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M 8124

:2003

(1)

まえがき

この規格は,

工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,

日本鉱業協会(JMIA)

/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日

本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS M 8124:1979 は改正され,この規格に置き換えられる。

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 9599:1991,  Copper, lead and zinc

sulfide concentrates

−Determination of hygroscopic moisture in the analysis sample−Gravimetric method,ISO 

12739:1997

,Zinc sulfide concentrates−Determination of zinc content−Ion-exchange/EDTA titrimetric method  ,

ISO 13291:1997

,Zinc sulfide concentrates−Determination of zinc content−Solvent extraction and EDTA

titrimetric method

及び ISO 13658:2000,Zinc sulfide concentrates−Determination of zinc content−Hydroxide

precipitation and EDTA titrimetric method

を基礎として用いた。

JIS M 8124

には,次に示す附属書がある。

附属書 1(規定)分析用試料の吸着水分の測定方法

附属書 2(規定)酸化するおそれがある分析用試料の吸着水分の測定方法

附属書 3(規定)フレーム原子吸光法によるカドミウム定量方法

附属書 4(参考)JIS と対応する国際規格との対比表


M 8124

:2003

(2)

目  次

ページ

序文 

1

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  一般事項

2

4.

  分析試料の採り方及び取扱い方

2

4.1

  試料の採取及び調製

2

4.2

  試料のはかり方

2

5.

  分析値の表し方及び操作上の注意

2

5.1

  分析値の表し方

2

5.2

  分析操作上の注意

3

6.

  定量方法

3

6.1

  定量方法の区分

3

6.2

  イオン交換分離 EDTA 滴定法 

3

6.3

  沈殿分離 EDTA 滴定法 

7

6.4

  溶媒抽出 EDTA 滴定法 

10

6.5

  フレーム原子吸光法

13

附属書 1(規定)分析用試料の吸着水分の測定方法 

15

附属書 2(規定)酸化するおそれがある分析用試料の吸着水分の測定方法

17

附属書 3(規定)フレーム原子吸光法によるカドミウム定量方法 

19

附属書 4(参考)JIS と対応する国際規格との対比表 

21

 


日本工業規格

JIS

 M

8124

:2003

鉱石中の亜鉛定量方法

Ores

Methods for determination of zinc

序文  この規格は,1991 年に第 1 版として発行された ISO 9599,  Copper, lead and zinc sulfide concentrates

−Determination of hygroscopic moisture in the analysis sample−Gravimetric method,1997 年に第 1 版として発

行された ISO 12739,Zinc sulfide concentrates-Determination of zinc content−Ion-exchange/EDTA titrimetric

method

1997

年に第 1 版として発行された ISO 13291

Zinc sulfide concentrates

−Determination of zinc content

−Solvent extraction and EDTA titrimetric method 及び 2000 年に第 1 版として発行された ISO 13658,Zinc

sulfide concentrates

−Determination of zinc content−Hydroxide precipitation and EDTA titrimetric method  を翻訳

し,技術的内容の一部を変更して作成した日本工業規格であるが,対応国際規格に規定されていないフレ

ーム原子吸光法を日本工業規格として追加した。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している,又は原国際規

格にはない事項である。変更の一覧表をその説明を付けて,

附属書 (参考)  に示す。

1. 

適用範囲  この規格は,鉱石中の亜鉛定量方法について規定する。ただし,他の日本工業規格で亜鉛

定量方法が規定されている鉱石には適用しない。

備考  この規格の対応国際規格を,次に示す。

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide21 に基づき,IDT(一致している)

,MOD(修

正している)

,NEQ(同等でない)とする。

ISO 9599:1991, Copper, lead and zinc sulfide concentrates

−Determination of hygroscopic moisture in

the analysis sample

−Gravimetric method (MOD)

ISO 12739:1997

,Zinc sulfide concentrates−Determination of zinc content−Ion-exchange/EDTA

titrimetric method  (MOD)

ISO 13291:1997

,Zinc sulfide concentrates−Determination of zinc content−Solvent extraction and

EDTA titrimetric method  (MOD)

ISO 13658:2000

,Zinc sulfide concentrates−Determination of zinc content−Hydroxide precipitation

and EDTA titrimetric method    (MOD)

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0116

  発光分光分析通則

JIS K 0121

  原子吸光分析通則

JIS M 8083

  銅,鉛及び亜鉛硫化精鉱−サンプリング及び水分決定方法


2

M 8124

:2003

JIS M 8101

  非鉄金属鉱石のサンプリング,試料調製及び水分決定方法

JIS Z 8401

  数値の丸め方

3. 

一般事項  3.定量方法に共通な一般事項は,JIS K 0050JIS K 0116  及び  JIS K 0121 による。

4. 

分析試料の採り方及び取扱い方

4.1 

試料の採取及び調製  試料の採取及び調製は,JIS M 8083 又は JIS M 8101 による。

4.2 

試料のはかり方  試料のはかり方は,次による。

a) 

試料のはかり取りに際しては,試料をよくかき混ぜて平均組成を表すように注意し,また,異物が混

入していないことを確かめなければならない。

b) 

試料のはかり取りは,次のいずれかによる。

1) 

吸着水分補正法  附属書 の 4.2 又は附属書 の 5.2 によって調製した試料から,吸着水分測定試料

をはかり取った後,

5

分以内に各定量方法に規定された質量の試料を 0.1 mg のけたまではかり取る。

2) 

事前乾燥法 A  事前乾燥法 A(

1

)

は,次の手順によって行う。

2.1)  105

±5  ℃で 1 時間乾燥し,デシケーター中で室温まで放冷したはかり瓶 (20 g 以下のもの)  に,

各定量方法に規定されたおおよその質量の分析試料をはかり取り,はかり瓶のふたとともに,あ

らかじめ 105±5  ℃に調節してある空気浴に入れて 2 時間乾燥する。空気浴から取り出し,はかり

瓶にふたをして,デシケーター中で室温まで放冷する(

2

)

2.2) 

デシケーターからはかり瓶を取り出し,はかり瓶のふたを少し持ち上げ,再度ふたをした後,は

かり瓶の質量を 0.1 mg  のけたまではかる。

2.3) 

分析試料を,各定量方法に規定した容器に移しあけた後,空のはかり瓶の質量を 0.1 mg  のけたま

ではかり,2.2)で得た質量から差し引いた質量を,試料のはかり取り量とする。

3) 

事前乾燥法 B  事前乾燥法 B(

3

)

は,次の手順によって行う。

3.1) 

分析試料 5∼10 g を平形はかり瓶  (直径約 50 mm のもの)  に移し入れ平らに広げた後,平形はかり

瓶のふたとともにあらかじめ 105±5  ℃に調節してある空気浴に入れて 2 時間乾燥する。空気浴か

ら取り出し,平形はかり瓶にふたをして,デシケーター中で室温まで放冷する(

2

)

3.2) 

デシケーターから平形はかり瓶を取り出し,直ちに各定量方法に規定された質量の試料を 0.1 mg

のけたまではかり取る(

4

)

(

1

この方法は,酸化性の激しい試料には適用しない。

(

2

規定の時間の乾燥で十分であることが確認されていない試料の場合には,試料,はかり瓶及び

そのふたの合計質量をはかり,更に 2 時間乾燥し,デシケーター中で放冷後,その質量をはか

る。2 時間の乾燥減量が事前乾燥法 A の場合は 0.5 mg  以下,事前乾燥法 B の場合は 1 mg 以下

となるまで乾燥を繰り返す。

(

3

この方法は,吸湿性及び/又は酸化性の激しい試料には適用しない。

(

4

ひょう量の都度,平形はかり瓶をデシケーターから取り出し,平形はかり瓶のふたを取り,速

やかに試料をはかり取る。

5. 

分析値の表し方及び操作上の注意

5.1 

分析値の表し方  分析値の表し方は,次による。

a) 

分析値は,質量百分率で表し,JIS Z 8401 によって小数点以下第 3 位に丸める。


3

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b) 

分析は,同一分析室において 2 回繰り返して行い,これらの差が室内許容差  (以下,許容差という。)

以下のとき,その平均値を求め,JIS Z 8401 によって小数点以下第 2 位に丸めて報告値とする。

c) 

2

回繰り返して行った分析値の差が許容差を超えるときは,改めて 2 回の分析をやり直す。

d) 

許容差は,

表 による。

  1  許容差  (

5

)

単位  % (質量分率)

定量方法

亜鉛含有率の区分

許容差  (繰返し)

イオン交換分離 EDTA 滴定法 
沈殿分離 EDTA 滴定法

 2

以上 10

未満

10

以上 30

未満

30

以上 62

以下

0.150

0.250

0.350

溶媒抽出 EDTA 滴定法 11

以上 30

未満

30

以上   62 以下

0.250

0.350

フレーム原子吸光法 0.01 以上 0.1

未満

0.1

以上 0.3

未満

0.3

以上 1

未満

 1

以上 3

以下

0.010

0.025

0.040

0.150

(

5

)  2

個の分析値が二つの区分にまたがるときは,2 個の分析値の平均の該当する区分の許

容差を適用する。

5.2 

分析操作上の注意  分析に当たっては,全操作を通じて空試験を行い,測定値を補正する。

6. 

定量方法

6.1 

定量方法の区分  鉱石中の亜鉛定量方法は,次のいずれかによる。

a) 

イオン交換分離 EDTA 滴定法  この方法は,亜鉛含有率 2  %  (質量分率)  以上 62  %  (質量分率)  以

下の試料に適用する。

b) 

沈殿分離 EDTA 滴定法  この方法は,亜鉛含有率 2  %  (質量分率)  以上 62  %  (質量分率)  以下の試

料に適用する(

6

)

c) 

溶媒抽出 EDTA 滴定法  この方法は,亜鉛含有率 11  %  (質量分率)  以上 62  %  (質量分率)  以下の試

料に適用する(

7

)

d) 

フレーム原子吸光法  この方法は,亜鉛含有率 0.01  %  (質量分率)  以上 3  %  (質量分率)  以下の試料

に適用する。

(

6

この方法は,ニッケル及びコバルト含有率が 0.03  %以下の試料に適用する。

(

7

この方法は,コバルト含有率が 0.05  %以下の試料に適用する。

6.2 

イオン交換分離 EDTA 滴定法

6.2.1 

要旨  試料を塩酸及び硝酸で分解後,硫酸を加え,加熱して硫酸の白煙を発生させる。水で可溶性

塩を溶解し,ろ過した後,塩酸を加え陰イオン交換カラムに通して亜鉛を吸着させる。次に塩酸を通して

銅,鉄などを除去した後,アンモニア−塩化アンモニウムを通して亜鉛を溶離する。これに塩酸,酢酸及び

酢酸アンモニウムを加えて,溶液の pH を約 5.6 に調節した後,ふっ化アンモニウム及びチオ硫酸ナトリウ

ムを加えて,アルミニウム,銅などをいんぺいし,キシレノールオレンジを指示薬として,EDTA 標準液

で滴定する。試料中にカドミウムを含む場合には,フレーム原子吸光法によってカドミウムを定量する。

6.2.2 

試薬  試薬は,次による。

a) 

塩酸

b) 

塩酸(1+11+5


4

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c) 

硝酸

d) 

硝酸(1+1

e) 

ふっ化水素酸

f) 

硫酸(1+1 1+100

g) 

アンモニア水(7+100

h) 

塩酸−(+)−アスコルビン酸溶液  塩酸 (1+5) 100 ml に L (+)−アスコルビン酸 0.25 g を加え,溶解す

る。この溶液は,使用の都度調製する。

i) 

アンモニア−塩化アンモニウム溶液  アンモニア水 (7+100) 1 000 ml  に,塩化アンモニウム 20 g を加

え,溶解する。

j) 

ふっ化アンモニウム溶液(50 g/l

k) 

チオ硫酸ナトリウム溶液  チオ硫酸ナトリウム(五水和物) 100 g を水に溶解して 1 000 ml とする。

l) 

酢酸−酢酸アンモニウム緩衝液  酢酸アンモニウム 250 g 及び酢酸 25 ml を水に溶解して 1 000 ml  と

する。

m) 

亜鉛(99.99  %以上)  亜鉛 (99.99 %以上)  を塩酸 (1+9)  に 1 分間浸せきして表面を清浄にした後,水,

アセトンの順で十分に洗浄し,50  ℃に調節してある空気浴に入れて乾燥する。

n)  0.1 mol/l EDTA

標準液  エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム  (二水和物) 37.2 g を水に溶解し

て  1 000 ml とする。この溶液 1 ml は,亜鉛約 0.006 5g に相当するが,標定は,次のようにして行う。

亜鉛 (99.99 %以上  )[m)]を用い,採取した試料中の予想される亜鉛量に相当する量を 0.1 mg の

けたまではかり取り,ビーカー (500 ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 (1+1) 15 ml を加えて静か

に加熱して分解する。放冷後,アンモニア−塩化アンモニウム溶液[i)]150 ml を加えた後,6.2.5 d)  の

手順に従って操作して,

3

回繰り返して滴定を行い,

0.1 mol/l EDTA

標準液 1 ml に相当する亜鉛量を,

次の式によって算出する。

3

2

,

,

x

V

m

f

x

x

x

=

=

ここに,

x

f

個々の標定で得た EDTA 標準液 1 ml  に相当する亜鉛量(g)

x

m

個々の標定ではかり取った亜鉛の質量(g)

V

x

個々の標定で得た EDTA 標準液の使用量(ml)

f

1

f

2

及び f

3

各算出値の範囲が  0.000 01 g を超える場合には,標定をやり直す。算出値の範囲が 0.000

01 g

以下の場合には,3 個の算出値の平均値を次の式によって求める。

3

3

2

1

f

f

f

f

+

+

=

ここに,

f

: EDTA

標準液 1 ml  に相当する亜鉛量(g)

o) 0.05 mol/l 

EDTA

標準液  エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム(二水和物) 18.6 g を水に溶解し

て  1 000 ml とする。この溶液 1 ml は,亜鉛約  0.003 3 g に相当するが,標定は,亜鉛 (99.99 %以上)

m)]0.1 g を 0.1 mg のけたまではかり取り,以下 n)  の手順によって行う。

p) p-

ニトロフェノール溶液(2 g/l

q) 

キシレノールオレンジ溶液(1 g/l

6.2.3 

器具  器具は,次による(

8

)

イオン交換カラムは,ガラス製クロマトグラフ管(  内径 10∼12 mm) に水でほぐした脱脂綿又はガラス

綿を約 5 mm の厚さにゆるく詰め,一夜間水に浸して膨潤した強塩基性イオン交換樹脂 (Cl 型 150∼300


5

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µm,交換容量 1.4 meq/ml 以上のもの)  約 16 ml をスラリー状にして流し入れ,沈降させた後,その上に水
でほぐした脱脂綿又はガラス綿を約 5 mm の厚さにゆるく詰め,塩酸(1+5) 100 ml を通し,イオン交換カ

ラムに満たしておく。

なお,流出液の流速は毎分約 5 ml となるように調節する。

イオン交換カラムの例を

付図 に示す。

(

8

イオン交換樹脂の種類によって,吸着,溶離などの状況が幾分異なるので,あらかじめ 6.2.5 c)

の操作によって鉄,銅などを洗浄除去できることを確認するとともに,溶離曲線を求めて亜鉛

の吸着及び溶離状況を把握し,所定量のアンモニア−塩化アンモニウム溶液で,亜鉛が定量的

に溶離できることを確認しておく。また,イオン交換カラム中に空気が混入した場合には,イ

オン交換樹脂を全量取り出し,再度詰め直す。

6.2.4 

試料はかり取り量  試料のはかり取り量は,0.5 g とし,0.1 mg のけたまではかる。

6.2.5 

操作

a) 

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

1) 

試料をはかり取り,ビーカー( 300 ml )  に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 25 ml を加え,静かに  5

分間加熱して硫化物中の硫黄を硫化水素として追い出す(

9

)

2) 

硝酸 (1+1) 20 ml 及び硫酸 (1+1) 15 ml を加え(

10

)

加熱蒸発して,

硫酸の白煙を十分に発生させ(

11

)

約 5 ml まで濃縮する。

3) 

放冷後,水約 50 ml を注意しながら加え,煮沸して可溶性塩を溶解する。室温に冷却後,ろ紙 (5

種 B)  を用いてろ過し,元のビーカー及びろ紙を硫酸 (1+100)  で十分に洗浄する(

12

)

。ろ液及び洗

液は,ビーカー (300 ml) に受ける。

4) 

加熱して,液量が 60∼80 ml となるまで濃縮し,放冷後,塩酸 16 ml  を加え,水を加えて液量を 100

ml

とする。

(

9

銅,鉛及び鉄の硫化物を多量に含む場合など,硝酸分解が適している試料については,試料を

はかり取った後,硝酸 10∼30 ml  を加え,静かに加熱して分解してもよい。

(

10

)  (

硫化鉱など析出した硫黄の分解が不十分な場合には,更に少量の臭素を加えてもよい。

(

11

)  (

試料中に多量のひ素,アンチモン,すず又はセレンを含み,以後の定量操作に対する影響が無

視できないときは,放冷後水約 5 ml  及び臭化水素酸 5∼10 ml  を加え,加熱蒸発して硫酸の白

煙を十分に発生させる。少し放冷後,硫酸(1+1) 5∼10 ml  及び臭化水素酸 5∼10 ml  を加え,

再び加熱蒸発して硫酸の白煙を十分に発生させる。この操作を行う場合には,容量 300∼400 ml

のビーカーを用い,強熱を避けて飛散しないよう,特に注意する。

(

12

ろ紙上の不溶解残物中に亜鉛が含まれるときは,不溶解残物をろ紙とともに,b)によって処理

する。

b) 

不溶解残物の分解  不溶解残物の分解は,次の手順によって行う。

1) 

不溶解残物中に亜鉛が含まれるときは,ろ紙とともに不溶解残物を白金るつぼ(30 番)に移し入れ,

乾燥後 800  ℃で加熱してろ紙を灰化した後,放冷する。

2) 

硫酸(1+1) 2 ml,硝酸 2 ml 及びふっ化水素酸 2 ml を加え,加熱して硫酸の白煙を十分に発生させ,

二酸化けい素を追い出し,ほとんど乾固するまで濃縮する。放冷後,少量の水を加えて可溶性塩を

溶解し,ろ紙(5 種 B)を用いてろ過し,温水で十分に洗浄する。ろ液及び洗液は,a)  1)∼3)  によっ

て得られた主液と合わせる(

13

)

     


6

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(

13

試料中に鉛を含む場合には,白金るつぼを侵食するおそれがあるため,不溶解残物を少量の水

を用いて四ふっ化エチレン樹脂ビーカー (100 ml) に洗い移し,ろ紙は磁器るつぼ (PC1B 形 30

ml)

に移し入れる。ろ紙を 600∼700  ℃で加熱して灰化し,放冷後,四ふっ化エチレン樹脂ビー

カー (100 ml) に合わせて,以下,b)  2)  の手順に従って操作する。ろ紙に亜鉛が含まれないこ

とを確認した場合には,ろ紙の灰化の操作は省略してもよい。

c) 

亜鉛の分離  亜鉛の分離は,次の手順によって行う。

1) a4)

で得た溶液を毎分 5 ml の流速で,イオン交換カラムに通す。樹脂上に溶液がなくなってから,

塩酸 (1+5) 100 ml を数回に分けて用い,ビーカーを洗浄し,洗浄の都度,洗液をカラムに通し,更

に塩酸−L (+)−アスコルビン酸溶液[6.2.2 h)]100 ml (

14

)

,塩酸(1+5) 100 ml  を順次カラムに通す。

これまでの流出液は,すべて捨てる。

2) 

アンモニア−塩化アンモニウム溶液[6.2.2 i)]180 ml  を毎分 5 ml  の流速で通し,亜鉛を溶離させ(

14

)

溶出液は,ビーカー (500 ml) に受ける。

参考  この塩酸−L (+)−アスコルビン酸溶液による洗浄操作は,樹脂に一部吸着している鉄を,L (+)

−アスコルビン酸によって還元して溶離するためである。

(

14

イオン交換カラムは,水約 100 ml  を通した後,塩酸(1+5)  約 100 ml  を通せば再使用できる。

d) 

滴定  滴定は,次の手順によって行う。

1) 

溶出液に p−ニトロフェノール溶液 2,3 滴を指示薬として加え,塩酸(1+1)を溶液の色が黄色から無

色となるまで加えて中和する。次いで,酢酸−酢酸アンモニウム緩衝液[6.2.2 l)]20 ml,ふっ化ア

ンモニウム溶液 3 ml 及びチオ硫酸ナトリウム溶液 5 ml  を加える(

16

)

2) 

キシレノールオレンジ溶液 0.5 ml を指示薬として加え,直ちに 0.1 mol/l EDTA  標準液[6.2.2 n)]で

滴定し,溶液の色が赤紫から黄色に変わった点を終点とし,0.1 mol/l EDTA 標準液の使用量を求め

る(

16

)(

17

)

(

15

この溶液の pH  は,約 5.6  である。p−ニトロフェノール溶液を指示薬として用いる代わりに,

pH

計を用いて,pH を調節してもよい。pH 電極は,使用後水で十分に洗浄する。

(

16

)  (

16

亜鉛含有率が 2∼10  %  (質量分率)  の試料の場合には,0.05 mol/l EDTA  標準液[6.2.2 o)]を

用いて滴定を行う。

(

17

試料中にカドミウムを含む場合には,別に試料をはかり取り,

附属書 (規定)  に従ってフレー

ム原子吸光法により,試料中のカドミウムを定量する。

6.2.6 

空試験  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

6.2.7 

計算  試料中の亜鉛含有率を,次の式によって算出する

c

.

H

m

f

V

V

Z

b

t

n

581

0

100

100

100

)

(

×

×

×

=

ここに,

n

Z

:  亜鉛含有率[質量分率(%)]

V

t

:  6.2.5 d)  で得た,EDTA  標準液の使用量(ml)

V

b

  6.2.6  で得た,EDTA  標準液の使用量(ml 

f

  EDTA  標準液 1 ml に相当する亜鉛量(g) 

m

  試料はかり取り量(g) 

H

  分析試料の吸着水分含有率[質量分率(%)]

〔附属書1(規定)

又は附属書2(規定)に従って求める。試料のはかり取り方を
事前乾燥法[4.2 b2)及び 3)]で行った場合には,H=0 を用
いる。

c

:  試料中に含まれるカドミウム濃度[質量分率(%)]


7

M 8124

:2003

6.3 

沈殿分離 EDTA 滴定法

6.3.1 

要旨  試料を塩酸及び硝酸で分解後,硫酸を加え,硫酸の白煙を発生させる。水で可溶性塩を溶解

し,ろ過した後,ろ液に塩化アンモニウム,アンモニア水及び過硫酸アンモニウムを加えて,鉄,マンガ

ンなどを沈殿させ,ろ過する。ろ液に塩酸,酢酸及びヘキサミンを加えて,溶液の pH  を約 5.6  に調節し

た後,ふっ化アンモニウム,チオ硫酸ナトリウム及びアスコルビン酸を加えて,アルミニウム,銅などを

いんぺいし,キシレノールオレンジを指示薬として,EDTA 標準液で滴定する。試料中にカドミウムを含

む場合には,フレーム原子吸光法によってカドミウムを定量する。

6.3.2 

試薬  試薬は,次による。

a) 

塩酸

b) 

塩酸(1+1

c) 

硝酸

d) 

硝酸(1+1

e) 

ふっ化水素酸

f) 

硫酸

g) 

硫酸(1+1 1+100

h) 

水酸化ナトリウム

i) 

アンモニア水

j) 

臭素

k) 

アンモニア洗浄液  アンモニア水(1+100) 1 000 ml  に塩化アンモニウム 20 g  を加え,溶解する。

l) 

塩化アンモニウム

m) 

塩化ナトリウム

n) 

過酸化ナトリウム

o) 

過硫酸アンモニウム

p) 

鉄溶液(10 mg Fe/ml)  硝酸第二鉄(九水和物) 72.3 g  を水に溶解して 1 000 ml とする。

q) 

ふっ化アンモニウム−チオ硫酸ナトリウム溶液  ふっ化アンモニウム 50 g 及びチオ硫酸ナトリウム

(

五水和物) 100 g  を水に溶解して 1 000 ml  とする。

r) 

酢酸−酢酸アンモニウム緩衝液  6.2.2 l)  による。

s) 

酢酸−ヘキサメチレンテトラミン緩衝液  ヘキサメチレンテトラミン 250 g を水に溶解し,酢酸 60 ml

を加えて水で 1 000 ml とする。

t) L 

(

+)−アスコルビン酸

u) 

エタノール(99.5

v) 

亜鉛(99.99  %以上)  6.2.2 m)  による。

w) 

標準亜鉛溶液  ( 0.1 mg/ml)  亜鉛(99.99  %以上)[v)]1 000  g をはかり取り,ビーカー (300 ml) に移

し入れ,塩酸 (1+1) 100 ml を加えて分解し,冷却後 1 000  ml の全量フラスコに移し入れ,標線まで

水を加える。使用の都度,水で正確に 10 倍に薄めて標準亜鉛溶液とする。

x) 0.1 

mol/lEDTA

標準液  エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム  (二水和物) 37.2 g 及び水酸化ナ

トリウム 2 g を水に溶解して 1 000 ml とする。この溶液 1 ml は,亜鉛約  0.006 5 g に相当するが,標

定は,次のようにして行う。

亜鉛 (99.99 %以上)[v)]を用い,採取した試料中の予想される亜鉛量に相当する量を 0.1 mg のけ

たまではかり取り,ビーカー (500 ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸(1+1) 10 ml を加えて静かに


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:2003

加熱して分解する。放冷後,水 50 ml 及び塩化アンモニウム 20 g  を加え,静かにかくはんして溶解し,

水を加えて約 200 ml とした後,6.3.4 c)の手順に従って操作して,3 回繰り返して滴定を行い,0.1 mol/l

EDTA

標準液 1 ml に相当する亜鉛量を,次の式によって算出する。

3

2

,

,

x

V

m

f

x

x

x

=

=

ここに,

f

x

:  個々の標定で得た EDTA 標準液 1 ml  に相当する亜鉛量(g)

m

x

:  個々の標定ではかり取った亜鉛の質量(g)

V

x

:  個々の標定で得た EDTA 標準液の使用量(ml)

f

1

f

2

及び f

3

各算出値の範囲が 0.000 01 g を超える場合には,標定をやり直す。算出値の範囲が 0.000

01 g

以下の場合には,3 個の算出値の平均値を次の式によって求める。

3

3

2

1

f

f

f

f

+

+

=

ここに,

f

: EDTA

標準液 1 ml に相当する亜鉛量(g)

y) 0.05 mol/l 

EDTA

標準液  エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム(二水和物) 18.6 g 及び水酸化ナ

トリウム 1 g を水に溶解して 1 000 ml とする。この溶液 1 ml は,亜鉛約 0.003 3 g に相当するが,標定

は,亜鉛(99.99  %以上)[u)]0.1 g を 0.1 mg のけたまではかり取り,以下 x)  の手順によって行う。

z) 

p-

ニトロフェノール溶液(2 g/l

aa) 

キシレノールオレンジ溶液(1 g/l

bb) 

ブロモチモールブルー溶液(1 g/l)  ブロモチモールブルー0.1 g をエタノール (99.5)[u)]に溶解し

て 100 ml とする。

6.3.3 

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,0.5 g とし,0.1 mg のけたまではかる(

18

)

(

18

はかり取った試料中の銅は,150 mg 以下でなければならない。

6.3.4 

操作

a) 

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

1) 

試料をはかり取り,ビーカー (300 ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 25 ml を加え,静かに 5 分

間加熱して硫化物中の硫黄を硫化水素として追い出す  (

9

)

2) 

硝酸 (1+1) 20 ml 及び硫酸 (1+1) 15 ml を加え(

10

)

加熱蒸発して,

硫酸の白煙を十分に発生させ(

11

)

約 5 ml まで濃縮する。放冷後,水約 50 ml を注意しながら加え,煮沸して可溶性塩を溶解する。

3) 

放冷後,ろ紙 (5 種 B)  を用いてろ過し,元のビーカー及びろ紙を硫酸 (1+100)  で十分に洗浄する

(

19

)

。ろ液及び洗液は,ビーカー (500 ml) に受ける。

(

19

ろ紙上の不溶解残物中に亜鉛が含まれる時には,不溶解残物をろ紙とともに,d)  によって処理

し,亜鉛の定量を行う。

b) 

アルミニウム,鉄及びマンガン水酸化物の分離  アルミニウム,鉄及びマンガン水酸化物の分離は,

次の手順によって行う。

1) a3)

で得た溶液に塩化アンモニウム 15 g を加え,ゆっくりとかくはんして溶解する(

20

)

2) 

アンモニア水を加えて水酸化物の沈殿が生成し終わるまで中和し,更に過剰に 30 ml を加えた後,

過硫酸アンモニウム 1 g を加え(

21

)

,約 1 分間煮沸する。

3) 

静置後,ろ紙( 5 種 A )  を用いてろ過し,温アンモニア洗浄液[6.3.2 k)]で数回洗浄し,ろ液及び洗

液は,ビーカー (500 ml) に受け,これを主液として保存する。

4) 

沈殿は元のビーカーに洗い落とし,塩酸 (1+1) 10 ml で溶解した後,塩化アンモニウム 5 g  を加え,


9

M 8124

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b)  2)

3)  と同様にアンモニア水及び過硫酸アンモニウム(

21

)

を加えて,沈殿,ろ過及び洗浄の操作

を繰り返し(

22

)

,ろ液及び洗液は,主液に合わせ,静かに加熱して液量が約 200 ml となるまで濃縮

した後,放冷する。

(

20

試料中の鉄含有率が少ない場合には,鉄量約 50 mg  程度となるように,鉄溶液[6.3.2 p)]の適

量を添加する。

(

21

)  (

試料中にマンガンを含まない場合には,過硫酸アンモニウムの添加を省略してもよい。

(

22

水酸化鉄の沈殿及び水酸化鉄のろ過に用いたろ紙中に亜鉛が含まれる場合には,d)  によって処

理し,亜鉛の定量を行う。

c) 

滴定  滴定は,次の手順によって行う。

1) a3)

で得た溶液にブロモチモールブルー溶液 4 滴を指示薬として加え(

23

) (

24

)

,塩酸 (1+1)  を溶液

の青色がなくなるまで加えて中和し,更に 7 滴を加える。

2) 

酢酸−ヘキサメチレンテトラミン緩衝液[6.3.2 s)]20 ml (

25

)

,ふっ化アンモニウム−チオ硫酸ナト

リウム溶液[6.3.2 q)]20 ml 及び L (+)−アスコルビン酸 0.2 g を加える。

3) 

キシレノールオレンジ溶液 0.5 ml  を指示薬として加え,直ちに 0.1 mol/l EDTA 標準液[6.3.2 x)]で

滴定し,溶液の色が赤紫色から黄色に変わった点を終点とし,0.1 mol/l EDTA 標準液の使用量を求

める(

17

)(

26

)

(

23

注(ブロモチモールブルー溶液を指示薬として用いる代わりに,p−ニトロフェノール溶液 (2 g/l)

2

,3 滴を加えてもよい。溶液の色が黄色から無色になった点を中和点とする。

(

24

ブロモチモールブルー溶液を指示薬として用いる代わりに,pH 計を用いて,溶液の pH を約 5.6

に調節してもよい。pH 電極は使用後,水で十分洗浄する。

(

25

)  (

酢酸−ヘキサメチレンテトラミン緩衝液の代わりに,酢酸−酢酸アンモニウム緩衝液[6.3.2 r)]

20 ml

を緩衝液として加えてもよい。

(

26

亜鉛含有率が 2∼10  %  (質量分率)  の試料の場合には,0.05 mol/l EDTA 標準液[6.3.2 y)]を用

いて滴定を行う。

d) 

酸不溶解残物及び水酸化鉄沈殿中の亜鉛の定量  酸不溶解残物,水酸化鉄沈殿及びろ過に用いたろ紙

中の亜鉛の定量は次の手順によって行う。

1) 

水酸化鉄沈殿の分解  b) 4)  で保存した水酸化鉄沈殿を少量の水で元のビーカーに洗い落とし,ろ紙

を温塩酸 (1+1)  及び水で洗浄し,洗液を元のビーカーに受ける。塩酸 (1+1) 15 ml を加え,煮沸

して水酸化鉄を溶解した後放冷する。

2) 

酸不溶解残物及び水酸化鉄のろ過に用いたろ紙の分解  酸不溶解残物及び水酸化鉄のろ過に用いた

ろ紙の分解は,次のいずれかによる(

27

)

2.1) 

酸不溶解残物を含んだろ紙及び水酸化鉄のろ過に用いたろ紙を,ジルコニウムるつぼ (30 ml) に

移し入れ,乾燥後 600∼700  ℃で加熱して灰化する。放冷後過酸化ナトリウム 2 g を加え,徐々に

加熱して残物を融解する。放冷後,るつぼと内容物を,温水 50 ml を入れたビーカー (300 ml) に

移し入れ,融解物が溶解するまで放置する。塩酸 (1+1) 25 ml を加えて,時計皿でビーカーを覆

い,静かに加熱して融解物を完全に溶解する。放冷後,るつぼを取り出し,水で十分に洗浄する。

2.2) 

酸不溶解残物を含んだろ紙及び水酸化鉄のろ過に用いたろ紙を,白金るつぼ(50 番)  に移し入れ,

乾燥後 800  ℃で加熱して灰化する。放冷後,硫酸 (1+1) 2 ml,  硝酸 2 ml 及びふっ化水素酸 2 ml

を加え,加熱してほとんど乾固するまで濃縮する。放冷後,少量の水を加えて可溶性塩を溶解す

る。


10

M 8124

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3) 

吸光度の測定  1)  及び 2)  で得た溶液を,250 ml の全量フラスコに合わせて移し入れ,標線まで水

を加える。この溶液の一部を,水を用いて零点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレ

ーム中に噴霧し,波長 213.8 nm における吸光度を測定する。

4) 

検量線の作成  標準亜鉛溶液[6.3.2 w)]の各種液量(亜鉛として 0∼500

µg)  を段階的に数個の 250 ml

の全量フラスコに分取し,塩酸 (1+1) 40 ml 及び鉄溶液[6.3.2 p)]5 ml を加え,過酸化ナトリウム

で融解した場合には,更に塩化ナトリウム 3 g を加え,標線まで水を加える。以下,3)  の手順に従

って,試料と並行して測定して得られた吸光度と亜鉛量との関係線を作成する。この関係線を原点

を通るように平行移動して検量線とする。

5) 

空試験値  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行った空試験液の一部を,水を用

いて零点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレンフレーム中に噴霧し,波長 213.8 nm におけ

る吸光度を測定する。

6) 

亜鉛量の算出  3)  で得た吸光度から 5)  で得た吸光度を差し引いた吸光度と,4)  で作成した検量線

とから亜鉛量を求める(

28

)

(

27

試料中に鉛を含む場合には,白金るつぼを侵食するおそれがあるため,2.1)  の方法を用いる。

(

28

原子吸光光度計の代わりに,ICP 発光分光装置を用いて亜鉛量を求めてもよい。

6.3.5 

空試験  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

6.3.6 

計算  試料中の亜鉛含有率を,次の式によって算出する。

c

.

H

m

m

f

V

V

Z

Zn

b

t

n

581

0

100

100

100

)

(

×

×

+

×

=

ここに,

n

Z

:  亜鉛含有率[質量分率  (%)]

V

t

:  6.3.4 c)  で得た,EDTA 標準液の使用量 (ml)

V

b

:  6.3.5 で得た,EDTA 標準液の使用量 (ml)

f

: EDTA

標準液 1 ml に相当する亜鉛量 (g)

m

Zn

:  6.3.4 d)  で得た亜鉛量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

H

:  分析試料の吸着水分含有率[質量分率(%)]

〔附属書1(規定)

又は附属書2(規定)に従って求める。試料のはかり取り方
を事前乾燥法[4.2 b2)及び 3)]で行った場合には,H=0 を
用いる。

c

:  試料中に含まれるカドミウム濃度[質量分率  (%)]

6.4 

溶媒抽出 EDTA 滴定法

6.4.1 

要旨  試料を臭素及び硝酸で分解し,不溶解残物は,硫酸,硝酸及びふっ化水素酸で分解する。チ

オ尿素及びくえん酸で妨害元素をいんぺい後,

4

−メチル−2−ペンタノンで亜鉛−チオシアン酸錯体を抽出す

る。有機相にふっ化ナトリウム,チオ尿素及びよう化カリウムを加えてカドミウムなどをいんぺいし,酢

酸−ヘキサメチレンテトラミン緩衝液を加えて pH 調整した後,キシレノールオレンジを指示薬として,

EDTA

標準液で滴定する。

6.4.2 

試薬  試薬は,次による。

a) 

塩酸

b) 

塩酸(1+4

c) 

硝酸

d) 

ふっ化水素酸

e) 

硫酸(1+1


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M 8124

:2003

f) 

アンモニア水

g) 

臭素

h) 

ふっ化ナトリウム溶液(20 g/l

i) 

よう化カリウム溶液(1 000g/l)  使用の都度調製する。

j) 

鉄溶液(6 mg Fe/ml)  硝酸第二鉄(九水和物) 45 g を水に溶解して 1 000 ml とする。

k) 

いんぺい溶液  チオ尿素 60 g,くえん酸水素二アンモニウム 100 g 及びチオシアン酸アンモニウム 200

g

を水に溶解して 1 000 ml とし,必要に応じてろ過する。

l) 

エタノール(99.5

m) 

酢酸−ヘキサメチレンテトラミン緩衝液  ヘキサメチレンテトラミン 250 g を水に溶解し,酢酸 60 ml

を加えて水で 1 000 ml とする。

n) 

チオ尿素溶液(100 g/l

o) 4

−メチル−2−ペンタノン

p) 

亜鉛(99.99  %以上)  6.2.2 m)  による。

q) 0.05 

mol/l 

EDTA

標準液  エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム  (二水和物) 18.6 g を水に溶解

して 1 000 ml とする。この溶液 1 ml は,亜鉛量約 0.003 3 g に相当するが,標定は,次のようにして

行う。

亜鉛( 99.99%以上  )[p)]0.25∼1.625 g を 0.1 mg のけたまではかり取り(

29

)

,ビーカー (300 ml) に

移し入れ,時計皿で覆い,水 15 ml,硝酸 15 ml 及び鉄溶液[j)]5 ml を加えて,静かに加熱して亜鉛

を分解するとともに,酸化窒素を追い出す。放冷後,500 ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,

標線まで水を加えた後,6.4.4 b)  ∼c)の手順に従って操作して,3 回繰り返して滴定を行い,0.05 mol/l

EDTA

標準液 1 ml  に相当する亜鉛量を,次の式によって算出する。

3

2

,

,

x

V

m

f

x

x

x

=

=

ここに,

f

x

:  個々の標定で得た 0.05 mol/l EDTA  標準液 1 ml に相当する亜鉛

量(g)

m

x

:  個々の標定で分取した亜鉛溶液中に含まれる亜鉛量 (g)

V

x

:  個々の標定で得た 0.05 mol/l EDTA 標準液の使用量 (ml)

f

1

f

2

及び f

3

各算出値の範囲が 0.000 01 g を超える場合には,標定をやり直す。算出値の範囲が 0.000

01 g

以下の場合には,3 個の算出値の平均値を次の式によって求める。

3

3

2

1

f

f

f

f

+

+

=

ここに,

f

  0.05 mol/l EDTA

標準液 1 ml に相当する亜鉛量(g)

(

29

採取した試料中の予想される亜鉛の量をはかり取る。

r) 

キシレノールオレンジ指示薬 [1 %(m/m)]  キシレノールオレンジ 1 g と硝酸カリウム 99 g とを,色

むらがなくなり,均一になるまで十分に粉砕混合する。

6.4.3 

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,2.5 g とし,0.1 mg のけたまではかる。

6.4.4 

操作

a) 

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

1) 

試料をはかり取り,ビーカー (300 ml) に移し入れ,時計皿で覆い,水 20 ml を加えて試料を湿らせ

た後,臭素 2∼3 ml を加え,室温で時々かき混ぜながら 15 分間反応させる。


12

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2) 

硝酸 15 ml を加え,15 分間放置後,静かに加熱して試料を分解するとともに,臭素をすべて追い出

す。

3) 

放冷後,水 100 ml を加えて煮沸し可溶性塩を溶解後,冷却する(

30

)

4) 

不溶解残物が存在しない場合は,試料溶液を 500 ml の全量フラスコに水を用いて移し入れ,標線ま

で水を加える。

(

30

不溶解残物が存在する場合は,ろ紙 (5 種 B)  を用いてろ過し,水でろ紙を洗浄し,ろ液及び洗

液を 500 ml の全量フラスコに受ける。不溶解残物はろ紙とともに白金るつぼ (30 番)  に移し入

れ,乾燥後 800  ℃で加熱してろ紙を灰化する。硫酸 (1+1) 2 ml,硝酸 2 ml 及びふっ化水素酸 2

ml

を加え,加熱して硫酸の白煙を十分に発生させ,二酸化けい素を追い出し,ほとんど乾固す

るまで濃縮する。放冷後,少量の水を加えて可溶性塩を溶解し,ろ紙 (5 種 B)  を用いてろ過し,

温水で十分に洗浄する。ろ液及び洗液は,元の 500 ml の全量フラスコに受け,標線まで水を加

える。

なお,試料中に鉛を含む場合には,白金るつぼを侵食するおそれがあるため,

注  (

13

)

に従っ

て操作し,ろ液及び洗液を,元の 500 ml の全量フラスコに受ける。

b) 

抽出  抽出は,次の手順によって行う。

1) a4)

で得た溶液 50 ml を正確に分取し,分液漏斗 (250 ml) に移し入れる。

2) 

アンモニア水を,沈殿物がわずかに生成するまで滴下した後,塩酸 (1+4) 5 ml 及びいんぺい溶液

6.4.2 k)]50 ml を加え,よく混合する。

3)  4

−メチル−2−ペンタノン 80 ml を加え,1 分間振り混ぜ,静置して 2 層に分離した後,水相を別の分

液漏斗 (250 ml) 静かに移し入れる。

4) 

移し入れた水相に,4−メチル−2−ペンタノン 20 ml を加え,2 回目の抽出を行い,静置して 2 層に分

離した後,水相は捨てる。

5) 3)

及び 4)  で得た有機相を合わせて,ビーカー (500 ml) に移し入れる。

6) 

抽出に用いた 2 個の分液漏斗それぞれに,塩酸 (1+4) 1 ml 及びエタノール (99.5) 70 ml を加え,よ

く振り混ぜた後,ビーカー (500 ml) に移し入れる。

c) 

滴定  滴定は,次の手順によって行う。

1) d)

で得た溶液に,ふっ化ナトリウム溶液 10 ml,チオ尿素溶液 10 ml,酢酸−ヘキサメチレンテトラ

ミン緩衝液 20 ml 及びよう化カリウム溶液 5 ml を加える。

2) 

キシレノールオレンジ指示薬 0.1 g を加え,直ちに 0.05 mol/l EDTA 標準液[6.4.2 q)]で滴定し,溶

液の色が赤紫色から黄色に変わった点を終点とし,0.05 mol/l EDTA 標準液の使用量を求める。

6.4.5 

空試験  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

6.4.6 

計算  試料中の亜鉛含有率を,次の式によって算出する。

H

m

f

V

V

Z

b

t

n

×

×

×

×

=

100

100

100

10

)

(

ここに,

n

Z

:  亜鉛含有率[質量分率(%)]

V

t

:  6.4.4 c)  で得た,0.05 mol/l EDTA 標準液の使用量 (ml)

V

b

:  6.4.5 で得た,0.05 mol/l EDTA 標準液の使用量 (ml)

f

:  0.05 mol/l EDTA 1 ml に相当する亜鉛量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)

H

:  分析試料の吸着水分含有率[質量分率(%)]

〔附属書1(規定)

又は附属書2(規定)に従って求める。試料のはかり取り方を


13

M 8124

:2003

事前乾燥法[4.2 b2)及び 3)]で行った場合には,H=0 を用い
る。

6.5 

フレーム原子吸光法

6.5.1 

要旨  試料を塩酸と硝酸で分解し,硫酸を加え加熱して蒸発乾固する。塩酸を加えて溶解し,ろ過

した後,水で一定量に薄め原子吸光光度計を用いて吸光度を測定する。

6.5.2 

試薬  試薬は,次による。

a) 

塩酸

b) 

塩酸(1+1 1+2 1+5 1+19

c) 

硝酸

d) 

ふっ化水素酸

e) 

硫酸(1+1

f) 

標準亜鉛溶液(

µg Zn/ml)  亜鉛 (99.9 %以上) 1.000 g を塩酸 (1+2) 30 ml で分解し,冷却後,1 000

ml

の全量フラスコに移し入れ,標線まで水を加える。使用の都度必要量だけ水で正しく 200 倍に薄め

て標準亜鉛溶液とする。

6.5.3 

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,0.2 g とし,0.1 mg のけたまではかる。

6.5.4 

操作

a) 

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

1) 

試料をはかりとり,ビーカー (200 ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 10 ml 及び硝酸 5 ml を加

え,静かに加熱して分解し,放冷後,硫酸 (1+1) 5 ml を加え,加熱して蒸発乾固する(

31

)

2) 

放冷後,塩酸 (1+1) 10 ml 及び水約 30 ml(

32

)

を加え,可溶性塩を溶解した後,ろ紙 (5 種 B)  を用

いてろ過し,温水で十分に洗浄する(

33

)

。冷却後,ろ液及び洗液は,100 ml の全量フラスコに移し入

れ,標線まで水を加える(

34

)

(

31

酸化鉱又は焼鉱などの場合には,塩酸 10 ml と硫酸 (1+1) 5 ml を加え静かに加熱して分解し,

液量が 5∼10 ml となるまで濃縮した後,

硝酸 5∼10 ml  を加え引き続き加熱して蒸発乾固する。

(

32

試料中にアンチモン,すず,ビスマスなどを含み,加水分解するおそれのある場合は,水の代

わりに塩酸 (1+1) 25 ml を追加する。

(

33

残さ中に亜鉛が含まれる場合は,少量の水を用いて残さを四ふっ化エチレン樹脂ビーカーに洗

い移し,硫酸 (1+1)  約 5 ml,硝酸約 5 ml 及びふっ化水素酸 5∼10 ml を加え,加熱して硫酸の

白煙を十分に発生させ二酸化けい素を揮散させて乾固近くまで濃縮する。放冷後,少量の水を

加えて溶解し,ろ紙 (5 種 B)  を用いてろ過し,温水で十分に洗浄した後,ろ液及び洗液を主液

に合わせる。

(

34

亜鉛量が多い場合には,検量線の直線領域で測定精度の良い濃度範囲に入るように,適正量を

100 ml

の全量フラスコに正しく分取し,塩酸 (1+19)  を標線まで加える。ただし,

注(

32

)

の操

作を行った場合には,塩酸 (1+5)  を加える。

b) 

吸光度の測定  a)  で得た溶液の一部を,水を用いて零点を調整した原子吸光光度計の空気・アセチレ

ンフレーム中に噴霧し,波長 213.8 nm  における吸光度を測定する(

35

)

(

35

原子吸光光度計の代わりに,ICP 発光分光装置を用いて亜鉛量を求めてもよい。ただし,検量

線作成用溶液は,試料溶液と等組成のものを用いる。

6.5.5 

空試験  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。


14

M 8124

:2003

6.5.6 

検量線の作成  標準亜鉛溶液[6.5.2 f)]の各種液量  (亜鉛として 0∼200

µg ) (

36

)

を段階的に数個の

100 ml

の全量フラスコに分取し,塩酸 (1+1) 10 ml (

37

)

を加え,標線まで水を加える。以下,6.5.4 b)  の手

順に従って,試料と並行して測定して得られた吸光度と亜鉛量との関係線を作成する。この関係線を原点

を通るように平行移動して検量線とする。

(

36

使用装置及び測定波長の感度に応じて,濃度範囲を適宜増減する。

(

37

注(

32

)

の操作を行った場合には,塩酸 (1+1) 35 ml  を加える。

6.5.7 

計算  6.5.4 b)  で得た吸光度から 6.5.5 で得た吸光度を差し引いて得られた吸光度と,6.5.6 で作成

した検量線から亜鉛量を求め,試料中の亜鉛含有率を,次の式によって算出する。

H

m

A

Z

n

×

×

=

100

100

100

ここに,

n

Z

:  亜鉛含有率[質量分率(%)]

A

:  試料溶液中の亜鉛検出量(g)

m

:  試料はかり取り量(g)

H

:  分析試料の吸着水分含有率[質量分率(%)]

〔附属書1(規定)

又は附属書2(規定)に従って求める。試料のはかり取り方を
事前乾燥法[4.2 b2)及び 3)]で行った場合には,H=0 を用い
る〕

付図  1  イオン交換カラムの例

a)

b)

単位  mm


15

M 8124

:2003

附属書 1(規定)分析用試料の吸着水分の測定方法

1. 

適用範囲  この附属書 は,分析用試料の吸着水分の測定方法について規定する。この方法は,例え

ば,ケロシンなどの揮発性成分を含まない吸着水分含有率が 0.05 %(質量分率)  以上 2 %  (質量分率)  以

下の試料に適用する。この方法は,酸化するおそれのある硫化精鉱に用いることはできない。この場合は

附属書 2  による。 

2. 

要旨  試料を規定された温度で恒量となるまで乾燥し,熱乾燥減量を求める。

3. 

装置  装置は,次による。

a) 

平形はかり瓶  ガラス製,石英製又は耐食性金属製の直径約 50 mm のふた付きのもの。

b) 

平皿  耐食性のもので,試料の厚さが 3∼5 mm となる底面積をもつもの。

4. 

試料

4.1 

成分試験試料  粒径 150

µm 以下の試料を用いる。

4.2 

試験試料の調製  化学分析及び吸着水分の測定に十分な量の成分試験試料を平皿[3.b)]に移し入れ,

3

∼5 mm の厚さになるように平らに広げる。粉じん  (塵)  による試料の汚染を防ぐため,試料の上部を空

気が自由に流れるようにしてふたなどで覆う。試験試料を実験室大気に平衡にするため,2  時間又は平衡

に達するために十分な時間放置する。試験試料の質量の変化が,放置 2 時間当たり 0.1  %  (質量分率)よ

り少なくなるまで放置する。 

5. 

操作

5.1 

平形はかり瓶の準備  平形はかり瓶[3.a)]及びそのふたを空気浴中で 105±5  ℃で 1 時間乾燥する。

平形はかり瓶にふたをしてデシケーター中で室温まで放冷後,デシケーターから取り出してふたをわずか

にずらし,直ちに元に戻して,その質量を 0.1 mg のけたまではかる(m

1

)

5.2 

試料のはかり取り  大気と平衡にした試験試料(4.2)から約 10 g  を 5.1 で質量をはかった平形はか

り瓶にはかり取り,約 3∼5 mm の厚さになるように平らに広げる。平形はかり瓶,ふた及び試料の合計質

量を 0.1 mg のけたまではかる(m

2

)(

1

)

(

1

)  5

分以内に本体に規定された亜鉛の分析に必要な量の試料をはかり取る。

5.3 

乾燥及びひょう量  試料をはかり取った平形はかり瓶及びふたを空気浴に入れ,105±5  ℃で 2 時間

乾燥する。試料が入っている平形はかり瓶とそのふたを取り出し,ふたをしてデシケーター中で室温まで

放冷後,デシケーターから取り出してふたをわずかにずらし,直ちに元に戻し,その質量を 0.1 mg のけ

たまではかる。再び空気浴中で 105±5  ℃で 2 時間乾燥しデシケーター中で室温まで放冷後,デシケータ

ーから取り出してふたをわずかにずらし,直ちに元に戻し,その質量を 0.1 mg のけたまではかる(m

3

)(

2

)

(

2

前後の質量の差が±1 mg  を超えたときは,再び乾燥とひょう量を繰り返す。2  時間の乾燥を 3

回繰り返しても前後の質量の差が±1 mg 以下とならないときは,

附属書 2 に規定する方法で

吸着水分を求める。

6. 

計算  試料中の吸着水分率を,次の式によって小数点以下 2 位まで算出する。


16

M 8124

:2003

100

1

2

3

2

×

=

m

m

m

m

H

ここに,

H

:  試料中の吸着水分率  [質量分率  (%)]

m

1

:  乾燥した平形はかり瓶とふたの合計質量 (g)

m

2

:  乾燥前の試料と平形はかり瓶とふたの合計質量 (g)

m

3

:  乾燥後の試料と平形はかり瓶とふたの合計質量 (g)


17

M 8124

:2003

附属書 2(規定)酸化するおそれがある分析用試料の吸着水分の測定方法

1. 

適用範囲  この附属書 は,酸化するおそれがある分析用試料の吸着水分の測定方法について規定す

る。この方法は,例えば,ケロシンなどの揮発性成分を含まない吸着水分含有率が 0.05  %(質量分率)か

ら 2  %(質量分率)で,空気中で乾燥するとき酸化するおそれがある試料に適用する。 

2. 

要旨  試料を,乾燥した窒素中で規定された温度で恒量となるまで乾燥し,熱乾燥減量を求める。

3. 

試薬  試薬は,次による。

a) 

窒素  酸素含有率が 30

µl/l 以下の乾燥ガス。

4. 

装置  装置は,次による。

a) 

乾燥器  1 時間当たり乾燥器の容量の 15∼20 倍の予熱した窒素を供給できる装置の付いた,空間容量

が小さく,105±5  ℃に保持できるもの。一例を

附属書 図 に示す。

b) 

平形はかり瓶  ガラス製,石英製又は耐食性金属製の直径約 50 mm のふた付きのもの。

c) 

平皿  耐食性のもので,試料の厚さが 3∼5 mm となる底面積をもつもの。

d) 

乾燥塔  容量約 250 ml で,窒素を乾燥するための無水過塩素酸マグネシウムを詰めたもの。

5. 

試料

5.1 

成分試験試料  粒径 150

µm 以下の試料を用いる。

5.2 

試験試料の調製  化学分析及び吸着水分の測定に十分な量の成分試験試料を平皿[4.c)]に移し入れ,

3

∼5 mm の厚さになるように平らに広げる。粉じん  (塵)  による試料の汚染を防ぐため,試料の上部を空

気が自由に流れるようにしてふた等で覆う。試験試料を実験室大気に平衡にするため,2  時間又は平衡(

1

)

に達するために十分な時間放置する。

(

1

試験試料の質量の変化が,放置 2 時間当たり 0.1  %(質量分率)より少なくなったとき平衡に

達したこととする。

6. 

操作

6.1 

平形はかり瓶の準備  平形はかり瓶[4.b)]及びそのふたを乾燥器[4.a)]中で 1 時間当たり乾燥器

の容量の 15∼20 倍の予熱した窒素[3.a)]を乾燥塔[4.d)]を通して供給しながら,105±5  ℃で 1 時間乾

燥する。平形はかり瓶にふたをしてデシケーター中で室温まで放冷した後,デシケーターから取り出して

ふたをわずかにずらし,直ちに元に戻し,その質量を 0.1 mg のけたまではかる(m

1

)

6.2 

試料のはかり取り  5.2 で大気と平衡にした試験試料から約 10 g を,6.1 で質量をはかった平形はか

り瓶にはかり取り,約 3∼5 mm の厚さになるように平らに広げる。平形はかり瓶,ふた及び試料の合計質

量を 0.1 mg のけたまではかる(m

2

)(

2

)

(

2

)  5

分以内に本体の各分析方法に規定されている亜鉛の分析に必要な量の試料をはかり取る。


18

M 8124

:2003

6.3 

乾燥及びひょう量  試料をはかり取った平形はかり瓶及びふたを乾燥器[4.a)]に入れ,1 時間当た

り乾燥器の容量の 15∼20 倍の予熱した窒素[3.a)]を乾燥塔[4.d)]を通じて供給しながら,105±5  ℃で

恒量(

3

)

となるまで乾燥する。恒量となったら(

4

)

,試料が入っている平形はかり瓶とそのふたを取り出し,

ふたをしてデシケーター中で室温まで放冷後,デシケーターから取り出して,ふたをわずかにずらし直ち

に元に戻し,その質量を 0.1 mg のけたまではかる(m

3

)

(

3

)  30

分間乾燥した前後の質量の差が±1 mg 以下のとき恒量となったこととする。

(

4

この方法では,1.5 時間から 3 時間で乾燥は終了する。その後 105±5  ℃で更に 30 分間乾燥し

恒量とする。

7. 

計算  試料中の吸着水分率を,次の式によって小数点以下 2 位まで算出する。

100

1

2

3

2

×

=

m

m

m

m

H

ここに,

H

:  試料中の吸着水分率  [質量分率(%) ]

m

1

:  乾燥した平形はかり瓶とふたの合計質量 (g)

m

2

:  乾燥前の試料と平形はかり瓶とふたの合計質量 (g)

m

3

:  乾燥後の試料と平形はかり瓶とふたの合計質量 (g)

附属書   1  窒素を用いる乾燥器の例

単位  mm


19

M 8124

:2003

附属書 3(規定)フレーム原子吸光法によるカドミウム定量方法

1. 

適用範囲  この附属書 は,鉱石中のフレーム原子吸光法によるカドミウム定量方法について規定す

る。この方法は,カドミウム含有率 0.05  %(質量分率)  以上 0.2  %(質量分率)  以下の試料に適用する。 

2. 

要旨  試料を,塩酸,硝酸及び硫酸で分解し,蒸発乾固する。塩酸で可溶性塩を溶解し,水で一定量

に薄め,原子吸光光度計又は ICP 発光分光装置を用いてカドミウム濃度を定量する。 

3. 

試薬  試薬は,次による。

a) 

塩酸

b) 

塩酸(1+1)

c) 

硝酸

d) 

硝酸(1+1)

e) 

硫酸

f) 

硫酸(1+1)

g) 

標準カドミウム溶液  (20 µg Cd/ml)  カドミウム (99.9 %以上) 0.500 g を硝酸  (1+1) 20 ml で静かに分

解し,冷却後 1 000 ml  の全量フラスコに移し入れ,標線まで水を加える。使用の都度,10 ml を正確

に分取し,250 ml の全量フラスコに移し入れ,標線まで水を加える。

4. 

試料

4.1 

試料のはかり取り  試料のはかり取りは,事前乾燥法 A 又は事前乾燥法 B による。

4.2 

試料はかり取り量  試料はかり取り量は,0.5 g とし,0.1 mg のけたまではかる。

5. 

操作

5.1 

試料溶液の調製  試料溶液の調製は,次の手順によって行う。

a) 

試料をはかり取り,ビーカー (200 ml) に移し入れ,時計皿で覆い,塩酸 10 ml 及び硝酸 5 ml を加え,

静かに加熱して分解し,放冷後,硫酸  (1+1) 5 ml を加え,加熱して蒸発乾固する。

b) 

放冷後,塩酸  (1+1) 10 ml 及び水 30 ml を加え,静かに加熱して可溶性塩を溶解する。

c) 

室温まで放冷後,100 ml の全量フラスコに移し入れ,標線まで水を加える。

5.2 

吸光度の測定  5.1 c) で得た溶液の一部を,水を用いて零点を調整した原子吸光光度計の空気・アセ

チレンフレーム中に噴霧し,波長 228.8 nm における吸光度を測定する(

1

)

(

1

原子吸光光度計の代わりに,ICP 発光分光装置を用いてカドミウム濃度を求めてもよい。

なお,検量線作成用溶液は,試料溶液と等組成のものを用いる。

5.3 

空試験  試料を用いないで,試料と同じ操作を試料と並行して行う。

5.4 

検量線の作成  標準カドミウム溶液[3. g)]の各種液量 (カドミウムとして 0∼1 000 µg) を段階的

に数個の 100 ml の全量フラスコに分取し,塩酸 (1+1) 10 ml を加え,標線まで水を加える。以下,5.2 の手

順に従って,試料と並行して得られた吸光度とカドミウム量との関係線を作成する(

2

)

。この関係線を原点

を通るように平行移動して検量線とする(

3

)

(

2

)  10

µg/ml カドミウム標準液の吸光度が,0.4 となるように,バーナーヘッドを回転させる。


20

M 8124

:2003

(

3

検量線の直線性の相関係数が 0.999 以上であることを確認する。

6. 

計算  5.2  で得た吸光度から 5.3 で得た吸光度を差し引いて得られた吸光度と,5.4 で作成した検量線

からカドミウム量を求め,試料中のカドミウム含有率を,次の式によって算出する。

100

×

=

m

A

Cd

ここに,  Cd:  カドミウム含有率[質量分率  (%)] 

A

:  試料溶液中のカドミウム検出量 (g)

m

:  試料はかり取り量 (g)


附属書 4(参考)JIS と対応する国際規格との対比表

JIS M 8124 

: 2002

鉱石中の亜鉛定量方法

ISO 9599:1991

    銅,鉛及び亜鉛精鉱−分析試料中の吸着水分の定量−重量法

ISO 12739:1997

  硫化亜鉛精鉱−亜鉛の定量方法−イオン交換分離 EDTA 滴定法

ISO 13291:1997

  硫化亜鉛精鉱−亜鉛の定量方法−溶媒抽出 EDTA 滴定法

ISO 13658:2000

  硫化亜鉛精鉱−亜鉛の定量方法−沈殿分離 EDTA 滴定法

(

Ⅰ)JIS  の規定

(

Ⅲ)国際規格の規定

(

Ⅳ)JIS  と国際規格との技術的差異の項目ご

との評価及びその内容

  表示箇所:本体,附属書

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(

Ⅱ)国際規

格番号

項目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

1.

適用範囲

鉱石

Zn 0.01

∼62  %(m/m)

ISO 12739

ISO 13291

ISO 13658

1.

硫化亜鉛精鉱

Zn 11

∼62  %(m/m)

硫化亜鉛精鉱

Zn 11

∼62  %(m/m)

硫化亜鉛精鉱

Zn 10

∼60  %(m/m)

MOD/

追加

JIS

は全鉱石について適用,

ISO

は硫化亜鉛精鉱のみ適用

規格体系の差

2.

引用規格

JIS K 0050

JIS K 0116

JIS K 0121

JIS M 8083

JIS M 8101

JIS Z 8401

ISO 12739

ISO 13291

ISO 13658

2.

ISO 385-1:1984

ISO 648:1977

ISO 1042:1998

ISO 3696:1987

ISO 4787:1984

ISO 5725-2:1994

ISO 9599:1991

ISO Guide 35:1989

MOD/

追加

・発光分光分析通則及び原子吸光分

析通則が必要なため JIS K 0116

及び JIS K 0121 を追加した。

・サンプリング,試料調製及び水分

決 定 方 法 が 必 要 な た め JIS M 

8083

及び JIS M 8101 を追加した。

・数値の丸め方 JIS Z 8401 を追加し

た。

3.

一般事項

JIS K 0050

JIS K 0116 及び

JIS K 0121

を引用

ISO 12739

ISO 13291

ISO 13658

MOD/

追加

ISO

には規定されていない。

4.

分 析 試 料 の

採り方及び取

扱い方

①試料の採取及び調製:JIS M 

8083

及び JIS M 8101 によ

る。

②試料の乾燥方法:附属書 1,

2(

吸着水分測定)による。又

は,105±5  ℃で恒量となる

まで(事前乾燥法 A,B)。

ISO 12739

ISO 13291

ISO 13658

6.

試料の乾燥:ISO 9599 に従い

吸着水分を測定する。又は各

ISO

の 附 属 書 の 事 前 乾 燥 法

(105

±5  ℃)による。

MOD/

追加

MOD/

追加

ISO

には規定されていない。

JIS

には簡便な事前乾燥法 B

を追加した。

ISO

へ試料の採取及び調製方法を

規定している ISO 12743 を引用規

格として記載するよう提案する。 

21

M 8124


2003


(

Ⅰ)JIS  の規定

(

Ⅲ)国際規格の規定

(

Ⅳ)JIS  と国際規格との技術的差異の項目ご

との評価及びその内容

  表示箇所:本体,附属書

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(

Ⅱ)国際規

格番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

5.

分 析 値 の 表

し方及び操作

上の注意

①分析値の表し方:JIS Z 8401

に従い小数点以下 2 位に丸

める。

②精度:許容差(表 1)

③空試験:全操作を通じて実

施する。

ISO 12739

ISO 13291

ISO 13658

8.

10.

7.

①結果の算出:小数点以下 2

位まで算出する。

②共同実験結果からの許容差。

IDT

IDT

IDT

①技術的に同等である。

②技術的に同等である。

6.

定量方法

①イオン交換分離 EDTA 滴定

法[Zn 2∼62  %(m/m)]

②沈殿分離 EDTA 滴定法

[Zn 2

∼62  %(m/m)]

ISO 12739

ISO 13658

7.

7.

①イオン交換分離 EDTA 滴定

法[Zn 11∼62  %(m/m)]

②沈殿分離 EDTA 滴定法[Zn

10

∼60  %(m/m)]

MOD/

追加,

削除

MOD/

追加,

削除

①,②ISO は亜鉛精鉱対象で

あるのに対し,JIS は全鉱

石種対象のため,定量範囲

を拡大した。これに 伴い

JIS

には Zn 含有率 2∼10%

の 試 料 に 対 し て は

0.05mol/lEDTA

標準液を用

いて滴定することを 追加

した。試料分析方法につい

ては,JIS には銅,鉛,ひ

素,アンチモン,すず,セレン等を

多量に含む場合の処 理方

法を追加した。更に試料分

解方法においてはイオン交換

分離法と沈殿分離法 とで

JIS

内の統一を図った。

  沈殿分離法の滴定時におい

ては銅のいんぺい試 薬と

して L-(+)-アスコルビン酸を JIS

に追加した。

  ISO の不溶解残物処理にお

いて,その方法が明確でな

い,ジルコニウムるつぼを浸食

する恐れがある等の 不備

な点があったため,JIS に

ISO

の技術的に不備な点である不

溶解残物処理方法の修正は,ISO に

改正の提案をしているところであ

る。

22

M 8124


2003


③溶媒抽出 EDTA 滴定法[Zn

11

∼62  %(m/m)]

④ フ レ ー ム 原 子 吸 光 法 [ Zn

0.01

∼3  %(m/m)]

ISO 13291

7.

③溶媒抽出 EDTA 滴定法[Zn

11

∼62  %(m/m)]

MOD/

追加,

削除

MOD/

追加

はこれらの技術的に 不備

な点を修正した。

③不溶解残物処理に危険を伴

うため修正した。

ISO に は 規定 さ れて いな

い。

(

Ⅰ)JIS  の規定

(

Ⅲ)国際規格の規定

(

Ⅳ)JIS  と国際規格との技術的差異の項目ご

との評価及びその内容

  表示箇所:本体,附属書

  表示方法:点線の下線又は実線の側線

項目番号

内容

(

Ⅱ)国際規

格番号

項 目

番号

内容

項目ごとの

評価

技術的差異の内容

(

Ⅴ)JIS と国際規格との技術的差異

の理由及び今後の対策

附属書 1(規定)

分析用試料の

吸着水分の測

定方法

試料を規定された温度で恒量

となるまで乾燥し,熱乾燥減

量率を求める。(ISO 9599 本体

と同内容)。

ISO 12739

ISO 13291

ISO 13658

6.

ISO 9599 

を本体中で引用 

IDT

附属書 2(規定)

酸化するおそ

れがある分析

用試料の吸着

水分の測定方

試料を乾燥した窒素中で,規

定された温度で恒量となるま

で乾燥し,熱乾燥減量率を求

める(ISO 9599

附属書 A と同

内容)。

ISO 12739

ISO 13291

ISO 13658

6.

ISO 9599

を本体中で引用 IDT

附属書 3(規定)

フ レ ー ム 原 子

吸光法による

カドミウム定

量方法

試 料 中 の カ ド ミ ウ ム 含 有 率

[0.05∼0.2  %(m/m)]をフレー

ム原子吸光法[又は ICP 発光

分光法(マトリックスマッチン

グ)]によって定量する。

ISO 12739

ISO 13658

附 属

書 C

附 属

書 D

試 料 中 の カ ド ミ ウ ム 含 有 率

[0.05∼0.2%(m/m)]をフレー

ム原子吸光法によって定量す

る。

試 料 中 の カ ド ミ ウ ム 含 有 率

[0.05∼0.2%(m/m)]をフレー

ム原子吸光法[又は ICP 発光

分光法(マトリックスマッチング

なし)]によって定量する。

MOD/

追加

MOD/

追加

経済性を考慮して ICP 発光分

光法も採用した。

ICP

発光分光法では,検量線の

マトリックスマッチングが必要

である。

ISO

へ ICP 発光分光法の際の検量

線のマトリックスマッチングの必要

性を提案する予定である。

JIS 

と国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 

23

M 8124


2003


備考1.  項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

−IDT・・・・・・・・・・・・・・・技術的差異がない。 
−MOD/追加・・・・・・・・・国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。

−MOD/削除・・・・・・・・・国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

2. JIS 

と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。

−MOD・・・・・・・・・・・・・・国際規格を修正している。

24

M 8124


2003