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日本工業規格

JIS

 M

8312

-1997

チタン鉱石中の鉄定量方法

Methods for determination of iron in titanium ores

1.

適用範囲  この規格は,チタン鉱石中の全鉄,酸化鉄 (II) 及び酸化鉄 (III) の定量方法について規定

する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS M 8301

  チタン鉱石の分析方法通則

2.

一般事項  分析に共通の一般事項は,JIS M 8301 による。

3.

全鉄定量方法

3.1

定量方法の区分  全鉄定量方法は,次のいずれかによる。

(1)

二クロム酸カリウム滴定法  この方法は,鉄含有率 5% (m/m)  以上 50% (m/m)  以下の試料について適

用する。

(2)

チオシアン酸吸光光度法  この方法は,鉄含有率 0.1% (m/m)  以上 5% (m/m)  以下の試料について適用

する。

(3)  ICP

発光分光法  この方法は,鉄含有率 0.1% (m/m)  以上 5% (m/m)  以下の試料について適用する。

3.2

二クロム酸カリウム滴定法

3.2.1

要旨  試料を融解剤で融解し,融成物を水及び硫酸で溶解する。鉄 (III) を塩化チタン (III) で鉄

(II)

に還元し,過剰のチタン (III) を二クロム酸カリウムで酸化した後,ジフェニルアミン−4−スルホン

酸ナトリウムを指示薬として,二クロム酸カリウム標準溶液で滴定する。

3.2.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

塩酸 (1+1)

(2)

硫酸 (1+1)

(3)

混酸  水約 1に硫酸 300ml を加え混合し,冷却後,りん酸 300ml を加え,水で 2に薄める。

(4)

炭酸ナトリウム(無水)

(5)

過酸化水素水 (1+9)

(6)

融解合剤 A[炭酸ナトリウム(無水)1,過酸化ナトリウム 2]

(7)

融解合剤 B(水酸化ナトリウム 1,過酸化ナトリウム 2)

(8)

過酸化ナトリウム

(9)

塩化チタン (III) 溶液  使用の都度,塩化チタン (III) の必要量をはかり取り,塩酸 (1+1)  で 10 倍に

薄める。

(10)

二クロム酸カリウム溶液 (1g/l)


2

M 8312-1997

(11)

60

1

mol/l

二クロム酸カリウム標準溶液  溶液の調製及びファクターの計算は,JIS K 8001 の 4.5(23)

60

1

mol/l

二クロム酸カリウム溶液)による。

(12)

標準鉄溶液 (5.585g/l)    鉄[99.9% (m/m)  以上]5.585g をはかり取り,三角フラスコ (500ml) に移し

入れ,フラスコの口に漏斗を置く。これに塩酸 (1+1) 75ml を徐々に加え加熱して溶解する。冷却後,

過酸化水素水 5ml を徐々に加えて鉄を酸化する。沸騰するまで加熱し,塩素及び過剰の過酸化水素を

除去する。冷却後,1 000ml の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液 1ml は,

60

1

mol/l

二クロム酸カリウム標準溶液の 1ml に相当する。

(13)

ジフェニルアミン−4−スルホン酸ナトリウム溶液 (2g/l)

(14)

インジゴカルミン溶液 (1g/l)

3.2.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,0.5g とする。

3.2.4

操作

3.2.4.1

試料の分解  試料の分解は,次の手順によって行う。

(1)

試料をはかり取り,融解合剤 A [3.2.2(6)(

1

)5g

を入れてあるアルミナるつぼ又はジルコニウムるつぼに

移し入れ,かき混ぜた後,約 2g の炭酸ナトリウム(無水)を加えて試料の表面を覆う。

(2)

るつぼをふたで覆い,初めは低温で内容物が流動状になるまで穏やかに加熱し,徐々に温度を上げて

るつぼの底部が暗赤色の状態になるように保ち,るつぼをゆり動かしなから(

2

)

約 5 分間加熱し,試料

を完全に融解する。

(3)

放冷後,融成物はるつぼと共にビーカー (300ml) に入れ,温水約 80ml を少量ずつ加え融成物を溶解

する。硫酸 (1+1) 50ml を少量ずつ加え,更に硫酸 (1+1) 10∼20ml を加えた後,るつぼを水で洗いな

がら取り出す。

(4)

過酸化水素水 (1+9)  を不溶解物が溶解するまで滴加する(

3

)

。加熱して穏やかに数分間煮沸し,透明

な溶液とする。常温まで冷却した後,水を用いて 250ml の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄

める。

(

1

)

融解合剤 A の代わりに融解合剤 B [3.2.2(7)]  を用いることができる。

(

2

)

試料の分解を促進し,るつぼの部分的腐食を防ぐために,るつぼを絶えずゆり動かすのがよい。

(

3

)

通常 1∼2ml 加えれば十分である。

3.2.4.2

滴定  滴定は,次の手順によって行う。

(1)  3.2.4.1(4)

で得た溶液から正確に 100ml を 500ml の三角フラスコに分取する。

(2)

塩酸 (1+1) 10ml を加え,液温が 90∼95℃になるまで加熱し,直ちに塩化チタン (III) 溶液  [3.2.2(9)]

を溶液が黄色から無色になるまで滴加し鉄を還元する。引き続いてインジゴカルミン溶液を 4 滴加え,

次に二クロム酸カリウム溶液を溶液が無色から青色に変化しその青色が約 5 秒間続くまで滴加した後

(

4

)

,約 15 分間室温で放冷する。

(3)

混酸  [3.2.2(3)] 20ml を加え,水で約 200ml とする。

(4)

ジフェニルアミン−4−スルホン酸ナトリウム溶液 1ml を指示薬として加え,

60

1

mol/l

二クロム酸カリ

ウム標準溶液  [3.2.2(11)]  で滴定して,溶液の黄緑色が最後の 1 滴で紫色に変化するところを終点とし,

二クロム酸カリウム標準溶液の使用量を求める。

(

4

)

このときの溶液の温度は70℃以上でなければならない。

また,二クロム酸カリウム溶液は過剰に加えてはならない。


3

M 8312-1997

3.2.5

空試験  試料を用いないで試料と並行して 3.2.4.1 の操作を行い,標準鉄溶液  [3.2.2(12)]  を正確に

1ml

を加えた後,3.2.4.2 の操作を行う。空試験値は,標準鉄溶液 1ml に相当する

60

1

mol/l

二クロム酸カリウ

ム標準溶液量 1ml を,3.2.5 の手順で得た

60

1

mol/l

二クロム酸カリウム標準溶液の使用量から差し引いた値

である。

3.2.6

計算  試料中の全鉄含有率を,次の式によって算出する。

{

}

100

250

100

585

005

.

0

)

1

(

2

1

×

×

×

×

=

m

F

V

V

Fe

ここに,

  Fe

試料中の全鉄含有率

 [% (m/m)]

V

1

3.2.4.2(4)

で得た

60

1

mol/l

二クロム酸カリウム標準溶液の使用量 (ml)

V

2

3.2.5

で得た

60

1

mol/l

二クロム酸カリウム標準溶液の使用量 (ml)

F

60

1

mol/l

二クロム酸カリウム標準溶液のファクター

0.005 585

60

1

mol/l

二クロム酸カリウム標準溶液 1ml に相当する全鉄量 (g)

m

試料のはかり取り量

 (g)

3.3

チオシアン酸吸光光度法

3.3.1

要旨  試料を融解剤て融解し,融成物を水及び硫酸で溶解した後,ペルオキソ二硫酸アンモニウム

及びチオシアン酸カリウムを加えて,チオシアン酸鉄錯体を生成させ,光度計を用いてその吸光度を測定

する。

3.3.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

硫酸

 (1

1)

(2)

炭酸ナトリウム(無水)

(3)

過酸化水素水

 (1

9)

(4)

融解合剤

A

[炭酸ナトリウム(無水)

1

,過酸化ナトリウム

2

(5)

融解合剤

B

(水酸化ナトリウム

1

,過酸化ナトリウム

2

(6)

過マンガン酸カリウム溶液

 (30g/l)

(7)

ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液

 (20g/l)

  この溶液は,使用の都度調製する。潮解した試薬を用

いてはならない。

(8)

チオシアン酸カリウム溶液

 (200g/l)

(9)

硫酸チタン溶液  はかり取った試料中のチタン量とほぼ同じ量のチタン(

99.6%

以上)をはかり取り,

ビーカー

 (300ml)

に移し入れ,硫酸

 (1

3) 100ml

を加え加熱して溶解する。過酸化水素水

 (1

9) 10ml

を加えてチタンなどを酸化し,加熱して硫酸の白煙を発生させた後,温水約

100ml

を加えて可溶性塩

類を溶解する。常温まで冷却した後,水を用いて

250ml

の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄

める。

(10)

標準鉄溶液(

200

µ

gFe/ml

)  鉄

  [99.9% (m/m)] 0.20g

をはかり取り,ビーカー

 (300ml)

に移し入れ,硫

 (1

4) 40ml

を加えて加熱して溶解する。硝酸

2

3

滴を加え加熱して硫酸の白煙を発生させる。放

冷した後,温水を加えて溶解し,常温まで冷却した後,水を用いて

1 000ml

の全量フラスコに移し入

れ,過マンガン酸カリウム溶液

 (30g/l)

を,溶液が微紅色となるまで加えた後,水で標線まで薄める。

3.3.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,

0.5g

とする。

3.3.4

操作

3.3.4.1

試料の分解  試料の分解は,3.2.4.1 による。


4

M 8312-1997

3.3.4.2

呈色  3.3.4.1 で得た溶液(

5

)

から正確に

20ml

250ml

の全量フラスコに分取し,硫酸

 (1

1) 10ml

を加えた後,過マンガン酸カリウム溶液を溶液が微紅色を呈するまで加え,水を加えて約

200ml

とする。

ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液

  [

3.3.2(7)

] 10ml

を加えてよくふり混ぜ,

1

2

分間静置した(

6

)

後,チオ

シアン酸カリウム溶液を正確に(

7

)

10ml

加え,水で標線まで薄める。

(

5

)

溶液に濁りが認められたときは,乾いたろ紙(

5

C

)を用いてろ過し,最初のろ液約

50ml

捨て,次のろ液を用いる。

(

6

)

このときの液温は,

15

20

℃が適切である。液温が高いと溶液の色が徐々に黄色に変色する。

変色したときは,3.3.4.2 の手順を最初からやり直す。

(

7

)

チオシアン酸カリウム溶液の添加量によって吸光度が変化するので,正確に

10ml

を添加する。

3.3.4.3

吸光度の測定  3.3.4.2 で得た溶液を,約

10

分間静置した後(

8

)

,その一部を光度計の吸収セル

(10mm)

に取り,水を対照液として,波長

470nm

付近の吸光度を測定する。

(

8

)

チオシアン酸鉄錯体の呈色は,

10

60

分間安定である。

3.3.5

空試験  試料を用いないで,3.3.4 と同じ操作を試料と並行して行う。

3.3.6

検量線の作成  検量線の作成(

9

)

は,次の手順によって行う。

(1)

融解合剤

A [

3.3.2(4)

]

(

1

)(

10

)

5g

をはかり取り,ニッケルるつぼ,アルミナるつぼ又はジルコニウムるつ

(

11

)

に移し入れ,その上に約

2g

の炭酸ナトリウム(無水)を加える。

(2)

3.2.4.1

の手順(2)(4)に従って操作する。

(3)

この溶液から正確に

20ml

を数個の

250ml

の全量フラスコに分取し,硫酸チタン溶液

  [

3.3.2(9)

] 20ml

を加えた後,標準鉄溶液

  [

3.3.2(10)

] 0

10ml

(鉄として

0

2mg

)を段階的に正確に加え,水で約

200ml

とする。液温を

15

20

℃とした後,ペルオキソ二硫酸アンモニウム溶液

  [

3.3.2(7)

] 10ml

を加えてよく

ふり混ぜ,

1

2

分間静置した後(

12

)

,チオシアン酸カリウム溶液を正確に(

7

)

10ml

加え,水で標線まで

薄める。

(4)

この溶液を,約

10

分間静置した後(

8

)

,その一部を光度計の吸収セル

 (10mm)

に取り,水を対照液と

して,波長

470nm

付近の吸光度を試料と並行して測定し,得た吸光度と鉄量の関係線を作成し,その

関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

(

9

)

チオシアン酸カリウム溶液を調製する都度,検量線を作成する。

(

10

)

試料に使用したものと同じ融解剤を使用する。

(

11

)

試料に使用したものと同じ種類のるつぼを使用する。

(

12

)

このときの液温は,

15

20

℃が適切である。液温が高いと溶液の色が徐々に黄色に変色する。

変色したときは,3.3.6(3)の手順を最初からやり直す。

3.3.7

計算  3.3.4.3 及び 3.3.5 で得た吸光度と 3.3.6 で作成した検量線とからそれぞれの鉄量を求め,試料

中の鉄含有率を,次の式によって算出する。

100

250

20

2

1

×

×

=

m

A

A

Fe

ここに,

Fe

試料中の全鉄含有率

 [% (m/m)]

A

1

試料溶液中の鉄検出量

 (g)

A

2

空試験液中の鉄検出量

 (g)

m

試料はかり取り量

 (g)

3.4

ICP

発光分光法


5

M 8312-1997

3.4.1

要旨  試料を融解剤で融解し,塩酸を加えて溶解し,溶液を

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ

中に噴霧し,その発光強度を測定する。

3.4.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

塩酸

(2)

ほう酸

(3)

水酸化カリウム

(4)

炭酸ナトリウム(無水)

(5)

融解合剤

B

(水酸化ナトリウム

1

,過酸化ナトリウム

2

(6)

酸化チタン

 (IV)

(7)

コバルト溶液  コバルト[

99.5% (m/m)

以上]

2.00g

をはかり取り,

300ml

のビーカーに移し入れ,硝

 (1

1) 40ml

を加え,加熱して分解する。常温まで冷却した後,

1 000ml

の全量フラスコに水を用い

て移し入れ,水で標線まで薄める。この溶液

1ml

はコバルト

2mg

を含有する。

(8)

ポリエチレングリコールアルキルフェニールエーテル溶液(以下,トリトン溶液という。

)  ポリエチ

レングリコールアルキルフェニールエーテル

20ml

300ml

のビーカーに移し入れ,水

50ml

を加え,

加熱して溶解する。常温まで冷却した後,水で

1 000ml

に薄める。

(9)

標準鉄溶液

 (1mgFe/ml)

  鉄[

99.9% (m/m)

以上]

1g

を正確にはかり取り,

300ml

のビーカーに移し

入れ,塩酸

 (1

1) 30ml

を加え加熱して分解する。硝酸

 (1

1) 5ml

を加え鉄を酸化し,更に加熱を続

けて窒素酸化物を追い出す。常温まで冷却した後,

1 000ml

の全量フラスコに水を用いて移し入れ,

水で標線まで薄める。

3.4.3

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,

0.5g

とする。

3.4.4

操作

3.4.4.1

試料の分解  試料の分解は,次の手順によって行う。

(1)

試料をはかり取り,融解合剤

B [

3.4.2(5)

]

(

13

)

5g

を入れてあるニッケルるつぼ,アルミナるつぼ又はジ

ルコニウムるつぼに移し入れ,かき混ぜた後,約

2g

の炭酸ナトリウム(無水)を加えて試料の表面を

覆う。

(2)

るつぼをふたで覆い,初めは低温で内容物が流動状になるまで穏やかに加熱し,徐々に温度を上げて

るつぼの底部が暗赤色の状態になるように保ち,るつぼをゆり動かしながら(

2

)

5

分間加熱し,試料

を完全に融解する。

(3)

放冷した後,融成物をるつぼと共にビーカー

 (300ml)

に移し入れ,温水約

80ml

を少量ずつ加え,る

つぼをゆり動かしながら融成物を溶かす。るつぼは,水で洗浄しながら取り出す。

(4)

塩酸

50ml

を加え,常温まで冷却した後,

250ml

の全量フラスコに水を用いて移し入れ(

14

)(

15

)

,水で標

線まで薄める。

(

13

)

融解合剤

B

の代わりに水酸化カリウムとほう酸の混合物を用いることができる。水酸化カリウ

ムとほう酸の混合物による場合は,水酸化カリウム

5g

及びほう酸

2g

をるつぼに加えよくかき混

ぜた後,加熱して水分を除去する。

また,炭酸ナトリウム(無水)による表面の被覆は行わない。

(

14

)

耐ふっ化水素酸ネブライザーを用いるときは,トリトン溶液

  [

3.4.2(8)

] 5ml

を加える。

(

15

)

強度比法を適用する場合は,コバルト溶液

  [

3.4.2(7)

]

を正確に

5ml

加える。

3.4.4.2

発光強度の測定  発光強度の測定は,次のいずれかによる。

(1)

強度法  3.4.4.1(4)で得た溶液の一部を,

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長


6

M 8312-1997

259.94nm

での鉄の発光強度を測定する。

(2)

強度比法(

16

)

  3.4.4.1(4)で得た溶液の一部を,

ICP

発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長

259.94nm

における鉄の発光強度及び

228.62nm

におけるコバルトの発光強度を同時に測定し,鉄の発

光強度とコバルトの発光強度との比を求める。

(

16

)

 2

本以上のスペクトル線の波長による同時定量が可能な装置では,強度比法によることができる。

3.4.5

空試験  3.4.6 の検量線作成操作において得られる,標準溶液を添加しない溶液の発光強度又は発

光強度比を,空試験液の発光強度又は発光強度比とする。

3.4.6

検量線の作成  検量線の作成は,次の手順によって行う。

(1)

はかり取った試料中に含まれる量とほぼ同量の酸化チタン

 (IV)

を数個はかり取り,これらをそれぞ

れ融解合剤

B [

3.4.2(5)

]

(

10

)(

13

)

5g

を入れてあるニッケルるつぼ,アルミナるつぼ又はジルコニウムるつ

(

11

)

に移し入れ,かき混ぜた後,約

2g

の炭酸ナトリウム(無水)を加えて表面を覆う。次に,3.4.4.1(2)

及び(3)の手順に従って操作する。

(2)

それぞれの溶液に塩酸

50ml

を加え常温まで冷却した後,

250ml

の全量フラスコに少量の水を用いて移

し入れる。

(3)

それぞれの溶液に標準鉄溶液

  [

3.4.2(9)

] 0

25ml

(鉄として

0

25mg

)を段階的に正確に加え(

14

)(

15

)

水で標線まで薄める。

(4)

3.4.4.2

によって試料と並行して操作し,得た発光強度又は発光強度比と鉄量との関係線を作成し,そ

の関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。

3.4.7

計算  3.4.4.2 及び 3.4.5 で得た発光強度又は発光強度比と 3.4.6 で作成した検量線とからそれぞれの

鉄量を求め,試料中の鉄含有率を,次の式によって算出する。

100

)

(

3

2

1

×

=

m

A

A

A

Fe

ここに,  Fe:  試料中の全鉄含有率 [% (m/m)] 

A

1

:  試料溶液中の鉄検出量 (g)

A

2

:  空試験液中の鉄検出量 (g)

A

3

:  3.4.6(1)ではかり取った酸化チタン (IV) 中に含まれる鉄量 (g)

m

:  試料のはかり取り量 (g)

4.

酸化鉄 (II) 定量方法(

17

)

4.1

定量方法  酸化鉄 (II) の定量方法は,二クロム酸カリウム滴定法による。この方法は酸化鉄 (II) 含

有率 2% (m/m)  以上 40% (m/m)  以下の試料について適用する。

(

17

)

この方法は,イルメナイトなどの天然鉱物だけに適用する。

4.2

要旨  試料を白金皿中で二酸化炭素を通しながら,硫酸とふっ化水素酸とで分解した後,二クロム

酸カリウム標準溶液で滴定する。

4.3

試薬  試薬は,次による。

(1)

ふっ化水素酸

(2)

硫酸 (1+1)

(3)

ほう酸

(4)

二酸化炭素

(5)

60

1

mol/l

二クロム酸カリウム標準溶液  溶液の調製及びファクターの計算は,JIS K 8001 の 4.5(23)によ

る。


7

M 8312-1997

(6)

ジフェニルアミン−4−スルホン酸ナトリウム溶液 (2g/l)

4.4

装置及び器具

(1)

試料分解装置  図 に示す。

図 1  試料分解装置

4.5

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,酸化鉄 (II) 含有率に応じ,表 による。

表 1  試料はかり取り量

酸化鉄 (II) 含有率

% (m/m)

試料はかり取り量

g

2

以上 10 未満 1.0

10

以上 40 以下 0.5

4.6

操作

4.6.1

試料の分解  試料の分解は,次の手順によって行う。

(1)

試料をはかり取り,試料分解装置(

図 1)の白金皿に移し入れ,水(

18

)

約 10ml を加え試料を潤し,硫

酸 (1+1) 20ml を加えてふたをした後,装置を組み立てる。

(2)

二酸化炭素導入管から二酸化炭素を導入して内部の空気と置き換える。

(3)

緩やかに二酸化炭素を通しながら加熱し,約 5 分間煮沸(

19

)

してから加熱を止める。

(4)

二酸化炭素を通じながら数分間冷却した後,ふたを少しずらし,手早くふっ化水素酸約 10ml を加え,

ふたを元どおりにして約 10 分間加熱する。

(

18

)

水はすべて,あらかじめ煮沸して空気を追い出したものを使用しなければならない。

(

19

)

沸騰している間は,ふたを動かしたり,白金皿を移動させてはならない。また,突沸を防ぐた

めに,あらかじめ

図 に示す白金らせん④を入れておくのがよい。

4.6.2

滴定  滴定は,次の手順によって行う。

(1)

分解が終わった後,注意して二酸化炭素導入管を外し,白金皿にふたをしたまま,ほう酸(

20

)

2g

を含

む水 500ml を入れたガラスビーカー中に静かに移し入れる。

(2)

速やかに白金皿及びふたを少量の水で洗浄しながら取り出す。直ちにジフェニルアミン−4−スルホン

酸ナトリウム溶液 1ml を指示薬として加え,

60

1

mol/l

二クロム酸カリウム標準溶液  [4.3(5)]  で滴定して,

溶液の黄緑色が最後の 1 滴で紫芭に変化するところを終点とし,

60

1

mol/l

二クロム酸カリウム標準溶液

の使用量を求める。

(

20

)

ほう酸を加えることによって,過剰のふっ化水素酸は,ほうふっ酸になってガラスを侵さない。

4.7

空試験  試料を用いないで,4.6 と同じ操作を試料と並行して行う。

4.8

計算  試料中の酸化鉄 (II) 含有率を,次の式によって算出する。

100

185

007

.

0

)

(

2

1

×

×

×

=

m

F

V

V

FeO


8

M 8312-1997

ここに,

FeO

試料中の酸化鉄 (II) 含有率 [% (m/m)]

V

1

4.6.2(2)

で得た

60

1

mol/l

二クロム酸カリウム標準溶液の使用量 (ml)

V

2

4.7

で得た

60

1

mol/l

二クロム酸カリウム標準溶液の使用量 (ml)

F

60

1

mol/l

二クロム酸カリウム標準溶液のファクター

0.007 185

60

1

mol/l

二クロム酸カリウム標準溶液 1ml に相当する酸化鉄 (II) 量 (g)

m

試料のはかり取り量 (g)

5.

酸化鉄 (III) 定量方法(

17

)

5.1

定量方法  酸化鉄 (III) の定量方法は,差引法による。

5.2

要旨  全鉄含有率から酸化鉄 (II) として含まれる鉄の含有率を差し引いて求めた鉄含有率に,酸化

鉄 (III) への換算係数を乗じる。

5.3

計算  試料中の酸化鉄 (III) 含有率を,3.2.63.3.7 又は 3.4.7 で得た全鉄含有率 [% (m/m)] 及び 4.8

で得た酸化鉄 (II) 含有率 [% (m/m)] とから,次の式によって算出する。

Fe

2

O

3

=1.430×  (Fe-0.7773×FeO)

ここに,  Fe

2

O

3

試料中の酸化鉄 (III) 含有率 [% (m/m)]

Fe

3.2.6

3.3.7 又は 3.4.7 で得た全鉄含有率 [% (m/m)]

FeO

4.8

で得た酸化鉄 (II) 含有率 [% (m/m)]


9

M 8312-1997

JIS

改正原案作成委員会  構成表(順不同)

氏名

所属

(委員長)

中  村      靖

株式会社ジャパンエナジー分析センター

藤  貫      正

日本磁気共鳴医学会

奥  谷  忠  雄

日本大学理工学部

天  野      徹

通商産業省工業技術院材料規格課

揖  斐  敏  夫

通商産業省資源エネルギー庁長官官房鉱業課

垂  水  裕  之

三菱商事株式会社

吉  岡  貞  治

テイカ株式会社

村  岡  和  芳

株式会社トーケムプロダクツ

西  島  芳  正

石原産業株式会社

河  合  哲  朗

日本酸化チタン工業会

福  本      寛

堺化学工業株式会社

金  築  四  郎

住友シチックス株式会社

藤  瀬  雅  嵩

チタン工業株式会社

服  部  兆  隆

東邦チタニウム株式会社

細  野      正

富士チタン工業株式会社

大  島  健  二

古河機械金属株式会社

JIS

改正原案作成専門委員会  構成表(順不同)

氏名

所属

(委員長)

中  村      靖

株式会社ジャパンエナジー分析センター

吉  岡  貞  治

テイカ株式会社

村  岡  和  芳

株式会社トーケムプロダクツ

西  島  芳  正

石原産業株式会社

河  合  哲  朗

日本酸化チタン工業会

福  本      寛

堺化学工業株式会社

金  築  四  郎

住友シチックス株式会社

藤  瀬  雅  嵩

チタン工業株式会社

服  部  兆  隆

東邦チタニウム株式会社

細  野      正

富士チタン工業株式会社

西  原  英  樹

古河機械金属株式会社