M 8511
:2014
(1)
目 次
ページ
1
適用範囲
1
2
引用規格
1
3
水分の分析方法
1
3.1
試料
1
3.2
試料の調製方法
1
3.3
水分の定量方法
2
4
分析方法
2
4.1
試料
2
4.2
試料の調製方法
2
4.3
揮発分の定量方法
2
4.4
灰分の定量方法
4
4.5
固定炭素の定量方法
5
5
試験方法
5
5.1
酸化消耗試験方法
5
5.2
pH 試験方法
6
5.3
粒度試験方法
6
5.4
比表面積試験方法
7
5.5
格子定数及び結晶子の大きさの試験方法
7
6
一般
7
6.1
精度
7
6.2
有効数字
7
6.3
採録表示
7
6.4
その他
8
附属書 A(参考)空気透過法による比表面積試験方法
9
M 8511
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(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,炭素協会(JCA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS M 8511:2005 は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格
JIS
M
8511
:2014
天然黒鉛の工業分析及び試験方法
Methods for industrial analysis and testing of natural graphite
1
適用範囲
この規格は,天然黒鉛の工業分析及び試験方法について規定する。また,この規格は,黒鉛類似品の分
析及び試験にも準用できる。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
JIS K 0129
熱分析通則
JIS M 8100
粉塊混合物−サンプリング方法通則
JIS M 8813
石炭類及びコークス類−元素分析方法
JIS R 1301
化学分析用磁器るつぼ
JIS R 1306
化学分析用磁器燃焼ボート
JIS R 1307
化学分析用磁器燃焼管
JIS R 1629
ファインセラミックス原料のレーザ回折・散乱法による粒子径分布測定方法
JIS R 2212-1
耐火物製品の化学分析方法−第 1 部:粘土質耐火物
JIS R 2212-2
耐火物製品の化学分析方法−第 2 部:けい石質耐火物
JIS R 2212-3
耐火物製品の化学分析方法−第 3 部:高アルミナ質耐火物
JIS R 2216
耐火物製品の蛍光 X 線分析方法
JIS R 3503
化学分析用ガラス器具
JIS R 7651
炭素材料の格子定数及び結晶子の大きさ測定方法
JIS Z 8401
数値の丸め方
JIS Z 8801-1
試験用ふるい−第 1 部:金属製網ふるい
JIS Z 8802
pH 測定方法
JIS Z 8805
pH 測定用ガラス電極
JIS Z 8830
ガス吸着による粉体(固体)の比表面積測定方法
3
水分の分析方法
3.1
試料
試料は,JIS M 8100 の水分用試料のサンプリング方法によって採取したものを用いる。
3.2
試料の調製方法
試料は,よく混合した後,JIS M 8100 のインクリメント縮分方法などによって縮分を繰り返し,最終縮
2
M 8511
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分試料の約 100 g を約 4 mm 以下に粉砕し,分析試料として試料瓶に封ろう保存する。試料を粉砕する場
合は,湿分の変動を極力防止するよう注意する。
なお,この操作は手早く行うものとする。
3.3
水分の定量方法
水分の定量方法は,次による。
a)
試料瓶から取り出した試料約 10 g を,手早く質量既知の JIS R 3503 に規定する平形はかり瓶(呼び寸
法 40×20 mm)に入れ,1 mg までひょう(秤)量する。
b)
栓を外して 105〜110 ℃に保持した電気恒温器中で 2 時間加熱後取り出し,密栓し,塩化カルシウム
又はシリカゲルを入れたデシケータ中で常温(20±15 ℃)になるまで放冷し,その試料の質量を 1 mg
までひょう量する。
c)
さらに,約 30 分間加熱し,デシケータ中で常温(20±15 ℃)になるまで放冷後 1 mg までひょう量
し,恒量になるまでこの操作を繰り返す。
d)
水分の含有率は,式(1)によって算出する。
100
1
2
1
×
−
=
m
m
m
M
(1)
ここに,
M: 水分(質量分率%)
m
1
:
3.3 a)
で得た質量(g)
m
2
:
3.3 c)
で得た質量(g)
e)
この操作は,2 回繰り返して行い,その平均値をとる。2 回の測定値の差が
表 1 の許容差を超える場合
は,改めて初めから操作をやり直す。
表 1−水分の許容差
単位 %(質量分率)
水分
許容差
5 未満 0.2
5 以上 0.3
4
分析方法
4.1
試料
JIS M 8100
の粒度用試料のサンプリング方法によって採取した試料を用いる。ただし,4.2 において,
微粉砕が困難な試料の場合,JIS M 8100 を適用しないで採取してもよい。
4.2
試料の調製方法
試料はよく混合した後,JIS M 8100 のインクリメント縮分方法,二分器による方法などによって縮分を
繰り返し,最終縮分試料約 30 g を湿潤を感じない程度に乾燥し,1 mm 以下に全て粉砕して混合し,分析
の試料とする。この調製に用いるふるいは,JIS Z 8801-1 に規定する公称目開き 1 mm を使用する。
4.3
揮発分の定量方法
揮発分の定量方法は,次による。
a)
分析試料を 105〜110 ℃で完全に脱水し,塩化カルシウム又はシリカゲルを入れたデシケータ中で常
温(20±15 ℃)になるまで放冷したものを質量既知の規定の磁器るつぼ中に 1〜2 g 入れ,0.1 mg ま
でひょう量する。磁器るつぼは,通常,
図 1 のものを使用する。
3
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単位 mm
質量(蓋を除く。
)約 10 g
図 1−揮発分測定用磁器るつぼ(落とし蓋付)
b)
磁器るつぼに蓋をして 950±20 ℃に保持した電気炉中に入れ,なるべく試料を酸化させないように注
意しながら 7 分間保持した後,取り出して塩化カルシウム又はシリカゲルを入れたデシケータ中で常
温(20±15 ℃)になるまで放冷した後,その試料の質量を 0.1 mg までひょう量する。
c)
試料の入ったるつぼは,蓋を細いニクロム線でしばり,あらかじめ加熱した大形蓋付磁器るつぼの中
に入れて蓋をし,二重にして加熱すれば,試料の酸化を相当防止することができる。ただし,そのと
き炉内の温度と二重るつぼ内の温度とに差のあるときは注意し,その差だけ補正しなければならない。
d)
精密定量の必要がある場合,窒素気流中における揮発分の定量方法は,4.3 a)の試料約 1 g を磁器ボー
ト(通常,
図 3 を用いる。)に入れ,0.1 mg までひょう量し,窒素気流を通した管状電気炉中に入れ,
950 ℃±20 ℃で 15〜20 分間加熱し,その気流中で 300 ℃まで冷却したものを取り出す。塩化カルシ
ウム又はシリカゲルを入れたデシケータ中で常温(20±15 ℃)になるまで放冷してその試料の質量を
0.1 mg までひょう量し,式(2)によって揮発分を算出する。定量装置は,図 2 による。
単位 mm
図 2−揮発分定量装置の一例
e)
揮発分の百分率は式(2)によって算出し,JIS Z 8401 によって小数点以下第 2 位に丸める。
100
1
2
1
×
−
=
m
m
m
V
(2)
4
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ここに,
V: 揮発分(質量分率%)
m
1
:
4.3 a)
で得た質量(g)
m
2
:
4.3 b)
で得た質量(g)
f)
この操作は 2 回繰り返して行い,その平均値をとる。2 回の測定値の差が 0.3 %を超える場合は,改め
て初めから操作をやり直す。
4.4
灰分の定量方法
灰分の定量方法は,次による。
a)
分析試料を 105〜110 ℃で完全に脱水し,塩化カルシウム又はシリカゲルを入れたデシケータ中で常
温(20±15 ℃)まで放冷したものを質量既知の規定の磁器ボートの中に約 1 g 入れ,0.1 mg までひょ
う量する。磁器ボートは,通常,
図 3 に示す JIS R 1306 に規定する磁器燃焼ボート 3 種を使用する。
なお,灰分が 0.1 %以下の場合には,JIS R 1301 に規定する化学分析用磁器るつぼを用いて,分析試
料約 10 g をひょう量して定量を行ってもよい。
単位 mm
図 3−磁器燃焼ボート
b)
磁器ボートを 850〜900 ℃に保持した電気炉中に入れ,酸素又は空気を流通させながら恒量となるま
で燃焼させた後,塩化カルシウム又はシリカゲルを入れたデシケータ中で常温(20±15 ℃)になるま
で放冷し,その試料の質量を 0.1 mg までひょう量する。
c)
灰分の百分率は式(3)によって算出し,JIS Z 8401 によって小数点以下第 2 位に丸める。
100
1
2
×
=
m
m
A
(3)
ここに,
A: 灰分(質量分率%)
m
1
:
4.4 a)
で得た質量(g)
m
2
:
4.4 b)
で得た質量(g)
d)
この操作は,2 回繰り返して行い,その平均値をとる。2 回の測定値の差が
表 2 の許容差を超える場合
は,改めて初めから操作をやり直す。
なお,灰分の組成を知る必要がある場合は,JIS R 2216 又は JIS R 2212-1,JIS R 2212-2 及び JIS R
2212-3
によって測定する。
5
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表 2−灰分の許容差
単位 %(質量分率)
灰分
許容差
0.1 未満 0.02
0.1 以上 1
未満 0.05
1
以上 5
未満 0.10
5
以上 10
未満 0.20
10 以上 15
未満 0.30
15 以上 0.50
注記 灰分の色調は,記録しておく方がよい。
4.5
固定炭素の定量方法
固定炭素分の試料に対する百分率は,式(4)によって算出し,小数点以下第 2 位まで表示する。
)
(
100
c
A
V
F
+
−
=
(4)
ここに,
F
c
:
固定炭素(質量分率
%
)
V
:
式
(2)
で求めた揮発分(質量分率
%
)
A
:
式
(3)
で求めた灰分(質量分率
%
)
5
試験方法
5.1
酸化消耗試験方法
酸化消耗試験は,次による。
なお,酸化消耗試験は,JIS K 0129 を用いて試験してもよい。
a)
4.3
によって,あらかじめ揮発分を除いた試料約
1 g
を質量既知の規定の磁器ボート内に均一にならし
て入れ,
0.1 mg
までひょう量する。磁器ボートは,通常,
図 3 のものを使用する。
b)
酸化消耗試験に使用する炉は,
図 4 のものを用い,静止空気中に置く。磁器燃焼管は,例えば,JIS R
1307
に規定する
CT2 30
×
24
×
700 mm
を用い,水平に保持し設置する。
単位 mm
図 4−酸化消耗試験に使用する炉の一例
c)
磁器ボートを
600
±
5
℃に保持した管状電気炉の中央に入れ,
1
時間
30
分間保持した後取り出して,
塩化カルシウム又はシリカゲルを入れたデシケータ中で常温(
20
±
15
℃)になるまで放冷した後,そ
の試料の質量を
0.1 mg
までひょう量する。ただし,鉛筆用精製黒鉛及び土状黒鉛については,加熱温
度を
500
±
5
℃とする。
d)
酸化消耗率は,式
(5)
によって算出し,JIS Z 8401 によって小数点以下第
2
位に丸める。
100
)
100
(
)
(
c
1
2
1
×
×
−
×
−
=
F
m
V
m
m
O
(5)
6
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ここに,
O
:
酸化消耗率(質量分率
%
)
V
:
式
(2)
で求めた揮発分(質量分率
%
)
F
c
:
式
(4)
で求めた固定炭素(質量分率
%
)
m
1
:
5.1 a)
で得た質量(
g
)
m
2
:
5.1 c)
で得た質量(
g
)
注記
式
(5)
は,次の式から導いたものである。
100
×
=
固定炭素分質量
減量
O
100
c
c
1
2
1
×
×
−
=
A
F
F
m
m
m
O
+
5.2 pH
試験方法
pH の試験方法は,次による。
なお,pH は,天然黒鉛の水懸濁液の pH のことをいい,試料に蒸留水を加え pH 値を測定する。
a)
装置及び器具
1) pH
計 JIS Z 8802 に規定する形式 0,I 及び II のものを用いる。
2) pH
標準液 JIS Z 8802 に規定するものを用いる。
3)
常温用電極 JIS Z 8805 に規定するものを用いる。常温用電極は JIS Z 8802 によって校正する。
4)
温度計 ±0.5 ℃以上の精度で温度を測定できるもの。
5)
ひょう量 0.1 g まではかれる化学天びん又は電子天びん。
b)
試験方法
1)
試料 5 g をビーカにはかり取り,蒸留水 100 mL を加え,30 秒以上かくはんする。
2) JIS Z 8802
によって,pH 値を測定する。
5.3
粒度試験方法
5.3.1
試験方法の区分
粒度試験方法は,次のいずれかによる。
a)
ふるい分け法
b)
レーザ回折・散乱法
5.3.2
ふるい分け法の場合
ふるい分け法の場合は,次による。
a)
試料の採取 試料は,JIS M 8100 の粒度用試料のサンプリング方法によって採取した試料を用い,よ
く混合した後,その縮分約 50 g を湿潤を感じさせない程度に乾燥して,再度 105〜110 ℃で 1 時間乾
燥し,デシケータ中で常温(20±15 ℃)まで放冷した後,十分に混合し,その 20〜50 g を試験試料
とする。
b)
試験方法
1) a)
で採取した試料を試験しようとする標準ふるいを細目から順に積み重ねた最上部のふるいの中
に入れ,蓋をし,微粉が発散しないよう注意しながら,十分にふるい分けを行う。ふるい分け作業
は,1 分間 140〜150 の割合(サイクル)で,ふるいに上下動及び水平動を与えて試料を揺り動かし,
試料が絶えずふるい面を運動するように 10 分間継続する。ふるい分け試験に用いるふるいは,JIS Z
8801-1
による。
2)
ふるい分け作業が終わったふるいを約 5 分間静置し,微粉の落ち着いた後蓋を取り,各ふるい目に
7
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残った試料の質量を化学天びん又は電子天びんではかり取り,式(6)によって歩留まり(質量分率%)
を算出する。ただし,75 μm 以下の微細なものについては,適切な液中でふるい分けをしてもよい。
なお,ふるい分け作業の時間は,試料の量及び粒度によって 10 分間以上実施してもよいが,この
場合ふるい分け作業の時間及び試料の量を記載する。
3)
各ふるい目の歩留まりは,式(6)によって算出する。
100
×
=
mi
i
i
m
Y
(6)
ここに,
Y
i
:
i 番目のふるい上の歩留まり(質量分率%)
m
i
:
i 番目のふるい上に残った試料の質量(g)
Σ
mi
:
ふるい分け前又はふるい分け後の試料の質量の総量(g)
注記 1 ふるいの表示は,ふるい目の開きをもって表し,ふるい目に残った物を(+),通過したもの
を(−)の符号をもって表し,ふるい目表示の頭に付ける。
注記 2 75
μm 以下の微細なものについての適切な液は,水で希釈した界面活性剤又はアルコールを
用いることが望ましい。
5.3.3
レーザ回折・散乱法の場合
レーザ回折・散乱法の場合は,次による。
a)
試料の採取 試料は,JIS M 8100 の粒度用試料のサンプリング方法によって採取した試料を用いる。
b)
試験方法 レーザ回折・散乱法による粒度試験は,JIS R 1629 による。
5.4
比表面積試験方法
比表面積試験は,次による。
a)
試料の採取 試料は,JIS M 8100 の粒度用試料のサンプリング方法によって採取した試料を用いる。
b)
試験方法 比表面積試験は,JIS Z 8830 による。
注記 簡易的な試験方法として空気透過法を用いることがあり,空気透過法による比表面積試験方
法を
附属書 A に示す。
5.5
格子定数及び結晶子の大きさの試験方法
天然黒鉛の結晶構造パラメータである格子定数及び結晶子の大きさを測定する場合は,JIS R 7651 によ
る。
6
一般
6.1
精度
この規格におけるひょう量の精度は,規定するもののほかは 0.1 mg まではかれる化学天びん又は電子天
びんの精度とする。
6.2
有効数字
この規格による分析結果は,規定するもののほかは JIS Z 8401 によって小数点以下第 1 位に丸める。
6.3
採録表示
分析及び試験結果を採録表示するに当たっては,必要に応じ,次の項目を記載する。
a)
試料
− 産地名,鉱山名,銘柄など
− りん状,土状,塊,粉などの別
− 到着時の状況,荷姿など
8
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b)
試料採取方法
c)
試料採取時の天候
d)
試料調製方法
e)
分析及び試験結果
f)
灰分の色調,灰分の組成,その他の性状
g)
試験実施年月日
h)
試験実施場所
i)
分析及び試験責任者
6.4
その他
黒鉛に含有している各元素の含有量を知る必要がある場合は,JIS R 2212-1,JIS R 2212-2 及び JIS R
2212-3
又は JIS M 8813 によって測定する。
9
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附属書 A
(参考)
空気透過法による比表面積試験方法
A.1
空気透過法による比表面積試験方法
A.1.1
一般
この試験方法は,45 μm 以下の微細な試料について行う。
なお,試料の粒子の形状が球形でないとき又は粒度が微細なときは,同一原料,同一工程の比較として
用いる。
A.1.2
装置
装置は,
図 A.1 の水渡・荒川式恒圧通気力粉体比表面積測定装置を使用する。
① 試験試料
② セル
③ 給水コック
④ 流出口球弁
図 A.1−恒圧通気力粉体比表面積測定装置
A.1.3
試料の採取
試料は,JIS M 8100 の粒度用試料のサンプリング方法によって採取した試料を用い,よく混合した後,
その縮分約 50 g を再度縮分し,
その約 10 g を 105〜110 ℃で 1 時間乾燥し,
デシケータ中で常温
(20±15 ℃)
まで放冷した後よく混合し,その 1 g をひょう量し,試験試料とする。
A.1.4
試験方法
試験方法は,次による。
a)
二重管内管の空気孔と下部流出口との高さの差を 50 cm に保持する。
b)
次にセルをマノメータから取り外し,その底部に有孔金属板及びろ紙を正しく置き,その上に試料を
入れ,セル側面を軽くたたいて試料をならす。さらに,別のろ紙を試料の上に置き,試料充塡層の厚
みが 7±0.1 mm になるようにプランジャで静かに圧した後,プランジャを抜き取る。
c)
次にセルをマノメータに密着させ,下部流出口の球弁を閉じて,給水コックを通じて測定管の標線 S
より上まで水を満たして給水コックを閉じ,下部流出口の球弁を開き,液頭が標線 0 から標線 10 まで
降下する時間を測定し,秒で表示する。この試験は 2 回行い,その平均値をもって所要の値とする。
d)
比表面積 S(cm
2
/g)は,一般に次の式によって算出する。
10
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2
3
)
1
(
14
ε
ε
η
ρ
−
⋅
Δ
=
LQ
PAt
S
AL
W
ρ
ε
−
= 1
ここに,
S: 試料の比表面積(cm
2
/g)
ρ: 試料の真密度(g/cm
3
)
W: 試料の質量(g)
A: 試料充塡層の断面積(cm
2
)
L: 試料充塡層の厚さ(cm)
ε: 試料充塡層の空隙率
η: 空気の粘性係数(Pa・s)
ΔP: 試料充塡層両端の圧力差(Pa)
Q: 試料充塡層を通過した空気量(cm
3
)
t: Q cm
3
の空気が透過するのに要する時間(s)