>サイトトップへ >このカテゴリの一覧へ

日本工業規格

JIS

 K

9902

-1994

高純度試薬−塩酸

Highly purified hydrochloric acid

HCl

    FW : 36.46

1.

適用範囲  この規格は,高純度試薬として用いる塩酸について規定する。

備考  この規格の引用規格を,付表 に示す。

2.

共通事項  この規格に共通する事項は,JIS K 0050JIS K 8001 及び JIS K 8007 による。

3.

品質  品質は,4.によって試験し,表 に適合しなければならない。


2

K 9902-1994

表 1  品質

項目

規格値

濃度 35.0∼37.0%

 20.0

∼21.0%

臭化物 (Br)

0.003%

以下

りん酸塩 (PO

4

) 0.01ppm

以下

硫酸塩 (SO

4

) 0.2ppm

以下

亜硫酸塩 (SO

3

) 0.5ppm

以下

遊離塩素 0.1ppm 以下 
リチウム (Li)

1ppb

以下

ナトリウム (Na)

5ppb

以下

カリウム (K)

1ppb

以下

銅 (Cu)

1ppb

以下

銀 (Ag)

1ppb

以下

金 (Au)

1ppb

以下

ベリリウム (Be)

1ppb

以下

マグネシウム (Mg)

1ppb

以下

カルシウム (Ca)

5ppb

以下

ストロンチウム (Sr)

1ppb

以下

バリウム (Ba)

1ppb

以下

亜鉛 (Zn)

1ppb

以下

カドミウム (Cd)

1ppb

以下

水銀 (Hg)

1ppb

以下

アルミニウム (Al)

2ppb

以下

ガリウム (Ga)

1ppb

以下

インジウム (In)

1ppb

以下

タリウム (Tl)

1ppb

以下

チタン (Ti)

1ppb

以下

ジルコニウム (Zr)

1ppb

以下

けい素 (Si)

0.01ppm

以下

すず (Sn)

1ppb

以下

鉛 (Pb)

1ppb

以下

バナジウム (V)

1ppb

以下

ひ素 (As)

1ppb

以下

アンチモン (Sb)

1ppb

以下

ビスマス (Bi)

1ppb

以下

クロム (Cr)

1ppb

以下

モリブデン (Mo)

1ppb

以下

マンガン (Mn)

1ppb

以下

鉄 (Fe)

5ppb

以下

コバルト (Co)

1ppb

以下

ニッケル (Ni)

1ppb

以下

アンモニウム (NH

4

) 0.5ppm

以下

4.

試験方法

4.1

濃度

(1)

要旨  試料を水に薄め,指示薬としてブロモチモールブルー溶液を加え,1mol/l 水酸化ナトリウム溶

液で滴定して塩酸の濃度を求める。

(2)

試薬  試薬は,次のとおりとする。


3

K 9902-1994

(a)  1mol/ l

水酸化ナトリウム溶液  JIS K 8001 の 4.5(19.1)に規定するもの。

(b)

ブロモチモールブルー溶液  JIS K 8001 の 4.4 に規定するもの。

(3)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

共通すり合わせ三角フラスコ  呼び容量 200ml のもの。

(4)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

共通すり合わせ三角フラスコ 200ml に水 20ml を入れ,その質量を 0.1mg のけたまではかる。

(b)  (a)

の三角フラスコに,試料約 2ml を加えて,その質量を 0.1mg のけたまではかる。

(c)

指示薬としてブロモチモールブルー溶液約 0.2ml を加え,1mol/l 水酸化ナトリウム溶液で滴定する

(終点は,溶液の色が黄から緑に変わる点)

(5)

計算  濃度は,次の式によって計算し,JIS Z 8401 によって規格値のけたに丸める。

100

036461

.

0

×

×

×

=

S

f

b

A

ここに,

A

濃度(%)

b

1mol/l

水酸化ナトリウム溶液の滴定量 (ml)

f

1mol/l

水酸化ナトリウム溶液のファクター

S

試料の質量 (g)

0.036 461

1mol/l

水酸化ナトリウム溶液 1ml の HCl 相当量 (g)

4.2

臭化物 (Br)

(1)

要旨  試料にフェノールレッド溶液を加え,1mol/l 水酸化ナトリウム溶液で弱塩基性とし酢酸塩緩衝

液を加えた後,p−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム溶液を加える。これに 0.1mol/l チオ硫酸

ナトリウム溶液を加えて生じる青紫の吸光度を測定して臭化物の含有量を求める。

(2)

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(a)

フェノールレッド溶液  JIS K 8800 に規定するフェノールレッド 0.02g を JIS K 8102 に規定するエ

タノール (95) 20ml に溶かし,

JIS K 8150

に規定する塩化ナトリウム 0.02g を加え水で 100ml にする。

(b)  p

−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム溶液 (10g/l)  JIS K 8001 の 4.2 に規定するもの。

(c)

酢酸塩 pH 緩衝液  JIS K 8371 に規定する酢酸ナトリウム三水和物 68g に JIS K 8355 に規定する酢

酸 30ml を加え水に溶かして 1にする。

(d)

水酸化ナトリウム溶液 (1mol/l)  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 40g をとり,水に溶かし

て 1にする。

(e)  0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液  JIS K 8001 の 4.5(21.2)に規定するもの。

(f)

臭化物標準原液 (1mgBr/ml)  JIS K 8506 に規定する臭化カリウムを 110℃で 4 時間乾燥し,デシケ

ーター中で放冷した後,1.49g を全量フラスコ 1 000ml にはかりとり,水に溶かし,標線まで水を加

える。

(g)

臭化物標準液 (0.01mgBr/ml)  (f)の原液 10ml を正確にとり,全量フラスコ 1 000ml に入れ標線まで

水を加える。

(3)

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(a)

分光光度計

(b)

吸収セル  光路長 10mm のもの。

(c)

ビーカー  呼び容量 100ml のもの。

(d)

全量フラスコ  JIS R 3505 に規定する呼び容量 100ml のもの。

(4)

操作  操作は,次のとおり行う。


4

K 9902-1994

(a)

ビーカー100ml に水 25ml を入れ,試料 2g (1.7ml)  をはかり入れる。

(b)

フェノールレッド溶液約 0.2ml を加えて水酸化ナトリウム溶液 (1mol/l)  を微紅色になるまで滴加す

る。

(c)

全量フラスコ 100ml に移し入れ,ビーカー内を水約 25ml で洗い,洗液も全量フラスコに移し入れ

る。

(d)

別に,4 個のビーカー100ml にそれぞれ水 25ml を入れ,臭化物標準液 (0.01mgBr/ml) を 0,3,6,

9ml

ずつを加えて,(b)(c)の操作を行う。

(e)  (c)

及び(d)の溶液に酢酸塩緩衝液 5ml を加えた後,p−トルエンスルホンクロロアミドナトリウム溶

液 2ml を加え振り混ぜて約 20 分間放置する。

(f) 0.1mol/l

チオ硫酸ナトリウム溶液 20ml を加え水を標線まで加える。

(g)

それぞれの溶液の一部を吸収セルにとり,

水を対照液として波長 590nm における吸光度を測定する。

(h)

試料側の吸光度から臭化物標準液 (0.01mgBr/ml) 0ml のものの吸光度を差し引いて,試料について

の吸光度を求める。

(i)  (g)

で得た臭化物標準液 (0.01mgBr/ml) 3,

6

9ml

のものの吸光度から臭化物標準液 (0.01mgBr/ml) 0ml

のものの吸光度を差し引いた後,臭化物の質量 (mg) と吸光度との関係線を作成し,検量線とする。

(5)

計算  臭化物の含有率 (ppm) は,次の式によって算出する。

1

10

2

×

=

A

C

ここに,  C:  臭化物の含有率 (%) 

A

:  検量線から求めた臭化物の質量 (mg)

2

:  試料の質量 (g)

4.3

りん酸塩 (PO

4

)

(1)

要旨  試料を蒸発乾固し,蒸発残留物を硫酸 (1+5)  に溶かした後,七モリブデン酸六アンモニウム

溶液及び塩化すず  (Ⅱ)  溶液を加え,生じるモリブデン青の吸光度を測定してりん酸塩の含有量を求

める。

(2)

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(a)

硫酸 (15)  JIS K 8001 の 4.1 に規定するもの。

(b)

七モリブデン酸六アンモニウム溶液(りん酸定量用)  JIS K 8001 の 4.2 に規定するもの。

(c)

塩化すず  ()  溶液(りん酸定量用)  JIS K 8001 の 4.2 に規定するもの。

(d)

りん酸塩標準液 (0.01 mgPO

4

/ml)

  JIS K 8001 の 4.3(1)に規定するもの。

(3)

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(a)

分光光度計

(b)

蒸発皿  JIS R 1302 に規定する化学分析用磁器蒸発ざらの平底型,呼び容量 120ml のもの。

(c)

加熱板  電熱ホットプレートなど。

(d)

共通すり合わせ三角フラスコ  呼び容量 300ml のもの。

(e)

全量フラスコ  JIS R 3505 に規定する呼び容量 25ml のもの。

(f)

吸収セル  光路長 10mm のもの。

(4)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料 300g を共通すり合わせ三角フラスコに 1g のけたまではかりとり,これを数回に分けて蒸発皿

に移し入れ,加熱板上で蒸発する。最後に共通すり合わせ三角フラスコ内を少量の水で洗い,洗液


5

K 9902-1994

も蒸発皿に入れ,蒸発乾固する。

(b)

蒸発残留物を少量の水で溶かし全量フラスコ 25ml に移し入れる。蒸発皿を少量の水で洗い,洗液

も全量フラスコに入れ,硫酸 (1+5) 2.5ml 及び水約 10ml を加える。

(c)

別に,4 個の全量フラスコ 25ml にりん酸塩標準液 (0.01mgPO

4

/ml)

を 0,0.2,0.3,0.5ml をとり,

硫酸 (1+5) 2.5ml 及び水約 10ml を加える。

(d)  (b)

及び(c)の溶液に七モリブデン酸六アンモニウム溶液

(りん酸定量用)

1ml

を加えてよく振り混ぜ,

約 3 分間放置した後,塩化すず  (Ⅱ)  溶液(りん酸定量用)2ml を加え,水を標線まで加えて約 20

分間放置する。

(e)

それぞれの溶液の一部を吸収セルにとり,

水を対照液として波長 700nm における吸光度を測定する。

(f)

試料を加えないで(a)(e)の操作を行い,吸光度を測定し,(e)で得た吸光度から差し引いて,試料に

ついての吸光度を求める。

(g)

りん酸塩標準液 (0.01mgPO

4

/ml) 0.2

,0.3,0.5ml のものの吸光度からりん酸塩標準液 (0.01mgPO

4

/ml)

0ml

のものの吸光度を差し引いた後,りん酸塩の質量 (mg) と吸光度との関係線を作成し,検量線

とする。

(5)

計算  りん酸塩の含有率 (ppb) は,次の式によって算出する。

1000

300

×

=

A

C

ここに,

C

りん酸塩の含有率 (ppm)

A

検量線から求めたりん酸塩の質量 (mg)

300

試料の質量 (g)

4.4

硫酸塩 (SO

4

)

(1)

要旨  試料を蒸発乾固した後,蒸発残留物を塩酸 (2+1)  に溶かし,エタノールと塩化バリウム溶液

を加えて生じる硫酸バリウムの濁りを,硫酸塩標準液を同様に操作して生じる白濁と比較して硫酸塩

の含有量を求める。

(2)

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(a)

エタノール (95)  JIS K 8102 に規定するもの。

(b)

塩化バリウム溶液 (100g/l)  JIS K 8001 の 4.2 に規定するもの。

(c)

塩酸 (21)  JIS K 8001 の 4.1 に規定するもの。

(d)

硫酸塩標準液 (0.01 mgSO

4

/ml)

  JIS K 8001 の 4.3(1)に規定するもの。

(3)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

蒸発皿  JIS R 1302 に規定する化学分析用磁器蒸発ざらの丸底形,呼び容量 120ml のもの。

(b)

共通すり合わせ平底試験管  JIS K 8001 の 5.1(2)(b)に規定するもの。

(4)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料 100g を蒸発皿に 1g のけたまではかりとり,水浴上で蒸発乾固する。塩酸 (2+1) 0.3ml を加え

蒸発残留物を溶かし,少量の水を加えてから共通すり合わせ平底試験管に移し入れる。蒸発皿を少

量の水で洗い,洗液も共通すり合わせ平底試験管に入れ,水を 25ml の標線まで加える。

(b)

別に,4 個の共通すり合わせ平底試験管にそれぞれ塩酸 (2+1) 0.3ml を入れ,硫酸塩標準液

(0.01mgSO

4

/ml) 0

,3,5,7ml ずつを加え,水で全量を 25ml にする。

(c)

それぞれの溶液にエタノール (95) 3ml と塩化バリウム溶液 (100g/l) 2ml を加えてよく振り混ぜ,1

時間放置した後,その背後に黒い紙を置き,試料側の白濁と標準側の白濁とを共通すり合わせ平底


6

K 9902-1994

試験管の前面から目視によって比較し,硫酸塩の質量 (mg) を求める。

(5)

計算  硫酸塩の含有率 (ppm) は,次の式によって算出する。

1000

100

×

=

A

C

ここに,

C

硫酸塩の含有率 (ppm)

A

比濁によって求めた硫酸塩の質量 (mg)

100

試料の質量 (g)

4.5

亜硫酸塩 (SO

3

)

(1)

要旨  試料によう化カリウム溶液とでんぷん溶液を加え 5mmol/l よう素溶液で滴定し,その消費量か

ら亜硫酸塩の含有量を求める。

(2)

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(a)

溶存酸素を含まない水  JIS K 8001 の 3.6(4)に規定するもの。

(b)

よう化カリウム溶液 (100g/l)  JIS K 8001 の 4.2 に規定するもの。

(c)

でんぷん溶液  JIS K 8001 の 4.4 に規定するもの。

(d)  0.05mol/l

よう素溶液  JIS K 8001 の 4.5(24)に規定するもの。

(e)  5mmol/l

よう素溶液  0.05mol/l よう素溶液 100ml を全量フラスコ 1 000ml に正確にとり塩酸 (2+1)

0.5ml

を加え,水を標準まで加える。

(3)

器具  器具は,次のとおりとする。

(a)

ビーカー  呼び容量 500ml のもの。

(4)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

ビーカー500ml に溶存酸素を含まない水 400ml を入れ,塩酸 (2+1) 7ml,よう化カリウム溶液

(100g/l) 1ml

及びでんぷん溶液 2ml を加えて穏やかにかき混ぜる。

(b)

穏やかにかき混ぜながらわずかに青が現われるまで 5mmol/l よう素溶液を滴加する。

(c)  (b)

の液を穏やかにかき混ぜながら,試料 100g を徐々に加える。これを 5mmol/l よう素溶液で滴定

を行う。終点は,液にわずかに青が現れる点とする。

(5)

計算  亜硫酸塩の含有率 (ppm) は,次の式によって算出する。

6

10

100

0004003

.

0

×

×

×

=

f

a

C

ここに,

C

亜硫酸塩の含有率 (ppm)

a

5mmol/l

よう素溶液の滴定量 (ml)

f

5mmol/l

よう素溶液のファクター

100

試料の質量 (g)

0.000 400 3

5mmol/l

よう素溶液 1ml の亜硫酸塩の相当量 (g)

4.6

遊離塩素 (Cl)

(1)

要旨  試料によう化カリウム溶液を加え,遊離塩素によって遊離するよう素を二硫化炭素で抽出し,

二硫化炭素層が紅色にならないことによって遊離塩素が一定値以下であることを確認する。

(2)

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(a)

よう化カリウム溶液 (20g/l)  JIS K 8001 の 4.2 に規定するもの。

(b)

二硫化炭素  JIS K 8732 に規定するもの。

(c)

溶存酸素を含まない水  JIS K 8001 の 3.6(4)に規定するもの。

(3)

器具  器具は,次のとおりとする。


7

K 9902-1994

(a)

共通すり合わせ三角フラスコ  呼び容量 200ml のもの。

(4)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

共通すり合わせ三角フラスコ 200ml に溶存酸素を含まない水 50ml を入れ,試料 60g を加え穏やか

に振り混ぜる。

(b)

約 20℃に冷却した後,よう化カリウム溶液 (20g/l) 0.1ml を加えて穏やかに振り混ぜた後,二硫化炭

素 1ml を加える。

(c) 10

秒間激しく振り混ぜた後,30 秒以内に二硫化炭素層に紅色が現われないことを確認する。

4.7

水銀 (Hg)

(1)

要旨  試料を水で薄め,テトラヒドロほう酸ナトリウム溶液を加える。この液に通気して水銀蒸気を

発生させ,原子吸光分析装置に導入して指示値を読み取り,水銀の含有量を求める。

(2)

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(a)

よう化カリウム溶液 (200g/l)  JIS K 8001 の 4.2 に規定するもの。

(b)

テトラヒドロほう酸ナトリウム溶液 (6g/l)  テトラヒドロほう酸ナトリウム(純度 96%以上のもの)

1.5g

と JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 1.25g を水に溶かし,

水を加えて 250ml としたもの。

(c)

塩酸 (119)  塩酸(

1

)50ml

に水を加えて 1としたもの。

(d)

硝酸 (11)  JIS K 9901 に規定する高純度試薬−硝酸 50ml に水を加えて 100ml としたもの。

(e)

水銀標準液 (1

µgHg/ml)  JIS K 8001 の 4.3(2)に規定する水銀標準液 (0.001mgHg/ml)。

(f)

水銀標準液 (1 ngHg/ml)  (e)の水銀標準液 (1

µgHg/ml) 1.0ml を全量フラスコ 1 000ml にとり,硝酸

(1

+1) 10ml を加え,水を標線まで加えたもの (0.001

µgHg/ml)。

(

1

)

空試験値がこの試験に支障がないもの。

(3)

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(a)

原子吸光分析装置

(b)

水銀還元気化装置  図 に示す還元気化装置。

(c)

はかり瓶  JIS R 3503 に規定する筒型はかり瓶 45×60 mm のもの。

(d)

還元容器  呼び容量 200ml のガラス瓶又は三角フラスコ(100ml の位置に印を付けておく)。

(4)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

還元気化装置を組み立てる。

(b)

試料 20g をはかり瓶に 0.1g のけたまではかりとり,あらかじめ水 50ml を入れた還元容器に振り混

ぜながら徐々に加え,はかり瓶内を少量の水で洗い,洗液も還元容器に移し入れ,水を加えて 100ml

とする。

(c)

この溶液に手早くよう化カリウム溶液 (200g/l) 5ml と塩酸 (1+19) 4ml を加え,更にテトラヒドロほ

う酸ナトリウム溶液 (6g/l) 2ml を加えて還元容器を直ちに還元気化装置に取り付ける。あらかじめ

設定した最適流量で空気ポンプを作動させ,発生した水銀蒸気を吸収セルに導き,波長 253.7nm の

指示値を読み取る。

(d)

バイパスコックを開いて指示値が元に戻るまで通気を続ける。

(e)

空試験は,還元気化器に水 100ml を入れ,同様に(c)(d)の操作を行って指示値を読み取る。この指

示値を用いて(b)で得た指示値を補正する。

(f)

還元容器に水銀標準液 (1ngHg/ml) 0∼20ml を段階的にとり,水を加えて 100ml とした後,(b)(c)

の操作を行い,指示値を読み取る。この指示値を水銀標準液 (1ngHg/ml) 0ml について得た空試験の

指示値で補正した後,水銀の質量 (ng) と指示値との関係線を作成し,検量線とする。検量線の作


8

K 9902-1994

成は,試料測定時に行う。

(5)

計算  水銀の含有率 (ppb) は,次の式によって算出する。

20

V

C

=

ここに,

C

:  水銀の含有率 (ppb)

V

:  検量線から求めた水銀の質量 (ng)

20

:  試料の質量 (g)

図 1  還元気化装置の一例

4.8

けい素 (Si)

(1)

要旨  試料を蒸発乾固し,蒸発残留物に水酸化ナトリウム溶液を加えて溶かし,水で一定量に薄めた

後,誘導結合プラズマ発光分光分析装置に導入し,発光強度を測定してけい素の含有量を求める。

(2)

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(a)

水酸化ナトリウム溶液 (0.1mol/l)  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 4g をとり,水に溶かし

て 1とする。使用時に調製する。

(b)

けい素標準液 (0.01mgSi/ml)  JIS K 8001 の 4.3(1)に規定するもの。

(3)

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(a)

誘導結合プラズマ発光分光分析装置

(b)

白金皿  JIS H 6202 に規定する 100 番のもの。

(c)

加熱板  電熱ホットプレートなど。

(d)

目盛付試験管  容量 20ml の合成樹脂製のもので,5ml の標線における体積を確認して用いる。

(4)

誘導結合プラズマ発光分光分析装置の操作条件  操作条件は,JIS K 8007 の 9.(3.2)による。

(5)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料 100g を白金皿に 1g のけたまではかりとり,加熱板上で蒸発乾固して冷却する。

(b)

蒸発残留物に水酸化ナトリウム溶液 (0.1mol/l) 0.5ml を加えて加熱して溶かす。

(c)

冷却した後,少量の水とともに目盛付試験管に移し入れる。白金皿を少量の水で洗い,洗液も目盛

付試験管に移し入れる。水を 5ml の標線まで加えて,よく振り混ぜる。


9

K 9902-1994

(d)

この溶液を,誘導結合プラズマ発光分光分析装置に導入し,251.612nm における発光強度を測定す

る。

(e)

空試験は,同様に(b)(d)の操作を行って発光強度を測定し,この発光強度を用いて(d)で得た発光

強度を補正する(この場合,加熱操作は行わなくてよい)

(f)

けい素標準液 (0.01mgSi/ml) 0∼2ml を段階的に数個の白金皿にとり,(b)(d)の操作を行って発光強

度を測定する。この発光強度をけい素標準液 (0.01mgSi/ml) 0ml について得た空試験の発光強度で補

正した後,けい素の質量 (mg) と発光強度との関係線を作成し検量線とする。検量線は,試料測定

時に作成する。

(6)

計算  けい素の含有率 (ppm) は,次の式によって算出する。

1000

100

×

=

V

C

ここに,

C

けい素の含有率 (ppm)

V

検量線から求めたけい素の質量 (mg)

100

試料の質量 (g)

4.9

その他の金属元素

4.9.1

電気加熱方式原子吸光法

(1)

要旨  試料を蒸発乾固し,蒸発残留物に硝酸を加えて加熱して溶かし,水で一定量に薄めて電気加熱

方式原子吸光分析装置に導入して指示値を読み取り,各元素の含有量を求める。

測定する元素は,リチウム,ナトリウム,カリウム,銅,銀,金,ベリリウム,マグネシウム,カ

ルシウム,ストロンチウム,バリウム,亜鉛,カドミウム,アルミニウム,インジウム,タリウム,

鉛,バナジウム,クロム,モリブデン,マンガン,鉄,コバルト及びニッケルの 24 元素とする。

(2)

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(a)

硝酸 (1mol/l)  JIS K 9901 に規定するものを用いて調製する。

(b)

王水  塩酸(

1

)

と JIS K 9901 に規定するものを使用時に体積比で 3:1 に混合して用いる。

(c)

標準液  JIS K 8001 の 4.3(2)に規定するもの,又は JIS に規定する金属標準液。市販のものを用い

てもよい。

(3)

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(a)

電気加熱方式原子吸光分析装置  バックグラウンド補正が可能なもの。発熱体は,黒鉛製(又はパ

イロコーティングしたもの)又は耐熱金属製を用いる。

(b)

平底蒸発皿  呼び容量 100ml の石英ガラス製のもの。

(c)

加熱板  電熱ホットプレートなど。

(d)

目盛付試験管  容量 20ml の合成樹脂製のもので,10ml の標線における体積を確認して用いる。

(e)

プッシュボタン式液体用微量体積計  JIS K 0970 に規定する容量 10∼100

µl のもの。

(4)

電気加熱方式原子吸光分析装置の操作条件  操作条件は,JIS K 0121 によって次の項目について設定

するほか,取扱説明書による。

(a)

分析線波長  表 による


10

K 9902-1994

表 2  分析線波長

単位 nm

リチウム 670.8  カルシウム 422.7

鉛 283.3

ナトリウム 589.0

ストロンチウム 460.7

バナジウム 318.4

カリウム 766.5  バリウム 553.6  クロム 357.9 
銅 324.8

亜鉛 213.9

モリブデン 313.3

銀 328.1

カドミウム 228.8

マンガン 279.5

金 242.8

アルミニウム 309.3

鉄 248.3

ベリリウム 234.9

インジウム 325.6

コバルト 240.7

マグネシウム 285.2

タリウム 276.8  ニッケル 232.0

(5)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料 100g を平底蒸発皿に 1g のけたまではかりとり,加熱板上で蒸発乾固し,冷却する。

(b)

蒸発残留物に硝酸 (1mol/l)(

2

)5ml

を加え,加熱して溶かす。

(c)

冷却した後,少量の水とともに目盛付試験管に移し入れ,少量の水で蒸発皿を洗い,洗液も試験管

に入れる。水を 10ml の標線まで加え,よく振り混ぜる(A 液)

(リチウム,カリウム,銅,銀,金,

ベリリウム,ストロンチウム,バリウム,亜鉛,カドミウム,アルミニウム,インジウム,タリウ

ム,鉛,バナジウム,クロム,モリブデン,マンガン,鉄,コバルト及びニッケル測定用)

(d)  A

液 1ml を目盛付試験管に正確にとり,水を 10ml の標線まで加えてよく振り混ぜる(B 液)

(ナト

リウム,マグネシウム及びカルシウム測定用)

(e)  A

液,B 液の一定量をプッシュボタン式液体用微量体積計を用い,目的元素の条件に設定した電気

加熱方式原子吸光分析装置に導入し,各元素の分析線波長における指示値を読み取る。

(f)

空試験は,同様に(b)(e)の操作を行って指示値を読み取り,この指示値を用いて(e)で得た指示値を

補正する(この場合,加熱操作は行わなくてよい)

(g)

各元素の標準液をプッシュボタン式液体用微量体積計を用いて,段階的に数個の目盛付試験管にと

り,硝酸 (1mol/l)(

2

)5ml

を加え,水を 10ml の標線まで加えてよく振り混ぜた後,(e)の操作を行う。

この指示値を(f)で得た空試験の指示値で補正した後,元素の質量 (mg) と指示値との関係線を作成

し,検量線とする。検量線は,試料測定時に作成する。

(

2

)

金の定量の場合には,硝酸 (1mol/l) 5ml に代えて王水1ml を用いる。

(6)

計算  各元素の含有率 (ppb) は,次の式によって算出する。

6

10

×

=

S

V

C

ここに,  C:  元素の含有率 (ppb) 

V

:  検量線から求めた元素の質量 (mg)

S

:  試料の質量 (g)

4.9.2

誘導結合プラズマ発光分光分析法

(1)

要旨  試料を蒸発乾固し,蒸発残留物に硝酸を加えて加熱して溶かし,水で一定量に薄めて誘導結合

プラズマ発光分光分析装置に導入し,発光強度を測定して各元素の含有量を求める。

測定する元素は,リチウム,銅,ベリリウム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,バリ

ウム,亜鉛,カドミウム,アルミニウム,チタン,ジルコニウム,バナジウム,モリブデン,マンガ

ン,鉄及びコバルトの 17 元素とする。

(2)

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(a)

硝酸 (1mol/l)  4.9.1(2)(a)による。


11

K 9902-1994

(b)

塩酸 (1mol/l)  塩酸(

1

)

を用いて調製する。

(c)

標準液  4.9.1(2)(c)による。

(3)

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(a)

誘導結合プラズマ発光分光分析装置

(b)

共通すり合わせ三角フラスコ  呼び容量 200ml のもの。

(c)

平底蒸発皿  4.9.1(3)(b)による。

(d)

加熱板  4.9.1(3)(c)による。

(e)

目盛付試験管  容量 20ml の合成樹脂製のもので,20ml の標線における体積を確認して用いる。

(f)

プッシュボタン式液体用微量体積計  4.9.1(3)(e)による。

(4)

誘導結合プラズマ発光分光分析装置の操作条件  操作条件は,JIS K 8007 の 9.(3.2)による。

(a)

分析線波長  表 による。

表 3  分析線波長

単位 nm

リチウム 670.784

バリウム 455.404

バナジウム 311.071

銅 324.754

亜鉛 213.856

モリブデン 379.825

ベリリウム 313.042 カドミウム 228.802 マンガン 257.610

マグネシウム 279.553  アルミニウム 396.153  鉄 259.940 
カルシウム 393.367 チタン 334.941

コバルト 238.892

ストロンチウム 407.771

ジルコニウム 343.823

(5)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料 100∼200g を共通すり合わせ三角フラスコ 200ml に 1g のけたまではかりとり,数回に分けて

平底蒸発皿に移し入れ,加熱板上で蒸発する。最後に,共通すり合わせ三角フラスコ内を少量の水

で洗い,洗液も平底蒸発皿に入れ,蒸発乾固し,冷却する。

(b)

蒸発残留物に硝酸 (1mol/l)(

3

)5ml

を加えて加熱して溶かす。

(c)

冷却した後,少量の水とともに目盛付試験管に移し入れ,蒸発皿を少量の水で洗い,洗液も目盛付

試験管に入れ,水を 20ml の標線まで加えてよく振り混ぜる。

(d)

この溶液を,誘導結合プラズマ発光分光分析装置に導入し,発光強度を測定する。

(e)

空試験は,同様に(b)(d)の操作を行って発光強度を測定し,この発光強度を用いて(d)で得た発光

強度を補正する(この場合,加熱操作は行わなくてよい)

(f)

各元素の標準液をプッシュボタン式液体用微量体積計を用いて,段階的に数個の目盛付試験管にと

り,硝酸 (1mol/l)(

3

)5ml

を加え,水を 20ml の標線まで加えてよく振り混ぜた後,(d)の操作を行う。

この発光強度を(e)で得た空試験の発光強度で補正した後,各元素の質量 (mg) と発光強度との関係

線を作成し,検量線とする。

(

3

)

チタンの定量の場合には,硝酸 (1mol/l) 5ml に代えて塩酸 (1mol/l) 5ml を用いる。

(6)

計算  各元素の含有率 (ppb) は,次の式によって算出する。

6

10

×

=

S

V

C

ここに,  C:  元素の含有率 (ppb) 

V

:  検量線から求めた元素の質量 (mg)

S

:  試料の質量 (g)

4.9.3

誘導結合プラズマ質量分析法

(1)

要旨  試料を蒸発乾固し,蒸発残留物に硝酸を加えて加熱して溶かし,水で定量に薄めて誘導結合プ


12

K 9902-1994

ラズマ質量分析装置に導入し,信号強度を測定して各元素の含有量を求める。

測定する元素は,リチウム,銅,銀,金,ベリリウム,マグネシウム,ストロンチウム,バリウム,

亜鉛,カドミウム,アルミニウム,ガリウム,インジウム,タリウム,チタン,ジルコニウム,すず,

鉛,バナジウム,ひ素,アンチモン,ビスマス,クロム,モリブデン,マンガン,コバルト及びニッ

ケルの 27 元素とする。

(2)

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(a)

硝酸 (1mol/l)  4.9.1(2)(a)による。

(b)

塩酸 (1mol/l)  4.9.2(2)(b)による。

(c)

王水  4.9.1(2)(b)による。

(d)

標準液  4.9.1(2)(c)による。

(3)

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(a)

誘導結合プラズマ質量分析装置

(b)

平底蒸発皿  4.9.1(3)(b)による。

(c)

目盛付試験管  4.9.1(2)(d)による。

(d)

プッシュボタン式液体用微量体積計  4.9.1(3)(e)による。

(4)

誘導結合プラズマ質量分析装置の操作条件  操作条件は,JIS K 8007 の 9.(4.2)による。

(a)

測定質量数  表 による。

表 4  測定質量数[質量/電荷数 (m/z)

リチウム 7 カドミウム 114

バナジウム 51

銅 63

アルミニウム 27

ひ素 75

銀 107

ガリウム 69  アンチモン 121

金 197

インジウム 115

ビスマス 209

ベリリウム 9

タリウム 205

クロム 52

マグネシウム 24

チタン 48

モリブデン 98

ストロンチウム 88

ジルコニウム 90

マンガン 55

バリウム 138

すず 120

コバルト 59

亜鉛 66

鉛 208

ニッケル 58

(5)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

試料 100g を平底蒸発皿に 1g のけたまではかりとり,加熱板上でほとんど蒸発した後水浴上で蒸発

乾固し,冷却する。

(b)

蒸発残留物に硝酸 (1mol/l)(

4

)5ml

を加え,加熱して溶かす。

(c)

冷却した後,少量の水とともに目盛付試験管に移し入れ,平底蒸発皿を少量の水で洗い,洗液も目

盛付試験管に入れ,水を 10ml の標線まで加えてよく振り混ぜる。

(d)

誘導結合プラズマ質量分析装置に導入し,信号強度を測定する。

(e)

空試験は,同様に(b)(d)の操作を行って信号強度を測定し,この信号強度を用いて(d)で得た信号

強度を補正する(この場合,加熱操作は行わなくてよい)

(f)

各元素の標準液をプッシュボタン式液体用微量体積計を用いて段階的に数個の目盛付試験管にとり,

硝酸 (1mol/l)(

4

)5ml

を加え,水を 10ml の標線まで加えてよく振り混ぜた後,(d)の操作を行う。この

信号強度を,(e)で得た空試験の信号強度で補正した後,各元素の質量 (mg) と信号強度との関係線

を作成し,検量線とする。検量線は,試料測定時に作成する。

(

4

)

チタン,すずの定量の場合には,硝酸 (1mol/l) 5ml に代えて,塩酸 (1mol/l) 5ml を用いる。金の


13

K 9902-1994

定量の場合には,硝酸 (1mol/l) 5ml に代えて,王水1ml を用いる。

(6)

計算  各元素の含有率 (ppb) は,次の式によって算出する。

6

10

100

×

=

V

C

ここに,

C

元素の含有率 (ppb)

V

検量線から求めた元素の質量 (mg)

100

試料の質量 (g)

4.10

アンモニウム (NH

4

)

(1)

要旨  試料に水酸化ナトリウム溶液を加えて強塩基性とした後,水蒸気蒸留し,留出液にナトリウム

フェノキシド溶液と次亜塩素酸ナトリウム溶液を加えて生じるインドフェノール青の吸光度を測定し

てアンモニウムの含有量を求める。

(2)

試薬  試薬は,次のとおりとする。

(a)

硫酸 (15)  JIS K 8001 の 4.1 に規定するもの。

(b)

水酸化ナトリウム溶液 (500g/l)  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 52.7g を水 70ml に溶かし,

10

分間煮沸した後冷却し,水を加えて全量を 100ml にする。

(c)

次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素約 1%)  JIS K 8001 の 4.2 に規定するもの。

(d)

ナトリウムフェノキシド溶液  JIS K 8001 の 4.2 に規定するもの。

(e)

アンモニウム標準液 (0.01mgNH

4

/ml)

  JIS K 8001 の 4.3(1)に規定するもの。

(f)

メチルレッド−メチレンブルー溶液  JIS K 8001 の 4.4 に規定するもの。

(3)

装置及び器具  装置及び器具は,次のとおりとする。

(a)

水蒸気蒸留装置  水蒸気蒸留装置の一例を,図 に示す。

(b)

分光光度計

(c)

吸収セル  光路長 10mm のもの。

(d)

ビーカー  呼び容量 500ml のもの。

(e)

全量フラスコ  JIS R 3505 に規定する呼び容量 50ml のもの。


14

K 9902-1994

図 2  水蒸気蒸留装置(一例)

(4)

操作  操作は,次のとおり行う。

(a)

ビーカー500ml に水 100ml を入れ,試料 160g をはかり入れる。メチルレツド−メチレンブルー溶液

約 0.2ml を加えた後,冷却しながら水酸化ナトリウム溶液 (500g/l)  を液の色が緑になるまで加えた

後,蒸留フラスコ G に移し入れ装置を組み立てる。

(b)

共栓付メスシリンダーM に,硫酸 (1+5) 2ml 及び水 18ml を入れ逆流止め J の先端を浸す。


15

K 9902-1994

(c)

水酸化ナトリウム溶液 (500g/l) 10ml を注入漏斗 D から加え,漏斗を水で洗いすり合せコックを閉じ

る。

(d)

蒸留フラスコ G と水蒸気発生フラスコ A を加熱し沸騰させ,A で発生した水蒸気を G に送り込み

水蒸気蒸留を行う。留出速度は,3∼5ml/min とし,初留 180ml をとり,水を加えて全量を 200ml に

する。

(e)  (d)

の液 25ml を全量フラスコ 50ml に正確にとり,ナトリウムフェノキシド溶液 4ml を加えて振り混

ぜた後,次亜塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素約 1%)2.5ml を加え,水を標線まで加えて振り混ぜ,

液温を 20∼30℃に保って約 30 分間放置する。

(f)

別に,4 個の全量フラスコ 50ml にアンモニウム標準液 (0.01mgNH

4

/ml) 0

,0.5,1,2ml をとり,硫

酸 (1+5) 0.25ml と水 20ml を加え,ナトリウムフェノキシド溶液 4ml を加えて振り混ぜた後,次亜

塩素酸ナトリウム溶液(有効塩素約 1%)2.5ml を加え,水を標線まで加えて振り混ぜ,液温を 20

∼30℃に保って約 30 分間放置する。

(g)

それぞれの溶液の一部を吸収セルにとり,水を対照液として波長 630nm 付近の吸光度を測定する。

(h)

試料側の吸光度からアンモニウム標準液 (0.01mgNH

4

/ml) 0ml

のものの吸光度を差し引いて試料側

の吸光度を求める。

(i)

ア ン モ ニ ウ ム 標 準 液  (0.01mgNH

4

/ml) 0.5

, 1 , 2ml の も の の 吸 光 度 か ら ア ン モ ニ ウ ム 標 準 液

(0.01mgNH

4

/ml) 0ml

のものの吸光度を差し引いて,アンモニウムの質量 (mg) と吸光度との関係線

を作成し,検量線とする。

(5)

計算  アンモニウムの含有率 (ppm) は,次の式から求める。

1000

200

25

160

×

×

=

A

C

ここに,

C

アンモニウムの含有率 (ppm)

A

検量線から求めたアンモニウムの質量 (mg)

160

試料の質量 (g)

5.

容器  ポリエチレン容器又は塩酸に侵されず,品質を損わない気密容器とする。

6.

取扱い上の注意事項  取扱いは,JIS K 8007 の 7.に規定するクリーンルーム及びクリーンベンチ内で

行うのが望ましい。

7.

表示  容器には,次の事項を表示しなければならない。

(1)

名称  “高純度試薬”及び“塩酸”の文字

(2)

化学式,式量

(3)

品質(濃度)

(4)

保証期限(年月)又は製造後の保証期間(保証期間の場合は,製造年月を記載する。

(5)

内容量

(6)

製造番号

(7)

製造業者名又はその略号


16

K 9902-1994

付表 1  引用規格

JIS H 6202

  化学分析用白金皿

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0121

  原子吸光分析通則

JIS K 0970

  プッシュボタン式液体用微量体積計

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8007

  高純度試薬試験方法通則

JIS K 8102

  エタノール (95)[エチルアルコール (95)]

(試薬)

JIS K 8150

  塩化ナトリウム(試薬)

JIS K 8355

  酢酸(試薬)

JIS K 8371

  酢酸ナトリウム三水和物(試薬)

JIS K 8506

  臭化カリウム(試薬) 

JIS K 8576

  水酸化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8732

  二硫化炭素(試薬) 

JIS K 8800

  フェノールレッド(試薬) 

JIS K 9901

  高純度試薬−硝酸 

JIS R 1302

  化学分析用磁器蒸発ざら 

JIS R 3503

  化学分析用ガラス器具 

JIS R 3505

  ガラス製化学用体積計 

JIS Z 8401

  数値の丸め方

原案作成委員会  構成表

氏名

所属

(委員長)

川  瀬      晃

社団法人日本分析化学会

細  川  幹  夫

通商産業省基礎産業局生物化学産業課

地  崎      修

工業技術院標準部繊維化学規格課

(分科会長)

久保田  正  明

工業技術院化学技術研究所化学標準部

喜多川      忍

通商産業検査所化学部化学標準課

藤  貫      正

社団法人日本分析化学会

飯  島  弘  淳

財団法人化学品検査協会

中  村      靖

日本鉱業株式会社

池  田  久  幸

社団法人日本分析機器工業会

坂  本      勉

オルガノメンテナンスサービス株式会社

中  村      穰

日本無機薬品協会

黒  木  勝  也

財団法人日本規格協会

芝  山      正

関東化学株式会社

飯  岡  寛  一

柳島製薬株式会社

足  立  一  雄

株式会社三共化学工業所

北  田  佳  伸

和光純薬工業株式会社

黒  瀬  正  守

株式会社松野園製薬所

村  松      潔

住友化学工業株式会社

猪  子  正  憲

鶴見曹達株式会社

(関係者)

吉  迫      守

多摩化学工業株式会社

中  野  忠  男

関東化学株式会社

(事務局)

大  越  市  郎

日本試薬連合会

○印は分科会委員を兼任