>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

L 1921

:2015

(1)

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  用語及び定義  

1

4

  原理 

2

5

  安全対策  

2

6

  試験かび  

3

7

  装置 

3

8

  試薬及び培地  

4

9

  かびの保存及び使用  

6

9.1

  かびの保存  

6

9.2

  試験かびの前培養  

6

10

  かび胞子懸濁液  

6

10.1

  培地から胞子の洗い出し  

7

10.2

  培地からのかび胞子懸濁液の採取及び分散  

7

10.3

  菌糸の除去  

7

10.4

  培地成分の除去  

7

10.5

  胞子濃度確認  

8

10.6

  吸収法のかび胞子懸濁液の調製  

8

11

  ATP 検量線の作成  

8

12

  試験方法  

9

12.1

  試験片の準備及び接種  

9

12.2

  培養  

11

13

  発光量の測定  

11

13.1

  吸収法  

11

13.2

  トランスファー法  

12

14

  試験結果  

12

14.1

  試験成立の判定  

12

14.2

  抗かび活性値の計算  

13

15

  抗かび効果  

13

16

  試験報告書  

13

附属書 A(規定)試験に用いるかび  

14

附属書 B(参考)抗かび効果  

16

参考文献  

17

附属書 JA(参考)JIS と対応国際規格との対比表  

19


L 1921

:2015

(2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人繊維評価技術協議会(JTETC)

及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出

があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 L

1921

:2015

繊維製品の抗かび性試験方法及び抗かび効果

Textiles-Determination of antifungal activity and efficacy of textile products

序文 

この規格は,2012 年に第 1 版として発行された ISO 13629-1 を基とし,我が国の技術動向,実態に即し

て技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,

附属書 JA に示す。

適用範囲 

この規格は,アデノシン三りん酸(以下,ATP という。

)を酵素反応によって励起させた発光強度を測

定することによる抗かび活性の定量試験方法及び抗かび効果について規定する。

この規格は,糸,織編物,不織布,衣類,寝具,家具,雑貨などの繊維製品に適用する。

なお,抗かび性試験方法は,用途及び繊維製品が使用される環境を考慮し,次のいずれかの試験方法か

ら最も適切な評価方法を選択する。

a)

吸収法  試験かび胞子懸濁液を直接試験片上に接種する試験方法。

b)

トランスファー法  試験かび胞子を寒天培地に塗布し,それを試験片に転写する試験方法。

注記  この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。

ISO 13629-1:2012

,Textiles−Determination of antifungal activity of textile products−Part 1:

Luminescence method

(MOD)

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1 に基づき,

“修正している”

ことを示す。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS L 0803

  染色堅ろう度試験用添付白布

注記  対応国際規格:ISO 105-F02,Textiles−Tests for colour fastness−Part F02: Specification for cotton

and viscose adjacent fabrics

(MOD)

JIS Z 8401

  数値の丸め方

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。


2

L 1921

:2015

3.1 

対照試料(control specimen)

試験する繊維製品と同じもの,かつ,抗かび加工が行われていないもので,試験の成立条件の検証用に

使用する試料。ただし,対照試料が入手できない場合は,JIS L 0803 に規定する綿 100 %の添付白布(綿

3-1

号)を用いて,洗剤及び漂白剤を使用せず,60  ℃の水温で 10 分間水洗い後,すすぎ 5 分を 2 回繰り

返す。この一連の処理を 10 回繰り返し,風乾したものを用いる。

3.2 

抗かび剤(antifungal agent)

かびの発育を阻害,又はかびを死滅させることによって,かびの発育を阻止及び抑制する薬剤。

3.3 

抗かび加工(antifungal treatment)

かびの発育を阻害,又はかびを死滅させることによって,かびの発育を阻止及び抑制する加工。

3.4 

かび胞子懸濁液(spore suspension)

陰イオン界面活性剤(8.3 を参照)を含む水にかび胞子を均一に分散させた液体。

3.5 

ATP

(アデノシン三りん酸)

かび生細胞中に存在する多機能性ヌクレオチド。

3.6 

抗かび活性(antifungal activity)

かびの発育を阻害又は抑制する性能。ATP 量の対数値で計算され,対照試料の発育値と試験試料の発育

値との差で表される。

3.7 

抗かび効果(antifungal efficacy)

抗かび加工によって認められる抗かび性の効果。抗かび活性値によって評価される。

3.8 

発光測定法(luminescence method)

かび細胞に含まれる ATP 濃度を発光光度計で測定し,ATP 量(モル)を算出する方法。

原理 

試験試料及び対照試料に試験かび胞子懸濁液を接種し,25  ℃で 42 時間培養させる。

この規格では,試験片上でのかび発育性,すなわち,抗かび活性は,試験試料上及び対照試料上のかび

細胞内 ATP 量の測定結果を比較することによって定量的に決定される。

安全対策 

この試験方法では,かびを使用する。

この規格の試験実施者は,微生物学的技術に関して訓練を受け,経験をもつ者が望まれる。また,安全

対策については,法規制に照らし合わせて適切であることを確認しておかなければならない。


3

L 1921

:2015

試験かび 

試験で使用するかびは,

附属書 に規定する試験かびの中からいずれかを選択して試験する。

微生物株保存の世界機関(WFCC)に加盟する機関がもつ同等なかび類についても,試験当事者間の協

定によって使用してもよい。

試験に使用したかびの保存株番号及び供給先は,試験報告書に記載する。

装置 

7.1 

ガーゼ  生化学試験用のもの又はガラスウール(FR 仕様)。 

7.2 

シャーレ  滅菌されたもので内径が約 90 mm のもの,及びトランスファー法の試験片を入れるもの

は,内径 55 mm∼60 mm のもの。

7.3 

乾熱滅菌器  160  ℃∼180  ℃の温度で使用可能なもの。

7.4 

オートクレーブ  121  ℃±2  ℃(103 kPa と同等)で使用可能なもの。

7.5 

安全キャビネット  生化学試験用のもの,又は同等の性能をもつもの。

7.6 

白金耳  直径で 2 mm∼4 mm のループのもの。

7.7 

かぎ型白金耳  胞子をかき取れるもの。

7.8 

培養器  20  ℃∼37  ℃の範囲で設定温度±2  ℃の精度で使用可能なもの。

7.9 

バイアル瓶  30 mL のガラス瓶。ねじ蓋式のものでポリテトラフルオロエチレン又はシリコンのパ

ッキンを使用し,ポリプロピレンで作られたキャップを使用したもの。

7.10 

ガラス棒  直径 5 mm∼18 mm のもので重さが 1 g∼50 g のもの。

7.11 

ガラス製漏斗  内径 60 mm のもの。 

7.12 

ピペット  容量が 0.05 mL,0.1 mL,0.2 mL,5 mL 及び 10 mL のもので,誤差が呼び容量の 5.0 %

以内のもの。

7.13 

パスツールピペット  微生物学試験用のもの。

7.14 

フラスコ  容量が 100 mL∼500 mL のもの。

7.15 

ピンセット  滅菌できる材料で作られたもの。

7.16 

プラスチック試験管  発光光度計用のもの。

7.17 

試験管かくはん(攪拌)機  バイアル瓶及び試験管をかくはんできるもの。

7.18 

遠心分離機  遠心加速度が約 2 000 G のもの。

7.19 

遠心分離用試験管  遠心分離機で使用できるもの。

7.20 

ヘモサイトメータ  1×10

6

 /mL

∼3×10

6

 /mL

が計測できるもの。

7.21 

顕微鏡  倍率 200 倍のもの。

7.22 

超音波洗浄器  実験用のコンパクトで,30 kHz∼50 kHz で使用できるもの。

7.23 

発光光度計  300 nm∼650 nm の波長で測定できるもので,8.4,箇条 11 及び箇条 13 で規定する条件

で,1×10

11

 mol/L

∼1×10

5

 mol/L

の ATP 濃度を測定できるもの。

7.24 pH

メータ  25 ℃で±0.1 の精度のもの。

7.25 

冷蔵庫  2  ℃∼10 ℃の温度で使用できるもの。

7.26 

冷凍庫  −80  ℃以下で使用できるもの,及び−20  ℃以下で使用できるもの。

なお,試験管,バイアル瓶,フラスコ,ピペット及びピンセットは,使用前にアルカリ及び中性洗剤を

使用して洗浄,水洗,及び乾燥し,その後,乾熱滅菌又は高圧蒸気滅菌処理を行う。


4

L 1921

:2015

試薬及び培地 

8.1 

一般  試験に使用する試薬は,分析用グレード及び/又は微生物試験用のもの。

培地の調製については,市場に無水製品がある場合には,厳密に製造業者の指示に従うことを前提に,

それを使用することを推奨する。

8.2 

水  微生物試験用又は試薬調製用の分析用グレードの水。新たに蒸留されたもの,イオン交換され

たもの及び/又は逆浸透膜を使用してろ過されたものとする。また,あらゆる毒性物質及びかび阻害物質

がないものとする。

8.3 

陰イオン界面活性剤  かび胞子懸濁液用のジオクチルスルホこはく酸ナトリウム。

8.4 

発光測定試薬,試薬及び緩衝液 

8.4.1 

一般  8.4.28.4.8 に規定する試薬及び緩衝液を使用する。市場で入手できるものは,適切な検証

試験を行ってから使用しなければならない。 

8.4.2 ATP

標準試薬原液(10

3

 mol/L

(以下,ATP 標準液という。

)  アデノシン-5'3 りん酸二ナトリウ

ム三水和物(C

10

H

14

O

13

P

3

Na

2

·3H

2

O

)60.5 mg を水に溶解し,100 mL に調製したもの。

調製後,容器に入れ,しっかり密封して,−20  ℃以下で冷凍保存する。保存期間は 6 か月までとする。

一度溶解したものを再凍結してはならない。

8.4.3 ATP

発光試薬の緩衝液  次の成分からなり,pH を 7.5±0.2 に調整したもの。

− N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン 1

11 mg

−  エチレンジアミン四酢酸二水和物ジナトリウム塩 18 mg

−  酢酸マグネシウム四水和物 80 mg

− DL-ジチオスレイトール 6.7 mg

−  デキストリン 25

00 mg

−  スクロース 92 mg

−  水 250

mL

(調製後)

8.4.4 ATP

発光試薬  次の成分からなり,発光光度計(7.23)を使用し,8.4 並びに箇条 11 及び箇条 13

で規定する試験で,1×10

11

 mol/L

∼1×10

5

 mol/L

の ATP 濃度を測定できるもの。 

−  ルシフェラーゼ 0.7 mg

− D-ルシフェリン 12. mg

−  うし血清アルブミン 56

mg

−  緩衝液(8.4.3 参照) 30

mL

使用前に一度完全溶解させ,室温で 15 分間おき,3 時間以内に使用する。

上記以外の ATP 発光試薬を使用する場合は,その成分を試験報告書に記載する。

8.4.5 ATP

抽出試薬  次の成分からなり,pH を 12.0±0.5 に調整したもので,かび細胞内 ATP を 80 %又

はそれ以上の効率で抽出できなければならない。

なお,pH の調整は,水酸化ナトリウムによる。

− N-トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン 45

mg

−  塩化ベンザルコニウム 10 %水溶液 0.2 mL

−  水 9.8 mL

上記以外の ATP 抽出試薬を使用する場合は,その成分を試験報告書に記載する。


5

L 1921

:2015

8.4.6 ATP

消去試薬  次の成分からなり,pH を 6.0±0.5 に調整したもので,ATP 消去試薬を培地の 1/10

量を加えたときに,培地(8.5.1 参照)の ATP 含有量を 15 分以内に 10

11

 mol/L

まで減少させる能力がなけ

ればならない。調製後は,8 時間以内に使用する。

−  アピラーゼ(EC:3.6.1.5) 4.6 国際単位/mL

−  アデノシンりん酸デアミナーゼ(EC:3.5.4.6  又 EC:6.3.5.4.17) 4.6 国際単位/mL

−  スクロース 37

mg

−  うし血清アルブミン 20

mg

− 0.05

mol/L

の 2-モノホリノエタンスルホン一水和物酸緩衝液 10

mL

上記以外の ATP 消去試薬を使用する場合は,その成分を試験報告書に記載する。

8.4.7 

生理食塩水  JIS K 8150 に規定する塩化ナトリウム(NaCl)8.5 g を水に溶解し,1 000 mL に調製

したもの。その後,オートクレーブ(7.4)で滅菌する。

8.4.8 

湿潤剤添加水  陰イオン界面活性剤(8.3 参照)を水で溶解し,1 000 mL に調製したもの。その後,

オートクレーブ(7.4)で滅菌する。

8.5 

培地 

8.5.1 

一般 

8.5.2

8.5.5 に規定する培地を使用する。市場で入手できる培地は,適切な検証試験を行ってから使用す

る。調製後すぐに使用しない培地は,5  ℃∼10  ℃の冷蔵庫に保存する。1 か月を経過したものは,使用し

てはならない。

8.5.2 

サブローデキストロース液体培地(SDB)  次の成分からなり,pH を 5.6±0.2 に調整後,オート

クレーブ(7.4)で滅菌する。

−  ペプトン 10

g

−  デキストロース 20

g

∼ 40 g

−  水

1 000 mL

8.5.3 

ポテトデキストロース寒天培地(PDA)  次の手順によって作成したもの。 

a)

きずの少ないじゃがいもを洗い,皮をむく。各芽の周り約 10 mm を取り除き,約 10 mm 角のサイコ

ロ状に切る。

b)

この細断したじゃがいも 200 g を 1 000 mL の水に入れ,1 時間煮沸する。その後,2∼3 枚重ねのガー

ゼ(7.1)で包み,脱水する。

c)

次に,合計容量が 1 000 mL になるよう水を加える。

d)

続いて,20 g のグルコース,15 g∼20 g の寒天を加える。完全に溶解させてオートクレーブ(7.4)に

よって処理する。

8.5.4 

斜面培地  次の手順によって作成したもの。

a)

完全に溶解させた PDA(8.5.3)約 10 mL を試験管に入れて栓をし,オートクレーブ(7.4)で処理す

る。

b)

滅菌後,清潔な実験台に水平面に対し約 15°の角度で静置し,寒天培地を固化させる。固化した寒天

培地上に凝結水がない場合は,再度溶解し,固化させて凝結水を確認してから使用する。

8.5.5 

サブローデキストロース寒天培地(SDA)  次の成分からなり,pH を 5.6±0.2 に調整後,オート

クレーブ(7.4)で滅菌する。

−  牛肉由来ペプトン 10

g

−  デキストロース 35

g


6

L 1921

:2015

−  寒天 15

g

−  水

1 000 mL

(調製後)

注記  この培地は,トランスファー法で使用する。

かびの保存及び使用 

9.1 

かびの保存 

試験かびの継代培養及び取扱いは,安全キャビネット(7.5)又は同等の設備の中で行い,次による。

a)

継代培養の前後に,試験管の栓と試験管口周辺とを火炎滅菌するか又は化学滅菌する。

b)

元株から少量のかび胞子を白金耳(7.6)及びかぎ型白金耳(7.7)でかき取り,斜面培養の下部の凝結

水に分散させ,斜面培養の上部に直線状又は波線状に塗り付ける(

図 参照)。

c)

異なるかびの継代培養を行う都度,白金耳及びかぎ型白金耳を火炎滅菌する。

d)

継代培養された斜面培養を 25  ℃±2  ℃に設定された培養器(7.8)に少なくとも 8 日間培養する。十

分な胞子が発生したことを確認し,5  ℃∼10  ℃で保存する。

e)

3

か月以内に,更なる培養又は保存のために継代培養されたかびを新しい斜面培養に移植する。

f)

継代培養を最大 3 か月間隔で繰り返す。ただし,継代培養は 5 回までとする。また,3 か月を過ぎた

かびは,それ以上の継代培養に使用してはならない。

1

凝結水

2

斜面状の寒天培地

図 1−斜面培地での継代培養 

9.2 

試験かびの前培養 

かび胞子懸濁液調製のための前培養は,

9.1

で保存されたかび胞子を白金耳及びかぎ型白金耳でかき取り,

平板培地中央に接種し,25  ℃±2  ℃の条件で少なくとも 8 日間培養する。培養後,直ちに使用しない場合

は,5  ℃∼10  ℃に保存し,7 日以内に使用する(

図 参照)。

10 

かび胞子懸濁液 

かび胞子懸濁液の調製手順は,次による。


7

L 1921

:2015

1

3

4

5

2

6

1 PDA

平板上での 9.2 の前培養

2

ステップ 1

3

ステップ 2

4

ステップ 3

5

ステップ 4

6

ステップ 5

図 2−かび胞子懸濁液調製手順 

10.1 

培地から胞子の洗い出し 

培地から胞子の洗い出しは,次による。

a)

パスツールピペット(7.13)又は同等の器具を用いて,湿潤剤添加水(8.4.8)約 0.5 mL をとる(

ステ

ップ 1)。

b)

寒天培地の中央の胞子上に湿潤剤添加水をゆっくり滴下し,寒天の表面をピペッティングでゆっくり

と 5 回すすぎ洗う(

ステップ 2)。

注記  湿潤剤添加水量の変更のような軽微な変更を行った場合は,その変更した条件を試験報告書

に記載する。

10.2 

培地からのかび胞子懸濁液の採取及び分散 

培地からのかび胞子懸濁液の採取及び分散は,次による。

a)  10.1

のかび胞子懸濁液をパスツールピペット又は同等の器具を用いて採取する。

b)

その懸濁液の適量を,湿潤剤添加水 5 mL 入りの容器に入れる。

c)

胞子を十分に分散させるため,約 100 回のピペッティングをするか,試験管かくはん機でかくはんす

るか,又は約 5 分間軽い超音波洗浄を行う。

d)

目視によって,懸濁液が僅かに濁っていることを確認する(

ステップ 3)。

10.3 

菌糸の除去 

ガーゼ又はガラスウール(7.1)を置いた漏斗,若しくはこれらと同等の器具でろ過する(

ステップ 4)。

ガーゼ又はガラスウールは,50 mm×50 mm 角のものを 4±1 枚使用する。

10.4 

培地成分の除去 

培地成分の除去は,次による。

a)

ろ過後,遠心分離機を用い,25  ℃±2  ℃において,約 2 000 G で少なくとも 5 分間遠心分離する。遠

心分離機に温度調節機能がない場合は室温でもよい。

b)

上澄み液をピペットで除去する。

c)

湿潤剤添加水約 5 mL を加える。

d)

胞子を十分に分散させるため,

十分にピペッティングをするか,

試験管かくはん機でかくはんするか,


8

L 1921

:2015

又は約 5 分間軽い超音波洗浄を行う(

ステップ 5)。

10.5 

胞子濃度確認 

胞子濃度確認は,ヘモサイトメータで,次の項目を確認する。

a) 

胞子数及び胞子の状態  胞子数が 1×10

6

 /mL

∼3×10

6

 /mL

内にあることを確認する。また,その 90 %

以上が菌糸から離れた単一の遊離胞子とする。胞子数の確認は,ヘモサイトメータでの測定場所を異

なる 2 か所以上で行い,その平均値を胞子数とする。

b) 

胞子数が過剰な場合  胞子数が 1×10

6

 /mL

∼3×10

6

 /mL

内になるように湿潤剤添加水で 10.4 の d)で処

理したかび胞子懸濁液を希釈する。希釈後,再度 a)  によって胞子数を確認する。

c) 

胞子数が過少な場合  遠心分離を繰り返し,上澄み液を除去する。胞子数が 1×10

6

 /mL

∼3×10

6

 /mL

内になるように湿潤剤添加水で胞子数を調整する。調整後,再度 a)  によって胞子数を確認する。

d) 

トランスファー法の場合  胞子数を 1×10

8

 /mL

∼3×10

8

 /mL

に調整し,それを試験に使用する。

10.6 

吸収法のかび胞子懸濁液の調製 

吸収法のかび胞子懸濁液の調製は,次による。

a) 20

倍希釈した SDB によって,10.5 のかび胞子懸濁液の胞子濃度を 1×10

5

 /mL

∼3×10

5

 /mL

に調製す

る。この濃度を接種胞子濃度とする。接種胞子濃度は,胞子濃度(10.5)を希釈倍率で除した値から

求める。SDB を 20 倍希釈する場合は,湿潤剤添加水を使用する。

b)

希釈時の懸濁液については,十分にかくはんする。

c)

調製後,懸濁液を氷で冷却し,4 時間以内に使用する。

11 ATP

検量線の作成 

ATP

検量線作成の手順は,次のとおりとする。また,検量線は,ATP 発光試薬の調製ごとに作成しなけ

ればならない。

a) ATP

標準試薬原液(8.4.2)を水で希釈し,1×10

8

 mol/L

,1×10

7

 mol/L

及び 1×10

6

 mol/L

の濃度水

準を作製する。

b)

第 希釈の作製手順  各濃度水準から 0.1 mL を別のプラスチック試験管にとる。それに,0.05 mL の

水及び 0.35 mL の生理食塩水を入れ,十分にかくはんする。

c)

第 希釈の作製手順  第 1 希釈の試験管から 0.1 mL をとり,別のプラスチック試験管に入れ,0.4 mL

の生理食塩水を加えてよくかくはんする。

d)

測定用希釈 ATP 標準液の準備  測定用希釈 ATP 標準液測定のため,二つのプラスチック試験管に第 2

希釈の 0.1 mL をそれぞれ入れる。

e)

第 ブランクの準備  プラスチック試験管に 0.1 mL の湿潤剤添加水を加え,0.35 mL の生理食塩水及

び 0.05 mL の ATP 消去試薬を加える。よくかくはんし,その後,10 分間∼20 分間静置する。

f)

第 ブランクの準備  第 1 ブランクから 0.1 mL をプラスチック試験管にとり,次に,生理食塩水 0.4 mL

を加え,よくかくはんする。

g)

ブランク測定準備  第 2 ブランクから二つのプラスチック試験管にそれぞれ 0.1 mL を入れ,これらを

ブランク測定に使用する。

h)  g)

で準備した二つのプラスチック試験管に,各々0.1 mL の ATP 抽出試薬を加え,よくかくはんする。

i)

h)

で準備した二つの試験管に,各々0.1 mL の ATP 発光試薬を加え,試験管かくはん機で 5 秒間かく

はんする。

j)

ブランクの発光量  発光光度計で二つのプラスチック試験管のブランク発光量を直ちに測定する。


9

L 1921

:2015

k)

測定用希釈 ATP 標準液の測定は,最低濃度のものから順に行う。ATP 抽出試薬 0.1 mL を d)  で準備し

た第 2 希釈のプラスチック試験管それぞれに加える。その後,十分にかくはんする。

l) ATP

発光試薬 0.1 mL を加える。次に,試験管かくはん機で 5 秒間かくはんする。

m)

測定用希釈 ATP 標準液の発光量  発光光度計で二つのプラスチック試験管の発光量を直ちに測定す

る。

n)

検量線を求めるために,式(1)を用いて係数 及び係数 を次によって計算する。

1)

係数 は,対応する ATP 濃度(mol/L)を m)  で得られた測定用希釈 ATP 標準液の発光量のそれぞ

れの平均値で除して得られる三つの値の平均値である。

2)

係数 は,式(1)に係数 を入れ,ブランクの発光量の平均値を に代入して,をゼロとして計算

する。

B

AX

Y

=

  (1)

ここに,

Y

ATP

濃度(

mol/L

X: 発光量(

RLU=

相対発光量)

及び の相関係数が

0.9

を下回ったときは,再度,検量線作成を実施する。

12 

試験方法 

12.1 

試験片の準備及び接種 

12.1.1 

一般 

接種方法は,吸収法又はトランスファー法を選択する。トランスファー法は,吸水性のない試験片に適

用する。

12.1.2 

吸収法 

12.1.2.1 

試験片の質量及び形状 

試料から

0.20 g

±

0.03 g

をとり,試験に適切な大きさに裁断する。対照試料を

6

検体及び試験試料を

6

検体準備する。

注記

対照試料

3

検体及び試験試料

3

検体は,接種直後の測定に使用し,残りは培養後の測定に使用

する。

12.1.2.2 

試験片の準備 

試験片の準備は,試験片の特性に合わせ,次の方法の中から適切な方法を選択し,試験片を別々のバイ

アル瓶にそれぞれ入れる。

a)

試験片がカールしやすい織編物製品の場合,詰め物又は羽毛を含んでいる場合は,バイアル瓶の中の

試験片をガラス棒で押さえる。別の方法として,試験片の両端を糸で縛ってもよい。

b)

試験片が糸の場合は,その糸を束にしてバイアル瓶に入れ,試験片をガラス棒で押さえる。

c)

試験片がカーペットなどの場合は,カーペット又はそのパイルを切り,それをバイアル瓶に入れ,ガ

ラス棒で押さえる。

d)

必要な場合は,試験当事者間の合意に基づき前処理を行う。実施した前処理に関しては,その詳細を

試験報告書に記載する。

e)

汚染がないことが確認されている場合以外には,次の手順に従って,オートクレーブによって試験片

を滅菌する。

1)

試験片が入っているバイアル瓶の上部の口にアルミニウムホイルをかぶせる。

2)

アルミニウムホイルでカバーされたバイアル瓶を金網かごに入れる。


10

L 1921

:2015

3)

バイアル瓶のキャップをアルミニウムホイルで包み,金網かごに入れる。

4)

試験片が入ったバイアル瓶及びキャップを,オートクレーブで

121

℃(

103 kPa

)の条件で

15

分∼

20

分間処理する。

5)

滅菌後,バイアル瓶及びキャップを安全キャビネット又は他の空中汚染の危険がないところに置き,

アルミニウムホイルを取り除き,

60

分間又はそれ以上の時間乾燥させる。

6)

バイアル瓶のキャップをしっかりと締める。

注記 1

オートクレーブ以外の他の滅菌法,例えば,エチレンオキサイドガス及び γ 線照射を使

用した場合は,その方法を試験報告書に記載する。

注記 2

滅菌法によっては,抗かび加工を不活性化する,又はある種の抗微生物薬剤を放出する

可能性があり,誤った結果になることがある。

注記 3

対照試料も試験試料の滅菌方法と同様に滅菌できる。

12.1.2.3 

試験片への接種 

10.6

で準備したかび胞子懸濁液をピペットで正確に

0.2 mL

とり,

12.1.2.2

で準備した試験片に接種する。

試験片に接種する前に懸濁液をよくかくはんする。

接種は,かび胞子懸濁液を試験片の数箇所に行い,十分にかび胞子懸濁液が吸収されるようにピペット

チップなどを用いて処置を行う。接種直後の発光量の測定は,

13.1

による。

注記

容易にかび胞子懸濁液を吸収しない試験片については,トランスファー法を使用することがで

きる。

12.1.3 

トランスファー法 

12.1.3.1 

試験片の準備 

裁断型枠を用いて,直径約

38 mm

の対照試料

6

検体及び試験試料

6

検体を準備する。

対照試料及び試験試料検体の各々を計量し,その質量を記録する(質量 m

A

必要な場合は,試験当事者間の合意に基づき前処理を行う。実施した前処理に関しては,その詳細を試

験報告書に記載する。

12.1.3.2 

寒天平板への接種 

直径

55 mm

60 mm

のシャーレに

SDA

寒天培地(

8.5.5

)を入れたものを対照試料用に

6

枚,及び試験

試料用に

6

枚用意する。これらに

10.5 d)

で準備したかび胞子懸濁液

1 mL

を滴下する。シャーレを多方向

に傾け,寒天の表面に懸濁液が行きわたった後,余分な液体を可能な限り吸い取る。その後,

300

秒間±

30

秒間静置する。

12.1.3.3 

試験片への転写 

各々の試験片を抗かび加工面を培地側に向けて,

12.1.3.2

の平板の表面に載せ,その上から

200 g

のステ

ンレス分銅を

60

秒間±

5

秒間載せる。その後,ステンレス分銅を取り除き,各々の試験片を直径

55 mm

60 mm

のシャーレに転写面を上向きにして置く。

試験片を入れるシャーレは,使用前に質量を測り,その質量(質量 m

B

)を記録する。次に,転写した試

験片を入れたシャーレの質量を測り,総質量(質量 m

C

)を記録する。

試験片に転写された液の質量 m

D

は,式

(2)

で計算する。

(

)

B

A

C

D

m

m

m

m

=

  (2)


11

L 1921

:2015

接種直後の発光量の測定は,

13.2

による。

12.2 

培養 

12.2.1 

吸収法 

12.1.2.3

によって接種した後,接種直後の測定をしない対照試料

3

検体及び試験試料

3

検体は,

25

℃±

2

℃で

42

時間±

2

時間培養する。

12.2.2 

トランスファー法 

12.1.3.3

によって転写した後,接種直後の測定をしない対照試料

3

検体及び試験試料

3

検体は,調湿チャ

ンバー内に入れ,

25

℃±

2

℃で

42

時間±

2

時間培養する。

13 

発光量の測定 

13.1 

吸収法 

吸収法における発光量測定の準備手順は,次による(

図 3

参照)

1

3

4

5

2

6

1

ステップ 6

2

ステップ 7

3

ステップ 8

4

ステップ 9

5

ステップ 10

6

ステップ 11

図 3

発光量測定準備手順 

a) ATP

消去試薬

0.1 mL

を,接種直後の場合は

12.1.2.3

で準備した試験片,培養後の場合は

12.2.1

で準備

した試験片に加える。さらに,生理食塩水

4.7 mL

を加える(

ステップ 6

b)

キャップを締め,よくかくはんする。手によるかくはんの場合は

30

回振る,又は試験管かくはん機を

用いる場合は

5

秒間のかくはんを

5

回行う。その後,室温に

20

分間静置する(

ステップ 7

注記 1

試験片が浮く場合には,完全に浸るようにする。

c) ATP

抽出試薬

5.0 mL

を加える(

ステップ 8

d)

キャップを締め,よくかくはんする。手によるかくはんの場合は

30

回振る,又は試験管かくはん機を

用いる場合は

5

秒間のかくはんを

5

回行う。その後,室温に

10

分間静置する(

ステップ 9

注記 2

試験片が浮く場合には,完全に浸るようにする。

e)

d)

で準備した液

0.2 mL

を二つのプラスチック試験管に移す(

ステップ 10


12

L 1921

:2015

f) ATP

発光試薬を

e)

で準備した試験管に

0.1 mL

加え,試験管かくはん機で

5

秒間かくはんする。直ち

に発光光度計を用いて発光量を測定する(

ステップ 11

g)

二つの試験管の発光量を測定する。

h)

検量線式によって,

g)

の発光量の平均値から

ATP

濃度を計算する。その際の

ATP

濃度の下限値は,

10

11

 mol/L

とする。

i)

(3)

から

ATP

量を求める。

V

c

M

×

=

ATP

  (3)

ここに,

M

1

試験片当たりの

ATP

c

ATP

h)

で得た

ATP

濃度

V:  バイアル瓶の液量

0.01

L

13.2 

トランスファー法 

トランスファー法における発光量測定の準備手順は,次による。

a) ATP

消去試薬

0.1 mL

を,接種直後の場合は

12.1.3.3

で準備した試験片,培養後の場合は

12.2.2

で準備

した試験片に加える。次に,生理食塩水(

4.9

m

D

mL

12.1.3.3

)を加える(

ステップ 6

b)

ピペッティングを約

30

回行い,よくかくはんする。ピペッティングしやすいようにシャーレを傾けて

もよい。その後,室温に

20

分間静置する(

ステップ 7

注記 1

試験片が浮く場合には,完全に浸るようにする。

c) ATP

抽出試薬

5.0 mL

を加える(

ステップ 8

d)

ピペッティングを約

30

回行い,よくかくはんする。ピペッティングしやすいようにシャーレを傾けて

もよい。その後,室温に

10

分間静置する(

ステップ 9

注記 2

試験片が浮く場合には,完全に浸るようにする。

e)

次に,

d)

で準備した溶液

0.2 mL

を二つのプラスチック試験管に移す(

ステップ 10

f) ATP

発光試薬を

e)

で準備した試験管に

0.1 mL

加え,試験管かくはん機で

5

秒間かくはんする。直ち

に発光光度計(

7.23

)を用いて発光量を測定する(

ステップ 11

g)

二つの試験管の発光量を測定する。

h)

検量線式によって,

g)

の発光量の平均値から

ATP

濃度を計算する。その際の

ATP

濃度の下限値は,

10

11

 mol/L

とする。

i)

(3)

から

ATP

量を求める。

14 

試験結果 

14.1 

試験成立の判定 

試験かびの発育値が

b) 

を満足する場合に試験成立と判定する。

b)

を満足しない場合には,試験は不成

立と判定し,再試験を実施する。

a)

(4)

によって,試験かびの発育値 を計算する。

b)

(4)

によって,計算された発育値 

1.5

以上であること。

結果は,

JIS Z 8401

の規則

B

(四捨五入法)によって小数点以下

1

桁に丸める。

発育値が

1.5

未満の場合,対照試料を

JIS L 0803

の綿添付白布として再試験を実施する。


13

L 1921

:2015

o

t

log

log

C

C

F

=

   (4)

ここに,

F: 試験かびの発育値

logC

o

接種直後の対照試料 3 検体の ATP 量の算術平均の常用
対数値

logC

t

42

時間培養後の対照試料 3 検体の ATP 量の算術平均の

常用対数値

14.2 

抗かび活性値の計算 

試験が成立した場合,式(5)によって抗かび活性値を求める。

結果は,

JIS Z 8401

の規則 B によって小数点以下 1 桁に丸める。

(

) (

)

o

t

o

t

a

log

log

log

log

T

T

C

C

A

=

  (5)

ここに,

A

a

抗かび活性値

logC

o

接種直後の対照試料 3 検体の ATP 量の算術平均の常用
対数値

logC

t

42

時間培養後の対照試料 3 検体の ATP 量の算術平均の

常用対数値

logT

o

接種直後の試験試料 3 検体の ATP 量の算術平均の常用
対数値

logT

t

42

時間培養後の試験試料 3 検体の ATP 量の算術平均の

常用対数値

15 

抗かび効果 

抗かび効果は,

14.2

で求めた抗かび活性値 A

a

が,2.0 以上とする。抗かび活性値による抗かび効果を示

す指標を,参考として

附属書 B

に示す。

16 

試験報告書 

試験報告書は,次の事項を含めなければならない。

a)

この規格の規格番号

b)

試験試料の詳細

c)

使用した対照試料

d)

使用した試験かび

e)

かびの元株の詳細:かび保存番号及び保存機関

f)

接種胞子濃度

g)

接種方法

h)

発育値

i)

各試験試料の抗かび活性値の値

j)

評価日及び試験期間

k)

試験機関名,試験担当者の名前及び署名

l)

試験当事者間の合意事項,及びこの規格からの逸脱事項


14

L 1921

:2015

附属書 A

(規定)

試験に用いるかび

A.1 

一般 

この規格で用いるかびは,

表 A.1

に示したものと同一系で,国際微生物保存連盟(WFCC)に加入して

いる機関において保存されたものでなければならない。

A.2 

試験かびの種類 

試験かびの種類及び WDCM コードを,

表 A.1

に示す。

表 A.1

試験に用いるかび 

かびの種類 WDCM コード

クロコウジカビ

00144

http://refs.wdcm.org/getinfo.htm?sid=WDCM_00144

アオカビ

00189

http://refs.wdcm.org/getinfo.htm?sid=WDCM_00189

クロカビ

00190

http://refs.wdcm.org/getinfo.htm?sid=WDCM_00190

白せん(癬)菌

00191

http://refs.wdcm.org/getinfo.htm?sid=WDCM_00191

注記 1  試験が成立する場合,他のかびも使用できる。 
注記 2 WDCM ウェブサイト参照:http://refs.wdcm.org/search.htm(WDCM は,World Data Centre for

Microorganisms

の略称)


15

L 1921

:2015

表 A.1

に示すかびの種類に対して,国別保存番号及び保存機関名の例を,

表 A.2

に示す。

表 A.2

試験に使用されるかびの国別保存番号及び保存機関名の例 

かびの種類 WDCM

コード

国別保存番号

国別保存機関名

クロコウジカビ

Aspergillus niger 

00144

ATCC 6275

American Type Culture Collection (USA)

(米国基準微生物株保存機関)

A-NRRL 3361

Northern Utilization Research Branch (USA)

CBS 131.52

Centraalbueau voor Schimmelcultures, Fungal Biodiversity Centre

(Netherlands)

(オランダ真菌生物多様性センター)

DSM 1957

German Collection of Microorganism and Cell Culture (Germany)

(独国微生物・培養細胞保存機関)

NBRC 105649

NITE Biological Resource Center (Japan)

(独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンタ

ー)

UMIP 2475.98

Insitut Pasteur, Fungi Culture Collection (France)

アオカビ

Penicillium 

citrinum 

00189 ATCC

9849

American Type Culture Collection (USA)

(米国基準微生物株保存機関)

NBRC 6352

NITE Biological Resource Center (Japan)

(独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンタ

ー)

クロカビ

Cladosporium 

cladosporioides 

00190 ATCC

11277

American Type Culture Collection (USA)

(米国基準微生物株保存機関)

NBRC 6348

NITE Biological Resource Center (Japan)

NBRC 6368

(独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンタ

ー)

白せん(癬)菌

Trichophyton 

mentagropytes 

00191

NBRC 32409

NITE Biological Resource Center (Japan)

NBRC 32412

(独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンタ

ー)

注記  実際に入手する場合は,それぞれの保存機関に問い合わせるのがよい。


16

L 1921

:2015

附属書 B

(参考)

抗かび効果

次に示す基準を,抗かび特性の明確な効果を示す指標として適用することが望ましい(

表 B.1

参照)

注記

表 B.1

の効果基準は,かびの発育がないことを保証するものではない。効果基準は,抗かび製

品に付着したかび胞子が,抗かび加工をしていないものと比較して,その発育を抑制している

ことを意味している。

表 B.1

抗かび活性及び抗かび効果 

項目

抗かび活性値式[式(5)]の A

a

で規定する

抗かび活性値効果基準

効果の説明

試験試料  対  対照試料

1.0

A

a

効果が認められない。

2

A

a

≧1.0

弱い効果がある。

3

A

a

≧2.0

効果がある。

A

a

≧3.0

強い効果がある。


17

L 1921

:2015

参考文献

[1]

JIS Z 2911

:2000

  かび抵抗性試験方法

[2]

JIS Z 2911

:2006

  かび抵抗性試験方法(追補 1)

[3]

JIS A 6922

:2003

  壁紙施工用及び建具用でん粉系接着剤

[4]

JIS W 0812

:2004

  航空機搭載機器−環境条件及び試験手順

[5]

JIS R 1705

:2008

  ファインセラミックス−光照射下での光触媒抗かび加工製品の抗かび性試験方法

[6]

ISO 846

:1997

,Plastics−Evaluation of the action of microorganisms

[7]

ISO 3801

:1977

,Textiles−Woven fabrics−Determination of mass per unit length and mass per unit area

[8]

ISO 6330

:2000

,Textiles−Domestic washing and drying procedures for textile testing

[9]

ISO 7218

:2007

,Microbiology of food and animal feeding stuffs−General requirements and guidance for

microbiological examinations

[10]

ISO 9022-11

:1994

,Optics and optical instruments−Environmental test methods−Part 11: Mould growth

[11]

ISO 11721-1

:2001

,Textiles−Determination of resistance of cellulose-containing textiles to micro-organisms

−Soil burial test−Part 1: Assessment of rot-retardant finishing

[12]

ISO 11721-2

:2003

, Textiles − Determination of the resistance of cellulose-containing textiles to

micro-organisms

−Soil burial test−Part 2: Identification of long-term resistance of a rot retardant finish

[13]

ISO 16869

:2008

,Plastics−Assessment of the effectiveness of fungistatic compounds in plastics formulations

[14]

ISO 20743

:2007

,Textiles−Determination of antibacterial activity of antibacterial finished products

[15]

IEC 60068-2-10

:2005

,Environmental testing−Part 2-10: Tests−Test J and guidance: Mould growth

[16]

AATCC

試験法

30

:2004,Antifungal activity, Assessment on Textile materials: Mildew and Rot resistance of

Textile Materials

[17]

AATCC

試験法

174

:2007,Antimicrobial Activity Assessment of Carpets

[18]

ASTM

基準

21-96

:2002

,Standard Practice for Determining Resistance of Synthetic Polymeric Materials to

Fungi

[19]

MIL STD 810F-508.5

:2003

,Department of defense test method standard for environmental engineering

consideration and laboratory tests

−Method 508.5: Fungus

[20]

Federal Test Method Standard, No.311, 5041-1975, Mildew Resistance, Tropical Chamber Method

[21]

DIN 53931

,Testing of textiles; determination of resistance of textiles to mildew; growth test

[22]

BS 6085

:1992

,Methods for determination of the resistance of textiles to microbiological deterioration

[23]

BS 2011

:Part 2.1J (

IEC 68-2-10

)

,Basic environmental testing procedures

[24]

AS 1157.2

:1999

,Australian Standard−Methods of Testing Materials for Resistance to Fungal Growth Part 2:

Resistance of Textiles to Fungal growth. Section 1

−Resistance to Surface Mould Growth

[25]

AS 1157.3

:1999

,Australian Standard−Methods of Testing Materials for Resistance to Fungal Growth Part 2:

Resistance of Cordage and Yarns to Fungal Growth

[26]

AS 1157.4

:1999

,Australian Standard−Methods of Testing Materials for Resistance to Fungal Growth Part 2:

Resistance of Textiles to Fungal Growth. Section 2

−Resistance to Cellulolytic Fungi

[27]

EN 12225

:2000

,Geotextiles and geotextile-related products−Method for determining the microbiological

resistance by a soil burial test


18

L 1921

:2015

[28]

EN 12353

:2006

,Chemical disinfectants and antiseptics−Preservation of test organisms used for the

determination of bactericidal, mycobactericidal, sporicidal and fungicidal activity

[29]

EN 14119

:2003

,Testing of textiles−Evaluation of the action of microfungi


19

L 1921

:2015

附属書 JA

(参考)

JIS

と対応国際規格との対比表

JIS L 1921:2015

  繊維製品の抗かび性試験方法及び抗かび効果

ISO 13629-1:2012

,Textiles−Determination of antifungal activity of textile products

−Part 1: Luminescence method

(I)JIS の規定

(II) 
国際規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇条ごと

の評価

技術的差異の内容

3

用 語 及

び定義

3.1

対照試料

JIS

にほぼ同じ

(以下同文)

追加

綿布 の 洗濯 処 理の 詳 細を 追 加

した。

国際規格では対照試料としての

綿布の作製法が不十分なため

3.7

抗かび効果

追加

用語及び定義を追加した。

抗かび効果を規定するため

6

試 験 か

試 験 で 使 用 す る か

追加

表 A.2 を追加した。 Web 参照の手間を省くため

7

装置 7.2

シャーレ

追加

規定の追加をした。

不十分のため追加した。

7.7

かぎ型白金耳

追加

規定の追加をした。

不十分のため追加した。

7.11

ガラス製漏斗

追加

規定の追加をした。

不十分のため追加した。

7.15

ピンセット

追加

規定の追加をした。

不十分のため追加した。

7.23

発光光度計

変更

仕様が規格に適合していない。

国際規格の仕様では適切な結果
を求められないため

8

試 薬 及

び培地

8.4.4 ATP

発光試薬

変更

仕様が規格に適合していない。

国際規格の仕様では適切な結果

を求められないため

追加

箇条 13 を追加した。

国内の試験実態に合わせた。

追加

他の試薬の使用について追記。

国内の利用実態に合わせた。

10

かび胞

子懸濁液

10.4

培 地 成 分 の 除

追加

上澄 み 液の 採 取方 法 を追 加 し

た。

他の方法をとらないよう限定し

た。

10.5

胞子濃度確認

追加

計測方法を追加した。

作業者によって作業が異なるの
を避けるための追加規定

19

L

 1

921


20
15


20

L 1921

:2015

(I)JIS の規定

(II) 
国際規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

10

かび胞

子 懸 濁 液
(続き)

10.6

吸 収 法 の か び

胞子懸濁液の調製

追加

ISO

規格では接種胞子濃度の

算出方法の詳細が記載されて
いない。

接種胞子濃度の算出を明確化し

た。

11 ATP

量 線 の 作

ATP

検量線の作成

変更

検量線作成頻度を変更した。

設定頻度が試験運用上不適切な

ため

変更

相関係数を変更した。

国際規格の設定では試験運用実
態に合わないため,また,同様の

試験である JIS L 1902 と合わせ

た。

12

試験方

12.1.2.2 c)

カーペッ

トなどの場合

追加

本体も使用できることとした。 試験運用実態に合わないため追

加した。

12.1.2.2 d)

前処理に

ついて

選択

洗濯処理に限定しないよう変

更した。

洗濯処理に対応する JIS が検討段

階のため変更した。

12.1.2.2 e)

試験片の

滅菌について

変更

原則,滅菌する表現に改めた。 試験片に微生物汚染がないこと

を確実にするため

12.1.2.3

試験片への

接種

変更

ガラス棒限定を解除した。

ガラス棒への液付着による液量
変化を避けるための変更

12.1.3.1

試験片の準

削除

試料の採取部位の説明部分を

削除した。

試料の採取においては,JIS の試

験通則が前提にあるため

追加

前処理の記載なし。

前処理をした場合の対応方法を

記載した。

12.1.3.3

試験片への

転写

変更

“培養後”ではなく“接種直後”
に変更した。

シャーレに入れて質量計測する
のは“培養後”ではなく“接種直

後”のため

追加

接種直後の測定を明記した。

国際規格に抜けているので追加

した。

13

発光量

の測定

13.1

吸収法

a)

追加

接種直後の測定を明記した。

国際規格に抜けているので追加
した。

b)

,d)注記

削除

ガラス棒限定を削除した。

ガラス棒への液付着による液量

変化を避けるため

20

L

 1

921


20
15


21

L 1921

:2015

(I)JIS の規定

(II) 
国際規格

番号

(III)国際規格の規定

(IV)JIS と国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容

(V)JIS と国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策

箇 条 番 号

及び題名

内容

箇条番号

内容

箇 条 ご と

の評価

技術的差異の内容

13

発光量

の測定

h)

,i)

追加

検出限界と ATP 量への計算式

を追加した。

国際規格に抜けているので追加

した。

(続き)

13.2

ト ラ ン ス フ ァ

ー法

a)

追加

接種直後の測定を明記した。

国際規格に抜けているので追加
した。

b)

,d)注記

削除

ガラス棒限定を削除した。

ガラス棒への液付着による液量

変化を避けるため

h)

,i)

追加

検出限界と ATP 量への計算式
を追加した。

国際規格に抜けているので追加
した。

14

試験結

14.1

試 験 成 立 の 判

定 b)

変更

数値の丸め方を変更した。

結果の表記を明確にするため

 14.2

抗 か び 活 性 値

の計算

変更

数値の丸め方を変更した。

結果の表記を明確にするため

変更

常用対数値の平均ではなく,算
術平均の常用対数値へ変更し

た。

直近の国際規格との整合による
変更

15

抗かび

効果

抗かび効果

追加

抗かび効果を追加規定した。

市場事情に対応するため

附 属 書 A
(規定)

こ の 規 格 で 使 用 さ
れる試験かび

追加

例を表 A.2 として追加規定し
た。

Web

参照の手間を省くため

JIS

と国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 13629-1:2012,MOD

注記 1  箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。

    −  削除……………… 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。

    −  追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
    −  変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。

    −  選択……………… 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。

注記 2  JIS と国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。

    −  MOD……………  国際規格を修正している。

21

L

 1

921


20
15