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L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

(1)

目  次

ページ

序文

1

1

  適用範囲

1

2

  引用規格

2

3

  一般

2

4

  原理

4

5

  安全措置

4

6

  試薬

4

7

  装置

5

8

  試験片の採取及び準備

7

8.1

  概要

7

8.2

  繊維製品

7

8.3

  繊維組成

7

8.4

  繊維混用品

8

8.5

  プリント製品

8

8.6

  色

8

9

  試験手順

8

9.1

  分散染料のための色素の抽出

8

9.2

  分散染料以外の色素で染色された繊維製品

9

9.3

  還元分解

9

9.4

  アミン類の分離及び濃縮

9

9.5

  アミンの検出及び定量

10

9.6

  確認手順

10

10

  試験結果の評価

11

10.1

  一般

11

10.2

  試料中のアミンの計算

11

10.3

  試験方法の信頼性

11

11

  試験報告書

11

附属書 A(参考)クロマトグラフ分析法

12

附属書 B(参考)試験の信頼性

15

附属書 C(参考)評価指針−分析結果の解釈

16

附属書 D(参考)各種繊維に使用される色素の説明表

17

附属書 E(参考)けい藻土を使用しない液−液抽出による手順

19

附属書 F(規定)色素からのアミンの定量方法

22


L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人繊維評価技術協議会(JTETC)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

JIS L 1940

の規格群には,次に示す部編成がある。

JIS

L

1940-1

  第 1 部:繊維の抽出及び非抽出による特定アゾ色素の使用の検出

JIS

L

1940-3

  第 3 部:4-アミノアゾベンゼンを放出する特定アゾ色素の使用の検出

ただし,第 2 部は欠番である。


   

日本工業規格

JIS

 L

1940-1

:2014

(ISO 24362-1

:2014

)

繊維製品−アゾ色素由来の

特定芳香族アミンの定量方法−

第 1 部:繊維の抽出及び非抽出による

特定アゾ色素の使用の検出

Textiles-Methods for determination of certain aromatic

amines derived from azo colorants-

Part 1: Detection of the use of certain azo colorants

accessible with and without extracting the fibres

序文

この規格は,2014 年に第 1 版として発行された ISO 24362-1 を基に,技術的内容及び構成を変更するこ

となく作成した日本工業規格である。

なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。

1

適用範囲

この規格は,抽出及び非抽出によって還元剤と反応する特定のアゾ色素の使用を検出する試験方法につ

いて規定する。この特定のアゾ色素は,繊維製品の製造及び加工に使用してはならない。

抽出することなく還元剤に反応するアゾ色素は,次の繊維の染色に使用できる。

−  セルロース繊維(例えば,綿,レーヨン)

−  たんぱく繊維(例えば,羊毛,絹)

−  合成繊維(例えば,ナイロン,アクリル)

抽出することで還元剤と反応するアゾ色素は,合成繊維の染色に使用する分散染料であり,次の合成繊

維が分散染料で染色できる。

−  ポリエステル

−  ナイロン

−  アセテート

−  トリアセテート

−  アクリル

−  アクリル系

−  アラミド

−  塩化ビニル

セルロース繊維及び/又はたんぱく繊維と合成繊維とを混用したものは,最初にまず染料を抽出するこ


2

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

   

とが必要である。また,この方法は,全ての着色又は染色された繊維製品,例えば,染色,プリント及び

コーティングした繊維製品に適用できる。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 24362-1:2014

,Textiles−Methods for determination of certain aromatic amines derived from azo

colorants−Part 1: Detection of the use of certain azo colorants accessible with and without

extracting the fibres(IDT)

なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“一致している”こ

とを示す。

2

引用規格

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。この引用

規格は,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。

)は適用しない。

ISO 3696:1987

,Water for analytical laboratory use−Specification and test methods

3

一般

特定のアゾ色素は,アゾ基の還元分解によって,

表 に示すアミンの一つ以上を生成する。


3

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

表 1−対象とするアミン

No CAS 番号 INDEX 番号 EC 番号

化学物質名

 1

92-67-1

612-072-00-6

202-177-1

ビフェニル-4-イルアミン 
4-アミノビフェニル 
キセニルアミン

 2

92-87-5

612-042-00-2

202-199-1

ベンジジン

 3

95-69-2

612-196-00-0

202-441-6

4-クロロ-o-トルイジン

 4

91-59-8

612-022-00-3

202-080-4

2-ナフチルアミン

 5

a)

 97-56-3

611-006-00-3

202-591-2

o-アミノアゾトルエン 
4-アミノ-2',3-ジメチルアゾベンゼン 
4-o-トリルアゾ-o-トルイジン

 6

a)

 99-55-8

612-210-00-5

202-765-8

5-ニトロ-o-トルイジン 
2-アミノ-4-ニトロトルエン

 7

106-47-8

612-137-00-9

203-401-0

4-クロロアニリン

 8

615-05-4

612-200-00-0

210-406-1

4-メトキシ-m-フェニレンジアミン 
2,4-ジアミノアニソール

 9

101-77-9

612-051-00-1

202-974-4

4,4'-メチレンジアニリン 
4,4'-ジアミノジフェニルメタン

10 91-94-1

612-068-00-4

202-109-0  3,3'-ジクロロベンジジン

3,3'-ジクロロビフェニル-4,4'-イレンジアミン

11 119-90-4

612-036-00-X

204-355-4  3,3'-ジメトキシベンジジン

o-ジアニシジン

12 119-93-7

612-041-00-7

204-358-0  3,3'-ジメチルベンジジン

4,4'-ビ-o-トルイジン

13 838-88-0

612-085-00-7

212-658-8  4,4'-メチレンジ-o-トルイジン

14 120-71-8

612-209-00-X

204-419-1  6-メトキシ-m-トルイジン

p-クレシジン

15 101-14-4

612-078-00-9

202-918-9  4,4'-メチレン-ビス-(2-クロロアニリン)

2,2'-ジクロロ-4,4'-メチレンジアニリン

16 101-80-4

612-199-00-7

202-977-0  4,4'-オキシジアニリン

17 139-65-1

612-198-00-1

205-370-9  4,4'-チオジアニリン

18 95-53-4

612-091-00-X

202-429-0  o-トルイジン

2-アミノトルエン

19 95-80-7

612-099-00-3

202-453-1  4-メチル-m-フェニレンジアミン

2,4-トルイレンジアミン 
2,4-ジアミノトルエン

20 137-17-7

612-197-00-6

205-282-0  2,4,5-トリメチルアニリン

21 90-04-0

612-035-00-4

201-963-1  o-アニシジン

2-メトキシアニリン

22

b)

 60-09-3

611-008-00-4

200-453-6

4-アミノアゾベンゼン

注記 1 2,4-キシリジン(CAS No.95-68-1)及び 2,6-キシリジン(CAS No.87-62-7)は,この試験方法の対象とする

ことができる。

注記 2 INDEX 番号とは,欧州経済共同体(EEC)で制定された危険物の取扱いに関する指令 67/548/EEC Annex I

に記載された化学物質の管理番号をいう。

注記 3 EC 番号とは,欧州共同体が定めた欧州既存商業化学物質リスト(European Inventory of Existing Commercial

Chemical Substances)に記載された,7 桁の化学物質の同定番号をいう。

a)

 CAS

No.97-56-3(No.5)及び 99-55-8(No.6)は,更に還元されて CAS No.95-53-4(No.18)及び 95-80-7(No.19)

となる。

b)

 4-アミノアゾベンゼンを生成するアゾ色素は,この試験条件の下で,アニリン(CAS No.62-53-3)及び 1.4-フ

ェニレンジアミン(CAS No.106-50-3)を生成する。検出限界からアニリンだけが検出される場合がある。こ
れらの色素の存在確認は,JIS L 1940-3 による。


4

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

   

4

原理

繊維製品から着色された試料を採取した後,分散染料のための染料抽出法及び/又はその他の種類の色

素に対する直接還元法によって求められる。

染料抽出法及び直接還元法を組み合わせた方法又はいずれか一つの方法を適用するかは,試料の繊維組

成(単一の繊維組成又は混用品)及び着色方法(染色又はプリント)によって決定する。

試料が,

二つの方法のうちの一つの方法を適用しても脱色しない場合には,

もう一つの方法で試験する。

分散染料に対して抽出法を実施する場合は,

図 に示す抽出装置のヘッドスペースに繊維を入れ,クロロ

ベンゼンを用いて,染料を還流抽出する。

抽出液を濃縮し,メタノールを使って反応容器に移し,次に,pH6 のクエン酸塩緩衝液中 70  ℃で,亜

ジチオン酸ナトリウムで還元する。

クロロベンゼン抽出後も試料が完全には脱色しない場合には,その試料も分散染料のメタノール抽出液

とともに反応容器に入れ,同時に還元する。

他の種類の色素に対する方法を実施する場合は,密閉容器に入れて pH6 のクエン酸塩緩衝液中 70  ℃で

亜ジチオン酸ナトリウムで還元処理する。

還元によって反応工程から放出されたアミンは,けい藻土を詰めたカラムで液−液抽出によって t-ブチ

ルメチルエーテル相に移す。

次に,t-ブチルメチルエーテルを濃縮し,残さを適切な溶剤に溶解し,クロマトグラフィーでアミンを

同定する(

附属書 参照)。

スクリーニング方法として,

けい藻土カラムを使わずに液−液抽出による手順を,

附属書 に記載する。

いずれかのクロマトグラフィーでアミンが検出された場合は,別に一つ以上の方法で確認する。

5

安全措置

5.1

警告  表 に示すアミンは,人に対する発がん物質又は発がん性の疑いのある物質として分類され

ている。これらの物質の取扱い及び廃棄に当たっては,国の定める健康及び安全規定を厳守しなければな

らない。

5.2

この規格に記載されている物質を取り扱う際に安全で適切な技法を用いることは,この規格の使用

者の責任である。安全データシート,取扱い推奨事項などの詳細については製造業者に相談する。

5.3

優良試験所基準(GLP)を遵守し,試験エリアでは防護眼鏡を着用し,粉体の染料を取り扱う間は,

使い捨ての防じんマスクを使用する。

5.4

この規格の使用者は,国家及び地方政府の定める安全規定を遵守しなければならない。

注記  国家及び地方政府の定める安全規定として,化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律,

労働安全衛生法などがある。

6

試薬

特に明記しない限り,試薬級の化学薬品を使用する。

注記  試薬級については日本工業規格で規定する試薬を用いるのがよい。

6.1

クロロベンゼン

警告  クロロベンゼンは有毒な化学製品であり,これを取り扱うために,皮膚接触,誤飲など特別の

配慮が要求される。

6.2

アセト二トリル


5

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

6.3

メタノール

6.4

t-

ブチルメチルエーテル

6.5

n-

ぺンタン

6.6

くえん酸/水酸化ナトリウム緩衝液  pH6,c=0.06 mol/mL

1)

6.7

亜ジチオン酸ナトリウム水溶液  ρ=200 mg/mL

2)

  を用時調製する。

6.8

けい藻土

6.9

アミン標準物  表 に示すアミン No.1∼No.21,アニリン及び 1,4-フェニレンジアミンで,入手可能

な最も純度の高い標準品。

6.10

標準溶液

6.10.1

アミンのストック溶液  適切な溶剤 1 mL 中にそれぞれのアミンを 300  μg 以上の濃度に調製した

溶液。

注記  アセトニトリルは,安定性がよく,アミンのストック溶液に適切な溶剤である。

6.10.2

日々のアミン校正溶液  6.10.1 のストック溶液を溶剤 1 mL 当たりそれぞれのアミンが 15.0  μg の

質量濃度(ρ)に希釈した溶液。

6.10.3

定量用アミン校正溶液  溶剤 1 mL 当たりそれぞれのアミンの質量が 2 μg∼50 μg の溶液。

注記  各試験実施機関の責任において適切な校正濃度を選定するのがよい。

6.10.4

溶液の内部標準(IS)  溶剤 1 mL 当たり内部標準が 1.0 mg の質量濃度のもの。ガスクロマトグ

ラフィー質量分析法(GC/MS)の場合は,次のいずれかの内部標準の一つを使用する。

注記  分析可能であれば,他の質量濃度でもよい。

− IS1:ベンジジン-d8,CAS No.92890-63-6

− IS2:ナフタレン-d8,CAS No.1146-65-2

− IS3:2.4.5-トリクロロアニリン,CAS No..636-30-6

− IS4:アントラセン-d10,CAS No.1719-06-8

注記  ベンジジンの確認分析を DAD(ダイオードアレイ検出器)又は TLC(薄層クロマトグラフィ

ー)で実施する場合は,ピークが重水素で置換されていないベンジジンから分離できないた

め,IS1 のベンジジン-d8,CAS No.92890-63-6 の使用は適切ではない。

6.11

水酸化ナトリウム水溶液  質量分率 10 %。

6.12

水  ISO 3696 に規定する 3 級。

1)

  c は,くえん酸濃度。

2)

  ρ は,質量濃度。

7

装置

7.1

抽出装置

抽出装置は,

図 の構成要素からなり,次のものを用いる。

−  コイル形冷却器 NS 29/32

−  凝縮した溶剤が降り注ぐ試験片を保持するための,溶剤に不活性な物質から成る引っ掛けフック

− 100

mL の丸底フラスコ  NS 29/32

−  加熱源


6

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

   

1  コイル形冷却器 
2  引っ掛けフック 
3  丸底フラスコ 
4  試験片

図 1−抽出装置の例

注記  同様の結果が得られるものであれば,類似の装置を使用してもよい。

7.2

超音波浴  加熱を調節できるもので,実効値 160 W が可能なもの。

7.3

反応容器  密閉形の耐熱ガラス製で,容量 20 mL∼50 mL のもの。

7.4

加熱源  70  ℃±2  ℃を維持することができるもの。

7.5

ガラス又はポリプロピレン製のカラム  質量 20 g のけい藻土(6.8)の詰まった内径 25 mm∼30 mm,

長さ 130 mm∼150 mm で,出口にガラス繊維フィルタを装着したもの。

けい藻土カラムは,封入済みのものか,又は所定の大きさのガラス若しくはポリプロピレンカラムに 20

g のけい藻土が封入されたものを使用する。

7.6

真空調節機能及びウォーターバス(湯煎浴)を備えたロータリーエバポレーター

注記  液体上に制御された流量の窒素を流すことができるウォーターバスを備えたものであれば,他

の種類の蒸発装置を使用してもよい。

7.7

ピペット  適切な大きさのピペット又は可変量ピペット。

7.8

クロマトグラフ  次のいずれかから,選択する。

7.8.1

薄層クロマトグラフ(TLC)又は高性能薄層クロマトグラフ(HPTLC)  適切な検出ができるも

の。

7.8.2

高速液体クロマトグラフ(HPLC)  勾配遊離及びダイオードアレイ検出器(DAD)又は質量選択

検出器(MS)付きのもの。

7.8.3

ガスクロマトグラフ(GC)  水素炎イオン化検出器(FID)又は質量選択検出器(MS)付きのも

の。

7.8.4

キャピラリー電気泳動装置(CE)  ダイオードアレイ検出器付きのもの。

注記  クロマトグラフ分析における標準的なパラメータの例を,附属書 に記載する。


7

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

8

試験片の採取及び準備

8.1

概要

試験片の選定は,次による。

−  繊維製品の部位

−  繊維素材の種類(繊維組成)

−  プリント物

−  色

試料から全質量が 1 g になるように試験片を切り取る。分散染料のための色素の抽出(9.1)に供する試

験片で,7.1 に規定する装置を用いる場合は,細長くひも状に切り,その他の装置を用いる場合又は還元分

解(9.3)だけに供する試料については,細かく切断する。

8.2

繊維製品

繊維製品が糸,布はく(帛)などのような半製品の場合は,それから試験片を切り取る。

繊維製品が衣服のように幾つかの繊維部品で構成されている場合は,次に例示するような直接かつ長時

3)

  肌又は口に接触する部位の全ての部分から試験片を切り取る。

−  主要部分の生地

−  裏地

−  ポケットの生地

−  刺しゅう(繍)部分

−  繊維製品に付けられたラベル

−  引きひも

−  ファスナ

−  人造毛皮

−  縫糸

構成部材,例えば,ラベル,縫糸,小さな刺しゅう(繍)などの質量が所定の試験質量の 1 g に達しな

い場合は,可能な限り同等の部分を集める。収集した同等部分の全質量が 0.5 g 以下の場合は,その部材は

微量成分と位置付ける[

附属書 の b)  の注記 を参照]。

0.2 g 未満の部材は,分析から除外する。

注記 0.2

g 未満のため,試料の採取ができなかった場合は,試験報告書に詳細を記載するのがよい。

刺しゅう(繍)は,基布を含めて質量を量らなければならない。

3)

  長時間とは,繊維製品の用途,対象年齢,着用方法などの要素によって判断される。

8.3

繊維組成

この規格は,繊維の種類ごとに色素の抽出を適用するので,分散染料の使用の可能性を決定することが

できるように,繊維組成の種類を確認する。

表 に四つのケースを示す。

表 2−繊維の種類との関連で分散染料のための色素の抽出の適用

繊維の種類

分散染料の使用

ケース

分散染料ための色素抽出の必要性

天然繊維

なし A

なし

合成繊維

なし B

なし

不確定 C

あり

あり D

あり

注記  繊維が染色されていない場合は,試験を実施しない。


8

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

   

天然繊維又は合成繊維に使用される染料の分類を,

附属書 に示す。

8.4

繊維混用品

異なる種類の繊維が混用されている場合には,分散染料のための色素の抽出(9.1)が適用できるかどう

かを決定するために,

表 によって決定する。

表 3−繊維の混用に関連した分散染料ための色素の抽出の適用

分散染料のための色素の抽出の必要性

混用品の組合せ

混用品の成分

A B C D 

混用品の成分 A

なし

なし

あり

あり

B

なし

なし

あり

あり

C

あり

あり

あり

あり

D

あり

あり

あり

あり

注記  A∼D の意味については,表 を参照。

8.5

プリント製品

製品が顔料

附属書 参照)でプリントされているか又は分散染料以外の染料で染められている場合は,

9.2

による。

8.6

8.6.1

一般

全ての色について試験する。ただし,色が白の場合は色とはみなさず,試験は実施しない。

8.6.2

複数の色が混在する場合

3 色までは,同時に試験を実施してよい。

次の優先順位によって,3 色を採取する。

−  繊維製品の同じ部分から 3 色を選び出す。

−  3 色が繊維用品の同じ部分から取り出せない場合は,同種の素材でできている部分から 3 色を選び出

す。

−  3 色が繊維製品の同じ部分又は同種の素材でできている部分から取り出せない場合は,同じ手順(9.1

又は 9.2)が適用できる部分から 3 色を選定する。

8.6.3

3

色の試験片の準備

全体が 1 g になるように 3 色それぞれをほぼ同じ質量を採取する。

3 色を混合した試験片の分析結果が,いずれかのアミンについて 5 mg/kg∼30 mg/kg の範囲にある場合は,

一つの色(単色)の分析結果が 30 mg/kg を超えるかどうかを確認するため,別に試験を行う。

定量限界は,内部の検証手順によって,全てのアミンについて定めなければならない。

9

試験手順

9.1

分散染料のための色素の抽出

9.1.1

クロロベンゼンを用いた分散染料の抽出

分散染料で染色された繊維試料を 7.1 の抽出装置に装着し,25 mL 以上の沸騰クロロベンゼン中で,30

分間抽出する。抽出液は装置から取り出す前に室温になるまで放置し,冷却する。

抽出液を,ロータリーエバポレーター(7.6)で 45  ℃∼60  ℃で少量の残さになるまで濃縮した後,メタ


9

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

ノールを 1 mL ずつ 2 回に分けて加え,1 回ごとに超音波浴(7.2)を用いて色素を分散溶解し,反応容器

に移す。

9.1.2

分散染料だけで染色された繊維製品

分散染料だけで染色された繊維で構成されている繊維試料及び/又は抽出によって完全に脱色された繊

維試料は,廃棄する。

9.1.3

分散染料及び/又はその他の色素で染色された繊維製品

試験試料がケース A 及び/又はケース B(8.4)に属する繊維を含有している場合は,抽出した試験片を

抽出器から取り出す。その後,適切な溶剤,例えば,n-ペンタン(6.5)又は t-ブチルメチルエーテル(6.4

で試験片を洗浄して抽出溶剤を除去し,乾燥する。

乾燥した試験片は,還元分解に供するために必要に応じて細かく切断し,当該分散染料のメタノール溶

液(全体で 2 mL)とともに反応容器に入れて,同時に還元する。

9.2

分散染料以外の色素で染色された繊維製品

試験試料がケース A 及び/又はケース B(8.4)に属する繊維を含有している場合は,試験片を直接反応

容器に入れ,2 mL のメタノール(6.3)を加える。

9.3

還元分解

小片に切断された試験片及び/又はメタノール・抽出液の入った反応容器(7.3)に,70  ℃に加温した

15 mL くえん酸/水酸化ナトリウム緩衝液(6.6)を加えて密閉し,70  ℃±2  ℃で 30 分±1 分間反応させ

る。

続いて,アゾ基を還元分解するため 3 mL の亜ジチオン酸ナトリウム水溶液(6.7)を加えて激しく振と

う後,密閉して 70  ℃±2  ℃で 30 分±1 分間反応させる。

反応後,2 分以内に室温(20  ℃∼25  ℃)に下げる。

9.4

アミン類の分離及び濃縮

反応溶液に水酸化ナトリウム水溶液(6.11)0.2 mL を加えて激しく振とうする。反応溶液をけい藻土カ

ラム(7.5)に注ぎ,15 分間カラムに吸収させる。

その間に,反応容器に t-ブチルメチルエーテル(10 mL)を加えて振とうし,15 分後その t-ブチルメチ

ルエーテルを繊維試料とともにけい藻土カラム上に静かに注ぐ。100 mL のすり合わせ付き丸底フラスコ又

はロータリーエバポレーター(7.6)のガラス容器に受ける。

反応容器を t-ブチルメチルエーテル(10 mL)ですすいでカラムに注ぎ,続いて 60 mL の t-ブチルメチル

エーテルをカラムに直接注ぐ。

アミン類の検出及び定量のために,t-ブチルメチルエーテル抽出液を 50  ℃以下で約 1 mL となるまで濃

縮する。このとき,抽出液は,乾固させてはならない。必要であれば,他の溶剤に交換するため,不活性

ガスを緩やかに流して注意深く溶剤の残りを除去する。

抽出液又は残さは,例えば,アセトニトリル(6.2)又は t-ブチルメチルエーテルのような適切な溶剤を

加えて 2.0 mL とし,遅滞なく分析に供する。

全分析が 24 時間で終えることができない場合は,抽出液を−18  ℃以下で保存する。

注記 1  制御されていない状態で,溶剤の除去(ロータリーエバポレーターでの濃縮,蒸発乾固)を

行った場合は,かなりの量のアミンが損失する可能性がある。

注記 2  マトリクス効果のために,2,4-ジアミノトルエン及び 2,4-ジアミノアニソールのような独特の

アミンは,安定性が非常に悪い可能性がある。所定の操作が遅れると,アミン類が機器分析

時に検出できないことがある。


10

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

   

9.5

アミンの検出及び定量

アミンの検出は,7.8 に規定するクロマトグラフ技術によって行うことができる。また,その他の正当性

が立証された方法も使用することができる。アミンが一つのクロマトグラフ法によって検出された場合,

一つ以上の代替方法を使用して確認を行わなければならない。

両方の方法が陽性の結果を与える場合だけ,

結果が陽性である。

表 に示すいずれかのアミンが確認されている場合は,アミン含有量を定量化するために少なくとも 3

点で検量線を作成する。

注記  確認されたアミンが異性体をもっている場合は,正しい識別に注意する必要がある。

9.6

確認手順

9.6.1

一般

手順を確認するために,アミンのストック溶液(6.10.1)100 μL 又は反応容器中の各アミンが 30 μg 生じ

る容量並びに 2.0 mL メタノールを,予熱した 15 mL くえん酸/水酸化ナトリウム緩衝液(6.6)の入った

反応容器に加える。この確認手順は,各サンプルひとまとまりごとに実施しなければならない。

その後,9.39.5 に規定する手順を行う。日々のアミン校正溶液(6.10.2)によって,この確認手順を定

量化する。

9.6.2

内部標準を用いた校正(ガスクロマトグラフィーによる定量)

V

V

A

A

A

A

S

ISS

C

ISC

S

C

S

×

×

×

×

=

ρ

ρ

ここに,

ρ

S

サンプル溶液の当該アミンの濃度(μg/mL)

A

S

試料溶液の当該アミンのピーク面積(面積単位)

A

C

校正溶液の当該アミンのピーク面積(面積単位)

A

ISS

試料溶液中の内部標準のピーク面積(面積単位)

A

ISC

校正溶液中の内部標準のピーク面積(面積単位)

V: 9.4 によって調製した試料の最終容量(mL)

V

S

確認手順で使用したアミン溶液の容量(mL)

ρ

C

校正溶液中の当該アミンの濃度(μg/mL)

9.6.3

内部標準なしの校正

V

V

A

A

S

C

S

C

S

×

×

=

ρ

ρ

ここに,

ρ

S

サンプル溶液の当該アミンの濃度(μg/mL)

A

S

試料溶液の当該アミンのピーク面積(面積単位)

A

C

校正溶液の当該アミンのピーク面積(面積単位)

V: 9.4 によって調製した試料の最終容量(mL)

V

S

確認手順で使用したアミン溶液の容量(mL)

ρ

C

校正溶液中の当該アミンの濃度(μg/mL)

アミンの回収率は,次の最低要求基準を遵守しなければならない。

アミン No.1∼No.4,No.7,No.9∼No.17 及び No.20∼No.21

:70 %

アミン No.8

:20 %

アミン No.18 及び No.19

:50 %

アミン No.5,No.6 及び No.22

表 の注

a)

  及び注

b)

  を参照

アニリン

:70 %

注記  現時点では,上記以外のアミンの回収率は,その最低要求基準を決めるための実績が十分では

ない。


11

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

10

試験結果の評価

10.1

一般

日々のアミン校正溶液(6.10.2)を使用して 5 mg/kg 以上のアミンが検出及び/又は定量された場合は,

多点の検量線を使用して定量しなければならない(6.10.3

既知の標準濃度に対応する検量線をプロットする。その際,内部標準を使用した場合は,内部標準に対

応して修正する。

この検量線からアミンの濃度 ρ

S

(μg/mL)を内挿する。

10.2

試料中のアミンの計算

アミンの量は,次の計算式に従って試料 1 kg 当たりの質量 w(mg/kg)として算出する。

E

S

m

V

w

×

=

ρ

ここに,

ρ

S

当該アミンの内挿による濃度(μg/mL)

V: 9.4 によって調製した試料の最終容量(mL)

m

E

繊維試料の重量(g)

注記  JIS Z 8401 の規則 B(四捨五入法)によって整数位に丸めるのがよい。

10.3

試験方法の信頼性

この試験方法の信頼性については,

附属書 を参照する。

11

試験報告書

試験報告書には,少なくとも次の事項について記載しなければならない。

a)

この規格の規格番号

b)

試料の種類,生産国及び表示(該当する場合は,試料の部位)

c)

試料受領日及び試験実施日

d)

サンプリング手順

e)

検出方法及び定量方法

f)

アミンの検出限界(mg/kg)

g)

アミンの結果(mg/kg)

注記 30

mg/kg 以下の場合は,誤って陽性の結果となっている可能性もあるので,解釈には注意する。

結果の解釈は,

附属書 を参照する。


12

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

   

附属書 A

参考)

クロマトグラフ分析法

A.1

一般

分析機器は,試験機関によって異なるため,クロマトグラフ分析全般に適用可能な説明は不可能である

が,次のパラメータは,実際の試験で良好に使用できる。

A.2

薄層クロマトグラフィー(TLC

A.2.1

パラメータの例 1

プレート(HPTLC)  :蛍光指示薬 F254 配合シリカゲル 60,200 mm×100 mm

適用容量

:2μL∼5 μL  点状に注入

移動溶媒 1

:クロロホルム/酢酸  容量比で,90:10

試薬 1

:窒素酸化物(NO

x

)発生には,硫酸約 1 mL を入れたビーカーに,固体亜硝酸

ナトリウム少量加える。即座に,チャンバーを閉じて反応させる。

  チャンバー内に乾燥したプレートを置き,5 分後にそれを取り出して冷たい空

気流中で乾燥する。

試薬 2

:次に,乾板に 1 mol の水酸化カリウム(KOH)及びメタノールで調製した 0.2 %

の α-ナフトール溶液を噴霧する。

検出

: 1  蛍光指示薬 F254 の TLC プレート。

2

UV ランプ  試薬 1 及び試薬 2 の連続処理の後,反応時間は約 5 分とする。

  両方又はいずれか一方の条件で検出する。

A.2.2

パラメータの例 2

プレート(TLC)

:蛍光指示薬 F254 配合シリカゲル 60,200 mm×100 mm

適用容量

:10.0 μL  線状に注入

移動溶媒 2

:クロロホルム/酢酸エチル/酢酸  容量比で 60:30:10

移動溶媒 3

:クロロホルム/メタノール  容量比で 95:5

移動溶媒 4

:n-酢酸ブチル/トルエン  容量比で 30:70

展開

:飽和形展開槽

移動溶媒 2 及び 3

:連続的に注入しプレートを乾燥させない。

検出

: 1  蛍光指示薬 F254 の TLC プレート。

2

UV ランプ  試薬 1 及び試薬 2 の連続処理の後,反応時間は約 5 分とする。

  両方又はいずれか一方の条件で検出する。

A.2.3

パラメータの例 3

プレート(TLC)

:シリカゲル 60,200 mm×200 mm

適用容量

:10.0 μL  線状に注入

移動溶媒 2:

:クロロホルム/酢酸エチル/酢酸  容量比で 60:30:10

移動溶媒 3:

:クロロホルム/メタノール  容量比で 95:5

移動溶媒 2 及び 3

:連続的に注入しプレートを乾燥させない。


13

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

展開

:飽和形展開槽

A.3

高速液体クロマトグラフィー(HPLC

A.3.1

高速液体クロマトグラフィー/ダイオードアレイ検出器(HPLC/DAD

溶離液 1

:メタノール

溶離液 2

:0.68 g のりん酸二水素カリウムを 1 000 mL の水に溶解し,次いで,150 mL の

メタノールを加える。

固定相

:Zorbax Eclipse XDB C18®(3.5 μm)

,150 mm×4.6 mm

流量

:0.6 mL∼2.0 mL/min(流量勾配は,勾配の項目を参照)

カラム温度

:32  ℃

注入容量

:5 μL

検出

:ダイオードアレイ検出器(DAD)

,分光器

定量化

:240 nm,280 nm,305 nm 及び 380 nm で定量

勾配

:時間(min)    容離液 1(%)    流量(mL)

 0.00

10.0

0.6

 22.50

55.0

0.6

 27.50

100.0

0.6

 28.50

100.0

0.95

 28.51

100.0

2.0

 29.00

100.0

2.0

 29.01

10.0

2.0

 31.0

10.0

0.6

 35.00

10.0

0.6

A.3.2

高速液体クロマトグラフィー/質量選択検出器(HPLC/MS

溶離液 1

:アセトニトリル

溶離液 2

:5 mmol の酢酸アンモニウムを 1 000 mL の水に溶解し,pH3.0 とする。

固定相

:Zorbax Eclipse XDB C18®(3.5 μm)

,2.1 mm×50 mm

流量

:300 μL/min

勾配

:溶離液 1 を 10 %でスタートし,1.5 分以内に溶離液 1 を 20 %まで増加し,6 分

以内に溶離液 1 を 90 %まで直線的に増加

カラム温度

:40  ℃

注入容量

:2.0 μL

検出

:4 重極及び/又はイオントラップ質量検出器,走査形及び/又はプロダクトイ

オン質量選択検出器

スプレーガス

:窒素(ボンベ詰め又は発生器)

イオン化

:API エレクトロスプレー,フラグメンター電圧  120 V

A.4

キャピラリーガスクロマトグラフィー/質量選択検出器(GC/MS

キャピラリーカラム

:DB-35MS (J&W)®,長さ 35 m  内径 0.25 mm  膜厚 0.25 μm

注入方法:

:分割(スプリット)又は連続(スプリットレス)


14

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

   

注入温度:

:260  ℃

キャリアガス:

:ヘリウム

温度設定:

:100  ℃で 2 分,100  ℃∼310  ℃で 15  ℃/min,310  ℃で 2 分

注入量:

:分割する場合は,1.0 μL  スプリット比  1:15

検出:

:MS(質量選択検出器)

A.5

キャピラリー電気泳動(CE

試料溶液(9.4)200 μL に 50 μL の塩酸(c=0.01 mol/L)を混合し,膜ろ過器(0.2 μL)でろ過する。こ

の溶液をキャピラリー電気泳動によって分析する。

キャピラリー1:

:560 mm で被覆なし,内径 50 μm  拡張光路付(agilent®)

キャピラリー2:

:560 mm,ポリビニルアルコール(PVA)で被覆した内径 50  μm,拡張光路付

(agilent®)

緩衝液:

:りん酸塩緩衝液(c=50 mmol/L)

,pH2.5

カラム温度:

:25  ℃

電圧:

:30 kV

注入時間:

:4 秒

フラシュ時間:

:5 秒

検出:

:ダイオードアレイ検出器(DAD)214 nm,254 nm,分光器

X  時間(分) 
Y  240 nm の吸収度(mAU) 
★1,4-フェニレンジアミン

★★アニリン

芳香族アミン No.1∼No.21 は

表 を参照する。

図 A.1HPLC/DAD-クロマトグラム


15

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

附属書 B

参考)

試験の信頼性

表 B.1 の次のデータがポリエステル生地についての共同実験の結果から得られた。

表 B.1−共同実験 の結果

分析方法

繊維

アミン

r

a)

s

(r)

R

a)

s

(R)

クロロベンゼン抽出 
HPLC/DAD

ポリエステル p-クロロアニリン 31.6  6.5

(20.6)

2.2 12.7

(40.2)

4.5

クロロベンゼン抽出 
GC/MS

ポリエステル p-クロロアニリン 31.8  6.8

(21.4)

2.4 10.9

(34.3)

3.8

ここに, 
 r

:繰返し精度(mg/kg)

 R

:再現精度(mg/kg)

:平均値(mg/kg)

 s

(r)

:繰返しの標準偏差(mg/kg)

 s

(R)

  :再現精度の標準偏差(mg/kg)

a)

  括弧内の数値は,変動率(%)を表す。

表 B.2 は,羊毛,綿及びレーヨンについての 11 検査機関のリングテストの結果である。

表 B.2−共同実験の結果

分析方法

繊維

アミン

r

a)

s

(r)

R

a)

s

(R)

HPLC

羊毛 3,3-ジメチルベンジジン 25.9 4.9

(18.9)

1.7 12.7

(49.1)

4.5

HPLC

綿

ベンジジン 29.7

5.3

(17.8)

1.9 11.5

(38.7)

4.1

HPLC

レーヨン 3,3-ジメトキシベンジジン 22.5  2.9

(12.9)

1.0 7.9

(35.1)

2.8

HPLC

羊毛 4,4-ジアミノジフェニルメ

タン

17.7 3.0

(16.9)

1.1 7.5

(42.4)

2.6

HPLC

羊毛 o-トルイジン 22.6

4.4

(19.5)

1.6 13.8

(61.1)

4.9

ここに, 
 r

:繰返し精度(mg/kg)

 R

:再現精度(mg/kg)

:平均値(mg/kg)

 s

(r)

:繰返しの標準偏差(mg/kg)

 s

(R)

:再現精度の標準偏差(mg/kg)

a)

  括弧内の数値は,変動率(%)を表す。


16

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

   

附属書 C 

参考)

評価指針−分析結果の解釈

極微量のアミンの検出は,誤って陽性の結果を生むことがあるため,REACH 規則 1907/2006/附属書 17

は限界値として 30 mg/kg を規定している。この数値は,繊維素材及び着色が均一な試料だけに適用される。

異なる種類の組成からなる試料については適用しない。

検出されたアミンの量が 30 mg/kg を超えている場合は,特定のアゾ色素を使用していると考えなければ

ならない。

30 mg/kg 以下の場合は,特定のアゾ色素が使用されていることを明らかにするために,色素の種類及び

純度,使用原材料などの追加情報が必要である。

以上から,分析結果は,次のように報告することが望ましい。

a)

分析結果で得られたアミンの濃度が≦30 mg/kg の場合

1)

実施した分析の結果,アゾ基の分解によって

表 に示すアミン類の一つ又は一つ以上を放出する可

能性のあるアゾ色素は,試験依頼された製品から検出されなかった。

b)

分析結果で得られたアミンの濃度が>30 mg/kg の場合

1)

アミン成分が 30 mg/kg を超えていることを指摘する。

2)

分析結果は,提出された製品がアゾ基の分解によってリスト記載のアミン類(

表 参照)の一つ又

は一つ以上を放出するアゾ色素を使用して,製造又は加工されていることを示している。

2.1) 4-

アミノジフェニル,2-ナフチルアミン,4-メトキシ-m-フェニレンジアミン:特定アゾ色素の使

用は,追加情報,例えば,使用されている染料の化学構造が分からない限り,明言はできない。

2.2) 4-

アミノジフェニル,2-ナフチルアミン:試料を採取した製品は,アゾ基によらない当該アミン類

を含む構造の色素で染色されている可能性がある。

2.3) 4-

メトキシ-m-フェニレンジアミン:試料を採取した製品は,既成の 4-メトキシ-m-フェニレンジア

ミンではなく 2-アミノ-4-ニトロアニソールを構造にもつアゾ色素で染色されているかもしれない。

そのアゾ色素は,分析の過程でまず 2-アミノ-4-ニトロアニソールを放出し,更に 4-メトキシ-m-

フェニレンジアミンを生成すると考えられる。

注記 1  検出されたアミンがアゾ色素由来のもので,ポリウレタンのような他の材料からの由来で

ないことに注意する必要がある。

注記 2  少量で多数の構成材料からなる試料は,均一性が低いので不確かさが大きいことに注意す

る必要がある。

c)

4-

アミノアゾベンゼンの測定  4-アミノアゾベンゼンを生成可能なアゾ色素(例えば,C.I.Disperse

Yellow 23)は,この試験方法の条件ではアニリン及び 1,4-フェニレンジアミンを発生させる。1,4-フェ

ニレンジアミンの検出限界及び回収の点から,アニリンだけが検出されるかもしれない。4-アミノア

ゾベンゼンを放出する色素が存在する場合は,JIS L 1940-3 による。


17

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

附属書 D 

参考)

各種繊維に使用される色素の説明表

D.1

一般

表 D.1−色素の説明表

色素の分類 
 
繊維素材

染料

顔料

塩基

性染

酸性

染料

クロ

ム染

金属

錯体

直接

染料

分散

染料

アゾ

染料

硫化

染料

a)

バッ

ト染

a)

反応

染料

天然繊維

動物
繊維

羊毛

XX

XX

XX

(X)

X

X

絹 (X)

XX

X

X

(X)

(X)

(X)

X

X

植物

繊維

綿

  XX    XX XX XX XX  X

ヘンプ

亜麻(フラ

ックス)

カポック

サイザル

ラミー

黄麻(ジュ
ート)

人造繊維

ポリエステル

XX

    X

ナイロン

  XX X XX (X) X          X

トリアセテート

XX

    X

アセテート・

ジアセテート

  

XX

X

(X)

(X)

(X)

 X

アクリル

XX

 

(X)

    X

レーヨン

  

XX

XX

X

XX

XX

X

塩化ビニル

     X     X

 X  使用 
 (X) 特別な場合に使用 
 XX 通常使用 

a)

  アゾ色素ではないもの。

分散染料だけが染料抽出(9.1.1)に関係する。試験片を沸騰したクロロベンゼンで 20 分間抽出すること

によって,分散染料が存在するかどうかを見分ける。抽出溶剤が着色した場合は,分散染料が使用されて

いる可能性がある。

D.2

プリント製品の識別基準

D.2.1

顔料プリントの判定基準

−  プリントが,繊維の上にバインダーで固定されている。

−  細かい粒子が繊維にのり付けされている。


18

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

   

−  手触り・風合いがプリントされていない部分よりごわごわして硬い。

−  柔軟性のある布地を引き伸ばすと白いか又はより輝いたしま模様が見える。

−  種類の異なる繊維混用品の場合は,顔料プリントが最も安価な手段である。

−  耐摩耗性は,染料プリントより劣る。

−  基布よりも白く光沢のある色合いは,顔料プリントにだけ可能である。

D.2.2

染料プリントの判定基準

−  染料は,バインダーで固定されたものではない。

−  染料が,繊維の内部まで浸透して繊維の裏面にまで達している。

−  柔軟性のある布地を引き伸ばしても,白いか又はより輝いたしま模様は見えない。

−  種類の異なる繊維混用品の場合,それぞれの繊維の色の深みが異なるので,染料プリントは難しい。

−  耐摩耗性は,顔料プリントより良好である。


19

L 1940-1

:2014 (ISO 24362-1:2014)

附属書 E

参考)

けい藻土を使用しない液−液抽出による手順

E.1

一般

この手順は,けい藻土カラム(7.5)を使用しない液−液抽出で,

表 のアミンを検出する方法を記述す

る。

表 に示すアミンが 5 mg/kg∼100 mg/kg 検出された場合は,けい藻土カラムを用いた液−液抽出法で

再分析しなければならない。

この附属書に記載の方法と同等の結果が得られる方法であれば,類似の検出方法を使用してもよい。

この手順で,相互に参照する手間を省くために,試料準備は箇条 による。

E.2

追加して使用する試薬

E.2.1

日々使用するアミン校正溶液

6.10.1

に規定するアミンのストック溶液を適切な溶剤で希釈して,

溶剤 1 mL 当たり各アミンが ρ=6.0 μg

の濃度になるように調製する。

GC/MS(ガスクロマトグラフィー/質量分析)の場合は,内部標準液(E.2.3)で希釈する。

E.2.2

濃度定量のためのアミン校正溶液

濃度定量のためのアミン校正溶液は,適切な溶媒 1 mL 当たり各アミンが,0.8 μg∼20 μg の範囲に成る

ように調製する。

GC/MS 分析の場合は,内部標準(E.2.3)で希釈する。

注記  校正のための適切な濃度は,それぞれの試験機関で選定するのがよい。

E.2.3

溶液中の内部標準(IS

t-ブチルメチルエーテル(6.4)1 mL 当たり内部標準(IS)ρ=15  μg とする。GC/MS 分析の場合は,次

のいずれかの内部標準の一つを使用する。

− IS1:ベンジジン-d8,CAS No.92890-63-6

− IS2:ナフタレン-d8,CAS No.1146-65-2

− IS3:2,4,5-トリクロロアニリン,CAS No.636-30-6

− IS4:アントラセン-d10,CAS No.1719-06-8

注記  確認分析を DAD(ダイオードアレイ検出器)又は TLC(薄層クロマトグラフ)で行う場合は,

IS1:ベンジジン-d8,CAS No.92890-63-6 は,ピークが重水素化されていないベンジジンと分

離できないため,使用できない。

E.2.4

容量比 40  %(w/w)の水酸化ナトリウム水溶液

E.2.5

塩化ナトリウム

E.3

追加の器具・装置

E.3.1

水平形振とう装置  1 秒間に 5 回,振り幅 20 mm∼50 mm で振動するもの。

E.3.2

遠心分離機  3 000 rpm 以上のもの。


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:2014 (ISO 24362-1:2014)

   

E.4

手順

E.4.1

分散染料の抽出

E.4.1.1

クロロベンゼンによる分散染料の抽出

分散染料で染色された試料を 7.1 に規定する抽出器に入れ,25 mL 以上の沸騰したクロロベンゼン中で

30 分間抽出する。その後,クロロベンゼン抽出液を室温まで冷却する。

クロロベンゼン抽出液を蒸発器中で 45  ℃∼60  ℃の温度で少量の残さになるまで濃縮する。

染料を分散させるために,超音波浴を使ってメタノールを 0.5 mL ずつ 2 回に分けて加え,この残さを反

応容器に定量的に移し替える。

E.4.1.2

分散染料だけで染色された繊維製品

抽出済みの試験片を抽出器から取り出し,試料が分散染料で染色された繊維で全部が構成されている場

合及び/又は抽出によって完全に脱色されている場合は廃棄する。

E.4.1.3

分散染料及び/又はその他の色素で染色された繊維製品

試料がケース A 及び/又はケース B(8.4)に属する繊維を含有している場合は,抽出済み試験片を抽出

器から取り出す。

適切な溶剤,例えば,n-ペンタン(6.5)又は t-ブチルメチルエーテル(6.4)で試料を洗浄してクロロベ

ンゼン溶剤を除去し,乾燥させる。

必要によって,還元分解に供するために細かく切断する。

抽出済み試験片を分散染料のメタノール溶液(全部で 1 mL)と一緒に反応容器に入れて一体として同時

に還元する。

E.4.2

分散染料以外の色素で染色された繊維製品

繊維試料がケース A 及び/又はケース B(8.4)の繊維だけを含有している場合は,試験片を直接反応容

器に入れ,メタノール(6.3)1 mL を加える。

E.4.3

還元分解

くえん酸/水酸化ナトリウム緩衝液(6.6)8 mL を反応容器に加え,容器を密閉して 70  ℃±2  ℃で,30

分±1 分間反応させる。

次に,アゾ基の還元分解を行うために亜ジチオン酸ナトリウム水溶液(6.7)3 mL を反応容器に加え,

激しくかくはん(撹拌)して直ちに 70  ℃±2  ℃で 30 分±1 分間保持する。

加熱終了後,2 分以内に室温(20  ℃∼25  ℃)まで冷却する。

E.4.4

アミン類の分離及び濃縮

反応液に水酸化ナトリウム水溶液(E.2.4)0.5 mL,塩化ナトリウム(E.2.5)7 g 及び溶液中の内部標準

E.2.3)5 mL を加え,水平形振とう装置(E.3.1)で 15 分±1 分間振とうする。

振とう後,完全に層が分離するように混合液を遠心分離器に掛けることが望ましい。

可能な場合には,濃縮せずに分離した上部相をアミンの分析に供する。

アミンの検出・定量のために,50  ℃を超えない温度で t-ブチルメチルエーテル抽出液を約 1 mL になる

まで濃縮する。このとき,乾固させてはならない。

必要によって,不活性ガスを弱く流して注意深く溶剤を除去し,別の溶剤に置換する。

抽出物又は残さを直ちに適切な溶剤,例えば,アセトニトリル又は t-ブチルメチルエーテルの 2 mL に溶

かし,遅滞なく分析する。

全分析を 24 時間以内に終えることができない場合は,試料を−18  ℃以下で保管する。

注記 1  制御されていない条件の下で,溶媒の除去,すなわち,真空蒸発装置による濃縮及び乾固を


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行った場合は,相当量のアミンが消失する可能性がある。

注記 2 2,4-ジアミノトルエン及び 2,4-ジアミノアニソールのような一部のアミンは,その性質上安定

性が非常に悪い場合がある。所定の操作が遅れるとアミン類が機器測定時に検出できないこ

とがある。

E.4.5

アミンの検出及び定量

アミンの検出は,7.8 に規定するクロマトグラフによる方法を用いて行うことができる。また,他の有効

な方法も使用することができる。

表 に示すアミンが確認された場合は,アミン含有量を定量するために

は少なくとも 3 点の検量線を作成する。

定量は,高速液体クロマトグラフ/ダイオードアレイ検出器(HPLC/DAD)又はガスクロマトグラフ/

質量選択検出器(GC/MS)による。

E.4.6

確認手順

手順を確認するために,アミンのストック溶液(6.10.1)100 μL 又は反応容器中の各アミンが 30 μg とな

る容量,並びに 1.0 mL のメタノール及び 3.0 mL の水を,8 mL のくえん酸/水酸化ナトリウム緩衝液(6.6

の入った反応容器に加える。

次に,E.4.4 及び E.4.5 に記載の操作を行う。

アミンを濃縮する必要がある場合は,確認手順は試料のバッチごとに実施する。日々の校正(E.2.1)に

基づいて,この校正用標準を定量する。

アミンの回収率は,次の最低要求水準に適合しなければならない。

アミン No.1∼No.4,No.7,No.9∼No.17 及び No.20∼No.21

:70 %

アミン No.8

:20 %

アミン No.18 及び No.19

:50 %

アミン No.5,No.6 及び No.22

表 の注

a)

  及び注

b)

  を参照

アニリン

:70 %


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:2014 (ISO 24362-1:2014)

   

附属書 F

規定)

色素からのアミンの定量方法

F.1

一般

この附属書は,色素から直接アミンを検出するための手順について規定する。

F.2

原理

試料は色素であり,抽出段階(9.1 又は 9.2)以外は,原理は,箇条 と同様である。還元分解(9.3

アミン類の分離及び濃縮(9.4

,アミンの検出及び定量(9.5

,確認手順(9.6)及び試験結果の評価(箇

条 10)も同様である。

F.3

試料の準備

F.3.1

一般

試料は,それが製造業者によって供給される色素による。

F.3.2

試験片の数量

色素から,質量 200 mg を採取する。

F.4

手順

反応容器内に試料を入れ,2.0 mL のメタノールを追加する。次に,9.3 に規定する手順を適用する。

F.5

評価

アミンの定量は,10.2 に規定する式によって,検体の質量 w(mg/kg)を算出する。

F.6

試験報告書

箇条 11 によって,結果を試験報告書に記載する。


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参考文献

[1]  JIS L 1940-3  繊維製品−アゾ色素由来の特定芳香族アミンの定量方法−第 3 部:4-アミノアゾベンゼ

ンを放出する特定アゾ色素の使用の検出

注記  対応国際規格:ISO 24362-3,Textiles−Methods for determination of certain aromatic amines

derived from azo colorants−Part 3: Detection of the use of certain azo colorants, which may release 
4-aminoazobenzene(IDT)

[2]  JIS Z 8401  数値の丸め方 
[3]  EN 14362-1,Textiles−Methods for determination of certain aromatic amines derived from azo colorants−Part

1: Detection of the use of certain azo colorants accessible with and without extracting the fibres

[4]  EN 14362-3,Textiles−Methods for determination of certain aromatic amines derived from azo colorants−Part

3: Detection of the use of certain azo colorants, which may release 4-aminoazobenzene

[5]  Regulation (EC) No 1907/2006 of the European Parliament and of the Council of 18 December 2006

concerning the Registration, Evaluation, Authorisation and Restriction of Chemicals (REACH),establishing a 
European Chemicals Agency