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日本工業規格

JIS

 M

1002-

1978

炭量計算基準

Calculation of Coal Reserves

1.

総則

1.1

適用範囲  この規格は,石炭(いわゆる亜炭を含む)の鉱床における炭量計算について規定する。

備考  この規格の中で  {  }  を付けて示してある単位及び数値は国際単位系 (SI) によるものであっ

て,参考として併記したものである。

1.2

炭量計算上の原則  炭量は確認された炭層を基礎とし,その確認位置から遠ざかるにつれて確実度

が減ずるものとする。

1.3

適用上の注意  この規格の適用に当たっては,それぞれの区域の地質・炭層・採掘上の特殊事情は

もちろん,その他経済的価値について十分に考慮するものとする。

2.

炭量の種別及び定義

2.1

炭量の種別  炭量を,主として確実度に応じて確定炭量・推定炭量及び予想炭量の 3 種に分け,こ

れらを賦存深度により第 1 類と第 2 類とに区分する。ただし,確定炭量第 1 類については,更にこれを甲

及び乙に分ける。

2.2

確定炭量第 類甲  開発区域内で卸,片盤坑道など坑内において炭層の 2 面以上を確認した範囲内

の炭量をいう。ただし,確認された面の長さが 1km 以上の場合は,1km を超えた部分による区域について

は,甲として計算しない。

2.3

確定炭量第 類乙  未開発区域又は開発区域の 2.2 で規定された確定炭量第 1 類甲に接続する区域で

露頭・坑内・試すいの資料から炭層の賦存が確実とみなされる区域内の炭量で,現在の採掘限界深度内に

あるものをいい,2.2 に比べてやや確実度が低いものである。

2.4

確定炭量第 類  確実度においては 2.3 で規定された確定炭量第 1 類乙に属するが,賦存深度が現在

の採掘限界深度以上で,将来の採掘限界深度内にあるものをいう。

2.5

推定炭量第 類  2.3 で規定された確定炭量第 1 類乙に接続する区域で露頭・坑内・試すいその他の

資料から,地質構造上炭層の賦存が推定される区域内の炭量で,現在の採掘限界深度内にあるものをいい,

2.3

に比べて確実度が低いものである。

2.6

推定炭量第 類  確実度においては 2.5 で規定された推定炭量第 1 類に属するが,賦存深度が現在の

採掘限界深度以上で,将来の採掘限界深度内にあるものをいう。

2.7

予想炭量第 類  2.5 で規定された推定炭量第 1 類に接続する区域で露頭,坑内,試すい,物理探査

その他の資料から,地質層序及び地質構造上炭層の賦存が予想される区域の炭量で,現在の採掘限界深度

内にあるものをいい,2.5 に比べて確実度が低いものである。

2.8

予想炭量第 類  確実度においては 2.7 で規定された予想炭量第 1 類に属するが,賦存深度が現在の

採掘限界深度以上で,将来の採掘限界深度内にあるものをいう。


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2.9

理論埋蔵炭量  理論的に算出された埋蔵炭量(以下,理論埋蔵炭量という。)を,採掘の可能性に

より,理論可採埋蔵炭量と,理論不可掘埋蔵炭量とに分ける。

2.10

理論可採埋蔵炭量  採掘可能区域の埋蔵炭量をいう。

2.11

理論不可掘埋蔵炭量  公害地及びこれに準ずる区域・鉱区間隔地などのうち,採掘不可能区域の

埋蔵炭量をいう。

2.12

安全炭量  2.2 で規定された確定炭量第 1 類甲及び 2.3 で規定された確定炭量第 1 類乙の確定炭量

第 1 類の理論可採埋蔵炭量のうち,調査の精度及び地質炭層上の諸条件に基づく減少を見込んだ採掘の

対象になる炭量をいい,これと理論可採埋蔵炭量との比率を百分率で表したものを安全率という。

2.13

実収炭量  安全炭量のうち実際に採掘し得る炭量。これと安全炭量との比率を百分率で表したも

のを実収率という。

3.

炭量算定の基準

3.1

炭たけによる計算上の制限  炭層中の石炭部分の厚さ(以下,これを炭たけという。)が 30cm 未

満のものは炭量に計算しない。ただし,経済的に採掘可能なものはこの限りではない。

3.2

炭たけによる炭層の区分  炭たけ 30cm 以上の炭層を表 のとおり 3 級に分類する。

表 1

級別

炭たけ  cm

1

級 100 以上

2

級 60 以上  100 未満

3

級 30 以上      60 未満

3.3

山たけ・炭たけの比率による計算上の制限  炭層の採掘部分の厚さ(以下,山たけという。)のう

ち,炭たけの割合が 50%以下のものは原則として炭量に計算しない。ただし,経済的に採掘可能なもの

はこの限りではない。

3.4

炭質による分類  炭質については,表 に示す分類により炭量を計算する。


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表 2

分  類

炭  質

区  分

発熱量(

1

)

(補正無水無灰基)

kcal/kg {kJ/kg}

燃料比

粘結性

備  考

A

1

無煙炭

(A)

A

2

4.0

以上

非粘結

火山岩の作用で生じたせん石

B

1

 1.5

以上

B

2

8400

以上

{35160

以上}

1.5

未満

強粘結

歴青炭

(B, C)

C

8100

以上 8400 未満

{33910 以上 35160 未満}

粘  結

D

7800

以上 8100 未満

{32650 以上 33910 未満}

弱粘結

亜歴青炭

(D, E)

E

7300

以上 7800 未満

{30560 以上 32650 未満}

非粘結

F

1

6800

以上 7300 未満

{29470 以上 30560 未満}

かっ炭

(F)

F

2

5800

以上 6800 未満

{24280 以上 29470 未満}

非粘結

(

1

)

発熱量(補正無水無灰基)=

率分−水分

100−灰分補正

発熱量

×

×100

ただし,灰分補正率は配炭公団の方式による。(参考文献:昭和 24 年 4 月配炭公団技術局編技術

資料第 2 輯及び石炭局編炭量計算基準解説書)

3.5

炭質による計算上の制限  炭量に計算し得る石炭の品位は,経済的に採掘可能な範囲内にあるこ

とを必要とする。炭質が

表 においてかっ炭 (F) に属するもので,炭たけの 3 級のものについては,原

則として炭量に計算しない。

3.6

標準炭層  炭たけが 1 級で,炭質が無煙炭 (A),歴青炭(B 及び C)及び亜歴青炭(D 及び E)に

属するものを標準炭層と呼び,この規格においては,これについての計算方法を標準として,他の薄層

及び炭質 (F) の炭層についての計算方法を規定するものとする。

3.7

第 類炭量の採掘限界深度  2.2 で規定された確定炭量第 1 類甲,2.3 で規定された確定炭量第 1

類乙,2.5 で規定された推定炭量第 1 類及び 2.7 で規定された予想炭量第 1 類の第 1 類炭量における現在

の採掘限界深度は,標準炭層について排水準下 600m を超えることはできない。ただし,開発区域で抗

内が 300m を超え深部開発が可能と考えられるときは,この限界深度を 300m 増すことができる。同様

の操作を坑内発展 300m ごとに行う。ここでいう排水準とは,開発区域では坑口水準,未開発区域では

予定坑口水準をさす。

3.8

第 類炭量の採掘限界深度  2.4 で規定された確定炭量第 2 類,2.6 で規定された推定炭量第 2 類

及び 2.8 で規定された予想炭量第 2 類の第 2 類炭量における将来の採掘限界深度は,標準炭層について

は排水準下 1200m を超えることはできない。

3.9

炭たけによる採掘限界深度の逓減  炭たけが 2 級及び 3 級の炭層の場合は,表 に示すとおり 3.6

で規定された標準炭層及び 3.7 で規定された第 1 類炭量の採掘限界深度における各々の採掘限界深度を

標準炭層の場合のそれぞれ

4

3

及び

2

1

とする。

3.10

炭質による採掘限界深度の逓減  炭質がかっ炭 (F) のものについては,表 に示すとおり,3.9(炭

たけによる採掘限界深度の逓減)の採掘限界深度を亜歴青炭 (E) 以上のもののそれぞれ

2

1

とする。


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表 3

採掘限界深度(排水準下)m

炭  質

炭たけ

確定,推定,予想

炭量各第 1 類

確定,推定,予想

炭量各第 2 類

無  煙  炭 (A)

1

級 600

1200

歴  青  炭 (B, C)

2

級 450

900

亜歴青炭 (D, E)

3

級 300

600

1

級 300

600

かっ炭 (F)

2

級 230

450

備考  1 位はすべて四捨五入法による。

4

炭量計算法

4.1

炭層確認の状況  炭量計算は,炭層の確認の状況により,次の 3 通りの場合に分けて規定する。

(1)

炭層が露頭又は坑内で線状に確認された場合(この線を確認線という。

(2)

炭層が試すいにより,点として確認された場合(この点を確認点という。

(3)

前各号における 2 個以上の資料による各種炭量計算区域が重複する場合

4.2

炭量計算方式  4.1 で規定された炭層確認の状況の(1)における炭量計算範囲は,炭層の確認された

長さ(以下,確認距離という。

)基礎として定め,

図 に示すように炭層の傾斜が 30 度未満の場合は,

走向に直角な傾斜方向の沿層距離によって規定する方法(以下,斜距離法という。

)により,30 度以上

の場合は,炭層の賦存深度によって規定する方法(以下,深度法という。

)による。

図 1

4.3

斜距離法  斜距離法においては,標準炭層の場合図 に示すように確認走向距離と炭層の傾斜方

向にとられた等距離とのなす正方形及び走向の延長方向に対して確認線の両端から各々500m をとり,

これと正方形の両端を結んだ区域を合わせた区域を炭量計算区域とし,

これを

図 のとおりに 2 分して,

それぞれ確定炭量及び推定炭量の計算区域とする。確認走向距離が 500m 未満の場合は,

図 に示すよ

うに炭層の傾斜方向に 500m の距離をとり,計算区域を定める。


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図 2

図 3

4.4

深度法  深度法においては,標準炭層の場合図 により確認走向距離に比例させて計算範囲の深

度を定め,そのく形及び走向の延長方向に対して 4.3 で規定された斜距離法と同様に,確認線の両端か

ら各々500m をとり,これとく形の両端を結んだ区域を合わせた区域を炭量計算区域とし,これを 4.3 

同様に 2 分して,それぞれ確定炭量及び推定炭量の計算区域とする。確認走向距離が 500m 未満の場合

は 4.3 に準じて扱う。

4.5

未開発区域で確認線が長い場合  露頭のみによる確認の場合(以下,露頭確認線という。)は,図

4

に示すように確認走向距離が 1km までは 4.3 で規定された斜距離法又は 4.4 で規定された深度法の方

法によるが,1km 以上 3km までの場合は,1km を超える分の

2

1

を 1km に加えたものを傾斜方向にとり,

4.3

又は 4.4 の方法に準じて傾斜方向及び走向方向の計算範囲を定める。ただし,この場合確認走向距離

が 3km を超える場合は,傾斜方向の範囲はすべて 3km の場合と同様に扱う。

4.6

開発区域で確認線が長い場合  坑道,切羽など坑内における確認の場合(以下,坑内確認線とい

う。)は,

図 に示すように確認走向距離 3km までは 4.3 で規定された斜距離法又は 4.4 で規定された深

度法の方法によるが,3km 以上 6km までの場合は,3km を超える分の

2

1

を 3km に加えたものを傾斜方向

にとり,4.3 又は 4.4 の方法に準じて傾斜方向及び走向方向の計算範囲を定める。ただし,この場合確認

走向距離が 6km を超える場合は,傾斜方向の範囲はすべて 6km の場合と同様に扱う。

4.7

確認線が走向方向と一致しない場合  確認線が走向方向と一致しない場合は,確認線及び確認距

離を基準としてそれぞれの場合に応じて,4.3 で規定された斜距離法,4.4 で規定された深度法,4.5 

規定された未開発区域で確認線が長い場合又は 4.6 で規定された開発区域で確認線が長い場合の計算方

法による。


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図 4  未開発区域(深度法:傾斜 30 度の場合の平面図)

4.8

確認点による計算範囲  確認点による計算範囲の規定は,図 に示すように標準炭層については

確認点から炭層面上に 250m まで,及び 250∼500m までの範囲内を,それぞれ確定炭量及び推定炭量の

計算区域とする。ただし炭層の傾斜が 30 度以上のときは,炭層の傾斜方向の計算範囲を

表 に示すとお

りに逓減するものとする。


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表 4

図 6

4.9

確認点が他の確認線による推定区域内にある場合  この場合,重複した推定区域は確定区域とす

る。

4.10  4.9

で規定された確認点が他の確認線による推定区域内にある場合のとき,確認線が 1km 以内の

場合  この場合図 7(1)及び図 8(1)に示すように,重複した推定区域と,確認点による確定区域とを結ん

だ範囲を確定区域とする。

4.11  4.9

で規定された確認点が他の確認線による推定区域内にある場合のとき,確認点が確認線による

確定と推定の両区域の境界線から 1km 以内にある場合  この場合,図 7(2)(3)(4)及び図 8(2)に示す

とおり,境界線からの距離(

図中 a)の 2 倍を境界線上にとり,これと確認点による推定区域とを結ん

だ範囲を確定区域とする。

4.12  4.9

で規定された確認点が他の確認線による推定区域内にある場合のとき,確認点による推定区域

が他の確認線による推定区域の外に出る場合  この場合,図 7(1)(3)(4)及び図 8(1)(3)(4)に示す

とおり後者の推定と予想の両区域の境界線からの距離(

図中 b)の 4 倍を境界線上にとり,これと確認

点による推定区域を結ぶ範囲を推定区域とする。

4.13

確認点が他の確認線による炭量計算区域外にある場合  この場合,別個に計算を行う。

4.14  2

個以上の確認点により各々の炭量計算範囲が重複する場合  この場合,重複による炭量区分の変

更は原則として行わない。例えば 3 個の試すいにより構成される確定区域を得るためには,

図 に示す

とおり各試すいの間隔は 500m 以内であることを必要とする。


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図 7  未開発区域(深度法:傾斜 30 度の場合の平面図)

図 8  開発区域(深度法:傾斜 30 度の場合の平面図)

図 9


9

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4.15

確認線による推定区域内に他の確認線がある場合  この場合,重複した推定区域を確定区域とし,

その他計算区域の決定方法は,おおむね 4.10 で規定された確認点が他の確認距離 1km 以内の確認線に

よる推定区域内にある場合,4.11 で規定された確認点が他の確認線による確定・推定両区域の境界線か

ら 1km 以内にある場合,4.12 で規定された確認点による推定区域が他の確認線の推定区域外に出る場合

及び 4.13 で規定された確認点が他の確認線による炭量計算区域外にある場合の規定に準ずる。

4.16

炭たけによる計算距離の逓減  炭たけが 2 級及び 3 級の場合は,表 に示すとおり,4.3 で規定さ

れた斜距離法又は 4.4 で規定された深度法及び 4.8 で規定された確認点による計算範囲における計算距

離を 3.9 で規定された炭たけによる採掘限界深度の逓減の規定に準じ,標準炭層の場合のそれぞれ

4

3

2

1

とする。

4.17

共  存  異なった級の厚さの炭層が共存する場合は,3.9 で規定された炭たけによる採掘限界深度

の逓減及び 4.16 で規定された炭たけによる計算距離の逓減の規定について,実情に即して下級の炭層に

ついても共存する他の上級の炭層についての規定を採用することができる。

表 5

単位 m

確認距離(1000m の場合)

斜距離(傾斜 30 度未満) 深度(傾斜 30 度以上)

試すい点からの距離

(傾斜 30 度未満)

炭  質

炭たけ

確  定

推  定

確  定

推  定

確  定

推  定

無  煙  炭 (A)

1

0

∼500 501∼1000

0

∼250 251∼500

0

∼250 251∼500

歴  青  炭 (B, C)

2

0

∼380 381∼ 750

0

∼190 191∼380

0

∼190 191∼380

亜歴青炭 (D, E)

3

0

∼250 251∼ 500

0

∼130 131∼250

0

∼130 131∼250

1

0

∼250 251∼ 500

0

∼130 131∼250

0

∼130 131∼250

か  っ  炭 (F)

2

0

∼190 191∼ 380

0

∼100 101∼190

0

∼100 101∼190

備考  1 位はすべて四捨五入法による。

4.18

炭質による計算距離の逓減  炭質がかっ炭 (F) のものについては,表 に示すとおり,4.16 で規

定された炭たけによる計算距離の逓減における計算距離を 3.10 で規定された炭質による採掘限界深度

の逓減の規定に準じ,亜歴青炭 (D,E)  以上のもののそれぞれ

2

1

とする。

4.19

計算区域の取り方の注意  確認点又は確認線の取り方によって計算区域が異なる場合は,上記規

定に矛盾しない限り,適当な計算区域を採用することができる。

5.

炭量計算表の様式

5.1

炭量計算表の様式  炭量計算表の様式は,表 及び表 に示すとおりとする。


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表 6  炭鉱炭属別炭量計算総括表

備考1.  可採埋蔵炭量 (A) から左の項,すなわち炭たけから斜面積までの項は,可採埋蔵炭量の内容を示

すもので,不可掘埋蔵炭量は炭量だけを掲げる。

2.

新区域の場合は,表題の○○炭鉱の代わりに適当な名称をつける。

3

 炭層名記入の順序は,層位の上のものから上段に記入する。