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K9798:2006

(1)

まえがき

この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,塩化ビニル管・継手協会(JPPFA)/日本プラ

スチック工業連盟(JPIF)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定す

べきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。


K9798:2006

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目  次

ページ

1.

  適用範囲

1

2.

  引用規格

1

3.

  定義

1

4.

  材料

2

4.1

  外層及び内層 

2

4.2

  中間層

2

5.

  管 

2

5.1

  種類及び記号 

2

5.2

  外観,形状及び構造

2

5.3

  寸法及び許容差

3

5.4

  性能

3

6.

  試験方法

3

6.1

  性能試験 

3

6.2

  発泡倍率試験 

4

6.3

  外観及び形状 

4

6.4

  寸法

4

6.5

  試験結果の数値の表し方 

4

7.

  検査

5

8.

  表示

5

8.1

  管の色

5

8.2

  管の表示 

5

9.

  取扱い上の注意事項

5


日本工業規格(案)

JIS

 K 9798

:2006

リサイクル硬質ポリ塩化ビニル発泡三層管

Unplasticized poly(vinyl chloride)(PVC-U) three layer pipes

with recycled foamed core

1. 

適用範囲  この規格は,屋内の無圧の排水配管に用いるリサイクル硬質ポリ塩化ビニル発泡三層管(以

下,管という。

)について規定する。

2. 

引用規格  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS B 7502

  マイクロメ−タ

JIS B 7507

  ノギス

JIS K 6739

  排水用硬質塩化ビニル管継手

JIS K 6815-1

  熱可塑性プラスチック管−引張特性の求め方−第 1 部:一般試験方法

JIS K 6815-2

  熱可塑性プラスチック管−引張特性の求め方−第 2 部:硬質塩化ビニル(PVC-U)管,耐

熱性硬質塩化ビニル(PVC-C)管及び耐衝撃性硬質塩化ビニル(PVC-HI)管

JIS K 6900

  プラスチック−用語

JIS K 7112

  プラスチック−非発泡プラスチックの密度及び比重の測定方法

JIS Z 8401

  数値の丸め方

JIS Z 8703

  試験場所の標準状態

ISO 2507-1

  Thermoplastics pipes and fittings−Vicat softening temperature−Part 1 : General test method

ISO 2507-2

  Thermoplastics pipes and fittings−Vicat softening temperature−Part 2 : Test conditions for

unplasticized poly (vinyl chloride) (PVC-U) or chlorinated poly (vinyl chloride) (PVC-C) pipes and fittings

and for high impact resistance poly (vinyl chloride) (PVC-HI) pipes

3. 

定義  この規格で用いる主な用語の定義は,JIS K 6900 によるほか,次による。

a) 

材料の定義

1) 

ポリ塩化ビニル  塩化ビニルの単量体の重合によって製造される樹脂。

2) 

未使用ポリ塩化ビニル  使用されていないか又はその最初の樹脂製造に必要な工程以外の加工工程

を受けていないペレット,粉末などの形状のポリ塩化ビニル。

3) 

再生ポリ塩化ビニル  管の製造業者の工場において,未使用ポリ塩化ビニルを使用して,あらかじ

め成形,押出しなどによって加工された後に,その同じ工場内で再加工されている裁ち落とし又は

不合格となった成形品のリサイクルに良好な部分から調製したポリ塩化ビニル。

備考  この再生ポリ塩化ビニルは,未使用ポリ塩化ビニルに対して特定された要求事項を満たし,未

使用ポリ塩化ビニルだけによって製造した製品と本質的に同等の品質の製品を生じる良好なも


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のに限る。

4) 

再利用ポリ塩化ビニル  清浄にして,かつ,粉砕した廃棄物品から調製したポリ塩化ビニル。

b) 

管の定義

1) 

三層管  外層,中間層及び内層の三層によって形成される管。

c) 

検査の定義

1) 

形式検査  管の品質が,設計過程で示す,すべての性能に適合しているかどうかを判定する検査。

2) 

受渡検査  管の受渡しのとき,必要と認められる性能に適合しているかどうかを判定する検査。

d) 

その他の定義

1) 

常温  JIS Z 8703 に規定する標準状態の温度を 20  ℃とし,その許容差を JIS Z 8703 の 3.1(標準状

態の温度の許容差)の温度 15 級(±15  ℃)とした温度状態で,20  ℃±15  ℃。

2) 

呼び径  管の口径を特定する呼称。

4. 

材料

4.1 

外層及び内層

a)

管の外層及び内層の材料は,未使用ポリ塩化ビニルを主体とし,管の性能に悪影響を及ぼさない良質

な安定剤,顔料などを加える。ただし,再生ポリ塩化ビニルを用いることもできる。

なお,可塑剤は添加しない。また,可塑剤を含む再生ポリ塩化ビニルを用いてはならない。

b)

管の外層及び内層の材料の性能は,

表 に示す性能項目の規定に適合しなければならない。

なお,

表 の性能の試験は,同表の適用箇条による。

  1  外層及び内層の材料の性能

性能項目

性能

適用箇条

引張降伏強さ  MPa   23

℃における引張降伏強さが 45 以上

6.1.1 

ビカット軟化温度  ℃ 76 以上

6.1.2 

4.2 

中間層

a)

管の中間層の材料は,硬質塩化ビニル管・継手類から作られた再利用ポリ塩化ビニルを主体とする。

なお,可塑剤は添加しない。また,可塑剤を含む再利用ポリ塩化ビニルを用いてはならない。

5. 

5.1 

種類及び記号  管の種類及び記号は,表 による。

  2  管の種類及び記号

種類

記号

発泡三層管 RF-VP

5.2 

外観,形状及び構造

5.2.1 

外観  管の外観は,内外面が滑らかで,使用上支障となるきず,割れなどの欠点があってはならな

い。

5.2.2 

形状  管の形状は,実用的に真っすぐで,かつ,正円とみなすことができ,その両端面は管軸に対

して直角でなければならない。

5.2.3 

構造  管の断面構造は,付図 のとおりとし,中間層は発泡層とする。

管の中間層の発泡倍率は,2.0±0.3 とする。

なお,発泡倍率は,6.2 によって算出する。


3

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5.3 

寸法及び許容差  管の外径,厚さ,及びその許容差は,付表 による。

5.4 

性能  管の性能は,6.1.36.1.4 及び 6.1.5 によって試験したとき,表 に示す性能項目の規定に適合

しなければならない。

  3  管の性能

性能項目

性能

適用箇条

耐圧性(

1

)

破損があってはならない。

6.1.3 

偏平性

割れ及びひびがあってはならない。

6.1.4 

呼び径

変位量 mm

力 N

 40

15

  13

以上

 50

15

  20

以上

 65

15

  34

以上

 75

15

  45

以上

100 10

790

以上

125 10 1

230

以上

管体曲げ強さ

150 10 1

680

以上

6.1.5 

(

1

)

試験温度は,常温とする。

6. 

試験方法

6.1 

性能試験

6.1.1 

引張試験  管の外層及び内層の材料の引張降伏強さの試験は,JIS K 6815-1 及び JIS K 6815-2 によ

る。ただし,試験は,同一材料で成形した管(

1

)

又は同一材料で成形した板(

2

)

から試験片を作製して行う。

なお,同一材料で成形した管(

1

)

から試験片を作製して行う場合は,JIS K 6815-1 の 5.(試験片)及び 6.

(状態調節)については,次の 6.1.1.1(試験片)及び 6.1.1.2(状態調節)によっても良い。

注(

1

)

  同一材料で成形した管とは,管の外層及び内層の材料と同一材料で成形した単層の管をいう。

注(

2

)

  同一材料で成形した板とは,管の外層及び内層の材料と同一材料で成形した単層の板をいう。

6.1.1.1 

試験片 

1)

  同一材料で成形した管(

1

)

からの短冊の採取は,JIS K 6815-1 の 5.2.1(管からの短冊採取)によって

行い,試験片の数は2個以上とする。ただし,同一材料で成形した管(

1

)

の色は灰色でも良い。

2) 

試験片は

図 に示す寸法に機械加工により作製する。

 

 

 

単位  mm

呼び径

L l B  b R 

40

∼150 100  35

15  10±0.5  25

図 4

機械加工による試験片の形状及び寸法

 
 


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6.1.1.2 

状態調節  試験前に試験片を 23℃±2℃で 60 分間以上状態調節する。

6.1.2 

ビカット軟化温度試験  管の外層及び内層材料のビカット軟化温度試験は,同一材料で成形した管

又は板から試験片を作製し,ISO 2507-1 及び ISO 2507-2 によって行う。ただし,試験片は,供試体から長

さ 10∼50 mm,幅 10 mm 以上の試験片を切り取り,厚さが 6 mm を超える場合は,外側を切削し,約 3 mm

に仕上げる。

6.1.3 

耐圧試験  管の耐圧試験は,供試管から長さ 1 000 mm  以上を切り取った試験片に,常温の水で 0.35

MPa

の水圧を加え,そのまま 1 分間保持し,目視によって調べる。

6.1.4 

偏平試験  管の偏平試験は,供試管から長さ 50 mm の環状試験片を切り取り,23  ℃±2  ℃で 60

分間以上状態調節後,これを 2 枚の平板管に挟み,管軸に直角の方向に 10 mm /min±2 mm /min の速さで,

管の外径が 1/2 になるまで圧縮し,割れ及びひびの有無を目視によって調べる。

なお,試験温度は 23  ℃±2  ℃とする。

6.1.5 

管体曲げ強さ試験  管の管体曲げ強さ試験装置の一例を,図 に示す。

供試管から切り取った長さ約 1 200 mm の試験片を,23  ℃±2  ℃で 60 分間以上状態調節後,水平な支持

台に間隔 1 000 mm で載せ,試験片の中央上部を管軸に直角の方向に 10 mm /min±2 mm /min の速さで,

 

3

の変位量まで試験片を圧し,そのときの力を調べる。

変位量は,水平な支持点から管最下点までの垂直距離とする。

なお,試験温度は 23  ℃±2  ℃とする。

  1  管体曲げ強さ試験装置の一例

6.2 

発泡倍率試験  管の中間層の発泡倍率 は,次の a)又は b)に示す方法によって求める。

a)

供試管から長さ約 200 mm の試験片を切り取り,質量をはかるとともに寸法測定によって内外層及び

中間層の体積を求め,式(1)によって発泡倍率を算出する。

(

)

oi

c

i

o

c

γ

γ

×

+

×

=

V

V

W

V

m

 (1)

ここに,

m:  発泡倍率

W:  試験片の質量(g)

Vo:  試験片の外層の体積(cm

3

)

Vi:  試験片の内層の体積(cm

3

)

Vc:  試験片の中間層の体積(cm

3

)

力の作用点及び支持点の形状


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γ

oi

:  内層及び外層の密度(g/cm

3

)

γ

c

:  中間層の未発泡時の密度(g/cm

3

)

  なお,γ

oi

及び γ

c

の値として 1.43 g/cm

3

を用いてもよい。

b)

供試管から内層及び外層を取り除いた中間層だけを長さ約 50 mm 程度の板状に切り取って試験片とし,

JIS K 7112

によって,この試験片の見掛け密度を小数点以下 2 けたまで求め,式(2)によって発泡倍率

を算出する。

γ

γ

c

=

m

 (2)

ここに,

m:  発泡倍率

γ:  中間層の見掛け密度(g/cm

3

)

γ

c

:  中間層の未発泡時の密度(g/cm

3

)

  なお,γ

c

の値として 1.43 g/cm

3

を用いてもよい。

6.3 

外観及び形状  管の外観及び形状は,目視によって調べる。

6.4 

寸法  管の寸法は,JIS B 7502 に規定するマイクロメータ,JIS B 7507 に規定するノギス,又はこれ

らと同等以上の精度をもつものを用いて測定する。

なお,内層及び外層の厚さは,目盛付きマイクロスコープ(拡大鏡)を用いて測定する。

6.5 

試験結果の数値の表し方  6.1.16.1.26.1.5 及び 6.2 の測定結果は,規定数値の 1 けた下の位まで

求め,JIS Z 8401 によって規定の数値に丸める。

7. 

検査  管の検査は,形式検査と受渡検査とに区分し,6.によって試験したとき,4.5.及び 8.に適合し

なければならない。

なお,検査時の試料の採取方法は,受渡当事者間の協定による。

a)

形式検査  形式検査は,次の項目について行う。

1)

外観

2)

形状

3)

寸法

4)

引張降伏強さ

5)

ビカット軟化温度

6)

発泡倍率

7)

耐圧性

8)

偏平性

9)

管体曲げ強さ

b)

受渡検査  受渡検査は,受渡当事者間の協定によって,次の項目の中から選択することができる。

1)

外観

2)

形状

3)

寸法

4)

偏平性

8. 

表示

8.1 

管の色  管の内外層の色は,灰青色とする。ただし,受渡当事者間の協定によって他の色を用いて

もよい。

8.2 

管の表示  管の外側には,容易に消えない方法で,次の事項を表示しなければならない。


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a)

種類又は記号

b)

呼び径

c)

製造年月又はその略号

d)

製造業者名又はその略号

9. 

取扱い上の注意事項  次の使用上の注意事項を,取扱説明書などに記入することが望ましい。

a)

管を屋外で保管する場合は,直射日光を避け,熱気のこもらない方法でシート掛けをするなどの対策

を行う。

b)

管には直接ねじを切ってはならない。

c)

管には,ある種の有機化合物,例えば,アセトン,シンナー,クレオソート,殺虫剤,白アリ駆除剤

など,管の材質に悪影響を及ぼす物質を吹き付けたり,塗ったりしてはならない。また,軟質塩化ビ

ニル製品,可塑剤を含む止水滑剤など可塑剤入り製品と管とが接触すると,可塑剤の移行によって管

が破損する場合があるので避けなければならない。

d)

温度変化などによる伸縮に対応するため,必要に応じて適切な場所に,伸縮性のある継手を設置する

などの対策を講じなければならない。

e)

使用する継手は,JIS K 6739  に規定されたもの,又は内面に管と段差が生じない構造の硬質塩化ビニ

ル管継手を使用する。

f)

接着剤は,必ず,清掃した管と継手との接合面の両面に薄く均一に塗布して,速やかに接合し,規定

の時間,挿入力を保持したうえで接合後は,はみ出した接着剤をふき取る。冬季の施工に当たっては,

管内に充満する接着剤の溶媒蒸気を追い出すために,換気などの対策を行う。

なお,接着剤は,継手の種類に応じた適正なものを使用しなければならない。

付図  1  管の構造


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付表  1  管の寸法

単位  mm

RF-VP

外径

全体厚さ

内層・外層厚さ

参考

種類 
区分

呼び径

基準 
寸法

最大・

最小外径 
の許容差

平均外径 
の許容差

最小

許容差

最小

概略 
内径

質量

(kg/m)

 40

 48.0

±0.3

±0.2 3.6 +0.8 0.3

40

0.455

 50

 60.0

±0.4

±0.2 4.1 +0.8 0.3

51

0.636

 65

 76.0

±0.5

±0.3 4.1 +0.8 0.3

67

0.819

 75

 89.0

±0.5

±0.3 5.5 +0.8 0.4

77

1.251

100 114.0

±0.6

±0.4 6.6 +1.0 0.5 100

1.945

125 140.0

±0.8

±0.5 7.0 +1.0 0.6 125

2.589

150 165.0

±1.0

±0.5 8.9 +1.4 0.7 146

3.840

備考1.  最大・最小外径の許容差とは,任意断面における外径の測定値の最大値及び最小値(最大・最小外

径)と,基準寸法との差をいう。

2.

平均外径の許容差とは,任意断面における相互に等間隔な二方向の外径の測定値の平均値(平均外
径)と基準寸法との差をいう。

3.

内層・外層厚さとは,管の任意断面における相互に等間隔な 4 か所の測定値の平均値をいう。

4.

表中の 1 m 当たりの質量は,中心外径・中心厚さ・最小内外層厚さにおいて,内外層の密度を 1.43

g/cm

3

,中間層の密度を 0.72 g/cm

3

で計算した参考値である。

5.

管の長さは,受渡当事者間の協定による。