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L 1951:2019  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 試験場所························································································································· 2 

5 原理······························································································································· 2 

6 装置······························································································································· 2 

7 試験片の調製 ··················································································································· 4 

8 操作手順························································································································· 4 

9 遮熱率の求め方 ················································································································ 5 

10 試験結果 ······················································································································· 5 

11 試験報告書 ···················································································································· 5 

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(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格に従うことは,次の者の有する特許権等の使用に該当するおそれがあるので,留意する。 

− 氏名:一般財団法人カケンテストセンター 

− 住所:東京都中央区日本橋室町4丁目1番22号 

− 工業所有権の種類:特許第3790421号 

− 登録日:2006年4月7日 

− 名称:熱線遮蔽性の測定方法 

上記の,特許権等の権利者は,非差別的かつ合理的な条件でいかなる者に対しても当該特許権等の実施

の許諾等をする意思のあることを表明している。ただし,この規格に関連する他の特許権等の権利者に対

しては,同様の条件でその実施が許諾されることを条件としている。 

この規格に従うことが,必ずしも,特許権の無償公開を意味するものではないことに注意する必要があ

る。 

この規格の一部が,上記に示す以外の特許権等に抵触する可能性がある。経済産業大臣及び日本工業標

準調査会は,このような特許権等に関わる確認について,責任はもたない。 

なお,ここで“特許権等”とは,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権をいう。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

L 1951:2019 

生地の遮熱性試験方法 

Textiles-Determination of heat-ray shielding performance 

序文 

日射の熱を遮る機能を高めた繊維製品が,衣料品をはじめ様々な分野で用いられている。この規格は,

これら繊維製品を構成する生地の遮熱性能を測る目的として制定した。 

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。 

適用範囲 

この規格は,日射の熱を遮る機能をもつ生地の遮熱性試験方法について規定する。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 8904-9 太陽電池デバイス−第9部:ソーラシミュレータの性能要求事項 

JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条 

JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則 

JIS L 0208 繊維用語−試験部門 

JIS R 1803 遠赤外ヒータの遠赤外域における分光放射エネルギーの測定方法 

ISO 9060,Solar energy−Specification and classification of instruments for measuring hemispherical solar and 

direct solar radiation 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS L 0105及びJIS L 0208によるほか,次による。 

3.1 

日射(solar radiation) 

大気圏を透過して地上に直接到達する近紫外,可視及び近赤外の波長域(300〜2 500 nm)の放射。 

3.2 

遮熱性(heat-ray shielding performance) 

日射の熱を遮ることによって温度上昇を抑制する性能。この規格では遮熱率及びその区分記号で表す。 

3.3 

遮熱率(heat-ray shielding rate) 

試験片を装着した時の熱線受光体の上昇温度とブランク試験の熱線受光体の上昇温度との差をブランク

試験の熱線受光体の上昇温度で除した比率。 

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3.4 

放射照度(irradiance) 

試験片表面の単位面積当たりに,単位時間当たりに,太陽又は人工光源から入射する放射エネルギー。 

注記 単位は,ワット毎平方メートル(W/m2)で表す。 

試験場所 

試験場所は,採光窓がなく,照明を消灯することで暗室になる室内とし,温度及び湿度は,JIS L 0105

の5.1.1(標準状態)による。 

原理 

太陽光に近い分光分布及び放射照度をもつ光を試験片の表面に照射し,試験片を透過した熱線及び光照

射によって加熱された試験片から再放射された熱線を,試験片の背面に非接触で配置した熱線受光体で吸

収する。光照射前及び光照射して所定時間後の熱線受光体温度を測定し,その遮熱性能を遮熱率で表す。 

装置 

この規格に用いる試験装置は,次による。 

6.1 

試験装置 試験装置は,太陽光に近い分光分布及び放射照度をもつ光を試験片表面に照射し,試験

片の背面に非接触で配置した熱線受光体の温度を測定することができるもので,6.1.1〜6.1.8を満足する装

置から構成される。図3に試験装置の例を示す。 

6.1.1 

光源 JIS C 8904-9に規定するスペクトル合致度 等級B以上,及び放射照度800±100 W/m2で試

験片表面を照射できる人工太陽照明灯。 

6.1.2 

試験台 板の中心から64 mmの位置を中心とした48 mm×48 mmの開口部を,等間隔に4か所設

けた600 mm×450 mm,厚さ5 mm〜7 mmの発泡樹脂板(図1参照)。 

6.1.3 熱線受光体 JIS H 3100のC1100Pの銅板に放射率0.94以上の黒体塗料で塗装した,50 mm×50 mm,

厚さ0.3 mmの板。 

6.1.4 

スペーサ 断熱性をもつ材質で,外寸法90 mm×90 mm,内寸法50 mm×50 mm,厚さ5 mmの試

料を熱線受光体から一定の距離に保つための枠(図2参照)。 

例えば,厚さ3 mmの木製枠の両面に厚さ1 mmのコルクシートを貼り付けたもの。 

6.1.5 

試験片ホルダ 断熱性をもつ材質で,外寸法90 mm×90 mm,内寸法50 mm×50 mm,厚さ5 mm

の試料をたるみ又はゆがみがないように保持するための枠(図2参照)。 

例えば,厚さ3 mmの木製枠の両面に厚さ1 mmのコルクシートを貼り付けたもの。 

6.1.6 

遮蔽板 光源と試験台との間に挿入し,試験台全面を光源から遮ることができる板。 

6.1.7 

架台 試験台を水平に保持し,試験台上方に光源,試験台下方にサーモグラフィを設置できる機構

をもつ。鉛直方向につり下げた光源の光軸に水平に保持した試験台の中心を合わせ,光源の光学フィルタ

表面から試験台までの距離を500 mmに保持できる台。 

6.1.8 

サーモグラフィ JIS R 1803の5.(サーモグラフィの選択)に規定するもの。 

6.2 

記録装置 サーモグラフィに接続し,測定温度を連続的に記録できる装置。 

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単位 mm 

図1−試験台の形状及び寸法 

単位 mm 

図2−スペーサ・試験片ホルダの形状及び寸法 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

単位 mm 

図3−試験装置の例 

6.3 

日射計 ISO 9060に規定するsecond classのもの,又は同等以上の性能をもつもので,光源の放射照

度を測定可能な装置。 

試験片の調製 

試験片は,JIS L 0105の6.3(布状の試料及びその試験片)又は6.4[製品(縫製品)状の試料の試験片]

によって,90 mm×90 mmの試験片を4枚採取する。 

なお,柄物などの不均一な生地の試験片採取については,受渡当事者間の協定によって,その試料を代

表する部分から採取する。 

操作手順 

試験の操作手順は,次による。 

a) 試験場所の照明を消灯した状態で,試験台(6.1.2)の開口部中央に日射計のセンサ部を光源に向けて

設置し,試験台の4か所全ての開口部の放射照度が800±100 W/m2になるように光源の出力を調節す

る。 

なお,光源は,全ての測定操作が終わるまで消灯しない。 

b) 光源と試験台との間に遮蔽板を挿入して光源の光を遮り,試験台を標準状態まで冷却する。 

c) 試験台の4か所の開口部を熱線受光体(6.1.3)で覆う。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

なお,熱線受光体は,使用前に外観の変形,塗装面のきず又は剝がれがないことを確認する。 

d) 4か所の熱線受光体にスペーサ(6.1.4)をそれぞれかん(嵌)合させる。 

e) 試験面を光源側に向けて,たるみ又はゆがみがないように試験片を試験片ホルダ(6.1.5)の下面に固

定し,試験片ホルダとスペーサの開口部とが合うようにスペーサの上に取り付ける。 

なお,試験台の4か所の開口位置のうち少なくとも1か所は,試験片を装着しない空の試験片ホル

ダを取り付けたブランク試験とし,試験片と同時測定する。 

f) 

遮蔽板で光源の光を遮った状態で,光照射前の試料の熱線受光体の初期温度Ts0及びブランクの熱線

受光体の初期温度Tb0をサーモグラフィで測定する。 

g) 遮蔽板を除いて光源の光を照射する。光を照射して30分後の試料の熱線受光体の温度Ts30及びブラン

クの熱線受光体温度Tb30を測定する。 

h) 遮蔽板を挿入して光源の光を遮り,試験台,熱線受光体,スペーサ及び試験片ホルダを標準状態まで

冷却し,使用済みの試験片を取り外す。 

i) 

新しい試験片及び空の試験ホルダ(ブランク試験)を先に測定した開口位置とは異なる箇所に取り付

ける。 

j) 

e)〜i) の操作を,4か所の開口位置全てで測定されるよう,繰り返す。 

k) 4か所の,Ts0の平均(以下,試料の平均初期温度Ts0aveという。),Ts30の平均(以下,試料の平均到達

温度Ts30aveという。),Tb0の平均(以下,ブランク試験の平均初期温度Tb0aveという。)及びTb30の平均

(以下,ブランク試験の平均到達温度Tb30aveという。)を求める。 

遮熱率の求め方 

遮熱率は,次の式によって求め,小数点以下を切り捨て整数に丸めて表す。 

(

)

[

]100

Δ

/

Δ

Δ

b

s

b

×

=

T

T

T

S

(%) 

ここに, 

S: 遮熱率(%) 

ΔTs: Ts30ave−Ts0ave…試料の平均上昇温度(℃) 

ΔTb: Tb30ave−Tb0ave…ブランク試験の平均上昇温度(℃) 

Ts0ave: 試料の平均初期温度(℃) 

Ts30ave: 試料の平均到達温度(℃) 

Tb0ave: ブランク試験の平均初期温度(℃) 

Tb30ave: ブランク試験の平均到達温度(℃) 

10 

試験結果 

試験結果は,箇条9によって求められた遮熱率及び表1の区分記号で表す。 

表1−遮熱率及びその区分記号 

遮熱率 

65 %以上 

55 %以上 
65 %未満 

45 %以上 
55 %未満 

35 %以上 
45 %未満 

25 %以上 
35 %未満 

15 %以上 
25 %未満 

15 %未満 

区分記号 

S65+ 

S55 

S45 

S35 

S25 

S15 

S15− 

11 

試験報告書 

試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) 試験年月日 

b) 規格番号 

L 1951:2019  

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 試験条件[試験場所の温湿度,光源の機種,試験面(試験片の表裏)など] 

d) 試料情報(試料名,品番など受渡当事者間で必要な情報) 

e) 試験結果(遮熱率及びその区分記号) 

f) 

その他特記すべき事項及び受渡当事者間の協定によって取り決めた諸条件(柄物などの試験片の調整

方法,洗濯前処理など)