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日本工業規格

JIS

 M

8242

-1995

マンガン鉱石−銅定量方法

Manganese ores

−Method for determination

of copper content

1.

適用範囲  この規格は,マンガン鉱石中の銅定量方法について規定する。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 8005

  容量分析用標準物質

JIS M 8203

  マンガン鉱石分析方法通則

JIS P 3801

  ろ紙(化学分析用)

JIS Z 8401

  数値の丸め方

2.

この規格の対応国際規格を,次に示す。

ISO 5889 : 1983

  Manganese ores and concentrates−Determination of aluminium, copper, lead and

zinc contents

−Flame atomic absorption spectrometric method

2.

一般事項  定量方法に共通な一般事項は,JIS M 8203 の規定による。

3.

定量方法  マンガン鉱石中の銅定量方法は,原子吸光法による。この方法は,銅含有率 0.001% (m/m)

以上 1.0% (m/m)  以下の試料に適用する。

4.

原子吸光法

4.1

要旨  試料を塩酸及び硝酸,又は塩酸,ふっ化水素酸及び硝酸で分解し,蒸発乾固する。塩酸で塩

類を溶解して未溶解残さをろ過し,ろ液は保存する。残さはろ紙と共に強熱し,硫酸及びふっ化水素酸で

処理し,融解合剤で融解した後,融成物を前のろ液で溶解する。溶液を水で一定量に薄め,原子吸光光度

計の空気−アセチレンフレーム中に噴霧し,銅の吸光度を測定する。

4.2

試薬  試薬は,次による。

(1)

塩酸

(2)

塩酸(1+50)

(3)

硝酸

(4)

ふっ化水素酸

(5)

硫酸(1+1)

(6)

マンガン  できるだけ純度が高く,

銅を含有しないか,又は銅含有率ができるだけ低くて既知のもの。

(7)

鉄  できるだけ純度が高く,銅を含有しないか,又は銅含有率ができるだけ低くて既知のもの。

(8)

融解合剤(炭酸カリウム 3,ほう酸 1)


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M 8242-1995

(9)

銅標準溶液 (100

µgCu/ml)    JIS K 8005 の 7.7(銅)の銅 0.100 0g に硝酸 5ml を加え,加熱して分解し,

冷却した後,1 000ml の全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。

4.3

試料はかり採り量  試料は 1.0g を,0.1mg のけたまではかり採る。

4.4

操作

4.4.1

試料の分解  試料の分解は,次のいずれかによる。

(1)

けい酸を多量に含まない試料(

1

)

  試料をはかり採ってビーカー (300ml) に移し入れる。塩酸 30ml を

加え,加熱して溶解する。次に硝酸 2ml を加えて溶液を煮沸し,蒸発乾固する。残さに塩酸 10ml を

加えて再び蒸発乾固する。これに塩酸 10ml 及び水 20ml を加えて加熱し,可溶性塩類を溶解する。溶

液を沸騰するまで加熱した後,少量のろ紙パルプを入れた JIS P 3801 に規定するろ紙(5 種 B)でろ

過する。ビーカーはゴム付ガラス棒(ポリスマン)で付着物を除去し,水で洗う。沈殿を塩酸(1+50)

で 4,5 回,次いで温水でろ紙の黄色が消えるまで洗浄する。ろ液及び洗液は,ビーカー (300ml) に

受け,主液として保存する。

(

1

)

主として二酸化マンガン系統の鉱石に適用する。

(2)

けい酸を多量に含む試料(

2

)

  試料をはかり採ってポリ四ふっ化エチレン製のビーカー (200ml) に移

し入れ,塩酸 30ml 及びふっ化水素酸 5ml を加え,加熱して溶解する。次に硝酸 2ml を加えて溶液を

煮沸し,蒸発乾固する。残さに塩酸 10ml を加えて再び蒸発乾固する。これに塩酸 10ml と水 20ml を

加え,加熱して可溶性塩類を溶解する。溶液を沸騰するまで加熱した後,少量のろ紙パルプを入れた

ろ紙(5 種 B)でろ過する。ポリ四ふっ化エチレン製ビーカーの付着物をゴム付ガラス棒で除去し,

水で洗う。沈殿を塩酸(1+50)で 4,5 回,次いで温水でろ紙の黄色が消えるまで洗浄する。ろ液及び

洗液は,ビーカー (300ml) に受け,主液として保存する。

(

2

)

主としてけい酸マンガン系統の鉱石に適用する。

4.4.2

未溶解残さの処理  4.4.1 で得た沈殿をろ紙と共に白金るつぼ(30 番)に移し,乾燥した後,600℃

以下で加熱して灰化する。放冷した後,残さを水 2,3 滴で湿し,硫酸(1+1)1ml,ふっ化水素酸 5ml を加

えて硫酸白煙が発生するまで加熱して蒸発する。更に加熱を続けて過剰の硫酸を除去した後,約 600℃で

加熱する。放冷した後,融解合剤 2.0g を加えて融解し,続いて 1 000℃で 5 分間加熱して融解する。放冷

した後,融成物をるつぼごと主液の入っているビーカーに入れ,加熱して融成物を溶解する。るつぼは,

水で洗って取り出す。

4.4.3

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次のいずれかによる。

(1)

銅含有率 0.1% (m/m) 未満の試料  4.4.2 で得た試料溶液を,液量が多いときは約 90ml まで加熱して

濃縮した後,常温まで冷却して 100ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

(2)

銅含有率 0.1% (m/m) 以上の試料  (1)で得た試料溶液から 10ml を分取して 100ml の全量フラスコに

移し入れ,水で標線まで薄める。

4.4.4

吸光度の測定  4.4.3 で得た溶液の一部を原子吸光光度計の空気−アセチレンフレーム中に噴霧し

て波長 324.8nm における吸光度を測定する。

4.5

空試験  試料中に含まれているマンガン及び鉄の量とほぼ同量のマンガン及び鉄をはかり採ってビ

ーカー (300ml) に移し入れ,4.4.1 の塩酸 30ml を加える操作から 4.4.4 までを試料と併行して行う。

なお,添加したマンガン及び鉄に銅が含まれている場合は,その銅量に相当する吸光度を差し引いて空

試験の吸光度とする。


3

M 8242-1995

4.6

検量線の作成  数個のビーカー (300ml) を準備し,それぞれに試料の代わりにマンガン 0.50g と高

純度鉄 0.05g をはかり採ってビーカーに移し入れ,

4.4.1

の塩酸 30ml を加えて加熱して溶解する操作から,

4.4.2

まで操作する。得られた溶液について次のいずれかで操作する。

(1)

銅含有率 0.1% (m/m)  未満の試料の場合  得られた溶液のそれぞれに銅標準溶液 0∼10ml(銅として 0

∼1mg)を段階的に加え,100ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄め,4.4.4 

手順に従って操作し,その吸光度を測定する。

(2)

銅含有率 0.1% (m/m)  以上の試料の場合  得られた溶液のそれぞれを 100ml の全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線まで薄める。それぞれの溶液から 10ml ずつを分取して数個の 100ml の全量

フラスコに移し入れ,銅標準溶液 0∼10ml(銅として 0∼1mg)を段階的に加えた後,水で標線まで薄

める(

3

)

4.4.4 の手順に従って操作し,その吸光度を測定する。

(

3

)  4.6(1)

で得た溶液から10ml ずつを分取して数個の100ml の全量フラスコに移し入れ,これに標準

銅溶液0∼9ml(銅として0∼0.9mg)を段階的に加えた後,水で標線まで薄めた溶液を用いても

よい。この場合,吸光度と銅量の関係線を作成するとき,銅量として先に加えた銅量の10分の1

と後から加えた銅量を加算したものとしなければならない。

得られた吸光度と銅量との関係線を作成し,

その関係線が原点を通るように平行移動して検量線とする。

4.7

計算  4.6 で作成した検量線と,4.4.4 及び 4.5 で得た吸光度から,それぞれの銅量を求め,試料中の

銅含有率を次の式によって算出し,JIS Z 8401 によって小数点以下 3 けたに丸める。

100

10

3

2

1

×

×

×

B

m

m

m

Cu

ここに, Cu:  試料中の銅含有率 [% (m/m)] 

m

1

:  試料溶液中の銅検出量 (mg)

m

2

:  空試験溶液中の銅検出量 (mg)

m

:  試料はかり採り量 (g)

B

:  試料溶液の分取比[銅含有率 0.1% (m/m)  未満の場合

B

=1,

銅含有率 0.1% (m/m)  以上の場合

B

=0.1]

4.8

許容差

  許容差は,

表 1

による。

表 1  許容差

単位

 % (m/m)

銅含有率範囲

室内許容差

室間許容差

0.001

∼0.042 0.039Cu+0.000 4

0.077Cu

+0.000 6

備考1.  銅含有率が表1の範囲を超える場合は, 
許容差を適用しない。

2.

許容差の適用方法は,JIS M 8203 の 6.4 

(分析値の採択)による。 


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M 8242-1995

マンガン鉱石中の銅定量方法

JIS

改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(主査)

*

嶋  貫      孝

日本重化学工業株式会社

(委員)

稲  本      勇

新日本製鐵株式会社

岩  田  英  夫

日本鋼管株式会社

大  槻      孝

社団法人日本鉄鋼協会

*

金  築  宏  治

株式会社神戸製鋼所

*

唐  島  英  夫

日本電工株式会社

肝  付  奉  敬

昭和電工株式会社

*

見  持  洋  司

日本重化学工業株式会社

杉  山  鉄  男

大平洋金属株式会社

*

戸  舘      一

社団法人日本海事検定協会

森  山  英  勝

中央電気工業株式会社

紅  谷  紀  生

日本鋼管株式会社

青  柳  桂  一

通商産業省基礎産業局製鉄課

高  木  譲  一

工業技術院標準部材料規格課

(事務局)

*

今  野  尚  雄

日本フェロアロイ協会

備考

  *印は小委員会委員