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日本工業規格

JIS

 M

8324

: 1999

チタン鉱石−鉛定量方法

Titanium ores

−Method for determination of lead

1.

適用範囲  この規格は,チタン鉱石中の鉛定量方法について規定する。

2.

引用規格次  に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS K 0015

  鉛標準液

JIS M 8301

  チタン鉱石の分析方法通則

3.

一般事項  分析に共通の一般事項は,JIS M 8301 による。

4.

定量方法  鉛の定量方法は原子吸光法による。この方法は,鉛含有率 0.005% (mm)  以上 0.05% (mm)  以

下の試料に適用する。

5.

原子吸光法

5.1

要旨  試料を融解剤で融解し,融成物を塩酸で溶解した後,N, N-ジエチルジチオカルバミド酸ナト

リウムを添加し,生成したジエチルジチオカルバミド酸鉛を酢酸ブチルで抽出する。酢酸ブチルを揮発さ

せ,王水を加え加熱し乾固した後,塩酸で溶解し溶液を空気-アセチレンフレーム中に噴霧し原子吸光光度

計を用いて,その吸光度を測定する。

5.2

試薬  試薬は,次による。

a)

塩酸

b)

塩酸 (1+15)  

c)

王水(塩酸 3,硝酸 1)

d)

アンモニア水 (1+1)  

e)

炭酸ナトリウム(無水)

f)

融解合剤[炭酸ナトリウム(無水)1,過酸化ナトリウム 2]

g)

鉄 (III) 溶液 (10mgFe/ml)    硫酸アンモニウム鉄(III)・12 水 43g を 200ml の水に溶解した後,硫酸 (1

+1) 20m 吸び水を加えて 500ml とする。

h)

くえん酸水素二アンモニウム溶液 (200gL)  

i) N,

N-

ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム溶液  N, N-ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム三

水和物 66g を水で溶解した後,水で全容を 500ml とする。

j)

酢酸ブチル

k)

標準鉛溶液 (100

µgPb/ml)  鉛[(99.9% (mm)  以上)]1.000g を硝酸 (1+1) 30ml で加熱して分解し,常


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温まで冷却した後 1 000ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄め原液 (1mgPb/ml)

とする。この原液を使用の都度,必要量を水で正確に 10 倍に薄めて標準鉛溶液とする。又は JIS K 0015

に規定する Pb1 000 (1mgPb/ml)  を使用の都度,

必要量を水で正確に 10 倍に薄めて標準鉛溶液とする。

5.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,1.0g とする。

5.4

操作

5.4.1

試料の分解  試料の分解は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり取り,融解合剤[5.2f)]8g を入れてあるアルミナるつぼに移し入れ,かき混ぜた後,約 2g

の炭酸ナトリウム(無水)を加えて,その表面を覆う。

b)

るつぼをふたで覆い,初めは低温で内容物が流動状になるまで穏やかに加熱し,徐々に温度を上げて

るつぼの底部が暗赤色の状態になるように保ち,るつぼを揺り動かしながら(

1

)

約 5 分間加熱し,試料

を完全に融解する。

c)

放冷した後,融成物をるつぼとともにビーカー (300ml) に移し入れ,温水約 100ml を少量ずつ加え,

るつぼを揺り動かしながら融成物を溶解する。ついで塩酸 50ml を少量ずつ加え,るつぼは水で洗浄

しながら取り出す。鉄(Ⅲ)溶液[5.2g)]2ml を加えビーカーを時計皿で覆い穏やかに加熱し数分間煮沸し

て過酸化物を完全に分解する。

d)

常温まで冷却した後,250ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

(

1

)

試料の分解を促進し,るつぼの浸食を防ぐために,るつぼを絶えず揺り動かすのがよい。

5.4.2

鉛の分離  鉛の分離は,次の手順によって行う。

a)

5.4.1a)

で得た溶液から正確に 50 ml をビーカー (200ml) に分取する。くえん酸水素二アンモニウム溶

液 20ml を加え,pH 計を用いてアンモニア水 (1+1)  で pH9. 0∼9.5 とした後,分液漏斗 (200ml) に水

を用いて移し入れる。

b) N,

N-

ジエチルジチオカルバミド酸ナトリウム溶液[5.2i)]10ml を加えて振り混ぜた後,酢酸ブチル 10

∼20ml を加えて 1 分間激しく振り混ぜて静置する。

c)

水相を別の分液漏斗 (200ml) に移し入れ,有機相は保存する。水相に酢酸ブチル 5ml を加え,1 分間

激しく振り混ぜて静置し,水相を捨てる。有機相は先に保存した有機相と合わせ,ビーカー (200ml) に

移し入れる。

d)

加熱して酢酸ブチルを揮発させた後,王水 5ml を加えてほとんど乾固するまで加熱して有機物を分解

した後,放冷する。

e)

塩酸 (1+15) 5ml を加え,加熱して塩類を溶解し,常温まで冷却した後 25ml の全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線まで薄める。

5.4.3

吸光度の測定  5.4.2e)で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光光度計の空気-

アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 283.3nm における吸光度を測定する。

5.5

空試験  5.6 の検量線作成操作において得られる,標準鉛溶液を添加しない溶液の吸光度を空試験の

吸光度とする。

5.6

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

a)

試料を用いないで,5.4.1 の操作を行う。

b)

ビーカー (200ml) を 4 個準備し,それぞれのビーカーに手順 a)で得た溶液を正確に 50m1 分取する。

くえん酸水素二アンモニウム溶液 20ml を加え,pH 計を用いてアンモニア水 (1+1)  で pH90∼9.5 と

した後,分液漏斗 (200ml) に水を用いて移し入れる。

c)

4

個の分液漏斗のうち,3 個に標準鉛溶液[5.2k)]をそれぞれ 1ml,2ml 及び 3ml(鉛として l00

µg,200µg


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及び 300

µg)を正確に加える。

d)  5.4.2b)

5.4.3 の手順に従って試料と平行して操作し,得た吸光度と鉛量との関係線を作成し,この関

係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

5.7

計算

a)

5.4.3

及び 5.5 で得た吸光度と 5.6 で作成した検量線とからそれぞれの鉛量を求め,試料中の鉛含有率

を,次の式によって算出する。

100

250

50

2

1

×

×

m

A

A

b

P

ここに,

Pb

:  試料中の鉛含有率 [% (m/m)]

A

1

:  分取した試料溶液中の鉛検出量 (g)

A

2

:  分取した空試験液中の鉛検出量 (g)

m

:  試料のはかり取り量 (g)

b)

試料中の鉛含有率を酸化鉛(Ⅲ)含有率として表す場合は,次の式によって算出する。

PbO

Pb×1.077

ここに,  PbO

試料中の酸化鉛(III)の含有率 [% (m/m)]

Pb

5.7a)

で得た試料中の鉛含有率  [% (m/m) ]

JIS

原案作成委員会  構成表          (順不同)

氏名

所属

(委員長)

中  村      靖

株式会社ジャパンエナジー分析センター

揖  斐  敏  夫

通商産業省資源エネルギー庁

大  嶋  清  治

工業技術院標準部

大  島  健  二

古河機械金属株式会社大阪工場

奥  谷  忠  雄

日本大学理工学部

金  築  四  郎

住友シチックス株式会社技術部

河  合  哲  朗

日本酸化チタン工業会

西  島  芳  正

石原産業株式会社四日市工場

服  部  兆  隆

東邦チタニウム株式会社品質管理部

馬  場  央  自

三菱商事株式会社ベースメタル事業部

福  本      寛

堺化学工業株式会社小名浜事業所第一工場

藤  瀬  雅  嵩

チタン工業株式会社宇部工場

藤  貫      正

日本磁気共鳴医学会

細  野      正

富士チタン工業株式会社神戸工場

山  本  浩  司

株式会社トーケムプロダクツ秋田工場

吉  岡  貞  治

テイカ株式会社岡山工場

(事務局)

牧  嶋  作  男

日本酸化チタン工業会

(関係者)

岡  野      修

堺化学工業株式会社

梶  井  義  文

住友シチックス株式会社

奈  良  雄  大

株式会社トーケムプロダクツ

西  原  英  樹

古河機械金属株式会社

藤  井  澄  男

石原産業株式会社

備考  ○印は専門委員会も兼ねる。