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L 1062:2006  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人繊維評価

技術協議会(JTETC)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標

準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS L 1062:1987は改正され,この規格に置き換えられる。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

L 1062:2006  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

4. 試験場所 ························································································································ 1 

5. 試料及び試験片の採取及び準備 ·························································································· 1 

6. 試験の種類 ····················································································································· 1 

7. 試験方法 ························································································································ 1 

7.1 A法(糸ゆがみ法)········································································································ 1 

7.2 B法(糸引抜き法) ········································································································ 4 

8. 試験報告書 ····················································································································· 5 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

L 1062:2006 

織物の目寄れ試験方法 

Testing methods for distortion and slippage of yarn in woven fabrics 

1. 適用範囲 この規格は,摩擦などによって織物に目寄れが発生する度合いを評価するための試験方法

について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7721 引張・圧縮試験機−力計測系の校正・検証方法 

JIS K 6253 加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法 

JIS L 0105 繊維製品の物理試験方法通則 

JIS L 0208 繊維用語−試験部門 

JIS L 0217 繊維製品の取扱いに関する表示記号及びその表示方法 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS L 0208によるほか,次による。 

a) 目寄れ 織物の表面又は裏面に加わる摩擦などの物理作用によって,部分的に生じる織物のたて糸と

よこ糸とが交差する位置の片寄り又はずれ。 

4. 試験場所 JIS L 0105の5.1(試験場所)によって試験を行う。 

5. 試料及び試験片の採取及び準備 JIS L 0105の6.3.1(織物の場合)又は試料が製品で織物の場合は6.4

[製品(縫製品)状の試料の試験片]によって試料及び試験片を採取及び準備する。 

なお,採取した試料について必要がある場合には,試料の用途又は繊維素材によってJIS L 0217に規定

する水洗い又はドライクリーニングの前処理を行ってもよい。また,その後に柔軟剤処理を行ってもよい。

ただし,この場合は,試験報告書にその旨を付記する。 

6. 試験の種類 試験は,次のいずれかによる。 

a) A法(糸ゆがみ法) この試験は,フィラメント糸織物又は紡績糸織物のいずれにも適する。 

b) B法(糸引抜き法) この試験は,主としてフィラメント糸織物に適する。 

7. 試験方法  

7.1 

A法(糸ゆがみ法)  

7.1.1 

装置及び材料 装置及び材料は,次による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 織物シフトテスター 図1に示すような構造のもので,次の主要部からなるものとする。 

1) 摩擦ゴムドラム 図2に示すように,固定された上下一対からなる円筒状のゴム製品で,JIS K 6253

に規定するタイプAデュロメータによって測定したとき,硬さが55〜60のもの。 

図 1 織物シフトテスター 

                     単位 mm 

図 2 摩擦ゴムドラム 

2) 手動クランク装置 移動アーム及びカムからなっており,試験片支持枠に25 mm間の往復運動をさ

せ,上下の摩擦ゴムドラムに接圧された試験片に,滑り摩擦を作用させるもの。ただし,戻り運動

のときは,カムが作用して上部の摩擦ゴムドラムを押し上げる構造のもの。 

b) テンションスタンド 図3に示すような構造のもので,試験片支持枠に試験片を取り付け,第3クラ

ンプとおもりとを使用して,22 N±0.22 Nの張力を加えるために用いるもの。 

c) 試験片支持枠 図4に示すような構造のもので,第1クランプ及び第2クランプによって試験片を固

定できるもの。 

d) 測定器具 0.2 mm単位まで長さを測定できるもの。 

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L 1062:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

        単位 mm 

図3 テンションスタンド 

図4 試験片支持枠 

7.1.2 

操作 5.の試料から,試験片(1)をたて糸方向及びよこ糸方向にそれぞれ5枚採取し,糸目に沿って

両側から縁の糸を取り除いて,10 cm×20 cmとなるようにする。 

試験片の一端を試験片支持枠の第1クランプによって糸目に沿って固定した後,水平に置かれたテンシ

ョンスタンドヘつり下げて,試験片が試験片支持枠と平行になることを確かめる。次に,他の一端を第3

クランプによって糸目に沿って固定し,22 N±0.22 Nの荷重を加えて,第2クランプによって固定する(図

3参照)。試験片からおもりと第3クランプとを外し,試験片支持枠を織物シフトテスターの上下摩擦ゴム

ドラムの間に摩擦部分が試験片の一方の長辺から13 mmの位置となるように,第1レールの上に静かに置

く。摩擦ゴムドラムに所定の荷重(2)を加えて,手動クランクを1分間当たり30回の速さで2回転させ,試

験片上25 mm間の同一箇所を一方向に2度摩擦する。 

次に,試験片支持枠を第2レールに移し,反対側の長辺から13 mmの位置を同じ方法で摩擦する。 

試験片を,張力が加わらないようにして試験片支持枠から取り外し,平面上に粘着テープで固定して15

分間放置後,試験片の上に透明なフィルム又はプレートを置き,図5に示すように移動した糸の開口距離

(0.2 mm単位まで)を測定する。試験結果は,たて糸及びよこ糸の開口距離(3)をそれぞれ10回測定し,

その平均値で表す(小数点以下1けたまで)。 

注(1) 試験片は,通常,たて糸及びよこ糸の異なる場所から採取する。 

(2) 荷重は,試料が薄地の場合は4.4 N,中厚地の場合は8.9 N,厚地の場合は17.7 Nとする。ただ

し,必要に応じて荷重を変えてもよい。いずれの場合も荷重を試験報告書に付記する。 

(3) たて糸の開口距離とは,たて糸が湾曲して開口した最大開きをいい,よこ糸の開口距離とは,

よこ糸が湾曲して開口した最大開きをいう。ただし,開口距離中に糸が残留している場合は,

残留する糸の本数に当該糸の太さを乗じて得た数値を開口距離から引いたものを開口距離とす

る。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考 摩擦を40サイクル行った後,新しい摩擦面が現れるように,摩擦ゴムドラムの表面を回転させ

る。 

図 5 測定方法  

7.2 

B法(糸引抜き法)  

7.2.1 

装置 装置は,次による。 

a) 引張試験機 自記記録装置付定速伸長形引張試験機(4) 

注(4) 試験機の検証を行う場合,JIS B 7721に規定する方法を参考とする。 

7.2.2 

操作 5.の試料から,20 mm×70 mmの試験片(1)をたて糸方向及びよこ糸方向にそれぞれ5枚採取

する。試験片は,長さ方向に端から20 mmの位置及びその点から30 mmの位置に長辺と直角に印を付け

る。次に,図6のように,一方は長辺と直角に中央部を5 mm切断し,他方は長辺と直角に中央に糸2本

を残してそれ以外はすべて切断する。 

引張試験機に,つかみ間隔を30 mmとして試験片を取り付け,1分間当たり100 mmの引張速度で目寄

れ抵抗力(mN)を測定する。試験結果は,たて糸及びよこ糸の目寄れ抵抗力(5)をそれぞれ5回測定し,その

平均値で表す(整数位まで)。ただし,必要に応じて引張速度を変えてもよい。いずれの場合も引張速度を

試験報告書に付記する。 

  注(5) たて糸の目寄れ抵抗力とは,よこ糸方向に長辺をとって測定したものをいい,よこ糸の目寄れ 

抵抗力とは,たて糸方向に長辺をとって測定したものをいう。 

                           単位 mm 

図 6 試験片の作製 

L 1062:2006  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8. 試験報告書 試験報告書には,次の事項を記載する。 

a) 年月日 

b) 規格番号 

c) 試験方法(前処理,柔軟処理を行ったときは,その方法を付記する。) 

d) 試験条件(試験場所の温度及び湿度) 

e) 試験結果 

例1. 年月日,JIS L 1060,A法(開角度法), 

荷重4.4 N,21℃ 66%RH,たて糸 1.2 mm よこ糸 0.6 mm 

例2. 年月日,JIS L 1060,A法(開角度法),荷重 4.4 N, 

前処理 JIS L 0217,106法 柔軟剤名(商品名可)3分間浸せき(漬), 

21℃ 66%RH,たて糸1.8 mm よこ糸0.8 mm 

例3. 年月日,JIS L 1060,B法(伸長法),100 mm/min,23℃ 50%RH, 

たて糸 784 mN よこ糸 1617 mN