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M 8115 : 1999

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS M 8115 : 1950 は改正され,この規格に置き換えられる。


日本工業規格

JIS

 M

8115

 : 1999

粗金銀地金中の金及び銀の定量方法

Methods for determination of gold and silver in dores

1.

適用範囲  この規格は,金銀合量が 50% (m/m)  以上の粗金銀地金中の金及び銀の定量方法について規

定する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0113

  電位差・電流・電量・カールフィッシャー滴定方法通則

JIS K 8701

  鉛(試薬)

JIS M 8111

  鉱石中の金及び銀の定量方法

JIS Z 8401

  数値の丸め方

3.

一般事項  定量方法に共通の一般事項は,JIS K 0050 及び JIS K 0113 の規定による。

4.

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS M 8111 によるほか,次による。

a)

照校試料  乾式試金法において試料と同一組成となるように,各成分をはかり合わせた試料。金の分

析値を補正するために用いる。

5.

分析試料の採り方及び取扱い方

5.1

試料の採り方  試料の採り方は,受渡当事者間の協定による。

5.2

試料の取扱い方  試料の取扱い方は,次による。

a)

分析用試料は,汚染を防止するため,ふた付きガラス容器,ポリエチレン製袋などに入れ,密封する。

5.3

試料のはかり方  試料のはかり方は,次による。

a)

分析試料をはかり採る際には,平均品位が得られるように注意しなければならない。

b)

分析試料のはかり採りは,化学はかりを用い,通常 0.01mg のけたまで読み取る。

6.

分析値のまとめ方

6.1

分析回数  通常同一分析所において,2 回の繰返し分析を行う。

6.2

分析値の表示  分析値は,質量百分率で表し,報告値のけた数(

1

)

の次のけたまで算出し,JIS Z 8401

の規定によって丸める。

(

1

)

報告値のけた数は,受渡当事者間の協定による。


2

M 8115 : 1999

7.

予備試金  予備試金は,試料量及び試金方法を決定するために,次による(

2

)

(

2

)

試料の組成など判明している場合は,省略できる。

7.1

要旨  試料をはかり採って,純銀及び鉛粒,又は鉛錠とともに鉛はくに包み,電気炉で灰吹し,得

た金銀ビードを硝酸で分金する。

7.2

試薬  試薬は,次による。

a)

硝酸  塩化物イオンを含まないもの。

b)

鉛はく  JIS K 8701 の規定による,試金用鉛を用いる。

c)

鉛粒又は鉛錠  JIS K 8701 の規定による,試金用鉛を用いる。

d)

銀  純度 99.99% (m/m)  以上で,金含有率 0.1ppm (m/m)  以下のもの。

7.3

器具及び装置

a)

灰吹炉  1 100℃まで昇温可能,温度制御可能で,かつ,炉内温度が均一にできるもの。

b)

キューペル(灰皿)  骨灰,又は酸化マグネシウム製のもの。

c)

微量はかり  1

µg まではかれるもの。

7.4

試料はかり採り量  試料のはかり採り量は,300mg とする。

7.5

操作  操作は,次の手順による。

a)

試料をはかり採り,これに銀 700mg を加え,鉛粒又は鉛錠(約 14g)とともに鉛はくで包む。

b)

灰吹炉内の,900℃以上に予熱したキューペル中に入れ,900℃以上で灰吹する(

3

)

c)

キューペルを灰吹炉から取り出し(

4

)

,金銀ビードに付着した骨灰又は酸化マグネシウムをブラシで完

全に取り除く。

d)

金銀ビードを,

µg のけたまではかる。

e)

金銀ビードをつち打ちして,偏平とし,焼鈍し,圧延する。

f)

磁器るつぼ (40ml) に金銀ビードを入れ,硝酸(密度 1.19)30ml を加え,液量が約半分近くなるまで,

沸とうしない程度で加熱する。

g)

デカンテーションによって,金粒を温水で洗浄する。

h)

さらに,硝酸(密度 1.29)30ml を加えて,15 分間沸とうしない程度で加熱する。

i)

デカンテーションによって,金粒を温水洗浄し,ヒーターで乾燥後,焼鈍する。

j)

デシケーター内で放冷した後,微量はかりで金粒の質量を 1

µg のけたまではかる。

(

3

)

灰吹温度は,キューペルの種類,炉の特性などによって異なる。酸化マグネシウム製のキュー

ペルを用いたときの灰吹温度は,骨灰製キューペルを用いたときよりも高い。

(

4

) 800

℃以上で取り出すと,金銀ビードにスピット(花吹)を生じることがある。

7.6

計算  金,銀及び金銀以外の成分の概略含有率を,次の式によって算出する。

100

1

×

m

m

Au

(

)

B

Au

Ag

=100

100

2

3

×

m

m

m

m

B

ここに,  Au:  概略の金含有率  [% (m/m) ] 

Ag

:  概略の銀含有率  [% (m/m) ]

B

:  金銀以外の成分の合計量の百分率  [% (m/m) ]

m

:  試料はかり採り量 (mg)

m

1

:  金粒の質量 (mg)


3

M 8115 : 1999

m

2

:  金銀ビードの質量 (mg)

m

3

:  添加した銀の質量 (mg)

8.

定量方法

8.1

方法の区分  定量方法は,予備試金の結果によって,次のいずれかによるものとする。

a)

乾式試金法  金及び銀の定量に,適用する。

b)

電位差滴定法  粗銀中の銀の定量に,適用する。

c)

塩化ナトリウム滴定法  粗銀中の銀の定量に,適用する。

d)

チオシアン酸アンモニウム滴定法  金銀以外の成分が多い試料中の銀の定量に,適用する。

8.2

乾式試金法

8.2.1

要旨  試料及び照校試料を調製し,予備試金に準じた操作を行う。

8.2.2

試薬  試薬は,7.2 のほか,次による。

a)

金  純度 99.99%以上のもの。

8.2.3

器具及び装置  器具及び装置は,7.3 のほか,次による。

a)

白金トレー

b)

分金フラスコ

c)

小型圧延機

8.2.4

試料,照校試料のはかり採り量及び調製

a)

試料  予備試金の結果に基づき,試料中の金含有量が 300∼500mg になるように 0.01mg のけたまでは

かり採り,銀量が金量の 2∼3 倍(

5

)

になるように銀を

µ

g

のけたまではかり採って添加する。ただし,

金及び/又は金銀以外の成分の含有率によって,試料はかり採り量を増減してもよい。

b)

照校試料  予備試金の結果に基づき,試料中に含まれる金と同量の金及び試料中に含まれる銀と加え

た銀の総量の銀をはかり採る(

6

)

。照校試料は 2 個以上調製する。

c)

試料はかり採り数  試料は,2 個以上はかり採る。

(

5

)

  2

∼3倍の中で,最適条件を定める。

(

6

)

試料中に金銀ビード及び金粒中に残存する金属元素が含まれる場合は,同量の金銀を含まない

金属元素[純度 99.9% (m/m)  以上]を,照校試料に添加する。

8.2.5

操作  操作は,次の手順による。

a)

8.2.4 a)

及び 8.2.4b)で調製した試料,及び照校試料をそれぞれ鉛粒,又は鉛錠とともに鉛はくで包む。

b)

  7.5b)

e)の操作を行う。ただし,炉内での試料及び照校試料は,同一灰吹条件となるように配置する。

c)

小型圧延機で厚さ約 0.25mm の薄片とし,接点をもたないように渦巻状に巻く。

d)

白金トレイに入れ(

7

)(

8

)

,沸とうしない程度の温度の硝酸(密度 1.19)中に入れ,15∼25 分間(

8

)

静かに

煮沸した後,温水中でトレイを数回上下して洗浄し,更に硝酸(密度 1.29)中で約 20 分間(

9

)

静かに煮

沸し,温水で銀分を完全に除去する。

e)

トレイとともに乾燥し,電気炉中で焼鈍し(

10

)

微量はかりで金粒の質量をはかる。

(

7

)

試料及び照校試料は,トレイ中で同一分金状態になるように配置する。

(

8

)

銀が金の 3 倍以上の場合は,磁器るつぼを用いて JIS M 8111 の規定に準じて分金操作を行う。

(

9

)

分金数によって異なるため,最適条件を定める。

(

10

)

高温で行うと白金と合金をつくる。

8.2.6

計算  金銀含有率は,次の式によって算出する。


4

M 8115 : 1999

100

1

12

1

×

m

d

m

m

B

(

)

å

n

i

i

i

i

m

m

m

n

d

1

23

22

21

1

å

÷÷ø

ö

ççè

æ

n

i

i

i

m

m

n

s

1

21

24

1

100

1

11

×

×

m

s

m

Au

Ag

=100−  (AuB)

ここに,

Au

金含有率  [% (m/m) ]

Ag

銀含有率  [% (m/m) ]

m

1

試料はかり採り量 (mg)

m

11

試料の分金後の質量 (mg)

m

12

試料の金銀ビードの質量 (mg)

B

試料の金銀以外の成分の総含有率  [% (m/m) ]

m

21i

照校試料中の金の質量 (mg)

m

22i

照校試料中の銀の質量 (mg)

m

23i

照校試料の灰吹後の金銀ビードの質量 (mg)

m

24i

照校試料の分金段の金粒の質量 (mg)

n

調製した照校試料の数

d

照校試料灰吹減の質量の平均値 (mg)

s

照校試料中の金の質量と,分金後の金の質量の比(サーチ
ャージ)

8.3

電位差滴定法

8.3.1

要旨

  試料を硝酸で分解した後,臭化カリウム標準溶液,又は塩化ナトリウム標準溶液を用いて電

位差滴定法で銀を滴定する。

8.3.2

試薬

  試薬は,次による。

a)

硝酸 (11)

b)

ジメチルグリオキシム溶液

  ジメチルグリオキシム 2 ナトリウム八水和物 10g を水に溶解し,水で 1

000ml

とする。

c)

0.1mol/L

臭化カリウム標準溶液

  臭化カリウム 11.9g を水に溶解し,水で 1 000ml とする。この溶液

1ml

は銀約 10.8mg に相当するが,標定は,使用の都度,

8.3.3

によって行う。

d)

0.1mol/L

塩化ナトリウム標準溶液

  塩化ナトリウム 5.85g を水に溶解し,水で 1000ml とする。この溶

液 1ml は銀約 10.8mg に相当するが,標定は,使用の都度,

8.3.3

によって行う。

8.3.3

標準溶液の標定

8.3.2c)

及び

8.3.2d)

の標準溶液の標定は,次の手順による。銀[99.99% (m/m) 以

上]300∼500mg

(

11

)

を 0.01mg のけたまで 3 個はかり採り  (G1,  G2,  G3)  ,それぞれビーカー (200ml) に移

し入れる。

8.3.6 b)

以下の手順に従って操作し,それぞれの 0.1mol/L 臭化カリウム標準溶液 1ml,又は

0.1mol/L

塩化ナトリウム標準溶液 1ml に相当する銀量  (f

1

f

2

f

3

)

を小数点以下 4 けたまで,またそれらの平

均値  (F)  を小数点以下 3 けたまで次の式によって算出する。

100

3

3

2

1

×

f

f

f

F


5

M 8115 : 1999

i

i

i

V

G

f

ここに,

F

: 0.1mol/L 臭化カリウム標準溶液 1ml,又は 0.1mol/L 塩化ナト

リウム標準溶液 1ml に相当する銀の質量 (mg)

f

i

:  各測定における 0.1mol/L 臭化カリウム標準溶液 1ml,又は

0.1mol/L

塩化ナトリウム標準溶液 1ml に相当する銀の質量

(mg)

G

i

:  銀はかり採り量 (mg)

V

i

: 0.1mol/L 臭化カリウム標準溶液の使用量 (ml),又は 0.1mol/L

塩化ナトリウム標準溶液の使用量 (ml)

(

11

)

使用する銀の量は,予備試金の結果に基づき,試料中の銀含有量±20mg 以内となるように調整

する。

8.3.4

装置

  装置は,次による。

a)

電位差滴定装置

  当量点近くで標準溶液を 0.05ml ずつ滴下でき,かつ,当量点を 0.01ml まで読み取

ることができるもの。指示電極は,銀又は臭化カリウム滴定法の場合は臭化銀でコーティングした銀

を,塩化ナトリウム滴定法の場合は塩化銀でコーティングした銀を,参照電極は,水銀/硫酸水銀 (I) そ

のほか適切なものを用いる。

8.3.5

試料はかり採り量

  試料はかり採り量は,銀として 300∼500mg とし,0.01mg のけたまではかる。

8.3.6

操作

  操作は,次の手順による。

a)

試料をはかり採って,ビーカー (200ml) に移し入れる。

b)

時計皿で覆い,硝酸 (1+1) 5ml を加え,穏やかに加熱して分解する。引き続き加熱を続け窒素酸化物

を追い出す。放冷後,時計皿の下面を水で洗い,時計皿を取り除き水で約 100ml に薄める

(

12

)

c)

水を用いて,電位差滴定装置の試料容器に移し入れ,指示電極

(

13

)

及び参照電極を挿入して,0.1mol/L

臭化カリウム標準溶液,又は 0.1mol/L 塩化ナトリウム標準溶液を用いて滴定する

(

14

)

。滴定は,試料溶

液中の銀量の約 90∼95%に相当する 0.1mol/L 臭化カリウム標準溶液,又は 0.1mol/L 塩化ナトリウム標

準溶液を加えた後は,0.05ml ずつ滴下し,電位飛躍が最大値を示した点を終点とする。

(

12

)

試料中にパラジウムを含むときは,試料溶液中のパラジウム量10mg に対し,ジメチルグリオキ

シム溶液5ml を加える。

(

13

)

銀電極を用いたときは,滴定を繰返すと電極の表面に臭化銀,又は塩化銀が付着し,当量点の

判定を誤ることがあるので,ときどき電極の表面を研磨紙(400 番)などで研磨する。

(

14

)

生成した臭化銀又は塩化銀は,日光によって分解されるので滴定は直射日光を避けて行う。

8.3.7

空試験

  空試験は,行わない。

8.3.8

計算

  試料中の銀含有率を,次の式によって算出する。

100

×

×
m

F

V

Ag

ここに,  Ag:  試料中の銀含有率 [% (m/m)] 

V

: 0.1mol/L 臭化カリウム標準溶液,又は 0.1mol/L 塩化ナトリウ

ム標準溶液の使用量 (ml)

F

: 0.1mol/L 臭化カリウム標準溶液 1ml,又は 0.1mol/L 塩化ナト

リウム標準溶液に相当する銀の質量 (mg)

m

:  試料はかり採り量 (mg)

8.4

塩化ナトリウム滴定法


6

M 8115 : 1999

8.4.1

要旨

  試料を硝酸に溶解して,塩化ナトリウム標準溶液を加えて,塩化銀の沈殿を生成させ,銀量

は最後の白濁の測定によって定量する。

8.4.2

試薬

  試薬は,次による。

a)

硝酸

b)

0.1mol/L

塩化ナトリウム標準溶液

  塩化ナトリウム 5.85g を水に溶解し,水で 1 000ml とする。この

溶液 1ml は銀約 10.8mg に相当するが,標定は,使用の都度次のようにして行う。

銀[99.99% (m/m)  以上]800mg を 0.01mg のけたまで 3 個はかり採り  (G

1

,  G

2

,  G

3

)

,それぞれ三角

フラスコ (300ml) に移し入れる。

8.4.4. b)

以下の手順に従って操作し,それぞれの 0.1mol/L 塩化ナト

リウム標準溶液 1ml に相当する銀の質量  (f

1

f

2

f

3

)

を小数点以下 4 けたまで,またそれらの平均値  (F)

を小数点以下 3 けたまで次の式によって算出する。

3

3

2

1

f

f

f

F

i

i

i

i

v

V

G

f

1

.

0

ここに,

F

: 0.1mol/L 塩化ナトリウム標準溶液 1ml に相当する銀の質量

(mg)

f

i

:  各測定における 0.1mol/L 塩化ナトリウム標準溶液 1ml に相当

する銀の質量 (mg)

G

i

:  銀はかり採り量 (mg)

V

i

: 0.1mol/L 塩化ナトリウム標準溶液使用量 (ml)

v

i

8.4.2c)

で調製した 0.1mol/L 塩化ナトリウム標準溶液の使用量

(ml)

c)

0.01mol/L

塩化ナトリウム標準溶液

8.4.2b)

の塩化ナトリウム標準溶液を正しく 10 倍に希釈する。

8.4.3

試料はかり採り量

  銀の質量として約 800mg になるようにし,0.01mg のけたまではかり採る。

8.4.4

操作

  操作は,次の手順による。

a)

試料をはかり採って,三角フラスコ (300ml) に移し入れる。

b)

時計皿で覆い,硝酸 (1+4) 15ml を加え,穏やかに加熱して分解する。引き続き加熱を続け窒素酸化

物を追い出す。

c)

冷却後,0.1mol/L 塩化ナトリウム標準溶液を終点近くまで加え,3∼5 分間強く振り,塩化銀を沈降さ

せた後,0.01mol/L 塩化ナトリウム標準溶液で滴定し

(

15

)

,塩化銀の白濁が生じなくなった点を終点と

する。

(

15

)

生成した塩化銀は,日光によって分解されるので滴定は直射日光を避けて行う。

8.4.5

空試験

  空試験は,行わない。

8.4.6

計算

  試料中の銀含有率を,次の式によって算出する。

(

)

100

1

.

0

×

×

m

F

v

V

Ag

ここに,  Ag:  試料中の銀含有率 [% (m/m)] 

V

: 0.1mol/L 塩化ナトリウム標準溶液使用量 (ml)

v

: 0.01mol/L 塩化ナトリウム標準溶液の使用量 (ml)

F

: 0.1mol/L 塩化ナトリウム標準溶液 lml に相当する銀の質量

(mg)

m

:  試料はかり採り量 (mg)


7

M 8115 : 1999

8.5

チオシアン酸アンモニウム滴定法

8.5.1

要旨

  試料を硝酸に分解し,指示薬を用いてチオシアン酸アンモニウム標準溶液で滴定する。

8.5.2

試薬

a)

硝酸

b)

指示薬

  硫酸鉄 (II) アンモニウム飽和溶液に硝酸 (1+1)  を加えて,黄色としたもの。

c)

0.05mol/L

チオシアン酸アンモニウム標準溶液

  チオシアン酸アンモニウム 3.8g を水に溶解して,水

で 1 000ml とする。この溶液 1ml は銀約 5.4mg に相当するが,標定は使用の都度次のようにして行う。

銀[99.99% (m/m)  以上]300∼500mg

(

16

)

を 0.01mg のけたまで 3 個はかり採り  (G

1

G

2

G

3

)

,それぞ

れ三角フラスコ (300ml) に移し入れる。

8.5.4 b)

以下の手順に従って操作し,それぞれの 0.05mol/L チ

オシアン酸アンモニウム標準溶液 1ml に相当する銀の質量  (f

1

f

2

f

3

)

を小数点以下 4 けたまで,

また,

それらの平均値  (F)  を小数点以下 3 けたまで,次の式によって算出する。

100

3

3

2

1

×

f

f

f

F

i

i

i

V

G

f

ここに,

F

: 0.05mol/L チオシアン酸アンモニウム標準溶液 1ml に相当す

る銀の質量 (mg)

f

i

:  各測定における 0.05mol/L チオシアン酸アンモニウム標準溶

液 1ml に相当する銀の質量 (mg)

G

i

:  銀はかり採り量 (mg)

V

i

: 0.05mol/L チオシアン酸アンモニウム標準溶液使用量 (ml)

(

16

)

使用する銀の量は,予備試金の結果に基づいて,試料中の銀含有量±20mg 以内となるように調

整する。

8.5.3

試料はかり採り量

  0.5g を 0.01mg のけたまではかり採る。

8.5.4

操作

  操作は,次の手順による。

a)

試料をはかり採って三角フラスコ (300ml) に移し入れる。

b)

時計皿で覆い,硝酸 (1+4) 15ml を加え,穏やかに加熱して分解する。引き続き加熱を続け窒素酸化

物を追い出し,放冷後水で約 200ml とする。

c)

指示薬数 ml を加え,0.05mol/L チオシアン酸アンモニウム標準溶液で滴定し,最後の 1 滴で淡紅色を

呈した点を終点とする。

8.5.5

空試験

  空試験は,行わない。

8.5.6

計算

  試料中の銀含有率を,次の式によって算出する。

100

×

×
m

F

V

Ag

ここに,  Ag:  試料中の銀含有率  [% (m/m) ] 

V

: 0.05mol/L チオシアン酸アンモニウム標準溶液使用量 (ml)

F

: 0.05mol/L チオシアン酸アンモニウム標準溶液 1ml に相当する

銀の質量 (mg)

m

:  試料はかり採り量 (mg)


8

M 8115 : 1999

JIS M 8115

  原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

奥  谷  忠  夫

日本大学理工学部

揖  斐  敏  夫

通商産業省資源エネルギー庁

天  野      徹

工業技術院標準部

末  冨      巧

大蔵省造幣局東京支局

中  村      靖

株式会社ジャパンエナジー分析センター

永  井      巌

住友金属鉱山株式会社中央研究所分析セ

ンター

丹  野  一  雄

東邦亜鉛株式会社安中製錬所品質保証部

尾  上      喬

同和鉱業株式会社中央研究所

端      洋  志

三井金属鉱業株式会社総合研究所

(主査)

佐  山  恭  正

三菱マテリアル株式会社中央研究所分

析・材料試験研究部

因      幸二郎

財団法人日本規格協会技術部

(関係者)

束  原      巌

古河電気工業株式会社

塚  原  涼  一

住友金属鉱山株式会社

渡  辺  勝  明

住友金属鉱山株式会社

岩  崎  守  彦

三菱マテリアル株式会社

細  矢  一  仁

同和鉱業株式会社

村  井  幸  男

株式会社ジャパンエナジー分析センター

(事務局)

稲  垣  勝  彦

日本鉱業協会技術部

備考

:○印は本委員会及び分科会委員