び粒度 

化学分析用試料の調製方法の例を

図 10 に示す。化学分析試験室試料の粒度は,−100

μ

m 又は−160

μ

m

のいずれかとする。このとき,粒度が−250

μ

m の縮分後大口試料から,−100

μ

m の 50 g 以上の化学分析

試験室試料を調製することが望ましい。

適切な粉砕機がある場合は,

表 の試料質量であれば,−100

μ

m 又は−160

μ

m の化学分析試験室試料

を直接−250

μ

m より粗い試料から調製してよい。

なお,化合水を質量分率 2.5 %以上及び/又は酸化性成分を含み,過度の粉砕が分析結果に影響を与え

る鉱石においては,−160

μ

m の粒度で 100 g 以上の化学分析試験室試料を調製する。

注記 1  JIS M 8202(鉄鉱石−分析方法通則)では吸湿性の強い鉱石として,化合水含有率(質量分

率)2.5 %以上のもの,硫黄含有率(質量分率)0.2 %以上のもの又は金属鉄を含むものを指

す,と規定している。

化学分析試験室試料の調製は,

図 11 に示す三つのケースに分類される。

注記 2  著しい量の化合水及び/又は酸化しやすい化合物を含んでいる鉱石の試料調製には,特別な

配慮をして粉砕時に発生する高温のため鉱石の化学組成が変化しないようにするのが望まし

い。配慮とは,次のことを含む。

a)  粉砕のとき少量ずつ給鉱し,粉砕時間を短縮する。

b)  粉砕機はシングルパス・ストレート通過形式のものを使用する。 
c)  最小時間で所要の最大粒度が得られる粉砕機を使用する。

参照目的のためには,めのう製乳鉢及び乳棒,又は他の適切な手動による粉砕を行うとよい。

注記 3  参照目的とは,偏りの確認実験,審判分析などをいう。


38

M 8702

:2016

図 10−化学分析用試料,水分用試料,粒度用試料及び物理試験用試料の調製の例 

(粒度測定後の試料を物理試験用試料とする場合) 

インクリメント

● ○  ●

最初の粒度試験
試料(次に物理

試験用試料とし

て使用。

最初の小口試料

必要に応じ粉砕

最初の水分 
試験試料

化学分析用試料

● ○  ●

2 番目の粒度試験
試料(次に物理試

験 用 試 料 と し て

使用。

2 番目の小口試料

必要に応じ粉砕

2 番目の水分
試験試料

化学分析用試料

● ○  ●

最後の粒度試験
試料(次に物理

試験用試料とし

て使用。

最後の小口試料

必要に応じ粉砕

最後の水分 
試験試料

化学分析用試料

大口試料

−2.8 mm に粉砕

縮分

−250 μm に粉砕

縮分

必要に応じ乾燥

−100 μm に粉砕

インクリメント縮分

化学分析試験室試料

各 50 g 以上

図 11 のケース 1)

……


39

M 8702

:2016

*印:封印試料 
A:売主用試料 
B:買主用試料

図 11−化学分析試験室試料の調製 

10.5.2  250 μm への調製 

10.3 又は 10.4 に規定した方法で縮分を繰り返し,各インクリメント,各小口試料又は大口試料を−250

μ

m

の粒度まで粉砕する。大口試料を調製する前に各インクリメント又は小口試料の縮分を行う場合は,縮分

の適切な段階で各インクリメント又は小口試料の質量に比例した量を合わせて,大口試料を調製する。必

要ならば乾燥し,−250

μ

m の粒度の試料を−160

μ

m 又は−100

μ

m の粒度まで粉砕する。

−250

μ

m 試料の質量は,その後の目的のために必要十分な質量でなければならない。

10.5.3  最終調製 
10.5.3.1  
ケース 

−250

μ

m の粒度の試料を,−100

μ

m に粉砕し,この試料から規定された適切な縮分方法で 50 g 以上の

試験室試料を 4 個以上調製する。

10.5.3.2  ケース 

−250

μ

m の粒度の試料を−160

μ

m に粉砕し,規定された適切な縮分方法で 100 g 以上の試験試料を 4

10.5.1 参照

500 g 以上

−250 μm

50 g

以上

B

−100 μm に

粉砕

ケース 1

* *  * *

50 g

以上

50 g

以上

50 g

以上

大口試料

500 g 以上

−250 μm

100 g

以上

A B

−160 μm に

粉砕

ケース 2

* *

100 g

以上

100 g

以上

100 g

以上

大口試料

500 g 以上

−250 μm

100 g

以上

A B

−160 μm に

粉砕

ケース 3

* *  * *

100 g

以上

100 g

以上

100 g

以上

大口試料

10.5.1 参照

10.5.1 参照

−100 μm に

粉砕

−100 μm に

粉砕

50 g

以上

50 g

以上

*

*

A


40

M 8702

:2016

個以上調製する。化学分析所に配布する試験室試料は,−100

μ

m に粉砕する。

10.5.3.3  ケース 

−250

μ

m の粒度の試料を−160

μ

m に粉砕し,規定された適切な縮分方法で 100 g 以上の試験試料を 4

個以上調製する。化学分析所に配布する試験室試料は,これ以上細かく粉砕してはならない。

10.5.4  100 μm 又は−160 μm への粉砕 
10.5.4.1  
一般 

−250

μ

m の試料を−100

μ

m 又は−160

μ

m に粉砕する場合は,次の手順による。

10.5.4.2  粉砕機の形式 

化学分析用試料を−250

μ

m から−160

μ

m 又は−100

μ

m に粉砕する場合には,トップグラインダ,デス

クグラインダ,ポットミル,ハンマミル,振動ミルなどの適切な粉砕機を用いてもよい。

10.5.4.3  粉砕機の材質の選定 

粉砕機の材質は,試料の粉砕中に試料の化学組成が変化しないように,特に考慮して選定する。

注記  粉砕によって化学組成に偏りが生じないかどうか,JIS M 8709 によって調べることが望ましい。

10.5.4.4  乾式粉砕 

化学分析用試料は,

適切な粉砕機によって全量 1 回で−250

μ

m から−100

μ

m 又は−160

μ

m に粉砕する。

1 回で粉砕できない場合は,試料を幾つかに分割して粉砕してもよい。その場合,それぞれ−100

μ

m 又

は−160

μ

m に粉砕し,適切な混合器でよく混合する。試料を粉砕する場合,ある粒度,例えば,100

μ

m

でふるい分けてふるい上だけを粉砕してはならない。

注記  鉄鉱石構成鉱物と全く異なる粉砕性をもつ脈石,例えば,石英粒,けつ(頁)岩の破片などを

含む鉱石の粉砕には選択粉砕の傾向があるため,衝撃形粉砕機は用いないほうがよい。

10.5.4.5  湿式粉砕 

振動ミルで化学分析用試料を粉砕するとき,振動ミルに試料が付着したり,短時間で粉砕して試料の酸

化を防ぐことが望まれる場合は,ヘキサンのような分散剤を用いて,湿式粉砕を行ってもよい。

10.5.5  化学分析試験室試料の配布 

4 個以上の試験室試料からなる化学分析試験室試料 1 セットを,10.5.3 に従って調製する。配布する試験

室試料は適切な容器に入れ,封印し,箇条 11 の規定に従って所定事項を記入する。

4 個の試験室試料は,それぞれ売主用,買主用,審判用及び立会者用の試料とする。これ以外の場合は,

受渡当事者間の協定による。保管用試料は,6 か月間保管する。

10.6  水分試験試料の調製 

質量基準サンプリングにおいては,水分試験試料は各インクリメント,各小口試料又は大口試料から調

製する。試料が粘着性で又は過度の水分で破砕又は縮分ができないときは,JIS M 8705 の予備乾燥をして

もよい。時間基準サンプリングにおいては,試験試料は規定量の試料を確保するため,各小口試料又は大

口試料から調製する。水分試験試料の調製手順の例を,

図 10 に示す。

試験試料は,測定前に水分が変化しないよう JIS M 8705 に従い,気密で吸湿性のない容器に入れて保管

する。

必要に応じて,−31.5 mm,−22.4 mm 又は−10 mm のいずれかの粒度に,JIS M 8705 に規定する方法

で水分用試料を破砕する。試料が粘着性で又は過度の水分で破砕又は縮分ができないときは,JIS M 8705

の予備乾燥をしてもよい。

最初の段階の縮分は,10.3 又は 10.4 に規定する縮分基準による。次に,10.1.5.2 に規定する縮分方法を

適用して,−31.5 mm 粒度については 10 kg 以上,−22.4 mm 粒度については 5 kg 以上,−10 mm 粒度に


41

M 8702

:2016

ついては 1 kg 以上の測定試料を調製する。この場合,縮分後の試料の最小質量は,JIS M 8705 による。た

だし,

表 及び式(19)は適用しない。

水分試験試料の調製は,水分蒸発を避けるため注意深く,かつ,迅速に行わなければならない。残りの

試料は化学分析用試料として調製してもよい。

注記 1  −31.5 mm で 10 kg 以上の 1 個の測定試料を調製する代わりに,10 kg 以上の測定試料を分割

して,各々5 kg 以上の 2 個の測定試料を調製してもよい。

注記 2  −10 mm の試験試料の場合は,−22.4 mm 又は−31.5 mm 試験試料に比較して偏りがでない

かどうかを確認するのが望ましい。

注記 3  水分用試料を調製する場合,水分の蒸発を避けるため,10.4.2 に規定する手動によるインク

リメント縮分方法によるのが望ましい。最大粒度が 31.5 mm,22.4 mm,10 mm 又はそれ以下

の鉱石は,使用するスコップの大きさを規定の大きさより 1,2 段下げてもよい。ただし,こ

の試験試料を化学分析用試料としないほうがよい。

測定試料の質量は,直ちに量らなければならない。直ちに量れない場合は,試料を吸湿性のない容器に

密封し,温度及び湿度がほぼ一定な場所に保管しなければならない。

インクリメント又は小口試料とロットの各部分との関係(質量による)は,記録しておかなければなら

ない。

水分測定試料の個数は,

表 11 によることが望ましい。

表 11−水分用の測定試料の個数 

試験試料の調製

ロット当たりの小口試料数

測定試料の個数

大口試料

− 4

小口試料ごと 2 4

3∼7 2 以上

a)

8 以上

1 以上

インクリメントごと

1 以上

注記  測定試料の個数は,該当する試料調製単位での数を示す。 

a)

  追加測定の可能性を考慮し,4 個の試料を調製し,2 個を保管する

のが望ましい。

10.7  粒度試験試料の調製 

粒度試験試料は,各インクリメント,各小口試料又は大口試料をそのまま当てるか,又は粉砕せずに縮

分して試験試料とする。粒度の測定は,JIS M 8706 に規定する方法に従って行う。

10.8  物理試験試料の調製 
10.8.1  
試料調製方法の選定 

物理試験試料の試料調製方法は,試料調製機器及び試料への要求事項を考慮して決定する。試験ふるい

は,JIS Z 8801-1 及び JIS Z 8801-2 に規定する正方目のものを用いる。試料の兼用による試料の調製方法

10.8.1.1 に,試料の兼用及び重用を併用した試料の調製方法を 10.8.1.2 に,それぞれ示す。

10.8.1.1  試料の兼用による方法 

各小口試料を四つに縮分分割し,そのうちの一つを物理試験用試料とし,残りをそれぞれ,化学分析用

試料,水分用試料及び粒度用試料とする[

図 12 a)  参照]。

10.8.1.2  試料の兼用及び重用を併用した方法 


42

M 8702

:2016

各小口試料を二つに縮分分割し,そのうちの一つを粒度用試料とし,粒度試験後,物理試験用試料とす

る。残りを二つに縮分分割し,それぞれ水分用試料及び化学分析用試料とする[

図 12 b)  参照]。粒度用試

料において乾燥処理を行った場合は,これを熱割れ試験に使用してはならない。水分測定後の試料を熱割

れ試験以外の物理試験に使用してよい[

図 12 c)  参照]。

10.8.2  各試験試料の調製 
10.8.2.1  
一般 

各試験試料は,物理試験用試料を 10.3 又は 10.4 によって縮分し,調製する。この場合,10.1.6 の最小質

量の規定は適用しない。ただし,

表 の精度を満たしていることを JIS M 8708 によって確認しておくのが

よい。

物理試験用試料を二つに縮分分割する。このうち一つを対象とする物理試験の試料とし(試料 A)

,残り

を保管試料とする[

図 13 a)  参照]。

かさ密度測定を行う場合は,物理試験用試料(約 1 200  kg)を二つに縮分分割する。このうち一つをか

さ密度試験試料(約 600 kg)とし,残りの一つを更に二つに縮分分割し,そのうちの一つをかさ密度以外

の物理試験用とし(約 300 kg,試料 A)

,残りを保管試料とする[

図 13 b)  参照]。

試料 A は二つに縮分分割し,一方の試料 A1 を回転強度及び落下強度試験試料とし,残りの試料 A2 を

その他の物理試験用試料とする[

図 13 b)  参照]。

10.8.2.2  回転強度及び落下強度試験試料 
10.8.2.2.1  
ペレット 

試料 A1 を 105  ℃±5  ℃で恒量になるまで乾燥し,室温まで冷却する。目開き 40 mm 及び 6.3 mm のふ

るいでふるい分け,+40 mm 及び−6.3 mm の粒度区分を捨てる。−40+6.3 mm の粒度区分を縮分し 60 kg

以上の回転強度試験試料を調製する[

図 14 a)  参照]。

10.8.2.2.2  焼結鉱及び塊鉱石 

試料 A1 を 105  ℃±5  ℃で恒量になるまで乾燥し,室温まで冷却する。回転強度試験試料の場合は,目

開き 40 mm 及び 10 mm のふるいでふるい分け,+40 mm 及び−10 mm の粒度区分を捨てる。−40+10 mm

の粒度区分を縮分し 60 kg 以上の回転強度試験試料を調製する[

図 14 b)  参照]。落下強度試験(焼結鉱だ

け)試料の場合は,同様の要領で−50+10 mm の粒度区分を縮分し 80 kg 以上を調製する[

図 14 c)  参照]。

a)  小口試料を兼用試料とする場合 

図 12−小口試料からの物理試験用試料の調製 

縮分

縮分

インクリメント

小口試料

物理試験用試料

粒度用試料

縮分

化学分析用試料

水分用試料


43

M 8702

:2016

b)  小口試料の一部を粒度用試料と物理試験用試料との重用試料とし,もう一方の 

一部を水分用試料と化学分析用試料との兼用試料とする場合 

c)  b)  において,更に水分用試料と物理試験用試料とを重用試料とする場合 

図 12−小口試料からの物理試験用試料の調製(続き) 

縮分

縮分

インクリメント

小口試料

粒度用試料

物理試験用試料

ただし,粒度用試料を乾
燥した場合は,熱割れ試

験には使用しない。

縮分

水分用試料

化学分析用試料

粒度試験

水分測定

物理試験用試料

ただし,熱割れ試

験 に は 使 用 し な
い。

縮分

インクリメント

小口試料

粒度用試料

物理試験用試料

ただし,粒度用試料を乾
燥した場合は,熱割れ試

験には使用しない。

縮分

化学分析用試料

水分用試料

粒度試験


44

M 8702

:2016

a)  物理特性を決定する試験用試料を調製する場合 

b)  かさ密度を含む物理特性を決定する試験用試料を調製する場合 

図 13−物理試験用試料の調製 

縮分

縮分

物理試験用試料(かさ密度試験を含む。

保管試料

その他の物理

試験用試料 A2

回 転 強 度 試 験 及

び 落 下 強 度 試 験

試料 A1

約 1 200 kg

かさ密度試験試料

ISO 3852 方法 1)

試料 A

約 300 kg

約 600 kg

縮分

物理試験用試料

保管試料

その他の物理

試験用試料 A2

回 転 強 度 試 験 及

び 落 下 強 度 試 験

試料 A1

約 500 kg

試料 A


45

M 8702

:2016

a)  ペレットの回転強度試験試料を調製する場合 

b)  焼結鉱及び塊鉱石の回転強度試験試料を調製する場合 

c)  焼結鉱の落下強度試験試料を調製する場合 

図 14−ペレット,焼結鉱及び塊鉱石の回転強度試験及び落下強度試験試料の調製 

試料 A1

落下強度試験試料

最小質量 80 kg

乾燥(105  ℃±5  ℃)

ふるい分け

−50+10 mm

+50 mm

廃棄

−10 mm

廃棄

試料 A1

回転強度試験試料

最小質量 60 kg

乾燥(105  ℃±5  ℃)

ふるい分け

−40+10 mm

+40 mm

廃棄

−10 mm

廃棄

試料 A1

回転強度試験試料

最小質量 60 kg

乾燥(105  ℃±5  ℃)

ふるい分け

−40+6.3 mm

+40 mm

廃棄

−6.3 mm

廃棄


46

M 8702

:2016

10.8.2.3  かさ密度試験 

ISO 3852 の方法 1(少量容器)によるかさ密度試験を行う場合,物理試験用試料(約 1 200  kg)を二つ

に縮分分割し,少なくとも 600 kg の試験試料を調製する[

図 13 b)  参照]。

10.8.2.4  回転強度試験,落下強度試験及びかさ密度試験以外の物理試験用試料 
10.8.2.4.1  
高炉用ペレット 

試料 A2 を二つに縮分分割し,一つを保管試料とする。残りの試料を 105  ℃±5  ℃で恒量になるまで乾

燥し,目開き 16 mm,12.5 mm 及び 10 mm のふるいでふるい分け,+16 mm 及び−10 mm の粒度区分は捨

てる。

注記  目開き 16 mm のふるいは,−16+12.5 mm の粒度で行う低温還元粉化試験(ダイナミック方法)

の場合にだけ必要となる。

粒度区分−12.5+10 mm の試料を混合し,所定の物理試験用試料に縮分調製する。低温還元粉化試験(ダ

イナミック方法)には−12.5+10 mm の試料,又は必要なら−16+12.5 mm の試料を用いる(

図 15 参照)。

各試験の試料の要求事項を,

表 12 に示す。

表 12−各物理試験(回転強度試験,落下強度試験及びかさ密度試験を除く。)における 

試験試料及び測定試料の粒度及び質量 

物理試験

規格番号

適用

高炉・

還元鉄

鉱石の

種類

試験試料及び測定試
料の粒度

試験試 
料の最

小質量

測定試 
料の数

測定試 
料の概

略質量

被還元性試験

(還元速度方法)

ISO 4695 

高炉

ペレット・

焼結鉱・塊

鉱石

−12.5+10 mm

2.5 kg

試験:4

分析:1

0.5 kg

低温還元粉化試験 
(CO,CO

2

及び H

2

反応方法)

(RDI-1)

ISO 4696-1  高炉

ペレット・
焼結鉱・塊

鉱石

−12.5+10 mm

2.0 kg

試験:4 0.5

kg

低温還元粉化試験

(CO 反応方法)

(RDI-2)

JIS M 8720  高炉

ペレット

−12.5+10 mm

2.0 kg

試験:4 0.5

kg

焼結鉱・塊

鉱石

−20+16 mm

膨れ試験

JIS M 8715  高炉

ペレット

−12.5+10 mm

1.0 kg

試験:4 18 個

圧潰強度試験

JIS M 8718  高炉・

還元鉄

ペレット

−12.5+10 mm

a)

 1.0

kg

試験:1 60 個以上

被還元性試験

(還元率方法)

JIS M 8713  高炉

ペレット

−12.5+10 mm

2.5 kg

試験:4

分析:1

0.5 kg

焼結鉱・塊

鉱石

−22.4+19 mm

b)

荷重還元試験

ISO 7992 

高炉

ペレット・

塊鉱石

−12.5+10 mm

6.0 kg

試験:4

分析:1

1.2 kg

熱割れ試験

ISO 8371 

高炉・

還元鉄

塊鉱石

−25+20 mm

5.0 kg

試験:10 0.5

kg

クラスタリング試

ISO 11256 

還元鉄

ペレット

−16+12.5 mm と

−12.5+10 mm とを
半量ずつ

10.0 kg

試験:4

分析:1

2.0 kg


47

M 8702

:2016

表 12−各物理試験(回転強度試験,落下強度試験及びかさ密度試験を除く。)における 

試験試料及び測定試料の粒度及び質量(続き) 

物理試験

規格番号

適用

高炉・ 
還元鉄

鉱石の

種類

試験試料及び測定試

料の粒度

試験試

料の最 
小質量

測定試

料の数

測定試

料の概 
略質量

低温還元粉化・金属
化率試験

ISO 11257 

還元鉄

ペレット

−16+12.5 mm と 
−12.5+10 mm とを

半量ずつ

2.0 kg

試験:4 0.5

kg

塊鉱石

−20+16 mm と

−16+10 mm とを 
半量ずつ

還元率・金属化率試

ISO 11258 

還元鉄

ペレット

−16+12.5 mm と 
−12.5+10 mm とを

半量ずつ

2.5 kg

試験:4 
分析:1

0.5 kg

塊鉱石

−20+16 mm と

−16+10 mm とを 
半量ずつ

低温還元粉化試験
(ダイナミック方

法)

ISO 13930 

高炉

ペレット

−16+12.5 mm 又は
−12.5+10 mm

2.0 kg

試験:4 0.5

kg

塊鉱石

−12.5+10 mm

a)

  JIS M 8718 では,受渡当事者間の協定によって,これ以外の粒度区分を選択できるとしている。

b)

  JIS M 8713 では,受渡当事者間の協定によって,−20+18 mm の粒度区分を選択できるとしている。

図 15−高炉ペレットの物理試験用試料の調製 

低 温 還 元 粉
化 試 験 試 料
( ダ イ ナ ミ
ック方法) 
( 各 粒 度 区
分共に約 2.0 
kg)

低 温 還 元 粉
化試験試料 
(RDI-1) 
(約 2.0 kg)

低 温 還 元 粉
化試験試料 
(RDI-2) 
(約 2.0 kg)

膨れ試験試料
(約 1.0 kg)

被還元性試験 
試料(還元速度
方法) 
(約 2.5 kg)

圧潰強度 
試験試料 
(約 1.0 kg)

被還元性試験
試料(還元率
方法) 
(約 2.5 kg)

荷重還元 
試験試料 
(約 6.0 kg)

試料 A2

混合

縮分

保管試料

+16 mm

廃棄

−16+12.5 mm

−10 mm

廃棄

ふるい分け

乾燥(105  ℃±5  ℃)

−12.5+10 mm


48

M 8702

:2016

10.8.2.4.2  還元鉄用ペレット 

試料 A2 を二つに縮分分割し,一つを保管試料とする。残りの試料を 105  ℃±5  ℃で恒量になるまで乾

燥し,目開き 16 mm,12.5 mm 及び 10 mm のふるいでふるい分け,+16 mm 及び−10 mm の粒度区分は廃

棄する(

図 16 参照)。

粒度区分−16+12.5 mm 及び−12.5+10 mm の試料をそれぞれの区分ごとに混合し,縮分分割する。ク

ラスタリング試験,低温還元粉化・金属化率試験及び還元率・金属化率試験用試料は,二つの粒度区分を

質量比 1:1 で混合して調製する。圧潰強度試験には,粒度区分−12.5+10 mm の試料だけを用いる。

各試験の試料の要求事項を,

表 12 に示す。

10.8.2.4.3  焼結鉱及び高炉用塊鉱石 

試料 A2 を三つに縮分分割し,各試料(パート 1∼パート 3)を次に示す手順で調製する(

図 17 参照)。

a)  パート 1:保管試料とする。 
b)  パート 2:105  ℃±5  ℃で恒量になるまで乾燥し,三つに縮分分割する。3 区分した試料の調製は,次

による。

1)  区分 1:この区分は,低温還元粉化試験(RDI-1),低温還元粉化試験(ダイナミック方法),被還元

性試験(還元速度方法)及び荷重還元試験に使用する。目開き 12.5 mm のふるいでふるい分ける。

粒度区分+12.5 mm を注意して破砕し,目開き 16 mm のふるいでふるい分ける。粒度区分+16 mm

を破砕し,−16 mm とする。粒度区分−12.5 mm と粒度区分−16 mm とを混合し,混合したものを

目開き 12.5 mm 及び 10 mm のふるいでふるい分け,粒度区分+12.5 mm 及び−10 mm は捨てる。粒

度区分−12.5+10 mm の試料を縮分分割し所定の試験試料を調製する。低温還元粉化試験(ダイナ

ミック方法)及び荷重還元試験は塊鉱石にだけ適用する。

2)  区分 2:この区分は,低温還元粉化試験(RDI-2)に使用する。目開き 20 mm のふるいでふるい分

ける。粒度区分+20 mm を注意して破砕し,目開き 22.4 mm のふるいでふるい分ける。粒度区分+

22.4 mm を破砕し,−22.4 mm とする。粒度区分−20 mm と粒度区分−22.4 mm とを混合し,混合し

たものを目開き 20 mm 及び 16 mm のふるいでふるい分け,粒度区分+20 mm 及び−16 mm は捨て

る。必要な場合−20+16 mm の試料を更に縮分する。

3)  区分 3:この区分は,被還元性試験(還元率方法)に使用する。目開き 22.4 mm 及び 19 mm のふる

いでふるい分ける。粒度区分+22.4 mm 及び−19 mm は捨てる。必要な場合,−22.4+19 mm の試

料を更に縮分する。

c)  パート 3:この区分は,熱割れ試験に使用する。目開き 25 mm 及び 20 mm のふるいでふるい分ける。

粒度区分+25 mm 及び−20 mm は捨てる。−25+20 mm の試料を 105  ℃±5  ℃で恒量になるまで乾燥

する。目開き 20 mm のふるいで更にふるい分け,付着した微粉鉱石を除去する。縮分によって熱割れ

試験の最終試料を調製する。試験試料はデシケータ内で保管する。

各試験の試料の要求事項を,

表 12 に示す。


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M 8702

:2016

図 16−還元鉄用ペレットの物理試験用試料の調製 

クラスタリング

試験試料 
(各粒度区分約
5.0 kg)

低温還元粉化・
金属化率試験試

料(各粒度区分

約 1.0 kg)

圧 潰 強 度 試
験試料

(約 1.0 kg)

試料 A2

保管試料

+16 mm

廃棄

−10 mm

廃棄

−16+12.5 mm

−12.5+10 mm

混合

縮分

乾燥(105  ℃±5  ℃)

ふるい分け

還元率・金属化

率試験試料

(各粒度区分 
約 1.25 kg)


50

M 8702

:2016

図 17−焼結鉱及び高炉用塊鉱石の物理試験試料の調製 

10.8.2.4.4  還元鉄用塊鉱石 

試料 A2 を三つに縮分分割し,各試料(パート 1∼パート 3)を次に示す手順で調製する。

a)  パート 1:保管試料とする。 
b)  パート 2:105  ℃±5  ℃で恒量になるまで乾燥し,目開き 20 mm,16 mm 及び 10 mm のふるいでふる

い分ける。粒度区分+20 mm 及び−10 mm は捨てる。粒度区分−20+16 mm 及び−16+10 mm の試料

をそれぞれの区分ごとに混合し,縮分分割する。還元率・金属化率試験及び低温還元粉化・金属化率

試験試料は,二つの粒度区分を質量比 1:1 で混合して調製する(

図 18 参照)。

c)  パート 3:この区分は,熱割れ試験に使用する。目開き 25 mm 及び 20 mm のふるいでふるい分ける。

粒度区分+25 mm 及び−20 mm は捨てる。−25+20 mm の試料を 105  ℃±5  ℃で恒量になるまで乾燥

保管試料

パート 1

パート 2

パート 3

試料 A2

混合

縮分

乾燥(105 ℃±5 ℃)

縮分

ふるい分け

区分 1

区分 2

区分 3

ふるい分け

ふるい分け

ふるい分け

恒量乾燥(105 ℃±5 ℃)

ふるい分け

粉砕

+16 mm

−16 mm

ふるい分け

粉砕

目開き 20 mm のふる
いでふるい分け付着
粉を除去

+12.5 mm

−12.5 mm

混合,ふるい分け

+12.5 mm

廃棄

−12.5+10 mm

−10 mm

廃棄

低温還元粉
化試験試料

(ダイナミ
ック方法) 
(約 2.0 kg)

低温還元粉
化試験試料

(RDI-1) 
(約 2.0 kg)

低温還元粉
化試験試料

(RDI-2) 
(約 2.0 kg)

被還元性試

験試料(還元

速度方法)

(約 2.5 kg)

荷重還元 
試験試料

(約 6.0 kg)

+20 mm

−20 mm

+22.4 mm

−22.4 mm

混合,ふるい分け

+20 mm

廃棄

−20+16 mm

−16 mm

廃棄

+22.4 mm

廃棄

−22.4+19

mm

−19 mm

廃棄

+25 mm

廃棄

−25+20 mm

−20 mm

廃棄

被還元性試

験試料(還元

率方法)

(約 2.5 kg)

熱割れ試験試料 
(約 5.0 kg,デシケ
ータ内に保管)


51

M 8702

:2016

する。目開き 20 mm のふるいで更にふるい分け,付着した微粉鉱石を除去する。縮分によって熱割れ

試験の最終試料を調製する。試験試料はデシケータ内で測定まで保管する(

図 18 参照)。

各試験の試料の要求事項を,

表 12 に示す。

図 18−還元鉄用塊鉱石の物理試験試料の調製 

10.8.3  保管試料 

保管試料は,受渡当事者間で試験結果が承認されるまで,密閉された容器で保管する。

11 

試料の包装及び表示 

配布する試料は,密封容器にしっかり封印し,ラベル及び容器に入れるカードに次の事項を明記する。

a)  鉱石の銘柄,品位及びロット名(船名,列車名など) 
b)  ロットの質量 
c)  試料番号

d)  試料採取の場所,日付及び方法 
e)  ロットの水分値 
f)  試料調製の場所及び日付

g)  封印試料の粒度 
h)  サンプリングの目的(例えば,偏りの試験,船積試料など) 
i)

その他の事項(必要な場合)

ふるい分け

+20 mm

廃棄

−10 mm

廃棄

−20+16 mm

パート 2

乾燥 (105 ℃

± 5  ℃)

試料 A2

混合

縮分

+25 mm

廃棄

−20 mm

廃棄

熱割れ試験試料 
(約 5.0 kg,デシケ
ータ内保管)

乾燥(105  ℃±5  ℃)

ふるい分け目開き 20 mm

パート 1

−16+10 mm

還元率・金属化率
試験試料(各粒度
区分約 1.25 kg)

低温還元粉化・
金属化率試験試
料(各粒度区分
約 1.0 kg)

保管試料

ふるい分け

−25+20 mm

パート 3


52

M 8702

:2016

12 

ロットの特性の平均品位の決定 

12.1  化学成分 

化学成分の平均品位の決定は,成分試験試料について,別に制定した日本工業規格の化学分析方法によ

って得た化学成分値を,次の a)b)  又は c)  によって処理して行う。ただし,化学成分値は乾量基準で求

める。

a)  化学分析試験室試料を質量基準でインクリメントごとに調製した場合には,その試験室試料ごとの分

析値の算術平均値とする。

b)  化学分析試験室試料を小口試料ごとに調製した場合には,その試験室試料ごとの分析値の小口試料に

対応するインクリメント個数又は試料に対応するロットの部分の質量による重み付き平均値とする。

c)  化学分析試験室試料を大口試料で調製した場合は,その試験室試料の分析値をロットの化学成分平均

品位とする。

12.2  粒度 

粒度の平均品位の決定は,JIS M 8706 による。

12.3  水分 

水分の平均品位の決定は,JIS M 8705 による。

12.4  物理試験 

物理試験の平均品位の決定は,個々の規格による。

12.5  表示の桁数 

平均品位の表示の桁数は,個々の規格による。

12.6  複数港で分割荷揚げする場合 

ロットの品質特性値(化学成分,粒度,水分及び物理試験)の決定は,JIS M 8704 による。


53

M 8702

:2016

附属書 A

(参考)

機械式サンプリング設備の検査

A.1  検査の目的 

機械式サンプリング設備の信頼性を確かなものにし,また,この規格に適合するため,次に示す情報を

含んだチェックリストを,各サンプリング機械ごとにもつのがよい。

a)  箇条 に規定する設計基準

b)  サンプリング設備の操業・保守マニュアル 
c)  設備管理責任者 
d)  設備の操業・保守担当者

e)  設備の設計・施工者

検査の頻度及び内容は,サンプリング設備の信頼性,鉱石のハンドリング特性,設備の使用頻度,サン

プリングの目的などを考慮して決定する。検査手順を備え,検査はサンプリング設備の運転開始直前,操

業中及び運転終了直後に実施するのがよい。

A.2  機械及び操業点検 

機械及び操業点検は,一次カッタから始め,最終のサンプリング箇所まで通して行い,荷が流れている

状態及び流れていない状態の両方で行うのがよい。検査では,この規格への適合性を確保するため,次の

項目をチェックするのがよい。

a)  ロットの大きさ,一次インクリメント数及びサンプリング間隔の点で操業設定が正しいこと。 
b)  カッタ装置は良好で,7.5 及び 7.6 に適合していること。

c)  全てのカッタ速度は,7.5.5 に適合していること。カッタ速度は,カッタが鉱石流の中を移動する距離

をその距離の移動に要する時間で除して求める。

時間基準サンプリングでは,

速度が一定かを確認し,

質量基準サンプリングでは,幾つかの鉱石流量において,カッタ速度が比例(可変速カッタ)又は一

定(固定速カッタ)であることを確認する。

d)  全てのカッタの速度は,鉱石流の中で一定であること。 
e)  全てのカッタにおいて,所定のインクリメント数が採取されていること。一次サンプラでのカットの

時間間隔又は質量間隔が適切で,最大の処理量においてもロット量に対応した最低限のインクリメン

ト数が確保できていること。

f)  全てのカッタは待機位置では鉱石流の外にあり,この位置で鉱石の進入がないこと。シュート及びホ

ッパの緩衝板,集じん(塵)装置のドアなどに鉱石が入り込むような開口部がないこと。

g)  インクリメントの質量は,5.1.4 に適合していること。 
h)  カッタ装置及びサンプルのシュート部では,鉱石の付着堆積,閉塞がないこと,また,木片,紙,布,

石,金属などの混入のおそれがないこと。

i)

ベルトフィーダ(試料コンベヤ)及び振動フィーダは良好で,コンベヤベルトが適切に連動している

こと。

コンベヤベルト,

スカート及びベルトスクレーパの状態は試料の集積に特に重要な要素であり,

振動ベルト及びフィーダの流量設定並びにベルトスクレーパ及びスカートは落鉱がないように調整さ


54

M 8702

:2016

れていること。

j)  破砕装置は良好で,破砕後の粒度及び質量は設計どおりであること。経時的に破砕粒度の変動がある

場合は,

修理が必要である可能性があり,

破砕装置本体及びシュートからの落鉱がないかを確認する。

k)  最終試料採取装置は良好か。試料に異物混入,量的損失,水分飛散などがないかを確認する。 
l)

最終試料質量は,箇条 10 に整合していること。

機械式サンプリングシステムのチェックリストの一例を,

表 A.1 に示す。

A.3  管理図 

管理図は,サンプリング装置の性能を監視するのに非常に有用である。特に,A.3.1 及び A.3.2 に示すサ

ンプリング比及び抽出比の管理図が重要である。

A.3.1  サンプリング比 

サンプリング比(SR)は,実際のサンプル質量[m

A

(kg)

]をそのサンプルに対応するサブロットの質

量[m

SL

(t)

]で除したもので,次の式で示す。

000

1

SL

A

×

=

m

m

SR

サンプリング比は,採取インクリメントの量の関数となる。

サンプリング比の比較は,同レベルの操業設定(設備全体を通し,同じカッタ設備,タイマ設定,サブ

ロット規模及び鉱石流量)の場合に意味をもち,したがって,操業設定ごとに別の管理図で管理を行う必

要がある。サンプリング比が管理されていない状態でのサンプルはその代表性に疑問が残り,有効性を検

証するのがよい。サンプリング比に著しい変動がみられる場合,この原因を調査するのがよい。サンプリ

ング比の管理図の一例を

図 A.1 に示す。

A.3.2  抽出比 

抽出比(ER)は,実際のサンプル質量[m

A

(kg)

]を,鉱石流量,カット頻度,カッタ性能,カッタ速

度などから計算されるサンプル質量[m

C

(kg)

]で除したもので,次の式で示す。

C

A

m

m

ER

=

管理図は,多くのロットに対して作成し,特定の設備の長期の傾向を監視するのがよい(

図 A.1 参照)。

サンプリング設備が正常であれば,抽出比は 1.0 で一定である。抽出比が 1.0 から著しく外れる場合は,そ

のサンプリング設備を点検するのがよい。

抽出比の管理は,長期の操業において,特定のサンプリング設備に問題がないかを把握するのに有用で

ある。例えば,設備の不調で,あるカッタの速度が数週間にわたって遅くなった場合,サンプリング設備

の各部の試料質量が増え,長期の傾向から設備に異常があることが分かる。設備の操業設定に変更があっ

た場合,サンプリング比に比べて抽出比の変化は小さい。したがって,異なったサンプリング設備間での

性能を比較するときに,より有用である。抽出比の管理図の一例を

図 A.1 に示す。


55

M 8702

:2016

表 A.1−機械式サンプリングシステムのチェックリストの例 

会社名:                                  日付:

サンプラ設置場所及び識別記号:                          検査員:

一般情報 

検査結果

仕様

許容値

a)  天候

b)  鉱石銘柄

c)  最大粒度

d)  水分

e)  ロットの大きさ

f)  流量(最大及び通常)

g)  試料の目的

h)  鉱石の山元

i)  サンプリング場所と積込み・荷揚げ

場所との間の乗換え箇所の数

最小である

j)  サンプリング場所と積込み・荷揚げ

場所との間の合計落下高さ

最小である

サンプリングシステムの形式 

1 段階  □ 
2 段階  □ 
3 段階  □

一次カッタ 

検査結果

仕様

許容値

a)  カッタの形式

b)  カッタの駆動

c)  鉱石の最大粒度

d)  落下高さ

最小である

e)  鉱石流の周期的変動

最小である

f)  カッタの開き(7.5.4 参照)

3以上

g)  カッタの縁の状態

摩耗が顕著でない

h)  カッタ開口部と鉱石流との角度

正常である

i)  カッタ開口部とのど部の堆積(の有無)

顕著でない

j)  カッタ通過時の鉱石流の障害

詰まり,あふれがな

k)  全流幅カット及びベルトスクレーピング

全流幅採取

l)  カッタ速度(7.5.5 参照)

0.6

m/s 以下 5

%

m)  カッタ速度の一定性(7.5.5 参照)

一定である 5

%

n)  インクリメント質量(6.1.16.2.1 参照)

CV≦20 %

o)  異物混入及び試料の損失(含むシュート,

カッタの鉱石の詰まり状況)

顕著でない

p)  水分損失

顕著でない

q)  鉱石流から出てのカッタ停止

鉱石流外で停止

r)  質量又は時間基準サンプリング

s)  カットの間隔

t)  1 ロット当たりのカットの数

u)  抽出比(インクリメント質量の計算と実績

との比)

 1.0


56

M 8702

:2016

一次試料フィーダ及びシュート 

検査結果

仕様

許容値

a)  フィーダの形式

b)  給鉱率

c)  供給コンベヤの連動性

d)  シュート

穴あきがない

e)  異物混入又は試料の損失

顕著でない

f)  水分損失

顕著でない

g)  詰まり

顕著でない

h)  クラッシャ

i)  クラッシャ後の粒度

二次カッタ 

検査結果

仕様

許容値

a)  カッタの形式

b)  カッタの駆動

c)  鉱石の最大粒度

d)  落下高さ

最小である

e)  鉱石流の周期性

最小である

f)  カッタの開き(7.6 参照)

3以上

g)  カッタの縁の状態

摩耗が顕著でない

h)  カッタ開口部と鉱石流との角度

正常である

i)  カッタ開口部とのど部の堆積(の有無)

顕著でない

j)  カッタ通過時の自由流

詰まり,あふれがな

k)  全流幅カット及びベルトスクレーピング

全流幅採取

l)  カッタ速度(7.6 参照)

0.6

m/s 以下 5

%

m)  カッタ速度の一定性(7.6 参照)

一定である 5

%

n)  二次カッタのランダム起動状況

o)  インクリメント質量

p)  異物混入又は試料の損失(含むシュート,

カッタの鉱石の詰まり状況)

顕著でない

q)  水分損失

顕著でない

r)  鉱石流から出てのカッタ停止

鉱石流外で停止

s)  カットの間隔

t)  一次インクリメント当たりのカットの数

u)  一次インクリメントに対する二次カッタの

カットの均等性

二次試料フィーダ及びシュート 

検査結果

仕様

許容値

a)  フィーダの形式

b)  給鉱率

c)  供給コンベヤの連動性

d)  シュート

穴あきがない

e)  異物混入又は試料の損失

顕著でない

f)  水分損失

顕著でない

g)  詰まり

顕著でない

h)  クラッシャ

i)  クラッシャ後の粒度


57

M 8702

:2016

三次カッタ 

検査結果

仕様

許容値

a)  カッタの形式

b)  カッタの駆動

c)  鉱石の最大粒度

d)  落下高さ

最小である

e)  鉱石流の周期性

最小である

f)  カッタの開き(7.6 参照)

3以上

g)  カッタの縁の状態

摩耗が顕著でない

h)  カッタ開口部と鉱石流との角度

正常である

i)  カッタ開口部とのど部の堆積(の有無)

顕著でない

j)  カッタ通過時の自由流

詰まり,あふれがな

k)  全流幅カット及びベルトスクレーピング

全流幅採取

l)  カッタ速度

0.6

m/s 以下 5

%

m)  カッタ速度の一定性

一定である 5

%

n)  三次カッタのランダム起動状況

o)  インクリメント質量

p)  異物混入又は試料の損失(含むシュート,

カッタの鉱石の詰まり状況)

顕著でない

q)  水分損失

顕著でない

r)  鉱石流から出てのカッタ停止

鉱石流外で停止

s)  カットの間隔

t)  二次インクリメント当たりのカットの数

u)  二次インクリメントに対する三次カッタの

カットの均等性

試験室試料 

検査結果

仕様

許容値

a)  容器までの落下高さ

最小である

b)  シュート

穴あきがない

c)  詰まり

顕著でない

d)  密閉容器

密閉

e)  最大粒度

f)  試料の質量

g)  水分損失

顕著な損失がない

総括コメント 


58

M 8702

:2016

a)  サンプリング比管理図 

b)  抽出比管理図 

UCL(Upper control limit, AIM+3σ):プロットが 1 点でも UCL を上側に超えた場合は,サンプリング設備に異常があ

ることを示し,速やかに設備を点検する必要がある。

UWL(Upper warning limit, AIM+2σ):プロットが UWL を数点にわたり上側に超えた場合は,サンプリング設備に異

常がある可能性を示し,設備を点検する必要がある。

AIM(Aim):プロットが AIM の付近で上下に偏りなく存在する場合は,サンプリング設備が良好な状態にある。 
LWL(Lower warning limit, AIM−2σ):プロットが LWL を数点にわたり下側に超えた場合は,サンプリング設備に異

常がある可能性を示し,設備を点検する必要がある。

LCL(Lower control limit, AIM−3σ):プロットが 1 点でも LCL を下側に超えた場合は,サンプリング設備に異常があ

ることを示し,速やかに設備を点検する必要がある。

図 A.1−サンプリング比管理図及び抽出比管理図の例 


59

M 8702

:2016

附属書 B

(規定)

インクリメント数の計算

B.1  記号 

記号は,次による。

n

1

  :期待するサンプリング精度を達成するためにロットから採取する一次インクリメントの最少個数

β  :信頼率 95 %(又は 2 シグマ信頼率)における精度で,標準偏差の 2 倍 
β

P

  :信頼率 95 %における試料調製精度

β

M

  :信頼率 95 %における測定精度

β

S

  :信頼率 95 %におけるサンプリング精度

β

SPM

 :総合精度。すなわち,信頼率 95 %におけるサンプリング,試料調製及び測定の精度を含んだもの。

σ  :標準偏差 
σ

P

  :試料調製標準偏差

σ

M

  :測定標準偏差

σ

S

  :サンプリング標準偏差

σ

W

  :層内(又は部分内)の品質特性の品位変動(標準偏差)

σ

SPM

 :総合標準偏差

B.2  式の誘導 

表 に規定した 1 ロットから採取する一次インクリメントの数(n

1

)は,層別サンプリングの理論に基

づいて,式(B.7)によって求める。

信頼率 95 %における総合精度の定義から,それぞれの標準偏差の関係は,数学的に式(B.1)及び式(B.2)

による。

SPM

SPM

2

σ

β =

  (B.1)

又は,

2

SPM

SPM

β

σ

  (B.2)

ここに,

2

M

2

P

2

S

SPM

σ

σ

σ

σ

  (B.3)

又は,

2

M

2

P

2

SPM

S

σ

σ

σ

σ

  (B.4)

注記  ロットが等しいトン数の n

3

個に分割され,試験試料が各部分ごとに調製され,また,各試験試

料について各部分の品質特性の平均値を得るために,n

2

回の測定が実施される場合は,ロット

の品質特性の平均値を求めるのに,式(B.3)の代わりに次の式を用いるのがよい。

)

/

(

)

/

(

2

3

2

M

3

2

P

2

S

SPM

n

n

n

σ

σ

σ

σ


60

M 8702

:2016

インクリメントの質量は層の質量より著しく小さいため,論理式の有限修正係数はほぼ 1 となり,n

1

インクリメントを採取したときの層別サンプリングのサンプリング標準偏差は,式(B.5)による。

1

W

S

n

σ

σ =

   (B.5)

したがって,

1

W

S

S

2

2

n

σ

σ

β

  (B.6)

又は,

2

S

W

1

2





β

σ

n

   (B.7)

β

SPM

β

S

との関係は,式(B.2),式(B.4)及び式(B.6)から式(B.8)となる。

2

M

2

P

2

SPM

S

2

2

σ

σ

β

β

   (B.8)

σ

M

σ

P

と分離して推定できない場合は,

β

S

は式(B.9)となる。

2

PM

2

SPM

S

2

2

σ

β

β

   (B.9)

表 B.1 に表 のインクリメント数の算出に用いた品位変動(

σ

W

)の値を示す。

表 B.1−品位変動(σ

W

)の値 

単位  質量分率(%)

品質特性

品位変動(

σ

W

)の区分

全鉄分 2.50

1.25

シリカ分 2.50

1.25

アルミナ分 0.70

0.35

りん分 0.018

0.009

水分 2.50

1.25

粒度

−200 mm 鉱石

−10 mm 区分(平均 20 %) 12.50 8.75  6.25

−50 mm 鉱石

−31.5+6.3 mm 整粒鉱

−6.3 mm 区分(平均 10 %) 6.250 4.375 3.125

焼結用粉鉱

+6.3 mm 区分(平均 10 %)

ペレット用粉鉱

−45

μm 区分(平均 70 %) 3.750 2.625 1.875

ペレット

−6.3 mm 区分(平均 5 %)

注記  この表の

σ

W

の値は,

表 の n

1

の計算に用いた値である。


61

M 8702

:2016

附属書 C 
(参考)

参照試料採取の代替方法

C.1  代替方法の原理 

今日では,搬送プラントは,満載ベルトコンベヤシステムを起動させることが可能であるにもかかわら

ず,コンベヤベルトを停止して参照試料を採取する標準方法は,操業上の困難さを生じる。主な問題は,

船荷役作業中に搬送システムを何度も起動させることになり,これが船の荷役時間を遅延させる原因とな

ることである。

この附属書は,次の原則に基づく。

a)  適正な容量のサージバンカ又は切替装置付き二次ベルトがあることが望ましい。

b)  一次サンプラ及び停止ベルトサンプラはできるだけ近くに配置し,操作は連動させることが望ましい。 
c)  停止ベルトから試料を採取する装置は,ベルトのカーブに合った当て板を備えていることが望ましく,

当て板間の距離は試料粒度の変動に応じて調整できることが望ましい。

d)  ベルト上から鉱石を採取するための装置は,当て板間のベルトの上をきれいに掃き取ることができる

ものが望ましい。

これは,次のことを意味する。

1)  ベルトは,鉱石の断面の輪郭とスイープアームの作動半径とが合致するように,下から支えること

が必要である。

2)  スイープアームの幅は,調整できることが必要である。

3)  試料を完全に採るため,必要があれば何回も掃き取る。 

C.2  鉱石流の切替路の配置 

図 C.1∼図 C.4 に示す四つの方式は,主鉱石搬送システムのシーケンスを妨げずに停止ベルトの手法で

参照試料を採取できるよう考慮している。これらの方式は,一次サンプラが設置されている主コンベヤベ

ルトから,その上の鉱石層の一区画と全く同一のものを,停止ベルトサンプリングに使用するコンベヤベ

ルト上に作るために,主鉱石流を切り替える基本的な方法を示すものである。

C.3  切替路の方式 
C.3.1  
方式 1(図 C.1 参照) 

この方式は,切替板の作動によって持ち込まれるかもしれない流れ方向の偏析の影響を受けずに鉱石層

の一区画が形成されるように,

十分な長さのトランスファコンベヤ上に主鉱石流を切り替えるものである。

参照試料は,両端を除いた鉱石層の区画から得られる。正規の主鉱石流は,アンローダダンプホッパから

フィーダ及びシュートを経由して主コンベヤベルトへ流れる。

初めに,停止ベルトサンプラの範囲内に鉱石層の一区画を移す短時間の間だけ,切替装置を作動させて

鉱石流をトランスファコンベヤ側に流す。この段階では鉱石を排出してはならない。鉱石層がトランスフ

ァコンベヤに移されたら直ちに切替装置を通常の主鉱石流側に切り替え,トランスファコンベヤは,停止

して参照試料を採取する。

切替装置は,停電時に手動で位置決めできる機構を備えていなければならない。また,この停止ベルト


62

M 8702

:2016

トランスファシステムは,必要な操作を起動するために主コンベヤシステムと電気的に連動しなければな

らないが,主コンベヤシステムの起動及び停止のシーケンスからは独立しているほうがよい。

C.3.2  方式 2(図 C.2 参照) 

この方式は,シャトルコンベヤで鉱石流を切り替えることによって,方式 1 と同様の特色をもつ。操作

は,前記の方式と同じ順序で行い,鉱石流の順序は,次による。

a)  段階 1:シャトルコンベヤは,主鉱石流から切り離された位置にある−鉱石は,主コンベヤベルト上

に直接落ちる。

b)  段階 2:シャトルコンベヤは,図示された位置にある−鉱石は鉱石層の一区画を得るためシャトルコ

ンベヤ上に落ちる。

c)  段階 3:シャトルコンベヤを,主鉱石流から切り離す−主鉱石流は主コンベヤシステムに流し,シャ

トルコンベヤを止め,停止ベルトサンプリングを行う。

d)  段階 4:シャトルコンベヤは図示された位置にある−トランスファコンベヤからの排出鉱石を受け入

れるため,予備ホッパを使って,本体のコンベヤベルト上にスペースを確保する。

e)  段階 5:主コンベヤシステムへの通常の給鉱を再開する。

C.3.3  方式 3(図 C.3 参照) 

この方式は方式 1 と同じだが,切替装置は一次サンプラの位置にある。

C.3.4  方式 4(図 C.4 参照) 

この方式は方式 2 と同じだが,切替装置は一次サンプラの位置にある。

図 C.1−方式 


63

M 8702

:2016

図 C.2−方式 

図 C.3−方式 

図 C.4−方式 


64

M 8702

:2016

附属書 D 
(規定)

機械式インクリメント縮分以外の機械式縮分方式による

粒度用試料の縮分後最小質量の計算手順

D.1  一般 

この附属書は,鉱石の種類及び規定粒度区分が

表 と異なる場合に,機械式インクリメント縮分以外の

縮分方法(例えば,メカニカルチャージリッフル)による粒度用試料の,縮分後の大口試料の最小質量を

決定する手順を規定する。

D.2  手順 

粒度用大口試料を縮分する場合,縮分後の試料の最小質量[m

3

(kg)

]は,式(D.1)によって求める。

2

PM

3

5

β

κ

m

ρ

  (D.1)

ここに,

β

PM

表 に示す縮分測定精度[質量分率(%)]

ρ: 粒子の中の密閉空孔を含んだ粒子の見掛密度(t/m

3

κ: 鉱石の種類,規定粒度区分及びその平均含有率等の特性とし

ての定数で,式(D.2)によって求める。

d

l

d

P

P

2

3

5

)

100

(

10

5

.

2

×

κ

  (D.2)

ここに,

P: 規定粒度区分の平均含有率[質量分率(%)]

d: 縮分する大口試料の最大粒度(mm)

l

2

規定粒度区分(mm)

各インクリメント又は小口試料を縮分する場合,粒度用インクリメント又は小口試料の縮分後最小質量

m

5

)は,式(D.3)によって求める。

1

3

5

n

m

  (D.3)

ここに,

m

3

式(D.1)で求めた縮分後大口試料の最小質量(kg)

n

1

縮分するインクリメント又は小口試料の数

インクリメント又は小口試料の縮分後の実際の質量は,10.1.6.2.2 に従って決め,偏りが起こるのを防ぐ

のがよい。

D.3  粒度用大口試料の縮分後の最小質量の計算例 
D.3.1  
例 

鉱石の種類          :−70 mm 鉱石

規定粒度区分        :−10 mm

規定粒度区分の含有率:20 %(質量分率)

見掛密度            :4.5 t/m

3

要求される

β

PM

:4.0 %(質量分率)

例題:粒度用縮分後大口試料の最小質量(m

3

)を求める。

式(D.2)によって

κを求める。


65

M 8702

:2016

7

.

185

5

70

10

)

70

(

)

20

100

(

20

10

5

.

2

3

5

×

×

×

κ

次に,式(D.1)によって m

3

を求める。

kg

292

5

5

.

4

)

0

.

4

(

7

.

185

5

2

3

×

m

D.3.2  例 

鉱石の種類          :−12.5 mm 焼結用粉鉱

規定粒度区分        :+10 mm

規定粒度区分の含有率:10 %(質量分率)以下

見掛密度            :4.5 t/m

3

要求される

β

PM

:1.6 %(質量分率)

例題:粒度用縮分後大口試料の最小質量(m

3

)を求める。

式(D.2)によって

κを求める。

3

.

39

5

.

12

0

.

10

)

5

.

12

(

)

10

100

(

10

10

5

.

2

3

5

×

×

×

κ

次に,式(D.1)によって m

3

を求める。

kg

8

.

13

5

5

.

4

)

6

.

1

(

3

.

39

2

3

×

m

D.3.3  例 

鉱石の種類          :−31.5 mm 鉱石

規定粒度区分        :−6.3 mm

規定粒度区分の含有率:10 %(質量分率)以下

見掛密度            :4.5 t/m

3

要求される

β

PM

:1.6 %(質量分率)

例題:粒度用縮分後大口試料の最小質量(m

3

)を求める。

式(D.2)によって

κを求める。

5

.

314

5

.

31

3

.

6

)

5

.

31

(

)

10

100

(

10

10

5

.

2

3

5

×

×

×

κ

次に,式(D.1)によって m

3

を求める。

kg

6

.

110

5

5

.

4

)

6

.

1

(

5

.

314

2

3

×

m


66

M 8702

:2016

附属書 E

(規定)

二分器

表 E.1−二分器の寸法 

単位  mm

寸法測定位置

二分器の種類

90 号 60 号 50 号 30 号 20 号 10 号

6 号

溝数

a)

(本)

12 12 12 12 16 16 16

二分器本体

b) 

90±1 60±1

50±1

30±1

20±1

10±0.5 6±0.5

1

120 760 630 380 346

171 112

450 300 250 170 105 55  40

900 600 500 340 210 110  80

500 360 300 200 135 75  60

90 60 50 30 30

20 20

340 340 340 340 210 110  80

300

230 200 140 85

45 30

1

130 770 640 390 360

184 120

300 240 220 220 140 65  55

試料受器

c) 

300 240 220 220 140 65  55

340 340 340 340 210 110  80

450 300 250 170 105 55  40

110 80 75 55 35

20 15

340 340 340 340 210 110  80

試料給鉱器

1

120 760 630 380 346

171 112

500 400 400 300 200

120  80

335 265 265 200 135 70  45

300 200 200 150 105 50  35

この表の記号(AV)は,

図 E.1 による。は規定寸法,他の寸法は参考値とする。

a)

  溝数は偶数で,かつ,この表の規定の数以上でなければならない。

b)

  二分器の内面は滑らかで,さびないものでなければならない。

c)

  試料受器は粉鉱がこぼれないように,二分器の出口に適した大きさでなければならない。


67

M 8702

:2016

注記  θ は 60°以下が望ましい。

図 E.1−二分器の例 


68

M 8702

:2016

附属書 JA

(規定)

鉄鉱石の品位変動調査方法及び品位変動区分決定方法

JA.1  一般 

この附属書は,鉄鉱石の品位変動を調査する方法及び品位変動区分を決定する方法について規定する。

JA.2  品位変動調査方法 
JA.2.1  
一港で荷揚げする場合の層内変動(

σ

W

)の調査 

輸入鉄鉱石の層内変動(

σ

W

)を調査する方法は,JIS M 8707 による。

注記  調査のため採取した試料を,検収用試料に兼用又は重用してもよい。

JA.2.2  複数港で荷揚げする場合の層内変動(

σ

W

)の調査 

ロットを複数港で荷揚げする場合は,次による。

a)  1 船 1 ロットとして処理し,試料採取間隔は第 1 港で決めたものを適用する。

b)  港ごとの荷揚げ量に応じて層の数を割り当てて調査する。 
c)  港ごとの全データをまとめて,1 船 1 港揚げの場合の解析方法を用いて品位変動を求める。 
JA.2.3  報告 

報告様式は,JA.2.1 及び JA.2.2 のいずれの場合も

表 JA.2 による。

JA.3  品位変動区分決定方法 
JA.3.1  
新規銘柄の場合 

新規銘柄については,早期に品位変動調査を行い,品位変動区分を決定しなければならない。この場合,

2 年以内に 4 個(JIS M 8707 の方法 2 の場合は 4 船)以上の層内変動

σ

W

を求め,

表 JA.1 の基準によって

品位変動区分を決定するが,入荷の船数が 4 船に満たない場合はこの限りではない。決定した品位変動区

分は,5 年間有効とすることができる。

表 JA.1−品位変動区分決定基準 

品位変動区分

品位変動区分決定基準

層内変動の算術平均

W

σ

≧  品位変動“大”と“中”との境界値

層内変動の算術平均

W

σ

<  品位変動“大”と“中”との境界値

≧  品位変動“中”と“小”との境界値

層内変動の算術平均

W

σ

<  品位変動“中”と“小”との境界値

ここに,品位変動“大”

“中”及び“小”の各境界値は,

表 に規定した値を用いる。

JA.3.2  品位変動区分の確認 

JA.3.1 で決定した品位変動区分は,5 年の有効期間内に 1 個(JIS M 8707 の方法 2 の場合は 1 船)以上

の層内変動(

σ

W

)を求め,

表 に示す基準によって品位変動区分を確認しなければならない。

確認の結果によって,次の a)c)  の処置をする。

a)  品位変動区分が大きい方に変化した場合(小→中,小→大,又は 中→大),暫定的に新たに確認され


69

M 8702

:2016

た品位変動区分を適用し,速やかに JA.3.3 によって品位変動区分変更の妥当性を検討する。

b)  品位変動区分が変化しない場合は,そのままの品位変動区分とし,更に 5 年間有効とすることができ

る。

c)  品位変動区分が小さい方に変化した場合(大→中,大→小,又は 中→小)は,従来の品位変動区分を

適用し,速やかに JA.3.3 によって品位変動区分変更の妥当性を検討する。

JA.3.3 

品位変動区分の変更 

JA.3.2 によって,a)  又は c)  に該当し,品位変動区分変更の妥当性を検討するには,2 年以内に 4 個(JIS 

M 8707 の方法 2 の場合は 4 船)以上の層内変動

σ

W

を求め,

表 に示す基準によって品位変動区分を変更

しなければならない。ただし,入荷の船数が 4 船に満たない場合はこの限りではない。変更した品位変動

区分は,5 年間有効とすることができる。この場合の品位変動区分確認の方法は,JA.3.2 による。

JA.3.4 

特別処置 

a)  JA 3.1JA 3.2 及び JA 3.3 の規定にかかわらず,特別な理由(例えば,山元における処理設備の変更・

閉山など)がある場合は,品位変動区分について再検討することができる。

b)  ペレット用粉鉱石の品位変動区分は,鉄分の品位変動区分を適用する。

c)  水分に係る品位変動区分は,新規銘柄については JA 3.1 に基づき品位変動区分を決定する。区分が“小”

の場合,この区分を継続し,以後の実験は省略してよい。


表 JA.2−報告様式 

銘柄

インクリ

メント

調査

ロット

調査
方法

会社名,事業所名

層 No

入港月日

船名

入荷量

(t)

粒度(        )

a)

(%)

水分(%)

鉄分(%)

A B  x  R A B  x  R A B  x  R

1

平均

D

4

R

σ

W

品位変動(

σ

W

σ

b

)の大きさの分類

数値は絶対百分率で示す

a)

  (  )内に調査を行った粒度区分を記

入。調査する鉄鉱石類に従って右の
表を参考にし,該当する目開きのふ
るいを選ぶ。ただし,契約粒度と異
なる場合は,契約粒度で行う。

品質特性

品位変動区分

全鉄分

σ

W

又は

σ

b

≧2.0

2.0>

σ

W

又は

σ

b

≧1.5

σ

W

又は

σ

b

<1.5

水分

σ

W

又は

σ

b

≧2.0

2.0>

σ

W

又は

σ

b

≧1.5

σ

W

又は

σ

b

<1.5

粒度

−200 mm 鉱石

10 mm 篩下区分(平均 20 %)

σ

W

又は

σ

b

≧10

10>

σ

W

又は

σ

b

≧7.5

σ

W

又は

σ

b

<7.5

−50 mm 鉱石

−31.5+6.3 mm 整粒鉱

6.3 mm 篩下区分(平均 10 %)

σ

W

又は

σ

b

≧5 5>

σ

W

又は

σ

b

≧3.75

σ

W

又は

σ

b

<3.75

焼結用粉鉱 6.3

mm 篩上区分(平均 10 %)

ペレット用粉鉱 45

μm 篩下区分(平均 70 %)

σ

W

又は

σ

b

≧3 3>

σ

W

又は

σ

b

≧2.25

σ

W

又は

σ

b

<2.25

ペレット 5

mm 篩下区分(平均 5 %)

70

M 87

02

201

6


71

M 8702

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附属書 JB

(参考)

構成インクリメント数の異なる小口試料から

インクリメント縮分によって大口試料を調製する方法

JB.1  概要 

小口試料を縮分して大口試料を調製する場合,小口試料が異なる数のインクリメントからなるときには

比例縮分を適用する。通常は,ロータリーコーン,スナイダーなどの機械式によって行われるが,手動イ

ンクリメント縮分を比例縮分として用いる方法を示す。

JB.2  内容 

比例縮分形式による手動インクリメント縮分方法は,次による。

基準インクリメント数

1)

 に達しない最後の小口試料から採取する縮分試料は,質量(m')が,次の式を

満足するように,手動インクリメント縮分を行って採取する。この場合,鉄板上に広げる試料の等分分割

数は 4 以上とする。

m

n

n

m

×

=

ここに,

m': 基準インクリメント数に達しない最後の小口試料から

採取する縮分試料の質量

n': 基準インクリメント数に達しない最後の小口試料を構

成するインクリメント数

n: 基準インクリメント数

m: 最後の小口試料以外の全ての小口試料から採取する縮

分試料の質量

1)

  最後の小口試料以外の全ての小口試料を構成するインクリメントの数で,当初設定した数をい

う。

JB.3  実施例 
JB.3.1  
例 

前提条件

鉱種:最大粒度 9 mm の粉鉱石

採取インクリメント数:53

小口試料を構成するインクリメント個数:9(基準インクリメント数)

最後の小口試料が基準インクリメント数に達しない:9,9,9,9,9 及び 8

10D のインクリメントスコップを用いて採取した 1 インクリメントの質量:250 g

注記  インクリメントスコップによる試料の採取質量は,銘柄,水分含有量,粒度分布などによって

変動するので,あらかじめ把握しておくのがよい。

基準インクリメント数からなる小口試料は,10.4 に従ってインクリメント縮分を行う。

10D×12(インクリメント)=250 g×12=3 000 g


72

M 8702

:2016

基準インクリメント数に達しない小口試料の縮分は,

        m'=8/9×3 000=2 667 g

        2 667/10D=2 667/250=10.6→11(インクリメント)

となり,したがって,10D インクリメントスコップで当該小口試料から,11 インクリメントを採取する。

11 インクリメントの採取方法は,次による。

当該小口試料を横長の直方体に広げて 11 等分し,10D インクリメントスコップを用いて各区分から 1

インクリメントずつ採取し,これらを集めて縮分(後)試料とする(10D×11=250 g×11=2 750 g)

JB.3.2  例 

前提条件

鉱種:最大粒度 9 mm の粉鉱石

採取インクリメント数:65(計画 63,採取 65)

小口試料を構成するインクリメント個数:9(基準インクリメント数)

最後の小口試料が基準インクリメント数に達しない:9,9,9,9,9,9,9 及び 2

注記 1  最後の二つの小口試料は 10 インクリメントずつ集めて調製するか,又は最後に残った 11 イ

ンクリメントを集めて小口試料とするのが通常であるが,採取したインクリメントは 9 イン

クリメントずつ集めて小口試料を調製してしまっており,2 インクリメントだけが残った場

合の例を示す。

基準インクリメント数からなる小口試料は,10.4 に従ってインクリメント縮分を行う。

        10D×12(インクリメント)=250 g×12=3 000 g

基準インクリメント数に達しない小口試料の縮分は,

        m'=2/9×3 000=667 g

        667/10D=667/250=2.6→3(インクリメント)

となり,インクリメント数が 4 に満たないため,1 段下の 5D インクリメントスコップを用いる。ただし,

5D インクリメントによる採取量は 140 g であり,

        667/5D=667/140=4.7→5(インクリメント)

5D インクリメントスコップで当該小口試料から 5 インクリメント採取する。インクリメントの採取方法

は,次による。

当該小口試料を横長の直方体に広げて 5 等分し,5D インクリメントスコップを用いて各区分から 1 イン

クリメントずつ採取し,これらを集めて縮分(後)試料とする(5D×5=140 g×5=700 g)

注記 2  10.6 の注記 では,水分試験試料の調製の場合,対応するインクリメントスコップよりも 1,

2 段小さいインクリメントスコップを使用してもよい,とある。スコップの幅が最大粒度の 3

倍の場合は,1 段小さいインクリメントスコップを用いても縮分精度に大きな差がないと考

えられ,水分試験試料以外の試料の調製にも準用した。


附属書 JC

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS M 8702:2016  鉄鉱石−サンプリング及び試料調製方法

ISO 3082:2009,Iron ores−Sampling and sample preparation procedures

(I)JIS の規定

(II)国際

規格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと

の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差

異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

3  用 語 及 び
定義

3

変更

用語の定義で引用した JIS M 8700
と重複する用語は全て削除し,層別

サンプリングだけを規定した。

ISO 規格に規定されている用語の
中で ISO 11323 と重複している用

語を削除することを,ISO に提案

する。

5  サ ン プ リ
ン グ 及 び 試

料 調 製 の 基

本事項

5

追加

附属書 JA を引用するため,

“品位

変動区分の決定方法は,附属書 JA

による。

”を追加した。

変更

式(8)のインクリメント数を確保で

きない場合の処置は,ISO 規格では
“条件はないが,処置内容を報告書

に明記する”と規定しているが,JIS

では“受渡当事者間の協定によって
実施”に変更した。処置内容を記録

保存するのが最低要件であり,その

意味では ISO 規格と大差ない。JIS
ではより厳格化し,安易な処置に歯

止めをかけた。

状況を鑑みて ISO への提案を検討

する。

7  鉱 石 流 か
ら の 試 料 採

7

追加 7.7.3 で縮分機の例として,スナイ

ダ形縮分機及びメカニカルチャー
ジリッフルを追加した。

日本国内では,広く使われている

縮分機である。

 

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(I)JIS の規定

(II)国際 
規格番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇条番号

及び題名

内容

箇条

番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

10  試料調製

10

変更

表 8 の各インクリメントの質量を,

要求事項から目安に変更した。

ある銘柄の鉄鉱石のかさ密度を用

いて計算した参考値にすぎない。

変更

化学分析試験室試料の配布方法(鉄
鋼業界の独自の規定 13)を取り入

れるとともに,これ以外の場合は,

受渡当事者間の協定によることに
変更した。

日本特有の配布方法に関する鉄鋼
業界としての取組を規定した。

追加

落下強度試験に使用する試料の記

載を追加した。

日本国内でだけ行われている試験

である。

変更

表 12 の被還元性試験(還元率方法)

の試料粒度は,ISO 規格で,−20
+18 mm と規定しているが,JIS 

は,JIS M 8713 の規定に従って−
22.4+19 mm に変更した。

JIS M 8713 では,受渡当事者間の
協定で−20+18 mm も選択できる
としており,ISO 規格との整合性

は問題ない。

12  ロットの
特 性 の 平 均

品位の決定

−   12

追加

ISO 規格では規定していないが,
JIS では追加した。

契約上必須事項である。

附属書 JA

(規定)

追加

鉄鉱石の品位変動区分決定に関す

る 4 業界法(鉄鋼業界の独自の規定
7,15,23,27)を取り入れた。

日本特有の品位変動に関する鉄鋼

業 界 と し て の 取 組 を 規 定 し た 。
ISO 規格では規定していない。

附属書 JB

(参考)

JIS と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 3082:2009,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

−  追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−  変更  国際規格の規定内容を変更している。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

− MOD

国際規格を修正している。

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