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M 8223 : 1997

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS M 8223-1983 は改正され,この規格によって置き換えられる。

今回の改正では,国際規格との整合化を図るため,ISO 規格を元にし,

附属書 として規定している。

JIS M 8223

には,次に示す

附属書がある。

附属書 1(規定)  ジメチルグリオキシム吸光光度法

附属書 2(規定)  鉄分離原子吸光法


日本工業規格

JIS

M 8223 :

1997

鉄鉱石−ニッケル定量方法

Iron ores

−Methods for determination of nickel content

序文

この規格の,

附属書 は JIS M 8223-1983 のジメチルグリオキシム吸光光度法を改正し規定した

日本工業規格である。

附属書 は 1991 年に発行された ISO 9685,Iron ores−Determination of nickel and/or

chromium contents

−Flame atomic absorption spectrometric method のニッケル部分を元にし,規定を作成した

日本工業規格である。

1.

適用範囲  この規格は,鉄鉱石中のニッケル定量方法について規定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。この引用規格は,その最新版を適用する。

JIS M 8202

  鉄鉱石−分析方法通則

3.

一般事項  定量方法に共通な一般事項は,JIS M 8202 の規定による。

4.

定量方法の区分  ニッケルの定量方法は,次のいずれかによる。

a)

ジメチルグリオキシム吸光光度法  この方法は,ニッケル含有率 0.01% (m/m)  以上 2% (m/m)  以下の

試料に適用するもので,

附属書 による。

b)

鉄分離原子吸光法  この方法は,ニッケル含有率 0.001% (m/m) 以上 0.10% (m/m) 以下の試料に適用

するもので,

附属書 による。


2

M 8223 : 1997

附属書 1(規定)  ジメチルグリオキシム吸光光度法

1.

要旨  試料を塩酸及び硝酸で分解し,過塩素酸を加えて白煙を発生させる。塩類を溶解した後,ろ過

する。残さは,ふっ化水素酸によって二酸化けい素を揮散させた後,二硫酸ナトリウムで融解し,ろ液に

合わせる。この溶液中のニッケルをよう素で酸化し,アンモニア水でアルカリ性とした後,ジメチルグリ

オキシムと反応させ,生成するニッケルジメチルグリオキシム錯体の吸光度を測定する。

2.

試薬  試薬は,次による。

a)

塩酸

b)

塩酸 (1232100)  

c)

硝酸

d)

過塩素酸

e)

ふっ化水素酸

f)

硫酸 (11)  

g)

アンモニア水

h)

アンモニア水 (150)  

i)

酸化鉄 (III)   できるだけ純度の高い酸化鉄 (III) で,ニッケルを含有しないか,又はニッケル含有率

ができるだけ低くて,既知であるもの。

j)

臭素水(飽和,約 35g/l

k)

よう素溶液  よう素 3.6g によう化カリウム 30g を加え,水約 100ml を加えて完全に溶解した後,水で

液量を 1 000ml とする。この溶液は褐色瓶に保存する。

l)

塩化ナトリウム

m)

二硫酸ナトリウム

n)

塩化アンモニウム溶液 (200g/l)  

o)

くえん酸溶液 (500g/l)  

p)

ジメチルグリオキシム溶液  ジメチルグリオキシム 10g を水酸化ナトリウム溶液 (10g/l) 1 000ml に溶

解する。

q)

ジメチルグリオキシム・エタノール溶液  ジメチルグリオキシム 1g をエタノール (95) 100ml に溶解

し,不溶解残さがあればろ過する。

r)

クロロホルム

s)

標準ニッケル溶液 A (500

µgNi/ml)    ニッケル[99.9% (m/m) 以上]0.500g をはかり採ってビーカー

(500ml)

に移し,硝酸 (1+1)  約 20ml を加えて加熱分解した後,過塩素酸約 10ml を加えて加熱蒸発し

て白煙を発生させ,放冷した後,水を加えて塩類を溶解する。常温まで冷却した後,1 000ml の全量

フラスコに水を用いて移し入れて水で標線まで薄め標準ニッケル溶液 A とする。

t)

標準ニッケル溶液 B (50

µgNi/ml)    標準ニッケル溶液 A を必要量だけ水で正しく 10 倍に薄めて標準

ニッケル溶液 B とする。


3

M 8223 : 1997

3.

試料はかり採り量  試料はかり採り量は,0.5g とする。ただし,妨害元素を含み,4.2 の操作を適用す

る場合は,ニッケル量が 0.4mg 未満になる量とする。

4.

操作

4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調整は,次の手順によって行う。

a)

試料をはかり採ってビーカー (300ml) に移し入れる。

b)

時計皿で覆い,塩酸 20ml を加え,初めは熱板周辺の低温部 (60∼100℃)  にビーカーを置いて約 1 時

間保持した後,更に高温部に移して約 10 分間沸騰直前まで加熱して分解する。次に硝酸 5ml 及び過

塩素酸 20ml を加え,

引き続き加熱して蒸発させる。

ビーカー内部に過塩素酸の白煙が発生しはじめ(

1

)

更に内部が透明となり,過塩素酸の蒸気がビーカー内壁を伝わって逆流する状態で約 10 分間加熱した

後放冷する。これに温水約 50ml を加えて振り混ぜ,可溶性塩類を溶解し,ろ紙(5 種 B)を用いて不

溶解残さをろ過し,約 40∼60℃に加熱した温塩酸 (2+100)  でろ紙に塩化鉄 (III) の黄色が認められ

なくなるまで洗浄し,次に温水で数回洗浄する。ろ液及び洗液はビーカー (300ml) に集めて主液とし

て保存する。

c)

不溶解残さ(

2

)

はろ紙とともに白金るつぼ(30 番)に移し,乾燥した後,強熱して灰化する。放冷した

後,強熱残さを少量の硫酸 (1+1)  で湿し,ふっ化水素酸約 5ml を加えて穏やかに加熱し,二酸化け

い素及び硫酸を揮散させる。

放冷した後,

これに二硫酸ナトリウム約 3g を加え,ふたをして初めは徐々

に加熱し,次第に温度を高めて暗赤熱状に加熱して残さを融解する。放冷した後,白金るつぼを b)

保存した主液の入ったビーカーに入れ,穏やかに加熱して融成物を溶解し,白金るつぼを水で洗って

取り出す。

(

1

)

クロム含有率が2% (m/m)  以上の場合は,溶液が紅色となったとき,塩化ナトリウム0.1g を少量

ずつ加えて大部分のクロムを二塩化二酸化クロムとして揮散させる。

(

2

)

不溶解残さが少なく,しかもニッケルが含まれていないことがあらかじめ分かっている場合は,

残さ処理の操作を省いて不溶解残さを捨ててもよい。

4.2

妨害元素の除去(

3

)

  試料中にマンガン 1% (m/m) 以上,銅 1% (m/m) 以上又はコバルト 0.3% (m/m)

以上含む場合は,

4.1

で得た試料溶液を蒸発して液量を約 40ml に濃縮して冷却した後,

分液漏斗 (100ml) に

水を用いて移す。これにくえん酸溶液 2ml を加え,リトマス試験紙を用いてアンモニア水で中和し,更に

過剰に 1ml を加えてアルカリ性とし,流水中で冷却する。これにジメチルグリオキシム・エタノール溶液

[2.q)] 2ml

及びクロロホルム 5ml を加えて約 30 秒間振り混ぜる。しばらく静置して二層に分離した後,下

層のクロロホルム相を別の分液漏斗 (100ml) に移して保存する。残った水相にクロロホルム 3ml を加えて

同様に操作し,クロロホルム相を先に保存したクロロホルム溶液に合わせる。この操作を更に 2 回繰り返

した後,水相は捨てる。クロロホルム溶液に塩酸 (1+23) 10ml を加えて約 30 秒間振り混ぜる(

4

)

。しばら

く静置して二相に分離した後,下層のクロロホルム相を別の分液漏斗 (100ml) に移し,再び塩酸 (1+23)

5ml

を加えて同様に操作し,静置してクロロホルム相を取り出して捨てる。前後 2 回の抽出で得た塩酸溶

液を合わせて 100ml の全量フラスコに水を用いて洗い移す。

(

3

)

試料中にマンガン1% (m/m)  以上,銅1% (m/m)  以上又はコバルト0.3% (m/m)  以上を含まない場

合は,直ちに4.3の呈色操作に移る。

(

4

)

妨害元素が多く,抽出時に水相が濁る場合には,抽出した全クロロホルム相を合わせた分液漏

斗にアンモニア水 (1+50) 10∼20ml を加え,約 30 秒間振り混ぜる。静置してクロロホルム相

を別の分液漏斗 (100ml) に移し,これに塩酸 (1+23) 10ml を加えて約 30 秒間振り混ぜる。


4

M 8223 : 1997

4.3

呈色  呈色は,次のいずれかによる。

a)

ニッケル含有率が 0.1% (m/m) 未満で妨害元素の除去操作を行わない場合  4.1 で得た試料溶液を冷

却した後,250ml の全量フラスコに集める。これに,よう素溶液  [2.k)] 10ml とアンモニア水 35ml を

加えてよく振り混ぜ,流水中で常温まで冷却した後,ジメチルグリオキシム溶液  [2.p)] 3ml を加えて

振り混ぜ,水で標線まで薄める。

b)

ニッケル含有率が 0.1% (m/m) 以上で妨害元素の除去操作を行わない場合  4.1 で得た試料溶液を常

温まで冷却した後,250ml の全量フラスコに集め,水で標線まで薄める。これから,ニッケル含有率

に応じて

附属書 表 に従って一定量分取し,100ml の全量フラスコに移し入れ,水で約 50ml とする

(50ml 分取はそのまま)

。次に,よう素溶液  [2.k)] 10ml 及びアンモニア水 35ml を加えてよく振り混

ぜる。流水中で常温まで冷却した後,ジメチルグリオキシム溶液  [2.p)] 3ml を加えて振り混ぜ,水で

標線まで薄める。

附属書 表 1  分取量

ニッケル含有率

% (m/m)

分取量

ml

 0.1

以上 0.4 未満

50

 0.4

以上 1

未満

20

 1

以上 2

以下

10

c)

妨害元素の除去操作を行った場合  4.2 で得た試料溶液に水を加えて液量を約 80ml とし塩化アンモニ

ウム溶液 10ml 及び臭素水 2ml を加え,振り混ぜて約 1 分間静置してニッケルを完全に酸化する。次

にアンモニア水で中和した後,更に 1ml 過剰に加え,流水中で常温まで冷却する。ジメチルグリオキ

シム溶液  [2.p)] 2ml を加えて振り混ぜ,水で標線まで薄める。

4.4

吸光度の測定  4.3 で得た呈色溶液を乾いたろ紙(5 種 A)を用いてろ過し,水酸化鉄などの沈殿を

除去する。最初のろ液を捨て,次のろ液の一部を光度計の吸収セル (10mm) に取り,水を対照液として,

波長 440nm 付近の吸光度を測定する(

5

)

(

5

)

呈色溶液は,液温が常温以下であれば30分間は安定である。

5.

空試験  試料の代わりに酸化鉄 (III) [2.i)]  をはかり採った試料と同量はかり採り,ビーカー (300ml)

に移し入れる。以下,4.1b)

4.4 の手順に従って試料と同じ操作を試料と併行して行う。

6.

検量線の作成  検量線の作成は,次のいずれかによる。

a)

ニッケル含有率が 0.1% (m/m) 未満で妨害元素の除去操作を行わない場合  7 個のビーカー (300ml)

を準備し,それぞれに酸化鉄 (III) [2.i)] 0.5g をはかり採って移し入れる。次に,標準ニッケル溶液 B

[2.t)] 0ml

,1ml,2ml,4ml,6ml,8ml 及び 10ml を正確に加え,以下,4.1 b)

c)4.3 a)及び 4.4 の手

順に従って操作し,得た吸光度とニッケル量との関係線を作成し,この関係線を原点を通るように平

行移動して検量線とする。

b)

ニッケル含有率が 0.1% (m/m) 以上で妨害元素の除去操作を行わない場合  7 個のビーカー (300ml)

を準備し,それぞれに酸化鉄 (III) [2.i)] 0.5g をはかり採って移し入れる。次に,標準ニッケル溶液 A

[2.s)] 0ml

,0.5ml,1ml,1.5ml,2ml,3ml 及び 4ml を正確に加え,以下,4.1 b)

c)4.3 b)及び 4.4 

手順に従って試料と併行して操作し,得た吸光度とニッケル量との関係線を作成し,この関係線を原

点を通るように平行移動して検量線とする。


5

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c)

妨害元素の除去操作を行う場合  7 個のビーカー (300ml) を準備し,酸化鉄 (III) [2.i)]  をはかり採っ

た試料と同量をはかり採って,移し入れる。次に,標準ニッケル溶液 B [2.t)] 0ml,1ml,2ml,4ml,

6ml

,8ml 及び 10ml を正確に加え,以下,4.1 b)

c)4.24.3 c)及び 4.4 の手順に従って試料と併行し

て操作し,得た吸光度とニッケル量との関係線を作成し,この関係線を原点を通るように平行移動し

て検量線とする。

7.

計算  計算は,次による。

a)

ニッケル含有率の計算  4.4 及び 5.で得た吸光度と,6.で作成した検量線とからニッケル量を求め,試

料中のニッケル含有率を次のいずれかの式によって算出する。

1)

4.3

の a)又は c)で呈色を行った場合

100

2

1

×

=

m

A

A

Ni

ここに,

Ni

試料中のニッケル含有率 [% (m/m)]

A

1

試料溶液中のニッケル検出量 (g)

A

2

空試験液中のニッケル検出量(

6

(g)

m

試料はかり採り量 (g)

(

6

)

空試験に使用した酸化鉄 (III) 中にニッケルが含まれてい

る場合は,はかり採った酸化鉄 (III) 中のニッケル量を差し
引く。

2)

4.3

の b)で呈色を行った場合

100

2

1

×

×

=

B

m

A

A

Ni

ここに,

Ni

1)

に同じ

A

1

分取した試料溶液中のニッケル検出量 (g)

A

2

分取した空試験液中のニッケル検出量(

6

(g)

m

1)

に同じ

B

試料溶液及び空試験液の分取比

b)

酸化ニッケル含有率の計算  試料中の酸化ニッケル含有率は,ニッケル含有率から次の式によって算

出する。

NiO

=1.272 6×Ni

ここに,

NiO

試験中の酸化ニッケル含有率 [% (m/m)]

Ni

a)

に同じ

8.

許容差  許容差は,附属書 表 による。

附属書 表 2  許容差

単位% (m/m)

室内許容差

室間許容差

D (n) 

×[0.005 3×(ニッケル含有率)+0.000 8] 2.8×[0.015 5×(ニッケル含有率)+0.001 1]

n

=2 のとき,D (n)  =2.8

n

=3 のとき,D (n)  =3.3

n

=4 のとき,D (n)  =3.6

参考  この許容差は,ニッケル含有率 0.013% (m/m) 以上 0.40% (m/m) 以下の試料を用いて求めたも

のである。 


6

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附属書 2(規定)  鉄分離原子吸光法

1.

要旨  試料を塩酸及び硝酸で分解し,ろ過する。ろ液中の鉄を 4-メチル-2-ペンタノンによって抽出除

去する。残さはふっ化水素酸処理した後,炭酸ナトリウムと四ほう酸ナトリウムで融解し,ろ液に合わせ

る。この溶液を原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,その吸光度を測定する。

2.

試薬  試薬は,次による。

a)

塩酸

b)

塩酸 [106(

1

)

112100]  

c)

硝酸

d)

硝酸 (12)  

e)

ふっ化水素酸

f)

硫酸

g)

硫酸 (11)  

h)

酸化鉄 (III)   できるだけ純度の高い酸化鉄 (III) で,ニッケルを含有しないか,又はニッケル含有率

ができるだけ低くて,既知であるもの。

i)

混合融剤  炭酸ナトリウム(無水)2,四ほう酸ナトリウム(無水)1

j)

クロム・ニッケル混合溶液  ビーカー (200ml) に塩酸 (1+1) 30ml,硫酸 (1+1) 0.2ml 及び混合融剤

i)

1.2g

を添加し,加熱して二酸化炭素を除去する。冷却した後,標準ニッケル溶液 A  l)10ml と標準ク

ロム溶液 10ml を正確に添加する。100ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ水で標線まで薄める。

標準クロム溶液は次のようにして調製する。クロム[純度 99.9% (m/m)  以上]0.100 0g を塩酸 (1+1)

20ml

で加熱分解する。常温まで冷却した後,1 000ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標

線まで薄める。

k)

  4-

メチル-2-ペンタノン

l)

標準ニッケル溶液 A (100

µgNi/ml)    ニッケル[純度 99.9% (m/m)  以上]0.100 0g を硝酸 (1+1) 20ml

で加熱分解する。常温まで冷却した後,1 000ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ水で標線まで

薄め,標準ニッケル溶液 A とする。

m)

標準ニッケル溶液 B (10

µgNi/ml)    標準ニッケル溶液 A を必要量だけ水で正確に 10 倍に薄めて標準

ニッケル溶液 B とする。

(

1

)

溶媒抽出に用いるので正確に調製する。

3.

試料はかり採り量  試料はかり採り量は,1.0g とする。

4.

操作

4.1

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次のいずれかによる。

a)

ニッケル含有率 0.001% (m/m)  以上 0.01% (m/m)  未満の試料

1)

試料をはかり採ってビーカー (300ml) に移し入れる。

2)

時計皿で覆い,水 2∼3ml で試料を湿した後,塩酸 25ml を加え,熱板上で約 1 時間加熱する(

2

)

。た


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M 8223 : 1997

だし,この熱板の温度は,ビーカーに入れた試料溶液と同量の硫酸の温度が 100℃に保たれるよう

に調節する。次に硝酸 5ml と硫酸 (1+1) 0.2ml(

3

)

を加え約 15 分間加熱を続けた後,時計皿を少しず

らして乾固寸前まで蒸発させる。

(

2

)

不溶解残さが多い場合には,熱板の高温部分に移して加熱を続ける。ただし,溶液を沸騰

させてはならない。

(

3

)

バリウムを多量に含む試料の場合には,硫酸 (1+1)  は添加しない。

3)

塩酸 (1+1) 20ml を加え加熱して塩類を溶解する。冷却した後,ろ紙(5 種 B)と少量のろ紙パルプ

を用いて不溶解残さをろ過する。ビーカー内壁をゴム帽付きガラス棒を用いてこすり,付着物をろ

紙上に移す。ろ紙は塩酸 (2+100)  でろ紙に塩化鉄 (III) の黄色が認められなくなるまで洗浄し,更

に温水で 3∼4 回洗浄する。ろ紙と洗液はビーカー (200ml) に集め,不溶解残さはろ紙とともに白

金るつぼ(30 番)に移す。

4)

ろ液と洗液を加熱して乾固寸前まで蒸発させる。塩酸 (10+6) 15ml を加え塩類を溶解した後,分液

漏斗 (200ml) に移し入れる。塩酸 (10+6) 20ml でビーカー内壁を洗浄し分液漏斗に加える。4-メチ

ル-2-ペンタノン 50ml を分液漏斗に加え激しく 1 分間振り混ぜる。二層に分離した後,下層の水相

を元のビーカーに移し入れる。塩酸 (10+6) 10ml を分液漏斗に加え 30 秒間激しく振とうし,二層

に分離した後,下層の水相を先に分離した水相に合わせる。この溶液を穏やかに加熱して大部分の

4-

メチル-2-ペンタノンを除去した後,硝酸 5ml を加え乾固する。放冷した後,塩酸 (1+1) 20ml で

塩類を溶解し,主液として保存する。

5)

3)

で得た白金るつぼ中のろ紙を乾燥して 500∼800℃で燃焼させた後,残さを強熱灰化する。放冷し

た後,強熱残さを硫酸 (1+1) 3 滴で湿してふっ化水素酸 5ml を加え,穏やかに加熱して二酸化けい

素及び硫酸を揮散させる。続いて 800℃で数分間加熱する。放冷した後,混合融剤  [2.i)] 1.2g を白

金るつぼに加えてよく混合する。初めの数分間穏やかに加熱した後,1 000℃のマッフル炉で 15 分

間加熱し(

4

)

,残さを融解する。放冷した後,白金るつぼを 4)で保存した主液に入れ,塩酸 (1+1) 10ml

を加えて穏やかに加熱して融成物を溶解する。白金るつぼは温水で洗って取り出す。

(

4

)

マッフル炉の代わりに,加圧空気バーナーを用いて透明になるまで十分加熱する方式を採

用してもよい。

6)

この溶液を加熱して二酸化炭素を除去し,約 30ml に濃縮する。常温まで冷却した後,50ml の全量

フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。

b)

ニッケル含有率 0.0l% (m/m)  以上 0.10% (m/m)  未満の試料

1)

a)1)

の操作を行う。

2)

a)2)

5)の操作を行う。

3)

この溶液を加熱して二酸化炭素を除去する。常温まで冷却した後,100ml の全量フラスコに水を用

いて移し入れ,水で標線まで薄める。

4.2

吸光度の測定  吸光度の測定は,次の手順によって行う。

a)

原子吸光光度計の調整  6.で調製する検量線溶液の標準ニッケル溶液添加量が一番高い溶液とニッケ

ル・クロム混合溶液  [2.j)]  を交互に,水を用いてゼロ点調節した原子吸光光度計の空気・アセチレン

フレーム中に噴霧して,波長 232.0nm における吸光度を測定し,両者の吸光度の差が 0.004 を超えな

いようにバーナー高さとガス流量を調節する。

b)

吸光度の測定  4.1 の a)6)又は 4.1 の b)3)で得た試料溶液の一部を用いて a)で調整した条件における吸

光度を測定する。


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5.

空試験  試料の代わりに酸化鉄 (III) [2.h)] 1.0g をはかり採って,ビーカー (300ml) に移し入れる。以

下,4.1a)2)4.2 の手順に従って試料と同じ操作を試料と併行して行う。

6.

検量線の作成  附属書 表 のニッケル含有率の範囲ごとに 7 個のビーカー (300ml) を準備し,それ

ぞれに酸化鉄 (III) [2.h)] 1.0g をはかり採って移し入れる。次に,

附属書 表 の標準ニッケル溶液添加量

に従って標準ニッケル溶液を正確に加え,以下,4.1a)の 2)

6)又は 4.1b)の 2)3)及び 4.2 の手順に従って

試料と併行して操作し,得た吸光度とニッケル量との関係線を作成し,その関係線を原点を通るように平

行移動して検量線とする。

附属書 表 1  標準ニッケル溶液添加量

ニッケル含有率

% (m/m)

使用する標準ニッケル溶液

標準ニッケル溶液添加量

ml

0.001

以上  0.01 未満 B

[2.m)] 0

,1,2,4,6,8,10

0.01

以上  0.10 以下 A

[2.l)] 0

,1,2,4,6,8,10

7.

計算  計算は,次による。

a)

ニッケル含有率の計算  4.2 及び 5.で得た吸光度と,6.で作成した検量線から,ニッケル量を求め,試

料中のニッケル含有率を次の式によって算出する。

100

2

1

×

=

m

A

A

Ni

ここに,

Ni

試験中のニッケル含有率 [% (m/m)]

A

1

試料溶液中のニッケル検出量 (g)

A

2

空試験液中のニッケル検出量(

5

(g)

m

試料はかり採り量 (g)

(

5

)

空試験に使用した酸化鉄 (III) 中にニッケルが含まれてい
る場合は,はかり採った酸化鉄 (III) 中のニッケル量を差し
引く。

b)

酸化ニッケル含有率の計算  試料中の酸化ニッケル含有率は,ニッケル含有率から次の式によって算

出する。

NiO

=1.272 6×Ni

ここに,

NiO

試料中の酸化ニッケル含有率 [% (m/m)]

Ni

a)

に同じ

8.

許容差  許容差は,附属書 表 による。

附属書 表 2  許容差

単位% (m/m)

室内許容差 

室間許容差

D (n) 

×[0.012 2×(ニッケル含有率)+0.000 10] 2.8×[0.016 5×(ニッケル含有率)+0.000 29]

n

=2 のとき,D (n)  =2.8

n

=3 のとき,D (n)  =3.3

n

=4 のとき,D (n)  =3.6 

参考  この許容差は,ニッケル含有率 0.000 7% (m/m)  以上 0.045% (m/m)  以下の試料を用いて求めた

ものである。


9

M 8223 : 1997

鉄鉱石 JIS 改正 WG  構成表

氏名

所属

鉄鋼分析部会部会長

佐  伯  正  夫

新日本製鐵株式会社

化学分析分科会主査,鉄鉱石 JIS 改正
WG

リーダー

岩  田  英  夫

日本鋼管株式会社

直属幹事

石  橋  耀  一

日本鋼管株式会社

委員

岡  野  輝  雄

川崎製鉄株式会社

杉  原  孝  志

川崎テクノリサーチ株式会社

中  川      孝

川崎テクノリサーチ株式会社

秋  窪  英  敏

合同製鐵株式会社

金  築  宏  治

株式会社神戸製鋼所

川  村  恒  夫

株式会社コベルコ科研

稲  本      勇

新日本製鐵株式会社

大  水      勝

新日本製鐵株式会社

笠  井  茂  夫

新日本製鐵株式会社

鈴  木  興  三

新日本製鐵株式会社

鈴  木  節  雄

新日本製鐵株式会社

土  屋  武  久

新日本製鐵株式会社

蔵  保  浩  文

住友金属工業株式会社

中  里  福  和

住友金属工業株式会社

西  野  和  美

住友金属工業株式会社

平  松  茂  人

住友金属工業株式会社(ニッケル担当)

菅  野      清

株式会社中山製綱所

西  田      宏

日新製鋼株式会社

小  倉  正  之

日本鋼管株式会社

舟  曳  佳  弘

日本鋼管株式会社

事務局

大  槻      孝

社団法人日本鉄鋼協会

増  喜  浩  二

社団法人日本鉄鋼協会


10

M 8223 : 1997

社団法人日本鉄鋼連盟  原料標準委員会 JM2 分科会  構成表

氏名

所属

原料標準委員会委員長

安  達  良  英

新日本製鐵株式会社

JM2

分科会主査

松  村  泰  治

川崎テクノリサーチ株式会社

委員

中  林  賢  司

通商産業省工業技術院

藤  本  京  子

川崎製鉄株式会社

滝  沢  佳  郎

川崎テクノリサーチ株式会社

岡  山  和  生

合同製鐵株式会社

金  築  宏  治

株式会社神戸製鋼所

今  北      毅

株式会社コベルコ科研

西  埜      誠

株式会社島津製作所

笠  井  茂  夫

新日本製鐵株式会社

菊  池  統  一

新日本製鐵株式会社

鈴  木  節  雄

新日本製鐵株式会社

松  本  義  朗

住友金属工業株式会社

西  野  和  美

住友金属テクノロジー株式会社

原  田  幹  雄

株式会社中山製綱所

槌  尾  武  久

日新製鋼株式会社

林      三  男

社団法人日本海事検定協会

石  橋  耀  一

日本鋼管株式会社

吉  岡      豊

日本鋼管株式会社

河  野  久  柾

理学電気工業株式会社

事務局

大  槻      孝

社団法人日本鉄鋼連盟

脊  戸  雄  功

社団法人日本鉄鋼連盟