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K 9705

:2013

(1) 

目  次

ページ

序文  

1

1

  適用範囲  

1

2

  引用規格  

1

3

  種類 

2

4

  性質 

2

4.1

  性状  

2

4.2

  定性方法  

2

5

  品質 

3

6

  試験方法  

3

6.1

  一般事項  

3

6.2

  試験操作上の注意事項  

3

6.3

  純度(C

4

H

8

O

)(GC  

3

6.4

  密度(20  ℃)  

4

6.5

  屈折率 

20

D

n

  

4

6.6

  水分  

4

6.7

  過酸化物(H

2

O

2

として)  

4

7

  容器 

6

8

  表示 

7


K 9705

:2013

(2) 

まえがき

この規格は,工業標準化法第 14 条によって準用する第 12 条第 1 項の規定に基づき,一般社団法人日本

試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正

すべきとの申出があり,

日本工業標準調査会の審議を経て,

経済産業大臣が改正した日本工業規格である。

これによって,JIS K 9705:1996 は改正され,この規格に置き換えられた。

なお,平成 25 年 9 月 20 日までの間は,工業標準化法第 19 条第 1 項等の関係条項の規定に基づく JIS マ

ーク表示認証において,JIS K 9705:1996 によることができる。

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実

用新案権に関わる確認について,責任はもたない。


   

日本工業規格

JIS

 K

9705

:2013

テトラヒドロフラン(試薬)

Tetrahydrofuran (Reagent)

C

4

H

8

O

    FW:72.11

O

序文 

この規格は,1984 年に制定され,その後 2 回の改正を経て今日に至っている。前回の改正は 1996 年に

行われたが,その後の試験・研究開発などの技術進歩に対応するために改正した。

なお,対応国際規格は現時点で制定されていない。

適用範囲 

この規格は,試薬として用いるテトラヒドロフランについて規定する。

警告  この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とする。

この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするものではない。

この規格の利用者は,SDS(安全データシート)

,MSDS(化学物質等安全データシート:JIS Z 

7250

‐2012 年廃止,猶予期間 2016 年まで)などを参考にして各自の責任において安全及び健

康に対する適切な措置をとらなければならない。

テトラヒドロフランは引火性が強いので,火気を避け,また有害なので,蒸気を吸入しない

ように,皮膚・粘膜に付着しないようにする。

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。

)を適用する。

JIS K 0050

  化学分析方法通則

JIS K 0061

  化学製品の密度及び比重測定方法

JIS K 0062

  化学製品の屈折率測定方法

JIS K 0068

  化学製品の水分測定方法

JIS K 0114

  ガスクロマトグラフィー通則

JIS K 0117

  赤外分光分析方法通則

JIS K 1107

  窒素

JIS K 8001

  試薬試験方法通則

JIS K 8005

  容量分析用標準物質


2

K 9705

:2013

   

JIS K 8576

  水酸化ナトリウム(試薬)

JIS K 8625

  炭酸ナトリウム(試薬)

JIS K 8637

  チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)

JIS K 8659

  でんぷん(溶性)

(試薬)

JIS K 8780

  ピロガロール(試薬)

JIS K 8913

  よう化カリウム(試薬)

JIS K 8951

  硫酸(試薬)

JIS R 3505

  ガラス製体積計

種類 

種類は,特級とする。

性質 

4.1 

性状 

テトラヒドロフランは,無色の液体で,水,エタノール及びジエチルエーテルに極めて溶けやすい。沸

点は約 65  ℃である。

テトラヒドロフランは,酸化されて過酸化物を生成しやすく,通常,2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノー

ル(BHT)

(質量分率約 0.03 %)などの酸化防止剤が添加されているものもある。しかし,酸化防止剤を

加えたものであっても,過酸化物は徐々に生成増加する。

4.2 

定性方法 

試料の赤外吸収スペクトルを JIS K 0117 に従って測定すると,波数 2 975 cm

-1

,2 860 cm

-1

,1 460 cm

-1

1 364 cm

-1

,1 182 cm

-1

,1 070 cm

-1

,911 cm

-1

及び 658 cm

-1

付近に主な吸収を認める。試料調製を JIS K 0117

の 5.4 a)(液膜法)によって行い,窓板に臭化カリウムを用いたときの赤外吸収スペクトルの一例を

図 1

に示す。

なお,試料には添加剤含有のテトラヒドロフランを用いた。


3

K 9705

:2013

図 1−赤外吸収スペクトルの例 

品質 

品質は,箇条 6  によって試験したとき,

表 に適合しなければならない。

表 1−品質 

項目

規格値

試験方法

純度(C

4

H

8

O)(GC)

質量分率 %

99.5 以上

6.3 

密度(20  ℃) g/ml

0.884∼0.889

6.4 

屈折率

20

D

n

1.406∼1.409

6.5 

水分

質量分率 %

0.05 以下

6.6 

過酸化物(H

2

O

2

として)

質量分率 %

0.005 以下

6.7 

試験方法 

6.1 

一般事項 

試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050 及び JIS K 8001 による。

6.2 

試験操作上の注意事項 

この試料は引火性が強いため,試験中は,火気厳禁とし,高温物,スパークを避け,強酸化剤との接触

を避ける。また,過酸化物を生成する性質があるので加熱,濃縮の際には注意する

1)

試験中は,試料の採取以外には容器を密閉しておく。

1)

  最後まで濃縮しない。

6.3 

純度(C

4

H

8

O

)(GC 

純度(C

4

H

8

O)(GC)の試験方法は,次による。

a)

器具及び装置  主な器具及び装置は,次のとおりとする。

1)

マイクロシリンジ又は試料導入装置  少量の定容量の測定溶液をガスクロマトグラフのカラムに導

入するマイクロシリンジ又は装置。


4

K 9705

:2013

   

2)

ガスクロマトグラフ  JIS K 0114 に規定するもの。

b)

分析条件  分析条件は,次による。

なお,別の分析条件でも同等の試験結果が得られることが確認されている場合には,その条件を用

いてもよい。

1)

検出器の種類  水素炎イオン化検出器

2)

固定相液体名  ポリエチレングリコール

3)

固定相液体の膜厚  0.25 μm

4)

カラム用キャピラリーの材質,内径及び長さ  石英ガラス,0.25 mm,30 m

5)

設定温度  カラム槽    60  ℃

試料気化室  110  ℃

検出器槽    250  ℃

6)

キャリヤーガスの種類及び流量   ヘリウム,1∼1.5 ml/min

7)

試料の導入方式  スプリット注入法(スプリット比  1:100)

8)

試料の導入量  0.2∼0.5 μl

c)

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料の導入及び記録  試料をマイクロシリンジ又は試料導入装置を用いてガスクロマトグラフに導

入してクロマトグラムを記録する。

なお,あらかじめ,テトラヒドロフランの保持時間を確認しておく。

2)

ピーク面積の測定  クロマトグラムのピーク面積の測定は,JIS K 0114 の 11.3 a)(データ処理ソフ

ト又はデータ処理装置を用いる方法)による。

d) 

定量法  各成分のピーク面積を測定し,JIS K 0114 の 11.5(面積百分率法)によって純度(C

4

H

8

O(GC)

を求める。

6.4 

密度(20  ℃) 

密度(20  ℃)の試験方法は,JIS K 0061 の 7.2(比重瓶法)又は 7.3(振動式密度計法)による。

6.5 

屈折率

20

D

n

屈折率

20

D

n

の試験方法は,JIS K 0062 による。

6.6 

水分 

水分の試験方法は,JIS K 0068 の 6.3(容量滴定法)又は 6.4(電量滴定法)による。容量滴定法の場合,

試料 10 g(11.3 ml)をはかりとり,溶媒はメタノールとする。電量滴定法の場合,試料 5.0 g(5.6 ml)を

はかりとる。

6.7 

過酸化物(H

2

O

2

として) 

過酸化物(H

2

O

2

として)の試験方法は,次による。

a)

試薬及び試験用溶液類  試薬及び試験用溶液類は,次のものを用いる。

1)

よう化カリウム  JIS K 8913 に規定するもの。

2)

水酸化ナトリウム溶液(300 g/l)  JIS K 8576 に規定する水酸化ナトリウム 30.9 g を水に溶かして

100 ml にする。ポリエチレン製瓶などに保存する。

3)

でんぷん溶液  JIS K 8659 に規定するでんぷん(溶性)1.0 g に水 10 ml を加えて,かき混ぜながら

熱水 200 ml 中に入れて溶かす。これを約 1 分間煮沸した後に冷却する。冷所に保存し 10 日以内に

使用する。

4)

ピロガロール・水酸化ナトリウム溶液  JIS K 8780 に規定するピロガロール 10 g を水酸化ナトリウ


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K 9705

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ム溶液(300 g/l)80 ml に溶かし,更に水酸化ナトリウム溶液(300 g/l)を加えて全量を 100 ml にす

る(必要な場合に用いる。

。この溶液は使用時に調製する。

5)

硫酸 11)  水の体積 1 を冷却してかき混ぜながら,JIS K 8951 に規定する硫酸の体積 1 を徐々

に加える。

6)

硫酸(115)  水の体積 15 を冷却してかき混ぜながら,硫酸の体積 1 を徐々に加える。

7)

溶存酸素を除いた水  次の 7.1)7.5)のいずれか,又はそれらの二つ以上を組み合わせたものを用

い,使用時に調製する。

7.1)

水をフラスコに入れ,加熱し,沸騰が始まってから 5 分間以上その状態を保つ。加熱を止め,フ

ラスコの口を時計皿で軽く蓋をして少し放置して沸騰が止まった後に,ガス洗浄瓶にピロガロー

ル・水酸化ナトリウム溶液を入れたものを連結するなどして空気中の酸素を遮り,冷却したもの。

7.2)

水をフラスコに入れ,水の中に JIS K 1107 に規定する窒素を 15 分間以上通じたもの。

7.3)

酸素分離膜をもつガス分離管を用いて水から溶存酸素を除いたもの。

7.4)

水を超音波振動装置で十分に脱気を行ったもの。

7.5) 18

MΩ・cm 以上の抵抗率のある水を,窒素を通じた三角フラスコに泡立てないように採取したも

の。ただし,採水後速やかに用いる。

8)  0.01 mol/l 

チオ硫酸ナトリウム溶液(Na

2

S

2

O

3

・5H

2

O:2.482 g/l)  0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶

液の調製,標定及び計算は,次による。

注記 0.01

mol/l チオ硫酸ナトリウム溶液の調製,標定及び計算は,JIS K 8001 の JA.5.2(滴定用

溶液の調製,標定及び計算)t) 3)と同じである。

8.1)

調製  JIS K 8637 に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物 2.6 g と JIS K 8625 に規定する炭酸ナト

リウム 0.2 g とをはかりとり,溶存酸素を除いた水 1 000 ml を加えて溶かした後,気密容器に入れ

て保存する。調製後 2 日間放置したものを用いる。

8.2)

標定  標定は,認証標準物質

2)

又は JIS K 8005 に規定する容量分析用標準物質のよう素酸カリウ

ムを用い,次のとおり行う。

8.2.1)

認証標準物質

2)

のよう素酸カリウムを用いる場合は,認証書に定める方法で使用する。

8.2.2)

容量分析用標準物質のよう素酸カリウムを用いる場合は,必要量をめのう乳鉢で軽く砕いて,

130  ℃で約 2 時間乾燥した後,デシケーターに入れて放冷する。

8.2.3)

認証標準物質

2)

又は容量分析用標準物質のよう素酸カリウム 0.3∼0.4 g を 0.1 mg の桁まではか

り,全量フラスコ 1 000 ml に移し,水を加えて溶かし,水を標線まで加えて混合する。その 25 ml

を共通すり合わせ三角フラスコ 200 ml などに正確にはかりとり,水を加えて 100 ml にする。次

に,よう化カリウム 1 g 及び硫酸(1+1)2 ml を加え,直ちに栓をして穏やかに振り混ぜて,暗

所に 5 分間放置する。指示薬としてでんぷん溶液を用い,8.1)で調製した 0.01 mol/l チオ硫酸ナ

トリウム溶液で滴定する。この場合,でんぷん溶液は,終点近くで液の色が薄い黄になったとき

に約 0.5 ml を加える。終点は,液の青が消える点とする。

別に,共通すり合わせ三角フラスコ 200 ml などに水 100 ml 及びよう化カリウム 1 g をはかり

とり,硫酸(1+1)2 ml を加え,直ちに栓をして穏やかに振り混ぜて,暗所に 5 分間放置し,同

一条件で空試験を行って滴定量を補正する。

2)

  容量分析に用いることが可能な認証書の付いた標準物質で,不確かさが算出され国際

単位系(SI)へのトレーサビリティが保証されたもの。ただし,認証書のある標準物

質を入手できない場合には,含有率が明らかな市販の標準物質を用いることができ,


6

K 9705

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その説明書に従って使用する。

なお,認証標準物質の供給者としては,独立行政法人産業技術総合研究所計量標準

総合センター(NMIJ)

,米国国立標準技術研究所(NIST)などの国家計量機関及び認

証標準物質生産者がある。

8.3)

計算  ファクターは,次の式によって算出する。

100

)

(

67

356

000

.

0

000

1

/

25

2

1

A

V

V

m

f

×

×

×

ここに,

f

0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター

m

はかりとったよう素酸カリウムの質量(g)

A

よう素酸カリウムの純度(質量分率  %)

V

1

滴定に要した 0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液の体積
(ml)

V

2

空試験に要した 0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液の体
積(ml)

0.000 356 67: 0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液 1 ml に相当するよう

素酸カリウムの質量を示す換算係数(g/ml)

b)

器具  主な器具は,次のとおりとする。

1)

共通すり合わせ平底試験管  色が確認しやすい大きさで,目盛のあるもの。例として,容量 100 ml,

直径約 23 mm のもの。

2)

メスピペット  JIS R 3505 に規定する最小目盛が 0.01 ml のもの。

c) 

操作  操作は,次のとおり行う。

1)

試料溶液の調製は,試料 5 g を共通すり合わせ平底試験管などにはかりとり,水 50 ml 及びよう化

カリウム 1 g を加えて溶かし,硫酸(1+15)5 ml 及びでんぷん溶液 1 ml を加えて振り混ぜ,メス

ピペットを用いて 0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液 1.47 ml を加える。ただし,0.01 mol/l  チオ硫

酸ナトリウム溶液のファクターが 1.00 でない場合は,加える体積を補正する。

2)

白の背景を用いて,

試料溶液の色を,

共通すり合わせ平底試験管などの上方又は側面から観察する。

d) 

判定  c)によって操作し,次に適合するとき,“過酸化物(H

2

O

2

として)

:質量分率 0.005 %以下(規

格値)

”とする。

試料溶液は,無色である。

注記  過酸化物(H

2

O

2

として)の含有率(質量分率  %)を求める場合は,次の式によって計算す

る。

100

05

170

000

.

0

×

×

×

m

f

V

A

ここに,

A

過酸化物(H

2

O

2

として)の含有率(質量分率  %)

V

0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液の体積(ml)

f

0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター

m

はかりとった試料の質量(g)

0.000 170 05: 0.01 mol/l  チオ硫酸ナトリウム溶液 1 ml に相当する H

2

O

2

の質量を示す換算係数(g)

容器 

容器は,遮光した気密容器とする。ただし,樹脂製の容器は用いない。


7

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表示 

容器には,次の事項を表示する。

a)

日本工業規格番号

b)

名称  “テトラヒドロフラン”及び“試薬”の文字

c)

種類

d)

化学式及び式量

e)

純度

f)

内容量

g)

製造年月又はその略号

h)

製造業者名又はその略号

i)

酸化防止剤の有無,酸化防止剤が添加されている場合は,その名称及び量