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M 8202

:2015

(1)

目  次

ページ

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

2

4

  一般事項  

3

4.1

  共通一般事項  

3

4.2

  個別一般事項  

3

5

  試料の採取,調製及び取扱い  

3

5.1

  試験室試料の採取及び調製  

3

5.2

  分析用試料の調製  

4

5.3

  分析試料のはかりとり  

4

6

  分析値のまとめ方  

5

6.1

  分析回数  

5

6.2

  空試験  

5

6.3

  分析値の表示  

5

6.4

  分析値の真度及び精度の検討  

5

6.5

  分析値の採択  

6

6.6

  酸化物含有率の算出  

7

附属書 A(規定)国際一致規格で引用された ISO 規格による規定の取扱い  

8


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まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

鉄鋼連盟(JISF)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準

調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS M 8202:2000 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 M

8202

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鉄鉱石−分析方法通則

Iron ores-General rules for chemical analysis

適用範囲 

この規格は,日本工業規格(JIS)の鉄鉱石の各成分定量方法及び分析方法の規格(以下,鉄鉱石分析法

規格群という。

)における鉄鉱石の分析方法に関する一般事項について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0113

  電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則

JIS K 0115

  吸光光度分析通則

JIS K 0116

  発光分光分析通則

JIS K 0117

  赤外分光分析方法通則

JIS K 0119

  蛍光 X 線分析通則

JIS K 0121

  原子吸光分析通則

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS M 8250

  鉄鉱石−分析用試料の吸湿水定量方法−重量法,カールフィッシャー滴定法及び乾燥減

量法

JIS M 8700

  鉄鉱石及び還元鉄−用語

JIS M 8702

  鉄鉱石−サンプリング及び試料調製方法

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS R 3505

  ガラス製体積計

JIS Z 8101-1

  統計−用語と記号−第 1 部:確率及び一般統計用語

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8402-1

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 1 部:一般的な原理及び定義

JIS Z 8402-6

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 6 部:精確さに関する値の実用的

な使い方

ISO 385-1:1984

,Laboratory glassware−Burettes−Part 1: General requirements

ISO 648:1977

,Laboratory glassware−One-mark pipettes

ISO 1042

,Laboratory glassware−One-mark volumetric flasks

ISO 3081:1986

,Iron ores−Increment sampling−Manual method


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ISO 3082

,Iron ores−Sampling and sample preparation procedures

ISO 3083:1986

,Iron ores−Preparation of samples−Manual method

ISO 3696

,Water for analytical laboratory use−Specification and test methods

ISO 7764

,Iron ores−Preparation of predried test samples for chemical analysis

用語及び定義 

この規格及び鉄鉱石分析法規格群で用いる主な用語及び定義は,JIS K 0050JIS M 8700JIS Z 8101-1

及び JIS Z 8402-1 によるほか,次による。

注記 1  JIS K 0050 の箇条 3(用語及び定義)には,JIS K 0211JIS K 0212JIS K 0213JIS K 0214

JIS K 0215

及び JIS K 0216 の分析化学用語の各規格が引用されているので,この規格でもこ

れら分析化学用語の各規格の定義が適用されている。

注記 2  鉄鉱石分析法規格群での操作に用いる用語については,JIS G 1201 の附属書 A(鉄鋼分析法

規格群の規格作成における参考情報)の A.5(操作)を参照することが望ましい。

3.1 

空試験 

一般に試料を用いないで,試料を用いたときと同様の操作をする試験。

なお,鉄鉱石分析法規格群では,吸光光度分析法,原子吸光分析法などの検量線を作成する方法におい

ては,試料の代わりに純度の高い酸化鉄(III)を用いて試料と同様の操作をする試験をいう。空試験によ

って調製した液を空試験液という。

注記  空試験は,JIS K 0211 には第一文だけが定義として示されている。

3.2 

審判分析 

販売者(製造者)と購買者との間で分析値に差が生じ,双方の意見が対立したときに,双方の合意した

第三者機関が実施する分析で,その分析値が双方の合意値とされるもの。

3.3 

ゼロメンバー 

検量線用溶液において,分析対象成分の標準液を添加していない溶液。

3.4 

(接頭語)熱 

酸などの液体試薬について,60  ℃以上の温度とした状態に用いる接頭語。

“熱硝酸”などのように用い

る。

3.5 

(接頭語)温 

酸などの液体試薬について,40  ℃∼60  ℃の温度とした状態に用いる接頭語。

“温塩酸(2+100)

”など

のように用いる。

3.6 

室内再現条件 

同一とみなせる測定試料について,同一方法,同一試験室,同一測定者かつ同一装置によって,異なる

2

日で独立した測定結果を得る測定の条件。検量線を作成する場合は,日ごとに検量線用溶液調製から行

って作成する。


3

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注記  “室内再現条件”とは,JIS Z 8402-3[測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第 3

部:標準測定方法の中間精度]に規定された“中間精度”に相当する。

3.7 

室間許容差 

室内再現条件(3.6)で得られた二つの測定結果の平均値の 2 試験室間の差(絶対値)が,その値以下に

なることが 95 %の確率で期待される値。

注記 1  室間許容差は,で表し,審判分析で用いられる。

注記 2  この室間許容差 は,鉄鉱石の分析に特有な用語で,通常使用される室間再現許容差とは異

なる。通常の室間再現許容差は,各試験室での 1 回の分析値が判定対象となるが,鉄鉱石の

室間許容差 は,

各試験室での室内再現条件下での 2 回の分析値の平均値が判定対象となる。

一般事項 

4.1 

共通一般事項 

鉄鉱石分析法規格群に共通な一般事項は,JIS K 0050 によるほか,次による。

a) 

引用された ISO 規格による規定の取扱い  鉄鉱石分析法規格群の中で,国際一致規格として作成され

た規格において,引用された ISO 規格による規定の取扱いは,

附属書 による。

b) 

全量ピペット及びビュレット  鉄鉱石分析法規格群で用いる全量ピペット及びビュレットは,特に指

定がない場合は,JIS R 3505 のクラス A のものを用いる。ただし,JIS K 0050 

附属書 H(体積計の

校正方法)によって校正した場合は,クラス B のものを用いてもよい。

なお,自動ビュレットは,自動ビュレットによる指定滴下量の繰り返し測定(体積換算値)の標準

偏差の 2 倍の値が,JIS R 3505 に規定している,その指定滴下量(体積)でのクラス A の許容誤差内

となる場合は,全量ピペット及び/又はビュレットの代わりに使用してもよい。

c) 

全量フラスコ  鉄鉱石分析法規格群で用いる全量フラスコは,特に指定がない場合は,JIS R 3505 

クラス A の受用のものを用いる。ただし,JIS K 0050 

附属書 H(体積計の校正方法)によって校正

した場合は,クラス B のものを用いてもよい。

d) 

はかり  分析試料などのはかりとりに用いるはかりは,特に指定がない場合は,最小読取値が 0.1 mg

以下で,国家標準とトレーサビリティが得られている分銅によって校正された,化学はかり又は電子

はかりとする。

e) 

水  鉄鉱石分析法規格群で定量操作に用いる水は,特に指定がない場合は,JIS K 0557 に規定する種

別 A3 又は A4 の水を用いる。

4.2 

個別一般事項 

各分析方法における一般事項は,JIS K 0113JIS K 0115JIS K 0116JIS K 0117JIS K 0119 又は JIS 

K 0121

による。

試料の採取,調製及び取扱い 

5.1 

試験室試料の採取及び調製 

試験室試料は,ロットの鉄鉱石を JIS M 8702 によって採取及び縮分し,最終的に次のいずれかに調製し,

適切な容器に入れる。

a) 

吸湿性の強い鉄鉱石  粒度 160 µm 以下のものを 100 g 以上。ここで,吸湿性の強い鉄鉱石とは,化合

水含有率(質量分率)2.5 %以上のもの,硫黄含有率(質量分率)0.2 %以上のもの又は金属鉄を含む


4

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ものを指す。

b) 

吸湿性の弱い鉄鉱石  粒度 100 µm 以下のものを 50 g 以上。

なお,鉄鉱石の種類によっては,化合水含有率(質量分率)が 2.5 %未満のものでも吸湿性の強い場合

があるため,吸湿性が不明のものについてはあらかじめ調査しておく必要がある。

5.2 

分析用試料の調製 

分析用試料は,試験室試料を十分に混合し,分析回数及び鉄鉱石分析法規格群の各規格(以下,個別規

格という。

)に規定している試料はかりとり量などを考慮して,必要な量を試験室試料からインクリメント

縮分を行って分け取る。

5.3 

分析試料のはかりとり 

5.3.1 

含有率算出基準 

鉄鉱石の各成分の含有率は,乾量基準(105  ℃で恒量となるまで乾燥した試料の質量を基準にした品質

特性の算出基準)によって求める。そのため,分析試料は,105  ℃で乾燥するか,又は 105  ℃で乾燥した

ときに揮散する水分量を補正して,そのはかりとり量を決定する。

5.3.2 

分析試料のはかりとり方法 

分析試料は,分析用試料から個別規格に規定している試料はかりとり量に従ってはかりとる。そのはか

りとり方法は,次のいずれかによる。

a) 

吸湿性の弱い鉄鉱石又は吸湿性の強い鉄鉱石で成分含有率(質量分率)が 10 %未満の分析試料 

この区分に属する分析試料は,次の手順によってはかりとるか,又は b)  に規定する方法ではかり

とる。

1)

分析用試料を,磁器平底蒸発皿などに薄く広げて 105±2  ℃の空気中で約 2 時間乾燥し,デシケー

ター中で常温まで放冷する(以下,事前乾燥試料という。

2)

事前乾燥試料から,個別規格に規定している試料はかりとり量を,はかりを用い 0.1 mg の桁まで正

確にはかりとって分析試料の質量とする。

b) 

吸湿性の強い鉄鉱石で成分含有率(質量分率)が 10 %以上の分析試料 

この区分に属する分析試料は,次のいずれかの方法ではかりとる。

1) 

乾燥方法によるはかりとり  乾燥方法による分析試料のはかりとりは,次の手順による。

1.1)

分析用試料から,個別規格に規定している試料はかりとり量に等しい量をはかりとる。この場合

のはかりとりには,上皿はかりなどを用いてもよい。これを,蓋が外すり合わせで内容積が 30 mL

以下の適切なはかり瓶に入れ,蓋をせずに 105±2  ℃の空気中で 2 時間乾燥する。試料が酸化する

おそれがある場合は,窒素又はアルゴン雰囲気中で乾燥する。乾燥した後,直ちに蓋をしてデシ

ケーター中で常温まで放冷する。放冷時間は 30 分間程度を目安とする。

1.2)

はかり瓶の蓋を開け再び閉じた後,質量をはかりを用い 0.1 mg の桁まで正確にはかる。次に,は

かり瓶内の試料を個別規格に指定した容器(ビーカー,るつぼなど)に移し,直ちに再度はかり

瓶の蓋を閉じて質量をはかって,その減量を分析試料の質量とする。

2) 

吸湿水補正方法によるはかりとり  吸湿水補正方法による分析試料のはかりとりは,次の手順によ

る。

2.1)

分析用試料を不活性なトレーに試料が 0.1 g/cm

2

を超えないように広げて 2 時間以上実験室に放置

して実験室の大気雰囲気と平衡させる。平衡させた後,試料全体を十分に混合する(以下,大気

平衡試料という。

2.2)

大気平衡試料から,個別規格に規定している試料はかりとり量を,はかりを用い 0.1 mg の桁まで


5

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正確にはかりとる。吸湿水含有率(質量分率)が 1 %以上と予想される試料については,予想吸

湿水含有率を補正した量をはかりとるのが望ましい。

2.3)

この大気平衡試料の吸湿水含有率(HM)は JIS M 8250 によって求め,次の式によって,はかり

とった分析試料の質量を乾燥質量(MCM)に補正して試料はかりとり量とする。

×

=

100

HM

m

m

MCM

ここに,

m: 補正前の試料のはかりとり量(g)

HM: 大気平衡試料の吸湿水含有率[質量分率(%)]

MCM: 分析試料の乾燥質量(g)

分析値のまとめ方 

6.1 

分析回数 

分析は,同一分析試料について室内再現条件(以下,再現条件という。

)で 2 回実施する。

6.2 

空試験 

分析においては,個別規格に空試験の規定がなくても,全操作を通じて空試験を行い,分析値を補正す

る。

6.3 

分析値の表示 

分析値は,分析試料の質量に対する質量分率(%)で表し,分析対象成分によって,次に規定する表示

の桁に JIS Z 8401 によって丸める。

ただし,

鉄鉱石分析法規格群の各規格内に表示桁の規定がある場合は,

それらの規定を優先する。

なお,1 ロットの鉄鉱石の成分品位を複数の分析所の分析値から決定する場合,各分析所の分析値は,

次に規定する表示桁の一つ下の桁に JIS Z 8401 によって丸める,又は,鉄鉱石分析法規格群の各規格内に

規定する方法で一つ下の桁まで求める。成分品位は,質量分率(%)で表し,対象成分によって,次に規

定する表示の桁に JIS Z 8401 によって丸める。

a)

小数点以下 桁まで表す成分  化合水,全鉄,酸可溶性鉄(II),けい素,マンガン,チタン,アルミ

ニウム,カルシウム及びマグネシウム。

b)

小数点以下 桁まで表す成分  ナトリウム,カリウム,コバルト,りん,硫黄,銅,ニッケル,クロ

ム,バナジウム,すず,ひ素,亜鉛,鉛及びビスマス。ただし,りん及び硫黄の質量分率が 1 %以上

の場合並びに銅,ニッケル,クロム,バナジウム,すず及び亜鉛の質量分率が 0.1 %以上の場合は,

小数点以下 2 桁まで表し,ナトリウム,カリウム及びひ素の質量分率が 0.01 %未満の場合は,小数点

以下 4 桁まで表す。

6.4 

分析値の真度及び精度の検討 

6.4.1 

真度の検討 

分析試料と化学的特性が近似し,認証値が分析試料予想含有率に近い認証標準物質を一つ選んで,試料

はかりとり量及び定量操作が分析試料と全く同一で,分析試料と併行して分析し,得られた認証標準物質

の分析結果と認証値との差の絶対値が,採用した個別規格の対標準物質許容差の判定値以下の場合は,同

時に分析して得られた分析試料の分析値の真度は,満足できるものと判断する。

対標準物質許容差 C[質量分率(%)

]は,個別規格に規定されていない場合は,次の式による。

n

N

s

C

2

d

2

L

C

2

C

2

σ

σ

+

+

=


6

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ここに,

s

C

用いた認証標準物質の認証値決定時の各分析室平均値の
標準偏差(標準偏差を求める個々のデータは,認証値決定
試験参加分析室ごとの平均値)

[質量分率(

%

N

C

用いた認証標準物質の認証値決定試験参加分析室数

n

認証標準物質の分析回数

σ

d

対象規格で規定している室内標準偏差。室内許容差又は室
内再現許容差しか規定していない規格においては,許容差
の表中の

D(n)

又は

f

(n)

と分離された式に,含有率の値と

してその成分の認証値を代入して求めた値。

σ

L

対象規格で規定している室間標準偏差。室間許容差しか規
定していない規格においては,

許容差の表中の

2.8

D(n)

f

(n)

と分離された式に,含有率の値としてその成分の

認証値を代入して求めた値(

σ

X

)を用いて次の式で求めた

値。

2

/

2

d

2

X

L

σ

σ

σ

=

  ここで,

σ

d

は上による。

6.4.2 

室内分析精度の検討 

同一分析室において,同一分析用試料を再現条件で

2

回分析して得られた

2

個の分析結果の範囲が,そ

の定量方法規格に規定している室内許容差又は室内再現許容差を超えない場合は,この

2

個の分析結果の

間に異常な差はないものと判断する。

なお,鉄鉱石分析法規格群には,許容差式に

D(n)

の符号を用いている規格があるが,室内許容差の計

算式における

D(n)

の値には,JIS Z 8402-6 

表 1(許容範囲の係数)に示されている

f

(n)

の値を代入する。

ここに,

n

は分析再現条件で行った分析回数とする。

6.4.3 

室間分析精度の検討 

二つの異なる分析室において,同一分析用試料をそれぞれ再現条件で

2

回分析し,6.5 によって得られた

各分析室の分析値の差の絶対値が,その定量方法規格に規定している室間許容差を超えなければ,この二

つの分析室の分析結果の間に異常な差はないものと判断する。

なお,鉄鉱石分析法規格群には,許容差式に

D(n)

の符号を用いている規格があるが,室間許容差の計

算式における

D(n)

の値には,JIS Z 8402-6 

表 1(許容範囲の係数)に示されている

f

(n)

の値を代入する。

ここに,

n

は分析に関与した分析所数とする。

6.4.4 

許容差の判定方法 

室内許容差及び室間許容差の判定は,各々の分析結果の報告桁を報告桁の一番少ない結果に合わせてそ

の差を求め,許容差の判定値も分析結果の報告桁に丸めて比較する。対標準物質許容差の判定は,分析結

果の報告桁を認証値の表示桁に合わせてから認証値との差を求めて比較する。ただし,分析結果の報告桁

が少なく,認証値の表示桁に合わせることができない場合は,認証値及び許容差の判定値を分析結果の報

告桁に丸めて比較する。

許容差を分析結果の報告桁に丸めるとゼロとなる場合は,

その報告桁の位が

1

となる値を許容差とする。

6.5 

分析値の採択 

分析値の採択は,次の手順による。

a)

分析試料に化学的特性が近似している認証標準物質を分析試料と併行して分析し,その分析結果が

6.4.1

を満足した場合は,そのとき実施された分析試料の分析結果を採用する。6.4.1 を満足しなかった

場合は,実施された分析試料の分析結果を採用せず改めて分析をやり直す。分析結果が再度 6.4.1 を満

足しなかった場合は,認証標準物質,分析者を変えるなどの対策をとり,分析結果が採用されるまで

分析を繰り返す。


7

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b)

a)

によって採用された分析結果の再現条件での

2

回の分析結果を求める。

c)

b)

の結果が 6.4.2 を満足した場合は,この

2

回の分析結果の平均値を分析値として採択し,6.3 によっ

て表示する。

d)

b)

の結果が 6.4.2 を満足しない場合は,改めて a)

によって採用された分析結果の再現条件での

2

回の

分析結果を求める。

e)

d)

の結果が 6.4.2 を満足した場合は,d)

の結果の平均値を分析値として採択し,6.3 によって表示す

る。

f)

d)

の結果も 6.4.2 を満足しない場合は,b)

2

回の分析結果と d)

2

回の分析結果の合計

4

個のメ

ディアンを分析値として採択し,6.3 によって表示する。

6.6 

酸化物含有率の算出 

試料中のそれぞれの酸化物含有率は,それぞれの元素含有率に個別規格に規定された換算係数を乗じて

求める。酸化物含有率を報告値とする場合,丸めを行っていない元素含有率から酸化物含有率を求め,6.5

によって最終報告値を求める。


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附属書 A

(規定)

国際一致規格で引用された ISO 規格による規定の取扱い

A.1 

引用された ISO 規格による規定の取扱い 

鉄鉱石分析法規格群の中で,国際一致規格として作成された規格において,引用された ISO 規格による

規定は,次のように取り扱う。

a)

規格の規定が ISO 3081

:1986

ISO 3082 又は ISO 3083

:1986

を引用している場合は,引用規格を JIS M 

8702

と読み替える。

注記 1

ISO 3081

及び ISO 3083 は,いずれも試料の採取及び調製についての規格で,ISO 3082 に統

合されているので,ISO 3082 の対応規格 JIS M 8702 に対応させた。

b)

規格の規定が ISO 7764 を引用している場合は,5.3.2 a)

の規定を適用する。

注記 2

ISO 7764

の規定は,5.3.2 a)

の 1)

及び 2)

に規定された手順と同等である。

c) ISO 

385-1

:1984

に規定されたビュレットの代わりに,JIS R 3505 に規定するビュレットを用いてもよ

い。

d) ISO 

648

:1977

に規定された全量ピペットの代わりに,JIS R 3505 に規定する全量ピペットを用いても

よい。

注記 3 ISO 

648

と JIS R 3505 とでは,全量ピペットの規定内容が完全には一致していない。ISO 648

では容量決定時のピペット内の液の滴下について,ピペットの先端とガラス製受け器の内側

とを接触させるだけで,そのほかの動きを禁じているが,JIS には明確な規定はなく,慣例

として,旧計量法(

1992

年改正前の計量法)に示されていた,ピペット内に液が残らないよ

うに処置することを前提として標線を付けている。そのため,JIS 規格品と ISO 規格品とで

は標線からピペット先端までの容積の絶対値が異なっているので,使用においてはいずれの

規格品かを確認して各規格の規定どおりの操作を行うことが求められる。

e) ISO 

1042

に規定された全量フラスコの代わりに,

JIS R 3505

に規定する全量フラスコを用いてもよい。

f)

国際一致規格に規定された呼び容量のビーカーの代わりに,JIS R 3503 に規定する,同じ呼び容量の

ビーカー

R

又は呼び容量と同量以下で最も近い呼び容量のビーカーを用いてもよい。

g)

ISO 3696

に規定された等級

2

の水の代わりに,JIS K 0557 に規定する種別

A3

又は

A4

の水を用いて

もよい。

 

参考文献  JIS G 1201  鉄及び鋼−分析方法通則 

JIS K 0211

  分析化学用語(基礎部門)

JIS K 0212

  分析化学用語(光学部門)

JIS K 0213

  分析化学用語(電気化学部門)

JIS K 0214

  分析化学用語(クロマトグラフィー部門)

JIS K 0215

  分析化学用語(分析機器部門)

JIS K 0216

  分析化学用語(環境部門)

JIS Z 8402-3

  測定方法及び測定結果の精確さ(真度及び精度)−第

3

部:標準測定方法の中間

精度