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L 1910:2016

1)

目  次

ページ

序文  

1

1  適用範囲  

1

2  引用規格  

1

3  用語及び定義  

2

4  試験場所  

2

5  試料・試験片の採取及び準備  

2

6  装置 

2

7  試薬 

3

8  試験方法  

4

8.1  漂白処理  

4

8.2  強度試験  

5

9  計算 

5

10  試験報告書  

5

附属書 A(規定)過炭酸ナトリウムの有効酸素量の測定方法  

6

附属書 B(参考)試験液の調製手順  

8


L 1910:2016

2)

まえがき

この規格は,工業標準化法第

14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人繊維

評価技術協議会(

JTETC)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業

規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業

規格である。

これによって,JIS L 1910:2002 は改正され,この規格に置き換えられた。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


日本工業規格

JIS

 L

1910

2016

酸素系漂白剤処理に対する繊維製品の

強度低下率試験方法

Test methods for percentage of strength lowering of textiles to

oxygen-bleaching

序文 

この規格は,我が国における酸素系漂白剤処理に対する繊維製品の引張強度及び破裂強度の低下率試験

方法として,

1996 年に制定された。その後,2 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 2002 年に

行われたが,その後の引用規格の改正又は廃止への対応,及び試験方法を利用実態に対応させるために,

今回改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,酸素系漂白剤処理を行った繊維製品の強度低下率試験方法について規定する。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0557  用水・排水の試験に用いる水

JIS K 1408  けい酸ナトリウム(けい酸ソーダ)

JIS K 3371  洗濯用合成洗剤

JIS K 8283  くえん酸一水和物(試薬)

JIS K 8625  炭酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8638  チオ硫酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8658  でんぷん(試薬)

JIS K 8913  よう化カリウム(試薬)

JIS K 8951  硫酸(試薬)

JIS K 8987  硫酸ナトリウム(試薬)

JIS L 0105  繊維製品の物理試験方法通則

JIS L 0208  繊維用語-試験部門

JIS L 0801  染色堅ろう度試験方法通則

JIS L 1096  織物及び編物の生地試験方法

JIS Z 8802  pH 測定方法


2

L 1910:2016

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS L 0105 及び JIS L 0208 による。

試験場所 

試験場所は,JIS L 0105 の 5.1(試験場所)による。

試料・試験片の採取及び準備 

試料の採取は,JIS L 0105 の 6.3(布状の試料及びその試験片)又は 6.4[製品(縫製品)  状の試料の試

験片]による。試験片は,調製した試料から表 によって,採取する。

なお,洗濯処理中に糸がほどけるおそれのある場合は,試験片を規定寸法よりやや大きめに裁断し,寸

法変化の少ない糸によって,試験片の縁をかがる。

表 1-試験片の大きさ及び採取する数量 

試験の種類

試験片の大きさ

mm

試験片の数

引張強さ

(ストリップ法)

65×約 300

たて方向及びよこ方向各

10,又は

ウェール方向及びコース方向各

10

引裂強さ

(ペンジュラム法)

63×約 100

たて方向及びよこ方向各

10,又は

ウェール方向及びコース方向各

10

破裂強さ

(ミューレン形法)

150×約 150 10

装置 

装置は,次による。

6.1 

洗濯試験機  洗濯試験機は,試験片及び試験液を入れる試験瓶並びに試験瓶を回転させる回転装置

及び試験瓶内の試験液を試験に必要な恒温に保つための恒温水槽又は恒温槽で構成し,それぞれ 6.1.1

6.1.3 に適合するものとする。装置の例を,図 に示す。

6.1.1 

試験瓶  ガラス製又はステンレス鋼製のもので,回転に耐える密閉形の容量

550 mL±50 mL(内径

75 mm±5 mm)の円筒形の瓶。

なお,ステンレス鋼製のものを使用する場合は,容器の内側にさびがあってはならない。

6.1.2 

回転装置  電動機,回転軸及び回転軸に放射状に取り付けてある試験瓶保持器で構成し,試験瓶保

持器の保持軸の中心線と試験瓶の中心線とが同一線上になるように試験瓶が取り付けられるもので,

1 分

間当たりの回転数は

40 回±2 回で,恒温水槽又は恒温槽中で試験瓶を回転できるもの。

なお,回転軸の中心から試験瓶の底までは,

45 mm±10 mm とする。

6.1.3 

恒温水槽又は恒温槽  加熱装置をもち,回転する試験瓶内の試験液を所定温度±

2  ℃に保持できる

もの。


3

L 1910:2016

正面図 

側面図 

図 1-洗濯試験機の例 

6.2 

かくはん機

1 分間当たりの回転数が 1 000 回以上でかくはんができるもの。

試薬 

試薬は,次による。

7.1 

過炭酸ナトリウム  有効酸素量

12 %以上,pH 10~11(3 %水溶液)のもの。有効酸素量の測定方法

は,附属書 による。また,pH 測定は,JIS Z 8802 による。

7.2 

直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム  平均分子量

345±5,純分質量分率 50 %以上,未反応

油分(原料アルキルベンゼン)質量分率

1 %以下,硫酸ナトリウム分質量分率 2 %以下,及び水分質量分

50 %以下のもの。

7.3 

ゼオライト

4A 型の結晶構造をもち,平均粒径 10 μm 以下のもの。

7.4 

けい酸ナトリウム  JIS K 1408 で規定する 2 号のもの。

7.5 

炭酸ナトリウム  JIS K 8625 で規定する特級のもの。

7.6 

カルボキシメチルセルロースナトリウム  エーテル化度

0.5~0.8,純分(無水物として)質量分率

91 %以上,水分質量分率 10 %以下,及び粘度 25  ℃で 500 mPa・s~900 mPa・s(無水物換算で 20 g/L 水溶液)

のもの。

7.7 

硫酸ナトリウム  JIS K 8987 で規定する特級のもの。

7.8 

合成洗剤  合成洗剤は,表 による。

なお,必要に応じて JIS K 3371 の洗濯用合成洗剤の第 1 種又は第 2 種に適合し,漂白剤及び蛍光増白剤

を配合していない市販の合成洗剤を用いてもよい。その場合には,用いた市販の合成洗剤の品名を箇条 10

の試験報告書に記載する。

試験瓶保持器


4

L 1910:2016

表 2-合成洗剤の成分 

単位

%

成分

質量分率

直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(7.2) 15.0 
ゼオライト(7.3) 17.0 
けい酸ナトリウム(7.4

5.0

炭酸ナトリウム(7.5

7.0

カルボキシメチルセルロースナトリウム(7.6

1.0

硫酸ナトリウム(7.7) 55.0

7.9 

漂白活性化剤  テトラアセチルエチレンジアミン(

TAED)で,純分質量分率 98 %以上のもの。

7.10  くえん酸一水和物  JIS K 8283 に規定する特級のもの。

7.11  水  JIS K 0557 に規定する A1 の水。

試験方法 

8.1 

漂白処理 

8.1.1 

試験液の組成 

試験液の組成は,表 による。

表 3-試験液の組成 

単位

g/L

合成洗剤(7.8

過炭酸ナトリウム(7.1

漂白活性化剤(7.9

0.5 8.2 1.8

8.1.2 

試験液の調製 

合成洗剤(7.8),漂白活性化剤(7.9)及び過炭酸ナトリウム(7.1)をかくはん機(6.2)によって,かく

はんしながら水(7.11)に溶解した後,表 の組成で 25  ℃のとき pH 8.5±0.3 になるように,くえん酸一

水和物(7.10)の 10 %水溶液によって調製する。調製後は速やかに使用する。試験液の調製手順の例を附

属書 に示す。

注記

  試験液は,1 時間以上放置すると有効成分及び pH が変化するため,時間をおかずに使用するの

がよい。

8.1.3 

操作 

漂白処理の操作は,次による。

a)

箇条 で採取及び準備した試験片のうち,試験の種類ごとに,5 枚の試験片及び同数の試験瓶(6.1.1

を準備し,試験片との浴比が

1:100 となるようにそれぞれの試験瓶に 8.1.2 の試験液を入れて,60  ℃

±

2  ℃になるように予熱する。

b) a)  で予熱した試験液の入ったそれぞれの試験瓶に,直ちに試験片を 1 枚ずつ入れて密封後,洗濯試験

機(6.1)に取り付けて恒温水槽又は恒温槽内の温度を 60  ℃±2  ℃とし,1 分間当たり 40 回±2 回の

回転数で

30 分間運転する。

c)

試験片を試験瓶から取り出し,

25  ℃±2  ℃の水 100 mL で 1 分間の水洗を 2 回繰り返した後,JIS L 0801

の箇条 8(試験操作)f)  に規定する方法によって脱水し,室温で風乾する。


5

L 1910:2016

d)  残り 5 枚の試験片について,試験液の代わりに水を用いて,a)c)  の手順を行う。

8.2 

強度試験 

強度試験は,次による。

a)  本試験  8.1.3 の a)c)  で処理した試験片を標準状態で 4 時間以上放置した後,表 に示す試験片の

種類に応じて表 に示す試験のうち,いずれの試験を適用するか決定し,次によって試験する。

表 4-強度試験及び試験片の種類 

試験の種類

試験片の種類

引張強さ(ストリップ法)

織物・不織布

引裂強さ[ペンジュラム法

a)

織物・編物

破裂強さ(ミューレン形法)

編物

a)

  試験片の引裂強度がペンジュラム法の測定限界を超えるなどの場

合は,JIS L 1096 の 8.17(引裂強さ)に規定する,いずれの方法を
使用してもよい。ただし,試験片の枚数は表 による。この場合は,
適用した試験方法を試験報告書に記載する。

1)  引張強さ  引張強さは,JIS L 1096 の 8.14.1 a)[A 法(ストリップ法)

]による。

2)  引裂強さ  引裂強さは,JIS L 1096 の 8.17.4[D 法(ペンジュラム法)

]による。

3)  破裂強さ  破裂強さは,JIS L 1096 の 8.18.1[A 法(ミューレン形法)

]による。

b)  空試験  8.1.3 の d)  によって処理した試験片について,8.2 の a)  と同様の試験を行う。

計算 

本試験及び空試験の結果から,それぞれ

5 枚の強度の平均値を求め,次の式によって強度低下率を算出

し,四捨五入によって小数点以下

1 桁に丸める。ただし,引張強さ及び引裂強さについては,たて方向及

びよこ方向又はウェール方向及びコース方向についてそれぞれ算出する。

100

1

2

1

×

=

F

F

F

D

ここに,

D

強度低下率(

%)

F

1

: 空試験結果の平均値(

N 又は kPa/cm

2

F

2

: 本試験結果の平均値(

N 又は kPa/cm

2

10  試験報告書 

試験報告書には,次の項目を記載する。

a)

試験実施日

b)  規格番号

c)

試験の種類

d)  合成洗剤の品名(市販の合成洗剤を使用した場合)

e)

試験結果

  試験の種類

引張強さ(ストリップ法)

結果

たて方向低下率

7.3 %

よこ方向低下率

5.2 %


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L 1910:2016

附属書 A

(規定)

過炭酸ナトリウムの有効酸素量の測定方法

A.1 

概要 

この附属書は,過炭酸ナトリウムの有効酸素量の測定方法について規定する。

A.2 

でんぷん溶液の調製 

JIS K 8658 に規定するでんぷん約 1 g を少量の水で練り,熱水約 200 mL をかき混ぜながら加えた後,約

1 分間煮沸する。冷却後,その上澄み液を用いる。この溶液は,使用の都度調製する。

A.3 

試験方法 

過炭酸ナトリウムの有効酸素量の測定方法は,次による。

a)

試料(過炭酸ナトリウム)約

 0.15 g を採り,その質量を量って共栓付三角フラスコに移す。これに,

30 mL,JIS K 8913 に規定するよう化カリウム 2 g 及び JIS K 8951 に規定する硫酸(1+15)

1)

 5 mL

を順次加え,直ちに栓をして,暗所に

30 分間放置する。

1)

  硫酸(1+15)の括弧内の数値は,硫酸と水との体積比を示す。

b)  この試料溶液に,ビュレットによって,JIS K 8638 に規定するチオ硫酸ナトリウムの 0.1 mol/L 溶液を

滴下し,試料溶液が淡黄色になった後,A.2 で調製したでんぷん溶液 1 mL を加える。

さらに,でんぷん溶液によって生じた青色が消えるまで,チオ硫酸ナトリウムの

0.1 mol/L 溶液を滴

下する。

c)

次に,水

30 mL,JIS K 8913 に規定するよう化カリウム 2 g 及び JIS K 8951 に規定する硫酸(1+15)

1)

5 mL を順次加え,直ちに栓をして暗所に 30 分間放置した溶液によって空試験を行い,次の式によっ

て有効酸素量(

%)を求める。

有効酸素量とは,試料中の酸素原子の含有率をいう。有効酸素量(

%)の算出は,まずチオ硫酸ナ

トリウムの

0.1(mol/L)に使用量(L)を掛けて,それに酸素の原子量[原子量 16(g/mol)]を乗じる。

このとき,過炭酸ナトリウム由来の過酸化水素とヨウ素の反応モル比は

1:1 であり,また,チオ硫

酸ナトリウムとヨウ素の反応モル比は

2:1 である。ファクター(f)は,JIS K 8638 に規定する方法に

よって算出する。

以上から算出された値を試料の質量(m)で割り,有効酸素量(H)を次の式によって算出する。

100

16

)

2

/

1

(

)

1

/

1

(

000

1

/

)

(

1

.

0

2

1

×

×

×

×

×

×

=

m

f

V

V

H

すなわち,

100

80

000

.

0

)

(

2

1

×

×

×

=

m

f

V

V

H

ここに,

H

有効酸素量(

%)

V

1

: 本試験における

0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の使用量

mL)

V

2

: 空試験における

0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の使用量

mL)


7

L 1910:2016

f

0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター

m

試料の質量(

g)


8

L 1910:2016

附属書 B

(参考)

試験液の調製手順

B.1 

洗剤母液(10 倍濃度)の調製 

表 B.1 によって各成分を正しく量り,約 900 mL の水に入れ,かくはん機でかくはんしながら,表 B.1

の順番に溶解又は分散した後,水を加えて

1 000 mL とする。

表 B.1-洗剤母液(10 倍濃度)の成分及び量 

単位

g

成分

直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム

 0.75(純分)

けい酸ナトリウム

 0.25(純分)

炭酸ナトリウム粉末

 0.35

硫酸ナトリウム粉末

a)

 2.75

カルボキシメチルセルロースナトリウム

 0.05

ゼオライト

b)

 0.85

a)

  硫酸ナトリウムを添加すると液が白濁することがある。

b)

  ゼオライトを加えるときには,あらかじめ凝集物を潰しておくと短時間

で均一分散できる。

なお,表 の合成洗剤又は市販の合成洗剤を用いて洗剤母液を調製する場合は,合成洗剤 5 g を水に溶

解又は分散して

1 000 mL とする。

B.2 

過炭酸ナトリウム水溶液及び漂白活性化剤(TAED)水溶液(倍濃度)の調製 

過炭酸ナトリウム

8.2 g を水に溶解し,200 mL とする。漂白活性化剤(TAED)1.8 g を水に溶解し,200

mL とする。

注記

 TAED は 65  ℃の湯浴中で約 30 分間かくはんすると溶解するが,温度が低下すると析出する。

析出する前に,かくはんしながら B.3 によって試験液を調製するのがよい。

B.3 

試験液の調製 

ガラスビーカーに

400 mL の水を入れ,かくはん機によってかくはんしながら表 B.2 に示す試験液の成

分を上から順番に加え,

5 分間かくはんする。その後,JIS Z 8802 の 8.2(測定方法)の操作方法によって,

pH を測定しながら表 B.3 の 10 %くえん酸水溶液を加えて pH 8.5±0.3 に調製する。さらにかくはんし,水

を加えて

1 000 mL とする。

注記 1  洗剤成分には,水に不溶の成分が含まれることがある。そのような試験液を各試験瓶に小分

けするときは,洗剤成分が沈降するのを防ぐため,よくかくはんしながら小分けするのがよ

い。

注記 2  試験液は 1 時間以上放置すると有効成分及び pH が変化するため,時間をおかずに使用する

のがよい。


9

L 1910:2016

表 B.2-試験液の成分及び量 

単位

mL

成分

洗剤母液

 100

過炭酸ナトリウム水溶液

 200

漂白活性化剤(

TAED)水溶液 200

表 B.3pH 調整液の成分及び量 

単位

mL

成分

10 %くえん酸水溶液 30

mL

参考文献  JIS K 3362  家庭用合成洗剤試験方法 

JIS L 0889  酸素系漂白剤を用いる洗濯に対する染色堅ろう度試験方法