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日本工業規格

JIS

 M

7612

-1993

軸流形電動機内装局部扇風機

Axial flow type local fans for mine

1.

適用範囲  この規格は,定格出力 55kW(

1

)

以下の交流誘導電動機を内装した軸流形局部扇風機(以下,

扇風機という。

)であって,鉱山,土木・建設地下工事現場,その他局部的に換気を必要とする場所に使用

する扇風機について規定する。

なお,取扱い気体は,−5∼40℃の空気とする。

(

1

)

電動機を2台内装している場合は,55kW を超えてもよい。

備考1.  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS B 0132

  送風機・圧縮機用語

JIS B 0905

  回転機械−剛性ロータの釣合い良さ

JIS B 8330

  送風機の試験及び検査方法

JIS C 0901

  炭鉱用電気機器の防爆構造

JIS C 0903

  一般用電気機器の防爆構造通則

JIS C 0905

  電力用電気機器の防爆構造

JIS C 4004

  回転電気機械通則

JIS C 4203

  一般用単相誘導電動機

JIS C 4210

  一般用低圧三相かご形誘導電動機

JIS C 6571

  電子機器用トグルスイッチ

JIS C 8304

  屋内用小形スイッチ類

JIS G 3101

  一般構造用圧延鋼材

JIS G 3141

  冷間圧延鋼板及び鋼帯

JIS G 5501

  ねずみ鋳鉄品

JIS H 5111

  青銅鋳物

JIS H 5202

  アルミニウム合金鋳物

2.

この規格の中で{  }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,参

考値である。

2.

用語の定義  この規格に用いる主な用語の定義は,JIS B 0132 による。

また,扇風機の各部の名称は,

付図 による。

3.

種類  扇風機の種類は,電動機の極数,扇風機の大きさ及び羽根車の段数によって表し表 のとおり

とする。大きさは扇風機の呼び径で表し,呼び径はケーシングの内径 100mm をもって 1 番とする。


2

M 7612-1993

表 1  種類

極数

扇風機の大きさ(番)

羽根車の段数

1

2

2

2

1

2

,3,

2

1

3

,4,

2

1

4

,5,

2

1

5

,6

2

1

4

4

2

1

4

,5,

2

1

5

,6,7,8,9,10

2

6 6

,7,8,9,10 1

備考  一般に三相交流誘導電動機が附属されるが,400W 以下の扇風

機には単相交流誘導電動機が附属されることもある。

4.

電動機の定格電圧及び定格周波数  電動機の定格電圧は 600V 以下で,原則として 100V,200V 又は

400V

とする。定格周波数は 50Hz 又は 60Hz とする。

5.

性能  扇風機の風量・全圧・軸動力・回転数・効率・騒音・振動は,次の事項を満足しなければなら

ない。

(1)

風量  扇風機の風量は,大きさに対して付図 2の範囲内でなければならない。

備考  図中,電動機出力は参考値である。

(2)

全圧  扇風機の全圧は規定風量に対して付図 2による。

(3)

軸動力  扇風機の軸動力は,JIS B 8330 による。

(4)

回転数  扇風機の回転数は,電動機の正常な電源状態における回転数とする。

(5)

効率  扇風機の全圧効率の最高値は,その最高値を示す風量で付図 の A 効率以上でなければならな

い。

また,規定風量における効率は,

付図 の B 効率以上でなければならない。

(6)

騒音  扇風機の騒音は使用範囲内で運転したとき,10.3(2)に規定する方法によって試験した値が付図

7

に示す値を超えてはならない。

(7)

振動  扇風機の振動は 10.3(1)に規定する方法で試験したとき,全振幅が 50

µm 以下でなければならな

い。

(8)

始動  電動機の始動は 10.4 に規定する方法で試験したとき,始動し,扇風機が異常なく運転できなけ

ればならない。

(9)

温度上昇  電動機の温度上昇は 10.3(3)に規定する方法で試験し,異常なく運転できなければならない。

6.

構造及び形状・寸法

6.1

扇風機の形状  扇風機の形状はフレヤ形,玉縁形及びフランジ形の 3 種類とする(付図 参照)。

6.2

回転方向  扇風機の回転方向は,吸込側から見て逆時計回りとする。ただし,2 段反転扇風機は除く。

6.3

扇風機の実口径  扇風機の実口径は,表 による。

表 2  扇風機の実口径

単位 mm

大きさ(番) 2

2

1

2

3

2

1

3

4

2

1

4

5

2

1

5

6

7

8 9 10

実口径(内径)  200 250 300 350 400 450 500 550 600 700 800 900 1

000

6.4

ケーシング  ケーシングは,次の事項を満足しなければならない。

(1)

ケーシングは真円度が良好で,円筒形をなし,電動機及びその軸端に強固に取り付けられた羽根車を


3

M 7612-1993

内装する構造とする。

内装部品は,半径方向及び軸方向に遊動しないように強固にボルト類で取り付けるものとする。

なお,ボルト・ナットで締め付けるときは緩み止めを施す。

(2)

ケーシングの真円度は,ケーシング内径の任意の円周上で 4 か所の等間隔の位置における直径の平均

値  (D)  に対して,その差は±0.0025とする。

(3)

ケーシングは原則として鋼板製溶接構造で,運転中だけでなく,運搬・移動に対しても変形,破損の

ないよう十分な強度をもつものとする。

(4)

ケーシングの板厚は,

表 による。

表 3  ケーシングの板厚

単位 mm

大きさ(番)

板厚

2

1.0

以上

2

1

2

,3

1.6

以上

2

1

3

2

1

5

2.3

以上

6

∼10

3.2

以上

(5)

吸込口・吐出し口にフランジを取り付けるもののフランジ面は平滑で,軸心に対して直角とする。3

番以下の小形扇風機の吸込口・吐出し口は,玉縁又はフレヤ形,

2

1

3

番以上の大形扇風機の吸込口・吐

出し口はフランジ形とする。ただし,小形でも鋼製風管に接続するものはフランジ形とする(

付図 1

参照)

(6)

ケーシングで,床・壁又は天井に取り付けるものは,全体の荷重に耐えるよう十分な強度をもつ脚を

備えるものとする。

(7)

内装電動機を支える案内羽根は十分な強度をもち,空気の流れを効率よく適正な方向に導くものとす

る。

(8)

内胴又は電動機に風圧回収用の尾筒を付けたものは,できるだけうず流れが発生しないように適正な

形状をもち,運搬,据付け及び運転中に振動や脱落を生じないよう,強固に固定する。

(9)

ケーシングには,運搬用のつり金具を取り付ける。つり金具は全質量を支えるのに必要十分な強度を

もつものとする。

(10)

ケーシング内径の寸法許容差は,

表 による。

表 4  ケーシング内径の寸法許容差

単位 mm

大きさ(番)

寸法許容差

2

2

1

2

±2.2

3

±2.5

2

1

3

,4

±2.8

2

1

4

,5

±3.0

2

1

5

,6

±3.5

7

,8

±4.0

9

,10

±4.5

6.5

羽根車  羽根車は精度よく製作され,十分な強度をもつものであって次の事項を満足しなければな

らない。

(1)

羽根車の形状精度は,羽根車の外周によるものとし,図面寸法又は角度に対して,

表 のとおりとす

る。


4

M 7612-1993

表 5  羽根車の精度

精度

項目

2

∼6 番

7

∼10 番

ピッチの誤差

%

±2

±5

羽根取付け角度誤差

°

±0.5

±1

弦長の誤差

%

±2

±2

入口・出口の軸方向の出入りは,

羽根車外径に対して

%

±1

±1

鋳造羽根厚さの誤差

±20%又は±1mm の
小さい方の値

±15%又は±2mm の
小さい方の値

加工のもの

                  0.2

                  0.3

羽 根 の 径 方 向
の振れ  mm

溶接のままのもの                   2

                  3

(2)

羽根車の釣合い良さは,JIS B 0905 の G6.3 以内であること。

(3)

羽根車のハブの長さは,穴径の 1.5 倍以上とする。

(4)

羽根車取付用ボルト又は止めナットは,座金又はその他の方法で必ず回り止めを施すこと。

(5)

羽根車のハブの両端面には,機械加工を施すこと。

6.6

電動機  電動機は,次の事項を満足するものとする。

(1)

電動機は原則として全閉形とし,炭鉱用の場合には JIS C 0901,土木・建設地下工事用の場合には JIS 

C 0903

及び JIS C 0905 の規定を満足するものとする。ただし,爆発性ガスが認められない場合には受

渡当事者間の協定によって JIS C 4004JIS C 4203 又は JIS C 4210 による電動機を使用してもよい。

(2)

扇風機の回転数は羽根車を付けたとき,危険速度の 70%以下とする。

(3)

電動機の軸及び軸受は,扇風機の羽根車の質量及びスラストを支えるのに十分な強度をもつものとす

る。

6.7

充電部  充電部及び導電部を締め付けるねじには緩み止めを施し,充電部が露出しない構造とする。

6.8

スイッチ  スイッチを取り付ける場合は,次による。

(1)

スイッチは原則として全閉形とし,炭鉱用の場合には JIS C 0901,土木・建設地下工事用の場合には,

JIS C 0905

を適用する。ただし,爆発性ガスが認められない場合には,受渡当事者間の協定によって

JIS C 6571

又は JIS C 8304 によるスイッチを使用してもよい。

(2)

スイッチを取り付ける箇所は,操作しやすく,かつ,接触又は振動のために不意に始動又は停止する

おそれのないものとする。

6.9

接地用端子  ケーシングには接地用端子を付ける。

7.

外観  扇風機の外観は,次の事項を満足しなければならない。

(1)

各部の仕上がりは良好で,使用上有害な傷,さびなどの欠点がないこと。

(2)

ケーシング表面には仕上塗装を,内面にはさび止め塗装を施す。

(3)

軸の仕上加工面には油脂又はその他の方法によってさび止めを施す。

8.

材料  各部に使用する材料は,表 又はこれと同等以上のものとする。


5

M 7612-1993

表 6  材料

部品名称

材料

ケーシング及び内胴

JIS G 3101

の SS400 又は JIS G 3141 の SPCD

案内羽根

JIS G 3101

の SS400 又は JIS G 3141 の SPCD

羽根車

JIS G 3101

の SS400,JIS G 3141 の SPCD,

JIS H 5202

の AC3A 又は合成樹脂

ブシュ

JIS G 5501

の FC150,JIS G 3101 の SS400 又

は JIS H 5111 の BC2

ボルト,ナット類

JIS G 3101

の SS400

9.

附属品

9.1

原則として吸込口金網を附属する。吸込口ベルマウスその他の附属品は,注文者の要求によって付

ける。

9.2

金網の補強骨は扇風機の大きさに応じて径 3∼9mm を使用し,

金網の線径及び網目開きの大きさは,

羽根車,案内羽根などを保護するとともに,危害予防に対し十分に安全なものとする。

なお,金網は,取付け・取外しが簡単なものとする。

10.

試験

10.1

扇風機の試験は,次の項目について行う。ただし,(6)(8)は受渡当事者間の協定によって,その一

部又は全部を省略することができる。

(1)

風量

(2)

全圧及び静圧

(3)

回転数

(4)

軸動力

(5)

運転状態(振動,騒音,温度上昇)

(6)

始動

(7)

絶縁抵抗

(8)

絶縁耐力

10.2

風量,全圧,静圧,回転数及び軸動力  扇風機の風量,全圧,静圧,回転数及び軸動力の試験は,

JIS B 8330

によって行い,性能曲線(多数ある場合は代表性能*曲線)を描く。

もし,規定風量に対して全圧及び軸動力が代表曲線に対して±5%以上の相違があるときは改めて性能試

験を行い,性能曲線を描く。いずれの場合もその風量範囲は

付図 2の範囲を,効率は付図 の A 及び

B

効率を満足し,軸動力は定格軸動力を超えてはならない。

*

代表性能とは,同一設計,同一機種の多数の扇風機を試験したときの平均性能をいう(

付図 8

参照)

10.3

運転状態  運転状態の試験は,次の項目について行う。

(1)

振動  振動試験は,扇風機の運転中に扇風機のケーシング中央部の外側で,振動の程度を調べる。

(2)

騒音  扇風機を使用範囲以内で運転した場合の騒音は,吸込側を開放した状態で,軸心上吸込フラン

ジから 1.0m 離れた点で測定し,

付図 に示す値を超えてはならない。

(3)

温度上昇  温度上昇試験は,扇風機の全負荷状態で,温度が一定になるまで運転した後,電動機・ケ

ーシング外側において,熱電対などを用いて測定する。ただし,この試験は同一設計の同一機種のも


6

M 7612-1993

のが多数ある場合には受渡当事者間の協定によって,抜取試験で試験してもよい。

10.4

始動  始動試験は扇風機が定格周波数で,定格電圧の±10%で異常なく始動することを調べる。

10.5

絶縁抵抗  絶縁抵抗試験は運転試験の前後において,直流 500V 絶縁抵抗計によって,充電部と非充

電部又はケーシングとの間の絶縁抵抗を調べる。

10.6

絶縁耐力  絶縁耐力試験は,温度試験の後の絶縁抵抗試験後,定格電圧が 150V 以下のものでは

1000V

,定格電圧が 150V を超えるものでは,1500V の 50Hz 又は 60Hz の正弦波に近い電圧を充電部と非

充電金属部又はケーシングとの間に,1 分間加えて調べる。ただし,試験台数が多数ある場合で判定に疑

義を生じない場合は,試験電圧の 120%の電圧を 1 秒間加えることによって,これに代えることができる。

11.

検査

11.1

性能検査  性能検査は 1 台ごとに行い,5.の規定を満足しなければならない。ただし,同一設計,同

一機種が多数ある場合はロットごとに抜取検査を行い,その他は運転検査だけでよい。

なお,抜取検査の方法は受渡当事者間の協定による。

11.2

構造検査  構造検査は抜取検査を行い,6.の規定に適合しなければならない。

11.3

外観検査  外観検査は 1 台ごとに行い,7.の規定に適合しなければならない。

12.

製品の呼び方  製品の呼び方は,規格番号及び名称又は略号 (LFA),扇風機の大きさ,段数,電動機

周波数,極数及び定格電圧による。

1. 

2.

13.

表示  扇風機には回転方向と通気方向とを見やすいところに明示し,次の事項を表示した銘板を付け

なければならない。

(1)

名称

(2)

大きさ

(3)

風量・静圧

(4)

相数

(5)

定格周波数

(6)

定格出力

(7)

定格電圧

(8)

全負荷電流

(9)

極数

(10)

製造業者名又は略号

(11)

製造年及び製造番号

(12)

注意事項

銘板にはこの試験に合格した使用最小風量とそのときの全圧,及び使用最大風量とそのときの全圧との


7

M 7612-1993

2

点表示としてもよい。この場合は,原則として注文者の規定風量及び全圧を記入しない。

14.

運転上の注意事項  製品には,その性能曲線又は代表性能曲線(付図 参照),検査合格証及び次の事

項を記載した取扱説明書を添付しなければならない。

(1)

設置場所と設置方法

(2)

使用上の注意事項(例えば風管の取付方法)

(3)

運転上の注意事項

(4)

附属品の取付け・取外し方法

(5)

連絡先


8

M 76

12-19

93

付図 1  軸流形局部扇風機(電動機内装)断面図


9

M 7612-1993

付図 2  扇風機の風量及び全圧 (50Hz 4P)

備考  風量の範囲は受渡当事者間の協定によって最小風量の 63%,最大風量の 125%まで広げてもよい。


10

M 7612-1993

付図 3  扇風機の風量及び全圧 (60Hz 4P)

備考  風量の範囲は受渡当事者間の協定によって最小風量の 63%,最大風量の 125%まで広げてもよい。


11

M 7612-1993

付図 4  扇風機の風量及び全圧 (50Hz 6P・2P)

備考  風量の範囲は受渡当事者間の協定によって最小風量の 63%,最大風量の 125%まで広げてもよい。

* No.2

2

1

2

の 2 段形はない。


12

M 7612-1993

付図 5  扇風機の風量及び全圧  (60Hz 6P・2P)

備考  風量の範囲は受渡当事者間の協定によって最小風量の 63%,最大風量の 125%まで広げてもよい。 
* No.2

2

1

2

の 2 段形はない。


13

M 7612-1993

付図 6  効率

付図 7  騒音曲線 

(最高効率点)


14

M 7612-1993

付図 8  性能曲線

備考

は 2 点表示の要項の例を示す。


15

M 7612-1993

鉱山部会  局部扇風機専門委員会  構成表(昭和 52 年 12 月 1 日改正のとき)

氏名

所属

(委員会長)

中  條  徳三郎

荏原製作所(日本産業機械工業会)

房  村  信  雄

早稲田大学理工学部

杉  山      弘

通商産業省機械情報産業局

清  滝  昌三郎

通商産業省立地公害局

嶋  田  勝  弘

通商産業省立地公害局

高  瀬  郁  弥

資源エネルギー庁石炭部

帆  足  万  里

工業技術院標準部

高  木  英  夫

工業技術院公害資源研究所

吉  野  久  義

西松建設株式会社機械部

白  井      隆

日本石炭協会技術部

小笠原  三  郎

三井石炭鉱業株式会社本店生産部

宮  崎  清  二

三菱石炭鉱業株式会社技術部

工  藤  利  秋

北海道炭礦汽船株式会社技術部

越  智      功

日本鉱業協会

野  原      博

財団法人石炭技術研究所

山  田  良  隆

株式会社間組

後  藤  良  平

大成建設株式会社工務本部機械部

寺  沢  正  義

労働省産業安全研究所電気研究部

伊  藤      浩

建設大臣官房官庁営繕部

安  部      績

株式会社三井三池製作所

永  島  敏  雄

株式会社日立製作所習志野工場海老名分工場

北  原  発  城

昭和電機株式会社製造部

古  田  幹  雄

フルタ電機株式会社

於  保  秋  次

西部電機工業株式会社

押  田  良  輝

荏原製作所

忠  平  健  一

大成建設株式会社技術本部技術研究所

斉  藤  宗三郎

財団法人船舶標準協会

鞍  掛      素

日本鉱業協会技術部

高  橋      久

西松建設株式会社機械部

山  梨  晃  一

資源エネルギー庁石炭部

(事務局)

黒  河  亀千代

工業技術院標準部材料規格課

(事務局)

宮  本  幸  夫

工業技術院標準部材料規格課

(平成 5 年 7 月 1 日改正のとき)

小  嶋      誠

工業技術院標準部材料規格課

(平成 5 年 7 月 1 日改正のとき)