>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

L 1940-3

:2014 (ISO 24362-3:2014)

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

2

3

  一般

2

4

  原理

2

5

  安全措置

2

6

  試薬

3

7

  装置

3

8

  試験手順

4

8.1

  一般

4

8.2

  試験片の準備

4

8.3

  分散染料の色素の抽出

5

8.4

  分散染料以外の染料で染色された繊維製品

5

8.5

  還元分解

5

8.6

  4-アミノアゾベンゼンの分離及び濃縮

5

8.7

  試験手順の検証のための校正溶液

6

8.8

  試験手順の検証

6

8.9

  クロマトグラフによる分析

7

9

  評価

7

9.1

  計算

7

9.2

  試験方法の信頼性

7

10

  試験報告書

7

附属書 A(参考)クロマトグラフ分析法

8

附属書 B(参考)計算法

13

附属書 C(参考)分析結果の信頼性

14

附属書 D(参考)評価指針−分析結果の解釈

15


L 1940-3

:2014 (ISO 24362-3:2014)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人繊維評価技術協議会(JTETC)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS L 1940

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

L

1940-1

  第 1 部:繊維の抽出及び非抽出による特定アゾ色素の使用の検出

JIS

L

1940-3

  第 3 部:4-アミノアゾベンゼンを放出する特定アゾ色素の使用の検出

ただし,第 2 部は欠番である。


   

日本工業規格

JIS

 L

1940-3

:2014

(ISO 24362-3

:2014

)

繊維製品−アゾ色素由来の

特定芳香族アミンの定量方法−

第 3 部:4-アミノアゾベンゼンを放出する

特定アゾ色素の使用の検出

Textiles-Methods for determination of certain aromatic amines derived from

azo colorants-Part 3: Detection of the use of certain azo colorants, which

may release 4-aminoazobenzene

序文

この規格は,2014 年に第 1 版として発行された ISO 24362-3 を基に,技術的内容及び構成を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

1

適用範囲

4-アミノアゾベンゼンを生じる可能性のあるアゾ色素は,JIS L 1940-1 の試験条件の下でアニリン,1,4-

フェニレンジアミンなどの特定芳香族アミン(以下,アミンという。

)を生成する。

4-アミノアゾベンゼンを生成するアゾ色素の存在は,追加的情報(例えば,使用される染料の化学構造)

又は特殊な試験をせずに確証を得ることはできない。

この規格は,JIS L 1940-1 の補足的試験であり,製品に 4-アミノアゾベンゼンを放出する可能性のある

特定アゾ色素の使用を検出する,次の試験方法について規定する。

染料抽出をせず,還元剤によって試験する方法  この方法は,特にセルロース又はたんぱく繊維,例

えば,綿,ビスコース,羊毛,絹などに適用できる。

繊維から染料を抽出することによって試験する方法  この方法が適用できる繊維は,例えば,ポリエ

ステル,人工皮革などがある。

特定の繊維混用品については,この両方の試験方法,すなわち,抽出及び非抽出試験方法を適用するこ

ともある。

この試験方法は,製品に還元処理なしでアミン(4-アミノアゾベンゼン)が存在する分散染料(Solvent

Yellow 1)を,検出することができる。

アゾ色素の還元分解で,一つ以上のアミンを放出する可能性のある特定アゾ色素の使用は,4-アミノア

ゾベンゼンの場合を除いて,この試験方法では定量できない。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 24362-3:2014

,Textiles−Methods for determination of certain aromatic amines derived from azo


2

L 1940-3

:2014 (ISO 24362-3:2014)

   

colorants − Part 3: Detection of the use of certain azo colorants, which may release 
4-aminoazobenzene(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS L 1940-1

  繊維製品−アゾ色素由来の特定芳香族アミンの定量方法−第 1 部:繊維の抽出及び非抽

出による特定アゾ色素の使用の検出

注記  対応国際規格:ISO 24362-1,Textiles−Methods for determination of certain aromatic amines

derived from azo colorants−Part 1: Detection of the use of certain azo colorants accessible with and 
without extracting the fibres(IDT)

ISO 3696

,Water for analytical laboratory use−Specification and test methods

3

一般

ある種のアゾ色素は,アゾ基の還元分解によって 4-アミノアゾベンゼンを放出する可能性がある(

表 1

参照)

表 14-アミノアゾベンゼン

番号 CAS 番号 INDEX 番号 EC 番号

化学物質名

22 60-09-3

611-008-00-4

200-453-6  4-アミノアゾベンゼン

注記 1 INDEX 番号とは,欧州経済共同体(EEC)で制定された危険物の取扱いに関する指令 67/548/EEC Annex I

に記載された化学物質の管理番号をいう。

注記 2 EC 番号とは,欧州共同体が定めた欧州既存商業化学物質リスト(European Inventory of Existing Commercial

Chemical Substances)に記載された,7 桁の化学物質の同定番号をいう。

4

原理

繊維製品から切り出された試料は,分散染料のための染料抽出法及び/又はその他の種類の色素に対す

る直接還元法によって試験する(JIS L 1940-1 を参照)

抽出後の試験片及び残さは,密閉容器に入れ,40  ℃のアルカリ溶液中で亜ジチオン酸ナトリウムによっ

て処理する。この過程で放出された 4-アミノアゾベンゼンは,液−液抽出法によって t-ブチルメチルエー

テル相に移す。t-ブチルメチルエーテル相の一定量を,試験に供する。

4-アミノアゾベンゼンの検出及び定量は,クロマトグラフィーによる(附属書 参照)。

一つのクロマトグラフを使用した試験で 4-アミノアゾベンゼンが検出された場合は,他の一つ以上の試

験方法で確認試験をしなければならない。

5

安全措置

5.1

警告  4-アミノアゾベンゼンは,人間に発がん性がある物質又は発がん性があると疑われる物質に

分類される。この物質の取扱い及び廃棄に当たっては,国の定める健康及び安全規定を厳守しなければな

らない。


3

L 1940-3

:2014 (ISO 24362-3:2014)

5.2

この試験方法において試験材料を扱う際に安全で適切な技術を用いることは,試験実施者の責任で

ある。物質安全データシート,安全推奨事項などの詳細については,製造業者に相談する。

5.3

優良試験所基準(GLP)を遵守し,保護眼鏡を全ての試験室で着用し,粉末染料を扱う間は,使い

捨て防じんマスクを着用する。

5.4

この規格の使用者は,国家及び地域政府の定める安全規則を順守しなければならない。

注記  国家及び地方政府の定める安全規定として,化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律,

労働安全衛生法などがある。

6

試薬

特に明記しない限り,試薬級の化学薬品を使用する。

注記  試薬級については日本工業規格で規定する試薬を用いるのがよい。

6.1

亜ジチオン酸ナトリウム水溶液  ρ

1)

=200 mg/mL,用時調製する。密閉容器で 1 時間放置後に使用す

る。

6.2

水酸化ナトリウム水溶液  ω

2)

=2 %。

6.3

n-

ペンタン

6.4

メタノール

6.5

クロロベンゼン

6.6

t-

ブチルメチルエーテル

6.7

塩化ナトリウム

6.8

4-

アミノアゾベンゼン  入手可能な最も純度の高い標準品。

6.9

ガスクロマトグラフ試験方法の内部標準(IS)  IS は,例えば,次のとおりとする。

− IS1:ベンジジン-d8,CAS No.92890-63-6

− IS2:ナフタレン-d8,CAS No.1146-65-2

− IS3:2.4.5-トリクロロアニリン,CAS No.636-30-6

− IS4:アントラセン-d10,CAS No.1719-06-8

6.10

標準液

6.10.1

内部標準(IS)の t-ブチルメチルエーテル溶液  ρ=10.0 μg/mL。

6.10.2

4-

アミノアゾベンゼンの校正溶液  4-アミノアゾベンゼンのメタノール溶液  ρ=500 μg/mL。

6.11

水  ISO 3696 に規定する 3 級。

1)

  ρ は,質量濃度。

2)

  ω は,質量濃度(質量分率  %)。

7

装置

7.1

反応容器  密閉性形の耐熱ガラス製で,容量 20 mL∼50 mL のもの。

7.2

抽出装置  抽出装置は,図 の構成要素からなり,次のものを用いる。

−  コイル形冷却器 NS 29/32

−  凝縮した溶剤が降り注ぐ試験片を保持するための,溶剤に不活性な物質から成る引っ掛けフック

− 100

mL の丸底フラスコ  NS 29/32

−  加熱源


4

L 1940-3

:2014 (ISO 24362-3:2014)

   

1  コイル形冷却器 
2  引っ掛けフック 
3  丸底フラスコ 
4  試験片

図 1−抽出装置の例

注記  同様の結果が得られるのであれば,類似の装置を使用してもよい。

7.3

熱源  40  ℃±2  ℃の温度を保持できるもの。

7.4

遠心分離機  3 000 回転/分以上の能力のもの。

7.5

ロータリーエバポレーター

7.6

ピペット  適切な大きさのピぺット又は可変量ピペット。

7.7

超音波浴  加熱を調節できるもので,実効値 160 W が可能なもの。

7.8

水平往復振とう器  1 秒間に 5 周期が可能で,振り幅が 20 mm∼50 mm のもの。

7.9

クロマトグラフ

7.9.1

ガスクロマトグラフ(GC)  質量選択検出器(MS)を装備したもの。

7.9.2

高速液体クロマトグラフ(HPLC)  勾配溶離,ダイオードアレイ検出器(DAD)又は質量選択検

出器(MS)付きのもの。

7.9.3

薄層クロマトグラフ(TLC)又は高性能薄層ク口マトグラフ(HPTLC)装置  関連検出器を付帯

するもの。

7.9.4

キャピラリー電気泳動装置(CE)  ダイオードアレイ検出器(DAD)付きのもの。

注記  機器の詳細は,附属書 に記載する。

8

試験手順

8.1

一般

JIS L 1940-1

の試験でアニリン及び 1,4-フェニレンジアミン又はアニリンだけが検出された試験片は,こ

の規格を適用する。試料の組成によって,8.3 又は 8.4 に規定する方法を行う。

8.2

試験片の準備

多色の繊維製品の場合は,それぞれの色について,可能な限り色ごとに別々に試料を採取しなければな

らない。


5

L 1940-3

:2014 (ISO 24362-3:2014)

注記  多色の場合は,3 色まで同時に試験してもよい。ただし,検出された場合は個別に試験するの

がよい。

複数の繊維部品で構成されている繊維製品は,それぞれの繊維部品の繊維の種類ごと及び/又は色別に

試験しなければならない。

試料から全質量が 1 g になるように試験片を切り取る。分散染料の色素の抽出(8.3)に供する試験片で,

7.2

に規定する装置を用いる場合は,細長くひも状に切り,その他の装置を用いる場合又は還元分解(8.5

だけに供する試料については,細かく切断する。

8.3

分散染料の色素の抽出

8.3.1

クロロベンゼンを用いた分散染料の抽出

7.2

に規定する抽出装置に試験片を装着し,25 mL 以上の沸騰クロロベンゼン中で,30 分間抽出する。

抽出後,室温になるまで放置,冷却する。

抽出液を,ロータリーエバポレーター(7.5)で 45  ℃∼60  ℃で濃縮した後,メタノール(6.4)7 mL を

2 分し,2 回に分けて残さに加え,1 回ごとに超音波浴(7.7)を用いて色素を分散溶解する。

注記 1  複数の段階を経て移すのがよい。例えば,ガラスフラスコ中の残さを超音波浴で溶解する。

次に,溶解液をピペットで定量性を確保しながら反応容器に移す。引き続き,1 mL のメタノ

ールで 3 回洗浄し,定量性を確保しながら洗浄液を反応容器に移すのがよい。

注記 2 4-アミノアゾベンゼンを放出する分散染料(例えば,C.I.Disperse Yellow 23)を直接定量する

場合は,メタノール溶液の一定量を直ちに LC-DAD-MS で分析するのがよい。

8.3.2

分散染料だけで染色された繊維製品

分散染料だけで染色された繊維で構成されている試験片及び/又は抽出によって完全に脱色された試験

片は,廃棄する。

8.3.3

分散染料及び/又はその他の染料で染色された繊維製品

試験試料がケース A 及び/又はケース B[JIS L 1940-1 の 8.4(繊維混用品)

]に該当する繊維を含有し

ている場合は,抽出した試験片を抽出装置(7.2)から取り出す。その後,適切な溶剤,例えば,n-ペンタ

ン(6.3)又は t-ブチルメチルエーテル(6.6)で試験片を洗浄・乾燥する。

乾燥した試験片は,還元分解に供するために必要に応じて細かく切断し,当該分散染料のメタノール溶

液(全体で 7 mL)とともに反応容器に入れて,一体として同時に還元する。

8.4

分散染料以外の染料で染色された繊維製品

試験片が,ケース A 及び/又はケース B(JIS L 1940-1 の 8.4)に該当する繊維を含有している場合は,

試験片を直接反応容器に入れる。

注記  試験片を直接反応容器に入れたのち,メタノール 7 mL を加えてもよい。

8.5

還元分解

小片に切断した試験片及び/又は抽出液の入った反応容器(7.1)に,9 mL の水酸化ナトリウム水溶液

6.2)を加えて密閉し,激しく振とうする。

続いて,アゾ基を還元分解するため 1.0 mL の亜ジチオン酸ナトリウム水溶液(6.1)を加えて激しく振

とう後,密閉して 40  ℃±2  ℃で正確に 30 分間反応させる。

反応後,1 分以内に室温(20  ℃∼25  ℃)に下げる。

8.6

4-

アミノアゾベンゼンの分離及び濃縮

5 mL の t-ブチルメチルエーテル(6.6)又は 5 mL の内部標準(IS)の t-ブチルメチルエーテル溶液(6.10.1

を,還元処理液に加える。次に,7 g の塩化ナトリウム(6.7)を加える。


6

L 1940-3

:2014 (ISO 24362-3:2014)

   

その後,混合物を水平往復振とう器で 45 分間振とうする。振とう速度は,5 周期/秒とする。

次に,t-ブチルメチルエーテル相の一定分量を試験用小瓶に移す。移した後,直ちに試験用小瓶を密閉

する。4-アミノアゾベンゼンの検出及び定量は,7.9 に規定するクロマトグラフ分析法による。

50  ℃を超えない条件で,ロータリーエバポレーターの真空度をあまり上げ過ぎて絶乾させずに,t-ブチ

ルメチルエーテル抽出物を濃縮し,約 1 mL とすることを推奨する。必要な場合は,残りの溶剤を真空に

せず,低速流の不活性ガスで注意深く除去する。

試験の一連の工程で,マトリクス効果によって検体の損失の可能性があるため,溶剤変更は避けること

が望ましい。全試験を 24 時間以内に実行できない場合は,試験片は−18  ℃未満の環境に保管する。

注記 1  冷却から振とうまでの時間は 5 分以内とし,完全な相分離を得るために,混合物は遠心分離

器の使用を推奨する。

注記 2  引き続き,試験のために,溶剤の変更又は 8.5 の抽出液を濃縮し,それを別の適切な溶剤(例

えば,メタノール)に移すことが必要な場合がある。また,制御されていない状態で,溶剤

の除去(真空蒸発装置での濃縮及び乾燥)を行った場合は,かなりの量の 4-アミノアゾベン

ゼンを消失させる可能性がある。

注記 3  きょう雑物が存在するため,4-アミノアゾベンゼンが不安定な状態を示すことがある。分析

作業に遅れが生じると,検体の多大の損失が生じる可能性がある。

8.7

試験手順の検証のための校正溶液

8.7.1

抽出なしの場合の校正溶液の調製

5 mL の t-ブチルメチルエーテル(6.6)又は 5 mL の内部標準(IS)の t-ブチルメチルエーテル溶液(6.10.1

のそれぞれに 100 μL の 4-アミノアゾベンゼンの校正溶液(6.10.2)を加える。この混合液は校正に使用す

る。この試験手順による相分離で得られる 4-アミノアゾベンゼンの回収率は,95 %∼100 %である。

8.7.2

抽出を行う場合の校正溶液の調製

100 μL の 4-アミノアゾベンゼンの校正溶液(6.10.2)に 6.9 mL のメタノール(6.4),9 mL の水酸化ナト

リウム水溶液(6.2

,1 mL の水(6.11)及び 7 g の塩化ナトリウム(6.7)並びに 5 mL の t-ブチルメチルエ

ーテル(6.6)又は 5 mL の内部標準(IS)の t-ブチルメチルエーテル溶液(6.10.1)をそれぞれ加える。

この混合物を水平往復振とう器で 45 分間振とうする。振とう速度は,5 周期/秒とする。

引き続き,試験のために,t-ブチルメチルエーテル相から一定分量を採取する。採取した試験用小瓶は

直ちに密閉する。

8.8

試験手順の検証

8.8.1

抽出なしの場合

試験手順を検証するために,100 μL の 4-アミノアゾベンゼンの校正溶液(8.7.1)を 8.5 によって試験す

る。4-アミノアゾベンゼンの回収率は,最低でも 60 %でなければならない。

注記  試験手順の検証では,8.7.1 に規定する校正溶液に直接 1.0 mL の亜チジオン酸ナトリウムを加

えて,還元分解することになる。

8.8.2

抽出を行う場合

試験手順を検証するために,100  μL の 4-アミノアゾベンゼン校正溶液(8.7.2)に 6.9 mL のメタノール

を加える。この混合液を 8.5 によって試験する。

4-アミノアゾベンゼンの回収率は,最低でも 60 %でなければならない。

注記  試験手順の検証では,この混合液に直接 1.0 mL の亜チジオン酸ナトリウムを加えて,還元分解

することになる。


7

L 1940-3

:2014 (ISO 24362-3:2014)

8.9

クロマトグラフによる分析

4-アミノアゾベンゼンの検出は 7.9 に規定するクロマトグラフによる。有効性が証明されればその他の

方法も使用可能である。

一つのクロマトグラフィーによる試験で 4-アミノアゾベンゼンが検出された場合は,他の一つ以上の試

験方法で確認を行う。両方の方法で検出が確認された場合だけ,試験結果を有効とみなす。

9

評価

9.1

計算

4-アミノアゾベンゼンの定量は,試料 1 kg 当たりのアミン量(mg)を算出する。その方法を,附属書 B

に記載する。

注記  計算結果は,JIS Z 8401 の規則 B(四捨五入法)によって整数位に丸めるのがよい。

9.2

試験方法の信頼性

試験方法の信頼性については,

附属書 を参照する。

10

試験報告書

試験報告書には,少なくとも次の事項について記載しなければならない。

a)

この規格の規格番号

b)

試料の種類,生産国及び表示(該当する場合は,試料の部位)

c)

試料受領日及び試験実施日

d)

サンプリング手順

e)

検出方法及び定量方法

f)

試験結果,4-アミノアゾベンゼンの検出限界(mg/kg)

注記 4-アミノアゾベンゼン濃度が 30 mg/kg 以下で検出された場合は,解釈には注意する(附属書 D

を参照)


8

L 1940-3

:2014 (ISO 24362-3:2014)

   

附属書 A

参考)

クロマトグラフ分析法

A.1

一般

分析機器は,試験機関によって異なるため,クロマトグラフ分析全般に適用可能な説明は不可能である

が,次のパラメータは,実際の試験で良好に使用できる。

A.2

薄層クロマトグラフィー(TLC

A.2.1

パラメータの例 1

プレート(HPTLC)  :蛍光指示薬 F254 配合シリカゲル 60,200 mm×100 mm

注入量

:2 μL∼5 μL  点状に注入

移動溶媒 1

:クロロホルム/酢酸  容量比で,90:10

展開

:飽和形展開槽

検出

:1  蛍光指示薬 F254 の TLC プレート

  2 UV ランプ  試薬 1 及び試薬 2 の連続処理の後,

反応時間は約 5 分とする。

両方又はいずれか一方の条件で検出する。

試薬 1

:窒素酸化物(NO

x

)発生には,硫酸約 1 mL を入れたビーカーに,固体亜硝酸

ナトリウム少量を加える。即座に,チャンバーを閉じて反応させる。

  チャンバー内に乾燥したプレートを置き,5 分後にそれを取り出して冷たい空

気流中で乾燥する。

試薬 2

:次に,乾燥したプレートに 1 mol の水酸化カリウム(KOH)及びメタノールで

調製した 0.2 %の α-ナフトール溶液を噴霧する。

A.2.2

パラメータの例 2

プレート(TLC)

:蛍光指示薬 F254 配合シリカゲル 60,200 mm×100 mm

注入量

:10.0 μL  線状に注入

移動溶媒 2

:クロロホルム/酢酸エチル/酢酸  容量比で 60:30:10

移動溶媒 3

:クロロホルム/メタノール  容量比で 95:5

移動溶媒 4

:n-酢酸ブチル/トルエン  容量比で 30:70

展開

:飽和形展開槽

移動溶媒 2 及び 3

:連続的に注入しプレートを乾燥させない。

検出

:1  蛍光指示薬 F254 の TLC プレート

  2 UV ランプ  試薬 1 及び試薬 2 の連続処理の後,

反応時間は約 5 分とする。

両方又はいずれか一方の条件で検出する。

A.2.3

パラメータの例 3

プレート(TLC)

:シリカゲル 60  200 mm×200 mm

注入量

:10.0 μL  線状に注入

移動溶媒 2

:クロロホルム/酢酸エチル/酢酸  容量比で 60:30:10

移動溶媒 3

:クロロホルム/メタノール  容量比で 95:5


9

L 1940-3

:2014 (ISO 24362-3:2014)

移動溶媒 2 及び 3

:注入は連続的に行い,プレートは乾燥させない。

展開

:飽和形展開槽

検出

:試薬 1 及び試薬 2 での連続した処理を行う。反応時間は約 5 分とする。

A.3

高速液体クロマトグラフィー(HPLC

A.3.1

高速液体クロマトグラフィー/ダイオードアレイ検出器(HPLC/DAD

溶離液 1

:メタノール

溶離液 2

:0.68 g のりん酸二水素カリウムを 1 000 mL の水に溶解し,次いで,150 mL の

メタノールを加える。

固定相

:Zorbax Eclipse XDB C18®(3.5 μm)

,150 mm×4.6 mm

流量

:0.6 mL/min∼2.0 mL/min(流量勾配は,勾配の項目を参照)

カラム

:32  ℃

注入量

:5 μL

検出

:ダイオードアレイ検出器(DAD)

,分光器

定量化

:240 nm,380 nm で定量

勾配

:  時間(min)      容離液 1(%)      流量(mL)

 0.00

10.0

0.6

 22.50

55.0

0.6

 27.50

100.0

0.6

 28.50

100.0

0.95

 28.51

100.0

2.0

 29.00

100.0

2.0

 29.01

10.0

2.0

 31.0

10.0

0.6

 35.00

10.0

0.6

A.3.2

高速液体クロマトグラフ分析法/質量選択検出器(HPLC/MS

溶離液 1

:アセトニトリル

溶離液 2

:5 mmol の酢酸アンモニウムを 1 000 mL の水に溶解し,pH 3.0 とする。

固定相

:Zorbax Eclipse XDB C18®(3.5 μm)

,2.1 mm×50 mm

流量

:300 μL/ min

勾配

:溶離液 1 を 10 %でスタートし,1.5 分以内に溶離液 1 を 20 %まで増加し,6 分

以内に溶離液 1 を 90 %まで直線的に増加

カラム温度

:40  ℃

注入量

:2.0 μL

検出

:4 重極及び/又はイオントラップ質量検出器,走査形及び/又はプロダクトイ

オン質量選択検出器

噴霧ガス

:窒素(ボンベ詰め又は発生器)

イオン化

:API エレクトロスプレー,フラグメンター電圧  120 V


10

L 1940-3

:2014 (ISO 24362-3:2014)

   

A.4

キャピラリーガスクロマトグラフィー/質量選択検知器(GC/MS

キャピラリーカラム

:DB-35MS (J&W)®,長さ 35 m  内径 0.25 mm  膜厚 0.25 μm

注入方法

:分割(スプリット)又は連続(スプリットレス)

注入温度

:260  ℃

キャリアガス

:ヘリウム

温度設定

:100  ℃で 2 分  100  ℃∼310  ℃で 15  ℃/分  310  ℃で 2 分

注入量

:分割する場合は,1.0 μL  スプリット比  1:15

検出

:MS(質量選択検出器)

A.5

キャピラリー電気泳動(CE

試料溶液(8.4)200 μL に 50 μL の塩酸(c=0.01 mol/L)を混合し,膜ろ過器(0.2 μm)でろ過する。こ

の溶液をキャピラリー電気泳動によって分析する。

キャピラリー1

:560 mm で被覆なし,内径 50 μm  拡張光路付(agilent®)

キャピラリー2

:560 mm  ポリビニルアルコール(PVA)で被覆した内径 50  μm,拡張光路付

(agilent®)

緩衝液

:りん酸塩緩衝液(c=50 mmol/L)  pH2.5

カラム温度

:25  ℃

電圧

:30 kV

注入時間

:4 秒

フラッシュ時間

:5 秒

検出

:ダイオードアレイ検出器(DAD)214 nm,254 nm,分光器

定量化

:240 nm 及び 380 nm で計算

X  時間(分) 
Y  検出量 
1  内部標準 
2  4-アミノアゾベンゼン

図 A.14-アミノアゾベンゼンの総イオン電流クロマトグラム−GC/MS による分析結果


11

L 1940-3

:2014 (ISO 24362-3:2014)

X  m/z 
Y  検出量

図 A.24-アミノアゾベンゼンの GC/MS70eV スぺクトル

X  時間(分) 
Y  mAU での検出量 
1  240 nm 
2  380 nm

図 A.34-アミノアゾベンゼンのクロマトグラム−HPLC/DAD 分析結果


12

L 1940-3

:2014 (ISO 24362-3:2014)

   

X  波長(nm) 
Y  吸収度(mAU)

図 A.44-アミノアゾベンゼンのスぺクトル−HPLC/DAD 分析結果


13

L 1940-3

:2014 (ISO 24362-3:2014)

附属書 B

参考)

計算法

B.1

一般

4-アミノアゾベンゼンの濃度は,ピーク面積から算出する。4-アミノアゾベンゼンの濃度は,B.2 及び

B.3

に規定する式の一つから,試験片との質量比(W)として mg/kg 単位で計算する。

注記  試験結果は,JIS Z 8401 の規則 B(四捨五入法)によって整数位に丸めるのがよい。

B.2

内部標準による校正

E

ISS

C

ISC

S

C

m

A

A

V

A

A

W

×

×

×

×

×

=

ρ

ここに,

W

4-アミノアゾベンゼンの試験片の質量に対する質量比濃
度(mg/kg)

ρ

C

校正溶液中の 4-アミノアゾベンゼンの濃度(μg/mL)

A

S

試験片溶液中の 4-アミノアソベンゼンのピーク面積(面
積単位)

A

C

校正溶液中の 4-アミノアゾベンゼンのピーク面積(面積
単位)

A

ISS

試験片溶液中の内部標準のピーク面積(面積単位)

A

ISC

校正溶液中の内部標準のピーク面積(面積単位)

V

8.3

によって調製した試料の最終容量(mL)

m

E

繊維試験片の質量(g)

B.3

内部標準を使用しない校正

E

C

S

C

m

A

V

A

W

×

×

×

=

ρ

ここに,

W

4-アミノアゾベンゼンの試験片の質量に対する質量比濃
度(mg/kg)

ρ

C

校正溶液中の 4-アミノアゾベンゼンの濃度(μg/mL)

A

S

試験片溶液中の 4-アミノアソベンゼンのピーク面積(面
積単位)

A

C

校正溶液中の 4-アミノアゾベンゼンのピーク面積(面積
単位)

V

8.3

によって調製した試料の最終容量(mL)

m

E

繊維試験片の質量(g)


14

L 1940-3

:2014 (ISO 24362-3:2014)

   

附属書 C 

参考)

分析結果の信頼性

表 C.1 は,絹及びポリエステルのそれぞれの繊維について,各国の試験機関で試験した結果を示す

1)

表 C.1−各国試験機関の試験結果 4-アミノアゾベンゼンの濃度

条件

ポリエステル

 GC/MS

HPLC

GC/MS

HPLC

参加試験機関数 10

11

10

9

異常値数

0 3 0 1

異常値除去後の試験機関数

10 8 10 8

平均値

(mg/kg)

77.3 80.7 71.1 52.7

繰返し精度 r(mg/kg)

22.6 11.2 32.6 10.0

繰返しの標準偏差 s

r

(mg/kg)

8.1 4.0 11.6 3.6

再現精度 R(mg/kg)

54.7 52.3 54.3 48.2

再現精度の標準偏差 s

R

(mg/kg)

19.6 18.7 19.4 17.2

この試験方法は,ドイツ連邦政府の消費者保護及び食品安全(BVL)局の§64LFGB 専門委員会“禁止さ

れたアゾ色素の分析方法”によって開発され,試験機関 11 機関の参加の下で検証試験が実施された。

1)

  §64LFGB BVL B 82.02-9  2006 年 9 月による公的試験方法:4-アミノアゾベンゼンを放出する可

能性があるアゾ色素使用の検出試験方法による。

検証試験の繰返し精度及び再現精度の評価は,次の点を考慮しなければならない。

a)

検証試験は,色素の還元剤との比及び還元剤の作成後からの時間経過が,定量の結果に重大な影響が

あることを示した。したがって,還元分解は,8.5 に記載された条件(時間,温度及び量)に厳密に従

って,実行することが重要である。

b)

もう一つの重要な要素は,液−液抽出である。例えば,4-アミノアゾベンゼンのアゾ結合の更なる反

応を防止するため,水溶性相と有機相とを分離することが重要である。したがって,8.6 に規定する条

件を正確に実行することが重要である。

c)

他の適切な内部標準を使用することは,GC/MS 試験方法の信頼性を更に高める。しかし,今回の検証

試験では考慮されなかった。

試験に使用された絹及びポリエステルの試験片は,今回の試験機関間の試験用に特に作成されたもので

ある。このため,染色は,4-アミノアゾベンゼンを放出する色素だけを使用して実施され,他の使用制限

のない,いかなるアゾ色素も使用していない。

これは,還元剤を消費する物質が含まれていないことを意味している。この染色方法は,追加的な影響

要因を排除する。したがって,別の試験方法で使用制限のない他のアゾ色素があっても,4-アミノアゾベ

ンゼンの損失がないことが証明された。


15

L 1940-3

:2014 (ISO 24362-3:2014)

附属書 D 

参考)

評価指針−分析結果の解釈

極微量のアミンの検出は,誤って陽性の結果を生むことがあるため,REACH 規則 1907/2006/附属書 17

は限界値として 30 mg/kg を定めている。この数値は繊維素材及び着色が均一な試料にだけ適用される。異

なる種類の組成からなる試料については適用しない。

4-アミノアゾベンゼンの検出量が 30 mg/kg を超えた場合は,特定のアゾ色素が使用されていると考えな

ければならない。30 mg/kg 以下の場合は,特定のアゾ色素が使用されていることを明らかにするために,

色素の種類,純度,使用原材料などの追加情報が必要である。

以上から,分析結果は,次のように報告することが望ましい。

a)

分析結果で得られた 4-アミノアゾベンゼンの濃度が≦30 mg/kg の場合  実施した分析によって,アゾ

基の還元分解で 4-アミノアゾベンゼンを放出する可能性があるアゾ色素は,依頼された製品から検出

されなかった。

b)

分析結果で得られた 4-アミノアゾベンゼンの濃度が>30 mg/kg の場合  実施した分析によって,試験

依頼された製品はアゾ色素を使用して,製造又は加工されたことを示している。

参考文献  JIS Z 8401  数値の丸め方