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日本工業規格

JIS

 M

8321

: 1999

チタン鉱石−ニオブ定量方法

Titanium ores

−Methods for determination of niobium

1.

適用範囲  この規格は,チタン鉱石中のニオブ定量方法について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。この引用規格は,その最新版を適用する。

JIS M 8301

  チタン鉱石の分析方法通則

3.

一般事項  分析に共通の一般事項は,JIS M 8301 による。

4.

定量方法の区分  ニオブ定量方法は,ICP 発光分光法による。この方法はニオブ含有率 0.005% (m/m)

以上 0.5% (m/m)  以下の試料に適用する。

5.

ICP

発光分光法

5.1

要旨  試料を融解剤で融解し,融成物を塩酸に溶解した後,溶液を ICP 発光分光装置のアルゴンプ

ラズマ中に噴霧し,その発光強度を測定する。

5.2

試薬  試薬は,次による。

a)

塩酸

b)

ほう酸

c)

水酸化カリウム

d)

炭酸ナトリウム(無水)

e)

融解合剤(水酸化ナトリウム 1,過酸化ナトリウム 2

f)

酸化チタン (IV) 

g)

コバルト溶液  コバルト[99.5% (m/m)  以上]2.00g をはかり取り,ビーカー300ml に移し入れ,硝酸

(1

+1) 40ml を加え,加熱して分解する。常温まで冷却した後,1 000ml の全量フラスコに水を用いて

移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液 1ml はコバルト 2mg を含有する。

h)

鉄溶液  鉄[99.9% (m/m)  以上]2.50g をはかり取り,ビーカー (300ml) に移し入れ,塩酸 (1+2) 50ml

を加え,加熱して分解する。常温まで冷却した後,250ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水

で標線まで薄める。

i)

ポリエチレングリコールアルキルフェニールエーテル(以下,トリトンという。)溶液  トリトン 20ml

をビーカー (300ml) にはかり取り,水 50ml を加え,加熱して溶解する。常温まで冷却した後,水で

1 000ml

に薄める。

j)

標準ニオブ溶液 (100

µgNbml)  ニオブ[99.7% (m/m) 以上]0.100g をはかり取り,白金皿(100 番)


2

M 8321 : 1999

に移し入れ,ふっ化水素酸 10ml,硝酸数滴を加え加熱分解した後,硫酸 (1+1) 5ml を加えて加熱し,

硫酸の白煙が十分発生するまで加熱を継続し,放冷後,水で冷却しながら酒石酸溶液 (200g/l) 20ml を

加えてかき混ぜ,常温まで冷却した後,酒石酸溶液 (8g/l)  で 1 000ml に薄める。この溶液 1ml はニオ

ブ 100

µg を含有する。

5.3

試料のはかり取り量  試料のはかり取り量は,0.5g とする。

5.4

操作

5.4.1

試料の分解  試料の分解は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり取り,融解合剤  [5.2e)](

1

)5g

を入れてあるニッケルるつぼ,アルミナるつぼ又はジルコニ

ウムるつぼに移し入れ,かき混ぜた後,約 2g の炭酸ナトリウム(無水)を加えて,その表面を覆う。

b)

るつぼをふたで覆い,初めは低温で内容物が流動状になるまで穏やかに加熱し,徐々に温度を上げて

るつぼの底部が暗赤色の状態になるように保ち,るつぼを揺り動かしながら(

2

)

約 5 分間加熱し,試料

を完全に融解する。

c)

放冷した後,融成物をるつぼとともにビーカー (300ml) に移し入れ,温水約 100ml を少量ずつ加え,

るつぼを揺り動かしながら融成物を溶解し,ついで塩酸 50ml を少量ずつ加え,るつぼは水で洗浄し

ながら取り出す。

d)

常温まで冷却した後,250ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ(

3

)(

4

)

,水で標線まで薄める。

(

1

)

融解合剤の代わりに,水酸化カリウムとほう酸の混合物を用いることができる。この場合は,

試料をはかり取り,るつぼに移し入れ,水酸化カリウム5g 及びほう酸2g を加えてかき混ぜた後,

表面が固化するまで電熱器上で加熱して,あらかじめ水分を除去する。また炭酸ナトリウム(無

水)による表面の被覆は行わない。

(

2

)

試料の分解を促進し,るつぼの浸食を防ぐために,るつぼを絶えず揺り動かすのがよい。

(

3

)

耐ふっ化水素酸ネブライザーを用いるときは,トリトン溶液  [5.2i)] 5ml を加える。

(

4

)  5.4.2b)

で強度比法を適用する場合は,コバルト溶液  [5.2g)]  を正確に 5ml 加える。

5.4.2

発光強度の測定  発光強度の測定は,次のいずれかによる。

a)

強度法  5.4.1d)で得た溶液の一部を,ICP 発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長 269.71nm

又は 309.42nm でのニオブ発光強度を測定する。

b)

強度比法(

5

)

  5.4.1d)で得た溶液の一部を,ICP 発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長

269.71nm

又は 309.42nm におけるニオブ発光強度及び 228.62nm におけるコバルトの発光強度を同時に

測定し,ニオブの発光強度とコバルトの発光強度の比を求める。

(

5

)  2

本以上のスペクトル線の波長による同時定量が可能な装置では,強度比法によることができる。

5.5

空試験  5.6 検量線の作成操作において得られる,標準ニオブ溶液を添加しない溶液の発光強度又は

発光強度比を,空試験の発光強度又は発光強度比とする。

5.6

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

a)

はかり取った試料中に含まれる量とほぼ同量の酸化チタン  (Ⅳ)  を数個はかり取り,あらかじめ融解

合剤  [5.2e)](

6

)5g

を入れてあるニッケルるつぼ,アルミナるつぼ又はジルコニウムるつぼ(

7

)

に移し入れ,

かき混ぜた後,約 2g の炭酸ナトリウム(無水)を加えて,その表面を覆う。

b)  5.4.1b)

及び c)の手順に従って操作する。

c)

常温まで冷却した後(

8

)

,250ml の全量フラスコに少量の水を用いて移し入れる。

d)

標準ニオブ溶液  [5.2j)] 0∼25ml(ニオブとして 0∼2.5mg)を段階的に正確に加え(

3

)(

4

)

,水で標線まで

薄める。


3

M 8321 : 1999

e)

5.4.2

の手順に従って試料と並行して操作し,得た発光強度又は発光強度比とニオブ量との関係線を作

成し,その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

(

6

試料の分解に用いたものと,同じ種類の融解剤を用いる。

(

7

)

試料の分解に用いたものと,同じ種類のるつぼを用いる。

(

8

)

波長 269.71nm を用いるときは,鉄の干渉を受けるおそれがあるので,試料中に含まれる鉄量と

同量の鉄溶液  [5.2h)]  を加える。

5.7

計算

a)

5.4.2

及び 5.5 で得た発光強度と 5.6d)で作成した検量線とからそれぞれのニオブ量を求め,試料中のニ

オブ含有率を,次の式によって算出する。

100

)

(

3

2

1

×

m

A

A

A

N

b

ここに,

Nb

: 試料中のニオブ含有率 [% (m/m)]

A

1

: 試料溶液中のニオブ検出量 (g)

A

2

: 空試験液中のニオブ検出量 (g)

A

3

: 5.6a)ではかり取った酸化チタン  (Ⅳ)  中に含まれるニオブ量 (g)

m

: 試料はかり取り量 (g)

b)

試料中のニオブ含有率を酸化ニオブ  (Ⅴ)  含有率で表す場合は,5.7a)で求めた試料中のニオブ含有率

[% (m/m)]

から,次の式によって算出する。

Nb

2

O

5

Nb×1.431

ここに,  Nb

2

O

5

試料中の酸化ニオブ  (Ⅴ)  含有率 [% (m/m)]

Nb

5.7a)

で求めた試料中のニオブ含有率 [% (m/m)]

JIS

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

○  中  村      靖

株式会社ジャパンエナジー分析センター

揖  斐  敏  夫

資源エネルギー庁長官官房鉱業課

大  嶋  清  治

工業技術院標準部

大  島  健  二

古河機械金属株式会社大阪工場

奥  谷  忠  雄

日本大学理工学部

金  築  四  郎

住友シチックス株式会社技術部

○  河  合  哲  朗

日本酸化チタン工業会

西  島  芳  正

石原産業株式会社四日市工場

○  服  部  兆  隆

東邦チタニウム株式会社品質管理部

馬  場  央  自

三菱商事株式会社ベースメタル事業部

福  本      寛

堺化学工業株式会社小名浜事業所第一工場

○  藤  瀬  雅  嵩

チタン工業株式会社宇部工場

藤  貫      正

日本磁気共鳴医学会

○  細  野      正

富士チタン工業株式会社神戸工場

山  本  浩  司

株式会社トーケムプロダクツ秋田工場

○  吉  岡  貞  治

テイカ株式会社岡山工場

(事務局)

牧  嶋  作  雄

日本酸化チタン工業会

(関係者)

岡  野      修

堺化学工業株式会社

梶  井  義  文

住友シチックス株式会社

奈  良  雄  大

株式会社トーケムプロダクツ

西  原  英  樹

古河機械金属株式会社

藤  井  澄  男

石原産業株式会社

備考:○印は専門委員会も兼ねる。