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1

M 0202 : 1999

(1) 

まえがき

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日

本工業規格である。これによって JIS M 0202 : 1987 は改正され,この規格に置き換えられる。


日本工業規格

JIS

 M

0202

: 1999

坑水・廃水試験方法

Testing methods for mine water and/or waste water

1.

適用範囲  この規格は,鉱山(附属施設を含む。ただし,石炭及び石油鉱山を除く。)の坑水・廃水(以

下,坑水・廃水という。

)の試験方法について規定する。

備考1.  坑水とは,鉱物を掘採するために掘削した地下からゆう(湧)出する水をいう。

2.

廃水とは,選鉱場,製錬所などにおいて使用した後に廃棄される水及び捨石(ずりを含む)・

鉱さいのたい積場から流出する水をいう。

3.

この規格は,坑水・廃水の処理施設から排出される水についても適用する。

2.

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。

JIS K 0016

  鉄標準液

JIS K 0094

  工業用水・工場排水の試料採取方法

JIS K 0101

  工業用水試験方法

JIS K 0102

  工場排水試験方法

JIS K 0557

  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 8005

  容量分析用標準物質

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具

JIS R 3505

  ガラス製体積計

JIS Z 8102

  物体色の色名

3.

共通事項  共通事項は,次による。

a)

定量範囲  それぞれの試験方法に示してある定量範囲は,最終溶液中の質量 (mg) で表示してある。

ただし,フレーム原子吸光法,ICP 発光分光分析法,イオン電極法,イオンクロマトグラフ法及び溶

存酸素の試験方法については,最終溶液中の濃度 (mg/L) で表示してある。

なお,装置,測定条件によって定量範囲が異なるときは,そのことを付記してある。

b)

分析精度  分析精度は,それぞれの試験方法の定量範囲において繰返し試験で求めた変動係数(

1

)

で示

す。

(

1

)

変動係数 (%) =

100

×

x

s

ここに,

s

:  標準偏差

x

:  平均値


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c)

水  この規格で用いる水は,JIS K 0557 に規定する A1 から A4 の水とするが,項目中で規定されてい

る場合には,それに従う。

d)

試薬

1)

試薬は,JIS K 0102 に指定されたものを用いる。

なお,規格品がない場合は,試験に支障のないものを用いる。

標準液類の標定には,JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質を用いる。

2)

試薬類の調製において,溶液名の後に括弧で示される濃度は,概略の濃度であることを意味する。

例えば,水酸化ナトリウム溶液 (0.1mol/L) は約 0.1mol/L の水酸化ナトリウム溶液の濃度であるこ

とを示す。また,溶液名の前に示される濃度は,正確な濃度を意味する。ただし,一般には,端数

のない数値で示し,別にファクターを求めておく。

3)

試薬類の調製に用いる水は c)の水とするが,それぞれの項目中で規定されている場合は,それに従

う。

4)

標準液を薄めて標準液を調製する場合には,10ml 以上を全量ピペットでとる。

5)

試薬類の名称は,できるだけ国際純正及び応用化学連合 (IUPAC) の無機化学命名法及び有機化学

命名法を基にして,社団法人日本化学会が定めた化合物命名法による。

6)

試薬類の廃液などの取扱いについては,関係法令規則等に従い十分に注意すること。

e)

ガラス器具類  ガラス器具類は,特に断らない限り JIS R 3503 及び JIS R 3505 に規定されているもの

を使用することとする。ただし,特殊な器具を必要とする場合には,それぞれの項目に,その一例を

図示又は説明してある。

備考  ひ素,亜鉛などを試験する場合には,ほうけい酸ガラスからこれらの成分の溶出に注意する。

f)

吸光度の測定(吸光光度法)  吸収セルについて記載がない場合には,光路長が 10mm のものを用い

る。

g)

検量線(吸光光度法,原子吸光法及び ICP 発光分光分析法)  検量線の作成に当たっては,試験方法

に示される定量範囲内を 4∼6 段階に分け,これに一致するように標準液をとる。検量線は,定量範囲

内についてだけ作成する。吸光光度法においては,

あらかじめ作成した検量線を用いることができる。

原子吸光法及び ICP 発光分光分析法においては,試験に際して新たに作成した検量線を用い,同一

金属を多量の試料について試験する場合には,試験の途中において適宜標準液を用いて吸光度又は発

光強度の確認を行う。

h)

注,備考及び表  注,備考及び表は,各項目ごとに一連番号を付ける。

4.

試料  この試験方法でいう試料とは,各種の試験を行うために採取した水をいい,採取した現場の水

(以下,現場の水という。

)の性質を代表するものでなければならない。試料は,あらかじめ清浄にした試

料容器を更に現場の水で洗浄したものに入れ,ほとんど満水にし,密栓して試験室に運び,速やかに試験

を行わなければならない。

a)

試料採取  試料採取は,試験の目的を十分に理解し,対象とする坑水・廃水の状況,すなわち操業,

季節的・時間的なことを考慮して,試験目的と一致するような現場の水の性質を代表する試料を採取

するように,十分に注意しなければならない。水質が変動するおそれのある場合には,必要に応じて

坑水・廃水の実態を正しく知ることができるように,採取回数を多くしなければならない。

1)

試料採取地点  試料採取地点とは,試験目的に合致する必要条件を満足させる場所をいう。

1.  坑水  坑口など


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2.  捨石,鉱さいたい積場などの上澄み水及び浸透水  各種水口

3.  製錬所の諸廃水  各種水口

4.  坑水・廃水処理施設  処理施設の前後又は公共用水域へ流入する直前

2)

試料容器  試料容器は,共栓付きポリエチレン瓶又は共栓付き無色ほうけい酸ガラス瓶などを使用

する。

試料容器は,他物質の混入及び試料中からの各成分の損失を防ぐため,ゴム,コルク栓などの使用

を避ける。

試料容器は,あらかじめ十分に洗浄しておいたものを現場の水で 2∼3 回洗って使用する。

備考1.  坑水・廃水の種類によって現場の水で容器を洗ったとき,試料中の不溶解物などが器壁

に付着するようなときは,水で洗った後乾燥したものを用いる。微量成分は器壁に付着

して損失することがあり,その容器を再使用するときそれが溶出するおそれもあるから,

洗浄には注意する必要がある。また,ガラス瓶からは亜鉛,ひ素などが溶出することが

あるから注意する必要がある。

3)

試料採取方法  試料採取は現場の水の性質を,代表するように行う。

試料採取には試料容器を用い,特別の場合には他の採水器を用いる。試料の水質によっては,金属

製の採水器(金属製のバケツ,その他の採水器)を用いることはできない。金属製バケツが使用でき

ないときは,ポリエチレン製のバケツ,柄付き採水器(ひしゃく)などを使用するとよい。

採水器は使用する前に試料容器と同様に現場の水で十分に洗っておく。

採水器に附属する綱,ひもなども,現場の水で十分に洗って試料を変質させないようにする。

これらの一般操作については,JIS K 0094 の 4.(試料採取の一般操作)による。

備考2.  自動採水器には,一定時間又は設定条件に応じて一定量の試料を別々の容器に採取する

方式と,流量に比例した試料を連続又は間欠的に同一容器に採取して混合試料とするコ

ンポジット方式などがあるが,使用に当たっては,次の点に留意する必要がある。

a)

試料の吸引採取によって測定値に誤差を生じる溶存酸素,又は試料の移しかえが禁

止される油分などの測定には適用を避ける。

b)

生物化学的酸素消費量 (BOD) ,化学的酸素消費量 (COD) のように変質しやすい特

性の試験に際しては,試料容器を低温装置内に保存する。

4)

試料の取扱い  試料はその性質を保ったまま試験室に運搬し,試料がなるべく変質しないように十

分注意して速やかに試験する。それぞれの試験項目によって試料の取扱いは異なるが,次のように

区分して処理する。

4.1)

全量成分試料を用いて金属成分を試験する場合  定量しようとする成分の各全量(

1

)

を必要とする

試験を行うときは,試料は試料採取したままとする。ただし,試料採取直後に試験ができない場

合には,銅,鉛,亜鉛,カドミウム,クロム,鉄,マンガン,ひ素,水銀,モリブデン,カルシ

ウム,マグネシウム及びアルミニウムの試験に用いる試料は,試料採取直後,試料水 1L につき硝

(

2

)

10ml

の割合(アルカリ性の強い試料の場合には pH が約 1 になるよう硝酸を加え,使用した

硝酸量を記録する。

)で加えて振り混ぜる。ただし,ひ素の試験に用いる試料で有機物,硝酸塩,

亜硝酸塩を含まない試料では,硝酸の代わりに塩酸(ひ素分析用)を用いる。また,鉄 (II) 及び

クロム (VI) の試験に用いる試料は,保存のための処理を行わず,なるべく早く試験する。

4.2)

溶存成分試料を用いて金属成分を試験する場合  溶存成分だけを必要とする試験を行うときは,

試料は現場においてろ紙 5 種 C でろ過し(

3

)

(ろ液の最初の 50ml は捨てる。

,そのろ液を試料容器


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に入れる。ただし,試料採取直後に試験ができない場合には,そのろ液について 4.1 と同様に処理

する。

4.3)

その他の成分を試験する場合  化学的酸素消費量 (COD),生物化学的酸素消費量 (BOD),溶存酸

素,ヘキサン抽出物質,シアン化合物,硫化物イオンなど特別の処理を必要とする試験項目につ

いては,その項目ごとに記載されている処理方法による。

(

1

)

ここでいう全量とは,不溶分と溶存分との合量をいう。

(

2

)

試料の性質,前処理の方法,定量方法などを考慮して,硝酸の代わりに塩酸を加えてもよ

い。

(

3

)

ろ過したにもかかわらず,ろ液がコロイドなどのためなお濁っているときでも,ろ過でき

たものと認める。

備考3.  試料に硝酸又は塩酸を加えるのは,それぞれの成分が器壁に吸着されたり,組成の変化

などによる誤差を小さくするためである。

5)

試験項目と試料採取量  試料の採取量は,試験する項目数と試験成分の温度及び試料の保存処理と

の組合せによって異なる。直ちに試験が行われず試料を保存する場合は,試験項目で共通する保存

処理のものをまとめて試料容器の本数と採取量を決めるとよい。その一例(

4

)

表 4.1 に示す。

表 4.1  主要な試験項目と試料採取量の一例

試験項目

試料採取量  L

懸濁物質,COD

Mn

, COD

cr

, BOD

,その他

約 2∼3

金属成分

約 1

シアン化合物,硫化物イオン

約 1

(

4

)

試験項目で保存処理が共通する項目をまとめて採取する場合の試料採取量を示す。

6)

試料採取時の測定,観測及び記載事項  試料採取時の測定,観測及び記載事項は,次による。

6.1)

試料の名称及び試料番号

6.2)

採取場所の名称

6.3)

試料採取方法

6.4)

採取年月日,時刻

6.5)

採取時の天候

6.6)

採取者の氏名

6.7)

参考事項

6.7.1)

採取場所の状況(試料の水質に影響を与えると思われる事項)

6.7.2)

採取当日の天候と前日の天候

6.7.3)

採取時の気温と水温

6.7.4)

試料の外観(試料の色,濁りなど)

6.7.5)

試料に懸濁物,沈殿物があるときは,その大体の量,色

6.7.6)

試料のにおいの有無

6.7.7)

試料の pH(簡易な測定法でもよい。

6.7.8)

その他参考となる事項

5.

流量の測定  流量の測定は,JIS K 0094 の 8.(流量の測定)による。


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6.

試料の分解  坑水・廃水は種々の無機,有機物質を含むため,試料及び試験項目に適した分解操作が

必要である。分解は,それぞれの試験項目に示される方法によって行うが,水銀,ひ素,鉄 (II) 及びクロ

ム (IV) 以外の金属成分を試験する場合の共通の操作を,次に規定する。

a)

塩酸酸性又は硝酸酸性での煮沸  この方法は,有機物・懸濁物質が極めて少ない試料に適用する。

1)

試料(

1

)

100ml

(又は 20∼250ml の任意の一定量)をビーカーにとり,塩酸 5ml 又は硝酸 5ml を加え,

加熱して約 10 分間煮沸する。

2)

放冷後,必要に応じて適切な容量の全量フラスコに移し入れ,水を標線まで加える。

(

1

)

溶存成分を試験する場合には,4.a)4.2)に従ってろ過した溶存成分試料を用いる。

b)

塩酸又は硝酸による分解  この方法は,有機物が少なく,懸濁物質として水酸化物,酸化物,硫化物,

りん酸塩などを含む試料に適用する。

1)

試料(

1

)

100ml

(又は 50∼500ml の一定量)をビーカーにとり,塩酸 5ml 又は硝酸 5ml を加え,加熱

して液量が約 15ml になるまで濃縮する。

2)

不溶解物が残った場合には,ろ紙 5 種 B でろ過した後,水でよく洗浄する。

3)

放冷後,ろ液と洗液を適切な容量の全量フラスコに入れ,水を標線まで加える。

備考  塩酸と硝酸の混酸による分解が有利な試料の場合には,1)までの処理を行った後,1)で塩

酸を使用したときは硝酸 5ml を,硝酸を使用したときは塩酸 5ml を加え,時計皿で覆い再

び加熱し,激しい反応が終われば時計皿を取り除き,更に加熱して窒素酸化物を追い出し,

約 5ml になるまで濃縮する。この操作で酸が不足している場合は,適量の塩酸又は硝酸を

加え同じ操作で加熱し溶解する。不溶解分が残った場合は,温水 15ml を加え 2)及び 3)

操作を行う。

c)

硝酸と硫酸とによる分解  この方法は,多種類の試料に適用することができる。しかし鉛,バリウム,

カルシウムなどを含む試料には適当ではない。

1)

試料(

1

)

100ml

(又は 50∼100ml の一定量)をビーカーにとり,硝酸 10ml 及び硫酸 (1+1) 10ml を加

え,加熱濃縮する。

2)

液量が約 10ml になったならば,時計皿で容器を覆う。硫酸の白煙が発生し,有機物,硫化物など

が分解するまで加熱を続ける。

3)

有機物,硫化物などが分解しないで残ったときは,更に硝酸 5ml を加えて 2)の操作を繰り返して,

加熱分解する。分解が終了したならば時計皿を外し,乾固近くまで加熱濃縮する(

2

)

4)

放冷後,塩酸 (1+1) 2ml,硝酸 (1+1) 2ml 及び水 20∼30ml を加え,静かに加熱して可溶性塩を溶

解する。不溶解物が残った場合には,ろ紙 5 種 B でろ過した後,水でよく洗浄する。

5)

放冷後,ろ液と洗液を適切な容量の全量フラスコに入れ,水を標線まで加える。

(

2

)

この分解方法では残存する硫酸量が一定にならないため,水溶液をそのまま噴霧するフレ

ーム原子吸光法及び ICP 発光分光分析法を適用する場合には,好ましくない。

d)

ふっ化水素酸,硝酸及び硫酸による分解  この方法は,多量の粘土類やけい酸塩を含む試料に適用す

る。

1)

試料(

1

)

100ml

(又は 20∼250ml の一定量)を石英ガラス又は磁器蒸発皿にとり,液量が 10∼20ml に

なるまで濃縮する。

2)

水で内容物を白金皿に移し入れ,器壁の付着物をゴム付きガラス棒でこすり落とし,水で白金皿に

移し入れる。

3)

ふっ化水素酸 5ml,硝酸 5ml 及び硫酸 (1+1) 2ml を加え,加熱蒸発して硫酸の白煙を約 5 分間発生


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させる(

2

)

4)

放冷後,塩酸 (1+1) 5ml 及び水 20∼30ml を加え,静かに加熱して可溶性塩を溶解する。不溶解物

が残った場合には,ろ紙 5 種 B でろ過した後,水でよく洗浄する。

5)

放冷後,ろ液と洗液を適切な容量の全量フラスコに入れ,水を標線まで加える。

e)

灰化による分解  この方法は,目的成分が 450∼500℃で揮散せず,容易に灰化できる試料に適用する。

試料中に,塩化アンモニウム,塩化マグネシウム,塩化カルシウムなどが多量に含まれる場合で,鉛,

鉄などが目的成分であるときは揮散損失しやすいので適当ではない。

1)

試料(

1

)

100ml

(又は 20∼250ml の一定量)を石英ガラス又は磁器蒸発皿にとり,蒸発乾固する。

2)

蒸発皿を電気炉に入れて徐々に温度を上げ,450∼500℃に強熱して灰化(

3

)

する。

3)

放冷後,塩酸 (1+1) 5ml 及び水 20∼30ml を加え,静かに加熱して可溶性塩を溶解する。不溶解物

が残った場合には,ろ紙 5 種 B でろ過した後,水でよく洗浄する。

4)

放冷後,ろ液と洗液を適切な容量の全量フラスコに入れ,水を標線まで加える。

(

3

)

強熱灰化は,空気の流通をよくして,できるだけ短時間に行う。必要以上に長時間行うと,

金属元素の一部が損失するおそれがある。

7.

結果の表示  試験方法が二つ以上あるときは,いずれの方法によったかを明記する。

8.

温度  温度は気温と水温に分けて測定する。採取時の水温と試験時の水温に大きな差があると,採取

時の懸濁物が溶解したり,溶存物質が析出したり種々変化するから,水温には十分に注意する。

a)

気温  気温の測定は,JIS K 0102 の 7.1(気温)による。

b)

水温  水温の測定は,JIS K 0102 の 7.2(水温)による。

9.

外観  採取後なるべく早く試料を肉眼によって観察し,記録する。また,必要がある場合には,試料

を中性 (pH7.0±0.5)  にすることによって,どのように変化するかを観察し,記録する。

a)

試料の外観  試料の外観の観察は,次による。

1)

器具  容量 100ml 程度の比色管又は無色のガラス製円筒

2)

操作  試料を比色管にとり観察し,記録する。

3)

観察すべき事項

3.1)

試料全体の色の種類と程度

3.2)

上澄み液の色の種類と程度

3.3)

浮上物,懸濁物,沈殿物の色及び量の程度

3.4)

油類,タール類などの有無及び量の程度

3.5)

その他試料の泡立ち,臭気などの特異な状態

b)

中性時の外観  中性時における試料を観察し,記録する。

1)

器具  9.a)1)による。

2)

操作  採水後なるべく早く試料を比色管 100ml に採り,試料の pH が 7.0±0.5 になるまで少量の適

切な濃度の硝酸又は水酸化ナトリウム溶液で中和し,9.a)2)に準じて観察し,記録する。

備考1.  中和するときは試料の外観が著しく変化する場合には,その経過を観察する。

2.

中和した試料は,酸化によって色や濁りなどに著しい変化を示す場合があるので,この

場合は通気するか,又は激しく振り動かして,十分に空気に触れさせて静置し,その変


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化を観察する。

10.

透視度  透視度の測定は,JIS K 0102 の 9.(透視度)による。

備考1.  透視度の測定は人の感覚又は官能による試験であるから,他の化学分析のような絶対的な値

は存在せず,個々の測定値がすべて有効である。

2.

同一試料について,できるだけ多数の人が測定した値の平均値を採用することが望ましい。

測定者が 1 人の場合には同一試料について同じ試験を数回繰り返し,それらの平均値を採用

する。

3.

明るさは,光源の違いによって同じ照度でも採度が異なる場合には,透視度に非常に影響を

与える。したがって透視度の光源は昼光とし,直射日光を避ける。

4.

透視度計の上部から底部の識別板の二重十字を透視した場合,薄暮帯の幅が広いため,透視

度を判定しにくいことが多い。しかし,

“明らかに識別できる”点の判定は,測定者の主観に

よって行わなければならない。

5.

坑水・廃水の性質,懸濁物の量,早期沈降物の量,着色などによって測定が非常に不正確又

は測定不可能の場合もあるが,現場調査に当たり,濁りの大体の程度を把握するために非常

に役立つものである。

11.

濁度  濁度の測定は,JIS K 0101 の 9.(濁度)による。

12.

色  色の表示は,JIS Z 8102 の 5.(基本色名)に規定する基本色名を用いる。

13.

  pH

  pH の測定は,JIS K 0102 の 12. (pH)  による。

14.

電気伝導率  電気伝導率の測定は,JIS K 0102 の 13.(電気伝導率)による。

15.

アルカリ消費量  アルカリ消費量は,水に溶けている強酸,炭酸や有機酸などを所定の pH まで中和

するのに要するアルカリの量を試料 1L についての mg 当量で表すか又はアルカリに相当する炭酸カルシウ

ムの量に換算して,試料 1L についての mg 数で表す。

アルカリ消費量は,アルカリ消費量 (pH8.3),アルカリ消費量 (pH4.8) 及びアルカリ消費量(遊離酸)

に区分する。

a)

アルカリ消費量 (pH8.3)   アルカリ消費量 (pH8.3) の定量は,JIS K 0102 の 16.1[アルカリ消費量

(pH8.3)

]による。

b)

アルカリ消費量 (pH4.8)   アルカリ消費量 (pH4.8) の定量は,JIS K 0102 の 16.2[アルカリ消費量

(pH4.8)

]による。

c)

アルカリ消費量(遊離酸)  アルカリ消費量(遊離酸)の定量は,JIS K 0102 の 16.3[アルカリ消費

量(遊離酸)

]による。

16.

酸消費量  酸消費量は,水に溶けている炭酸水素塩,炭酸塩,水酸化物などによるアルカリを所定の

pH

まで中和するのに要する酸の量を試料 1L についての mg 当量で表すか又は酸に相当する炭酸カルシウ

ムの量に換算して,試料 1L についての mg 数で表す。


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酸消費量は,酸消費量 (pH8.3) と酸消費量 (pH4.8) に区分する。

a)

酸消費量 (pH4.8)   酸消費量 (pH4.8) の定量は,JIS K 0102 の 15.1[酸消費量 (pH4.8)]による。

b)

酸消費量 (pH8.3)   酸消費量 (pH8.3) の定量は,JIS K 0102 の 15.2[酸消費量 (pH8.3)]による。

17.

化学的酸素消費量 (COD)   化学的酸素消費量 (COD) は,水中の被酸化性物質によって化学的に消

費される酸素の量である。

a)

100

℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量 (COD

Mn

)

  100℃における過マンガン酸カリ

ウムによる酸素消費量 (COD

Mn

)

の定量は,JIS K 0102 の 17.[100℃における過マンガン酸カリウム

による酸素消費量 (COD

Mn

)

]による。

b)

ニクロム酸カリウムによる酸素消費量 (COD

Cr

  ニクロム酸カリウムによる酸素消費量 (COD

Cr

)

の定量は,JIS K 0102 の 20.[ニクロム酸カリウムによる酸素消費量 (COD

Cr

)

]による。

18.

生物化学的酸素消費量 (BOD)   生物化学的酸素消費量 (BOD) の定量は,JIS K 0102 の 21.[生物化

学的酸素消費量 (BOD)]による。

19.

溶存酸素  溶存酸素の定量には,ウインクラー・アジ化ナトリウム変法,ミラー変法又は隔膜電極法

を適用する。この試験は,試料採取後直ちに行う。

a)

ウインクラー・アジ化ナトリウム変法  ウインクラー・アジ化ナトリウム変法による溶存酸素の定量

は,JIS K 0102 の 32.1(ウインクラー・アジ化ナトリウム変法)による。

備考  高濃度のアルカリ溶液中で容易に酸化される有機物を含む坑水・廃水の場合(ショート変法)

は JIS K 0102 の 32.1(ウインクラー・アジ化ナトリウム変法)と同様に操作するが,試薬添加

量を増し,硫酸マンガン溶液 2ml,アルカリ性よう化カリウム-アジ化ナトリウム溶液 2ml を加

えて密栓し,20 秒間連続転倒後直ちに開栓し,硫酸 2ml を加え,直ちに JIS K 0102 の 32.1(ウ

インクラー・アジ化ナトリウム変法)に従って滴定して溶存酸素を測定する。この場合,計算

式中の試薬添加量 2ml は 4ml として計算をする。

b)

ミラー変法  ミラー変法による溶存酸素の定量は,JIS K 0102 の 32.2(ミラー変法)による。

c)

隔膜電極法  隔膜電極法による溶存酸素の定量は,JIS K 0102 の 32.3(隔膜電極法)による。

20.

懸濁物質及び蒸発残留物  水中に懸濁している物質及び水を蒸発したときの残留物質を,次のように

区分して試験する。

a)

懸濁物質  試料をろ過又は遠心分離したとき,分離される物質。

b)

  pH7

で生成する懸濁物質  試料を pH7.0±0.5 に中和したとき生成する懸濁物質。

c)

全蒸発残留物  試料を蒸発乾固したときに残留する物質。

d)

溶解性蒸発残留物  懸濁物質をろ別したろ液を蒸発乾固したときに残留する物質。

e)

強熱残留物  懸濁物質,全蒸発残留物及び溶解性蒸発留物のそれぞれを 600±25℃で 30 分間強熱した

ときの残留物で,それぞれの強熱残留物として示す。

f)

強熱減量  e)の測定時における減少量で,それぞれの強熱減量として示す。

試験は,試料採取後直ちに行う。直ちに行えない場合は,試料を 10℃以下の暗所に保存し,速やか

に試験する。

20.1

懸濁物質  試料をろ過又は遠心分離したとき,分離される物質を 105∼110℃で乾燥して測定する。


9

M 0202 : 1999

a)

ろ過法  ろ過法による懸濁物質の定量は,JIS K 0102 の 14.1(懸濁物質)による。

b)

遠心分離法  この方法は,ろ過の極めて困難な試料に適用する。

1)

装置及び器具

1.1)

遠心分離機  回転数毎分約 2 000 回転のもの。

1.2)

沈殿管  50∼100ml

1.3)

蒸発皿  白金製,石英ガラス製又は磁器製

2)

操作

2.1)

蒸発皿(

1

)

を 105∼110℃の乾燥器中で 1 時間乾燥し,デシケーター中で放冷し質量をはかる。この

操作を恒量になるまで繰り返す(

2

)

2.2)

沈殿管に試料(

3

)

の適量(

4

)

をとり,各沈殿管をつり合わせた後,回転数毎分約 2 000 回転で 20 分間

遠心分離し,デカンテーションによって上澄み液を除く(

5

)

2.3)

沈殿物に水 10ml を加えて遠心分離し,デカンテーションによって上澄み液を除く。再びこの操作

を繰り返す。

2.4)

沈殿物をさきの蒸発皿に移し入れ,水浴上で蒸発乾固後,105∼110℃の乾燥器中で 2 時間乾燥し,

さきのデシケーター中で放冷し,質量をはかる。

2.5)

次の式によって,懸濁物質 (mg/L) を算出する。

(

)

V

000

1

b

a

S

×

=

ここに,

S

懸濁物質

 (mg/L)

a

懸濁物質を含んだ蒸発皿の質量

 (mg)

b

蒸発皿の質量

 (mg)

V

試料

 (ml)

(

1

)

試料の性質によって,用いる蒸発皿の材質を選ぶ。

(

2

)

引き続き強熱残留物を定量する場合は,蒸発皿はあらかじめ

600

±

25

℃の電気炉中で強熱

して,恒量にしたものを用いる。

(

3

)

 2mm

のふるいを通過した試料を用い,十分に振り混ぜて懸濁物質が均一になってから,手

早く採取する。

(

4

)

乾燥後の懸濁物質の量が

5mg

以上になるように試料をとる。

(

5

)

引き続き溶解性蒸発残留物を定量する場合には,液を保存する。

備考

蒸発残留物の差から算出する方法  全蒸発残留物と溶解性蒸発残留物との差から懸濁物質

を算出する。

A

BC

ここに,

A

懸濁物質

 (mg/L)

B

全蒸発残留物

 (mg/L)

C

溶解性蒸発残留物

 (mg/L)

参考

遠心分離が可能なためには分離しようとする粒子と分散媒の間に,ある程度密度の差がな

ければならない。

質量 m

 (g)

の粒子が回転の中心から r

 (cm)

の位置で,角速度

ω (rad/s)

で遠心されるとき

に受ける遠心力は,粒子の排除する分散媒の質量を m

 (g)

とすると

F

  (

m

m

)

ω

2

r

比遠心力を RCF,毎分の回転数を 

(min

1

)

とすると,


10

M 0202 : 1999

(

)

2

2

18

011

000

.

0

rN

g

r

g

m

m

F

RCF

=

=

=

ω

上の式から液面と底部では遠心力は異なることが分かる。例えば,が毎分 2 000 (min

1

)

で回転の中心軸から沈殿管の液面までの距離 r=5cm のとき RCF は 223g,また,回転の

中心軸から沈殿管の底部までの距離 が 13cm のときの RCF は 581g となる。したがって報

告には液面と底部の双方の RCF 値を記入しておく。

同じ条件で遠心分離しようとする場合には,次の式によって液層の深さを計算すること

ができる。

(

) (

)

(

)

(

)

底部までの距離

底部の

液面の

底部の

液層の深さ

×

=

RCF

RCF

RCF

この試験においては,回転数 2 000 (min

1

)

で回転の中心軸から底部が 13cm の所にある

遠心分離機を標準とする。

20.2

pH7

で生成する懸濁物質

  試料を pH7.0±0.5 に中和したとき生成する懸濁物質を分離し,105∼

110

℃で乾燥して測定する。

a)

試薬

1)

水酸化ナトリウム溶液 (50g/L)

2)

硫酸 (130)

b)

操作

1)

試料

(

3

)

の適量

(

4

)

をビーカーにとり,注意して水酸化ナトリウム溶液 (50g/L) 又は硫酸 (1+30)  を加

えて pH7.0±0.5 に中和する

(

6

)

2)

20.1a)

又は

20.1b)

に準じて操作し,pH7 における懸濁物質量を求める

(

7

)

3)

次の式によって pH7 で生成する懸濁物質 (mg/L) を算出する。

A

B

C

ここに,

A

: pH7 で生成する懸濁物質 (mg/L)

B

: pH7 における懸濁物質 (mg/L)

C

:  懸濁物質 (mg/ml)

(

6

)

試料中に酸又はアルカリが多量に含まれ中和時に著しく液量が増加する場合には,中和に

用いる水酸化ナトリウム溶液又は硫酸は濃いものを用い,液量が著しく増えないようにす

る。

(

7

)

試料によっては,中和すると懸濁物質が減少するものがある。この場合には,pH7 におけ

る減少懸濁物質で表す。

20.3

全蒸発残留物

  試料を蒸発乾固し,その残留物を 105∼110℃で乾燥して測定する。全蒸発残留物の

定量は,

JIS K 0102

14.2

(全蒸発残留物)による。

20.4

溶解性蒸発残留物

  懸濁物質を分離した液を蒸発乾固し,その残留物を 105∼110℃で乾燥して測定

する。

1)

操作

20.1a)

によって得られたろ液又は

20.1b)

によって得られた上澄み液について,

20.3

に準じて操

作し,溶解性蒸発残留物量を求める。

20.5

強熱残留物

  強熱物質,全蒸発残留物及び溶解性蒸発残留物 600±25℃で強熱して測定する。

a)

懸濁物質の強熱残留物

  懸濁物質の強熱残留物の定量は,

JIS K 0102

14.4.1

(懸濁物質の強熱残留

物)による。


11

M 0202 : 1999

b)

全蒸発残留物の強熱残留物

20.3

で得た全蒸発残留物について,

a)

の操作に準じて操作する。

c)

溶解性蒸発残留物の強熱残留物

20.4

で得た溶解性蒸発残留物こついて,

a)

の操作に準じて操作する。

20.6

強熱減量

  懸濁物質の強熱減量,全蒸発残留物の強熱減量及び溶解性残留物の強熱減量は,次の式

によって算出する。

E

S

R

ここに,

E

:  強熱減量 (mg/L)

S

:  蒸発残留物 (mg/L)

R

:  強熱残留物 (mg/L)

21.

ヘキサン抽出物質

  ヘキサン抽出物質の定量は,

JIS K 0102

24.

(ヘキサン抽出物質)による。

22.

塩化物イオン (Cl

  塩化物イオンの定量には,硝酸銀滴定法,イオン電極法又はイオンクロマトグ

ラフ法を適用する。

a)

硝酸銀滴定法

  硝酸銀滴定法による塩化物イオンの定量は,

JIS K 0102

35.1

(硝酸銀滴定法)によ

る。

b)

イオン電極法

  イオン電極法による塩化物イオンの定量は,

JIS K 0102

35.2

(イオン電極法)によ

る。

c)

イオンクロマトグラフ法

  イオンクロマトグラフ法による塩化物イオンの定量は,

JIS K 0102

35.3

(イオンクロマトグラフ法)による。

23.

シアン化合物

  シアン化合物は,水中のシアン化物イオンやシアノ錯体などを総称し,シアン化物と

全シアンに区分する。シアン化合物は前処理でシアン化物イオンとし,定量には,ピリジン-ピラゾロン吸

光光度法,4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法又はイオン電極法を適用する。

シアン化合物は変化しやすいから,試験は試料採取後,直ちに行う。直ちに行えない場合には,

JIS K 0102

3.3

(試料の保存処理)によって保存し,速やかに試験する。

a)

前処理

  試料を微酸性として通気又は加熱蒸留し,発生するシアン化水素を捕集する。

1)

シアン化物

  この前処理ではシアン化物イオン及び生成定数の小さい亜鉛,カドミウムなどのシア

ノ錯体からはほぼ完全に,また,ニッケル,銅などのシアノ錯体からは一部シアン化水素を発生す

る。鉄 (II),鉄 (III) のシアノ錯体からはシアン化水素を発生しない。

1.1)

通気法(pH5.0 で発生するシアン化水素)

  通気法による試料の前処理は,

JIS K 0102

38.1.1.1

[通気法(pH5.0 で発生するシアン化水素)

]による。

1.2)

加熱蒸留法(pH5.5 で酢酸亜鉛の存在下で発生するシアン化水素)

  加熱蒸留法による試料の前

処理は,

JIS K 0102

38.1.1.2

[加熱蒸留法(pH5.5 で酢酸亜鉛の存在下で発生するシアン化水素)

による。

2)

全シアン(pH2 以下で発生するシアン化水素)

  全シアンのための試料の前処理は,

JIS K 0102

38.1.2

[全シアン(pH2 以下で発生するシアン化水素)

]による。

b)

ピリジン-ピラゾロン吸光光度法

  ピリジン-ピラゾロン吸光光度法によるシアン化合物の定量は,

JIS 

K 0102

38.2

(ピリジン−ピラゾロン吸光光度法)による。

c)

4-

ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法

  4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法による

シアン化合物の定量は,

JIS K 0102

38.3

(4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法)による。


12

M 0202 : 1999

d)

イオン電極法

  イオン電極法によるシアン化合物の定量は,

JIS K 0102

38.4

(イオン電極法)によ

る。

24.

硫化物イオン (S

2

  硫化物イオンの定量には,メチレンブル−吸光光度法又はよう素滴定法を適用

する。硫化物イオンは不安定で,酸化されたり,硫化水素として空気中に散逸したりするので,試料採取

後直ちに試験を行う。直ちに試験を行えない場合には,水酸化ナトリウム溶液を加えて pH を約 12 とする

か,又は硫化亜鉛として固定し,空気と接しないような条件とし,冷所に保存して,速やかに試験を行う。

a)

メチレンブルー吸光光度法

  メチレンブルー吸光光度法による硫化物イオンの定量は,

JIS K 0102

39.1

(メチレンブルー吸光光度法)による。

b)

よう素滴定法

  よう素滴定法による硫化物イオンの定量は,

JIS K 0102

39.2

(よう素滴定法)によ

る。

25.

硫酸イオン (SO

4

2

  硫酸イオンの定量には,重量法,クロム酸バリウム吸光光度法,硫酸バリウム

比濁法又はイオンクロマトグラフ法を適用する。

a)

重量法

  重量法による硫酸イオンの定量は,

JIS K 0102

41.2

(重量法)による。

b)

クロム酸バリウム吸光光度法

  クロム酸バリウム吸光光度法による硫酸イオンの定量は,

JIS K 0102

41.1

(クロム酸バリウム吸光光度法)による。

c)

硫酸バリウム比濁法

  試料に安定剤と塩化バリウムを加え,一定の条件の下で硫酸イオンと反応させ

て硫酸バリウムとし,比濁して硫酸イオンを定量する方法である。

備考

この方法の定量範囲は,SO

4

2

として 1mg∼5mg であり,このときの繰返し分析精度は変動係

数で約 10%である。

1)

試薬

1.1)

グリセリン溶液 (11)

1.2)

塩化ナトリウム溶液

  塩化ナトリウム 240g を塩酸 20ml と水に溶かして 1L とする。

1.3)

塩化バリウム

  塩化バリウム二水和物をふるい分け,710

µm のふるいを通り 500µm のふるいに止

まるもの。

1.4)

硫酸イオン標準液 (1mgSO

4

2

/ml) 

  硫酸カリウムを約 700℃で約 30 分間強熱し,デシケーター中

で放冷する。その 1.815g をとり,適量の水に溶かして全量フラスコ 1 000ml に入れ,水を標線ま

で加える。

2)

装置

2.1)

光度計

  分光光度計又は光電光度計

2.2)

マグネチックスターラー

3)

操作

3.1)

ろ過した試料

(

1

)(

2

)

の適量(SO

4

2

として 1∼5mg を含む)を 2 個のコニカルビーカー100ml に採り,

水を加えてそれぞれ 50ml とする。

3.2)

それぞれにグリセリン溶液 (1+1) 10ml と塩化ナトりウム溶液  [

25.c)1.2)

] 5ml

とを加え

(

3

)

,マグネ

チックスターラーを用いてかき混ぜる。

3.3)

一方のコニカルビーカーに塩化バリウム  [

25.c)1.3)

] 0.3g

を加え,それぞれ 1 分間引き続いてかき

混ぜた後,4 分間放置し,再び 15 秒間かき混ぜる。

3.4)

直ちにこの液を吸収セルに移し,塩化バリウムを加えない方を対照液とし,1 分間以内に波長


13

M 0202 : 1999

450nm

付近の吸光度

(

4

)

を測定する。

3.5)

空試験として水 50ml ずつを 2 個のコニカルビーカーにとり,

3.2)

3.4)

の操作を行って吸光度を求

め,試料について得た吸光度を補正する。

3.6)

検量線から硫酸イオンの量を求め,試料中の硫酸イオンの濃度 (mgSO

4

2

/L)

を算出する。

検量線

硫酸イオン標準液 (1mgSO

4

2

/ml) [

25.c)1.4)

] 1

∼5ml を段階的にとり,水を加えて 50ml と

し,

3.2)

3.4)

の操作を行って,硫酸イオン (SO

4

2

)

の量と吸光度との関係線を作成する。

(

1

)

試料に濁り,色,有機物があれば妨害するので除去しなければならない。硫酸バリウムの

懸濁は不安定であり,共存する塩類によって影響されることがあるので,このような場合

は重量法で測定するか,又は共存する塩類を添加した検量線を作成して測定しなければな

らない。

(

2

)

酸性又はアルカリ性の試料の場合は,pH を約 7 に中和する。

(

3

)

このときの pH は,1.4∼1.6 になる。

(

4

)

透過光の強度を吸光度として表した値。

d)

イオンクロマトグラフ法

  イオンクロマトグラフ法による硫酸イオンの定量は,

JIS K 0102

41.3

(イ

オンクロマトグラフ法)による。

26.

全硫黄 (S) 

  全硫黄の定量には,重量法を適用する。

a)

重量法

  硫黄化合物として溶解している硫黄を硫酸バリウムとして沈殿させ,その質量をはかって定

量する。

備考1.

この方法の定量範囲は,S として3mg 以上であり,このときの繰返し分析精度は,変動係数

で約2%である。

1)

試薬

1.1)

塩酸

1.2)

塩酸 (150)

1.3)

硝酸

1.4)

炭酸ナトリウム

1.5)

炭酸ナトリウム溶液 (10g/L)

1.6)

水酸化ナトリウム溶液 (100g/L)

1.7)

塩素酸カリウム

1.8)

塩化バリウム溶液 (100g/L) 

  塩化バリウム二水和物 11.7g を,水に溶かして 100ml とする。

1.9)

硝酸銀溶液 (10g/L)

1.10)

塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (100g/L)

2)

器具

2.1)

磁器るつぼ

3)

操作

3.1)

試料の適量(

S

として 3mg 以上を含む)をビーカー (200∼300ml)  にとり,水酸化ナトリウム溶液

(100g/L)

を加えてアルカリ性とし,加熱蒸発して液量を 2∼3ml とする。

3.2)

塩素酸カリウム 0.5∼1g を加えて溶かし,硝酸 10ml を加えた後,加熱して蒸発乾固する。

3.3)

冷却後塩酸 10ml を加え,蒸発乾固する。再び塩酸 10ml を加え,蒸発乾固を繰り返す。

3.4)

冷却後塩酸 2ml で湿し,次に温水 20∼30ml を加え,数分間加熱した後ろ紙 5 種 B でろ過し,塩酸


14

M 0202 : 1999

(1

+50)  で数回洗う。

3.5)

ろ液に水を加えて 100ml とし,

水浴上で加熱し,

塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (100g/L) 10ml

を加え,絶えずかき混ぜながら,これに温塩化バリウム溶液  [

26.a)1.8)

]

を滴加し,沈殿が生じな

くなってから,更にその添加量の 20∼50%を過剰に加える。

3.6)

水浴上で 20∼30 分間加熱した後,3∼4 時間放置する。

3.7)

ろ紙 6 種又は 5 種 C を用いてろ過し,ろ液に塩化物イオンの反応を認めなくなるまで水で洗う[硝

酸銀溶液 (10g/L) で確かめる。

3.8)

沈殿は,ろ紙とともに質量既知の磁器るつぼに入れ,徐々に加熱してろ紙を完全に灰化する。

3.9)

引き続き約 800℃で 30 分間強熱し,デシケーター中で放冷した後,その質量をはかる。

3.10)

次の式によって,試料中の全硫黄の濃度 (mgS/L) を算出する。

4

137

.

0

V

000

1

a

S

×

×

=

ここに,

S

全硫黄 (mgS/L)

a

硫酸バリウム (mg)

V

試料 (ml)

0.137 4

硫酸バリウム 1mg の硫黄相当量 (mg)

備考 2.

硫酸カルシウム,硫酸バリウムなどの不溶解性硫黄化合物が存在する場合は,試料を

よく振り混ぜ,試料の適量(

S

として 3mg 以上)をとり,以上

3.1)

3.4)

の操作によって,

不溶解物をろ紙 5 種 B を用いてろ過し,ろ液は保存する。不溶解物を白金るつぼ又はニッ

ケルるつぼに移し入れて,乾燥後強熱灰化し,これに炭酸ナトリウム約 5g を加えて強熱し,

融解する。放冷後温水で抽出し,ろ紙 5 種 B を用いてろ過し,炭酸ナトリウム溶液 (10g/L)

で数回洗浄する。

ろ液と洗液は塩酸を加え酸性とし,加熱して蒸発乾固する。放冷後塩酸 2ml と熱水の適

量を加え,加熱して溶解し,ろ紙 5 種 B を用いてろ過して塩酸 (1+50)  で数回洗浄する。

ろ液と洗液は先に保存したろ洗液に合わせ,

3.5)

3.10)

の操作によって,全硫黄の濃度を

算出する。

27.

 (Cu) 

  銅の定量には,ジエチルジチオカルバミド酸吸光光度法,フレーム原子吸光法又は ICP 発

光分光分析法を適用する。

a)

溶存銅

  試料として,溶存成分試料  [

4.a)4.2)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

ジエチルジチオカルバミド酸吸光光度法

  ジエチルジチオカルバミド酸吸光光度法による溶存銅の

定量は,

JIS K 0102

52.1

(ジエチルジチオカルバミド酸吸光光度法)による。

2)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による溶存銅の定量は,

JIS K 0102

52.2

(フレーム原

子吸光法)による。

3)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による溶存銅の定量は,

JIS K 0102

52.4

(ICP 発光分

光分析法)による。

b)

全銅

  全銅とは,溶解している銅,溶解していない銅の合量である。試料として,全量成分試料

[

4.a)4.1)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

ジエチルジチオカルバミド酸吸光光度法

  ジエチルジチオカルバミド酸吸光光度法による全銅の定

量は,

JIS K 0102

52.1

による。


15

M 0202 : 1999

2)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による全銅の定量は,

JIS K 0102

52.2

による。

3)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による全銅の定量は,

JIS K 0102

52.4

による。

28.

 (Pb) 

  鉛の定量には,フレーム原子吸光法又は ICP 発光分光分析法を適用する。

a)

溶存鉛

  試料として,溶存成分試料  [

4.a)4.2)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による溶存鉛の定量は,

JIS K 0102

54.1

(フレーム原

子吸光法)による。

2)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による溶存鉛の定量は,

JIS K 0102

54.3

(ICP 発光分

光分析法)による。

b)

全鉛

  全鉛とは,溶解している鉛,溶解していない鉛の合量である。試料として,全量成分試料

[

4.a)4.1)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による全鉛の定量は,

JIS K 0102

54.1

による。

2)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による全鉛の定量は,

JIS K 0102

54.3

による。

29.

亜鉛 (Zn) 

  亜鉛の定量には,フレーム原子吸光法又は ICP 発光分光分析法を適用する。

a)

溶存亜鉛

  試料として,溶存成分試料  [

4.a)4.2)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による溶存亜鉛の定量は,

JIS K 0102

の 53.1

(フレーム

原子吸光法)による。

2)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による溶存亜鉛の定量は,

JIS K 0102

53.3

(ICP 発光

分光分析法)による。

b)

全亜鉛

  全亜鉛とは,溶解している亜鉛,溶解していない亜鉛の合量である。試料として,全量成分

試料  [

4.a)4.1)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による全亜鉛の定量は,

JIS K 0102

53.1

による。

2)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による全亜鉛の定量は,

JIS K 0102

53.3

による。

30.

カドミウム (Cd) 

  カドミウムの定量には,フレーム原子吸光法又は ICP 発光分光分析法を適用する。

a)

溶存カドミウム

  試料として,溶存成分試料  [

4.a)4.2)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による溶存カドミウムの定量は,

JIS K 0102

55.1

(フ

レーム原子吸光法)による。

2)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による溶存カドミウムの定量は,

JIS K 0102

55.3

(ICP

発光分光分析法)による。

b)

全カドミウム

  全カドミウムは,

溶解しているカドミウムと溶解していないカドミウムの合量である。

試料として,全量成分試料  [

4.a)4.1)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による全カドミウムの定量は,

JIS K 0102

55.1

による。

2)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による全カドミウムの定量は,

JIS K 0102

55.3

による。

31.

クロム (Cr) 

  クロムの定量には,ジフェニルカルバジド吸光光度法,フレーム原子吸光法又は ICP

発光分光分析法を適用する。

a)

溶存クロム

  試料として,溶存成分試料  [

4.a)4.2)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

ジフェニルカルバジド吸光光度法

  ジフェニルカルバジド吸光光度法による溶存クロムの定量は,


16

M 0202 : 1999

JIS K 0102

65.1.1

(ジフェニルカルバジド吸光光度法)による。

2)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による溶存クロムの定量は,

JIS K 0102

65.1.2

(フレ

ーム原子吸光法)による。

3)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による溶存クロムの定量は,

JIS K 0102

65.1.4

(ICP 発

光分光分析法)による。

b)

全クロム

  全クロムは溶解しているクロムと溶解していないクロムの合量である。試料として,全量

成分試料  [

4.a)4.1)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

ジフェニルカルバジド吸光光度法

  ジフェニルカルバジド吸光光度法による全クロムの定量は,

JIS 

K 0102

65.1.1

による。

2)

フレーム原子吸光法  フ

レーム原子吸光法による全クロムの定量は,

JIS K 0102

65.1.2

による。

3)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による全クロムの定量は,

JIS K 0102

65.1.4

による。

c)

溶存クロム (VI) 

  溶存クロム (VI) は溶解しているクロムのうち,Cr (VI)  の状態で坑水・廃水中に

溶解しているものである。試料として,溶存成分試料  [

4.a)4.2)

]

を用いる。

1)

ジフェニルカルバジド吸光光度法

  ジフェニルカルバジド吸光光度法による溶存クロム (VI) の定

量は,

JIS K 0102

65.2.1

(ジフェニルカルバジド吸光光度法)による。

2)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による溶存クロム (VI) の定量は,

JIS K 0102

65.2.2

(フレーム原子吸光法)による。

3)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による溶存クロム (VI) の定量は,

JIS K 0102

65.2.4

(ICP 発光分光分析法)による。

32.

 (Fe) 

  鉄の定量には,フェナントロリン吸光光度法,フレーム原子吸光法又は ICP 発光分光分析

法を適用する。

a)

溶存鉄

  試料として,溶存成分試料  [

4.a)4.2)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

フェナントロリン吸光光度法

  フェナントロリン吸光光度法による溶存鉄の定量は,

JIS K 0102

57.1

(フェナントロリン吸光光度法)による。

2)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による溶存鉄の定量は,

JIS K 0102

57.2

(フレーム原

子吸光法)による。

3)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による溶存鉄の定量は,

JIS K 0102

57.4

(ICP 発光分

光分析法)による。

b)

全鉄

  全鉄とは,溶解している鉄と溶解していない鉄の合量である。試料として,全量成分試料

[

4.a)4.1)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

フェナントロリン吸光光度法

  フェナントロリン吸光光度法による全鉄の定量は,

JIS K 0102

57.1

による。

2)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による全鉄の定量は,

JIS K 0102

57.2

による。

3)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による全鉄の定量は,

JIS K 0102

57.4

(ICP 発光分光

分析法)による。

c)

溶存鉄 (II) 

  溶存鉄 (II) は溶解している鉄のうち,Fe (II)  の状態で坑水・廃水中に溶解しているも

のである。試料として,溶存成分試料  [

4.a)4.2)

]

を用いる。

1)

フェナントロリン吸光光度法

  微酸性溶液中で 1, 10-フェナントロリンを加えた後,酢酸アンモニ

ウムを加えて pH を 4∼5 に調節し,生成するだいだい赤の鉄 (II) 錯体の吸光度を測定して,鉄 (II)


17

M 0202 : 1999

を定量する。

備考 1.

この方法の定量範囲は,Fe (II)  として 0.02∼0.5mg であり,このときの繰返し分析精度

は,変動係数で 2∼10%である。

1.1)

試薬

1.1.1)

塩酸 (11)

1.1.2)

塩化ヒドロキシルアンモニウム溶液 (100g/L)

1.1.3)

1, 10-

フェナントロリン溶液 (1g/L) 

  塩化 1, 10-フェナントロリニウム−水和物 1.3g を水 1L に

溶かすか,又は 1, 10-フェナントロリン−水和物 1.1g をエタノール (95) 100ml に溶かし,水を加

えて 1L とする。

1.1.4)

酢酸アンモニウム溶液 (500g/L)

1.1.5)

鉄標準液 (1mgFe/ml) 

  鉄(99.5%以上)1.00g をはかりとり,塩酸 (1+1) 30ml 中に入れ,加熱

して溶解し,放冷後,全量フラスコ 1000ml に移し入れ,水を標線まで加える。又は,硫酸アン

モニウム鉄 (II) 六水和物 7.02g をはかりとり,塩酸 (1+1) 20ml と適量の水に溶かし,全量フラ

スコ 1 000ml に移し入れ,水を標線まで加える。若しくは,

JIS K 0016

に規定する鉄標準溶液の

Fe1 000

を用いる。

1.1.6)

鉄標準液 (0.01mgFe/ml) 

  鉄標準液 (1mgFe/ml) [

32.c)1.1.5

)] 10ml

を全量フラスコ 1 000ml にと

り,塩酸 (1+1) 20ml を加えた後,水を標線まで加える。

1.2)

装置

1.2.1)

光度計

  分光光度計又は光電光度計

1.3)

操作

1.3.1)

溶存成分試料  [

4.a)4.2)

]

の適量[Fe (II) として 0.02∼0.5mg を含む。

]を全量フラスコ 100ml に

とり,塩酸 (1+1) 4ml を加え,水で液量を約 70ml とする。

1.3.2)

 1,

10-

フェナントロリン溶液  [

32.c)1.1.3)

] 5ml

を加えて振り混ぜ,続いて酢酸アンモニウム溶液

(500g/L) 10ml

(

1

)

を加えて再び振り混ぜ,室温に冷却する。

1.3.3)

水を標線まで加えて,約 20 分間放置する。

1.3.4)

この溶液の一部を吸収セルに移し,波長 510nm 付近の吸光度を測定する。

1.3.5)

空試験として水約 50ml をとり,塩酸 (1+1) 4ml を加えた後,

1.3.2)

1.3.4)

の操作を行って吸光

度を求め,試料について得た吸光度を補正する。

1.3.6)

検量線から鉄の量を求め,試料中の鉄 (II) の濃度  [mgFe (II) /L]  を算出する。

検量線

鉄標準液 (0.01mgFe/ml) [

32.c)1.1.6)

] 2

∼5ml を全量フラスコ 100ml に段階的にとり,

塩酸 (1+1) 4ml を加え,水を加えて液量を約 70ml とした後,塩化ヒドロキシルアン

モニウム溶液 (100g/L) 1ml を加えて振り混ぜる。1, 10-フェナントロリン溶液

[

32.c)1.1.3)

] 5ml

を加えて振り混ぜ,続いて酢酸アンモニウム溶液 (500g/L) 10ml を加

えて再び振り混ぜ,室温に冷却する。全量フラスコ 100ml に移し入れ,水を標線ま

で加えて約 20 分間放置し,

1.3.4)

1.3.5)

の操作を行って,鉄 (II) の量と吸光度との

関係線を作成する。

(

1

)

発色時の pH は約4.8になる。塩酸濃度が高い場合には,アンモニア水 (1+1)  で中和し,発

色時の pH を4∼5に調節する。また,pH 調節の操作は,1, 10-フェナントロリン溶液を加え

た後に行う。

備考2.

鉄 (II) は大気中の酸素によって容易に酸化されるから,この試験は試料採取直後に行う


18

M 0202 : 1999

が,全操作を直ちに行えない場合には,採取場所で呈色までの操作を行って持ち帰った

後,吸光度を測定する。

33.

マンガン (Mn) 

  マンガンの定量には,過よう素酸吸光光度法,フレーム原子吸光法又は ICP 発光分

光分析法を適用する。

a)

溶存マンガン

  試料として,溶存成分試料  [

4.a)4.2)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

過よう素酸吸光光度法

  過よう素酸吸光光度法による溶存マンガンの定量は,

JIS K 0102

56.1

(過

よう素酸吸光光度法)による。

2)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による溶存マンガンの定量は,

JIS K 0102

56.2

(フレ

ーム原子吸光法)による。

3)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による溶存マンガンの定量は,

JIS K 0102

56.4

(ICP

発光分光分析法)による。

b)

全マンガン

  全マンガンは,溶解しているマンガンと溶解していないマンガンの合量である。試料と

して,全量成分試料  [

4.a)4.1)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

過よう素酸吸光光度法

  過よう素酸吸光光度法による全マンガンの定量は,

JIS K 0102

56.1

によ

る。

2)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による全マンガンの定量は,

JIS K 0102

56.2

による。

3)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による全マンガンの定量は,

JIS K 0102

56.4

による。

34.

ひ素 (As) 

  ひ素の定量には,ジエチルジチオカルバミド酸銀吸光光度法又は水素化物発生原子吸光

法を適用する。

a)

溶存ひ素

  試料として,溶存成分試料  [

4.a)4.2)

]

を用いる。

1)

ジエチルジチオカルバミド酸銀吸光光度法

  ジエチルジチオカルバミド酸銀吸光光度法による溶存

ひ素の定量は,

JIS K 0102

61.1

(ジエチルジチオカルバミド酸銀吸光光度法)による。

2)

水素化物発生原子吸光法

  水素化物発生原子吸光法による溶存ひ素の定量は,

JIS K 0102

61.2

(水

素化物発生原子吸光法)による。

b)

全ひ素

  全ひ素は,溶解しているひ素と溶解していないひ素の合量である。試料として,全量成分試

料  [

4.a)4.1)

]

を用いる。

1)

ジエチルジチオカルバミド酸銀吸光光度法

  ジエチルジチオカルバミド酸銀吸光光度法による全ひ

素の定量は,

JIS K 0102

61.1

による。

2)

水素化物発生原子吸光法

  水素化物発生原子吸光法による全ひ素の定量は,

JIS K 0102

61.2

によ

る。

35.

水銀 (Hg) 

  溶存水銀及び全水銀の定量には,還元気化原子吸光法又は加熱気化原子吸光法を適用す

る。アルキル水銀化合物の定量には,アルキル水銀 (II) 化合物のうち,メチル水銀化合物及びエチル水銀

化合物を対象とし,水銀量で表示する。定量にはガスクロマトグラフ法を適用する。

a)

溶存水銀

  試料として,溶存成分試料  [

4.a)4.2)

]

を用いる。

1)

還元気化原子吸光法

  還元気化原子吸光法による溶存水銀の定量は,

JIS K 0102

66.1.1

(還元気

化原子吸光法)による。

2)

加熱気化原子吸光法

  加熱気化原子吸光法による溶存水銀の定量は,

JIS K 0102

66.1.2

(加熱気


19

M 0202 : 1999

化原子吸光法)による。

b)

全水銀

  全水銀は,溶解している水銀と溶解していない水銀の合量である。試料として,全量成分試

料  [

4.a)4.1)

]

を用いる。

1)

還元気化原子吸光法

  還元気化原子吸光法による全水銀の定量は,

JIS K 0102

66.1.1

による。

2)

加熱気化原子吸光法

  加熱気化原子吸光法による全水銀の定量は,

JIS K 0102

66.1.2

による。

c)

アルキル水銀 (II) 化合物

  試料として,全量成分試料  [

4.a)4.1)

]

を用いる。

1)

ガスクロマトグラフ法

  ガスクロマトグラフ法によるアルキル水銀 (II) 化合物の定量は,

JIS K 

0102

66.2.1

(ガスクロマトグラフ法)による。

36.

モリブデン (Mo) 

  モリブデンの定量にはチオシアン酸吸光光度法又は ICP 発光分光分析法を適用す

る。

a)

溶存モリブデン

  試料として,溶存成分試料  [

4.a)4.2)

]

を 6.によって処理したものを用いる。

1)

チオシアン酸吸光光度法

  チオシアン酸吸光光度法による溶存モリブデンの定量は,

JIS K 0102

68.1

(チオシアン酸吸光光度法)による。

2)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による溶存モリブデンの定量は,

JIS K 0102

68.2

(ICP

発光分光分析法)による。

b)

全モリブデン

  全モリブデンは,

溶解しているモリブデンと溶解していないモリブデンの合量である。

試料として,全量成分試料  [

4.a)4.1)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

チオシアン酸吸光光度法

  チオシアン酸吸光光度法による全モリブデンの定量は,

JIS K 0102

68.1

による。

2)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による全モリブデンの定量は,

JIS K 0102

68.2

による。

37.

カルシウム (Ca) 

  カルシウムの定量には,フレーム原子吸光法又は ICP 発光分光分析法を適用する。

a)

溶存カルシウム

  試料として,溶存成分試料  [

4.a)4.2)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による溶存カルシウムの定量は,

JIS K 0102

50.2

(フ

レーム原子吸光法)による。

2)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による溶存カルシウムの定量は,

JIS K 0102

50.3

(ICP

発光分光分析法)による。

b)

全カルシウム

  全カルシウムとは,溶解しているカルシウムと溶解していないカルシウムの合量であ

る。試料として,全量成分試料  [

4.a)4.1)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による全カルシウムの定量は,

JIS K 0102

50.2

による。

2)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による全カルシウムの定量は,

JIS K 0102

50.3

による。

38.

マグネシウム (Mg) 

  マグネシウムの定量には,フレーム原子吸光法又は ICP 発光分光分析法を適用

する。

a)

溶存マグネシウム

試料として,溶存成分試料  [

4.a)4.2)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

フレーム原子吸光法

フレーム原子吸光法による溶存マグネシウムの定量は,

JIS K 0102

51.2

(フ

レーム原子吸光法)による。

2)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による溶存マグネシウムの定量は,

JIS K 0102

51.3

(ICP

発光分光分析法)による。


20

M 0202 : 1999

b)

全マグネシウム

  全マグネシウムとは,溶解しているマグネシウムと溶解していないマグネシウムの

合量である。試料として,全量成分試料  [

4.a)4.1)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による全マグネシウムの定量は,

JIS K 0102

51.2

によ

る。

2)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による全マグネシウムの定量は,

JIS K 0102

51.3

によ

る。

39.

アルミニウム (Al) 

  アルミニウムの定量には,フレーム原子吸光法又は ICP 発光分光分析法を適用

する。

a)

溶存アルミニウム

  試料として,溶存成分試料  [

4.a)4.2)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による溶存アルミニウムの定量は,

JIS K 0102

58.2

(フ

レーム原子吸光法)による。

2)

ICP

発光分光分析法

  ICP 発光分光分析法による溶存アルミニウムの定量は,

JIS K 0102

58.4

(ICP

発光分光分析法)による。

b)

全アルミニウム

  全アルミニウムとは,溶解しているアルミニウムと溶解していないアルミニウムの

合量である。

試料として,全量成分試料  [

4.a)4.1)

]

6.

によって処理したものを用いる。

1)

フレーム原子吸光法

  フレーム原子吸光法による全アルミニウムの定量は,

JIS K 0102

58.2

によ

る。

2)

ICP

発光分光分析法

ICP

発光分光分析法による全アルミニウムの定量は,

JIS K 0102

58.4

によ

る。


21

M 0202 : 1999

JIS M 0202

(坑水・排水試験方法)改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

奥  谷  忠  雄

日本大学理工学部

(委員)

揖  斐  敏  夫

通商産業省資源エネルギー庁

織  山      純

通商産業省環境立地局

天  野      徹

工業技術院標準部

加  山  英  夫

財団法人日本規格協会技術部

梅  崎  芳  美

社団法人産業環境管理協会

町  田  克  美

住友金属鉱山株式会社分析センター

丹  野  一  雄

東邦亜鉛株式会社安中製錬所

尾  上      喬

同和鉱業株式会社中央研究所

天  川  義  勝

株式会社ジャパンエナジー分析センター

(主査)

佐  山  恭  正

三菱マテリアル株式会社分析・材料評価セ

ンター

塚  原  涼  一

住友金属鉱山株式会社分析センター

清  水      透

同和鉱業株式会社中央研究所

樫  村      寛

株式会社ジャパンエナジー分析センター

井  出  光  良

三井金属鉱業株式会社上尾分析センター

(関係者)

志  村  和  俊

三菱マテリアル株式会社

渡  辺  義  治

三井金属鉱業株式会社

(事務局)

稲  垣  勝  彦

日本鉱業協会技術部

備考

  ○印:本委員会及び分科会委員