>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

日本工業規格

JIS

 M

1003

-1957

石灰石鉱量計算基準

1.

総則

1.1

適用範囲  この規格は石灰石・ドロマイトおよびケイ石の鉱量計算について規定する。

備考  ドロマイトおよびケイ石は産状によっては J. M 1001 を適用する。

2.

鉱量の定義

2.1

鉱量はすべて理論可採埋蔵鉱量と可採粗鉱量で表わし,その定義はつぎのとおりとする。

2.1.1

理論可採埋蔵鉱量とは地質学的に鉱床の存在が認められる範囲において,鉱床の天然の露頭周辺

(

1

)

から鉱床内に向い水平面に対し 75 度以下の傾きをもってできる面の上方に包含される部分の質量をい

う。

(

1

)

露頭周辺は後出2.2.1(1)で規定された分布線であることを必要とする。ただし2.2.3で規定され

た予想鉱量の場合に限り,分布線の認定には10m 以内間隔の露頭または試スイによって鉱床の

存在を確認しなくとも,地質学的資料によってこれを確認してもよい。この場合には確認した

地質学的資料を明示しなければならない。

2.1.2

可採粗鉱量とは理論可採埋蔵鉱量のうちから実際の採鉱により出鉱すべき粗鉱の質量をいう。

2.2

理論可採埋蔵鉱量および可採粗鉱量はこれを確定・推定および予想の 3 種類に分け,その定義はつ

ぎのとおりとする。

2.2.1

確定鉱量とは適当な区画により容積が確認された鉱量をいう。

(1)

適当な区画とは分布線または坑・単位確定面および確定面によって形成された容積をいう。

備考1.  分布線とは連続した露頭よりなる線をいう。ただし露頭または試スイその他の方法で10m 間

隔以内に鉱床の存在が確認されたものは連続した露頭とみなす。坑とは坑道・坑井および試

スイ孔などで,ほぼ連続して鉱石が露出または確認されたものをいう。

2.

単位確定面とは分布線に囲まれた範囲をいい,その面積は 1000m

2

以内とする。ただし 60m

以内に 2 坑があり,これがほぼ 1 平面内にある場合は 4000m

2

以内の面積に限り単位確定面と

みなすことができる。

3.

確定面とは単位確定面が連続して単純な形に組合わされた面をいう。

(2)

確定鉱量の容積はつぎのとおりとする。

(イ)  相接する 2 単位確定面により形成される容積。

(ロ)  連続した 3 単位確定面により形成される容積。

(ハ)  1 確定面とこれに交わる 1 坑上の 1 点により形成される容積。ただし坑上の 1 点とは確定面よ

り 60m 以内の距離にあるものとする。

(ニ)  1 確定面とこれに交わらない 1 坑の一部で形成される容積。ただし坑の一部とは確定面から 60m


2

M 1003-1957

以内の距離にあって,この面を底とする直立トウ内にあるものとする。

(ホ)  相交わらない 2 確定面により形成される容積。ただしこの 2 面間の距離は 60m 以内とする。

(ヘ)  相交わる確定面がある場合はおのおのの確定面より 30m 以内の厚サの容積。

(ト)  3 面が 1 点に交わる 4 確定面によって形成される容積。

2.2.2

推定鉱量とは適当な区画により容積が推定される鉱量をいう。

(1)

適当な区画とは分布線または坑・単位推定面および推定面によって形成された容積をいう。

備考1.  単位推定面とは分布線に囲まれた範囲をいい,その面積は4000m

2

以内とする。ただし120m

以内に2坑があり,これがほぼ1平面内にある場合は16000m

2

以内の面積に限り単位推定面と

みなすことができる。

2.

推定面とは単位推定面が連続して単純な形に組合わされた面をいう。

(2)

推定鉱量の容積はつぎのとおりとする。

(イ)  相接する 2 単位推定面により形成される容積。

(ロ)  連続した 3 単位推定面により形成される容積。

(ハ)  1 推定面とこれに交わる 1 坑上の 1 点により形成される容積。ただし坑上の 1 点とは推定面よ

り 120m 以内の距離にあるものとする。

(ニ)  1 推定面とこれに交わらない 1 坑の一部で形成される容積。ただし坑の一部とは推定面から

120m

以内の距離にあって,この面を底とする直立トウ内にあるものとする。

(ホ)  相交わらない 2 推定面により形成される容積。ただしこの 2 面間の距離は 120m 以内とする。

(へ)  相交わる推定面がある場合はおのおのの推定面より 60m 以内の厚サの容積。

(卜)  3 面が 1 点に交わる 4 推定面によって形成される容積。

2.2.3

予想鉱量とは確定鉱量および推定鉱量以外の鉱量をいう。

3.

地質状況

3.1

鉱床中のキョウ雑層(各種水成岩および脈岩)の厚サ 15m 以上の場合はその鉱床はキョウ雑層によ

り分断されたものとみなし,別鉱床として取扱う。ただし採鉱当事者にてこのキョウ雑層を除去する計画

のある場合はこの限りでない。

3.2

鉱床の周辺より 100m 以内に火成岩が存在する場合は 2.2.1 (2)および 2.2.2 (2)に表示した距離は

60%

,面積は 40%以下とする。また 2.2.3 の容積は 50%以下とするが,試スイその他により鉱床の存在が確

認された場合はこの限りでない。

4.

鉱量の表示と調査精度

4.1

鉱量を記載する様式は

表 のとおりとし,理論可採埋蔵鉱量および可採粗鉱量をそれぞれ確定・推

定および予想の各鉱量別に作成する。

4.2

鉱量を品位によって分類する必要のある場合は

表 の品位の標準分類区分を用いる。

4.3

計算の基礎は明示し,計算方法はリョウ体公式 (Prismoidal formula) を用いることが望ましい。

4.4

鉱量の表示には必ず鉱床図を添付し,鉱床図には調査ルート・分析試料採取地点・調査に使用した

地形図の測量方法および縮尺などを記載する。

5.

試料の採取

5.1

試料の採取方法はつぎの 2 とおりとする。


3

M 1003-1957

5.1.1

試料の採取は鉱床の全ボウを表わす線上の新鮮な露出面で適当な間隔をおいて行なう。ただし試ス

イ孔および坑道などから得られた鉱石を試料にかえてもよい。

5.1.2

石灰石を原料として使用する工場などにおいては使用するさいの試料をも採取する。

6.

化学成分および物理的性質の表示

6.1

化学成分(4.2 に規定する品位も含む)は 5.の規定により採取された試料の化学分析によってこれを

定める。

6.2

物理的性質はチ密質・結晶質の別と地山 1m

3

の質量で示す。

6.2.1

チ密質・結晶質の別は石灰石とドロマイトだけに適用する。

6.2.2

地山 1m

3

の質量は見掛比重の測定により定める。

6.3

化学成分および物理的性質の表示様式は

表 による。


4

M 1003-1957

表 1  鉱量記載の様式

表 2  品位の標準分類区分

鉱種

単位

品位

石灰石 CaO

% 40.0

∼46.9

47.0

∼51.9

52.0

∼53.9

54.0

∼54.9 55.0 以上

ドロマイト MgO

%  15.0

∼16.9

17.0

∼18.9

19.0

∼20.9

21.0

以上

ケイ石 SiO

2

% 89.9

以下

    90

∼94.9

  95

∼97.9

98

以上


5

M 1003-1957

表 3  化学成分および物理的性質の表示様式


6

M 1003-1957

鉱山部会  鉱量計算基準専門委員会  構成表

氏名

所属

(委員会長)

西  尾      滋

東京大学

藤  本  治  義

東京教育大学

佐  藤  源  郎

工業技術院地質調査所

小  泉      進

通商産業省鉱山局

大  木      恒

通商産業省鉱山保安局

東      宣  夫

日本鉱業協会

堀  越  義  一

三井金属鉱業株式会社

菅      清  康

三菱金属鉱業株式会社

本  多  共  之

日本鉱業株式会社

野  田  真三郎

住友金属鉱山株式会社

竹  内  英  雄

古河鉱業株式会社

鈴  木  善  照

同和鉱業株式会社

村  岡      誠

松尾鉱業株式会社

福  地  成  治

日鉄鉱業株式会社

三  浦  博  雅

中外鉱業株式会社

阿  部      顕

石原産業株式会社

太  田      恭

日本セメント株式会社

白  石      豊

小野田セメント株式会社

杉  浦  益  彦

磐城セメント株式会社

斎  藤  秀  郎

秩父セメント株式会社

江  原  栄太郎

石灰石鉱業協会

中  島  重  喜

工業技術院標準部

前  田      浩

通商産業省鉱山局

吉  田  国  夫

通商産業省鉱山局

木  村      正

工業技術院地質調査所

安  斎  俊  男

工業技術院地質調査所

田  中  隆一郎

日本規格協会

(事務局)

長  沢      満

工業技術院標準部材料規格課