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日本工業規格

JIS

 L

1094

 : 1997

織物及び編物の帯電性試験方法

Testing methods for electrostatic propensity

of woven and knitted fabrics

1.  適用範囲  この規格は,織物及び編物の静電気による帯電性を評価するための試験方法について規定

する。

備考  この規格の引用規格を,次に示す。

JIS K 6741  硬質塩化ビニル管

JIS L 0217  繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法

JIS L 0803  染色堅ろう度試験用添布白布

JIS Z 8401  数値の丸め方

JIS Z 8806  湿度−測定方法

2.  試験の種類  試験は次の 4 種類とし,試験の目的に応じて,これらのうちから適切な方法を選択する。

(1)  半減期測定法  試験片をコロナ放電場で帯電させた後,この帯電圧が

2

1

に減衰するまでの時間(半減

期)を測定する方法であり,織物及び編物の静電気減衰特性の評価に適するが,導電性繊維の評価に

は適さない。

なお,実用特性としては衣服のまつわり付きやほこり付着の評価ができるが,帯電機構が実際と異

なるため,放電障害などの評価には適さない。

(2)  摩擦帯電圧測定法  試験片を回転させながら摩擦布で摩擦し,発生した帯電圧を測定する方法であり,

織物及び編物を摩擦したときの静電気電位の評価に適するが,試験片が小さいため導電性繊維の評価

には適さない。

なお,実用特性としては衣服のまつわり付きやほこり付着の評価ができるが,試験機の特性上帯電

圧が低く出るため放電障害などの評価には適さない。

(3)  摩擦帯電電荷量測定法  試験片を摩擦布によって摩擦し,摩擦帯電させた後,発生した電荷量を測定

する方法であり,導電性繊維を混入した織物及び編物を摩擦したときの,静電気発生量の評価に適す

るが,電荷量の減衰が見られないため後加工方式による帯電防止加工の評価には適さず,また摩擦操

作が手動であることなどの難点がある。

なお,実用特性としては,ほこり付着や放電障害などの評価ができる。

(4)  摩擦帯電減衰測定法  試験片を摩擦布によって摩擦し,摩擦帯電させた後,発生した帯電圧を測定す

る方法で摩擦帯電圧測定法と摩擦帯電電荷量測定法とを組み合わせて改良した方法である。静電気の

発生のしやすさと,減衰特性を同時に評価できる。

なお,実用特性としては,衣服のまつわり付き,ほこり付着や放電障害などの評価ができる。



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備考  他に表面漏えい抵抗測定法及びクリンギング測定法があり,参考に示す。

3.  試験の条件  試験は,温度 20±2℃,相対湿度 (40±2) %の状態の試験室において行うものとする。

備考1.  他の温度及び湿度によって試験した場合には,その旨を6.によって付記する。

2.  JIS Z 8806 の気象庁形又はアスマン通風乾湿球温度計を用いて温度を求め,次にスプルング

の式による湿度表によって相対湿度を求める。

4.  試料及び摩擦布の採取及び準備

4.1

試料及び摩擦布の採取  試料及び摩擦布は,織物及び編物の両耳端から全幅の

10

1

以上,端末から 1m

以上離れた部分から採取する。

備考  試料及び摩擦布は,白手袋を着用するなど可能な限り汚さないように注意して採取する。

4.2

試料の洗濯処理  試料を洗濯処理する場合には,JIS L 0217 に規定する付表 1,記号別の試験方法−

洗い方(水洗い)の番号 103 の試験方法によることとし,洗濯から脱水までの操作を 3 回繰り返した後,

40℃の温水で 10 分間湯洗いを(

1

)行い,脱水(

2

)し,再びこの方法によって湯洗い及び脱水を行い,自然乾燥

する。

(

1

)  湯洗いは,浴比調整用負荷布を使用せず,試料又は摩擦布だけで操作を行う。その場合の浴比

は,1対300以上とし,ためすすぎとする。

(

2

)  脱水槽に残留した洗剤が,試料及び摩擦布に付着しないように,脱水槽及びその周辺を十分流

水で洗い流す。

備考  他の洗濯方法,他の洗濯回数によった場合又は未洗濯の試料の場合には,その条件又はその旨

を 6.によって付記する。

4.3

摩擦布の湯洗い  摩擦布の湯洗いは,4.2 と同様な方法によって 40℃の温水で 10 分間湯洗い(

1

)を行

い,脱水(

2

)した後,再びこの方法によって湯洗いを行い,脱水し,自然乾燥する。

4.4

試料及び摩擦布の調整  採取した試料及び摩擦布の調整は,原則として 70℃(

3

)で 1 時間予備乾燥を

行った後,測定温度・湿度状態下に 24 時間以上放置する。

(

3

)  ポリ塩化ビニルを試料とする場合には,60℃とする。

5.  試験方法 
5.1

半減期測定法

5.1.1

装置  装置は,次のとおりとする。

(1)  半減期測定機  試験片を任意に帯電させる印加部,コロナ放電をさせるための高圧直流電源,試験片

を載せて回転させるためのターンテーブル,試験片の電圧を検出する受電部,その増幅器などからな

るものとする(

図 参照)。


3

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図 1  半減期測定機の例

(2)  記録装置  シンクロスコープ又は記録計。 
(3)  除電装置  自己放電式又は電圧印加式除電器。 
5.1.2

操作  大きさ 45×45mm の試験片を 4.の試料から 5 枚採取する。

半減期測定機と,シンクロスコープ又は記録計とを接続し,印加電圧を  (+) 10kV として,印加部の針

電極の先端からターンテーブル面までの距離を 20mm,受電部の電極からターンテーブルまでの距離を

15mm に各々調節(

4

)する。

次に,除電装置を用いて試験片を除電した後,表面が上になるように試験片取付枠に取り付け,ターン

テーブルを回転させながら  (+) 10kV の印加を 30 秒間行った後,印加を止め,ターンテーブルをそのまま

回転させながら,帯電圧が初期帯電圧の

2

1

(

5

)に減衰するまでの時間 (s) を測定する。残る 4 枚の試験片に

ついても同様に行う。

試験結果は,5 枚の試験片の測定値の平均値(

6

)で表す。

(

4

)  試験片が著しく厚い場合には,印加部針先端及び受電部電極板から試験片面までの距離を,そ

れぞれ20mm 及び15mm とし,その旨を6.によって付記する。

(

5

)  初期帯電圧が半分に減衰するまでの時間が,120 秒以上を要する場合には,120 秒で測定を中止

する。

(

6

)  JIS Z 8401 によって有効数字 2 けたに丸める。

備考  半減期測定機の校正は,試験片と同形の校正用電極板を試験片取付部に取り付け,これに直接

直流任意電圧を加え,ターンテーブルを回転させて受電部を校正する。

5.2

摩擦帯電圧測定法

5.2.1

装置及び材料  装置及び材料は,次のとおりとする。

(1)  摩擦帯電圧測定機  図 に示すような,試験片を取り付けて回転させる回転ドラム,試験片を摩擦し

て静電気を発生させる摩擦部,発生した静電気を検出する受電部,その増幅器などからなるものとす

る。



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図 2  摩擦帯電圧測定機の例

図 3  試験片取付枠

図 4  試験片押さえ枠

(2)  記録装置  オシロスコープ又は記録計。 
(3)  除電装置  自己放電式又は電圧印加式除電器。 
(4)  摩擦布  JIS L 0803 に規定の毛及び綿添付白布。ただし,他の摩擦布を用いた場合には,用いた摩擦

布の種類を 6.によって付記する。

5.2.2

操作  4.の試料から大きさ 50×80mm の試験片を,たて方向及びよこ方向,又はウェール方向及び

コース方向にそれぞれ 10 枚採取する。また,4.の摩擦布から幅 25mm(

7

),長さ約 150mm の大きさのもの

を摩擦布の種類ごとにそれぞれ 10 枚採取する。

摩擦帯電圧測定機に,オシロスコープ又は記録計を接続し,受電部の電極板と試験片取付枠面(

8

)との距

離を約 15mm にする。次に,除電装置を用いて試料及び摩擦布を除電し,除電した摩擦布を,

図 の①の

位置に取り付けて高さを調節し(

9

),4.9N の荷重を加え,試験片取付枠の 1 か所に試験片の表面が摩擦面に

なるように取り付ける(

10

)

回転ドラムを回転させて試験片を摩擦し,摩擦開始から 60 秒後の帯電圧 (V) を測定する。試験片及び

摩擦布を取り替えて,この操作をたて糸方向及びよこ糸方向,又はウェール方向及びコース方向にそれぞ


5

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れ 5 枚の試験片について行う。次に,異なる種類の摩擦布に替え同様の操作を行う。

試験結果は,摩擦布の種類ごとにたて糸方向及びよこ糸方向,又はウェール方向及びコース方向のそれ

ぞれ 5 枚の試験片の測定値の平均値(

6

)で表す。

(

7

)  摩擦布の幅は,試験片押さえ枠中空部より小さくし,摩擦布が試験片に接するようにして,た

て糸方向に沿って採取する。

(

8

)  見掛け厚さの大きな試験片(厚地編物,起毛品など)の場合には,試験片の測定表面(立毛の

場合は毛羽の表面)からの距離を約 15mm にする。

(

9

)  試験片を取り付けない状態で,図 に示すように,摩擦布に 4.9N の荷重を加えるとともに,摩

擦が滑らかに行われるように左右のつまみの高さを調節する。試験片が著しく厚い場合には,

試験片の厚さだけ左右のつまみの高さを調節する。

図 5  摩擦布の高さの調節

(

10

)  試験片の取付けの際には,試験片取付枠の両側に両面接着テープをはり,図 に示すように,

試験片が試験片取付枠の曲率に沿うように矢印方向に張りながら取り付け,押さえ枠で止める。

図 6  試験片の取付け

備考  一連の試験を開始する前に摩擦帯電圧測定機の校正を行う。

校正は校正用電極板[露出部分の面積 (20±1)  × (25±1) mm]を試験片取付部に取り付け,

ここに  (+) 100V 又は  (+) 1 000V の校正用直流電圧を加え,回転ドラムを回転させて受電部を

校正する。

5.3

摩擦帯電電荷量測定法

5.3.1

装置及び材料  装置及び材料は,次のとおりとする。

(1)  帯電電荷量測定装置  図 に示すような,電位計,ファラデーケージ,コンデンサ(測定用キャパシ

タ)などが接続されたものとする。



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図 7  帯電電荷量測定装置の例

(2)  摩擦装置  摩擦装置は,次のとおりとする。

(a)  摩擦棒  長さ約 400mm の硬質塩化ビニル製(JIS K 6741 に規定する VP25)の棒に,ウェール方向

500mm,コース方向 450mm の大きさのナイロン又はアクリルの摩擦布を,ウェール方向を巻付け

方向として約 5 周巻き付け,その両端を引っ張って管の内側に折り返し固定したものとする。

(b)  敷板  摩擦棒に用いたものと同じ摩擦布で,ウェール方向 450mm,コース方向 400mm の大きさの

ものを,

図 のように大きさ 320×300mm,厚さ 3mm のアルミニウム板の両端に,厚さ 50

µm 以上,

幅 20mm 以上のポリエステル粘着テープを用いて,四方から巻き込むように固定したものとする。

図 8  敷板

(c)  敷台  敷台は,図 に示すような木製の台とする。


7

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図 9  敷台

(d)  絶縁棒  直径約 20mm,長さ約 500mm のアクリル製のものとする。

(3)  除電装置  自己放電式又は電圧印加式除電器。 
(4)  摩擦布  ナイロン及びアクリルの編地。 
5.3.2

操作  大きさ 250×350mm の試験片を 4.の試料からたて方向及びよこ方向,又はウェール方向及び

コース方向にそれぞれ 3 枚採取する。次に

図 10 に示すように,長辺方向の一端から 260mm を残して他端

を縫代 10mm として袋縫いし,袋縫いした部分に絶縁棒を差し込み,敷板の上にしわにならないように置

き,試験片,敷板及び摩擦棒を除電装置を用いて除電する。

図 10  試験片の縫製

帯電電荷量測定装置のコンデンサの両端を短絡した後,再び開放し,摩擦棒の両端を手で持ち,

図 11

に示すように体重の一部が荷重として均一に加わるようにして,摩擦棒を回転させないで先方から手前に

引き,試験片を 1 秒間に 1 回の割合で 5 回繰り返し摩擦する。



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図 11  摩擦操作の一例

摩擦終了後,直ちに絶縁棒の一端を持ち

図 12 に示すように,試験片が敷板の上を滑らないようにして,

絶縁棒を上方に持ち上げて試験片をつり上げ,約 1 秒間で試験片をはく離し,直ちに帯電電荷量測定装置

のファラデーケージ中に投入し(

11

),指示電圧 (V) を測定する。この操作を 5 回繰り返し,5 回の平均指示

電圧 (V) から次の式によって単位面積当たりの帯電電荷量 (C/m

2

)  を求める。

A

CV

=

σ

ここに,

σ

単位面積当たりの帯電電荷量 (C/m

2

)

C: コンデンサの静電容量 (F)

V: 平均指示電圧 (V)

A: 摩擦棒による試験片の摩擦面積 (m

2

)

図 12  はく離方向

以上の操作を,たて糸方向及びよこ糸方向,又はウェール方向及びコース方向それぞれ 3 枚の試験片に

ついて行う。次に,異なる種類の摩擦布を用いた敷板及び摩擦棒に替え,同様の操作を行う。

試験結果は,摩擦布ごとのたて糸方向及びよこ糸方向,又はウェール方向及びコース方向それぞれに対

して,各 3 枚の試験片の帯電電荷量 (C/m

2

)  の平均値で表すとともに,合計 12 の帯電電荷量の最大値で表

(

6

)

(

11

)  試験片のはく離からファラデーケージへの投入までに,試験片を人体,他の物体などに300mm


9

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以上近づけないように注意する。

備考1.  導電性繊維が一定間隔に筋状に入っているような試験片は,採取方法によって測定値が異な

る場合があるので,原則として

13に示すように導電性繊維が試験片の中心に入るよう試験

片を採取する。

図 13  導電性繊維混入試験片の採取方法

2.  摩擦棒の摩擦面は,原則として 1 試験片ごとに新しい摩擦面となるように摩擦の位置を少し

ずつ移動させて使用する。1 周すべてを使用した後には,約 5 周巻きの一部を切り取るか,

又は裏返して新しい摩擦面を使用する。未洗濯試料の測定などで摩擦布の汚れが著しい場合

及び油剤などによって測定値が著しく変化した場合には,その都度新しい摩擦面とする。

5.4

摩擦帯電減衰測定法

5.4.1

装置及び材料  装置及び材料は,次のとおりとする。

(1)  摩擦帯電減衰測定機  図 14 に示すような,摩擦子,摩擦時に試験片を支える摩擦台,摩擦された試験

片を受電部の直下まで移動させる試験片テーブルなどの移動機構,発生した静電気を検出する受電部,

それらの制御装置及び記録装置などからなるものとする。

図 14  摩擦帯電減衰測定機


10 
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図 15  摩擦台

(2)  電圧校正装置  電圧校正装置は,次のとおりとする。

(a)  校正用電源  直流電源とし,出力電力が±5 000V の直流電源。 
(b)  校正用電極  図 16 に示すもの。

図 16  校正用電極

(3)  摩擦子  大きさ 130×70mm,厚さ 17mm の木版に図 17 に示すように中綿として脱脂綿を詰め,綿布

(

12

)で覆い,黒板消しのようにしたものとする。

(

12

)  綿布は,JIS L 0803に規定の綿布とする。

図 17  摩擦子

(4)  摩擦布  JIS L 0803 に規定の毛及び綿添付白布。ただし,他の摩擦布を用いた場合は,用いた摩擦布

の種類を付記する。

(5)  記録装置  応答速度の速い(0.3 秒以下/フルスケール)記録計又は記録装置。 
(6)  除電装置  自己放電式又は電圧印加式除電器。


11

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5.4.2

摩擦布の摩擦子への取付け  摩擦布は,よこ方向に(よこ糸に沿って)二つ折りとし,摩擦子の摩

擦面にかぶせて,輪ゴムで固定する。

5.4.3

操作  4.の試料から大きさ 120×100mm の試験片を,たて糸方向及びよこ糸方向,又はウェール方

向及びコース方向にそれぞれ 3 枚採取する。4.の摩擦布から大きさ 300×300mm の摩擦布を,1 枚採取す

る。摩擦帯電減衰測定機に記録装置を接続する。試験片テーブルを受電部の下部に置き,円形の開孔窓の

中心に受電部中心を合わせ,受電部からの距離を約 50mm とする。試験片を試験片ホルダに取り付け(

13

)

試験片ホルダを試験片テーブルに装着した後,除電装置を用いて,試験片及び摩擦布を除電する。制御装

置を作動させると,次の操作をすべて自動的に行う。試験片が摩擦台の上部になる位置に移動し,摩擦台

が上昇して試験片を支える。

図 18 に示すように,摩擦子が手前から前方へ 1 秒間に 2 回の割合で 10 回摩

擦する(

14

)。10 回の摩擦終了と同時に試験片を受電部の下部まで素早く移動(

15

)し,帯電圧とその減衰曲線

を記録し,その曲線から初期帯電圧(最大帯電圧) (V) 及び半減期(秒)を測定する。

図 18  試験片の摩擦方法

備考  摩擦の方向は,手前から向こうへ一方向だけとする。

この操作をたて糸方向及びよこ糸方向,又はウェール方向及びコース方向それぞれ 3 枚の試験片につい

て行う。次に,異なる種類の摩擦布に替え,同様な操作を行う。

試験結果は,摩擦布ごとにたて糸方向及びよこ糸方向,又はウェール方向及びコース方向それぞれ 3 枚

の試験片の初期帯電圧及び半減期の平均値(

6

)で表す。

(

13

)  試験片の試験片ホルダへの取付けは,図19に示すように摩擦中にたるみ及びしわが出ないよう

に両面接着テープ又はセロハンテープなどでしっかりと固定する。

図 19  試験片の試験片ホルダへの取付け

(

14

)  摩擦圧力は,摩擦子が約 3mm へこむ程度に調整する。

(

15

)  摩擦布は,原則として 3 回使用した後裏返して使用する。未洗濯試料の測定などで摩擦布の汚

れが著しい場合及び油剤などによって測定値が著しく変化したと思われる場合には,その都度

摩擦布を裏返して新しい摩擦面を使用する。


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備考  一連の試験を開始する前に摩擦帯電減衰測定機本体の校正を行う。校正は試験片ホルダの代わ

りに校正用電極を試験片テーブルの上面まで引き上げ,これに  (+)  又は  (−)  の 5 000V の校

正用直流電圧を加え,受電部を校正する。

校正用直流電圧は,高電圧であるため,感電しないように注意して取り扱わなければならな

い。

6.  試験記録  試験記録には,次の事項を記載する。 
(1)  試験の種類

(2)  試験結果

(3)  洗濯処理条件

(4)  摩擦布の種類(半減期測定法を除く。)

(5)  温度及び湿度状態(規定の条件と異なる場合)

1.  半減期測定法

半減期  35 秒

洗濯処理  JIS L 0217 103  3 回

温湿度状態  25℃  30%RH

2.  摩擦帯電圧測定法

毛摩擦布

たて  2 500V

よこ  1 100V

綿摩擦布

たて  2 400V

よこ  1 200V

洗濯処理  JIS L 0217 103  3 回

温湿度状態  25℃  30%RH

3.  摩擦帯電電荷量測定法

ナイロン摩擦布

たて  平均値 10

µC/m

2

よこ  平均値 12

µC/m

2

アクリル摩擦布

たて  平均値 5.1

µC/m

2

よこ  平均値 6.2

µC/m

2

最大値  ナイロン摩擦布  たて 13

µC/m

2

洗濯処理  JIS L 0217 103  3 回

温湿度状態  25℃  30%RH

4

摩擦帯電減衰測定法

毛摩擦布  初期帯電圧

たて  7 000V  半減期  たて  >60 秒

よこ  5 900V          よこ  >60 秒

綿摩擦布  初期帯電圧

たて   610V  半減期  たて  5.2 秒

よこ  1 100V          よこ  5.0 秒

洗濯処理  JIS L 0217 103  3 回

温湿度状態  25℃  30%RH


13

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関連規格  JIS G 4305  冷間圧延ステンレス鋼板及び鋼帯

JIS L 1023  繊維製床敷物の性能に関する試験方法

JIS R 6252  研磨紙

JIS T 8118  静電気帯電防止作業服


14 
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参考  表面漏えい抵抗測定法・クリンギング測定法

序文

この参考は,本体で規定した試験方法以外に,表面漏えい抵抗測定法,クリンギング測定法を参

考試験方法として示すが,規定の一部ではない。

1.  表面漏えい抵抗測定法 
1.1

試験の条件  本体 3.による。

1.2

試料の採取  本体 4.による。

1.3

洗濯処理  本体 4.による。

1.4

装置及び材料  装置及び材料は,次のとおりとする。

(1)  表面漏えい抵抗測定装置  参考図 に示すように平板電極,直流電圧計,直流電流計,直流電源など

が接続されたものとする。

参考図 1  表面漏えい抵抗測定装置回路図


15

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参考図 2  平板電極

(2)  導電性塗料  絶縁抵抗 10

Ω以下のものとする。

(3)  記録計 
(4)  除電装置  自己放電式又は電圧印加式除電器。 
1.5

操作  本体 4.の試料から長辺 80mm 以上,短辺 50±1mm の大きさのものをたて糸方向及びよこ糸方

向,

又はウェール方向及びコース方向に 3 枚採取し,試験片の電極接触部分に導電性塗料を塗布(

1

)した後,

除電装置を用いて除電した試験片を両電極間にたるませずに挟む。

次に,

参考図 に示すスイッチ S を 1 側に接続し,電極間を 3 分間短絡した後,スイッチ S を 2 側に切

り替えて直流電圧 1 000V(ただし,直流 10V を印加し,このときの電流の 1 分後の値が 1×10

5

以上であ

る場合は,印加電圧は直流 10V でよい。

)を印加し,1 分経過後の直流電流計の指示 (A) を読み取り,次

の式によって電気抵抗率  (

Ω)  を求める。

同様の手順で,たて糸方向及びよこ糸方向,又はウェール方向及びコース方向それぞれ 3 枚の試験片に

ついて測定する。

試験結果は,たて糸方向及びよこ糸方向,又はウェール方向及びコース方向それぞれ 3 枚の試験片の平

均値(

2

)で表す。

I

E

R

=

ここに,  R:  試験片の電気抵抗率  (

Ω)

E:  印加電圧 (V)

I:  電流計の指示値 (A)


16 
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(

1

)  試験片の被測定部へ毛細管現象によってしみ出さないように,注意して塗布する。

(

2

)  JIS Z 8401 によって,有効数字 2 けたに丸める。

1.6

試験記録  試験記録は,本体 6.による。

例  表面漏えい抵抗測定法

抵抗値  たて  7.2×10

7

よこ  5.1×10

8

洗濯処理  JIS L 0217

  103  3 回

温湿度状態  25℃  40%RH

2.  クリンギング測定法 
2.1

試験の条件  本体 3.による。

2.2

試料及び摩擦布の採取  本体 4.による。

2.3

洗濯処理  本体 4.による。

2.4

装置及び材料  装置及び材料は,次のとおりとする。

(1)  試験用金属板  大きさ約 100×450mm,厚さ約 1.3mm のステンレス鋼板(

3

)とし,一端から約 150mm

の位置で 70℃の角度になるように折り曲げたもの。上部の板 (100×300mm)  の内面は仕上げ処理(

4

)

し,常に滑らかにしておく。上端に金属クランプを取り付け,クランプの端から 230mm の位置に指

示線を付ける。

(

3

)  材質は JIS G 4305に規定する SUS 316とする。

(

4

)  仕上げ処理は,初めに粗い研磨紙で磨き,仕上げを JIS R 6252 に規定の研磨紙で磨いて,表面

の粗さを約 1.1

µm 以内としたものとする。

(2)  金属クランプ  つかみ幅 70mm の金属製クランプ。 
(3)  アース板  大きさ約 200×350mm のステンレス鋼板をアース線で接地したものとする。 
(4)  摩擦板  大きさ約 50×150mm,質量が約 65g で適当な厚さの木製の板で,両端に幅 2mm の両面接着

テープを張り付け,摩擦布を接着できるようにしたものとする。

(5)  ポリウレタン台  大きさが約 100×300mm で,厚さが約 25mm の固くないウレタンフォーム。 
(6)  摩擦布  JIS L 0803 に規定の毛,綿及びアクリル添付白布。ただし,他の摩擦布を用いた場合は,用

いた摩擦布の種類を本体 6.によって付記する。

(7)  除電装置  自己放電式又は電圧印加式除電器。 
(8)  ピンセット  先端又は全体が絶縁されたものとする。 
(9)  ストップウオッチ  0.5 秒以上の精度のものとする。 
2.5

摩擦布の摩擦板への取付け  摩擦布は,長辺方向を摩擦板の長辺方向に合わせて摩擦布の表面が摩

擦面となるように摩擦板にしっかりと取り付ける。取付けの際は,

参考図 のように側面に両面接着テー

プを用いる。

参考図 3  両面接着テープの取付け方法


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2.6

操作  本体 4.の試料から大きさ 75×230mm の試験片を,たて糸方向及びよこ糸方向,又はウェール

方向及びコース方向に 9 枚採取する。本体 4.の摩擦布から大きさ 100×200mm の摩擦布を採取する。

採取した試験片及び摩擦布を除電装置を用いて除電し,試験用金属板を接地する。除電した試験片の表

面が外側になるように試験用金属板に金属クランプでしっかり取り付ける(

5

)。次に参考図 のように試験

用金属板をポリウレタン台の上に置き,除電した摩擦布を取り付けた摩擦板で 1 秒間に 1 回の速さで 12

回摩擦する。

摩擦は,

参考図 のように摩擦板を摩擦布の長辺と試験片の長辺とが直角になるように置き,

両手の中指で摩擦板の表面の側端を支えて行う(

6

)

参考図 4  試験片の取付け方法

参考図 5  摩擦方法

摩擦後,直ちに試験用金属板をアース板上に立て,絶縁されたピンセットを用いて試験片の右下端をつ

かみ,

参考図 のように(

7

)(

8

),試験片を試験用金属板から約 1 秒間引き離した後,試験片をピンセットか

ら離し,試験片を再びまつわりつかせる。

(

5

)  試験片の下端は,指示線に合わせる。

(

6

)  摩擦後の荷重は,摩擦板と摩擦布の自重だけとなるように注意しながら試験片の長さいっぱい

に一気に手前に引く。次に,親指と中指を使って持ち上げ,再び元の位置に戻す。この動作を

12 回繰り返す。

(

7

)  はく離は,参考図 の矢印のように弧を描くように行う。

(

8

)  操作中は,風や測定者の息が直接試験片に当たらないように注意する。

参考図 6  試験片のはく離方法

ピンセットから試験片を離すと同時にストップウオッチを始動させ,30 秒経過ごとに試験片を約 1 秒間

引き離した後,まつわりつかせる操作を繰り返し,金属クランプにつかまれた部分を除く試験片が自重で

完全に試験用金属板から離れるまでの時間 (s) を測定する(

9

)。この操作をたて糸方向及びよこ糸方向,又

はウェール方向及びコース方向それぞれ 3 枚の試験片について行う。次に,異なる種類の摩擦布に替え,

同様な操作を行う。

試験結果は,摩擦布ごとにたて糸方向及びよこ糸方向,又はウェール方向及びコース方向それぞれ 3 枚

の試験片の測定値の平均値(

2

)で表す。

(

9

)  試験片が自重で完全に試験用金属板から離れる時間が300秒以上の場合は,300秒で試験を中止


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L 1094 : 1997

する。

2.7

試験記緑  試験記録は,本体 6.による。

例  クリンギング測定法

毛摩擦布

たて  26 秒

よこ  56 秒

綿摩擦布

たて  300 秒以上

よこ  300 秒以上

アクリル摩擦布

たて  300 秒以上

よこ  300 秒以上

洗濯処理  JIS L 0217

  103  3 回

温湿度状態  25℃  40%RH

改正原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

小  林  茂  雄

共立女子大学

五十嵐  重  雄

通商産業省生活産業局

高  橋  孝  一

通商産業省製品評価技術センター

小  倉      悟

通商産業省工業技術院標準部

佐  藤  倭  敏

財団法人日本化学繊維検査協会

本  多  秀  誠

財団法人日本繊維製品品質技術センター

井  口  耕  一

財団法人日本紡績検査協会

森      数  馬

財団法人毛製品検査協会

柏  村  隆  光

鐘紡株式会社生産技術研究所

丁  野  良  助

東レ株式会社テキスタイル開発センター

山  崎  義  一

日本化学繊維協会

遠  藤  英  機

日本チェーンストアー協会

斎  藤  有  常

日本百貨店協会

吉  岡  初  子

主婦連合会

田  中  雅  子

消費科学連合会

加  山  英  男

財団法人日本規格協会

(事務局)

湯  村  崇  男

繊維工業標準研究会

近  野      良

繊維工業標準研究会