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M 8235

:2004

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,日本フェロアロイ

協会(JFA)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS M 8235:1992 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 5890:1981,Manganese ores and

concentrates

─Determination of silicon content─Gravimetric method を基礎として用いた。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登

録出願にかかわる確認について,責任はもたない。

JIS M 8235

には,次に示す附属書がある。

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

 


M 8235

:2004

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  一般事項

1

4.

  定量方法

1

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

6


3

M 8235

:2004

日本工業規格

JIS

 M

8235

:2004

マンガン鉱石─けい素定量方法

Manganese ores

─Determination of silicon content

序文  この規格は,1981 年に第 1 版として発行された ISO 5890:1981,Manganese ores and concentrates─

Determination of silicon content

─Gravimetric method を翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格

である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変

更の一覧表をその説明を付けて,

附属書(参考)に示す。

1.

適用範囲  この規格は,マンガン鉱石中のけい素定量方法について規定する。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD

(修正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 5890

:1981,Manganese ores and concentrates─Determination of silicon content─Gravimetric

method (MOD)

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS M 8203

  マンガン鉱石分析方法通則

3.

一般事項  定量方法に共通な一般事項は,JIS M 8203 による。

4.

定量方法

4.1 

要旨  試料を塩酸と硝酸とで分解し,過塩素酸で白煙処理し,析出した二酸化マンガンを過酸化水

素で還元溶解し,可溶性塩類を塩酸に溶解して未溶解残さ及び沈殿をろ過する。ろ液及び洗液は,加熱濃

縮し,再び過塩素酸で白煙処理して二酸化けい素を回収する。未溶解残さ及び沈殿を炭酸ナトリウムで溶

解し,過塩素酸で白煙処理してけい素を不溶性けい酸としてろ過する。ろ液及び洗液は,加熱濃縮し,再

び過塩素酸で白煙処理して二酸化けい素を回収する。前後 3 回に得た沈殿を強熱して不純物を含む二酸化

けい素とし,その質量をはかる。これを硫酸とふっ化水素酸で処理し,二酸化けい素を揮発させてその減

量をはかる。

  なお,この方法は,けい素含有率 0.1  %(質量分率)以上 20 %(質量分率)以下の試料とする。

4.2 

試薬  試薬は,次による。

a)

塩酸

b)

塩酸(1+1,1+2,1+4,1+10)


4

M 8235

:2004

c)

硝酸

d)

過塩素酸

e)

ふっ化水素酸

f)

硫酸(1+3)

g)

過酸化水素(1+ 9)

h)

炭酸ナトリウム(無水)

4.3 

試料はかり取り量  試料は,けい素含有率に応じ,表 に従って 0.1 mg のけたまではかり取る。

  1  試料はかり取り量

けい素含有率

% (

質量分率)

試料はかり取り量

g

0.1

以上 2 未満 2

2

以上 10 未満 1

10

以上 20 以下 0.5

4.4 

操作

4.4.1 

試料の分解  はかり取った試料をビーカー(300 ml)に移し入れて時計皿で覆い,塩酸 30 ml を加

え,静かに加熱分解する。これに硝酸 5 ml と過塩素酸 20 ml とを加えて加熱し,濃厚な白煙が発生して過

塩素酸の蒸気がビーカーの内壁に伝わって逆流する状態で乾固させないように約 15∼20 分間加熱した後,

放冷する。

4.4.2 

ろ過及び洗浄  4.4.1 で得た溶液に温水約 50 ml を加え,かき混ぜながら過酸化水素(1+9)を滴下し

て,析出した二酸化マンガンを溶解する。塩酸(1+1)30 ml を加え,加熱(

1

)

して可溶性塩類を溶解し,直

ちにろ紙(5 種 C)を用いてろ過をし,ビーカー内壁に付着した未溶解残さ及び沈殿はゴム付きガラス棒  (ポ

リスマン)でこすってろ紙上に移す。ろ紙,未溶解残さ及び沈殿を温塩酸(1+10)で 3,4 回,次いで温水

で 5,6 回洗浄する(

2

)

。ろ液及び洗液をビーカー(300 ml)に集め(

3

)

,未溶解残さ及び沈殿を保持する。

注(

1

)

この場合,長時間の加熱又は煮沸をすると沈殿したけい素の一部が再溶解する。短時間で加熱

溶解し,溶解後,直ちにろ過するように注意する。

(

2

)

未溶解残さがない場合は,更にろ紙及び沈殿を温水で洗液に酸が消失するまで洗浄した後,4.4.3

の操作を行い,4.4.44.4.6 の操作を省略し,直ちに 4.4.7 以降の操作に移ってよい。

(

3

)

けい素含有率 5 %(質量分率)未満の試料の場合は,ろ液及び洗液を捨て,4.4.3 の操作は省略し

てもよい。

4.4.3 

けい素の回収  4.4.2 で得たろ液及び洗液に過塩素酸 20 ml を加えて加熱蒸発し,濃厚な白煙が発生

するまで加熱濃縮した後,時計皿でふたをして過塩素酸の蒸気がビーカー内壁を伝わって逆流する状態で

乾固させないように 15∼20 分間加熱する。放冷した後,溶液に温水約 50 ml を加え,かき混ぜながら過酸

化水素(1+ 9)を滴下して,析出した二酸化マンガンを溶解する。塩酸(1+4)30 ml を加え,加熱して可

溶性塩類を溶解し,直ちにろ紙(5 種B)を用いてろ過し,ビーカー内壁に付着した沈殿はポリスマンでこ

すってろ紙上に移す。ろ紙及び沈殿を温塩酸(1+10)で 3,4 回,次に温水で洗液に酸が消失するまで洗浄

する。ろ液及び洗液は捨て,ろ紙及び沈殿は保存する。


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4.4.4 

未溶解残さ及び沈殿の処理  4.4.2 で得た未溶解残さ及び沈殿をろ紙とともに白金るつぼ(30 番)

に移し入れ,乾燥した後,徐々に加熱してろ紙を灰化する。放冷した後,白金るつぼに炭酸ナトリウム(無

水)2∼3 g を加えてかき混ぜ,1 000∼1 100  ℃で強熱して融解する。放冷した後,白金るつぼ(30 番)を

試料の分解に用いたビーカーに移し入れ,塩酸(1+2)30 ml を加えて融成物を溶解し,るつぼを水で洗っ

て取り出す。この溶液に過塩素酸 30 ml を加えて加熱蒸発し,濃厚な白煙が発生するまで加熱濃縮する。

時計皿でふたをして過塩素酸の蒸気がビーカー内壁を伝わって逆流する状態で乾固させないように約 15

∼20 分間加熱した後,放冷する。

4.4.5 

ろ過及び洗浄  4.4.4 で得た溶液に塩酸(1+4)50 ml を加え,加熱(

1

)

して可溶性塩類を溶解し,直

ちにろ紙(5 種 C)を用いてろ過をし,ビーカー内壁に付着した未溶解残さ及び沈殿はポリスマンでこすって

ろ紙上に移す。ろ紙,未溶解残さ及び沈殿を温塩酸(1+10)で 3,4 回,次に温水で洗液に酸が消失するまで

洗浄する。ろ液及び洗液をビーカー(500 ml)に集め(

3

)

,沈殿は保存する。

4.4.6 

けい素の回収  4.4.5 で得たろ液及び洗液に過塩素酸 20 ml を加えて加熱蒸発し,濃厚な白煙が発生

するまで加熱濃縮した後,時計皿でふたをして過塩素酸の蒸気がビーカー内壁を伝わって逆流する状態で

15

∼20 分間加熱する。放冷した後,溶液に塩酸(1+4)30 ml を加え,加熱して可溶性塩類を溶解し,直ち

にろ紙(5 種B)を用いてろ過し,ビーカー内壁に付着した沈殿はポリスマンでこすってろ紙上に移す。ろ

紙及び沈殿を温塩酸(1+10)で 3,4 回,次に温水で洗液に酸が消失するまで洗浄する。ろ液及び洗液は捨

てる。

4.4.7 

灰化及びひょう量  4.4.34.4.5 及び 4.4.6 で得た 3 個の沈殿(

4

)

をろ紙とともに白金るつぼ(30 番)

に移し入れる。乾燥した後,徐々に加熱してろ紙を灰化する。 1 000∼1 100  ℃で約 30 分間強熱して不純

物を含む二酸化けい素とした後,デシケータ中で常温まで放冷して白金るつぼとともにその質量をはかる。

次に 1 000∼1 100  ℃で約 30 分間強熱する操作からその質量をはかるまでのこの操作を恒量となるまで繰

り返す。

注(

4

)

未溶解残さがなく,

注(

2

)

を適用して 4.4.44.4.6 の操作を省略した場合は,2 個の沈殿となる。

また,けい素含有率 5 %(質量分率)未満で

注(

3

)

を適用して,4.4.3 及び 4.4.6 の操作を省略した場

合は,1 個の沈殿となる。

4.4.8 

ふっ化水素酸処理及びひょう量  4.4.7 で得た白金るつぼ中の不純物を含む二酸化けい素に硫酸

(1+3)2,3 滴を加えて湿し,ふっ化水素酸 3∼5 ml を加え,飛散しないように注意しながら加熱して二

酸化けい素及び硫酸を揮発させる。1 000∼1 100  ℃で約 30 分間強熱した後,デシケータ中で常温まで放冷

して不純物と白金るつぼの質量をはかる。次に 1 000∼1 100  ℃で約 30 分間強熱する操作からその質量を

はかるまでのこの操作を恒量となるまで繰り返す。

4.5 

空試験  試料だけを除いて 4.4.  に従って試料と併行して操作する。

4.6 

計算  試料中のけい素含有率は,次の式によって算出する。

(

) (

)

[

]

K

m

m

m

m

m

Si

×

×

×

=

0

4

3

2

1

100

0.4674

ここに,

Si

:  試料中のけい素含有率[%(質量分率)]

m

1

:  試料について 4.4.7 で得た質量(g)

m

2

:  試料について 4.4.8 で得た質量(g)


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m

3

:  空試験において 4.4.7 で得た質量(g)

m

4

:  空試験において 4.4.8 で得た質量(g)

m

0

:  試料はかり取り量(g)

K

:  ドライベース表示のための換算係数

参考  ドライベース表示のための換算係数については JIS M 8203 の 3.4.4(吸湿水含有率の定量)に示す。

備考  二酸化けい素(SiO

2

)含有率[%(質量分率)]で表す場合は,得られた結果[Si%(質量分率)]に 2.139

を乗じる。

4.7 

許容差  許容差は,表 による。

  2  許容差

  %(質量分率)

けい素含有率

室内許容差

室間許容差

1.07

∼3.15 0.008

4Si+0.017 9

0.036 4Si+0.004 5

参考  表 のけい素含有率は JIS Z 84021∼‐及び‐に従って算出した許容差を求める

ための共同実験に用いた,試料中のけい素含有率[%(質量分率)]である。

関連規格  JIS Z 8402-1  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)─第1部:一般的な原理及び定

JIS Z 8402-2

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)─第 2 部:標準測定方法の併行

精度及び再現精度を求めるための基本的方法

JIS Z 8402-3

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)─第 3 部:標準測定方法の中間

精度

JIS Z 8402-4

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)─第 4 部:標準測定方法の真度

を求めるための基本的方法

JIS Z 8402-6

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)─第 6 部:精確さに関する値の

実用的な使い方

ISO 4296-1

  Manganese ores─Sampling─Part 1:Increment sampling

ISO 4296-2

  Manganese ores─Sampling─Part 2:Preparation of samples

ISO 4297

  Manganese ores and concentrates─Methods of chemical analysis─General instructions


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M 8235

:2004

附属書(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS M 8235

:2004  マンガン鉱石−けい素定量方法

ISO 5890

:1981  マンガン鉱石―けい素含有率の定量―重量法

(

Ⅰ)JIS の規定

(

Ⅱ)国際規

格番号

(

Ⅲ)国際規格の規定

(

Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差

異の項目ごとの評価及びその内容
表示箇所:本体

表示方法:点線の下線

(

Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の理由及び

今後の対策

項目番号

内容

項目番号

内容

項目ご
との評

技術的差異の内容

1.

適用範囲

マンガン鉱石中のけい素定

量方法

ISO 5890 

1.

マンガン鉱石中の

けい素定量方法

IDT

2.

引用規格

JIS M 8203

2.

ISO 4297

ISO 4296-1

ISO 4296-2 

MOD/

変更

3.

一般事項

JIS M 8203

による。

ISO 4297 

MOD/

変更

4.

定量方法

二酸化けい素重量方法

0.1

∼20.0  %(質量分率)

二酸化けい素重量

方法

0.5

∼ 20.0  % ( 質 量

分率)

MOD/

変更

ISO

は含有率範囲が狭

ISO

規格に提案予定

4.1

要旨

試料の分解,未溶解物とろ
液と洗液の処理,ひょう量

方法

ISO 5890 

JIS

と同じ IDT

4.2

試薬

塩酸,塩酸(1+1,1+2,1+4,

1+10

,硝酸,過塩素酸,ふ

っ化水素酸,硫酸(1+3)

,過

酸化水素(1+9)

,炭酸ナトリ

ウム

JIS

と同じ IDT

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M 8235

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(

Ⅰ)JIS の規定

(

Ⅱ)国際規

格番号

(

Ⅲ)国際規格の規定

(

Ⅳ)JIS と国際規格との技術的差

異の項目ごとの評価及びその内容

表示箇所:附属書 
表示方法:点線の下線

(

Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異の理由及び

今後の対策

項目番号

内容

項目番号

内容

項目ご
との評

技術的差異の内容

4.3.

試料はか

り取り量

けい素含有率  試料はかり
取り量

0.1

以上 2 未満    2 g

2

以上 10 未満    1 g

10

以上 20 未満   0.5 g

JIS

と同じ MOD/

変更

ISO

規格は含有率範囲

が狭いがはかり取り量
は同じ。

ISO

規格に提案予定

4.4.

操作

けい素の回収操作について
けい素含有率 5%(質量分率)
未満の場合は省略可

けい素の回収操作
についてけい素含
有率 10  %(質量分

率)未満の場合は省
略可 
他は JIS と同じ

MOD/

変更

ISO

規格はけい素の回

収操作について 10  %

(

質量分率)未満は省略

可としており,分析精
度に問題がある。

ISO

規格に提案予定

4.5.

空試験

試料と併行して行う。

JIS

と同じ IDT

4.6.

計算

けい素含有率

JIS

と同じ IDT

4.7.

許容差

室内許容差 
室間許容差

併行許容差だけ規

MOD/

変更

実験試料と分析精度に
問題がある。

ISO

規格に提案予定

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD

備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

− IDT技術的差異がない。

− MOD/変更 国際規格の規定内容を変更している。

2.

  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

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