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M 8221-3:2018  

(1) 

目 次 

ページ 

序文  1 

1 適用範囲 1 

2 引用規格 1 

3 一般事項 2 

4 要旨 2 

5 試薬 2 

6 器具及び装置  3 

7 試料のはかりとり  4 

8 操作 4 

8.1 試料溶液の調製  4 

8.2 最終試料溶液の調製  5 

8.3 吸光度の測定  5 

9 空試験 6 

10 検量線の作成  6 

10.1 検量線用溶液の調製  6 

10.2 検量線の作成  6 

11 計算  6 

12 許容差  7 

附属書JA(規定)装置性能基準の求め方  8 

附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表  10 

 

 


 

M 8221-3:2018  

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まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本鉄鋼連盟(JISF)から,工

業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済

産業大臣が制定した日本工業規格である。 

これによって,JIS M 8221:1997は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

JIS M 8221の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS M 8221-1 第1部:共存元素分離しゅう酸カルシウム沈殿分離過マンガン酸カリウム滴定法 

JIS M 8221-2 第2部:共存元素分離エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム滴定法 

JIS M 8221-3 第3部:原子吸光分析法 

 

 


 

 

日本工業規格          JIS 

 

M 8221-3:2018 

 

鉄鉱石−カルシウム定量方法− 

第3部:原子吸光分析法 

Iron ores-Determination of calcium- 

Part 3: Flame atomic absorption spectrometric method 

 

序文 

この規格は,2017年に第4版として発行されたISO 10203を基とし,主として鉄鉱石分析法のJISの体

系・様式に合わせるため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JBに示す。また,附属書JAは対応国際規格にはない事項であ

る。 

 

適用範囲 

この規格は,鉄鉱石中のカルシウム定量方法のうち,原子吸光分析法について規定する。 

この方法は,鉄鉱石中のカルシウム含有率(質量分率)0.010 %以上8.00 %以下の定量に適用する。 

注記1 JIS M 8221の規格群の定量範囲を表1に示す。 

 

表1−JIS M 8221規格群の定量範囲 

規格番号 

定量範囲[質量分率(%)] 

JIS M 8221-1 

0.1  以上 10  以下 

JIS M 8221-2 

0.1  以上 10  以下 

JIS M 8221-3 

0.010 以上  8.00以下 

 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 10203:2017,Iron ores−Determination of calcium−Flame atomic absorption spectrometric method

(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS K 0121 原子吸光分析通則 

JIS M 8202 鉄鉱石−分析方法通則 


M 8221-3:2018  

 

JIS Z 8402-6 測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第6部:精確さに関する値の実用的

な使い方 

 

一般事項 

鉄鉱石の定量方法及び原子吸光分析に共通な一般事項は,JIS M 8202及びJIS K 0121による。 

 

要旨 

試料を塩酸及び硝酸で分解して乾固した後,塩酸に溶解し,ろ過する。残さは,ふっ化水素酸及び硫酸

で処理して二酸化けい素を除去した後,炭酸ナトリウムで融解し,融成物をろ液に合わせる。溶液の一部

を原子吸光分析装置のアセチレン・一酸化二窒素フレーム中に噴霧する。カルシウム中空陰極ランプから

放射される波長422.7 nmの光の吸光度を測定する。 

 

試薬 

試薬は,次による。 

5.1 

炭酸ナトリウム 

5.2 

塩酸 

5.3 

塩酸(1+2,1+9,1+15,2+100) 

5.4 

硝酸 

5.5 

ふっ化水素酸 

5.6 

硫酸(1+1) 

5.7 

鉄 純度の高い鉄で,カルシウムの含有率(質量分率)が,0.000 2 %未満であることが保証されて

いるか,又は0.010 %以下で値が特定されているもの。特定された値としては,妥当性が確認されている

場合には,認証値でなくてもよい。 

5.8 

酸化鉄(III)(Fe2O3) 純度の高い酸化鉄(III)で,カルシウムの含有率(質量分率)が,0.000 2 %

未満であることが保証されているか,又は0.010 %以下で値が特定されているもの。特定された値として

は,妥当性が確認されている場合には,認証値でなくてもよい。 

5.9 

バックグラウンド溶液(鉄6.0 g/L) 

バックグラウンド溶液の調製は,次のいずれかによる。 

a) 鉄(5.7)6.0 gをはかりとってビーカー(500 mL)に移し入れ,時計皿で覆う。塩酸(5.2)50 mLを

加えて分解し,硝酸(5.4)を滴加して酸化する。加熱蒸発してシロップ状になるまで濃縮する。塩酸

(5.2)100 mLを加え,水で200 mLにうすめる。炭酸ナトリウム(5.1)20 gを水に溶解し,かき混

ぜながら少量ずつ鉄溶液に加え,加熱して二酸化炭素を除去する。常温まで冷却した後,時計皿の下

面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を,1 000 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水で標

線までうすめてバックグラウンド溶液とする。 

b) 酸化鉄(III)(5.8)8.6 gをはかりとってビーカー(500 mL)に移し入れ,時計皿で覆う。塩酸(5.2)

100 mLを加えて分解した後,水で200 mLにうすめる。炭酸ナトリウム(5.1)20 gを水に溶解し,か

き混ぜながら少量ずつ鉄溶液に加え,加熱して二酸化炭素を除去する。常温まで冷却した後,時計皿

の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を,1 000 mLの全量フラスコに水を用いて移し入れ,水

で標線までうすめてバックグラウンド溶液とする。 


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5.10 塩化ランタン溶液 

塩化ランタン(III)七水和物[LaCl3・7H2O,カルシウム含有率(質量分率)が0.002 %未満]50 gを塩

酸(5.2)50 mL及び熱水300 mLに溶解する。常温まで冷却した後,1 Lにうすめて塩化ランタン溶液とす

る。 

5.11 カルシウム原液(Ca:500 μg/mL) 

あらかじめ105 ℃で約2時間乾燥した後,デシケーター中で常温まで放冷した炭酸カルシウム1.248 7 g

をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+3)100 mLを加える。完全に

溶解させて常温まで冷却した後,時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,溶液を,1 000 mLの全量

フラスコに水を用いて移し入れ,水で標線までうすめてカルシウム原液とする。 

5.12 カルシウム標準液(Ca:25 

洀最一洀

 

カルシウム原液(5.11)を,使用の都度,10 mL正確にとり,200 mLの全量フラスコに移し入れ,水で

標線までうすめてカルシウム標準液とする。 

 

器具及び装置 

器具及び装置は,次による。 

6.1 

白金るつぼ(以下,るつぼという。) 容量30 mL以上で,蓋付きのもの。 

6.2 

ブンゼンバーナー 

6.3 

マッフル炉 1 100 ℃で使用可能なもの。 

6.4 

原子吸光分析装置 アセチレン・一酸化二窒素バーナーを備えたもの。 

警告 JIS K 0121の10.(安全)の項目を遵守する。 

6.4.1 

原子吸光分析装置の調整 

原子吸光分析装置は,JIS K 0121及びその装置の製造業者の指示書に従い,6.4.2に規定する性能基準を

満たすように調整する。バーナーを十分予熱した後,検量線用溶液(10.1参照)の最高濃度溶液とゼロメ

ンバー検量線用溶液との吸光度の差が最大となるようにバーナーの位置(水平,垂直及び回転方向)及び

各ガス流量を調節する。 

分光光度計が,測定するカルシウムの波長(422.7 nm)に正確に調整されていることを確認する。 

注記 アセチレン・一酸化二窒素フレームにおいては,一般には,バーナーのスロットの位置が光路

の鉛直面下に光路と平行になるように調節し,バーナーの高さを,光路下約10 mm〜20 mmに

なるように調節すると,吸光度の差が最大となる。 

6.4.2 

性能基準 

6.4.2.1 

最小感度 

検量線最高濃度の溶液で,吸光度が少なくとも0.3以上とする。 

6.4.2.2 

検量線の直線性 

6.4.2.2.1 

検量線の直線性の求め方 

検量線の直線性の求め方は,JA.1による。 

6.4.2.2.2 

検量線の直線性の装置性能基準 

検量線の直線性は0.7以上とする。 

6.4.2.3 

短時間安定性 

6.4.2.3.1 

短時間安定性の求め方 

短時間安定性の求め方は,JA.2による。 


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6.4.2.3.2 

短時間安定性の装置性能基準規定 

検量線最高濃度溶液における測定の短時間安定性(%)は1.5を,検量線最低濃度溶液における測定の

短時間安定性(%)は0.5をそれぞれ超えてはならない。 

注記 測定条件は,波長を除いて装置ごとに異なる。次に示す測定条件は,数箇所の分析室で支障な

く用いられた条件であり,操作の指針として用いることができる。測定溶液は,予混合バーナ

ーのアセチレン・一酸化二窒素フレーム中に噴霧される。 

− カルシウム中空陰極ランプの電流,mA 

15 

− 波長,nm 

422.7 

− 一酸化二窒素の流量,L/min 

13.8 

− アセチレンの流量,L/min 

6.6 

上記のガス流量が適用できない装置においても,一酸化二窒素とアセチレンガスとのガス流

量の比率は操作の有効な指針となる。 

 

試料のはかりとり 

試料はかりとり量は,表2による。 

 

表2−試料はかりとり量 

カルシウム含有率 

[質量分率(%)] 

試料はかりとり量 

       0.010以上    4.00以下 

0.5 

       4.00超え     8.00以下 

0.2 

 

操作 

8.1 

試料溶液の調製 

試料溶液の調製は,次の手順によって行う。 

a) 試料をはかりとってビーカー(300 mL)に移し入れ,水数mLで湿らせ,時計皿で覆う。塩酸(5.2)

25 mLを加え,穏やかに加熱する。沸騰直前の温度で反応が認められなくなるまで加熱分解する。硝

酸(5.4)2 mLを加え,数分間分解する。時計皿の下面を水で洗って時計皿を取り除き,引き続きビ

ーカーを105 ℃〜110 ℃の熱板上で30分間加熱する。 

b) 塩酸(5.2)5 mLを加え,ビーカーを時計皿で覆い,数分間加温する。水50 mLを加え,チタンの加

水分解を避けるため,ガラス棒でかき混ぜながら加熱して沸騰させる。時計皿及びビーカーの内壁を

水で洗浄した後,溶液を少量のろ紙パルプを加えたろ紙(5種B)を用いてビーカー(300 mL)へろ

過する。元のビーカー内壁をポリスマン又は湿らせたろ紙を用いてこすり,付着物及び湿らせたろ紙

を漏斗上のろ紙に移す。ろ紙及びろ紙パルプは塩酸(1+9)で3回洗浄し,次に熱水で3,4回洗浄す

る。ろ紙及び残さをるつぼ(6.1)に移し入れる。ろ液は,加熱濃縮して約100 mLとして保存する。 

なお,ろ紙は,漏斗に装着してから温塩酸(1+2)で数回洗浄し,更に温水で洗浄してから用いる。 

c) るつぼ中のろ紙及び残さを低温(500 ℃〜800 ℃)で炭化して灰化する。放冷し,硫酸(5.6)2,3

滴で湿し,ふっ化水素酸(5.5)10 mLを加える。穏やかに加熱して二酸化けい素を揮散させた後,白

煙を発生させ,過剰の硫酸を除去する。700 ℃で乾固するまで加熱する。残さに炭酸ナトリウム(5.1)

1.0 gを加え,るつぼを蓋で覆い,ブンゼンバーナー(6.2)又はマッフル炉(6.3)で透明な融成物が


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得られるまで融解する(1 100 ℃で約15分間)。ブンゼンバーナーを使用する場合は,るつぼを動か

して内部をかくはんしながら溶解する。ただし,この融解が困難な場合は,炭酸ナトリウム2 gを使

用し,塩酸(5.2)も2倍量用いてもよい。この場合は,バックグラウンド溶液(5.9)も2倍量の炭酸

ナトリウム及び塩酸(5.2)を用いて調製する。 

d) 室温まで放冷した後,るつぼの蓋を外して,蓋とともにb)で保存したろ液に入れる。融成物の溶解が

終了した後,るつぼ及び蓋を水で洗ってから取り出す。 

この段階で溶液が濁っている場合は,多量のチタンが加水分解していることを示している。この場

合は,8.2の200 mLの全量フラスコに移す前にろ紙(5種C)を用いて,ろ過する。ろ紙は温塩酸(1

+15)で1回,温塩酸(2+100)で2回,次に温水を用いて,ろ紙に塩化鉄(III)の黄色が認められ

なくなるまで洗浄する。 

8.2 

最終試料溶液の調製 

最終試料溶液の調製は,次のいずれかによる。 

a) カルシウム含有率(質量分率)0.10 %以下の試料 

1) 8.1で得た試料溶液を,200 mLの全量フラスコへ水を用いて移し入れる。 

2) 塩化ランタン溶液(5.10)40 mLを加え,水で標線までうすめる。 

b) カルシウム含有率(質量分率)0.10 %超えの試料 

1) 8.1で得た試料溶液を,200 mLの全量フラスコへ水を用いて移し入れ,水で標線までうすめる。 

2) 1)で調製した溶液から,表3に示すカルシウム含有率によって規定された量を分取して200 mLの全

量フラスコに移し入れ,塩化ランタン溶液40 mLを加える。さらに,バックグラウンド溶液(5.9)

を表3に従って加え,水で標線までうすめる。 

 

表3−分取量及びバックグラウンド溶液添加量 

カルシウム含有率 

[質量分率(%)] 

分取量 

mL 

相当する試料の質量 

バックグラウンド溶液(5.9)添加量 

mL 

0.10 超え 

1.00以下 

20 

0.05 

45.0 

1.00 超え 

4.00以下 

 5 

0.012 5 

50.0 

4.00 超え 

8.00以下 

 5 

0.005 

50.0 

この表の分取量は,カルシウム濃度が検量線用溶液の範囲内に収まるように規定している。より高

感度の装置に対しては試料溶液の分取量を少なくしてもよい。その場合,溶液をあらかじめ希釈して
分取量が2 mLより少なくならないようにする。空試験液も同様である。この場合には,バックグラウ
ンド溶液の量も調整する。 

 

8.3 

吸光度の測定 

8.2で得た最終試料溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した原子吸光分析装置(6.4)のアセチレン・

一酸化二窒素フレーム中に噴霧し,カルシウム中空陰極ランプから放射される波長422.7 nmの吸光度を測

定する。各溶液の測定の間には水を噴霧する。 

空試験液及びゼロメンバー検量線用溶液から始めて,最終試料溶液(8.2参照)が一連の測定の適切な時

点で噴霧できるように,検量線用溶液(10.1参照)及び最終試料溶液を吸光度が増加していくような順序

で噴霧する。安定した応答が得られたら,その読み値を記録する。 

測定は,少なくとも2回繰り返す。 

 


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空試験 

試料の代わりに試料の85 %量の酸化鉄(III)(5.8)又は試料の60 %量の鉄(5.7)を用いて,8.1,8.2 a)

及び8.3の手順に従って試料と同じ操作を試料と併行して行う。調製された溶液を空試験液とする。酸化

鉄(III)及び鉄の量は1 mgの桁まではかる。 

同時に数試料を分析する場合,操作が同じで同一の試薬瓶からの試薬を使う場合には,1個の空試験値

で代表することができる。 

 

10 検量線の作成 

10.1 検量線用溶液の調製 

6個の200 mLの全量フラスコを準備し,それぞれに表4に従ってカルシウム標準液(5.12)1)を正確に

添加し,次に塩化ランタン溶液(5.10)及びバックグラウンド溶液(5.9)を加えて,水で標線までうすめ

る。 

 

表4−検量線用溶液へのカルシウム標準液,塩化ランタン溶液及びバックグラウンド溶液の添加量 

検量線用溶液No.  カルシウム標準液 

(5.12)添加量 

mL 

カルシウム

添加量 

µg 

塩化ランタン溶液 

(5.10)添加量 

mL 

バックグラウンド 

溶液(5.9)添加量 

mL 

1(ゼロメンバー) 

40 

50 

50 

40 

50 

125 

40 

50 

10 

250 

40 

50 

15 

375 

40 

50 

20 

500 

40 

50 

 

注1) カルシウムの濃度範囲は,装置に応じて変えてもよい。高感度な装置の場合には,6.4.2に規定

する性能基準を確保できる範囲で,標準液の添加量を少なくするか,カルシウム標準液(5.12)

を水で10倍にうすめたものを用いてもよい。 

10.2 検量線の作成 

8.3の手順に従って,10.1で調製した各検量線用溶液の吸光度を試料と併行して測定する。得た吸光度と

各検量線用溶液中のカルシウム量との関係線を作成し,この関係線をグラフの原点を通るように平行移動

して検量線とする。 

 

11 計算 

計算は,次による。 

a) カルシウム含有率の計算 8.3及び箇条9で得た吸光度と,10.2で作成した検量線とからカルシウム量

を求め,試料中のカルシウム含有率を次の式によって算出する。 

100

2

0

1

m

m

m

m

Ca

 

ここに, 

Ca: 試料中のカルシウム含有率[質量分率(%)] 

 

m1: 最終試料溶液中のカルシウム検出量(g) 

 

m0: 空試験液中のカルシウム検出量(g) 

 

m2: 空試験液中の鉄(5.7)又は酸化鉄(III)(5.8)に由来す


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るカルシウム量(g) 

 

 [鉄,又は酸化鉄(III)中のカルシウム含有率(質量分

率)が0.000 2 %未満であることが保証されている場合
は,0とする。] 

 

m: 最終試料溶液中に含まれる試料の質量(g) 

 

b) 酸化カルシウム含有率の計算 試料中の酸化カルシウム含有率は,カルシウム含有率から次の式によ

って算出する。 

CaO=1.399×Ca 

ここに, 

CaO: 試料中の酸化カルシウム含有率[質量分率(%)] 

 

Ca: 試料中のカルシウム含有率[質量分率(%)] 

 

なお,酸化カルシウム含有率を報告値とする場合,丸めを行っていないカルシウム含有率から酸化カル

シウム含有率を求め,最終報告値とする。 

 

12 許容差 

許容差は,表5による。 

 

表5−許容差 

単位 質量分率(%) 

カルシウム含有率 

室内再現許容差 

Rd 

室間許容差a) 

0.010以上8.00以下 

f(n)×0.009 72×(Ca) 0.662 53 

f(n)×0.013 82×(Ca) 0.619 66 

許容差計算式中のf(n)の値は,JIS Z 8402-6の表1(許容範囲の係数)による。nの値は,室内再現許容差の場合

は同一分析室内における分析回数,室間許容差の場合は分析に関与した分析室数である。また,(Ca)は,許容差を
求めるカルシウム定量値の平均値[質量分率(%)]である。 
注a) この規格における室間許容差は,各分析室においてJIS M 8202の6.5(分析値の採択)によって求めた分析

値を用いて判定する。 

 


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附属書JA 

(規定) 

装置性能基準の求め方 

 

JA.1 検量線の直線性の求め方 

濃度範囲の上部域20 %の検量線の傾斜(吸光度の差;図JA.1のAA)と濃度範囲の下部域20 %の検量線

の傾斜(吸光度の差;図JA.1のAB)との比(AA/AB)を直線性として算出する。 

 

 

図JA.1−検量線の直線性の基準計算用模式図 

 

JA.2 短時間安定性の求め方 

短時間安定性の求め方は,次による。 

なお,吸光度の測定は,各々の測定を個別試料の測定として8.3に従って行う。 

a) 最高濃度溶液の測定の短時間安定性 各部で規定された検量線用溶液のうち,最高濃度溶液について

吸光度の測定を10回繰り返し,その平均値(ĀA)及び標準偏差(σA)を計算する。 

最高濃度溶液の測定の短時間安定性(%)は,

100

/

A

A

A

の式で算出する。 

注記 標準偏差の計算式を参考として次に示す。 

1

)

(

2

n

x

xi

x

 

ここに, 

σx: 標準偏差 

 

xi: i番目のデータ 

 

x: 平均値 

 

n: データ数 

 


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b) 最低濃度溶液の測定の短時間安定性 各部で規定された検量線用溶液のうち,ゼロメンバーを除いた

最低濃度溶液について吸光度の測定を10回繰り返し,その標準偏差(σB)を計算する。 

最低濃度溶液の測定の短時間安定性(%)は,

100

/

A

B

A

の式で算出する。 

注記 最低濃度溶液の測定の短時間安定性を求める式の分母は,最高濃度溶液の測定の平均値ĀA

である。 

 

 

 


10 

M 8221-3:2018  

 

附属書JB 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

 

JIS M 8221-3:2018 鉄鉱石−カルシウム定量方法−第3部:原子吸光分析法 

ISO 10203:2017,Iron ores−Determination of calcium−Flame atomic absorption 
spectrometric method 

 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範囲 適用範囲を規定 

 

適用範囲を規定 

一致 

 

 

2 引用規格  

 

 

 

 

 

 

3 一般事項 鉄鉱石の定量方法

に共通の一般事項
を規定 

 

用語及び定義の箇条を
設定 

追加 

ISO規格は,全ての規格に箇条を設
けた。JISでは何も規定していない。 

JISは,鉄鉱石の定量に共通の事
項をJIS M 8202に規定。技術的差
異については各欄に記す。 

4 要旨 

分析法概要を記載 

 

分析法の原理を記載 

追加 

JISは,中空陰極ランプの波長を追
加した。 

JISは,要旨を記載しており,技
術的差異はない。 

5 試薬 

使用する試薬を規
定 

 

使用する試薬を規定 

追加 

JISは,酸化鉄(III)の規定を追加
した。 

酸化鉄(III)の規定は,次回の定
期見直しの際に提案する。 

5.9 バックグラウン
ド溶液の濃度を規
定 

 

5.8 

バックグラウンド溶液
の濃度を規定 

変更 

JISは,酸化鉄(III)によるバック
グラウンド溶液の調製を追加する
とともに,最終試料溶液の調製を簡
便にするために濃度を変更した。 

バックグラウンド溶液の調製に技
術的差異はない。 

5.11 カルシウム原
液を規定 

 

− 

− 

追加 

JISは,カルシウム原液を規定して,
標準液を使用の都度調製すること
とした。炭酸カルシウムの乾燥時間
をJIS K 8617(炭酸カルシウム)に
一致させ,約2時間とした。 

標準液の調製に技術的差異はな
い。 

 

 

 

2

 

M

 8

2

2

1

-3

2

0

1

8

 

 

 

 

 


11 

M 8221-3:2018  

 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

6 器具及び
装置 

使用する器具及び
装置を規定 

 

使用する器具及び装置
を規定 

変更 

JISは,一般器具の規定を削除し, 
融解時に使用するブンゼンバーナ
ーの細分箇条を追加した。 

JISは,鉄鉱石の定量に共通の事
項をJIS M 8202に規定。 

6.4.1 原子吸光分析
装置の調整を規定 

 

8.4.4 

原子吸光分析装置の調
整を規定 

追加 

JISは,製造業者の指示書に加えて,
JIS K 0121を引用した。 

調整内容に技術的差異はない。 

6.4.2 装置性能基準
を規定 

 

6.3 

原子吸光分析装置及び
装置性能基準を規定 

追加 

JISは,最小安定性(minimum 
stability)を鉄鋼の原子吸光分析法
の規定に合わせ短時間安定性とし
た。 
求め方を附属書JAに規定した。 

装置性能基準の求め方の記載は,
原子吸光分析法による定量法に共
通の事項であり,ISOに国際会議
で提案していく。 

− 

− 

 

サンプリング及び試料
の調製を規定 

削除 

 

サンプリング及び試料の調製は
JIS M 8202に規定。技術的差異は
ない。 

7 試料のは
かりとり 

試料はかりとり量
を規定 

 

8.2 

試料はかりとり量を規
定 

一致 

 

 

8 操作 

− 

 


8.1 

操作 
分析回数を規定 

削除 

 

分析回数はJIS M 8202に規定。技
術的差異はない。 

8.1 試料溶液の調製
手順を規定 

 

8.4 

試料溶液の調製手順を
規定 

変更 

JISは,JIS規格品に適用するため,
塩酸濃度を変更した。 

JIS規格品とISO規格品との違い
によるもので,技術的差異はない。 

8.2 最終試料溶液の
調製手順を規定 

 

8.4.3 

最終試料溶液の調製手
順を規定 

変更 

JISは,バックグラウンド溶液の濃
度を変更したため,添加量を変更し
た。 

添加量に技術的差異はない。 

8.3 吸光度の測定手
順を規定 

 

8.4.5 

吸光度の測定手順を規
定 

一致 

 

 

9 空試験 

空試験の手順を規
定 

 

8.3 

空試験の手順及びチェ
ック分析を規定 

追加 

JISは,鉄及び酸化鉄(III)を用い
る空試験を規定した。 

酸化鉄(III)の記載については,
次回の定期見直しの際にISOに改
正提案予定。 
チェック分析はJIS M 8202に規
定。技術的差異はない。 

 

2

 

M

 8

2

2

1

-3

2

0

1

8

 

 

 

 

 


12 

M 8221-3:2018  

 

(I)JISの規定 

(II)国際 
規格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条ごと
の評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号 
及び題名 

内容 

箇条 
番号 

内容 

箇条ごと 
の評価 

技術的差異の内容 

10 検量線
の作成 

10.1 検量線用溶液
の調製を規定 

 

5.11 

検量線用溶液の調製を
規定 

変更 

JISは,検量線用溶液の調製方法を,
文章ではなく,表とした。 

ISO規格とJISとの作成方針の違
いによるもので本質的な技術的差
異はない。 

10.2 検量線の作成
を規定 

 

8.4.5 

検量線の作成を規定 

変更 

JISは,吸光度とカルシウム量との
関係を求めることに変更した。 

検量線の換算値の違いによる。技
術的差異はない。 

11 計算 

 
11 a)カルシウム含
有率の算出手順を
規定 

 


9.1 

結果の表示 
カルシウム含有率の算
出手順を規定 

変更 

JISは,ISO規格の式を変更した。 JISは,全操作を通じて空試験を

行い,分析値を補正するほか,検
量線の換算値の違いによる。本質
的な技術的差異はない。 

11 b)酸化カルシウ
ム含有率の計算式
を規定 

 

9.2.5 
9.3 

酸化カルシウム含有率
の算出方法を規定 

一致 

 

 

12 許容差 

 
室内再現許容差及
び室間許容差を規
定 

 

9.2 
9.2.1 

結果の一般的処理 
室内再現許容差,室間許
容差,室内標準偏差及び
室間標準偏差を規定 

変更 

ISO規格は,2データの許容差を規
定した。JISは一般式に拡大した。 

ISO規格とJISとの作成方針の違
いによるもので本質的な技術的差
異はない。 

− 

 

9.2.2 

分析値の決定方法を規
定 

削除 

 

JISの分析値の決定方法は,JIS M 
8202に規定。技術的差異は小さ
い。 

− 

 

9.2.3 

室間分析精度を規定 

削除 

 

JISの室間分析精度は,JIS M 8202
に規定。技術的差異は小さい。 

− 

− 

 

9.2.4 

真度のチェック方法を
規定 

削除 

 

真度のチェック方法は,JIS M 
8202に規定。技術的差異はない。 

− 

− 

 

9.2.5 

最終結果の計算方法を
規定 

削除 

 

最終結果の計算方法は,JIS M 
8202に規定。技術的差異はない。 

− 

− 

 

10 

試験報告記載事項を規
定 

削除 

 

試験報告記載事項は,JIS M 8202
に規定。技術的差異はない。 

附属書JA 
(規定) 

装置性能基準の求
め方 

 

− 

− 

追加 

JISは,装置性能基準の求め方を規
定した。 

装置性能基準の求め方の記載は,
原子吸光分析法による定量法に共
通の事項であり,ISOに国際会議
で提案していく。 

 

2

 

M

 8

2

2

1

-3

2

0

1

8

 

 

 

 

 


13 

M 8221-3:2018  

 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 10203:2017,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

− 一致  技術的差異がない。 
− 削除  国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
− 追加  国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
− 変更  国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

− MOD  国際規格を修正している。 

 

2

 

M

 8

2

2

1

-3

2

0

1

8